平成九年六月十一日(水曜日)
午前九時三十二分開議
出席小委員
小委員長 河村 建夫君
稲葉 大和君 岩永 峯一君
栗本慎一郎君 戸井田 徹君
山口 泰明君 吉田六左ヱ門君
渡辺 博道君 池坊 保子君
佐藤 茂樹君 西 博義君
藤村 修君 肥田美代子君
山元 勉君 石井 郁子君
保坂 展人君 粟屋 敏信君
小委員外の出席者
文部大臣官房審議官 高 為重君
文部省高等教育局大学課長 早田 憲治君
文部省高等教育局学生課長 山中 伸一君
労働省職業安定局業務調整課長 浅野 賢司君
文教委員会調査室長 岡村 豊君
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本日の会議に付した案件
高等教育に関する件(大学生の就職について及び大学入試の改善について)
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○河村小委員長 これより高等教育に関する小委員会を開会いたします。
高等教育に関する件について調査を進めてまいります。
本日は、高等教育に関して、まず前半に大学生の就職について、後半に大学入試の改善について、まず、政府より説明を聴取した後、質疑及び討議に入ることにいたしたい、このように思います。
初めに、大学生の就職について、政府より説明を聴取いたします。文部省高審議官。
○高説明員 それでは、大学生の就職につきまして、就職状況と就職・採用活動の状況について御説明をさせていただきたいと思います。
資料は、お手元に「大学生の就職について」ということで「説明資料一」というのがございますが、それをごらんになりながらお聞き取りいただければと思います。
本調査は、平成六年度より実施をいたしておりまして、平成八年度からは労働省と共同で実施をするという形で行っておるところでございます。
最初に、一ページの方をごらんいただければと思いますが、平成八年度の大学等卒業者の就職状況調査の全体的な傾向を申し上げますと、全体としては、昨年度に比べ〇・八ポイント増となっており、若干の回復傾向が見られるのではないかと思っております。それから、大学につきましては男女ともに増加しているものの、短期大学につきましては、昨年度に比べて若干の城となっており、引き続き厳しい状況にあること。
それから、就職率でございますが、男子九五・六%に比べまして、女子は九二・二%ということになっておりまして、女子についてはなお引き続き厳しい状況にあるというふうに認識しております。それから、三枚目に地域別の状況が若干出ておりますが、地域別に見ますと、関東地区、関西地区に比べまして、北海道・東北地区あるいは九州地区につきましては相対的に引き続き厳しい状況にあるという状況になっております。
以上の就職率等を勘案いたしまして、いわゆる未就職者数を推計いたしますと、四年生大学で二万一千人、短大で一万七千人ということに推計ができまして、昨年度に比べますと約三千入減をいたしておりますが、この四月一日現在でいまだ三万八千人が未就職の状況にあろうというふうに推測をされます。
文部省といたしましては、就職指導の充実につきまして引き続き各方面にお願いをいたしておりますとともに、大学、企業関係者が一堂に会します全国就職指導ガイダンスなどを開催いたしまして、就職指導の一層の充実や就職先の確保に努力をいたしておるところでございます。これに関連いたしまして、文部大臣からも、四月二十四日の全国就職指導ガイダンスにおいて、各企業に対し、採用枠の拡大、とりわけ女子学生に対する配慮、それから、先ほど申し上げましたような状況にございますので、既卒業者に対する特段の配慮などをお願いしたところであります。
引き続きまして、平成九年度の就職・採用活動について御説明をさせていただきたいと思います。
いわゆる就職協定につきましては、大学等卒業予定者の就職活動が、学生の学習に支障なく秩序ある形で行われ、かつ学生が適切な職業を選択する公平な機会が得られますようにという観点から、それぞれ関係者の間で申し合わせが行われてきたものであります。
昭和二十八年以来、就職事務の開始日、大学推薦開始期日等を内容といたします大学側の申し合わせという形で始まりまして、いろいろ経緯を経まして、昭和四十八年からは、企業側も中央雇用対策協議会で大学側と同内容の申し合わせを行うというふうになってきたところであります。
その後、昭和六十年に、臨時教育審議会の第一次答申において、学歴社会の是正の観点等から、就職協定違反の採用を改めるようにというような提言がされたことを受けまして、昭和六十三年度から平成八年度までにつきましては、大学側、企業側双方によります就職協定協議会というのを設けまして、各年度の就職協定の申し合わせがなされてきたところであります。
平成九年度の就職協定につきましては、大学側としては、就職協定の意義にかんがみ、協定は採用選考開始期日等を盛り込んだ形で存続させるべきと、その存続を希望いたしておりましたが、企業側からは、就職協定と実態の乖離、それによります弊害、それから通年採用やインターネットの利用など新たな採用動向の拡大、それから就職協定がいわゆる民民規制の一つということで規制緩和の方向にそぐわない、そういった理由から協定の廃止が提案されました。これを受けて、双方で数回にわたり大変熱心な御協議をした結果、平成九年度については就職協定は締結しないということになったわけでございます。
したがいまして、平成九年度の学生の就職・採用活動は、これまでの両者の話し合いによります就職協定にかわって、資料の四ページの方をごらんいただければと思いますが、大学等においては、企業研究会・説明会は七月一日以降開催すること、学校推薦は原則として七月一日以降とする
こと、正式内定日は十月一日以降である旨を学生に徹底すること、学生に対し、七月一日以前の会社訪問等を慎むよう指導することなどを内容といたします、ここにございます「大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職事務について」の大学側としての申し合わせを行い、五ページになりますが、企業側は、学生の就職機会の均等を期するため採用情報を公開すること、正式内定日は十月一日以降とすること、不公正な採用活動は行わないこと、採用活動は大学の学事日程を尊重して行うことなどを内容といたします、ここにございますような「新規学卒者採用・選考に関する企業の倫理憲章」を定め、双方がそれぞれ申し合わせ、倫理憲章を尊重し、相互に十分周知をするといういわば新たなルールのもとに行われることになったわけでございます。
このことは、六ページにございますように、就職協定協議会の大学側、企業側双方の代表世話人であります、大学側は慶応義塾大学の鳥居塾長、企業側は日本経営者団体連盟の根本会長において、今後、大学側、企業側双方は、申し合わせ及び倫理憲章の尊重に努めるとともに、就職・採用についての情報交換や中長期の研究協議を行うこととし、そのための連絡会議を設置することとして確認されるとともに、このことにつきまして、平成九年一月二十一日に文部大臣に対してもその旨が報告をなされたところであります。
今後は、これまでの就職協定が果たしてきました大学等卒業予定者の就職・採用活動の秩序を維持し、正常な教育環境を確保するという趣旨が実質的に確保されるよう期待をされるものであり、とりわけ、各大学においては、学生が自己の適性、能力に応じて適切に職業選択ができるよう大学における就職指導の充実を図ること、大学において学生が十分な教養と専門知識に加えて適切な職業観を身につけるよう大学の教育指導の充実が望まれること、また一方、企業側においては、企業側の倫理憲章にも述べられておりますように、大学の学事日程を尊重した秩序ある公平公正な採用活動を行っていくこと、それから採用に当たっては、学歴、学校歴にとらわれず、学生一人一人が学業の成果として何を身につけたかを多面的に評価していくことが望まれるところであります。
本年度の就職・採用活動につきましては、従来のような就職協定が締結されなかったことから、その早期化、長期化による学校教育への悪影響が懸念される一方で、会社説明会の回数が増加し選択肢が拡大した、あるいは通年採用がふえ就職機会が拡大した、それからオーブン公募制などの採用情報の公開が進んだ等、企業側の採用活動の改善や多様化が進んでいるということが指摘をされておるわけでございます。
去る六月九日に、大学等の関係団体によって組織をされております就職問題懇談会というのがございますが、そこの第一回の会合が開かれたところであります。この就職問題懇談会は大学等の関係団体で組織をされておりますが、事務局は文部省の高等教育局学生課が務めております。
そういうことで、懇談会において、本年度の就職活動の状況について種々議論がなされましたので、その概要を申し上げますと、昨年に比べ就職・操用活動が早期化しているということ、それから授業への欠席者が多くなっているなど学校教育に悪影響が出ていること、内々定等に伴う誓約書など、学生への拘束が強まっているのではないかというような危惧が示されたところでございます。一方で、土曜、日曜日に会社説明会を開催する企業が見られる等学事日程への配慮も見られる面もあるし、昨年と余り変わらない採用活動を行う企業も見られるといった御意見があったわけですが、総じて、学校教育、大学教育に対する悪影響を憂慮する声が大学の関係者の中から強かったところであります。
当日の就職問題懇談会においては、本年度の就職活動の状況につきまして、昨年までのいわゆる就職協定が締結されなくなったということによります学校教育への影響や学生の就職活動への影響等について各大学等にアンケートを実施することを決めまして、その調査結果を踏まえて、大学関係団体によります就職問題懇談会として、企業側との連絡協議の場で、種々要請すべきことは要請し、企業側に働きかけを行っていきたいというふうにお決めになったところであります。
文部省としても、大学等における就職指導の充実に引き続き努力をしてまいりたいと思っておりますが、就職協定が締結されなくなったという状況のもとで、本年度はその最初の年になりますので過渡的な要素はあろうかと思いますが、先ほど申し上げました就職問題懇談会と企業団体との協議が円滑に行われるよう側面からそれをサポートし、学校教育を尊重した秩序ある就職・採用活動が行われるように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
以上でございます。
○河村小委員長 ありがとうございました。
次に、労働省の浅野業務調整課長にお願いいたします。
○浅野説明員 大学生の就職に関する労働省の施策につきまして、お手元にお配りしてあります資料に従いまして、御説明いたします。
まず、資料の一ページ目でございますが、これはことし三月の新卒者の就職状況についてでございまして、今文部省の方から御説明がございましたとおり、ことしは労働省と文部省とで共同で調査しておりますので、内容は全く同じでございます。
次に、資料の二ページ目ですけれども、これは平成九年度の、就職協定廃止になったわけですけれども、それに伴います職業安定機関における取り扱いの日程を示したものでございます。
学生職業センターなどの職業安定機関では、大学生への職業紹介を行っているわけでございますけれども、今年度は大学側の申し合わせに合わせまして、六月一日から求人を受理し、一斉に公開を開始するといった日程を設定しまして、また経済団体や企業に対しましても、公平公正な採用選考の実施、内定取り消しの防止などを呼びかけてきておるところでございます。
今年度の就職協定の廃止による影響につきましては、これもただいま文部省の方から御説明があったわけですけれども、労働省としましても、ことしの三月に各都道府県の方から状況を聞きましたところによりますると、例年より早い時期から来春新卒者による相談が多く寄せられるといったようなことで、採用・就職活動に早期化などの傾向が見られます。また、中小企業の方からは、人材確保が心配といった、そういった面での懸念の声が上がっております。また、第一線の職業安定所などの最近の状況ですけれども、やはり通年採用制の導入など企業の採用活動は多様化しているというような話も承っているところでございます。
次に、平成十年、来年三月新卒者の就職環境でございますが、資料はちょっとないのですけれども、労働省の労働経済動向調査によりますと、来春新卒者の採用計画につきましては、すべての学歴、産業において、採用予定者数を去年と比べてふやすという事業所が減らすという事業所を上回っております。また、六月一日から東京学生職業センターで来年度の求人を受理しているわけですけれども、先週一週間の求人の出足の状況でございますが、これを見ますと、昨年同時期の一週間と比べて、求人は二倍を超えておりまして、そういう意味で、非常に明るい兆しは見られているというふうに認識しております。
しかしながら、就職協定の廃止ということもありまして、企業の採用活動が早期化、長期化、あるいは多様化している中で、企業や学生の採用・就職活動が今後円滑に行われていくかどうか、推移を注意深く見守る必要があるというふうに考えておるところでございます。
次に、資料の三ページに入りますが、これは労働省の具体的な学生などへの就職支援策についてのものでございます。
三ページ目にございますように、求人公開あるいは企業説明会、就職面接会の開催、それから求
人一覧表の提供、あるいは公共職業安定機関における求人開拓の実施ということを行っているわけです。
次に、資料の四ページでございますが、これは今春の未就職卒業者に対する対策でございまして、ただいま文部省の方から御説明ございましたように、ことしの四月一日現在で未就職者が約三万八千人程度いるというふうに推定しているわけですけれども、これらの方々を対象としまして、この五月、六月、全国の十五都府県二十二会場で就職面接会を開催してきております。
