平成九年六月十七日(火曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長 二田 孝治君
理事 稲葉 大和君 理事 河村 建夫君
理事 栗原 裕康君 理事 田中眞紀子君
理事 佐藤 茂樹君 理事 藤村 修君
理事 山元 勉君 理事 石井 郁子君
岩永 峯一君 栗本慎一郎君
佐田玄一郎君 阪上 善秀君
島村 宜伸君 戸井田 徹君
中山 成彬君 柳沢 伯夫君
山口 泰明君 渡辺 博道君
井上 義久君 池坊 保子君
石垣 一夫君 鴨下 一郎君
旭道山和泰君 西 博義君
原口 一博君 三沢 淳君
近藤 昭一君 鳩山 邦夫君
肥田美代子君 山原健二郎君
保坂 展人君 粟屋 敏信君
出席国務大臣
文 部 大 臣 小杉 隆君
出席政府委員
文部政務次官 佐田玄一郎君
文部大臣官房長 佐藤 禎一君
文部大臣官房総務審議官 富岡 賢治君
文部省生涯学習局長 草原 克豪君
文部省初等中等教育局長 辻村 哲夫君
文部省教育助成局長 小林 敬治君
文部省高等教育局長 雨宮 忠君
文部省体育局長 佐々木正峰君
委員外の出席者
内閣官房内閣内政審議室内閣審議官 西阪 昇君
総務庁長官官房交通安全対策室参事官 楊井 貴晴君
法務省民事局参事官 揖斐 潔君
文教委員会調査室長 岡村 豊君
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本日の会議に付した案件
閉会中審査に関する件
文教行政の基本施策に関する件
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○二田委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 百四十国会で何度か質問をさせていただいておりますけれども、きょうも幾つか絞って御質問いたしたいというふうに思います。
まず、財政構造改革として出されている教育分野の問題点について御質問をいたします。
今回の閣議決定を見ますと、私は、教育費の予算抑制という点ではかつてない事態だというふうに思いますし、こういう方向で今後の日本の教育がどうなるのかという点では、非常に重大な問題を持っているというふうに考えています。
幾つかありますが、きょうは、特に義務教育の教職員の第六次定数改善計画の問題、高校は第五次ですけれども、来年度完成分を二年延長するということになっているわけでございますけれども、来年度の分というのは四千七百八十二人の増員計画であったわけです。自然減が大体九千五百人というふうに見込まれていますから、実質上、本当に教員数は減っていく。
私は、ある学校で、中学校の先生ですけれども、私たちは三十人学級を早く実現したいというふうに考えていますけれども、ふやすのは無理だったら、せめて減らさないでほしい、こういう声を受けてきているところなのです。
それで、この日本教育新聞によりましても、五月十日号ですけれども、都道府県では、新規採用計画がどうなるのか、狂うのではないかという問題や、二十代の教師がいなくなるという、これは大変ショッキングだと思うのです、そういうことも言われております。そういう悲鳴があちこちから上がっておるわけです。
それで質問ですけれども、各県のこうした実情を文部省としてどのように把握しておられるのかということ、そして、この計画によって学校現場にどういう影響が今後出てくるのかという点を、文部省のお考えをまずお聞かせいただきたいというふうに思います。
○小林(敬)政府委員 お答えいたします。
まず第一点の、新規採用教員のお話でございますが、結局、今回二年延長されたことによりまして、来年度、改善として予定をしておりました四千七百八十二人、それから高校については千七百八十九人、これを、来年だけでなしに今後三年間にわたって配分をしていくということになろうかと思います。
その際に、私どもとしては各県から、これまでも実情把握に努めてきておりますが、なお今後必要に応じてヒアリング等を行いまして、この新採計画、新規採用者がどのくらい採れるのか、それから、各年度できるだけ均てんして採れるような姿に持っていきたい、そういったことも配慮をして、今後の概算要求等に臨みたいというふうに考えているところでございます。
それから、もう一点のどんな影響があるか。これは、もちろん計画が二年延びるわけですからもろもろの影響は出てまいりますが、最も端的に、直截に影響が出てくるところは、今申し上げたように、若手の採用者が少なくなるという点だと考えております。
○石井(郁)委員 学校によっては運動会もできなくなるという声さえ聞かれているほどで、実は本当に深刻だと私は思っています。
