142-衆-文教委員会-10号
1998年05月08日
石井郁子議員 質問部分 採決部分 会議録


平成十年五月八日(金曜日)
    午前九時五分開議
出席委員
  委員長 高橋 一郎君
   理事 稲葉 大和君 理事 遠藤 利明君
   理事 小川  元君 理事 河村 建夫君
   理事 肥田美代子君 理事 藤村  修君
   理事 富田 茂之君 理事 西  博義君
      今井  宏君    大野 松茂君
      奥山 茂彦君    岸田 文雄君
      小杉  隆君    下村 博文君
     田野瀬良太郎君    滝   実君
      中山 成彬君    野田 聖子君
      御法川英文君    渡辺 博道君
      北村 哲男君    中野 寛成君
      鳩山 邦夫君    池坊 保子君
      旭道山和泰君    松浪健四郎君
      三沢  淳君    石井 郁子君
      山原健二郎君    保坂 展人君
      粟屋 敏信君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 町村 信孝君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 小野 元之君
        文部省体育局長 工藤 智規君
 委員外の出席者
        議     員 河村 建夫君
        議     員 船田  元君
        議     員 望月 義夫君
        議     員 福留 泰蔵君
        議     員 松浪健四郎君
        議     員 小坂 憲次君
        参議院議員   小野 清子君
        参議院議員   馳   浩君
        参議院議員   長谷川道郎君
        文教委員会専門員       岡村  豊君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第百四十回国会衆法第二一号)(参議院送付)
 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案(第百四十回国会衆法第二二号)(参議院送付)
 スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百四十回国会衆法第二三号)(参議院送付)
     ――――◇―――――

○高橋委員長 次に、石井郁子君。

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 私は、サッカーくじ法案の基本的性格についてまずただしたいと思います。
 発議者の答弁が昨年の説明から随分変わってまいりました。百八十度の変更と言ってもいいほどだというふうに思います。昨年の当委員会では、この法案をギャンブル法であるとして我が党の山原議員が追及いたしましたが、発議者の柳沢議員は、きょうこちらにはいらっしゃらないのですけれども、我々は最初から、賭博ではない、むしろ富くじだ、富くじだと思いますから、全然賭博とは違うと答えていました。福留議員は、宝くじに近いもので、ギャンブルのように次から次へと金銭をつぎ込み、これにのめり込んでしまうものではないことを理解いただきたいと答えていらっしゃいます。
 ところが、ことしの二月十七日には、参議院で日弁連の参考人にギャンブル法は明確と指摘されますと、船田議員は、確かにこれはギャンブル性の非常に低いものであり、自治宝くじ的な性格を持つものであると微妙な答弁をされた。先ほどの御答弁では宝くじに近い制度、富くじに該当かなというふうにお聞きいたしました。
 一昨日、小坂議員は、富くじは広義における賭博行為に入る、富くじである以上賭博行為、ギャンブルと認められました。この間の参考人質疑で、賛成、反対を問わず、当然のごとくギャンブルと指摘されます。日本サッカー協会の長沼氏は、いい意味でのギャンブルとまで言われました。ギャンブル法だというのは、刑法を持ち出すまでもないわけでありまして、だれもが否定できないことでございます。
 しかし、今申し上げましたように、発議者の間で見解が一致していません。どの見解、答弁がこの法案の基本的性格なのか。賭博でないのか、ギャンブル性の低いものなのか、賭博なのか。これは百八十度違うわけですね。発議者の統一見解を明確に出していただきたいと思います。

