2002年4月5日「しんぶん赤旗」より
いよいよ、完全学校週5日制が新学期から公立小中学校で始まる。
学力低下を心配する声もあるが、本来の目的である「ゆとり」の時間を有効に活用するため、子どもたちがスポーツに親しむ機会の拡大が期待される。
文科省の調査では、運動部やクラブに所属していない6歳から19歳の体力・運動能力の深刻な低下傾向が報告されている。
スポーツ活動は、体力をつけるだけではなく、人と人とのつながりを学ぶ大切な時間だ。学校週5日制は、欧州で盛んな地域スポーツクラブの土台を作る好機である。
しかし、その環境は劣悪なまま放置されている。
各地で、開放された学校施設や公共施設を使い、住民の自主的な指導による地域のスポーツスクール、スポーツクラブ、スポーツ少年団活動などが展開されているが、ボランティア指導者の情熱が頼りというのが現実だ。
学校部活動は、ともすれば学校対抗の勝利第一に流れがちで、チーム作りに重きが置かれて、せっかく入部しても落ちこぼれ感を抱いてスポーツ嫌いになる子どもが少なくない。
地域でのスポーツクラブは、あらゆるレベルの子どもたちがスポーツの喜びを体得することを理想としているはずなのだが、そのためにはキメ細かな指導が重要で、指導者を支える周囲の協力が不可欠である。
一人、二人の指導者だけでは、チーム作りが精一杯で、部活動と同じ状態に陥る恐れがある。長続きしない理由にもなる。
欧州の多くの国では、指導者まかせにすることなく行政やスポーツ団体が、施設整備、指導者への補助、運営の援助などさまざまな支援を行っている。
文科省は、スポーツ振興基本計画の柱として、上からの組織作りを特徴とする「総合型地域スポーツクラブ」の創設を目標としているが、小さなクラブの支援策は地方自治体に押しつけ、自治体は厳しい財政事情から支援策を削減する一方である。
日本体育協会の今年度予算は、国庫補助金が減額され、「サッカーくじ」の助成金をあてにするギャンブル頼りの編成となっている。スポーツ団体の地域支援もお寒いかぎりだ。
「スポーツ拠点は学校から地域へ」と提唱されているが、実現するには国や地方自治体の責任を持った政策転換が必要だろう。(スポーツ・ジャーナリスト)


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