次に進みますけれども、しかし、二年繰り延べになるわけですよね。ですから、今の御答弁のように新採用の教員が減るという問題、それから今回の改革の中では私学の経常費も抑制されるという問題、ですから当然今度はまた学費の値上げというふうに返ってくるだろうというふうにも思いますし、やはり教育条件が全体として悪化をするというふうに見ざるを得ないわけですね。
一方で、中教審ですけれども、今作業が進行中でございますけれども、昨年一次答申が出されました。それで、今月中にも二次答申ということですが、二十一世紀に向けて「生きる力」と「ゆとり」ということが昨年はキーワードにされたわけですけれども、私は、今国民の声の中でも本当にゆとりを求める声が大きいし、それはもう欧米並みに教育費をふやす以外にないという声になっているというふうに思うのですね。
それを、中教審の、先般もここにおいでいただきました有馬会長が、五月三十日の第十六期中教審公表に当たって、改革には財政的措置が極めて重要だ、教員を減らすことには賛成できないというふうにおっしゃっておられます。
それから、第一次答申自身も、教員配置の改善について「これまでも計画的な改善が進められてきたところであるが、教員一人当たりの児童生徒数を、例えば欧米諸国と比較してみた場合、今なお、総じて大きなものとなっている。様々な前提条件が異なるため、これらを我が国と単純に比較するのは困難であるが、今後、教員配置の改善を進めるに当たっては、当面、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近づけることを目指して改善を行うことを提言したい。」中教審はこういう提言をされているわけです。
現場の声を見ましても、ゆとりのある教育といっても、先生方にゆとりがなければなかなか実現しない。校務分掌を一人で幾つもかけ持ちしているし、補充する人もいないので年休もとれない。もっと先生が欲しい。同時に、先生の高齢化も心配だ。これは、ある管理職の方のお話で、これも日本教育新聞の一面から御紹介申し上げるのですけれども、そういうこととして、国民的な世論としてはあるというふうに私は思うのです。
その中で、橋本内閣の六つの改革の一つに教育改革を位置づけられて、国民の側からのそれに対する期待もあるだろうというふうにも思うのですが、その教育改革の方は財政構造改革で教育予算はもうばっさり落とすということになりますと、中教審で提言している問題どこの教育改革とはどういう整合性があるのでしょうか、これをぜひ伺っておきたいと思います。
○小杉国務大臣 今回、教職員定数改善計画が来年度で完結すべきところを二年延長になったということは、残念なことであります。
しかし、今危機的な財政状況の中で、聖域を設けない、こういうことで、文部省関係でも、私学助成、義務教育費国庫負担金、そして高等教育、こういう分野にも非常に厳しいメスが入れられたわけであります。ほかの省などを見てみますと、進行中の事業をばっさり削られたり予算を大幅に減額されたりという中にあって、我々としては、残念ではありますけれども、六次改善計画で予定された数そのものは減らされなかった、計画自体を二年延長されたわけですけれども総数自体は削られなかったということは、せめて六大改革の一つである教育改革の重要性を認識したからこそそういう措置をとったのだというふうに受けとめております。
○石井(郁)委員 私は、もう一点、やはり院の意思との関係でお伺いしたいのですけれども、今進められている定数改善の計画が制定されたときに、この文教委員会としては各党一致しての附帯決議が付されているわけです。これは一九九三年ですけれども。その中では「年度計画の策定に当たっては、」「着実な計画実施に努めること。」という点がございます。ですから、こういう院としての決議をされているにもかかわらずそういう計画が財政事情で覆される、こういう点についてはどのように考えたらよろしいのですか。
○小杉国務大臣 この決議がなされたときと現状とはもう相当財政状況が違っているということが一つあります。附帯決議、何とか私どもも尊重して着実にこれを実行したい、こういうことであったわけですけれども、全体として二年間延長になったことは残念だというふうに思いますけれども、そうした事態、客観的な財政状況の変化ということでやむを得ないというふうに考えております。
