2002年5月6日「しんぶん赤旗」より
学童保育(放課後児童健全育成事業)が、児童福祉法に基づく事業となって丸四年が経ちました。この間学童保育は、充実を求める保護者の運動の高まりもあって、国を動かし、「必要な地域すべてに学童保育を」と変化してきました。この四月からの「学校週五日制」にともなって、学童保育の役割はますます高まっています。保護者と議会の連携で、成果をあげている自治体の例の一部を紹介します。
学童保育は、「昼間保護者が家庭にいない児童」という、限定された事業で、固有の役割をもっています。一九九八年四月、法律によって初めて「放課後児童健全育成事業」(学童保育)として位置づけられました。
学童保育所は一万一千八百三十カ所(〇一年、全国学童保育連絡協議会調べ)ですが、まだまだ足りなく、あっても定員や学年が限られるなど、「待機児童」が生まれている地域もあります。
学校週五日制の実施により、土曜日の学童保育完全開設と充実は働く親の願いとなっています。
山梨県甲府市が小学一―三年生を対象に実施している留守家庭児童会(学童保育)が今期から夏、冬休み、学年末の休暇にも開設されることになりました。保護者の運動と日本共産党市議団の議会活動が劇的に行政を動かし、共働きの保護者らから「これで仕事をやめなくても済む」と喜びの声があがっています。
同市の学童保育は、土曜日や夏休みをはじめ学校休業日は休み、時間も午後一時から五時(冬は四時半)と短いことなどが問題でした。
夏休みに、保護者が自主的に開く「夏休み学級」の運営には、一カ所あたり約六十万円が必要でしたが、補助金が八万円と少なく、保護者は子ども一人当たり約二万円を負担してきました。
大勢の子どもたちを見ることに加え、外出企画の立案や安全確保などの苦労は、「『これでは仕事をしていた方が楽』という人がいるほどでした」(市学童保育連絡会の向井早苗会長)。
同連絡会の前身である市留守家庭保護者懇談会は二〇〇一年二月、長期休暇中の開設などを市に要請。同年六月に同連絡会が結成され、市保育所保護者連合会も全面的に協力して同年十月、当初目標を大きく上回る八千六百八十四人の署名を市に提出しました。
「保育園ではがんばれましたが、もう仕事をやめなければなりません」「不況の今日、母親の収入が家計を支えています。留守宅に子どもだけでいるのは心配です」――。署名といっしょに切実な声が出されました。
日本共産党市議団は一九九九年十二月議会から二〇〇二年三月議会までに八回、代表質問で学童保育の改善を要求、委員会でもとりあげました。
同連絡会の内藤司朗事務局長(日本共産党甲府・東山地区常任委員)は、「希望者が全員利用できるよう、また、保育内容の充実を求めていきたい」と話しています。(山梨県・清水英知記者)
新潟県上越市では、「カギっ子」をなくそうとの運動が実って、四月から三年生までの学童保育の対象を、六年生まで広げて実施するとともに、二カ所増設されました。学校五日制になったことで、土曜日は午前八時から午後六時まで運営され、子どもや父母から大変喜ばれています。
六年生までの学童保育は県内ではまだごく少数。四年前から「カギっ子ゼロの会」がアンケート活動や、昨年秋の市長選での公開質問状、新しく市長になった木浦正幸市長への要望などのとりくみをすすめ実現にこぎつけました。日本共産党も、樋口良子市議が議会で要望していました。
同会の会員で、国府小学校四年生になる娘がいる山本佐由里さん(32)は「四年生といってもまだ子どもで一人にさせるのが不安だった。早出・早帰り勤務したり、子どもに携帯電話を預けることも考えていました。引き続き学童保育ができることになって、安心して仕事ができるのでほっとしています。子どももまた、(学童に)こられて喜んでいます」と話します。
同じく長尾泰子さん(36)は「市長に面会し、願いにこたえていただきうれしかった。必要な人は利用できるようにし、教室や指導員の待遇も改善が必要。少しでも多くの人が利用できるよう、増設と充実を求めていきたい」と語りました。
同小の学童保育に通っていた三年生で、四年になっても引き続き残ったのは約半数の九人にのぼりました。市内全体では今のところ四年生が六十人、五年生が八人利用しています。父母からは「困ったときに預けられるという安心感があるだけでも助かる」「夏休みだけでも利用できるようにしてもらいたい」などの声があがっています。(新潟県・村上雲雄記者)
仙台市では、学童保育が二つの形態でおこなわれています。留守家庭児童会(以下児童会)と、児童館での児童クラブです。
この四月からの学校週五日制にあわせて、児童会の開設日が、拡大されました。土曜日開設と、長期休暇中の開設分の指導員の人件費についても市の補助がえられることになり、父母から喜ばれています。
私はこれまで、児童館も児童会もない「空白学区」、二つの形態の格差是正や事業の統一など、学童保育、児童館について、議会で継続して取り上げてきました。子育て支援策としての学童保育が立ち遅れていること、改善の必要があることは、議会内である程度共通の見解になってきました。今回の児童会の施策改善は、仙台市学童保育連絡協議会などの粘り強い運動の大きな成果だと感じています。
児童会の開設日の決定は、各学校ごとの運営委員会に任されていますから、今後とも父母会のとりくみが大切です。
これからは、児童会の家賃補助を半額から全額へ拡充させることや、児童クラブを充実させるために専任指導員の配置などが課題となります。
仙台市は、周辺自治体と共同して、「どこでもパスポート」を発行し、科学館や動物園など、市の施設への入場料金を、小中学生を対象に、学校が休日の日には無料にしました。これは子どもたちにも好評です。
しかし、それだけでなく、土曜休日によって市民は、子どもや親子が安心して楽しく過ごすことのできる身近な場所を求めています。
まだ直面したばかりの学校五日制です。子どもの健やかな成長を願うことを軸にして、学校・保護者・地域が協力しながら行政にも働きかけていきたいと考えています。(花木則彰・仙台市議)


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