平成十一年六月四日(金曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 高鳥 修君
理事 伊吹 文明君 理事 岩永 峯一君
理事 杉山 憲夫君 理事 虎島 和夫君
理事 山口 俊一君 理事 小林 守君
理事 田中 慶秋君 理事 若松 謙維君
理事 中井 洽君
飯島 忠義君 岩下 栄一君
衛藤 晟一君 小野寺五典君
大野 松茂君 金田 英行君
熊谷 市雄君 倉成 正和君
河本 三郎君 桜田 義孝君
実川 幸夫君 砂田 圭佑君
戸井田 徹君 中野 正志君
細田 博之君 牧野 隆守君
松本 和那君 水野 賢一君
宮島 大典君 宮本 一三君
森 英介君 山本 幸三君
吉田六左エ門君 渡辺 博道君
岩國 哲人君 大畠 章宏君
桑原 豊君 末松 義規君
玉置 一弥君 辻 一彦君
中川 正春君 中桐 伸五君
平野 博文君 藤田 幸久君
山本 譲司君 石垣 一夫君
大口 善徳君 佐藤 茂樹君
並木 正芳君 桝屋 敬悟君
小池百合子君 佐々木洋平君
西川太一郎君 松浪健四郎君
米津 等史君 石井 郁子君
春名 直章君 平賀 高成君
松本 善明君 畠山健治郎君
深田 肇君 保坂 展人君
出席国務大臣
法務大臣 陣内 孝雄君
大蔵大臣 宮澤 喜一君
文部大臣・国務大臣(科学技術庁長官) 有馬 朗人君
厚生大臣 宮下 創平君
通商産業大臣 与謝野 馨君
運輸大臣 川崎 二郎君
労働大臣 甘利 明君
建設大臣 関谷 勝嗣君
自治大臣 野田 毅君
国務大臣(内閣官房長官) 野中 広務君
国務大臣(総務庁長官) 太田 誠一君
国務大臣(環境庁長官) 真鍋 賢二君
出席政府委員
内閣審議官兼中央省庁等改革推進本部事務局長 河野 昭君
内閣審議官兼中央省庁等改革推進本部事務局次長 松田 隆利君
内閣官房内閣安全保障・危機管理室長
兼内閣総理大臣官房安全保障・危機管理室長 伊藤 康成君
総務庁長官官房長 菊池 光興君
総務庁長官官房審議官 大坪 正彦君
総務庁長官官房審議官 西村 正紀君
総務庁人事局長 中川 良一君
総務庁行政管理局長 瀧上 信光君
総務庁行政監察局長 東田 親司君
経済企画庁調整局長 河出 英治君
科学技術庁原子力局長 青江 茂君
科学技術庁原子力安全局長 間宮 馨君
環境庁長官官房長 太田 義武君
環境庁水質保全局長 遠藤 保雄君
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務省人権擁護局長 横山 匡輝君
法務省入国管理局長 竹中 繁雄君
公安調査庁長官 木藤 繁夫君
大蔵大臣官房長 溝口善兵衛君
大蔵大臣官房審議官 福田 進君
大蔵省主計局次長 坂 篤郎君
大蔵省理財局長 中川 雅治君
文部大臣官房長 小野 元之君
文部省生涯学習局長 富岡 賢治君
文部省初等中等教育局長 辻村 哲夫君
文部省教育助成局長 御手洗 康君
文部省高等教育局長 佐々木正峰君
厚生省生活衛生局長 小野 昭雄君
厚生省社会・援護局長 炭谷 茂君
厚生省老人保健福祉局長 近藤純五郎君
厚生省年金局長 矢野 朝水君
社会保険庁次長 宮島 彰君
通商産業省環境立地局長 太田信一郎君
資源エネルギー庁長官 稲川 泰弘君
運輸大臣官房長 梅崎 壽君
労働大臣官房長 野寺 康幸君
労働省職業能力開発局長 日比 徹君
建設大臣官房長 小野 邦久君
自治省行政局長兼内閣審議官 鈴木 正明君
自治省財政局長 二橋 正弘君
自治省税務局長 成瀬 宣孝君
委員外の出席者
衆議院調査局第三特別調査室長 鈴木 明夫君
本日の会議に付した案件
地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第九一号)
内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出第九六号)
内閣府設置法案(内閣提出第九七号)
国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出第九八号)
総務省設置法案(内閣提出第九九号)
郵政事業庁設置法案(内閣提出第一〇〇号)
法務省設置法案(内閣提出第一〇一号)
外務省設置法案(内閣提出第一〇二号)
財務省設置法案(内閣提出第一〇三号)
文部科学省設置法案(内閣提出第一〇四号)
厚生労働省設置法案(内閣提出第一〇五号)
農林水産省設置法案(内閣提出第一〇六号)
経済産業省設置法案(内閣提出第一〇七号)
国土交通省設置法案(内閣提出第一〇八号)
環境省設置法案(内閣提出第一〇九号)
中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一〇号)
独立行政法人通則法案(内閣提出第一一一号)
独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一一二号)
午前九時一分開議
――――◇―――――
○高鳥委員長 次に、石井郁子君の質疑に入ります。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。私は、きょうは文部行政の問題で質問させていただきます。
今回の法案は、地方分権を推進する趣旨で提案されているというふうに思うわけでございますが、戦後五十年、今教育は戦後最大の曲がり角に来ていると言っていいと思います。いじめ問題、子供たちの自殺、学級崩壊、大学生の学力低下など、どれを見ても、このままいけば二十一世紀の日本社会の土台を崩しかねない、こういう事態になっていると言わなければなりません。
画一化し硬直化した教育行政が学校教育、学校現場に何をもたらしたのか、このことの真剣な反省の上に、教育行政のあり方を変えなければいけない、大きく変更することが求められているわけでございます。
そこで、この教育行政における地方分権化という問題は、特に歴史的な意味があると思うのでございます。戦後の改革におきましては、明治以来続いた中央集権的な教育、あるいは画一的な統制を大胆に転換をいたしました。その場合に、第一に、教育行政の民主化の原理、第二に、教育行政の地方分権化の原理、第三に、教育の自主性確保の原理、こういう見地で教育委員会などが確立、制度化されてきたというふうに言えると思うのです。このことは、その当時、文部省が発行いたしましたさまざまな出版物にも書かれているとおりでございますね。