次に、資料の五ページ目に移りたいと思います。これは来春の新卒者対策に関する資料でございます。学生職業センターでは、今年度は特に、求人を受理したら直ちにそれを情報提供していくということをやっておるわけですけれども、六月中に首都圏での求人展示会を初め全国十四都県十七会場で求人公開・説明会を開催するなど、できるだけ多くの学生に効果的に求人情報が提供できるように、今後とも積極的な活動を行っていきたいというふうに考えております。
最後に、六ページ目の資料でございますが、これは、新卒就職者がどの程度定着しているか、逆に言えばやめていくかという資料でございますけれども、四年制大卒者を見ますと、一年目で八人に一人、三年目までに四人に一人が、また短大では、一年目で六人に一人、それから三年目までに三人に一人が、最初に入った就職先を離職しているということを示したものでございます。
こういったことは、学生が就職活動を行う際に、自分の職業に対する適性だとか、あるいは職業とか産業に対する理解が必ずしも十分でないまま就職活動をして就職を決めてしまっているということが一因だというふうに考えておりまして、労働省としては、こういう意味では、早い段階から学生の職業意識の形成を図っていく必要があるというふうに考えておりまして、今年度から、学生職業センターにおいて、大学などとの連携を図りまして、自分の職業適性についての理解を深めるための講習だとか、あるいは産業や職業についてのセミナーを開催していくこととしております。
また、最近の傾向としましては、学生が在学中にみずからの専攻だとか将来のキャリアに関連した就業体験を行いますいわゆるインターンシップ、こういったものがアメリカなどでは既に早くから導入されてきておりますけれども、日本でもこういったことが非常に有効ではないかというような御指摘もいろいろな方面からありまして、そのあり方を検討するために、文部省とも協力をしながら研究会を開始したところでございまして、この六月四日に第一回目を開催して、今年度中に報告的なものをまとめたいというふうに考えております。
労働省としましては、今後とも、学生の就職支援につきましては、文部省初め関係機関と協力連携を図りながら、積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○河村小委員長 ありがとうございました。
これにて政府からの説明は終わりました。
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○河村小委員長 これより質疑及び討議に入ります。
なお、発言のございます方は、挙手の上で、小委員長の指名をもって御発言を願います。また、お一人一回の発言は三分以内でおまとめをいただきますようにお願いを申し上げます。なお、着席のままでよろしゅうございます。
それでは、どうぞ。
○西小委員 西でございます。
初めに、この議論を始める前提として一つ質問を申し上げたいと思います。
労働省の資料の二ページでございます。真ん中に「安定機関取扱い」、ちょっと色のついたところがありますが、その右側二つですね。「大学側申合せ」と「企業側倫理憲章」、これは平成九年度の両者が出ておりますが、就職内定の十月一日は双方とも固定化されていますが、上のところが、求人の受理とか会社説明会、このところが憲章には全くあらわれないままで今スタートしていると思うんですが、この双方の解釈について、まず議論の前提としてお伺いしておきたいと思います。
○浅野説明員 御説明いたします。
九年度の一番右側の「企業側倫理憲章」などは、これは文部省の方からお配りしてあります資料にございました申し合わせ、それぞれの各側の申し合わせの時間的なところがはっきりしているものをここに記入したということでございまして、それだけでございます。
○西小委員 ということは、このことにとらわれず、企業側は、この憲章を守っておやりになる範囲においては、何月何日からということについては特に制約はない、こう理解してよろしいんでしようか。
○山中説明員 文部省の学生課長でございます。
昨年まででございますと、今の表でございますと、採用選考につきましては八月一日、それから会社訪問につきましては七月一日というような数字、一番左の方に書いてございますけれども、これが就職協定ということで、企業側及び大学側両者が同じテーブルに着いて申し合わせたという協定ができ上がっていたわけでございます。
今年度につきましては、この協定が全く締結されなかったということになりまして、そうはいっても、大学側としては申し合わせ、企業側としては倫理憲章を定めたということでございます。企業側の倫理憲章の中で具体的な日時を決めておりますのは採用内定時期のみでございまして、採用内定時期は十月一日以降とするということが倫理憲章の中に記載されているわけでございます。
そのほかの、採用選考の開始でございますとか企業研究会・説明会の開始につきましては、一般的な採用活動に当たっては、大学側の学事日程を尊重し、学生が学業に専念でき、教育効果が上がるような教育環境の確保に努めるとか、あるいは公正な採用活動を行うという一般的な考え方に基づいて、企業が自己責任において自主的に行うんだということのみが決められているということでございます。
ですから、採用内定開始以外の事項につきましては、日程は一切記載されていないという倫理憲章を守るということになっています。
○藤村小委員 藤村修でございます。
先ほどの御説明で、昭和四十八年以降に就職協定というものが企業側、大学側で締結をされて、それがずっと相当長年守られてきて、昨年になって、ことしからの協定がほぼなくなるような結果になった。
六月九日の大学側の方の懇談会によりますと、危惧されるとかあるいは憂慮するとかということで、どうも就職協定がなくなることに大学側は戸惑いを見せているというか、そういうふうにお伺いしました。
一方、企業側にとっては、通年採用とか就職・採用においての方法が新たにいろいろな形で展開してくるという意味で、メリットの部分も相当感じているように受けとめました。
ことしがその初めての年でありますのでこの結果を見てということも当然あるかと思いますが、文部省あるいは労働省の政府側にとっては、この就職協定廃止は、今後やはりもとへ戻すとか、あるいはそれなりの協定が必要だという方向に進んでいくのか。あるいはむしろ、ある意味で、いろいろな面での自由化といいますか、そういう時代の流れというものにむしろこれはメリット、デメリットの部分は解消していく努力をするにしても、こういう流れを容認していくのか。政府のお考えは今のところどういうことでありましょうか、お尋ねしたいと思います。
○高説明員 基本的には、冒頭御説明申し上げましたように、関係者のいわば申し合わせということで過去行われてきた、性格的にはそういうことであろうと思います。
それで、歴史的に言えば、割と守られていたと
言うと語弊がありますけれども、かなり機能したとき、それから事実上機能しなかったときとか、若干そういう繰り返しがあったわけですが、いずれにいたしましても、今までの少なくとも六十三年から平成八年度までの間の双方がテーブルに着いて決めるということが、それがなくなったということは、企業側の意思はかなり強いというふうに、今回の平成九年度の協定をめぐっての両者の協議というのを見ておりますと非常に、企業側としては、そういう従来のような平成八年度以前へ戻るということは、まず状況としては考えにくいんではないか。
事柄の性格上やはりできるだけ、私どもとしては、一口で言えば、いわゆる学事日程といいますか、大学の教育に悪影響を及ぼさないような形でのことを種々働きかけてまいりたいと思いますが、従来の形のように戻るという予測がされ得るかというと、それはやはり否定的、流れとしてはそういう方向にはならない。むしろ、お互いにそれぞれの立場を尊重して、新しい、平成九年度以降の双方の立場を尊重していくという方が基本になるんではないかというふうに考えております。
○佐藤(茂)小委員 今のお二人の質問に関連してですけれども、今回私の調べたところによると、昨年の十月二日に日経運の根本二郎会長が、要するに守られない就職協定なら意味がないんだ、こういう発言をされたところからどどっと、どちらかというと企業側主導でこの就職協定というものが廃止になってそれぞれ倫理憲章と申し合わせという形になった。
そういうことなんですけれども、六十三年以降、この就職協定が守られるような形にするために何か努力されてきた形跡があるのかどうか。例えば、就職協定を破った企業なんかを公表したことがあるとか、そういう歴史があるのかどうかも含めてちょっと教えていただきたい。
それと、いわゆる就職協定というのも、まあいわば紳士協定のようなものであるというように言われておるわけですね。そうすると、この就職協定というのはどこまでも紳士協定であったということであれば、就職協定であった時代と、ことしからの、それぞれ企業側が倫理憲章をつくり、そして大学側が申し合わせをつくっておったこのことしからの時代との実態面の差というのはどこに出てくるのかというところがやはり、余り変わらないんじゃないのか、どちらかというと。お互いにそれぞれ紳士協定的なものと、それぞれの申し合わせであり憲章であるものと、守るか守らないかわからないままそのまま続けば変わらないんじゃないのか。そういう実態面を言うとそんなに変わらないんじゃないのかという、逆のとらえ方をすると危惧も抱くわけですけれども。
最初の、就職協定が守られるようにするためにどういう努力をされてきたのかということと、もう一つは、実態面において、就職協定時代と、倫理憲章、申し合わせそれぞれ二つのルールをつくったものとそんなに変わらないんじゃないのかという危惧を抱くんですけれども、そのあたりについて、文部省、労働省どちらでも結構ですけれども、どういうようにとらえておられるのか、ちょっとお聞きしたいんです。
○山中説明員 まず就職協定につきまして、それを守るためにあるいは守らせるためにどういう仕組みがあったのかということでございますけれども、昭和五十年度から昭和六十年度ぐらいにかけまして、企業側の方は中央雇用対策協議会というものが設けられまして、大学側の方は今と同じ懇談会でございますけれども、中央雇用対策協議会の方に労働省も参加いたしまして決議遵守委員会というものが設置されまして、違反企業に対する注意、勧告とかいうようなものがなされていたというのが昭和五十年代にございました。しかしながら、これにつきましても、指導を行えば行うほど隠れた違反が多いというようなこともございまして、労働省がそういうものから離れるということもございました。
それ以降また青田買いというものが非常に問題になりまして、先ほどありましたように臨時教育審議会の第一次答申の中で学歴社会を是正するんだということで、そのためには企業による大学生の青田買いというものを是正しなきゃならないということを強く呼びかけまして、それを受けまして、昭和六十一年以降、またもう一回締め直そうということで就職協定の遵守ということが大きな課題になり喫して、昭和六十三年からは両者が同じテーブルに着いて就職協定協議会というものを設置するということになっております。その中で企業鳳の方も就職協定の遵守懇談会というものを設けまして、就職協定を遵守していくということの働きかけを積極的に各経済団体に対して行うというような組織も設けられたわけでございます。
それで昭和六十三年から就職協定協議会というものも両者で発足してきたわけですが、だんだんと、やっているうちに、またその協定どおりになっていないんじゃないかということが起こってまいりまして、協定自体もだんだんと、内容的にも平成四年ごろから「採用選考の開始は八月一日前後を目標として企業の自主的決定とする」というような「自主的決定」という文言があらわれるというように若干弾力的な文言が入るようになってまいりまして、ここ七年度、八年度あたりは企業側から強く就職協定のあり方の見直しというものを迫られるということもあったわけでございます。
そうはいっても、平成七年度、八年度の段階では従来どおりの就職協定を結ぼうということで合意は一応成立していたというわけでございます。それが平成九年度の就職協定に至りまして、やはりこれは就職協定という締結はもう無理だということが企業側から提案されて現在の状態になっているということでございます。
○佐藤(茂)小委員 二問目に関連するんですけれども、何となく当初の決めたルールから実態がだんだん変わってきて、私は根本さんという人を別に評価するわけでもないんですけれども、ただあの方の十月二日以降の発言の経緯を見ていると、実態面に即して見た場合に、守られていない就職協定なんというのは意味がないんじゃないのか、そういうとらえ方から今回の廃止にまでつなげて、それぞれ倫理憲章さらに申し合わせということに結果としてなった部分があると思うんですね。だから、ある意味でいうと、去年の段階の大学から企業への就職の過程におけるこの実態面というものを見ていったときに、就職協定があることがどれだけの意味をなすような形になっているのか、今の倫理憲章、申し合わせというこの二つでルール化したものとそんなに実態面としては大きく変わらないような状況になってきているんじゃないのか、そういう危惧を抱くんです。
今学生課長がずっと説明されて、だんだん時代とともにいろいろなものがなし崩しになってきたという、実態面に即した見方を企業側が結局されたがゆえにこの廃止に結びついてしまったんじゃないのかというような、企業側の味方をするわけじゃないけれども、そういうとらえ方もできるんです。
そういう就職協定があることの意味と、なくて今回倫理憲章と申し合わせになったということの意味においてどこがどう違うのか、その辺をどうとらえておられるのか、教えていただきたい。
○山中説明員 これは今までの協定、昨年度までの協定も、企業側もそれを一応結ぼうという意思でまとまって、それで協定ができたということでございます。
先生、それでは協定に反するような行為が行われていたという実態があるとすればどれだけの意味を持ったんだろうというお尋ねなんでございますけれども、それについて今年度の就職問題懇談会でも、昨年度までも就職協定はあって、それに対してその後就職協定は守られていないんじゃないかという御指摘はいろいろあったわけでございます。