○小坂議員 石井郁子委員にお答えを申し上げたいと思います。
 それぞれ表現の仕方があると思うのですが、一貫しておると私どもは思っております。
 それは、すなわちこのサッカーくじ法案の内容は、いわゆる富くじに近いものである。その趣旨は何かといいますと、競技場で車券を買って、外れたら今度は倍がけだぞ、よし、また外れちゃった、もう一か八か全部ぶっかけてやろうというような、興奮してのめり込んでいくような、そういった仕組みのものではなくて、当せん確率といったものも踏まえながら、そういう形ではどちらかといえば宝くじに近いものじゃないでしょうかという御説明を繰り返し繰り返しそれぞれ議員が申し上げていると思うところでございます。
 私どもが一番委員と議論をしたいと思いますし、また御理解を得たいと思っておりますことは、この法案によって青少年が健全育成を害されるかどうかという点において、委員の御指摘のようなものがあれば私どももそれを排除するようなことをしていかなければいかぬと思っているわけですね。ですから、法案の内容を学術的に、それが現行法の中である公営競技等のいわゆるギャンブルというものをどう定義するかという問題、そういう言葉の議論をしようということではなくて、むしろこの法案がそういった健全育成を害する、あるいは社会の中に害悪をまき散らすようなものになるのかどうかという点を、私どもは委員の皆様と議論をしてきたつもりでございます。
 その点で、今見解がそれぞれ変わっていくというふうにおっしゃいますが、先ほど北村議員の方から御質問をいただきましたときにもそれぞれ議論があったところでございますが、私どもは一貫して――公営ギャンブルというふうに呼ぶ方もいらっしゃいます。公営競技と呼ぶ方もいる、あるいは法案上これはギャンブルだと言う方もいる、あるいは富くじである、賭博という言葉を使う、いろいろ言葉の定義を学術的に議論するよりは、むしろ私どもは、それによって生じる結果がそういう害悪になるかどうかを委員も御指摘になっていると思いますし、私どももその辺を一番注意をしているわけであります。今宝くじをやめろとかあるいは公営競技をやめろとか、そういう議論をここでやっているわけではないのだろうと思っておりますので、その点で私どもの見解は完全に一致しているというふうにお答えを申し上げたいと思っております。

○石井(郁)委員 全然理解がしかねるわけですが、この問題は、ただ言葉の定義をあれこれしているという話ではないと思うのですね。公営ギャンブル法がありますし、刑法にきちんと賭博とは、富くじとはとあるわけですから、そういうことなんであって、それは学術的だから別だなんという話と違うわけですね。結局、どういうことなんでしょうか。
 私は、今の時点で、この時点で発議者にこの法案についてやはり一致した見解を出していただきたい。ある方はこうおっしゃる、ある方は宝くじだ、ある方は富くじだ、ある方はいやギャンブル性があります、これでは全然困るじゃないですか。国民は何をこれで信じていいのでしょうか。そういうことでは全然この法案は根本からおかしいことになると思うのですよ。
 発議者の間での単なる言葉の定義ではなくて、この法案の基本的な性格を伺っているのです。どういう法案なんですか。くじですから、かけごとですから、これはどういうかけなんですかということです。もう一度お願いします。

○小坂議員 お答え申し上げます。
 一言でというふうにおっしゃられるならば、これは富くじ的性格のものであります、こう申し上げてよろしいと思います。
 それでは、違法なギャンブルなのかといえば、これは法律で規定をいたしまして、そして宝くじあるいは公営競技もある意味の賭博行為であるというふうに、学術的に言えばそうでございますが、しかし法律で規定していることによって違法性を阻却しているものだという解釈が私どもの解釈でございますから、このサッカーくじ法案につきましても、法律で規定をしなければいけないという観点でこの法律を出しているわけでございます。
 性格はどういうものかといえば、富くじに一番近い性格のものであるという点で統一見解といたしたいと思います。

○石井(郁)委員 重ねて伺いますが、発議者の皆さんはそれでよろしゅうございますか。それは一致しているということでよろしゅうございますね。
 もう一点確認したいのですが、しかし富くじは賭博とは違うとか、こういう説明をされるわけで、これは刑法上は本質的には同じものであるということですよね。ですから、富くじであるということは、このサッカーくじ法案はギャンブル法案であるというふうに言ってよろしいですね。いかがですか。
    〔委員長退席、小川委員長代理着席〕

○小坂議員 私どもは、ギャンブル法案だとは呼んでおりません。サッカーくじ法案はサッカーくじ法案でございます。そういう意味で、学術論争でおっしゃっている、その中のギャンブル性を称して委員がそう呼びたいということであれば委員の御見解であります。そうは思いますが、私どもはこれはサッカーくじ法案である、こういうふうに思っておるわけでございます。