ところが、今回の法律案を見まして、私は、教育の地方分権を推進するどころか、逆行していると言わなければならないわけであります。私は、きょう、主に三点についてお尋ねをしたいと思います。
その第一は、学校教育法の改正部分なんです。ここでは、学校の設置認可、教育内容の基準設定などの主体を監督庁と定めて、附則百六条において、当分の間は文部大臣、何条は都道府県の教育委員会などとされていましたが、本則でこの当分の間がとられて、監督庁を文部省などと確定したわけですね。条文の十七項目が文部大臣と確定されたことになるわけでございます。
そこで、それこそ五十年前ですけれども、学校教育法が制定された当時、なぜ当分の間というふうにしたのかという問題なんです。この点で文部省は、行革推進本部の地方分権推進委員会のヒアリングにおきまして、このような説明をされているわけです。
学校教育法二十条で、教育課程は監督庁がこれを定めるとあり、監督庁は当分の間文部省とすることについて、古い話でわからない面もあるが、学校教育法が施行された時点で中央、地方の教育行政制度、法令が未整備であったために、こういう規定になったと考えている。これは、平成八年二月五日の会議の議事録に出ておりますけれども、なぜこのような説明をされたんでしょうか。この説明で、何かその後、変更されたというような事実はおありでしょうか。
○御手洗政府委員 大変恐縮でございますが、私自身、その会議に出ておりませんので、どういった説明をしたかということにつきまして、今先生からお伺いしたところでございますけれども、おおよそ古いことでございますので、必ずしも明確でないという意識を持っていたことは事実であろうかと思います。
この点につきましては、私どもといたしましては、その議事録にもございますように、学校教育法は昭和二十二年に制定されたわけでございましたけれども、現在の地方教育行政制度を担っております教育委員会ができましたのは、昭和二十三年に教育委員会法が制定されておりまして、このときに、確かに地方制度は明らかになっていないということで、各本条におきます監督庁の規定を、附則の百六条におきまして、すべて当分の間文部大臣と、こういうぐあいに規定したということは事実でございます。
その後、昭和二十三年に教育委員会法が制定されまして、その際に、百六条も第二項が新設をされまして、例えば高等学校や幼稚園等、地方の公共団体の住民の身近な事務に関するもの、こういったものの設置認可につきましては、都道府県の教育委員会に当分の間これをさせるというようなことに条文の整理がされているところでございますので、地方制度の制定に伴いまして、それなりの整理をしてきたという事実があるわけでございます。
○石井(郁)委員 今の御答弁にもちょっと出ておりましたけれども、やはり古い話だという言い方は私はとんでもないと思うんですね。だって、教育基本法と並んで、学校教育法というのは、文部行政の根本となるというか、基本となる法律じゃございませんか。それが、なぜ制定されたか、そのときの問題ですから、それはもう踏まえなければいけない話だと思うんです。
この問題は、きのうの質疑でも取り上げられておりましたから、ある面で繰り返すことにもなるんですけれども、一九四七年ですよ。これは政府委員の答弁でありますから、はっきりさせなければいけません。なぜ当分の間としたのかというのは、将来は各都道府県及び市町村に教育委員会というものを予想した、それが完成した場合においては、相当部分を都道府県、市町村に移しまして、文部大臣の権限から外していこうじゃないかという考えだったということでしょう。
私は、そういうことで、改めて伺いたいんですけれども、今の局長の御答弁のように、学校教育法ができて、次の年には教育委員会法もできているわけですね。それで、教育委員会というのが発足したわけです。ですから、私は、今回の改正で、教育委員会も続いているわけでありますから、立法の趣旨を生かそうとしたのか、それともそうじゃないのか、このことはぜひ伺っておきたいと思います。
○御手洗政府委員 学校教育法制定当時の昭和二十二年三月十九日あるいは三月二十四日におきます帝国議会貴族院あるいは帝国議会衆議院におきます政府委員の答弁があることは事実でございます。私ども、そういう形で、当時、制定過程におきまして担当者がそういう考え方を持っていたということは、これは間違いのない事実であると認識しているわけでございます。
先ほど申し上げましたように、こういった考え方のもとに、新たに教育委員会制度ができました際にそれなりの見直しを行っておりますのは、まさに当時の政府委員の答弁の趣旨に沿った措置であろうかと考えているわけでございます。
今回、地方分権推進一括法におきまして、この百六条の規定について見直しましたのは、そういった昭和二十二年あるいは二十三年、その後も一度、専修学校制度ができました際に法律改正を行っておりますけれども、そういったこれまでの五十年に及びます国と地方の役割分担が既に定着しているという現状を前提にいたしまして、今回、現在文部大臣が行っております規定を各本則におきまして文部大臣の権限とし、都道府県教育委員会が行っております権限を各本則におきまして都道府県教育委員会の権限として条文を整理するということによりまして、今回、百六条の規定を廃止するという改正をお願いしているところでございます。
○石井(郁)委員 ちょっと事実として伺っておきますけれども、読みかえ規定で文部大臣と定めていたのが十七項目で、それを全部文部大臣としたわけですね。さらに、読みかえ規定で明確化されていなかったものも新たに文部大臣とされたと思うんですが、それは何項目ございますか。――時間がもったいないですから、それは後でお示しください。
教育委員会制度ができて、ことしで五十年になるわけでしょう。先ほど現状が定着しているというふうに言われましたけれども、この現状というのは、立法の趣旨とは違った現状で定着しているんですね。そこが問題なんですよ。