昨年度までの状況と今年度の状況を比較しますと、非常に就職・採用の活動が早く開始している。というのは、今まで就職協定、いろいろ御批判、実態と合わないんじゃないかというようなこともございましたけれども、しかしそうはいっても、
一定のルールと申しますか、日程が設定されたものがあったことによってある程度の秩序というのはできていた。これは私ども文部大臣の方も、制限速度は高速道路で八十キロというのがあれば大体どの辺が、百キロ出していても百二十までいくとまずいだろうとか、その辺の一つのルールがあるとそれが一定の機能を果たしてきたということは言えるのではないかと思います。
それが昨年度と比較してことしの就職・採用活動が非常に早くなってきている、あるいは長くなってきている、そういう面にあらわれてきているんではないかと思っております。ですから、就職協定があったことが全く意味がなかったということではなくて、一定の秩序、ルールをつくり出してきたという機能はあったんではないかと思っております。
そういう中で、ことしは就職協定が締結されないという状況になって、それでこの影響がどういう形であらわれてくるかということを、大学教育、学校教育への悪い影響もある、あるいは一方では、マスコミ等では、私企業の就職活動が多様化したことによって学生がいろいろ就職の機会がふえた、あるいは企業の就職情報の公開、インターネットを利用した就職情報の公開ですとかオープン公募制といいますか、メールでどんどん応募できるとかいろいろ機会が加わったとか、あるいは就職時期を単に四月一日だけではなくていろんな時期に、通年採用というようなことで就職機会が広がるとか、工夫が出てきているということは言われているわけでございますけれども、今の状況では弊害が多いのではないかという指摘がございます。
○池坊小委員 私は、就職協定が廃止されたのは、ある側面からはいいことではないかと思っております。今までこそこそやっていたのが大っぴらにやるようになる。本来、私は、就職というのは自分が率先して、自分の人生なのですから就職したいところに行くべきであって、学校が取りまとめるシステムそのものがおかしいのではないかと思っております。
ただ、今の状況で廃止になりますと、私は三点気にしておりますのは、やはり有名校とそうでない学校との格差、それから情報量が中央の方がたくさん入ってまいりますが、地方はなかなか入らない、その不利。そういう格差に対する文部省の配慮はなされるのだろうかということが一点。
それから二点目は、大学は何のために存在しているのか、大学の存在意義ということが変わってくるのではないか。つまり就職のための大学になってしまう。やはり直接役に立たなくても勉強というのは、学問というのは必要なのであって、大学というのは就職のためにあるのではなくて、本来、本当に純粋に勉強するためにこそあるのではないかと思うときに、もう二年や三年ぐらいから就職のために気をとられるのではないか。それだったら、いっそのこと三年間は純粋に勉強させて、四年からは就職でいいよというシステムにした方がいいのではないか。四年のゼミなどというのが実際は行われないのではないかと心配いたしますことに対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか。
それから三点目は、文部省の方々に日経連に働きかけていただきたいのは、何度も何度も言われていることではございますが、有名校、新卒への信仰に近い思い、これはアメリカのシステムなんかに日本が変わってまいりますと、当然、新卒じゃなくて中途でもいいよということになっていくと思います。私は、それはそれで構わないので今労働省の方が、四人に一人は三年間に離職する、それでもいいじゃないかと思っているのです。自分に合う就職先を実体験をしてから学ぶこともいいのであって、それをさせないために大学でそのような配慮をしたり、そのようないろんなシステムをつくったりする必要は全くないので、自由に就職ができるような、その受け入れ先への意識の変革ということをもっと積極的にやっていただきたい。この三点についてちょっと伺いたいと思います。
○山中説明員 まず、有名校の尊重の問題でございますが、この点につきましては、私どもも企業側に対して、学生がどこの大学を出たということではなくて何を学んできたのかという、その学生の能力、適性、そういうものを見て採用活動を行ってほしいという働きかけは行ってきているところですけれども、企業の中には、採用の過程において学校名を聞かないという企業も幾つか出てきているということで、そういう方向は非常に望ましい、ありがたい方向だと思っております。
また、情報量につきましても、確かに地方にいる場合の情報量というものが少ないという面等もございますので、今、インターネットを利用した企業情報、採用情報を流す企業等もふえておりますので、各大学、就職関係でそういうパソコンも整備して、学生が地方にいるからということでそういうインターネット等の情報に接することができないということがないように、という面での整備は進めているところでございます。あるいは就職情報室といいますか、そういうコーナーの整備等も進めているところでございます。ただ、地方にいる場合、就職・採用活動が長期化いたしますと、やはり東京や大都市にいる学生に比べて不利になるということはあろうかと思っております。
また、大学教育の意義でございますけれども、これは従来から、一番初めといいますか、長い間一定のものが続いておりましたのは、昭和五十年から六十年のときは十・十一協定といいますか、採用選考開始十月一日で十一月一日から決定するという時代が五十年から六十年代にかけて十年間ぐらいあったのですけれども、これはやはり大学生が大学四年間で何を学んだかということを見るためには少なくとも秋ごろ、その時期にやってくれということで、十一月一日に正式に内定するんだという時代があったわけでございます。
それでやっていたのですが、もうどんどん前倒し前倒しで来ている。実態に合わないということがありまして、昭和六十年代になるとこれが、じゃ八月ごろに採用選考を開始しようということになり、それは七月一日から説明会になり、それで今の状態になっているということでございます。ぜひ企業には、企業側の団体からの、いろいろ大学教育に対して御注文は多いわけでございます、御注文をされるからにはぜひその御注文に合う形で大学教育も、合う形でといいますか、大学自体も、社会のニーズに合った大学教育ということも一つの使命でございましょうから大学改革を今進めているわけですので、ぜひ四年間の大学教育あるいは二年間の短期大学教育、これを尊重した、そこでの成果を見るような採用活動ということを行っていただきたいということを強く訴えてまいりたいと思っております。
○池坊小委員 私は、その社会のニーズに合う学校のあり方というのがむしろ疑問だと申し上げたいんですね、そんなことをする必要があるのでしょうかということを申し上げたいのです。
流通大学というのがございまして、これはもう大学のカリキュラムの中で、社会ですぐ役立つことを教えているそうでございます。ですから就職も一〇〇%と伺っておりますけれども、そんなことを大学がする必要があるのかということが私が今持っております疑問で、それに対してちょっと御意見を伺いたいと思います。
○高説明員 それぞれ大学でどういう教育を行うかというのは、基本的には大学がまずお決めになる。そういうことで今回のカリキュラム改正も、基本的には大学で自由に、もちろん大学教育としての基本はありますけれども、そういうことですので、それで、かなりそういう実学面に力を入れる大学もあれば、いわば教養的なものに力を入れる、それはそれぞれの大学で設計できるというふうにして、それぞれの大学の目的に応じたカリキュラムということが基本になろうかと思っております。
○岩永小委員 僕は、十月からここに来て約八カ月ですが、本当に文部省は学生に勉強をさせる環境をつくる気があるのかどうか、大変疑問なんですよ。今のように、学生がアルバイトをしている、
そしてほとんど授業に出ない、なおかつ要領よく単位を取って卒業する、こんなことを放置している国というのは日本しかないですよ、世界の中で。私は、だから文部省の基本的な取り組み、本当にこれからの新しい日本の経済を支えていく、そして日本の進展を考えていく、そういう次の後継者を育てる気があるのかどうか、このことに対して大変な疑問を持っているんですよ。
これは文部省しかできないんですよ。だから、文部省がそういう制度をつくるなり、私学なり公立に対する基本的な部分というのをきっちり踏まえていって、やはりそういう対応をしていかなきゃならぬ。
今回の就職協定でもそうですよ。これは六月十日の新聞ですか、もう欠席が多くて大学側は「授業にならぬ」、こういうことを言っているんですよ。キャンパスは混乱している。だから企業に好きなようにされているんですよ。だから、文部省が学校管理の中できちっとしたイニシアチブをはっきりとって、そしてだめだったらだめで、もっと企業に対する厳しい対応をしていかなぎゃいけない。
私は、協定がいいのかそれとも前のような倫理憲章がいいのか、これは別にして、やはり子供たちが精いっぱい勉強できる、そういう環境をどうして我々が守ってやるか、どうしてつくってやるかというようなことを考えていかなければ、これからの日本の教育というのは崩壊してしまいますよ。次の世代を背負って立つ人間は生まれませんよ。そこらあたりどう思っているんですか。
○高説明員 おっしゃるように、きょうの御議論でも、最初に出口の就職の話で、次が入り口の入試の話とありますが、私ども、一番大事なのは、真ん中での大学教育がいかに充実するかということであろうかと思っています。
そのために、大学の改革ということで、今各大学積極的に取り組んでいただいておりますが、その基本は、いかに大学のいわば中での教育機能の充実強化を図っていくかということで、そのための諸施策を展開してきておりまして、一つは、それはそれぞれの、大学ですので基本的には大学の自主性というのは大変尊重されるわけですから、大学がみずからそういう教育機能を充実できるように、いわゆる設置基準等で、大綱化といいますか、カリキュラムの設計の自主性をより大学にお与えしておりますし、それから私どもとしても、できるだけ授業が充実するように、少人数教育とかあるいは授業計画の事前の作成、公表といったものも進めておりますし、ファカルティーディベロプメントということで、教員が授業内容なり方法を改善して向上させていくような組織的取り組みとか、それから学業成績の評価というものを厳正に行っていくというような方向で…
○岩永小委員 言葉ではいい言葉を使って、そういう努力をしている、努力をしていると。実態はそうなっていないじゃないですか。
○高説明員 いえ、大学の教育の方の改善というのは相当進んできております。それは数字にしても、カリキュラム改正をしたのは八割を超える大学で改正してきておりますし、今言いましたような授業評価につきましても、相当な大学で学生評価を入れて…
○岩永小委員 僕はこの間、うちの坊主がアメリカの大学に行っているので、結婚式に一日帰ってきてまた向こうへ行く、三日間休むことができない、それほどやはり向こうの教育については厳しい。しかし、日本は、スポーツをしていても、アルバイトをしていても、そして遊び回っていても取れるという現実が、卒業できるという現実がやはりあるわけですよ。
じゃ、そうしたら、何日授業を受けて、どれだけの厳しい試験を受けて、そして卒業しているか、そこらあたりのきちっとした生活実態の中から見た大学の中での教育の実態というものをきっちりつかんでおられますか。
○高説明員 個々のそれぞれの大学における学生の修学状況とかいうことは、もちろんそこまで把握をすべきものでもなかろうかと思いますのでいたしておりませんが、全体として大学における授業への出席時間というのは、一昨年ですか、調査をいたしましたが、かなり高い出席の状況に、私の自分の経験からすれば大変授業出席もよくなっておりますし、それぞれの大学でまず授業の充実ということで、そうした出欠のことも含め、あるいは教員の方にしても欠講する場合の補講の手当てとか、そういったことをそれぞれ大学でまず十分されているというふうに思います。
○岩永小委員 ちょっと最後。
この新聞見られましたね。欠席多くて学校は授業にならぬということで、就職問題懇談会の東京商船大学の久々宮さんですか。こういう実態というのをどう把握しておられるか、そしてこの実態を解決するためにどうしたいと思っておられるか、このことについて今度は中で協議されたことはありますか、そして対応をお決めになられたことはありますか。
○高説明員 その新聞の件につきましては、先ほど就職の採用状況、協定の関係で御説明申し上げましたが、その当日の会議というのは、事務局は文部省がいたしておりますので、その場に私どもおりまして、その上で、そうした混乱の、先ほど御説明申し上げましたような、当初から危惧されておるような状況というのが見られるということですので、企業側にそうした申し入れをするにも、全体の状況を把握する必要ということがございますので、先ほど御説明申し上げましたように、まず全体の大学のそういう状況の調査をして、それをもとに企業側と大学側との話し合いをしていこうというふうにいたしておるところでございます。
○山口(泰)小委員 山口泰明です。
私は中小企業の経営者の端くれて、実際採る方でやっていたのですけれども、説明会なんかは平日やったのですが、私が最終面接したときは、自分が平日忙しいものですから土曜か日曜面接をやったのですが、これはやはり私はイタチごっこだと思うのです、いろいろ企業は。ですから私は、就職活動は全部土曜、日曜に限るということでやったらある意味でどうかと思うので、その辺、労働省と文部省、お考えはどうでしょうか。