○石井(郁)委員 私は、そういう見解を伺いますと、一昨日、山原議員が法務省に見解をただしました、刑法上の定義として、賭博と富くじはその違法性の本質を同じくする、それはそのとおりだということで見解もいただいているわけであります。発議者の今の御説明ですと、この刑法も変えなければいけないことになりませんか。
 自分たちはそう思うというのはあくまでも主観の話でありまして、客観的に富くじは賭博と本質的に同じだ、これはもう否定できないことじゃありませんか。それを、ギャンブル性がない、ギャンブル法ではないというふうに言い張るというか言われるというのは、これはどうしてそういうことが通用するのかと言わなければなりません。私は、やはりそういう答弁ではこの法案の審議というのは難しいのじゃないかというふうに思います。

○福留議員 今先生の御議論を伺っておりまして、このものが刑法上ではどうかという観点からの御確認がございました。そしてその上で、これがギャンブル法案かどうかという確認があったわけでございます。
 私どもは、刑法上のそういうふうな面からいうと、富くじ的なものであるというふうに認識をしております。しかし、今それをギャンブル法案かどうかというふうなお尋ねがあったわけでございますが、そのときのお使いになるギャンブルという意味合いが、やはり一般世間で理解されているギャンブルというイメージが付与されているということで、そこにはやはり明確に私どもとしては言葉を使い分けていかなければならないのではないかと思います。
 通常、一般世間で私どもが理解しているギャンブルというものは、一般的には社会的には悪いものであるというイメージだろうと思いますが、それはなぜそれが悪いものなのかということで申し上げると、それは一やはりそういうゲームに参加することによって人間が持つ理性を失って、そし
て、その中にのめり込むことによって財産なりを失っていくというその要素が社会的な悪影響の一つだろうと思います。
 そういう意味において、先ほど委員の方からも引き合いに出されましたけれども、昨年の衆議院の当委員会におきます答弁で、ギャンブル性が薄いというふうなことも私は申し上げたわけでありますが、私どももこのプロジェクトチームで検討してきた経緯の中で、実は社会的に悪影響をこれが本当に与えるのかどうか、人間が持つ理性というものを失ってまでこれにのめり込む性格であるかどうかということを、私は個人的に一つのメルクマールとしてこの法案の作成段階で考えてきたところでございまして、そういう意味において、世間一般で言われているギャンブルというその言葉が持つイメージを持ったギャンブル法案であるかどうかということについては、私は違うというふうに申し上げざるを得ないのでございます。
    〔小川委員長代理退席、委員長着席〕

○石井(郁)委員 結局、そういう御答弁ですと、やはり発議者の間でいろいろ違うのじゃないでしょうか。
 それで、ギャンブルは悪だということはお認めになっているのですよね。しかしこの法案はギャンブルではないと。いろいろ御説明聞いている中では、結局、家財をなげうってのめり込んで、家庭崩壊とかいろいろそういうことにいくかいかないか、これはいかないのだということを唯一根拠にしていらっしゃるのですけれども、それは個々のケースでありまして、そういうことはいろいろなケースがあり得るわけですよ。そういうことを言っては全然話が前に進まないわけです。事柄の本質として明らかにしていただきたいということでありまして、やはり発議者の間でこんなに違っているわけですよね。富くじでありながらギャンブルではない、これは通用しませんよ、世間で。
 そうすると、これは刑法自身を変えなければいけませんよ。そこまで、そういうふうに言っていいのですか。私は大変重大な問題だというふうに思っているのです、これは。今までの審議のこともありますので、今の御答弁では到底先へ進むことはできません。