○石井(郁)委員 私はやはり、財政の事情から教育の問題を論ずるというのは、そうした場合に教育というのは本当にこの先どうなるんだろうかということを危惧せざるを得ないわけであります。一般に、教育にかける予算というのは未来への投資だということで、社会発展に不可欠な分野であります。ですから、今聖域を設けないということで大臣が御答弁のようなことがあるかもしれませんけれども、私は、本来教育こそ聖域にしていいんだということで、ぜひ主張したいというふうに思っているわけです。
その点で、例えば、欧米諸国も財政事情厳しいけれども、先般イギリスでは労働党政権で三十人学級を打ち出されたということで、私はやはりすごいなと思ったんです。だから、やはり政治の問題として、本当に教育に手厚い予算をということを文部省としては本当に頑張ってほしいなということを申し上げておきたいというふうに思います。何か文部省頑張れというような言い方になるわけですが、そういう主張をしたいというふうに思います。
○小杉国務大臣 今国会でも重要な法案であった健康保険にしてもあるいは介護の問題にしても、本来、教育とか文化とか社会保障というのは、油断していますとどんどんどんどん膨らんでいく、要求にはもう限りがありませんから、当然これは財政に非常に大きな影響を与えるという要素を内在していると思うんですね。だからといって、聖域だからといって甘えているわけにはいかないというのが今日の状況じゃないかと思います。ですから、私は、現在の状況の中で、確かに教育とか文化とかというものは、短期的な財政難という理由だけではっさり削るというのはいかがなものか、もうちょっとロングスパンで物を考えていくべき領域だ、こういうことを強く主張してまいりました。
しかし、先ほど申し上げたように、定数減だけは何とか食いとめて、期間の延長ということで、極力生徒やあるいは教員志望者に影響が少なくなるように、先ほど局長が答えたように、激変を緩和をしてなだらかに着地をしていく、こういう努力を今後していきたいと思っております。
○石井(郁)委員 せっかくの大臣の御答弁ですけれども、教育には要望が強くて予算が膨れ上がる一方だというお話がございましたけれども、私申し上げたように、やはり欧米並みにせめてするべきだ。そこに届いていないというこの日本の教育の現状があるわけですから、それをもっと削っていくということは、やはり歴史の流れ、発展からしても合わないのではないかということで強調したわけであります。
次の問題に移りたいと思います。
私は、不登校の子供たちの問題できょうはちょっと質問をしたいと思っているんです。
不登校の子供たちの学習の機会というのが大変重要であります。文部省の調査でも、九五年度、三十日以上学校を欠席した子供たち、小中合わせて八万二千人と、毎年毎年調査のたびに子供たちがふえるわけですね。私は、この不登校、登校拒否の子供たちの問題は、やはり日本の社会と教育の問題を最も象徴する深刻な問題だというふうに考えています。
その背景とかきっかけはいろいろございますけれども、やはり学校に行きたいけれども行けないんですよね。心と体のいわば拒否状況というか、そういうあらわれをしているわけです。ですから、親も子供たちも、当事者の悩みというのは本当に深刻です。また、悩みは深いものであります。本来公教育として教育を受ける権利を持っているそういう子供たちをこういう状況に置いていいわけはないわけですね。
そこで、こういう学校へ行けない子供たちには文部省も一定の施策、適応指導学級等々実施してきたところですけれども、自主的に集まってそこを学びの場にする、人とのつながりを回復する、いろいろなことをしているフリースクールなどの形態があるわけですね。こういう民間の施設をどう見たらいいのか。私は、不登校の子供たちのいわば緊急避難的な場所あるいは義務教育を補完するような施設として見ることもできると思うのですけれども、ちょっと文部省の見解を伺っておきたいと思います。
○辻村政府委員 いわゆるフリースクールでございますけれども、私ども、ただいま先生の申されましたような状況の中で、学校外において登校拒否児童生徒に対します相談、指導を行うために、個人がつくっている場合もありますし団体がつくっている場合もあるわけでございますけれども、が設置、運営をいたしまして、そこで自然体験とか創作活動とかゲームとかあるいは教科の指導とかさまざまな活動を行っている民間の施設というふうに理解をいたしております。
現状は、そうした学校に行けない子供たちが通っているわけでございますけれども、規模は数大規模から百数十大規模のフリースクールがあり、開設状況も月数回のものから毎日子供を預かっているといったものもあるというふうに理解をいたしております。
