2002年9月23日「しんぶん赤旗」より
小中学校で、国のクラス編成の基準を超えて、少人数のクラス編成をとる自治体が増えています。一人ひとりの子どもにゆきとどいた教育をするために「30人学級の実現」を求めてきた父母、教職員など国民のとりくみが実ったものです。
ところが、こうした努力に冷水をかけるかのように、小泉内閣が義務教育費の国庫負担制度の廃止・削減を打ち出しました。
憲法と教育基本法は「教育の機会均等」と「義務教育を無償で受ける権利」を保障しています。義務教育は、全国どこでも一定水準以上の教育条件、教育内容を保障されなければなりません。公立小中学校の教職員給与などの半額を国が負担する「国庫負担制度」は、義務教育への国の責任を果たすためのものです。この責任を後退させるのが小泉内閣のいう見直しです。
具体的にどんな案が検討されているのか。一つは児童・生徒数を指標として国の財政を支出するやり方です。現行の国の「40人学級」では、児童・生徒が40人から41人に増えれば2学級になり、その分の教員増は国庫負担の対象になります。しかし、仮に児童・生徒数を指標とした場合、国からのお金は子ども1人分となり、教員増の負担は地方にかぶさります。
学校栄養職員、事務職員の給与費を国庫負担の対象から外すことも検討されています。
こうした改悪が実施されれば、財政力の乏しい自治体では教育条件を維持することが困難になり、「教育の機会均等」や「義務教育を無償で受ける」権利が奪われかねません。多くの自治体が、「財政負担の転嫁のみならず義務教育の根幹にかかわる重大な問題」として声をあげているのは当然です。制度の堅持を求める意見書や要望書を国に出しているのは26の都道府県に及びます。
父母や教職員をはじめ国民が求めているのは、教職員の削減ではなく、30人学級などの少人数学級の実現です。そのための教職員の増員であり、教育予算の増額です。
自治体独自の少人数学級(公立小中学校)は低学年を中心に、北海道、青森、秋田、山形、福島、茨城、埼玉、干葉、新潟、長野、烏取、岡山、広島、山口、愛媛、宮崎、鹿児島、沖縄など約4割の自治体に及んでいます。しかし、教員を増やさずに実施している県や、該当する学級は一部にすぎないなど改善すべき点が残されています。問題の根源は、国が学級編成の基準を40人学級に据え置いたままにしていることにあります。
国の基準を上回る少人数学級のための費用はすべて自治体負担となっています。
本来なら、国の基準を30人学級とし、その費用の半額を国が負担すべきものです。「国の責任で30人学級の実現を」と関係者から強い声があがっています。
小泉内閣がこの声に耳を傾けようとしないばかりか、今度は国庫負担制度そのものを廃止・削減して義務教育への国の責任を後退させようとしている――。少人数学級に努力する地域住民との矛盾を深刻にせざるをえません。
少人数学級が1年の間に倍の自治体で実施されたように、父母、教職員、住民の教育条件拡充への思いは切実です。義務教育費の国庫負担制度の廃止・削減を許さず30人学級のとりくみを広げていきましょう。


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