○福留議員 今も先生は、私が先ほど申し上げたことに対して言葉を使い分けていらっしゃるわけでございます。
 私は、先ほど申し上げたとおり、刑法上での意味と、一般通念で皆さんが御理解していただいているギャンブルというイメージと、その二つの意味の上で申し上げたわけでございまして、これまでの答弁の中で、ギャンブル性が薄いというのは、一般通念上でギャンブル性は薄いというふうに我々は認識をしているということを申し上げたわけでございます。ここで、刑法上ではどうかというふうなお尋ねがあったものですから、厳密な意味でいえば、富くじに近いものである、富くじに相当するものであろうという認識を示したわけでございます。
 今先生の方から、実はスポーツ振興くじについても、家計をなげうってまでのめり込むものではないという私の認識に対して、それはケース・バイ・ケースであるというお話がありました。私どもとしては、この委員会等でずうっと通して御説明申し上げているところでございますが、このスポーツ振興くじの仕組み自体が、実は家計をなげうってまでのめり込むような仕組みになっていないということをるる御説明申し上げてきたところでございます。当てようと思っても、理論上は百六十万分の一程度のものに、どなたが全財産をなげうつのでしょうか。
 それからもう一つは、販売にしても、一週間に一遍程度の販売で、前日までに販売を終了するということでありますので、負けたものを取り返そうという、理性を失うような状況には陥らないということでもあります。また、競技場でも売らないということでありますので、競技自体は別のところで行われているわけでございますので、この法案の仕組み自体が、そういう理性を失わないように冷静に、また楽しみを持ちながらこれに参加できる仕組みであるということをるるずうっと申し上げてきているところでございます。

○小坂議員 委員と議論をしておりまして、私もなかなかかみ合わないと思うところは、刑法にはギャンブルという言葉は使っておりませんので、ですから私ども、性格としては富くじに近いものだと答弁をさせていただいているわけでございます。
 ですから、ギャンブル法かというふうに聞かれたら、私はそうは思っておらないと御答弁申し上げている次第であります。

○石井(郁)委員 それは、ギャンブルといっても賭博といっても、これはイコールでございます。刑法では賭博でしょう。辞典では、賭博行為イコールギャンブルですから、そんな言葉の使い分けをされるのはいかがかと思うのです。
 私は委員長にぜひお願いをしたいのですが、試合の勝敗を当てて賞金を得るわけですから、かけごとですよね。このことが本質的にもたらすものは、いろいろそういう賭博性があるということですよ。そういうことにはならない仕掛けがあると言われても、なり得る場合もあるわけですよ。そういう本質なんですよ。そこを、そういうごまかしをされるというのは、私は全然納得できませんし、このままで、そういう発議者の御理解でこの法案を進めるわけにはいかないと思うのですよね。
 委員の皆さんは、これで納得されるんでしょうか。あるいは、傍聴席にきょうたくさんの皆さんがいらっしゃっていますけれども、富くじはイコール賭博ではない、発議者がそういう理解で進むということは、世の中に通るんでしょうか。それこそ通念上通るんでしょうか。おかしいですよ。文教委員会がこういうことを通したとなったら、そういう理解で通したとなったら、私はこれは世間に本当に通らないと思ったんですよ。
 ちょっと委員長、ぜひ発議者との間で――その辺どうでしょうか、委員長自身はどのように御判断されますか。

○高橋委員長 私から御答弁というのもおかしいんじゃないでしょうか。理事懇談会、理事会を再三開いて、皆さんの合意の上で運営しておりますから、残りの時間は質疑に充てていただきたいと思います。

○石井(郁)委員 富くじであって賭博ではない、ギャンブルではない、こういうことでは私は到底納得するわけにいきません。これは根本的な問題です。この法案の基本的な性格にかかわる問題です。前提でこういう大きな違いがあるので、私は到底進めるわけにいかないと思うのです。
 それで、船田議員はいかがでございますか。富くじであるがギャンブルではないという御理解でよろしいのでしょうか。

○船田議員 これまで小坂議員それから福留議員が申し上げたことと私は全く同じでございます。
 刑法上の問題を言えば、富くじと賭博というのは、一応刑法上では別々の問題として区別をしております。賭博というのは、いわゆる胴元も券を買う者も、いずれも危険を負担して、そしてともに財物を拠出する、そして偶然性等によってだれかにその財物が移動するということであります。富くじというのは、これは胴元と実際にくじを買う者との間に、胴元においては危険を負担しない、くじを買う者はその財物を拠出する、この点が富くじと賭博との刑法上の違いでありまして、それぞれに富くじ罪、賭博罪というものを置いております。
 サッカーくじの場合には、そのような区別の概念からしまして富くじの範疇に入るものということで、これは富くじに近い性格のものであるということでございます。
 なお、ギャンブルという名称あるいはギャンブルという名称によって指定をされるものは、刑法上は何の規定もございません。