やはり企業も優秀なのを採る――確かに土日大変だという声が大企業あるかもしれませんけれども、やはり将来の人というのを、これは人をいい人、悪い人という差別をしてはいけないかもしれませんが、初任給でも、例えば四百万払うのもかったるいような人も、新人でも八百万、一千万上げたい人も経営者から見ればいるわけですよ。ですから、土日負荷がかかっても、当然そういうことを企業はやれるのではないか。私は中小企業だからやれるのかもしれませんけれども、その辺お願いします。
○浅野説明員 企業の採用活動とか学生の就職活動というのは、それぞれ企業の営業の自由だとか学生の職業選択の自由というものに基づいて行われているものですので、どのくらいのどういう規制ができるかというのは非常に難しい問題だと思っていまして、結局そういう意味で、労働省としては、協定というのがそれなりに一定の役割を果たしてきていると思っているわけですけれども、その協定についても、守られない協定の当事者になることはできないということで、オブザーバー参加という形をとってきたわけですね。
今、先生御指摘の問題というのは、土日に現実問題としてそういう動きが双方そういうふうになれば、それはそれで別に問題はないのでしょうけれども、これを公的な規制なりなんなりするのは非常に難しいのじゃなかろうかという気はしております。
○山口(泰)小委員 文部省はどうですか。今、岩永さんが言ったような、土日にやれば、当然授業は月曜から金曜やっているわけですから、そういったような現場の混乱は起きないと思うのですけれども。
○山中説明員 確かに、学事日程を尊重していただくという面では、土日ですと大体授業がありませんので、尊重していただくということになるか
と思うのですが、ただ、労働省からございましたように、企業の採用活動というものについても、自由な活動ということもございますので、そういう形で両者が合意ができればそういう方向もあろうかと思いますけれども、今の状況ではそういうことになっていないということだと思います。
○岩永小委員 合意じゃないよ。学校を管理するのが文部省じゃないか。
○山中説明員 企業の方の活動でございます。
○山元小委員 九日の就職問題懇談会の中身、これはやはり深刻に受けとめなければならぬと思うのですよね。近年ずっと就職協定が守られない、だからもうやめておきましょう、これは経団連側の論理なんですよね。九日のこの懇談会に出た、さっき岩永さんからもありましたけれども、講義やゼミが成り立たないとか、四月早々からもう内々定が出るというようなことはやはり大変なことだ。労働省も文部省も深刻に受けとめなければならぬだろうと思うのですね。慎重に、注意深く見守るとかいうふうに労働省さっき言うたけれども、ことしの就職活動についても相当ブレーキを踏まなければいかぬのと違うかと思いますよ。
四月に内々定が出るとすれば、少なくとも三年で勉強が終わるような感じになってしまうわけでしょう。短大においては一年で終わってしまう。四月に内々定が出るのだったら、一年目の途中からもう就職勉強をしなければならぬ。頭の中は就職でいっぱいになるというような大学、短大の姿というのは、これは好ましいことでないし、絶対に教育や子供を守るという観点からも、労働省、文部省がよっぽど策を立てなければならぬ。だから、注意深く見守るとか、あるいはこれから調査をするんだということでは済まぬだろうと思うのですよね。
現に、今三万八千人の就職できていない学生がわんさといるわけですね。特に女子学生なんかは大変困っている。そういう中で四月から内々定が出るというような状況については、これはもう早急にやはりブレーキを踏む方策を立ててもらわないといけないと思うのですよ。大学の教育改革を進めようという中で本当にそのことを考えるのであれば、この就職活動というのが大きな阻害になるということを考えたら、策を早く立ててほしい、繰り返して言うけれども。そのことについては省内ではどういう論議をしているのか。
○山中説明員 まさに学生の教育をどうやって守っていくかということで、この就職に関します企業側との協定というものも、昭和二十八年ごろあるいは四十八年ごろの時代につきましても、昭和四十八年ごろから始まったときには三年生の一、二月ごろから企業側の採用選考が始まっているというような状況があって、これでは大学の教育というものが成り立っていかないということがございまして、それで企業、大学が協議して一定のルールをつくろうと、やはり大学の教育というものを守るという形で企業も大学生を採用するということですので、そういう形での協定ができたわけでございます。それで恐らく、昭和五十年代のときはオイルショックがありまして、それで採用内定を取り消したりとかいろいろな混乱があったということもあって昭和五十年代の協定になっていったわけですけれども、このときもやはり、企業も採用活動の中で学校教育を尊重していくんだ、大学側もぜひ学校教育、大学教育、学生が四年間、まあ最後のところは就職を決めなければならないけれども、それにしても四年の大学教育なり二年の短大教育というものを尊重してくれということで、企業側もそれを尊重しよう、尊重していくということでの協定になったわけでございます。
ただ、一たん協定ができると、一つができるとまたすぐに、じゃ優秀な学生を採ろうというのか、少しずつ動き出すというふうなことが……
○山元小委員 それはよく言われるように、市場原理の中に学生を放り出すことになってしまうわけですよ。これから後半のテーマになるけれども、私たちは大学の入試制度あるいは大学の教育の中身というのを考える。私は、大学の入り口を広くして、卒業するのは大変難しい、必死になって勉強しないと卒業できないというような大学にしなければいかぬと思うのですね。短大の一年目から就職、大学で三年目から就職というようなことではとてもじゃないが卒業できませんよという大学に改めていくためにも、このことについてはきちっとしなければならぬと思うのですよ。
だから、それはもう文部省として、大学教育、高等教育を守るという観点から今のような、不信感を持つわけではないけれども、経営側を信頼するようなことをもたもた言っていたんじゃ話にならぬというふうに思う。
○戸井田小委員 戸井田です。
これはやはりルールを決めるだけじゃなしに罰則をつくらないとだめなんですよ。大学は四年間学校で勉強させるというのが文部省の責任なんですよ。それは大学にも責任あるわけなんですよ。もし就職活動をするのだったら大学をやめて就職活動をしたらいいわけです。少なくとも四年の終わった四月一日なら四月一日まで解禁しない、それ以降、卒業してから就職活動をやりなさい、それに違反した者は、学生はやめなさい、企業も何らかの形で罰則を与えるようなことを何か考えていかなかったら、企業なんかやりたい放題だし、そんなモラルも何もないのですから。
それを今海外から何度も日本の企業なんというのは指摘されているわけでしょう。最初の入り口の、企業、社会に入っていく段階でそういうものをきちっと決めておかなかったら、学生なんかだってそういう裏活動にたけている人間だっているわけだし、逆に言えば、それが自分らの能力を逆にそこでストップされているという感じがあるのかもわからないけれども。だけれども、協定なんか幾らつくってみたところで、絶対意味ないですよ。
必ず、学校が全部四年間満了するまでは就職活動は一切まかりならぬということをぴしゃっと決めたら、それ以降のことでもって話は進んでいくのだろうと思うのですよ。企業も、中途であろうと何であろうと、欲しいのであればそこで採用したらいいわけですよ。本人も、それで納得するのだったら学校をやめて卒業の資格を取らずに就職したらいいのですよ。そういうことを決めておかなかったら、こんなのいつまでたったって同じような状況が続くわけですよ。企業は自分たちが都合がいいときに、忙しいときは早く採用しようとするし、忙しくないときは勝手に採用しませんということで、企業の自由があるのですから。
文部省が何をやらなければならないかというのは、四年間きちっと学校でもって勉強させる、それをいかに守るかというそれだけで、就職のことなんか考える必要ないのですよ、と私は思います。
○肥田小委員 もう一つ文部省のお仕事としてお願いしたいのですけれども、女子学生の就職難ということに関連するのですけれども、やはり小さいときから、自分の仕事は何かということを自分で、自分の能力に応じて、自分の個性に応じて判断できるようなそういう習慣がどうも子供たちについてないような気がするのです。あくせくと受験戦争に勝ち抜いて、やっと大学に来てぽけっとして、その後に就職戦線が来るわけです。それで自分の仕事について一回も考える時間がなくて、小さな窓口にみんながだあっと集まるものですから、職業を選ぶときの多様性とか多様な価値観が全然ないのですね、子供たちに。ですから、そのことについては、多分部署が違うかもしれませんけれども、小さいときからそういう教育をするという方向も一つ考えていただきたいと思います。
それからもう一つ、企業の倫理憲章とありますけれども、こんなに倫理憲章というすばらしい名前をつけられるならば、学校歴についてどういうふうにこれから書かせるおつもりか、ちょっと伺いたいと思います。学校歴はもうこれから不聞にするというようなことを倫理憲章に書く方向でいかれるのかどうかについてお尋ねしたいです。
○山中説明員 学校歴と申しますのは、言い方をかえれば学生の就職機会の均等ということになる
うかと思いますけれども、そういう就職したい機会の均等ということは、今までも企業側でも申し合わせと申しますか、そういう中で一応そういうものを決めているという状態にはなっていると思います。
○肥田小委員 これは企業の文書ですけれども、ただ将来的にはそういうことを書いていただくような方向にお願いをしていくという形にはなるのでしょうかという話です。
○山中説明員 文部省としても、大学の名前とかそういうものにこだわったりというような、指定校制度という問題で言われていたこともありますし、あるいはリクルーターというのがあって、これは特定の大学の卒業生が自分の大学の在校生に対して働きかけるというようなことがあって、そういうことをやめていただくような、そういうことを今まで働きかけています。
○渡辺(博)小委員 今までの文部省のお話、特に、聞いていますと、何か企業側サイドに立ったお話のように受けとめてしまうのですね。
というのは、やはり文部省としては、少なくとも大学教育の本質的なあり方というものをしっかりととらえていくならば、この就職活動に関して企業側の論理を押し通すことは本来はとどめなければいけないというふうに思うわけです。大学に入って何を学ぶか、そして何を自分の身につけさせるか、こういったものが本質的に大事なものであるけれども、こういった内容を聞きますと、かつての就職協定が守られないから今度はこういった形に改正していくというふうなことでは、私は全くイタチごっこだというふうに思うわけです。したがって、単なる倫理憲章なんというのを例えば企業側が出したって、これは全く紙っぺらにすぎないというふうに思うわけですよ。
大学の自主性云々とかいうのもよく言葉にしますけれども、これを守らせるのはやはり文部省しかないのですね。だから、文部省がもう少ししっかりとした姿勢を示すことが必要だというふうに私は思うのです。
そして、特に、こういう企業側の代表世話人が出してある倫理憲章という形の立派なものがありますね。四番目に、「採用活動にあたっては、大学側の学事日程を尊重し、学生が学業に専念でき、より教育効果が上がるような教育環境の確保に努める。」言葉で言うとすごく立派ですが、ではこんなことは現実にできるのかということになってしまうのです。今、岩永さんの方の新聞報道にもありましたけれども、現実はそうではないですよ。現実はそうでないのだったら、こんなものはもう既にほごになっているのと全く同じでございますので、こういった問題については、もう少し文部省としても真剣に教育のあり方という観点から本質論を考えてもらいたいなというふうに思うわけです。
それに関して御意見をちょっとお願いします。
○高説明員 おっしゃるとおりでして、私どもとしては、就職協定の話は、先ほど来説明しておりますように、いわば当事者間でいろいろな取り決めをされて一定の秩序を図ろうということでされてきておる。ただ、そのことが大学教育を、学生の教育をちゃんとするということに非常に有意義ですから、私ども事務局なりに参画してきておるわけです。基本的には、そういう大学での教育がいかに充実して行われるかということに、おっしゃるとおりそこに私どもの基本的使命があります。それで、先ほど来、いろいろ御批判があるかと思いますが、大学教育の改革ということで鋭意努力してきておるつもりでございます。
○河村小委員長 前半の時間があとわずかになりましたので、まだ質問をされてない方を先に。
○石井(郁)小委員 一言ですけれども、私もこの企業側の倫理憲章を見まして、しかしこの五項目で倫理になるのかなというのを一つ思います。大体今、日本の企業の問題がいろいろ出ていますけれども、倫理ということで守られているようなことというのはやはりないのですね。だから、そういう点でいうと、これが一体どういう意味を持つのかということが大変考えるところなんです。企業の方はいい人材をやはり欲しいというふうに思うでしょうし、それから学生の方は、やはり弱い立場で、どこかにとにかく就職したい。この不況の中だととりわけそういうこともあると思うのですね。だからそういうふうに走るというふうに思いますけれども。
私は、ぜひひとつ、この委員会になるのか文部省に伺うのかどうかあれですけれども、企業側としても今のような就職活動で本当にいい人材が採れると思っているのかどうか、そういうこともちょっと確かめたいなという気がするのですよ。文部省として、そういう点もどうつかんでおられるのか、そして、もし必要だったら何かそういう場も設けてほしいかなというような気もするのですよ。
