2002年1月19日「しんぶん赤旗」より

文科相アピール

文部行政の行き詰まり示す

学力格差広げる恐れ


 学校完全五日制とともに四月から実施される新学習指導要領には、国民の各層から「教科学習の時間の削減で学力はだいじょうぶか」など、かつてない不安や批判の声が上がっています。遠山敦子文科相が十七日発表した「学びのすすめ」アピールは、そうした批判を受けて出されたものです。

 文科省はこれまで「日本の子どもの学力はおおむね良好」としてきました。同省が新学習指導要領の実施直前になって、このようなアピールを出したこと自体、これまでの文部行政のゆきづまりを示すものといえます。

 アピールは、日本の子どもの学ぶ意欲が、諸外国と比べても低いことを問題だと認めました。そのうえで、対策として、習熟度別指導をすすめて「理解の進んでいる子」は「発展的な学習で力をより伸ばす」ことを強調するとともに、放課後の補習や家庭での宿題を増やして「学ぶ習慣」を身につけさせろなど、学校に細かく“口出し”をしているのが特徴です。

 勉強を苦役化し、子どもたちの学ぶ意欲を低下させてきたのは、管理と競争の教育の押し付けです。新学習指導要領はそこは変えないまま、教科学習をいっそう過密で非系統的にします。それに加えて今回、さらに補習や宿題をたくさんやらせろというのです。

 しかもアピールは、いっそう競争をあおる教育を各学校に指示しています。習熟度別指導を大々的に進め、「理解の進んだ子」には学習指導要領の内容を超えてどんどん進ませる、学習意欲を高めるために、読書の冊数、英語検定、漢字検定などの目標を立ててとりくませ、「達成した児童生徒を褒め、その結果を適切に評価する」――などが、それです。

 こうしたやり方は、子どもたちの学力格差をこれまで以上に広げ、意欲の低下をももたらすものでしかありません。

 この間、地方で大きな流れになっているのは、学級規模を小さくすることです。国もそこに踏み出すべきです。子どもと、現場で苦闘する教師の声に耳を傾け、学校・教師統制をやめ、現場の創意工夫を尊重し励ますことが求められます。

 (西沢享子記者)


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