私は、最初にお尋ねした点でまだ御答弁いただかないことがございますけれども、地方分権推進委員会のヒアリングに対する文部省の説明ですけれども、その後、それは訂正されるという事実はなかったわけですね。そうすると、地方分権推進委員会の皆さんには、文部省は、これは古い話だ、それから教育委員会や学校教育制度についての法体系が、特に教育委員会、地方の教育行政制度の法令が未整備であった、だからこれは当分の間としたんだ、こういう理解で終わったとしたら、私は重大だというふうに思うんですね。(発言する者あり)そうですよ。
だから、この問題では、やはりもう一度局長の御答弁をいただきたいと思うんです。いかがですか。
○御手洗政府委員 学校教育法の百六条の規定ができました経緯につきましては、私先ほど申し上げているとおりでございまして、この点につきましては、地方分権推進委員会の勧告におきましても、教育長の任命承認制度の廃止とそれに伴います新たな適材確保方策、さらには、それらに伴いまして教育委員会の活性方策、こういったものについて十分検討するようにという勧告をいただいているわけでございます。
文部省といたしましては、これらの勧告を踏まえまして、中央教育審議会におきまして、地方教育行政のあり方全般について検討を加えた結果、中教審の答申におきましては、附則百六条の規定の整理につきましては、今回法案で審議をお願いしているような形で整理するようにという御答申をいただきまして、それに従って法律改正の案文をお願いしているところでございます。
○石井(郁)委員 残念ですけれども、きちんと御答弁いただいていないんですね。
私は、この学校教育法の施行の当時の附則の理解をめぐって、この立法の趣旨は何だったのかということをお尋ねしているわけであります。だから、将来は都道府県に教育委員会ができる、それが完成したときには、そこに、文部大臣の権限から外して、相当の部分を都道府県や市町村の教育委員会に教育行政の権限を移していくんだとはっきり言っていたじゃありませんか。そこのところをねじ曲げているわけですね。これは本当に戦後の日本の教育行政を、ここからやはりゆがんできたと私は言わなければならないというふうに思うんです。
それから、先ほど現状がこうなっているからその現状をいわば追認したんだ、条文を整備しただけだというような御説明ですけれども、今この現状こそがやはり重大なんですね。
それは、臨教審、臨時教育審議会の答申で、既に十年以上も前にこの現状についての厳しい批判もあるじゃないですか。読み上げますと、臨教審の答申ですからまさに皆さんがおつくりになったものですよ、こう言っているわけです。
近年の校内暴力、陰湿ないじめ、いわゆる問題教師など、一連の教育荒廃への各教育委員会の対応を見ると、各地域の教育行政に責任を持つ合議制の執行機関としての自覚と責任感、使命感、それから次が大事なんですね。教育の地方分権の精神についての理解、自主性、主体性に欠ける。二十一世紀への展望と改革への意欲が不足していると言わざるを得ないような教育委員会が少なくない。
つまり、教育委員会がやはり活性化していない、地方の教育委員会にいろいろ問題があるようだ、それはやはり地方分権の精神に基づいていないのじゃないかということを言っていたじゃありませんか。そのことが、もう十年以上たって、今回の改正で、では地方の教育委員会に本当に活性化するような道が開かれたのか、そこが問題なんですよ。ないじゃないですか。そういう意味で私は質問しているわけであります。
さて、その立法、制定の当時は、やはり市町村の教育委員会に大変な権限を与えていました。これは当時の文部省が発行の、いろいろ資料がございますけれども、例えば教育委員会設置の手引だとか、ちょっと古いものですけれども、私は読んでみました。本当に重要なことが書いてございます。それは、市町村の教育委員会まで人事権、教育内容も含めて権限を移していくという方向でしょう。それで、この手引ですけれども、教育委員会の職務権限ということまで書かれておりまして、教科内容及びその取り扱いについて、教育用図書の採用に関することなど、十八項目にわたって述べてあります。
だから、法整備云々、法整備が未整備だったというのは、私はとんでもないと思うのですね。やはり当時、真剣な努力の中で、こういう教育委員会をつくろうということをしてきたじゃありませんか。それが地方分権の方向だったというふうに思うわけであります。
そういうことで、私は、まさに現状、五十年以上たった今日、この地方に権限を移していくという立場に立つべきであって、それを、そうではなくて逆に文部大臣に権限を集中する、それが今回の方向だというのはとんでもないと言わなければなりません。今回は、この学校教育法の当分の間を外した分について言いますと、分権化法と言えるものではなく、むしろ文部大臣の権限の固定化だ、永久化だと言わなければならないと思うわけであります。今後、地方に教育権限を本当に移譲する気があるのかないのか、このことが一つ。
それから、私は、そういう意味では、今何も文部省を監督庁として定める必要はないし、監督庁としてこういう項目で握る必要はないと思うのです。そういうふうに考えるわけです。しかし、今回こういう法整備が出されておりますけれども、十七項目、ずっと文部大臣が権限をこの先も握って放さないというつもりなのかどうかという問題。
それから、ちょっと一つ例を申し上げますけれども、例えばこの中には、十一条で、児童生徒というか学生も含めて、懲戒という問題もあるでしょう。つまり、退学処分だとか停学処分だとかという問題は、今大変大きな社会問題でもありますし、子どもの権利条約が批准されたという状況や世界の流れを見てみますと、ここの項目などは、私はぜひこれは見直しが必要だというふうに考えているわけですけれども、そういうことも含んで、この十七項目、たくさん問題があるわけですよ。その点で、文部大臣の御所見をぜひ伺いたいというふうに思います。
○有馬国務大臣 見直すことがあるかどうかということでございますが、まず、これまでの教育行政において、当分の間監督庁を文部大臣として国の権限とされたものについては、いずれも、学校教育法が制定されて以来、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るという観点から、国の役割として定着しているものと考えている次第であります。地方分権推進計画や中央教育審議会答申で示されております国の役割に照らして、今後とも国が担うべき事務であると考えております。