○山中説明員 企業側も、経団連でございますとかあるいは日経連でございますとか、いろいろ、大学教育を含め、人材の養成とか採用のあり方についての提言と申しますか、そういうものもそれぞれまとめられておりまして、その中で大学教育に求めることとかそういう事項も書かれているところでございます。そういう中では、いろいろ社会が大きく変化しているので、多様な個性を持つ人材が欲しい、あるいは高等教育機関でもそういうものを養成してほしいというような具体的な提言はあるところですけれども、私どもも、ことしの採用活動についても、この倫理憲章が守られていれば、これは学事日程の尊重というものがありますので、この前の就職問題懇談会であったような話は出てこないはずだと思っております。
○石井(郁)小委員 それが出てくるわけです。
○保坂小委員 その就職活動についてなんですけれども、文部省はいろいろな文書で、今回もそうですね、いわゆる子供たちの個性を尊重しとか、自分探しの族とか、いろいろ最近はちょっとしゃれた文句も入ってきて、一人一人が多様に輝くとか、多様にということを言われていますね。このところ地下鉄の駅なんか歩いたりすると、紺とか黒とか、いわゆるリクルートルックというやつですか、男子も女子も、特に女の子が、本当に地味な、絶対にこの四年間着なかっただろうという服を着て歩いているわけですね。まさに多様じゃないわけですよ。
今回の第一勧銀で逮捕された方たちも、何て運が悪かったのだろうと思っていると思いますよ。要するに、上が言ったことに対してだめだというふうに言えるような人材を日本の企業は持ってこなかったのですね。でもこれからは必要だ。「逆命利君」という小説もありますけれども、上が間違ったことを言ったら、それは違います、首になってもいいからこれは違うと言い切るような人材が必要なんですよ。
会社に入る入り口のところで、あんな、日本独特のああいうことを放置していいのですか。その辺、どういうふうに思っているのか、横並びそのものじゃないですか。
○高説明員 まず、今おっしゃったようなリクルート、だれも決めているわけではなしに……(保坂小委員「横並びで決めている」と呼ぶ)決めているというか、少なくとも、私どもなりあるいは企業がどうこうということでそうなっているわけではない。
これは私の個人的な感じになりますけれども、我が国の特有の、我が国特有かほかの国がどうか知りませんけれども、おっしゃるように、確かに非常に横を見るといいますか、突出するのをある意味で嫌うところがありまして、平均的といえば平均的ですし、自分の主張というよりは、その主張が周りでどう受け取られるかという、よく言えば他に対する非常な配慮といいますか、他人の考えなり思惑というものを非常に重視する。
そのこと自体は必ずしも悪いことではないとは思いますけれども、おっしゃるように、こういう時代になってきますと、そういう平均的なものだけではよく言われる大競争時代に多分我が国が生き抜けないだろうということで、今度の中教審のいろいろな答申でも、やはり個の尊重なり個性ということで、私どもとしては、そういう横並びで
ない、自分でみずから考える、判断できる人材の育成ということで、教育改革の大きな流れの柱の一つとしてそれをしてきておる。それがまた今、現実の出口の学生を見るとそうはなってないのかもしれませんが、できるだけそういう方向に向けてまいりたいというふうに思っております。
○河村小委員長 時間が一応半分のところへ来ておりますが、もうちょっとあれですか。
○藤村小委員 政府に対する質疑及び小委員間の自由討議ということで、ぜひとも。
例えば、先ほど山元委員からも大学の中身で、入試では広く、そして出るのは難しいという、あるいは岩永先生からもアメリカの例もお聞きしておりますが、やはり、文部省をどうこう言うのじゃなしに、その中身の仕組み、やはり文部省も法律とか予算で動いているわけで、例えば、大学生がそれだけアルバイトをしないといけないのなら、やはり育英奨学金をどれだけ充実させるかというのは国会で論議をし予算をつけていく、こういう問題だと思いますし、あるいは戸井田委員からも、四年間は就職協定まかりならぬという規制をする、これは国会で決めることでもありますので、各党というよりも、むしろ、割に教育問題については、今、中身の問題で、大学教育の中身をどう変えていくかというところがこの高等教育の小委員会の大きな使命ではないかということを発見したということを、最後に私は申し上げたいと思います。
○山口(泰)小委員 ちょっと労働省に要望なんですけれども、埼玉県の部落解放の集会に行ったのですが、そのときに、やはり地方の中小企業でまだちょっと就職の差別の問題があるというお話を聞いたものですから、その辺、地方の方を徹底していただいて、やはりそういうことがなくなるように特段の配慮を、ちょっと場違いかもしれませんけれども、就職ということで、済みません。
○浅野説明員 今先生が御指摘の問題について、労働省は非常に重要問題だと思って研修活動とかいろいろやっているわけですけれども、そのことについてはまた指導を徹底していきたいというふうに思っております。
○河村小委員長 ありがとうございました。
一応きょうの時間の半分ということになりましたので時間が参りました。
今、藤村委員の方から最後にまとめもいただいたような気がいたしますけれども、私もお聞きしておって、やはり大学教育本来のあり方とこの就職のあり方ですね、かなり混乱しているのではないかと皆さんも懸念をされておる。文部省の役割というのも強く求められているものがあります。もちろん、就職も人生にとって大きな課題でありますから、これはないがしろにできるようなことではありませんけれども、やはり、大学が持つ役割というのは何なのかということを皆さん強く懸念をされた、こう思います。
きょうの大学生の就職の状況に関するいろいろな質疑、広範な御意見がございました。これを一遍に取りまとめるというのも大変でございますが、きょうのところは一応この程度にとどめたいと思います。本来なら、議員同士でいろいろ意見交換をしていただくともっと中身がと思いましたが、時間もございません。またの機会ということで、きょうの大学生の就職についての質疑及び討議はこの程度にとどめることにして、次の議題に進みたいと思います。
労働省側、ありがとうございました。
―――――――――――――
○河村小委員長 次に、大学入試の改善について、政府より説明を聴取いたしたいと思います。文部省高審議官。
○高説明員 大学入試の改善につきまして御説明をさせていただきます。
大学の入試については、申すまでもなく、大学教育の最初の第一歩として、基本的には各大学の自主的判断によりまして適切に実施されるべきものでありますが、大学入試は社会的にも大変関心が強く、高等学校以下の教育に与える影響も大きいことから、特に、大学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を多面的に判定すること、それから公正かつ妥当な方法で実施すること、それから入試によって高等学校の教育を混乱させることがないように配慮することなどが重要な要素になっております。
お手元に資料を御用意しておりますので、それに即しまして、現状等につきまして御説明を申し上げたいと思います。
最初に、一ページをめくっていただきますと、大学の入学志願者、入学者の現状でございますが、1にございますように、現在、これは四年制大学ですが、大学に入学を志願する者は約八十六万人でありまして、このうち大学入試センター試験を受ける者が約五十五万人、そしてその後個別試験を受けて合格という形になるわけでございます。それからセンター試験を受けずに個別試験のみによって合格するという、大きく分けて二つのコースというかケースがございまして、最終的に、平成八年度では約六十万人が入学をしておるという状況にあります。
次に、大学入試センター試験についてでありますが、最初に導入の経緯を簡単に申し上げますと、大学入試センター試験の前身であります共通第一次学力試験の導入以前においては、とかく一回の学力試験に頼ってすべてを決定するという傾向が見られ、また、各大学が独自に入学試験を実施していくために、いわゆる難問奇問が数多く出されて、高等学校教育に好ましくない影響を与えている、そういった反省がありまして、難問奇問を排して良質な試験問題を確保するとともに、各大学が実施する二次試験との適切な組み合わせによって入試の個性化、多様化を推進していくということから、昭和五十四年度から共通第一次学力試験が導入されたわけであります。
しかし、年を経る間に、共通第一次学力試験が一律に五教科を利用するということにしていたこと等によりまして、大学の序列化とかいわゆる輪切りの顕在化が出てきた。それからまた、この共通第一次学力試験が国公立大学だけを対象としておりましたので、いわゆる入試改善が国公立大学だけにとどまるというようなことがございました。そこで、そういったものの状況を臨時教育審議会で御検討なされ、その答申を受けて、各大学がそれぞれの判断と創意工夫によって利用教科・科目を自由に指定できるアラカルト方式により、私立大学も参加できるようにした大学全体としての入試改善になるよう、大学入試センター試験を平成二年度から導入をしたわけでございます。
この大学入試センター試験の意義といいますか効用でございます。それは、二ページをごらんいただきますと、一応こういう形で五項目ほどに取りまとめておりますが、大学入試センター試験は、入学志願者の高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定するということを目的として、各大学がそれぞれの判断と創意工夫に基づき適切に利用することにより、大学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を多面的に判定するということに資するために実施をされておるものでございまして、このセンター試験の導入によって、ここにございますような成果が得られているというふうに言われております。
一つは、個別試験との適切な組み合わせによるそれぞれの大学の入試の個性化、多様化が進展したこと。それから国公立だけでなく私立大学を含めた入試の改革が進められるようになったこと。それからセンター試験が難問奇問を排除することによって、各大学の個別試験の出題にも好影響を及ぼして、難問奇問が減少したこと。センター試験では身体に障害を有する受験者に配慮しており、各大学における対応において先導的な役割を果たしていること。平成九年度の入試からは出題教科・科目数を増加させまして、高等学校教育の多様化を大学入試の面からも支えていること。こういった意義が言われているところであります。
大学入試センター試験の実施状況でありますが、平成九年度においては、(3)にございますように、国公私立大学を合わせて三百大学がセンター試験を利用し、受験者が五十五万人ということに
なっております。これは、次の三ページにありますように、数字は志願者数で書いてありますので平成九年度六十万人ということになっておりますが、順次増加をしてきております。それから、利用大学も、その下の表にございますように、現在、平成十年度の予定では、私立の百八十大学を加えまして三百三十二大学が利用するということになっておるわけでございます。
次に、もとの二ページに戻っていただきまして(4)のところでございますが、大学入試センター試験の改善方策についてでありますが、平成九年度の大学入試センター試験におきましてはいろいろトラブルが生じまして、中でも数学の試験において、旧数学Uと数学U・数学Bの平均点の間に約二十二点の得点差が生じ、大変御迷惑をおかけし、また御心配をかけ、国会でも種々御質疑をいただいたわけですが、大変申しわけないと思っております。その後、文部省も入試センターに直ちに指示をいたしまして、入試センターにおいてセンター試験の改善案について検討し、去る四月にその概要を取りまとめたところでございます。
その内容は、ここにございますように、高等学校関係者によります新たな難易度のチェック体制をつくること、それから仮に科目間で著しい平均点の差が生じた場合、平成十年度のセンター試験から得点調整を行う方向でその方法、対象科目等について検討すること、センター試験の平均点、標準偏差等のデータを集計途中段階でも公表すること、出題者に高等学校関係者を加えることについて検討するという内容でございます。
センターにおいては、これらの改善策を踏まえ、現在、来年度の試験に万全を期するために、鋭意準備を進めているところであります。
それから、各大学における入学者選抜の改善状況でございますが、各大学においても、大学入試センター試験を利用するなどして入試の改善を鋭意進めておるところでございます。すなわち、学力検査に偏ることなく、評価尺度を多元化し、受験生の能力、適性等を多面的に判定する方向で工夫改善を進めている。その結果、近年、面接、小論文、実技検査等を実施する大学や、推薦入学あるいは帰国子女・社会人特別選抜などを導入する大学が大分ふえてきております。
四ページをお開きいただきますと、その改善の状況が出ておりますが、特に「参考」のところで、共通一次学力試験を導入する前の五十三年度と平成九年度における選抜方法を比較した表がございますが、ここにございますように、導入以前の五十三年度と平成九年度を比べますと、面接、小論文、あるいは推薦入学とか帰国子女・社会人の特別選抜を実施する大学が相当ふえてきておる、こういう状況にございます。
五ページは、募集人員ベースで選抜の方法の多様化がどのようになっておるかということの概要でございますが、推薦入学などの特別選抜によって選抜された者というのが全体の一〇・五%というふうになっておりますし、あるいはセンター試験のみによって選抜するというのが四・七%、それからセンター試験と面接、小論文によって選抜している者が一八・八%となっております。このほかに、センター試験のほかにも学科試験を課すものとして、センター試験プラス一教科とか二教科というのがありますが、こうした選抜を行っている大学でもさらに小論文や面接を行っている大学がありまして、国公立大学において学力検査以外の選抜尺度を利用して選抜しているというのは、大体私どもの推計では募集人員ベースで見て四割以上になっておる、そういう状況になっておるわけでございます。
以上が大学入試の現状等についてでございます。