○石井(郁)委員 私は、本当にきょう、改めてこれは振り出しに戻ったような感じがしているのです。発議者の皆さんのそうした御認識では、この法案自身は、根本のところで前提が狂ってしまい
ますので、違ってしまいますので、私の質問時間はもう来てしまったのですけれども、きょうは、子供に対する悪影響の問題や、修正事項の、問題時の停止命令や、そういう重大な点をぜひ質疑をいたしたかったわけです。
 それから、一昨日は山原議員から、このサッカーくじ法案には利権が絡んでいるのではないかという疑惑が一部に報道されていますから、その調査についても、ぜひ当委員会に報告をしていただきたいということも出されていますが、今もってそれも出されておりません。私は、このままでは到底、質疑終了というわけにいかないというふうに思います。
 委員長に、ぜひ発議者の皆さんの再度の御見解の一致、統一見解を出していただくようにお願いをいたしまして、もう時間が来ておりますので、私の方は次の質問を留保したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

    ―――――――――――――

○高橋委員長 これより三法律案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。

○高橋委員長 次に、山原健二郎君。

○山原委員 私は、日本共産党を代表して、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案外二法案、いわゆるサッカーくじ法案に対して、反対の討論を行います。
 本日、審議を打ち切り、採決を強行するに及んだことに対して激しい怒りを込めて糾弾するものであります。質疑もまだ不十分、公聴会すら開かれていません。利権絡みの問題についての調査要求に対して何ら報告もされていないのであります。
 この法案が、審議をすればするほど青少年に有害なギャンブル法であることが明らかとなり、本委員会においても反対の声を表明する議員も広がってまいりました。
 この法案は当初から、PTAを初め法曹界、教育関係者、スポーツ関係者など各界各層から強い反対の声が上がっていました。しかも、反対や慎重審議を求める自治体決議は三百四十二自治体を超え、廃案を求める高校サッカー関係者のアピールに三千人を超える高校関係者が賛同を寄せるなど、反対の声は燎原の火のごとく広がっています。
 こうした反対世論を無視して本法案の採決をごり押しすることは、議会制民主主義の原則を乱暴に踏みにじるものであり、断じて許せません。国民合意の全くないサッカーくじ法案は廃案しかない、私はこのことを強く主張するものであります。
 反対の第一の理由は、言うまでもなく、青少年に人気の高いサッカーを対象として公営ギャンブルを創設し、青少年の成長に新たな障害を持ち込むからであります。
 法案の発議者たちは、サッカーくじはギャンブルではなく、宝くじのようなものと強弁してきました。しかし、審議を尽くせば尽くすほど、ギャンブル法であることが多くの参考人から当然のごとく語られたのであります。宝くじのようなものとは全く詭弁であり、競輪、競馬と同じ種類のギャンブルであることは明瞭であります。
 今日、ナイフの問題など、子供をめぐる深刻な事件が相次いでいる状況のもとで、政治がやるべきことは、子供たちを取り巻く環境をよりよい状況に整えることであって、ギャンブルを持ち込むことではありません。そのギャンブルの総元締めに文部省がなることは、余りにも恥ずべきであり、到底納得のいくものではありません。
 幾ら十九歳未満への販売を禁止しても、対面販
売でチェックしても、青少年がコンビニなどでくじを買ったり、のみ行為におぼれ、金銭絡みの非行に走ることは避けられません。本来なら、青少年をギャンブルから守るのが文部省であります。
 今からでも遅くはありません。文部省は、教育基本法の精神にのっとり、サッカーくじの総元締めになることをきっぱりとやめて、その導入に反対すべきであります。
 反対理由の第二は、サッカーくじがスポーツの健全な発展をゆがめるばかりでなく、スポーツ振興の本筋から全く外れたものだということであります。
 サッカーくじは、勝敗の結果にお金をかけることによって、文化として、また権利として発展しているスポーツをギャンブルにおとしめるものであります。それは、人間の大切な資質である目標達成への努力の過程やフェアプレー精神をないがしろにし、金銭絡みの勝敗の結果のみにこだわる傾向を助長するものであります。Jリーグの選手のプレーや審判にも影響を与え、ひいては歴史の浅いJリーグの自主的な発展をもゆがめるものにほかなりません。
 また、青少年の健全な発達や健康で文化的な国民生活の充実にとって重要なスポーツ振興の財源をギャンブルによる収益に頼ること自体、許されないことであります。
 今求められているのは、スポーツ振興法に明記されているスポーツ振興基本計画を策定し、国のスポーツ予算を大幅に増額することであります。三百億円というわずかな予算を国が出せないはずはありません。スポーツに政治の温かい光を当てるべきであります。
 参議院での修正も、サッカーくじがギャンブルであり、青少年に悪影響があることをみずから認めたもので、本法案の問題点を一層浮き彫りにしたものでしかありません。まさに青少年に百害あって一利なしの悪法と言わなければなりません。
 瀬戸山元文部大臣はこのように語っています。政治家ももう少し日本の子供の未来のことを考えてほしいと。私は、この言葉は至言であると思っております。瀬戸山元文部大臣は今はこの世にはいませんけれども、この言葉は傾聴に値するものではないでしょうか。
 サッカーくじ法案を実施させてはなりません。子供の生活環境を政治のたくらみで汚してはなりません。我が党は、国民の皆さんとともに、断固、中止するまで闘い抜く、その決意を明らかにしまして、反対討論を終わります。(拍手)