なお、今回、学習指導要領を改訂し、そのさらなる大綱化、弾力化を図ったところでありますが、国が学校教育法に基づき監督庁として定める基準等の内容につきましては、今後とも、中央教育審議会答申の趣旨を十分に尊重して、必要な見直しを図っていきたいと思っています。
しかしながら、今後、地方分権の進展や各地域、各学校の状況を踏まえながら、引き続き見直しを行っていくことが必要と考えております。
国の役割というのはどういうものかということについて考えてみますと、今申し上げましたことも含むわけでありますが、教育行政においては、憲法で定められた国民の教育を受ける権利を保障するため、国、都道府県、市町村がそれぞれの責任と役割を果たしながら互いに連携協力して、全国的な教育の機会均等を確保し、教育水準の維持向上を図っていくことが基本と考えております。
このような観点からは、国は、学校制度等に関する基本的な制度の枠組みの制定、学校の設置基準や教育課程の基準など全国的な基準の設定、義務教育費国庫負担など地方公共団体における教育条件の整備に関する支援、学校運営や教育内容等に関する指導、助言、援助など、教育事業の適正な実施のための支援措置ということを担っていると考えております。
先ほど既にお答え申し上げましたけれども、さまざまな点で見直しということは今後あり得ると思います。
○石井(郁)委員 どうもありがとうございました。
私、二つ目の問題ですけれども、今大臣に申し上げましたように、どうも文部省が権限を固定化する、永久化するという方向が出されているということを指摘しましたが、さらに権限が強化されるのではないかということもありまして、その点で質問をいたします。
それは、地方教育行政組織法と簡単にしておきますけれども、措置要求の問題がございますね。五十二条の措置要求の項目は削除されています。そのことを見る限りは、これは全く是正勧告だとか措置要求がなくなったのかなというふうに思われるわけですが、そうではなくて、この部分は地方自治法に一本化されるということですね、ここでもたびたびいろいろ質疑がされておりますけれども。では、この措置要求、地方教育行政組織法の措置要求の規定というのは、地方自治法でどうなっていくのかということをお尋ねしたいと思います。
○有馬国務大臣 従来は、御指摘のように、地方教育行政法に基づいて文部大臣が措置要求できたところでございます。今回の改正により、この規定が削除されました。
今後は、地方自治法の改正規定に基づいて、地方公共団体における教育に関する事務の処理について、それが法令の規定に違反していると認められる場合、または著しく適正を欠き、かつ明らかに公益を害していると認められる場合には、地方自治法に定める要件及び手続により、都道府県または市町村に対し、是正の要求、是正の指示を行うことができるというふうになるものと考えております。
こうした地方自治法の規定の趣旨に沿って、今後とも、適切に処理していきたいと思っております。
○石井(郁)委員 それでは、今の御説明ですと、結局、地方自治法のもとで是正措置要求というか勧告等々が出されていくということですが、この中身といいますのは、やはり地方公共団体が違反の是正または改善のための必要な措置を講じなければならないということで、かなり強制力、あるいは義務として課せられているというものですね。それは確認してよろしいですか。
○御手洗政府委員 現行の文部大臣の措置要求に関する規定は、内閣総理大臣の措置要求に関する規定と基本的には同じ考え方で私ども解釈をし、運用しているところでございますので、今回の改正によりましても、地方自治法の一般原則に基づいてこれを行うということでございますので、従来の考え方と基本的には変わっていない、このように考えているところでございます。
なお、先ほど答弁、大変手違いがございましておくれてしまいましたけれども、百六条の第一項関係で、監督庁の権限を当分の間文部大臣としているという形で、明確に、今回百六条の規定を廃止いたしまして、本則に書きました事項が、文部大臣につきましては十四項目でございます。
これ以外に、例えば大学や高等専門学校の設置認可等の廃止あるいは大学等の入学資格等に関する監督庁の権限、こういったものにつきましては、百六条の規定の中にはこれを当分の間文部大臣とするという具体的な指示がございませんで、学校教育法本則の中に、例えば六十四条におきまして、大学に関する事項は文部大臣がこれを所管するというような権限、あるいは国立学校設置法一条の規定等に基づきまして、これを文部大臣の権限という形で従来からも運用してきたところでございまして、この際、各本則の条文におきまして、これらにつきましても、あわせて文部大臣の権限という形で条文を整理させていただいているところでございます。
○石井(郁)委員 措置要求の問題でございますけれども、今の御答弁ですと、地教行法五十二条で削除された部分と今度一般自治法に移された部分とでは基本的に変わらないという御答弁なんですけれども、私は、変わらないことはいいことのようには思うんですけれども、しかし、本当にそういう理解でいいのかどうか、これはちょっと事実の問題として確かめなければいけません。
といいますのは、現行法で勧告や措置要求、やはり文部省として、都道府県あるいは都道府県議会が出した部分かもしれませんけれども、出されてまいりました。その場合は決して義務ではありません。もちろん罰則もないということは、当国会での議事録にも十分あるわけですよ。私は今お話を伺って、では文部省は従来の答弁を今回変えることになるのかというふうに思うんですね。というのは、ちょっと例を出します、わかりにくいと思うんですけれども。