次に、先般、中央教育審議会におきまして第二次の審議の概要の取りまとめが行われまして、その中で大学入試の改善についても種々御提言がなされておりますので、それの御説明をさせていただきたいと思います。資料は、六ページにその審議のまとめの骨子、関係部分の骨子がございます。それを眺めながらお聞き取りいただければと思います。
既に御案内のことと思いますが、中央教育審議会の審議状況につきましては、中央教育審議会では、平成七年の四月に文部大臣から、「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」諮問を受け、審議を行い、昨年の七月に第一次答申を取りまとめたわけでございます。
第一次答申では、ゆとりの中で子供たちに生きる力をはぐくむことを基本に、学校の教育内容を厳選するとともに、家庭や地域社会における教育を充実すること、二十一世紀初頭を目途に学校週五日制を完全実施すること、社会の変化に対応した学校教育の改善を図ることなどについてさまざまな提言が行われたわけでございます。
その後、中央教育審議会では、大学、高等学校の入学者選抜の改善、中高一貫教育、教育上の例外措置、高齢社会に対応する教育のあり方といった課題について審議を重ねておりまして、本年六月末を目途に第二次答申を取りまとめるという予定になっておるわけですが、去る五月三十日に、これまでの審議の結果を「審議のまとめ(その二)」として公表をいたしたところでございます。
このうち、大学入学者選抜の改善につきましては、先ほど説明したような大学のさまざまな改善の努力によって大学入試が着実に変わりつつあると評価をしつつ、さらに一層の努力が求められるという、基本的にそういう認識をもとにまとめられておるわけでございます。
また、十八歳時点での試験の合否はもはやかつてほどの大きな意味を持たないようになり、その後の人生においていかに学び、真の学力を身につけていくかが重要となってくるということを強調した上で、具体的にここにございますような提言をしているわけでございます。
これをやや項目的にまとめますと、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化ということで、選抜方法の多様化、評価尺度の多元化をさらに徹底することが必要であり、特に影響力のある特定の大学の取り組みを要請するというふうにしております。また、各大学の判断により、入学定員の一部に地域を指定した枠を設定したり、地域を指定した推薦入学を実施する取り組みを拡大するということが言われております。
それから、高等学校における評価の活用ということで、高等学校での生徒の学習や活動を的確に評価するため調査書を一層活用することが必要であり、調査書の信頼性を高めるための取り組みを進めたり、履修科目指定制といったことを導入してはどうかとしております。
それから、受験機会の拡大として、現在の四月入学を基本とする一方で、秋季入学を拡大し、海外帰国生徒や社会人以外に一般受験生の選抜を行うこととしております。
それから、推薦入学につきましては、推薦入学について、実施大学・学部の増を図るとともに、入学定員に対する割合を拡大すること。
大学入試センター試験の活用につきましては、大学入試センター試験の活用によって大学入学者選抜の多様化が図られつつある点を評価し、その多様な利活用を推進すること。また、高等学校段階の基礎的な学習の達成度を適切に判定するため、大学入試センター試験の運用に当たって高等学校関係者との緊密な連携を図る必要があり、試験問題の作成を含め幅広く高等学校関係者の協力を得ること。
それから、いわゆるアドミッションオフィスの整備につきましては、我が国の大学の特性を踏まえたアドミッションオフィスを整備すること。
入試日程の確保につきましては、ゆったりとした入試日程を確保するため、入学者選抜の実施時期の終期を繰り下げ、場合によっては四月にかかることがあってもよいこと。
進路指導の改善、情報提供の充実につきましては、進路指導の改善や大学入試センター及び個々の大学による情報提供の充実を図ること。
それから、入学者選抜に関する外部評価として、入学者選抜について、各大学において、広く学外の意見を求めるとともに、参与会等を通じて
外部の意見を取り入れていくなどの取り組みを進めること。
このほか、大学教育全体に係るものとして、単位互換の拡大、編入学・転入学の拡大、社会人入学の拡大などにより高等教育をより柔軟なものとする一方、大学の教育機能の強化を図り、入学後の学業成績の評価を厳正に行っていくことが必要であるとしていること。
また、過度の受験競争の緩和は、いわゆる学歴偏重社会の問題とも関連が深く、企業や官公庁の採用や昇進のあり方の改革や、国民の意識、先ほど出ておりましたような横並び意識とか同質志向の改革が必要であるとしていること。
以上が、中教審の審議のまとめにおける概要です。
○河村小委員長 これにて政府からの説明は終わりました。
―――――――――――――
○河村小委員長 これより質疑及び討議に入ります。
それでは、前半と同じような形で質疑を求めたいと思います。
では、どうぞ。
○岩永小委員 今、大学入試の改善についての話が出たのですが、今たちまち問題点になっているような部分で文部省がつかんでいるところ、それを列挙してほしいんだけれども、入試で。
○早田説明員 大変答えにくいあれですけれども、一番問題という点は、やはりいわゆる幾つかの学校に対して志願者が多くある、それをめぐっての競争が激しい。それから、もちろん大学によって入りやすい場合はあるわけですけれども、そのトップのとこうだけではなくて、全体にわたって、それぞれ受験生の方が自分のレベルに合わせた大学を受験するわけですけれども、それに当たってもやはりかなり学力テストに対応した勉強をしていかなければいけない、そういう点が一番基本的な問題点ではなかろうかというふうに思っております。
○保坂小委員 保坂でございます。
小論文というスタイルが近年ふえているということについて、これはどういうメリットがあるのかということを、考えられていることを伺いたいのと、実際の高校生たちが、学部によっては小論文と面接のみで入れるというような大学もふえてきまして、そうすると、小論文を書くような頭になっていないんですよね。つまり、今までの教育体験で小論文を構成するような体験やあるいは積み上げがないわけですね。非常に困惑して、何人かの子供や親から相談を受けたりしたんですけれども、つまり、小論文がこれだけ出てきたということと、一方で、小論文をつくり出すような子供の育成ということとの矛盾というかギャップというか、その辺についてちょっと考えを聞かせてください。
○早田説明員 大学入試はもちろん二面ございまして、大学において教育を受けるに値する学力を有するかどうかという点を判定する機能と、もう一つ、我が国では特に重視しているわけでございますけれども、高等学校以下に与える影響が非常に大きいということでございますので、その点を踏まえた大学入試の選抜方法等を採用していく。
そういう中で、現在、高等学校以下の教育の中で、総合的な思考力、判断力、行動力等を含めていろいろ生きる力を身につけさせていくということが大きな主眼になっているわけでございますけれども、そういう中で、特に考えさせる力でございますとか、そういうことを身につけさせていく必要がある。それを高等学校以下の教育の中で力を入れて教育をしたとしても、大学入試の面で単なる暗記力のテストだけが行われていたのでは、それは高等学校以下の教育に大変な悪影響を及ぼす。
そういうような考え方に立ちまして、小論文等のいわゆる学力テストではない、学力テストといいますかいわゆる暗記力を試すようなペーパーテストではないという意味でございますけれども、そういういろいろな多様な方法を取り入れてきておるということでございまして、入試の面でも高等学校以下のそうした教育の目標に沿った入学者選抜の方法を工夫をし、その中で小論文が採用されておるというふうに御理解いただければと思います。
○保坂小委員 要するに、小論文が書けないから予備校で特別講座ができるわけですよ。そこへ教えに来てくれといって、行ったんですけれども、聞いてみると、本当に考える力というようなことを受けていないで、それで小論文と言われても困る。ですから、大学の側で多様な選択ということをするのと、やはりこれまでの中学、高校段階でそういうものが自由自在に、生徒会でもあるいはサークルでもどんどん自分で考えて意見を言っているという状態がないと、やはりある意味で、小論文ということを重視していくという趣旨はわかりますけれども、条件が乏しいんじゃないかと思います。
○池坊小委員 私は、大学入試センターが本当に必要なのかなと疑問に思うんです。基礎的な学習の達成の程度を判定するためにこれが一つ必要である、それから、各大学の、能力、適性などを多面的に判定する資料になるから必要であるということの二つで入試センター試験というのが行われたというふうに聞いておりますけれども、そうすると、各大学の主体性とか自治、そういうのが損なわれるのではないかと思うのです。これがそんなに役に立つのかということがまず一点。
それから、この大学入試センター試験で悪い点をとりましたときに、例えば一番偏差値が高いのは東大の医学部だと言われておりますが、それを受けましたときに、これはもう最初からここには無理だということで排除されてしまうのではないか、つまり、そういうことのための資料に使われるのではないかということを二点目、懸念しているんです。
それと、大学入試センター試験とちょっと外れるのですけれども、今言われております、窓口は広くして出口を狭くしろというのに多少かかわってくるのですけれども、ドイツなどの大学では、Aという大学に入って、Bという単位を取りたい、あるいはCという単位を取りたかったら、自由にそれを行って取ることができます。そして、その単位をAという大学に加算されて卒業ができる。そういうようなシステムを大学のあり方として考えていただけないのかということをちょっと伺いたいと思います。
○藤村小委員 政府にだけではなしに、むしろ委員の皆様にも御意見をいただきたいと思うのは、今の大学入試センターが本当に必要かという問いがありましたが、その前の共通一次ができた、それは時代的背景があるんだと思うのですが、平成二十一年ぐらいになりますと大学の収容力というのはほぼ行きたい人が行けるように一〇〇%受け皿はできるんだ、そうすると、いや、あそこへ行きたい、ここへ行きたいというのは、むしろそこで競争があってなぜいけないか、競争はいいんじゃないかと私は思っております。そうするときに、それぞれ大学の特色を生かした試験方法で、いや、一つの大学は非常に難問奇問で受けさせるよ、こっちは面接だけでやらせるよ、そういうふうに出てきていいんじゃないでしょうか。
つまり、国の責任というのは、クリントン大統領が予算教書で言いましたように、十八歳年齢に達したときに行きたい人はみんな大学へ行けるというところを確保しておけば、その中でいろんな競争が起きること自体を阻害する必要はない。そのときに、じゃ、その前の共通一次からつながる今の入試センターというのは意味があるのかということを、これはむしろほかの先生方にも意見を聞きたいところでございます。
○佐藤(茂)小委員 私は、自分の経験から言うと、共通一次の前の五十三年に大学に入学した若輩者ですけれども、現役の時代に共通一次になるという話が出ておったんですね。一浪すれば次共通一次を受けなければいかぬ。逆に言うと、そのころの高校生の気分で言うと、非常に不安があったわけです。どんな制度でどんな試験なのかもわ
からぬ。だから、学生の側から言うと、余り制度をごちゃごちゃ変えんといてくれという本音があると思うのです。というのは、それは国の制度自体もそうですし、さらに、各大学の出す試験のやり方自体も大体継続したものを出してもらわないと、準備する学生の方からすると非常に混乱を招く、そういう部分があると思うのですね。
私は、そういう意味合いとともに、今の大学入試センターの制度というのは、平成二年から何とか定着させようとして文部省初め関係当局で努力されてきた部分は評価できると思うのですね。さらに、共通一次と違ってアラカルト方式にされているがゆえに私立の大学も非常に参加がふえてきて、先ほど御説明もあったように三百大学である。
このアラカルト方式という面で、達成度の中でも、どの教科とどの教科をどの程度比重を見るのかということが大学側にきちっと選べるという部分と、その後の個別試験との組み合わせによってある程度大学側の選抜の仕方の特徴というのは生かせるんではないかな。それがやはり受ける方の側からすると、ある程度継続した尺度で、この大学はこういう観点で受験生を評価するんだな、この私立大学は大学入試センターをこの程度比重を見て、あと個別試験をこの程度見てくれるんだなということがある程度安定しているということが、私は受験する側から見ると非常に大事になるんではないかな。
だから、今いきなり大学入試センター制度をやめて違う制度にするというようなことについては私は反対で、やはりいろいろな長い時間をかけての議論をした上で、大学入試センター制度を、ある程度修正できる部分で対応できるならさらにいいものにしていくという方向で考えていく方が今はべターではないかなというふうに判断しております。
○河村小委員長 ちょっと待ってください。とりあえず、お三方関連でしたから。
○早田説明員 まず、池坊先生でございますけれども、センター試験の目的からお話を申し上げたいと思います。
センター試験、一つは高等学校段階における学習の達成の程度を判定するということが目的でございまして、特にこの点の御要望が強いのは高等学校サイドからでございます。現在、センター試験は完全なアラカルト方式にしておりますけれども、むしろ高等学校サイドからの御要望としては、従来の共通一次のように五教科をきちんと課してほしい、これが高等学校におきます教育を守る道であるというような御要望も非常に強いわけでございます。
