2002年8月14日「しんぶん赤旗」より
十二日まで秋田市内で開かれた全国教職員学習交流集会(主催・教職員組合共同闘争推進連絡会)の「学校五日制と教育課程・学校づくり」分科会では、各地の教師が学校の様変わりを報告。完全五日制と同時におこなわれた新学習指導要領の全面実施や「進学競争」などが、教育現場に激しい矛盾をもたらしている実態を語りました。
指導要領が定めた授業時間を学校や子どもの実情を無視して「絶対確保せよ」という強制が各地でおこなわれています。
広島の中学校では時間確保のため毎日七時間授業をしたり、定期試験を三時間やったあと六時間目まで授業をやって「数合わせ」。PTA役員からも疑問の声が出ています。東京のある市では、台風で臨時休校になった時間についてまで、どうやって取り戻すか教育委員会が学校に報告を求めるなど、異常なチェックがおこなわれています。
多くの小学校で、高学年は週三日以上の六時間授業を実施。子どもはくたくた、教師も授業準備や事務作業の時間を奪われています。夜八時、九時を過ぎる勤務が日常化したり、土曜・日曜の出勤が当たり前になっている学校。普通の授業のほか選択教科や「総合的な学習の時間」を八時間も受け持ち、準備に追いまくられている教師もいました。
高知・山口などでは教育委員会が、少人数授業のための教師を配置するのと引き換えに、授業を持たない「空き時間」がなくなるようにすることを要求。低学年の担任が自分のクラスの子どもを帰したあと、高学年のクラスにいって授業をさせられたり、音楽の先生がほかの授業を受け持つなど、多忙化に拍車がかかっています。
東京の障害児学校の教師は、バス通学で一時間半もかかる子どもがいるにもかかわらず、授業時間を確保するために下校が遅くなり、障害の重い子は疲れて寝てしまったり、体調管理が難しくなっていると語りました。
京都や福井、長野の高校教師は、大学への進学率を上げるためとして、七時間授業や一コマ七十分授業、土・日曜日の補習など授業時間を競って増やしている実態を紹介しました。
こうしたなか、「子どもと自由にふれあい、話す時間がなくなった」「教師同士で子どもや職場のことを話すこともできない」「行事を子どもを主体に準備する時間がない」など、教育活動が貧困なものになっていることが話し合われました。「荒れの原因になるのでは」「不登校が増えるのでは」などの不安が出されました。
新学習指導要領により授業の内容も大変になっているとの声が多くの教師から出ました。
「漢字の書きの指導は上の学年でやることになったため、教科書では四年生の漢字に加えて三年生の漢字も出てくる。文学教材をじっくりやることもできず、漢字に振りまわされて一学期が終った。いっそうの漢字嫌いをつくるのでは」(新潟・小学四年生の担任)
「授業時数が減ったのに、教科書はいままで三ページ使って書いた内容を二ページに詰め込んだだけ。筋だけ追う授業になってしまう」(東京・中学校の社会科教師)
参加者は、こうした事態をどう打開するかと討論。職場で話し合ったり、父母に実態を知らせ、共同していくことの大切さが語られました。
大阪の小学校教師は、どの子にも基礎学力をつける教育課程をつくろうと教職員が新学習指導要領を批判的に検討・議論を重ね、父母の意見も聞きながら実践。高学年でも六時間授業は二日だけで、子どもの自主的な活動も保障でき、「五日制になってよかった」という声が出ていると報告。「教職員の共同と父母の理解で、授業時数の『上乗せ』攻撃をはねかえすことができた」と語りました。
山口県教組からは、「ちょっとコーヒーを飲みながら教育基本法や子どものことを話そう」というシールを張ったコーヒーを配布し、職場で語り合う雰囲気づくりを第一歩として進めていると報告がありました。
東京からは、週二十八コマの授業を要求する教育委員会の通知にたいし、組合支部が教育基本法にもとづいて教育課程の編成権は学校にあると説明を要求。その内容を全教職員に知らせ、交渉する中で、「二十八コマは参考」という回答を出させた経験が報告されました。


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