実はこの問題で重大なことは、教育委員の公選制の問題で、東京都の中野区というところで準公選制度を取り入れたことがございますね。三回にわたって投票があり、教育委員会の公選制度が一時期続けられたわけですけれども、この中野区の準公選制の教育委員会の実施について措置要求が出されています。しかし、措置要求は出されたけれども、決してこれは義務とかあるいは強制とかあるいは罰則を科すというものではなかったということが、国会の議事録の中には出ているわけですね。
ちょっと局長に伺いますが、では当時のその答弁は誤りだったということになるんでしょうか。
○御手洗政府委員 具体的な答弁につきまして、手元にございませんので確認できませんが、中野区の準公選制度にかかわりましては、文部大臣が措置要求をした経緯はございません。これは、地方自治法の二百四十五条の規定に基づきまして、中野区の準公選条例が地方教育行政の組織及び運営に関する法律に定められている法律上の権限を越えているということで、勧告という形でその是正を求めた経緯があるわけでございます。
○石井(郁)委員 だってこの問題は、国会でも大論議になって、議事録だって相当あるわけでしょう。だから、文部省は当然そういうことは踏まえられているわけでして、私がここで明らかにしたいことは、それは地方自治法の全体とも関係するわけですから言っているわけですけれども、これは答弁の中で、今回の地方自治法の中に盛られる是正措置要求というのはやはり法的な義務を負う、これは我が党の議員の質問に対して、法的な義務を負うのか負わないのかというふうに聞きましたら、これはやはり是正、改善する義務を負うという御答弁だったわけですね。だから、措置要求というのは、そういうことに今度はなるんだ、それを今度文部大臣がもし発した場合には、それは文部大臣か都道府県が発するかもしれませんけれども、必要に応じて義務を負うものだということになるわけですね。
しかし、先ほど局長が言われましたけれども、中野の準公選制のときの勧告というのは、文部省はやはり通知としても行政指導しているわけですよ。それで勧告もしているということですが、それはどういうものなのかということで、それに対する答弁で、この当時高石政府委員が答えていますね。地方公共団体が従わなかった場合に罰則を適用するとか罰則の規定があるというような仕掛けになっていないわけでございます、こう言っているわけでしょう。では、こういう措置要求の理解と今度の理解と同じだということにならないじゃないですか。おかしいですよ。はっきりさせてください。
○御手洗政府委員 先ほどの答弁の繰り返しになりますが、文部省といたしましては、昭和五十九年三月五日付で、中野区長あて、文部事務次官名で「中野区教育委員会の委員の選任に関する事務の改善について(勧告)」という形で、先ほども申し上げましたように、今御指摘ございました地方自治法第二百四十六条の二と同じ規定でございます地教行法第五十二条に基づく文部大臣の措置要求という権限ではなくて、直接二百四十五条に基づきます主務大臣の都道府県教育委員会に対する勧告ということで通知を出してございますので、基本的な根拠条文が違いますので、委員の御指摘の今回のこの措置要求に関する答弁とは分けて御議論いただければと思う次第でございます。
○石井(郁)委員 そうしたら、当時も地方自治法の二百四十五条に基づいて勧告を出したということですか。そういうふうに聞いたわけですが、そういうことでよろしいですね。
しかし、私は一般的には、なぜ地方教育行政組織法の五十二条が削除されて地方自治法に一括されるのかという問題と、それから、先ほど来中野の準公選制をめぐる国会の論議で政府委員が答弁されていることと、今回とはやはり全然違うと思うんですね。やはり違いますよ。ですから、明らかに、今度は地方自治法の中での、文部省が一層是正措置要求ができるという権限が強化されるというふうに理解するのが私は自然ではないかというふうに思うんですね。そういう意味で、やはりこれは重大な問題だと言わなければならないと思います。
実際、先ほども文部省の方は教育委員会の問題について、いろいろ文部省のお考えもあるかもしれませんが、本当に教育委員会の活性化というような問題でいきますと、やはり地方教育行政法そのものが教育委員会の公選制をつぶし、任命制を導入するという形で、あるいは教育委員会の権限縮小という形で教育委員会の主体性、自主性をそいできたんですね。
そういうもとでこういう中野の準公選制という問題もあったかと思うんですが、私は本当にこの問題で、今教育委員会にちょっと話を戻しますけれども、教育委員会制度がある、この形があるわけですから、そこにやはり魂を入れるということが大事だと思うんですが、その魂とは何かといえば、これは実は地方分権の勧告の中にもはっきりあるように、やはり住民の意向を反映させるとか尊重する、教育行政にはそれはどうしても必要なことなんですね。そういうことで考えると、本当に中野の準公選制の財産というのは、今やはり光っていると言わなければならないというふうに思うんです。
しかし、きょうはその問題でここで議論するわけではありませんので、私はどうしてもまだちょっと、先ほどの局長の答弁ですっきりはしないんですけれども、要するに、地方自治法の是正措置要求ということで、文部大臣の権限が一層強化される、今までと違った事態になるというふうに考えざるを得ないわけですが、その問題を指摘させていただいたわけであります。
三つ目の問題ですけれども、これも現行の地方教育行政組織法の第四十八条ですけれども、ここでは、都道府県または市町村の教育委員会に対して、文部省が「必要な指導、助言又は援助を行うことができる。」。「行うものとする。」という条文が「行うことができる。」というふうに今度変えられたわけですよね。この問題に関して伺いたいというふうに思います。
この指導、助言、援助は、これもまた大変広い範囲にわたっているわけでしょう。学校の組織編制、教育課程がありますし、また校長や教員の研究集会、講習会、いわば研修に当たる問題もございますし、そのほか社会教育の分野もあり、十一項目が対象となっているわけですね。
実は私は、この問題をめぐっていろいろ現場から意見も聞いているわけでございまして、例えばその中には、これは今マスコミでも時々取り上げられ、話題にもなるわけですけれども、指導要録への記入問題、この記入の仕方あるいは開示の問題というのはありますよね。