この点は、共通一次の場合で先ほど反省点として申し上げましたけれども、当初は五教科七科目を一律に国公立大学の場合は課しておったわけでございますが、それをいっとき五教科五科目ということで弾力化をいたしましたけれども、基本的には五教科を課すという形でやってきておりました。ただ、その点に対する御批判が、偏差値で序列化をしてしまうという大変な弊害を招いているという御批判が強うございまして、その点を根本的に入試センター試験に移行するに当たりまして改めた、いわゆるアラカルト方式にしたということでございます。
ただし、基本的にはそのアラカルトを各大学が適切に利用していただくことによりまして、高等学校における達成の程度をまずはかっていただく。そうしたことの上に立ちまして、それと各大学の個別学力試験を組み合わせまして、今度は各大学が望む資質を持った学生を、あるいは各大学の学部・学科にふさわしい能力、適性を持った学生を選ぶということです。
繰り返しになりますけれども、センター試験でこういう教科、科目を課す、それで見られる部分については改めて各大学の個別試験では課さない。あるいは、大学によりましては、五教科課した上でさらに難度の高い教科を、同じ教科であっても、理科について課すというふうなこともあります。あるいは、センター試験では、例えば理科で申し上げますと、物理とか化学とか、選択でとってもいい、両方とってもいい、ただし個別試験のときにはセンター試験でとらなかった方のものをとらなければいけないということで、物理、化学を勉強した学生が入ってくるように担保するとか、いろいろな工夫をしております。さっき推薦入学等だけで入れておるとか、センター試験と一教科とかセンター試験と二教科とかという表をお出ししてありますけれども、それはそういうことの各大学の工夫した成果でございまして、高等学校での学生の達成の程度をセンター試験で見て、さらにそれと個別試験を組み合わせて多様な入試をしておる、工夫改善しておるというのが現在の状況でございます。
それから、各大学で、例えば東大医学部でというふうにおっしゃいましたけれども、その点は大変文教委員会でも御議論があるわけでございますけれども、今申し上げましたように、東大医学部で今度改善しようとしておりますけれども、例えば面接を取り入れる。従来から後期日程の場合は面接を入れておりますけれども、そういうことを限られた入試日程の中で行おうといたします場合に、一定の基礎学力を持った学生をセンター試験の成績によって選んだ上で、したがって、ある程度面接の時間をきちんととれるという人数に絞った上で丁寧な入試をやる、そういう意味でセンター試験の点数を活用するということも、場合によったはいいのではないかというような考え方ができるわけでございます。
それに対して、センター試験だけで希望する大学を受けさせないのは非常に制度としてけしからぬという御意見も一方にございまして、そういう御意見も十分わかりますので、私どもとしては、できる限りそういった足切り的な形での活用というのはなくすようにしてもらいたいという基本的な姿勢で指導はいたしております。
ただ、繰り返しになりまして申しわけございませんけれども、論文を書かせたりあるいは面接をしたりということで、いろいろ、単なるペーパーテストではない、マークシート方式でないテストをやろうということになりますと、やはり限られた日程の中で採点をしたりしなければいけませんので、そういう点で、点数によってある程度の人数に一次の段階で絞るということもやむを得ないこともあるのではないかというようなのが基本的な考え方でございます。
それから、単位互換の問題につきましては、基本的に、卒業に必要な単位は百二十四単位ということで、これが最低単位でございますけれども、現在の制度のもとでも、それを四年間で取るとすると約三十単位くらいということで、一応三十単位までは他大学の単位を卒業の要件単位に使ってもよろしい。ただ、これは、ある大学とある大学、大学同士で単位互換の協定を結んだ上で、その学生が他大学で取ってもよろしい。京都の大学センターというようなところで、公立、私立大学が中心だったと思いますけれども、相当多くの大学が集団として単位互換協定を結んでいるというようなやり方もございますけれども、基本的には、各大学が個別に単位互換協定を結んで、その中で最大限三十単位までは単位互換を認めているというのが現在の制度でございます。
それから、藤村先生のおっしゃいました、平成二十一年全入の時代を見通してというお話がございましたけれども、例えば、現在アメリカでは大変大学には入りやすく出にくいというふうに一般的には言われることが多いわけでございますけれども、アメリカの大学入試というのは大きく分けまして三つの類型になっておりまして、第一がいわば競争型というふうに言えるかと思いますけれども、いわゆるアイビーリーグに属するような有力大学はこの競争型ということでございまして、非常に入学も難しい、卒業も難しいという大学でございます。
二番目の類型は、多くの州立大学がそうでございますけれども、基準以上入学型というふうに言うことができるかと思いますけれども、これは、高等学校の成績で例えば評定平均三以上をとって
おる、プラス、日本でいえばセンター試験に相当するようなSATの試験で一定の水準以上をとっている、そういうようなハードルを設けておりまして、その基準をクリアしておれば入学を認めるというような大学がございます。
それと、地域のコミュニティーカレッジというようなところでは、希望者があれば入学させるという開放型というような類型に大きく分かれておるように聞いております。
これから入学者の間口と志願者がほぼ同じような数にどんどん向かっていくわけでございますので、日本の場合も、入るのに難しい大学から大変入るのが易しい大学というような類型化は進んでいくのかなというふうに思っております。
佐藤先生が御指摘いただいたような点につきましては、私ども、そういうことでセンター試験と個別試験とを組み合わせて、能力を多面的に見るような形での入試を適切に進めていってもらいたいと思っております。
もう一点、大変重要な御指摘をいただいたわけでございますけれども、受験生サイドからいいますと、入試はまず安定的な制度であることが一番望ましいという要望が非常に強うございます。そういう点も十分に配慮しながら、例えば、各大学に対する指導でございますけれども、大きな入試科目の変更をするというような場合には、できるだけ二年前というようなことで、二年生あるいは一年生の後半ぐらいからは自分の受験するときにはこういう入試科目が課せられるのだなということがわかるような、相当前広な広報等をするようにという指導もいたしておるところでございます。
以上、ちょっと長くなって申しわけございません。
○西小委員 私も、センター試験については存在意味があるのではないかというふうに基本的には思っております。高等学校における基礎的な学習の達成状況を判定する、こういう意味では、内容、レベルともに難問奇問を少なくして、みんなのある程度の達成度を見るという意味では非常に有効ではないかというふうに思っております。
ただ、現実問題として、センターは、その部分はそれでいいのですけれども、その下を請け負っているのが大手の塾なのですね。結局自己採点をして、その採点の配分も結局塾が大体予想をつけて、それによって自己採点をして、全国集計をして、それで自分のランクをかなり綿密に判定をする。
これは一週間ぐらいの間に結果が出るというふうなことを聞いておりますけれども、そういう状況の中で、アラカルト方式になっていますから全国同一の試験科目で大学のランクづけができているわけではないのですけれども、実質上は、僕があの大学へ行くとしたら何位ぐらいになる、ここの大学に行くとしたら何位ぐらいになるということがかなり確率高くわかる、今現実にはこういう仕組みになっているわけですね。四十万人のうち半数近くがそういう大手の塾何社かに自分のデータを公表して結果を取り出しているというところを見ると、そういう問題は、高等学校における偏差値の追放に近いような形が依然として、やはりアラカルト方式とはいえ残っているような気がするのです。
それを打開するためには、一つの方法として、先日来マスコミにも載っていましたように、資格試験化をしていく、こういうことがやはり大事なのではないかと思うのです。ただ、今回のこの「審議のまとめ」には否定的な見解が載っておりました。そういう中で、いわゆる有馬私案というふうに初めマスコミには載っておりましたけれども、その段階から、審議をした上で資格試験というような考え方が難しいというふうになった議論の根本的なところを私はぜひ教えていただきたいということと同時に、先ほどの佐藤委員のお話とも関連するのですけれども、やはり大学入試には動機づけが大変重要だ。こういう意味で、情報がもう本当にストレートに不特定多数の受験生に到達することができるシステムが今社会にでき上がっているわけですから、大学の学部の状況、学科の状況、もっといけば、教えていらっしゃる先生の、私はこんなおもしろいことをやっているのだというようなことまでもぜひとも受験生に公開をしていただいて、そして勉強の励みになるような形をつくっていただけたらいいのではないか、こういうふうに私は思っております。
前段の部分でひとつ……。
○山元小委員 関連して、今、西委員は、偏差値、いわばその面からの資格試験化ということで話がありましたけれども、私は、例えば今の時代、生涯学習あるいはリカレントとか盛んに言われる、長い時間かけて勉強しようという時代になってきておる。あるいは、さっきもありましたように、単位の互換を大学間でやるとか、あるいは四月の入学だけでなしに秋の入学だとか、さまざまな形の大学教育というのは考えられているわけですね。そういう中で、資格試験に変えていく、そういう転換をしっかりと考えるべきではないかというふうに思うのですよ。
今度のこの中教審の論議の中でも、何人かの人たちから話が出たようですけれども、なぜそういう方向をとらないのか。私も、今言う生涯学習とかそういう観点からいって、今の望ましい大学のあり方ということでいうと、資格試験化をすることが望ましいのではないかというふうに思うのですが、そこのところからもひとつ論議の経過をお示しください。
○高説明員 資格試験のことにつきましては、既にお読みいただいているかと思いますが、「審議のまとめ」でいわば理屈をつけて結論していますが、それが一番、途中の経過は別といたしまして、結論としてこういうふうになっておるという、そのときの理屈づけをしておりますので、お時間をいただいて、それをちょっと御披露させて……
○西小委員 それは存じ上げています。それの議論の経過をお願いしたいのです。
○早田説明員 全回欠かさず参加したわけではございませんのでちょっとあれなのですけれども、資格試験化の議論について、問題点として指摘されている事柄につきまして申し上げます。中教審の中でも当然出された御意見でございます。
まず、制度といたしまして、現在我が国の場合には、すべての高校を卒業した方が大学に入学する資格を有する。要するに高卒に大学入学資格を与えているわけでございます。一つの考え方として、高校卒業では大学入学資格は与えない、もう一度センター試験をやって、センター試験で一定の点数以上をとらないと大学入学資格は与えないという考え方が、センター試験の資格試験化ということでもし言われているのであるとすれば、完全に点数による、学力テストによる線引きになってしまうわけでございますね。
そうなりますと、高等学校教育が完全に崩壊をしてしまうということがあるのではないか。それから、生徒さんたちあるいは親御さんたちの大変な反発が起こるだろうということはございます。それから、例えば、ある高等学校は卒業生のうち何人は大学入学資格を得たけれども、ある高校は一人も得られなかったとか、そういうような高校の序列化というのがはっきり数字の上で見えてきてしまう。そういうようなことで、そういう意味の資格試験化というのは非常に難しかろうということがあると思います。
センター試験は現在全私立大学も含めて参加できるようにしているわけでございますから、国公私立大学の入学定員分まで大学入学資格を与えるというふうに考えたとしますと、さっきの論議ももちろんそういうところで線を引くということが当てはまっているわけですけれども、仮にそれがよしとされたとしても、今度はある特定の大学に対する志願者というのが集中するわけでございまして、そうすると、集中した大学におきましてはやはり入学者選抜を行わざるを得ないということで、かえって弊害が極めて大きいのではないか。
ドイツとかイタリアとかというところでは資格試験のような形になっておるという御議論があるわけでございますけれども、例えばドイツで申し
上げますと、ギムナジウムの卒業生といいますか、ギムナジウムの定員枠と大学の定員枠、大学はドイツの場合はほとんど州立の形でございますが、州立が国立に対応しておるわけでございます、そのギムナジウムの卒業定員と州立大学の入学定員がほぼ同じでございますので、どこに希望しても――ただ、医学部なんかの場合には入学者がやはり定員を上回るということがあるようでございますので、そこでは一定の選別をしておる、希望すれば全員入学できるという形にはなっておらない、そういうようなことでございます。
○戸井田小委員 本当に基礎的なことで申しわけないんですけれども、センター試験の配点が科目によって点数に差があるという話を聞いたことがあるんですけれども、英語が何か高いということは事実なんですか。
○早田説明員 各大学でのお話かと思いますけれども、それは、センター試験の成績を入試センターとしては各大学にお知らせするわけでございますけれども、その点数をそのまま使うか加工して使うか、要するに、重みを増したり重みを減らしたり、どういう形で使うかも含めて、各大学の御判断に任せている制度でございます。
それから、センター試験の満点といいますか、英語はたしか二百点満点ですね。国語も二百点。あと理科とか社会は科目ごとに百点というようなことで設定しておりますけれども、それはその配点とおり使いなさいという意味では全くございませんで、教科の守備範囲が広うございますので、幾つかの問題を用意をし、それに適切な配点をしてまいりますと、二百点満点ぐらいの問題をつくらないと受験生が高等学校で勉強してきた内容をカバーしたいい問題がつくれない、そういうような観点から二百点満点の問題を作成しておる、そういうようなことでございます。