やはり、学校に行こうとしても行けないというような状況の子供につきましては、学校に籍を置きつつそうしたフリースクールに学ぶ、その場合に、一定の要件を設けまして、その要件に合致するというように学校の方が判断した場合につきましてはフリースクールに学んでいる場合につきましても出席扱いをするというような形で、フリースクールにつきましては、我々は、そうした学校間の連携という中で指導をしている、こういうふうに認識をいたしております。
○石井(郁)委員 今のお話ですと、文部省としてもかなりというか一定実態をつかんでいるようにお聞きしたわけですけれども、「生徒指導上の諸問題の現状と文部省の施策について」、こういう中にはそういう数としては出てこないんですよね。そういうことで、私は、やはり民間施設の実態調査をちゃんとされているのかなというふうに思ったものですから、されているのか、あるいは今後ともしていくお考えがあるのかということを重ねて伺っておきたいと思います。
○辻村政府委員 フリースクールにつきましては、ただいまのようにさまざまな対応がございます。私どもが情報としてつかみ得ますのは、学校に籍を置いてその子供があるフリースクールに学ぶ、そのときに出席扱いなし得るか否かという形で捕捉ができるわけでございます。そういう意味で、しっかりと申しましょうか定量的にきちっとフリースクール全体の実態をつかむというのはなかなか難しいわけでございますけれども、やはりそこに義務教育の子供が学んでいるということでございますから、私ども、教育委員会を通しまして随時この実態把握には努めておりますし、今後もそういう努力はしていきたいというふうに思っておりますが、なかなか捕捉のしにくいということだけは御了解賜りたいと思います。
○石井(郁)委員 まだ新しい実態でございますのでそういうことがあるかと思いますけれども、しかし、やはりその気になればそれはできないことはないというふうに思いますし、ぜひ努力をしていただきたい。
指導要録上出席扱いがされてきておりますし、一定通学定期などの発行も認められてきているということもありますが、しかし、このデータですと、そこを出席扱いされた子供たちというのは余りにも少ないですよね。私は、実態はもっと民間の施設にたくさん子供たち行っていると思います。本当に痛々しい努力をしながら親も子も行っていると思います。私もたくさんそういう場所を見てまいりました。
ですから、もう一点の質問は、そういう民間施設の維持運営というのは実は大変なんですね。本当に善意で行われているというのが圧倒的かなというふうに思います。自治体としてもいろいろな支援策がこのごろ出ているんじゃないかというふうに思いますから、そういう自治体との関係で、国としても何らかのこういう民間施設への、あるいは親の会が運営しているんですよ、そういう親の会とのかかわりだとかでもう一歩踏み出すようなことが考えられないかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
○辻村政府委員 ただいま申しましたように、フリースクールにつきましては、その態様が極めて区々でございまして、捕捉もなかなか難しいというところがございます。そこで、さらに財政援助ということになりますと、この施設の運営のあり方、指導方針あるいはそこで行われております活動内容といったものも非常に任意で多様でございまして、これをどう把握するかということもまず難しゅうございます。
それから、これらに仮に財政援助をするというようなことになりますと、フリースクール以外のところに行っている人、あるいは在宅学習をしている子供、その他さまざまの子供たちがいるわけでございまして、こうした子供たちとの関連をどう考えるか等さまざまに検討すべき課題がございますので、この場でこれを実現するということをお答えするのは大変難しいということを御理解賜りたいと思います。
ただ、今先生がおっしゃいましたように、交通費の負担に関しましては、実費をできるだけ軽減するという意味で、通学定期乗車券制度につきましてこれを対象にするというような努力はしたところでございます。
○石井(郁)委員 きょうはここまでにいたしますけれども、私もこれからまたいろいろと実態も踏まえて質問をしていきたいというふうに思うのですけれども、これは大きな検討課題だということを申し上げておきたいというふうに思います。
次の問題なんですが、具体でちょっと申し上げたいことがございまして、質問をいたします。
就学援助費制度の問題ですけれども、大阪市で、私は大阪ですので、今年度から申請窓口を学校長に一本化するということを強行したのですね。保護者の間で今大変混乱と批判が起こっているわけであります。