こういう事件があるわけです。これも文部省の方針のもとで、例の、関心とか意欲とか態度という新学力観と言われるもので、人格評価に当たる部分も記入しなければならないというふうになりましたね。しかし、現場では、そういうことはやはりできないと、していないところもあるわけです。ところが、ある教育委員会が、五年間にわたって記入しなかった先生を呼び戻して、それをやはり記入しろと。しかし、その先生は転勤していらっしゃるわけですね。そういうことまで起こっているわけです。それから、各都道府県が初任者研修あるいは経験者の研修などをしていると思いますけれども、その研修のときの資料、どういう資料で研修しているのか、文部省が来て、それを全部持って帰るという話もあるわけです。
ですから、文部省は本当に地方に対して、地方の自主性どころか、やはりそういう介入をしているじゃありませんか。私は、ここで伺いたいのは、こういうことが指導、助言、援助なのかという問題ですね。いかがでしょうか。
○有馬国務大臣 具体的なことに関しては今お答えをいたしませんが、従来、文部大臣または都道府県教育委員会は、地方公共団体に対し、指導、助言、援助を行うものとするとされておりました。これは先生御指摘のとおりであります。今回の改正により、指導、助言、援助を行うことができると改めたものであります。
これによって、中央教育審議会の答申、昨年の九月に出された答申でございますが、それで指摘された、文部省や都道府県教育委員会の指導助言が法的拘束力があるかのように受けとめられたり、都道府県、市町村の自主的判断を過度に制約したりするなどの問題点が改善され、また、指導行政に係る文部省を初め教育関係者の意識改革が図られるなどの効果があらわれるものと考えております。
○石井(郁)委員 もう一度確かめたいんですけれども、今までの指導、助言、援助を行うものとするから、行うことができるというふうに変えた趣旨については、中教審の答申を引用されて御答弁されたと思うんですけれども、しかし、今の御答弁ですと、受け取る方が、都道府県や教育委員会の方が、法的拘束力があるかのように思っているからそうしたんだということですね。文部省がされる内容、文部省がされるやり方、そこが変わるのか変わらないのかということを、はっきりさせてほしいというふうに思うんですね。行うこととするから、行うことができるということで、文部省としては何が変わるんですか。具体的にお示しください。
○有馬国務大臣 やはり、今までのように、法的拘束力があるというふうに判断されるようなことはなくなると思っております。そういう点で、随分変わっていくと思います。
○石井(郁)委員 法的拘束力がないのにあるかのように受け取っているという話も変ですけれども、もっと具体的に、私、ぜひお聞きしたいなと。文部省として、指導、助言、援助ということでいろいろなことをやっているじゃありませんか。それが、では変わらないということですね、結局。
○御手洗政府委員 まず、条文上の御説明をさせていただきたいと思います。
今回、指導、助言、援助を「行うものとする。」という規定を「行うことができる。」ということによりまして、法律的な意味といたしましては、従来これが、文部大臣あるいは都道府県教育委員会の責務というぐあいに観念をされていたのに対しまして、今後は、文部大臣あるいは都道府県教育委員会の主体的な判断による権限、こういう形で、法律的には私ども整理されたものと考えているわけでございます。
中教審の答申におきましては、今後の指導助言行政のあり方といたしましては、情報の収集、提供などの支援的な機能を重視していくことという観点と、それからもう一方、学校の管理運営が教育基本法あるいは学校教育法等の基本的な法令に違反することがある場合、こういったものについては、指導ということを通じて、それはもちろん法令違反は、みずから行政執行の主体であります教育委員会や学校において、法令に基づいて正していかなければならない事項でございますけれども、そういった法令に基づいてきちっとするようにといった意味での指導、こういったものにきちっと整理していくという御指摘があるわけでございまして、私ども文部省の職員といたしましても、この法律改正をきっかけにいたしまして、都道府県教育委員会あるいは市町村の教育委員会を含めまして、こういった方向で指導助言の適切な運営が図られるよう努力をしてまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 いろいろおっしゃいましたけれども、結局、何が変わるのかといえば、どうも変わるようには考えられないわけですね。私は、こういうところも大変問題のように思っています。
関連しまして、この四十八条の二項目めなんですけれども、さらに、市町村に対する指導、助言、援助に必要な指示をすることができるというふうになってございますね。これは全く新たに加わったものじゃないでしょうか。しかも、指示ですから、法律用語的にも、都道府県に対して指導、助言、援助、さらに指示ということで、一層義務を生じさせるのではないかというふうに思うんですが、これを入れた内容、御説明ください。
○御手洗政府委員 御指摘のとおり、今回、地教行法四十八条三項という規定を新設したわけでございます。これは、改正後の四十八条第一項の指導、助言、援助のうち、法定受託事務として都道府県の教育委員会が行うものに対しまして、文部大臣が都道府県教育委員会に対しまして必要な指示を行うことができるための規定でございます。
これは、地方分権推進計画におきましても、法定受託事務に対する基本的な関与の類型として認められているわけでございまして、今回、地方自治法の改正案におきまして、二百四十五条の四第二項に、各大臣は、都道府県知事その他の執行機関に対し、市町村に対する助言もしくは勧告に関し、必要な指示をすることができるという規定と平仄を合わせたものでございます。
○石井(郁)委員 結局、かなりというか、こういう形で指導、助言、援助、指示、いろいろ文部省が細かく指導できるという、これはやはり強化されているわけですね。問題は、しかし本当に現状でいいのかということなんですよ。私、最初にそれを申し上げました。