○高橋委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○高橋委員長 これより三法律案について採決に入ります。
 まず、衆議院提出、参議院送付、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、衆議院提出、参議院送付、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、衆議院提出、参議院送付、スポーツ振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

○高橋委員長 ただいま議決いたしました三法律案に対し、小川元君外五名から、自由民主党、民主党、平和・改革、自由党、社会民主党・市民連合及び粟屋敏信君の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。藤村修君。

○藤村委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、スポーツが心身の健全な発達と、明るく豊かな社会の形成に寄与するものであることにかんがみ、スポーツ振興投票の実施等に当たっては、その適正な運営に万全を期すとともに、次の事項について特段に配慮すべきである。
 一 スポーツ振興のための予算措置について今後もその充実を図るとともに、各省庁にまたがるスポーツ関係予算の有機的連携に努めること。
 二 スポーツ振興のための適切な施策を講ずるため、スポーツ振興法第四条に規定するスポーツの振興に関する基本的計画を策定するよう検討すること。
 三 スポーツ振興投票券の発売に当たっては、十九歳未満の者に対する購入等の禁止が徹底されるよう販売場所、販売方法等について青少年が入手し難い方策を講じるなど適切な配慮をすること。
 四 スポーツ振興投票の収益の配分に当たっては、スポーツ指導者の養成など人材養成に配慮するとともに、国民が自主的、自発的に行うスポーツ活動の振興のために地域のスポーツクラブなど民間スポーツ団体の果たす役割の重要性に十分留意すること。
   また、地方公共団体等においても、スポーツ振興投票の収益を活用し、スポーツ指導員の養成や地域スポーツクラブ等の育成が促進されるように十分配慮すること。
 五 本法における贈収賄罪の規定の趣旨は、スポーツ振興投票の公正な運営を確保するため、不当な行為等の対価としての賄賂の収受を防止しようとするものであることにかんがみ、その適用については、厳正を期すとともに、サポーター等の選手に対する応援の関係を損なうことがないように留意すること。
 六 障害のある人のニーズに対応したスポーツ環境の充実のため、関係各省庁の連携を十分図るとともに、スポーツ振興投票の収益の配分に当たっても十分に配慮すること。
 七 保健体育審議会の委員の選任について本委員会に報告するなど、スポーツ振興投票制度の運営全般にわたって公正及び透明性を十分確保すること。
 八 文部大臣が、法第三十一条第二項に規定する停止命令を判断する上で、児童・生徒等に係る十分な調査、状況把握をするための態勢を早急に整備すること。以上であります。
 何とぞ、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○高橋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○高橋委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。町村文部大臣。

○町村国務大臣 ただいまの御決議に関しましては、その趣旨に十分留意して対処してまいります。


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