就学援助については、もう言うまでもありませんで、不況が長引いている中での倒産とか、いろいろと経済の困難な状況というのはやはりふえてきておりますし、就援を受けたいという要望は大阪市の中では大変強いものがあります、全国どこでもそうでしょうけれども。
大阪市の教育委員会では、この二十年来、申請については、学校長を窓口にするということとともに、認定権者である市の教育委員会が委任した各区の行政区長に直接申請する、こういうやり方を併用してきたのですね。ところが、今回はそれを学校長に一本化するということにしたわけです。
そこで、ちょっと御質問なんですが、就学援助の認定権者は市町村の教育委員会及び政令市の区長となっているわけであります。だから、就学援助制度で認定権者に申請する、教育委員会及び政令市の区長ですね、ということは、私は当たり前だというふうに考えるわけですが、まずこの見解を伺っておきたいと思います。
○小林(敬)政府委員 お答えいたします。
この就学援助費につきましては、経済的理由によって小学校、中学校への就学が困難と認められる子供たちに対して学用品費、通学費などを支給する事業でございまして、これは市町村が中心になって行っておりまして、国が予算の範囲内においてその経費を補助するというシステムになっております。
就学援助費の支給に当たりましては、金銭または現物で市町村教育委員会が直接保護者に対して行うか、または学校長を通じて行うというふうなシステムをとっております。
ただ、私どもとしては、学校長を通じて援助費が保護者に支給される場合には、教育委員会が経理事務の監査を行うこと、それから学校長は善良な管理者の注意をもって事務処理に当たること、それから三点目に、児童生徒に卑屈感や劣等感を抱かせることのないように細心の注意を払うこと等の指導を行っているところでございます。
お尋ねの申請の手続についてのことでございますが、これは幾つかございますが、最も多いのは、今お話がありました学校長を経由して市町村教育委員会に提出するというのが五六・七%を占めております。そのほかに、直接保護者が市町村に提出する、あるいは民生委員等を経由して市町村教育委員会に提出する、あるいはそれらを併用する、こういうふうな方法があるわけでございます。
○石井(郁)委員 今質問したのは、大阪の場合には、学校長でなければならない、こういう決め方ということで、今さまざまな無理というか混乱が起きているわけで、こういう事態が起こっているのですね。今までどおりに区長に申請をした、そういう人の申請書については、配達証明つきで一通八百円もかけて送り返す。この方々はたしかもう二千人を超えているんじゃないでしょうか、という事態ですね。
それから、学校長が今度は何か申請の受け付けをしなければいけないということになったために、学校長が学校長所見を記入するための資料を保護者にお願いをする。その中では、所見をつけなければいけない、経済的に困っておられる様子を伝えられるようにしてください、この申請用紙に書かれた理由だけではわかりませんということで、こういう文書を送ったのです。その経済事情とかいろいろなことというのはマル秘扱いにしているわけですよね。
これは本当に驚くような話じゃないのでしょうか。今、学校の中では、親の職業とか兄弟の職業とかそれから家計の実態とかを数字として、書類として残すということを一切していませんよね。だから、担任や学校長がこういうことを提出させるということは、これはプライバシーの侵害ではないのかというふうに言わざるを得ないわけであります。こういう無理なことをさせているという非常に行き過ぎの事態が起こっているわけですね。どう思いますか。
○小林(敬)政府委員 基本的にどういう手続によるかというのは先ほど申し上げたところでございますけれども、結局との方法をとるかは市町村の決するところでございます。私の方でこれでなくてはいけないとかということではないと思います。
それともう一つ、いろいろなデータを出させるということをおっしゃいましたけれども、それは真に就学援助費が必要かどうかということを判断するための資料を要求したのではないかなというふうに私どもには考えられるわけであります。
○石井(郁)委員 就学援助が必要かどうかというのを認定する認定権者はそういうことをするということが必要かというふうに思うのですが、学校長がそういうことまでするのかという問題が一つと、今私がお尋ねしているのは、両方あり得るわけでしょう、だから、それを学校長しかできないということ自身は、これはどうなんですか。そういうふうに言い切る必要はないじゃないか。
○小林(敬)政府委員 どういう方法をとるかは市町村が決めるべきことだと私どもは考えます。
