2002年7月23日「しんぶん赤旗」より
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小中学校で4月から実施された新学習指導要領で教科の内容が系統性なく削減され、「基礎的な学力がつくのか」との声が出ています。一方では、「5日制で学力が低下する」と、進学塾などが不安と競争をあおる傾向も。そうしたなか、「子どもたちに学ぶ喜びと確かな学力を」と、これまでの現場の蓄積を生かして自主的なカリキュラムや「教科書」づくり、授業研究をすすめる動きが教師たちの間に広がっています。 14日に東京都内で開かれた「検定外中学理科教科書」の編集会議。理科教育をなんとかしたいという人たちが全国から集まりました。多くは現職の教師。部活の指導を終えて駆けつける人、はるばる北海道から参加した人もいます。 「オオイヌノフグリという花は子どもは知ってますかね」「実物はあまり見たことないでしょう」「じゃあ、最初にこの名前が出てくると戸惑うのでは…」 |
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自身の授業の経験も出しながら、基礎的内容が身につき、「理科は面白い」と感じられる「教科書」をつくろうと活発に話し合いました。
中心になっているのは長年、理科の検定教科書を執筆してきた京都工芸繊維大学の左巻健男教授。検定では「濃度を%で表してはならない」など教科書の内容が厳しく制約されました。教師から「これでは子どもは興味を持てず、理解も進まない」という声が強まっています。左巻教授は今年1月、「批判だけでなく具体的対案を示そう」と「検定外教科書」づくりを呼びかけました。
全国で約200人が参加し、電子メールも使って討論をかさねています。中学校教師を中心に約60人が原稿を執筆。何度も検討、書き直しが繰り返されています。
来年3月までに中学1年〜3年生の副教材として発行する予定。左巻教授は「削られる前の指導要領にもどせばいいということではなく、質的にも根本から組み立て直すことが必要。自然の事物・現象を子どもと教師が一緒に探求するというものにしたい」と語っています。
「子どもが意欲的に学べる教育実践を」と、今年2月に全国各地の教師が呼びかけあって結成したのが「学びをつくる会」。6月に都内で開いた第1回集会には210人が集いました。親や学生も多数参加しました。
新指導要領のもとでも「子どもたちが基礎的・基本的なことを豊かに学べるようにしよう」と努力した算数や理科、総合学習の実践を教師たちが報告。子ども自身がさまざまなことを発見した授業、ある子どもの間違った発言から討論が深まった授業など、生き生きと学ぶ姿が語られました。
また、文部科学省が出した「学びのすすめ」によりドリル的学習や入試対策のための授業ばかりが強調される傾向や、パニックになる子や人間関係がうまくつくれない子が多いという現場の実情が出されました。「ストレスをためている子どもの内面を考えないと授業もうまくいかない」「いまの子は感性が鋭く、深い学びを求めている」と、子どもの現状にそくした教育実践の大切さが議論されました。
全日本教職員組合は、学習指導要領の見直しとともに、教職員の自主性と学校裁量を保障して「どの子にも学ぶ喜びと意味が実感できる学習と教育課程を」と提案。各地の教職員組合は、「教育課程は各学校でつくるもの」と自主的教育課程づくりの資料・実践報告集などを発行し、職場討議を呼びかけています。
東京都教職員組合は、具体的な実践にもとづいて各教科で子どもにつけたい力を「基礎学力試案」としてまとめたパンフレットを作製。「“うちの学校の教育課程”をつくろう」と訴えています。
京都教職員組合が作製した冊子は小中学校の全教科をはじめ総合学習、道徳などについても、授業づくりの考え方と実例を紹介。大阪教職員組合は、教育課程づくりの具体的な進め方がわかる実践報告をまとめた討議資料を発行しています。


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