2002年12月24日「しんぶん赤旗」
来年度予算の財務省案で義務教育費国庫負担が2200億円削減されています。
義務教育費の国庫負担制度は、「義務教育無償」の原則にもとづき、教育の機会均等とその水準の維持向上をはかるため、教員の人件費の半額を国の責任として負担しているものです。
ねらいは数兆円規模
その削減は、自治体によって財政力に違いのある現状では、教育水準に大きな地域格差を生み出さざるを得ません。自治体は、教員の削減と学校の統廃合を迫られることになりかねません。
自治体をはじめ教職員組合などから義務教育費国庫負担の「堅持」を求める声が巻き起こっているにもかかわらず、財務省が削減を盛り込んだことは重大です。
見過ごせないのは、今回の削減がもつ意味です。
文部科学省は、約3兆1000億円(03年度必要額)の義務教育費国庫負担金のうち、退職手当、共済費(年金積みたて)などにかかわる約5000億円を4年間で削減する方針です。このうち、来年度は、共済費と公務災害補償基金にかかわる2200億円を削減するというのが、財務省案です。
このねらいについて、塩川財務相は、「芽だしだけしようと一番先べんをつけてくれたのが、義務教育費の中の教員の共済負担の一般財源化。非常に成果が大きい」とあけすけに語っています。
今回の削減は、突破口としての「芽だし」であって、今後、「この問題を一つのきっかけにとして、国と地方の財政負担を再構築したい」と宣言しました。
国から地方への財政保障制度の柱は、国庫補助負担金と地方交付税の2つです。
その廃止・削減の具体的方向は、6月に出された小泉内閣の「第2次・骨太の方針」(「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」に明記されています。
国庫補助負担金については、06年度までの「改革と展望」の期間中に数兆円規模の削減を目指すとしています。
国庫補助負担金は、約5割が社会保障関係費、約2割が文教・科学振興費です。それが数兆円規模で削減されれば、自治体の福祉と教育の水準を大幅に低下させることは火を見るより明らかです。
地方交付税についても、福祉や教育等の標準的な行政サービスを全国どこでも保障するという機能をなくしていこうとしています。
生存権を守り、地方自治の財政的保障をはかるという、地方交付税の果たしてきた役割を、根本から掘り崩すものにほかなりません。
義務教育費の国庫負担削減を「芽だし」にして、地方の財政を切り捨てようとする小泉内閣の企てを絶対に許すわけにはいきません。
国庫負担の堅持を
いま、多くの自治体では少人数学級へのとりくみが進んでいます。国の学級編制の基準は依然として「40人学級」のため、少人数学級の財源はすべて自治体の負担となっています。国の責任で少人数学級を実現することこそ、切実で緊急な課題です。
地方の努力に冷水を浴びせるべきではありません。
義務教育費の国庫負担を堅持し、少人数学級の実現についても地方まかせにせず国も財政負担の責任をはたすことを求めます。


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