それから、ちょっともう一度申し上げますと、申請の受け付け方式については、やはり学校長を経由して市町村教育委員会に提出をするというのが最も多い。それから、今度は支給の方法でございますけれども、学校から直接保護者に手渡す。いずれも学校経由というのが最も一般的な方法でございます。
○石井(郁)委員 いろいろちょっと広がっておりますけれども、申請から支給のことまでが今一つになっていますけれども、支給については学校長が手渡すというのは一般的と言っていいのでしょうか。例えば銀行振り込みでやってきたのじゃないでしょうか。
今私が申し上げましたように、大阪では、直接学校長が手渡すとか、あるいは教室で子供たちに言って申請を出させるとか、こういうやり方が子供の心を傷つける、教育上やはりいろいろな問題が起こるということから、二十年来、直接請求、区長の方に提出をするというやり方に変えてきたのですよね。それは教育上その方がいいからなんですよ。それを今何でもとに戻すのかということでもありますし、文部省としてはちょっとこれは言いにくいとは思いますけれども、学校長だけにしなければいけないということではないということだけ、はっきりさせてください。
○小林(敬)政府委員 御指摘のように、保護者の口座に振り込むというのも二五・四%ございますから、確かに決して少ない数字ではございません。
申請それから支給方式、これをどういうふうにとるかということは、再三申し上げますが、これは市町村の決するところ、私はそう思います。
ただ、冒頭にも申し上げましたように、学校から保護者に受け渡しをする場合には、子供たちに卑屈感を起こさせないような配慮をしろということは、毎年の局長通知で申し上げているところでございます。
○石井(郁)委員 こういう問題が出てきましたので、私も就学援助に関する法律と施行令を見ましたけれども、この中では学校長にそれだけの権限という形では具体的に書かれていないですよね、教育委員会が認定することになっているわけですから。私は、今出ている問題というのは教育上問題を起こす極めて行き過ぎたことではないかと考えているということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
残りの時間、山原議員にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○二田委員長 この際、山原健二郎君から関連質疑の申し出があります。石井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山原健二郎君。
○山原委員 福原学園の問題について御質問を申し上げます。
四月十一日に本委員会で私は質問をしましたが、そのとき文部省は、「引き続き平成七年六月に行いました指導事項が適切に履行されますよう、今後とも福原学園につきまして指導を続けてまいりたいと考えておるところでございます。」こういう答弁でございました。
その後、五月八日に文部省に福原学園の理事者側を呼んで説明を聞いておられるようですが、理事会側の説明と文部省の指導内容についてお聞きしたいわけです。
と申しますのは、この間の文部省の指導の甘さもあって、二十五億円の未回収どころか、評価額の三倍に当たる借地料を年間二億四千五百万円も特定の業者に払ったり、また、県からの開発許可がおくれたからという理由で損害賠償金が一億七千二百万円支払われるなど、莫大な金が特定業者に流出をしています。こんなことでいいのか。早い適切な指導がなされないとますます不可解な経理が続かざるを得ないのではないか、こういうふうに考えるわけですが、この辺はどうなっていますか、お伺いしておきます。
○雨宮政府委員 去る四月十一日に一たんお尋ねをいただいたわけでございます。その後、文部省といたしましては、五月八日に学校法人福原学園の理事長等に来省を求めたわけでございまして、その際には、平成七年六月、すなわち二年前でございますけれども、二年前に文部省が行いました指導三項目、ごくつづめて申しますと、法人の適正な運営の問題、それから土地取得等の適正な処理の問題、それから諸規定の見直しを図ったり整備を図ること、この三点の項目の改善状況について説明を受けたところでございます。
先生がお尋ねの、土地取得に係る、すなわち二十五億円の貸付金問題の処理についても話を聞いたわけでございますけれども、具体的な改善計画が示されていないことなど、なお不明な点が残っておりまして、私どもといたしましてはさらに事実関係等について説明を求めているところでございます。
