2002年4月1日「しんぶん赤旗」より

主張

学校5日制

子ども本位の実りあるものに


 いよいよ四月から、学校の完全週五日制がはじまります。

 学校五日制自体は、子どもの権利条約がうたう「休息・余暇、遊び、文化的芸術的生活への参加の権利」(第三一条)を、日本の子どもたちに豊かに保障する「大事な一歩」になりうるものです。

基礎学力の保障は

 ところが、制度開始が近づくにつれて「学力が低下するのでは?」「土曜日の子どもたちの生活は?」との心配の声が強まっています。日本では、学校五日制を子どもにとって豊かなものとして定着させられるだけの条件が不十分だからです。

 とくに不安がつよい子どもたちの学力と土曜日の居場所の問題について、政府がまともな方策をもっていないことが、国民の不信を助長させています。

 それだけに、学校ですべての子どもに基礎的な学力を保障することや、地域に子どもたちの居場所をつくるための国民的な運動が大切になっています。

 文部科学省は、「学力の向上」をいいはじめたものの、「理解の進んだ子ども」の「力を伸ばしていく」ことを学力対策の中心にすえようとしています。

 四月実施の「指導要領」の原案をつくった三浦宋門・元教育課程審議会会長は、「これからはかけ算九九を言えなくて中学を卒業する子もでるだろう」という、とんでもない発言をしています。

 これでは国民の願いにこたえることはできません。

 すべての子どもに人間として必要な基礎的な学力を保障することは、子どもと父母の切実な願いであり、憲法と教育基本法が、学校教育の基本的な任務としていることです。

 「すべての子どもに基礎的な学力を」を学校教育の中心にすえ、学校や地域、社会全体のとりくみを強めることこそ、いまいちばん大事なことです。

 そのために、各学校の自主的で多様な教育を保障する▽「三十人学級」などの条件整備をすすめる▽新学習指導要領に代わる「学習の大綱」を国民的英知を集めてつくることが重要です。

 文部科学省は「指導要領」の「早期見直し」を言い始めていますが、これまでのような官庁主導の「見直し」では真の改革はできません。政府から独立し、幅広い国民の英知を集めて作業をおこなうべきです。

 現行の「指導要領」のように学校現場に強制するものではなく、学校・教師が参考にし、創意ある教育実践を保障するものにしなければなりません。

 地域に子どもたちが安心して楽しくすごせる場所が少ないことも、大きな問題です。

 たとえば児童館の場合、一中学区一児童館という国の目標に照らしても、その三分の一=約四千力所にとどまり、指導員が配置されないまま「開店体業」のところもあります。十代の青少年が気楽に集まれる公的な施設はほとんどありません。

 それなのに政府は、「今後どうするか」のまともな計画をもっていません。

地域に居場所を

 子どものための施設の抜本的な拡充、学童保育や障害をもつ子どもの居場所の条件整備を急ぎ、子どもと親、地域の自主的運動をいっそう広げることが大事です。

 親がゆとりをもって生活してこそ、学校五日制も豊かなものになります。おとなの週体二日制を保障することも欠かせません。


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