2002年7月20日「しんぶん赤旗」より

理科教育「学力が心配」の声

新学習指導要領で教師は多忙化


 4月からの新学習指導要領の実施で理科教育はどうなったか―「理科カリキュラムを考える会」(世話人代表・滝川洋二国際基督教大学高校教諭)の調べで、多くの教師が多忙化を訴え、理科の教育内容に不安をもっていることがわかりました。「小中学校現場教師100人の声」としてインターネットで回答を募り、これまでに集まった53人の声を一次集約分として公表したもの。

断片的知識に

 「新教育課程が始まり、現場はどうなったか」の問いには、53人中40人が「忙しくなった」と回答。「ゆとりができた」は2人でした。

 忙しくなった理由としては、土曜日が休みになったぶん平日の授業が増えたことや、「総合的な学習の時間」、選択教科の増加があげられています。授業のない空き時間が減ったにもかかわらず、教材づくりや実験準備など授業の準備にこれまで以上に時間をかけなければならなくなっているためです。

 新しい学習指導要領にもとづいてつくられた教科書については、基礎的な内容が削られたことや、子どもの興味関心を引く内容が削られたことで、「子どもたちの理解をうまくつくれない」「断片的な知識だけとなり、自分たちの体験とつながった学習となるか疑わしい」などの意見が寄せられています。

 「学力低下の危ぐがある」とした人は46人に上りました。

 このため「指導要領の枠を超えていても、必要と感じた内容は授業で扱うようにしている」などの「対策」をとっている教師が少なくありません。

少人数学級を

 「どうすれば日本の理科教育はよくなるか」との問いには、理科の授業時間の増加やカリキュラムの改善のほか、少人数学級の実現、教員の増員、授業研究・研修時間の十分な保障などを多くの教師が求めています。


「小中学校現場教師の声」から

 ★多忙化

 従来の授業時間+総合学習2時間を持たなくてはいけなくなり、空き時間が少なくなり、授業準備や教材研究、生徒の生活ノートのチェック等に追われる(大阪)

 今までの土曜日の授業を平日の5、6時間目にぶら下げるというやり方が子どもにとっても、教師にとってもゆとりとはいえない現状をつくっている(東京)

 ★新学習指導要領・教科書

 学習内容が羅列的で、系統性が薄く、生徒たちにたいして教え込みになってしまう部分が多い(愛知)

 基本となるものも質・量ともに不十分。削られすぎた内容から来る「ゆとり」は真のゆとりではない(北海道)

 ★理科教育をよくするには

 理科の授業時間を増やす。教材研究の時間の確保。少人数学級での指導(埼玉)

 生徒に興味を持たせる教育をしていく。現行のカリキュラムでは、系統立てない結果だけを教え込む内容になっている(東京)

 理科でつけるべき学力を国民的な広がりをもって議論し、教育課程をくむときの考え方を根本的にあらためさせる(京都)

 自由で自主的な実践を保障する(東京)

 ※全文は、理科カリキュラムを考える会のホームページ(http://www.sh.rim.or.jp/~science/)で見ることができます。


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