○山原委員 福原学園の教職員は学園の将来を本当に真剣に考えているわけですが、理事会のたび重なる不祥事によって、大学では、臨時定員の取り込みはもとより、九州共立大学の大学院設置の申請もできない、また高校の統合の差し戻しによる保護者からの不信、理事会側の独断専行の人事政策、一方的な解雇などによる裁判事件などや、また専務理事の差別発言などが出てまいりまして、教育現場に大きな混乱を起こしているわけです。学園の先行きというものが全く見通しが立たない、真っ暗になっている。
こういう教学上大問題を起こしていることについて、文部省はどう認識をして、どう指導しているかということを聞きたいわけです。この点、どういうふうに御説明になりますか。
○雨宮政府委員 基本的には、おととし指導した項目についての履行と申しますか、改善を図るように求めることが基本になるわけでございます。特に二十五億円の関係につきましては、さらに事実を明らかにするべく私どもとしても努力いたしたいと考えております。
また、今先生御指摘のさまざまな問題でございますけれども、例えば、今年三月に、学校法人福原学園の設置いたしております九州共立大学の経済学部の教授会でありますとか工学部の教授会、九州女子大学教授会、九州女子短期大学教授会等々から理事の退陣要求も出されておるという事実は私どもとしても把握しておるわけでございます。また、その退陣要求の理由といたしましては、学校法人の理事会が文部省の指導に従っていないこと、教員解任等をめぐって裁判事件が生じていること等が挙げられている、こういうことでございます。
これらは広い意味では法人運営ということになるわけでございますけれども、もう少し具体的に申しますと、いわゆる理事会側と教学組織との連携と申しますか、十分な意思疎通が図られていないということになろうかと思うわけでございまして、先ほど来申し上げましたように、法人の適正な運営という観点に立って今後とも十分に指導してまいりたい、かように考えているところでございます。
○山原委員 気持ちはわかるのですが、今おっしゃったように三大学の四教授会とか、高等学校側の教職員会、こういうところも一斉に理事会の退陣を要求するというのは異例の事態なんですね。そういうことを考えますと、一日も早い学園の問題の解決のために、文部省としても、どこまで介入できるかわかりませんけれども、全力を挙げてやるという気迫を持ってもらいたいと思うのですね。いつまでもこんなことをほうっておいたら、またとんでもないことになってしまいます。
これは御承知かもしれませんが、平成七年十一月十五日の第十五回経営者会議の議事録を見ますと、今回の指導が文部省全体の意思であるならば学園も対抗手段をとらざるを得ないとか、たとえ行政の権限内においても内政干渉であるとか、私学の独立を脅かす越権行為であるとか、文部省の指導はバランスを欠いているとか、とにかく文書での指導、呼び出しがない限りこれに応じる責任はないというような文言がこの議事録の中に出てくるわけですね。そうしますと、文部省がいかに指導助言の立場にあるとはいえ、あるいはそういう立場にあるとしても、全く問題になっていないというようなことがあるのではないでしょうか。
たくさんの学生がおる学校でございますから、何とか一応の解決のめどを見開いていくということが文部省にとって今一番大事なことではないかと思いますが、もう一回お伺いしておきます。
○雨宮政府委員 私どもといたしましては、それぞれの私学が健全な経営基盤の上に立って円滑な教育研究活動を行うということが一番重要なことでもございます。したがいまして、私学の自主的運営ということはもちろんあるわけでございまして、その意味合いで、それぞれの私学の自主的な解決に向けての、あるいは改善に向けての努力というものに期待するわけでございます。
いずれにいたしましても、今申し上げましたような基本的な考え方に立ちまして、今後とも、同学園に対しまして適切に指導を行ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○山原委員 私学助成をやった場合、二十年ぐらい前のことだと思いますが、そのときにも、私学のみずから律するという問題が随分論議されたわけでございまして、今日の事態の中で、問題を解決するのは、もっと教育的立場で考えるならばできないはずはないと思いますから、その意味で、ぜひ問題を解決していただきますように、文部大臣、何か御発言がありましたら、一言伺っておきたいと思います。
○小杉国務大臣 ここに限らず、学校法人の適正な運営あるいは土地取得の適正化、こういう問題については、これからも注意深く適切に対処していきたいと思っております。
○山原委員 終わります。



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