私は、ここでちょっと御紹介したいんですけれども、昨年は、教育基本法制度ができて五十年ということで、いろいろ行事がございました。そして、いろいろな出版物もありました。これは文部省が出されているものでございますよね。この中で、私は大変びっくりする一文にお目にかかったんです。
これは前鹿屋体育大学長ですね、今村武俊先生、「教育委員会発足五十周年に望む」という文章なんです。今村先生といえば、文部省関係者の皆さんはすっとおわかりになるような、本当に文部省の中での重鎮だと思うんです。戦後ずっと教育行政の中枢を担ってこられた、文部省初中局長を初めとして各局長をされた方ですよね。その今村先生は、こういうふうに書いていらっしゃいます。
文部省としては、教育行政の地方分権化、教育委員会の自主性の尊重という理念はしばし抑えても、教育行政の一枚岩の団結を確保せざるを得なかったのであるが、残念ながら、その期間が長くなり過ぎてしまった。そのため、教育行政の硬直化、超保守主義を招き、国民や住民の意向を進んで実現するという態度にブレーキがかかることになった。そして、調査報告制度、補助金制度、教育長の承認制度などにより教育委員会に手かせ足かせをはめていた。手かせ足かせの拘束の中で自主性を発揮せよという注文は、どだい無理な要求というものであった。
私は、やはり本当に今、こういう文部行政、文教行政の転換が必要になっているというふうに思うんですね。こういう手かせ足かせを課してきた文部省、そして都道府県の教育委員会の役割や仕事を十分発揮させることができなかったという問題があるんですね。
この点では、後でぜひ大臣の御所見もいただきたいんですけれども、実は、調査報告制度、それから補助金制度、こういうことの締めつけが本当にきつい。都道府県、地方教育委員会ががんじがらめになっているということも私は聞いています。これはある県の教育関係者ですけれども、そういうことをおっしゃっていました。だから、文部省の言うことを聞かないと予算上不利になるんだ、その締めつけに本当に現場は困っていらっしゃるというお声があるわけであります。文部大臣のところにはそういうお声は届いていないのでしょうか。
先ほどの今村さんの文部行政に対する述懐、反省の弁について、どういうふうにお考えでしょうか。御所見を伺いたいと思います。
○有馬国務大臣 この問題は、中央教育審議会でも随分問題になったことでありまして、昨年の九月に出ました中央教育審議会の答申の中で、現在の国、都道府県、市町村に係る制度と、その実際の運用についての批判がなされております。まず第一に、国あるいは都道府県の関与が瑣末な部分にまで及び過ぎているものがある。特に指導助言等については、その運用が強目に行われてきたり、あたかも法的拘束力があるかのような受けとめ方がされてきた等の指摘がございます。
今回の法案におきまして、こういう状況を踏まえた上で、地方教育行政法第四十八条の指導、助言、援助に関する規定の改正など、所要の改正を盛り込んだところでございます。これにあわせて、今後、指導助言の運用の見直し、改善など、指導行政のあり方や地方公共団体に対する関与のあり方の見直しに努めていかなければならないと思っております。
○石井(郁)委員 戦後ずっと教育行政を担ってこられて本当にお詳しい方が、今の教育行政の硬直化、超保守主義だということを厳しく批判していらっしゃるわけですから、今本当に教育の転換が求められているときに、やはりここに真剣に取り組むべきだということを私は強く指摘しておきたいというふうに思います。
時間もないんですけれども、ずっとこの委員会でも出ていると思いますけれども、少人数学級の問題でございます。
今回のこの改正で、市町村独自で少人数学級に踏み出せるのかどうかということが大変注目をされました。しかし、結果的には、都道府県の教育委員会と事前に協議して、その同意を得なければならないというふうになったわけであります。
表現は変わりましたけれども、現行の認可を受けなければならないというのとどう違うのか。これは変わりがないのではないか、少なくとも文言上はそんなふうにしか読めないわけですけれども、これはいかがでしょうか。
○有馬国務大臣 ただいま御指摘のことでありますが、昨年九月の中央教育審議会の答申におきまして、教職員配置や学級編制のあり方等に関し、幅広く提言をいただいたところでございます。このうち、都道府県教育委員会による学級編制の許可制度につきましては、現在御審議いただいている地方分権一括法案において、義務標準法の改正をお願いし、同意を要する事前協議制に改めることにしたところでございます。
現在、文部省においては、たびたび申し上げますように、学級編制基準及び運用の弾力化等について、専門家の協力も得ながら、学校週五日制時代における新しい教育課程の実施も視野に入れまして検討を行っているところであり、今後の都道府県と市町村の関与のあり方については、引き続き検討していきたいと思っております。
○石井(郁)委員 結局、認可を受けなければならないということが、協議で同意を得なければならないということにしたというあたりは、さほど変わらないじゃないかというふうに思うんです。この点では、本当に市町村のいろいろな事情とか努力だとかがございまして、やはり踏み切るべきだというように思うんです。中教審でも、やはり届け出制にすべきというのが答申ですよね。なぜこの中教審の届け出制ということが取り入れられなかったのか、その辺はいかがでしょうか。
○御手洗政府委員 今回の法改正は、地方分権推進計画にのっとりまして、同意を要する事前協議という形でお願いをしているわけでございます。御指摘のように、中教審の答申におきましては、この地方分権推進計画によります事前協議または届け出という形での御提言をいただいているわけでございます。
この届け出につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制につきましては、それに基づいて都道府県教育委員会は必要な教職員を責任を持って配置し、それに要する経費をすべて都道府県が負担する、こういう教職員の人事あるいは給与負担と密接に結びついていることでございますので、なお今後、現場の関係者等の具体的な御意見も踏まえた上で、新たな検討を加える必要があるだろうということで、現在、大臣からも御指摘ございましたような専門家の会議の中での一つの検討課題として、引き続き検討をさせていただきたいと考えているところでございます。
○石井(郁)委員 市町村が独自に実施をするというか、したいというのは、やはりかなり切実な、緊急な要求なんですよね。
私は、長野県の小海町というところで伺ってきたんですけれども、例えば、一学年で子供が四十一人になったら、先生が二人で、二十人と二十一人のクラスになるわけでしょう。ところが三十九人だと、この学年は三十九人で一人の先生と。それは、親から見ても子供から見ても、随分違うじゃないか。そうでしょう。やはり手厚い教育を受けたいし、したいというのは親も教師もみんなの願いでしょう。だから、そういうことがないように、せめて町や市独自でも、例えば非常勤講師としてでも、いろいろな形で教員を配置するという努力は起こり得るわけですよ。そういう道は大いに推進する、残していいのじゃないか、そう思いますよね。
ところが、長野県の小海町では、県の教育委員会が、それはやっちゃならぬ、それは文部省の方針だからやっちゃだめだということで、ストップがかかるわけです。こういうことはやはり時代に合わないですよ。できるところから、そういうことはやはりやっていいわけでしょう。(発言する者あり)ほら、先生おっしゃってくださっておりますよ。
ですから、今、少人数学級の実施を求める地方自治体の決議は急速に去年から広がっていまして、九百自治体を超えているんですね。やはりこういう声に本当に、分権推進法で今議論をしているときですから、やはりやるべきじゃないですか。私は本当にそう思うんですね。
そういう点で、今回の、同意を得なければならないなどということで、それにさらに枠をはめていくというやり方はよくないというふうに思うのですが、ぜひ、市町村独自で実施できるようにする、その方向へ踏み出すということでの文部大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
○有馬国務大臣 現行の義務標準法及び高校標準法においては、御案内のように、各都道府県に置くべき教職員の総数の標準を定めております。したがって、各学校への教職員配置につきましては各都道府県にゆだねられているところであり、現行の法令のもとにおいて、標準法における教職員定数の算定方式を一応の目安にしながら、関係者の理解を得て、各都道府県教育委員会、市町村、学校の実情に応じた弾力的な教職員配置を工夫することは可能でございます。
昨年九月の中央教育審議会の答申におきましては、標準法に定める教職員定数の標準は、「国がその給与費を国庫負担し、あるいは地方財政措置する際の基礎となる教職員定数を算定するための基準であるという性格をより明確にして、都道府県が弾力的な教職員配置基準等を定めるなどにより、実際の教職員配置がより弾力的に運用できるようにすること。」との提案をいただいたところでございます。
文部省といたしましては、この趣旨につきまして周知に努めるとともに、今後の学級規模や教職員配置のあり方及び学級編制の弾力化等について検討する中で、このこともさらに具体的に検討してまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 本当に今求められているのは、やはり少人数学級の実現というか実施を市町村が独自でできるように、そういう国の支援だというふうに思うし、できることは地方自治体がやれるという道を開くことだというふうに思うのですね。その点では、私たちもいろいろ努力していきますけれども、文部省としては思い切って進めてほしいということを重ねて指摘をしておきたいというふうに思います。
時間がなくなりまして、私は、最後に省庁再編に関係して質問をいたします。
文部省が今度、文部科学に、新しい省庁名に変わりますが、文部省が最も重視すべき分野だと私どもは考えていますが、教育助成局が消えてしまったわけですね。これは、教育基本法の十条を持ち出すまでもなく、教育行政の最も中心的な仕事は教育条件の整備にあるということからすると、これを外して一体文部省はどうなるのかというふうに思わざるを得ないわけですが、教育助成局が所掌している分野、そして、なくすことによって文部省の基本的な任務はどうなっていくのかという問題で伺いたいと思います。
○有馬国務大臣 手短にお答え申し上げます。
局の数を、政府全体として百二十八あるものを九十近くに減らすことが求められているわけでございます。これを踏まえまして、文部省でも、初等中等教育局と教育助成局を統合し、初等中等教育行政に関して、指導行政と教育条件整備に係る行政を両輪として、一層効率的な行政体制の整備を図ることといたしたいと思っております。
新たな初等中等教育局においても、従来の教育助成局が果たしてきた教育条件整備の機能は基本的に引き続き維持する考えでございまして、私は、これは両方まとめた方がより効率的にさまざまなことが実行できると考えております。
○石井(郁)委員 きょうの質問で、私は、地方分権法の名においてこれまでの文部省の権限がかたくなに守られようとしている、これまでの文部行政を貫こうとする今回の改定というのは、学校現場をますます暗くするというか、いい方向には向かないということを指摘しなければならないというふうに思います。
教育行政のいかんは全教育の死活を制するという言葉があります。これは、田中耕太郎文相に請われて、東大の教授のまま文部省参事を歴任され、文相を補佐して教育基本法を初め重要教育法令の立法作業に当たった方で、田中行政法学という理論体系を構築した、後に最高裁の裁判官に就任された故田中二郎氏の言葉なんですね。
私は、今こそこの言葉をかみしめて教育行政に当たるべきだ、本当に子供たち、学校、そして父母や教師の皆さんが、自由の中でこそ教育が花開く、そういう教育行政に転換をしていかなければいけないということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。



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