○戸井田小委員 だから、その辺が何か最初から不公平な状況をつくり上げているんじゃないかなという気がするんですよね。そうすると、じゃ国語、英語の方が理科、社会よりも必要なんだということになるわけですか。
○早田説明員 そういうことではございませんで、高等学校での配当時間数とかそういうことによりまして差が出てくるということ。理科の場合ですと物理、化学、生物、地学とかですね、地歴、公民でも日本史、世界史、地理とかそういう形で幾つか細分化されておりますけれども、それはそれぞれごとに百点満点の問題をつくっているわけです。それに対しまして国語の場合は、国語あるいは英語という全体で二百点満点分の問題をつくっている、そういうことでございまして、別にそこで差をつけているということではございません。
○戸井田小委員 だからその辺を、各科目百点なら百点で同じようにして、その中でもってあと学校で好きなように評価するという方がより公平な気がするんですけれどもね。子どもにとっても、それぞれが、自分らがとった点数というのはある程度評価できる。それが、得意な科目で百点でもって、自分の不得意な科目が二百点の評価をされるということになったら、そこにある種の、一番最初の入り口の試験としては非常に不公平さというものを感じるようにならないでしょうか。
○早田説明員 繰り返しになりますが、高等学校での教育の守備範囲といいますか内容でございますね、正確ではございませんけれども、要するに、分量に応じた問題をつくって、それにふさわしい配点をしておる、入試センターはそこまででございまして、あと、その点数をどういうように重みをつけて使うかという点につきましては、それは各大学の御判断でございます。
それで、各大学では、その英語や国語の二百点を百点満点に換算し、それから各大学で出題する国語に対しては二百点を配当するとか、あるいはセンター試験で百点、個別大学で百点というふうにして合計点で実力をはかるとか、千差万別でございまして、センター試験でそういうように点数を配点をしておるからそこで不公平になるという御指摘は従来受けたことがないんでございますが。
○戸井田小委員 だからそれは、僕が最近聞くのは、ほとんどの人間がそういう試験というものに対して非常にわけがわからなくなってきて、みんな何か物すごい不満というんですかね、自分がその試験を受けてそれに破れたということですっとあっさりあきらめられるような、そういう気持ちにならないような状況というのがあるんじゃないかなと思うんですよね。そういう意見が非常に多いんですよ。だから、事実が本当に公平かどうかは別問題としても、受けた人間がその判定に対して納得できるかどうかということがあるんだろうと思うんですね。それは、理屈をくっつけていって、それで――理屈をつけ出していったら賢い人間が一番最後は残るんだろうと思うんです。だけれども、大多数の人間がそれを理解して納得するかどうかという問題もあるんじゃないかなという気がするんですけれどもね。
そういう意味で、最近の試験というのは、複雑過ぎてだれもが本当に納得するような結果が出ていないんじゃないかなという気がするんですけれども。
○保坂小委員 今の議論に関連するんですけれども、文部省がこの三年間言ってきていることは、自由にということで、個性をということで多様にということを言っているんですよ。ところが、今回のセンター入試の問題にしても、やはり浪人組が点が非常に低かったわけですよね。そんなことは今まであり得ないわけです。
それで、飛び級という問題も今出ていますよね。お母さんたちの場でよく話すんだけれども、親たちは、とにかくこれからますます難しくなるという理解ですね。だから、もう幼稚園へ入る前から才能塾へ入れてやんなきゃだめだと。物すごく大変なんですよ。だから、日本の子供がこれだけ生まれないというのも、一因としては、これはもう子供を持ったらおぎゃあと生まれてから物すごい競争で、これは大変だわということがあるんじゃないかと思うんですね。
これはまあ文部省というよりも、どういう御意見なのか、ぜひ各委員の皆さんに聞きたいところです。
○肥田小委員 今の保坂さんのお話にも関連するんですけれども、飛び入学についてなんですが、才能の青田刈りじゃないかという話も方々で出ているんですけれども、文部省としては、子供に一年、二年早く大学に入れてせかせかと勉強さして、その子にとって何か、その子にとってですよ、利益があるとお考えかどうかというのをちょっと伺っておきたいんですけれどもね。
○早田説明員 じゃ、今の点につきまして。
これ、中教審での御議論でございますけれども、現在の制度でまいりますと、高等学校を卒業した者が大学入学資格があるということで、義務教育を含めて学校の中での飛び級というのは認められておりませんので、六・三・三でまいりますと、十八歳に達しないと大学入学ができないということで、年齢で制限されているような形になっておるわけでございますが、そういうルートだけで、しかもその時点での一般的な大学入試を通過させて大学に、そういう形でしか大学に行けないという制度であることによって、いわゆる極めてすぐれた才能、希有な才能を持つ子供がその才能の芽を摘まれてしまっているのではないかと。そういうことがあったとすれば、その子供にとっても非常に不幸なことでございますし、したがって、そういう才能の芽をつぶさないというために、そういう意味では、十八歳よりも前に大学に入れるということもあっていいのではないか。考え方としてはそういうことでございます。
○肥田小委員 そうしますと、今後本当に、音楽の芽も摘んではいけないし、絵画の芽も摘んではいけないし、スポーツもそうですよね、あらゆる部門についてこれから飛び入学は考えていかれるというふうなことならば、私はそれで納得できるのですけれども、どうして数学と物理だけで、それが子供の才能の芽を摘まなくていけるのかという疑問はまだ残るのです。
○早田説明員 中教審での御議論では、数学と物理の分野に限定するということではなくて、現段階でももっと幅広い分野について認めるべきであるという御意見も非常に強かったわけでございますが、例えば音楽ですとかスポーツでございますと、学校の外でそういった才能を伸ばすシステムというのがあるわけでございますが、物理、数学という場合には、学校教育の中で伸ばしていく以外には場がない。そういう意味で、とりあえずその二分野に絞ろうではないか。
それから、数学、物理については、比較的早い段階から、極めて希有な才能の持ち主がどうかということがかなり顕著に判別ができるという御意見が非常に強うございまして、とりあえず、当面は物理、数学の分野について十七歳入学ということで道を開いてはどうかという御議論でございましたけれども、それ以外の分野についてやるべきではないとかという方向ではなくて、結果によっては、それ以外の分野についても拡大すべきではないかというような御意見が多かったように、あるいはそういうことでの取りまとめであったというふうに理解をしているところでございます。
○山元小委員 今、肥田委員からは、その子のためにという話がありましたけれども、六十万人の受験学生のうち、この間、テレビで千葉大学の例を相当詳しく放送をしていたので見ていたのですけれども、受け入れる大学が大変なエネルギーを使うわけですね、千葉大学はたしか五人でしたよね。受け入れるために大変な努力をしているわけです。言い方は悪いかもしれないけれども、大変なコストがかかるわけです。
そして、六十万人の受験生の中で、この間も文部省のペーパーに書いてあった「受験エリート」ですか、一般受験生、そして高校卒で就職する子、幾つか分けても見ていらっしゃる。見え見えなんですね。そういうことが子供たちに与える影響、例えば塾の子供を含めて、これは大変な影響があると思うのです。その影響というのは、プラスの影響とマイナスの影響と考えると、私はプラスになるというふうに考えにくいわけですよ。高校の中で起こる、例えばざわめきというのか、そして受験エリート全体、あるいは受験生、そして就職組、こういう子供たちに対する影響というのはどういうふうに考えるのですか。
○早田説明員 今御指摘がありました点につきましては、中教審の中でも極めて数多くの先生方から強い御指摘があったわけでございますが、要するに、この制度を設けることによって、受験競争の過熱ということを増すというようなことがあっては全くいけない。そういうような、いわゆる有力大学を志望し、いいところへ就職しようというような考え方を持っている受験生が参加するような制度とならないような枠組みで考えるべきであるというような考え方であったと思います。
したがいまして、「審議のまとめ」の中にも書いてございますけれども、数学あるいは物理の分野で、大学院の博士課程まで持っておるというような大学が、主として研究後継者の養成というようなことを念頭に置きながら、十七歳で入学させるのがいいかどうかということを考えていく。基本的には、そういうような考え方の上に立ったこの十七歳入学という御提言であるというふうに理解しております。
○石井(郁)小委員 先ほど、今の入試が複雑過ぎるというお話がございましたけれども、私自身も、共通一次から始まってこの方、自分も体験したり、いろいろ子供たちを見ながら、本当に猫の目入試と言われてきたとおりだなというふうに思っているのですよね。どこまでこれが行き着くのかとずっと思ってきたわけですが、今、センター入試と、今度はアラカルト方式。センター入試の科目も、今度は六教科三十四科目ということまで出されて、私は本当にちょっと驚いているのですね。
一方で、いわばメニューを準備しているんだろうと思うのですけれども、大学によっては、一科目だけ課すというところもあるのですね。こういうのは何かコンビニ入試と学生たちが言っているそうですけれども。だから、文部省はこういうことをずっと奨励していくのだろうかというふうにひとつお聞きしたいのですね。
それと、きょうは第一回目の会議でございますし、文部省の方にも言って資料を準備してくださったと思うのですが、これから本格的に入試のあり方を検討するに当たって、やはりもう少し資料が欲しいなという気がするのです。
それは、例えば、この五ページには「国公立大学入学者選抜の概要」ということで募集人員別に、センター試験プラス、二次試験のことだったと思うのですが、教科数が書いてありますけれども、センター試験そのものもそういうふうにして科目数が大変ふえていて、大学によってはいろいろ選んでいるということがありますでしょう。
だから、実際、日本の国公立あるいは私学も含めて、今どういう入試状況になっているのか、どんな入試科目を課しているのかということがさっとわかるような資料が欲しいのですね。これは意外とわからないのですよ。だからみんな、受験産業の受験案内とか、こういうものを見なければわからない。だけれども、少なくとも文教委員の先生方や私たちは、今はどんな試験が行われているということはやはりわかりたいなというふうに思うのですね。そういうことをぜひ御要望したいと思います。
○早田説明員 文部省としましては、基本的には、大学入試につきましては、各大学がみずからの大学の学部・学科の特色に応じた学生を入学させる、そのために最も適切と思われる入学者選抜の方法をとっていただくということが基本であるというふうに考えております。したがいまして、一科目入試だからやめなさいとかというような指導はもちろんしておりませんけれども、繰り返しになりますが、先ほど来申し上げておりますように、高等学校段階での教育の達成度を適切に判定した上で、さらに各大学の特色に応じた入試をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
そのために、今、センター試験も、高等学校の学習指導要領の改訂に伴いまして、ことしの入試が新しい学習指導要領によります初めての入試でございましたので、従来の五教科十八科目から六教科三十四科目ということで、要するに学習指導要領の変更に伴った出題教科・科目の拡大をしたわけでございます。そういうことで、これであらねばならないという指導はしておりませんけれども、基本的には、高等学校教育に悪い影響を与えないような形での入試をやってほしいという点は指導いたしているところでございます。
それから、現在の入試教科・科目の状況というところでございます。
国公立大学につきましては、ここに統計資料として出させていただいたように、調査を行ってこういう形でまとめさせていただいたわけでございますけれども、私立大学の場合でございますと、もう調べようがないというぐらいでございまして、一つの学部でも何日間かにわたってやっておる、あるいは地方を含めると何カ所もやっておるということでございますので、統計処理のしようがないというふうな状況もございまして、その点につきましては調査をいたしておりませんので、今お話がございましたけれども、ちょっと出させていただく資料を文部省としても手元に持ち合わせておらないということでございます。
○石井(郁)小委員 このセンター試験でも、これは国公立の場合ですけれども、五教科を全部課しているとは限らないわけでしょう。だから、これは少し丁寧な資料が要るかなと思うのですけれどもね。
○早田説明員 その点につきましては、資料がございますので……。
○石井(郁)小委員 じゃ、後でまたお願いします。
○早田説明員 はい。
○岩永小委員 もう閉会になるわけですね、十八日で。そうなってまいりますと、きょうの審議だけでは大変不十分だ、私もこのように思いますの
で、閉会中も続行してこれらの問題に対して審議ができるようなことをやったらどうか、このように思うのですが、委員長の御配慮をお願いしたいと思います。
○河村小委員長 閉会中の審査は、当然、十八日が最終日ですから十七日に本委員会を開きまして、閉会中の審議をできるようにいたします。
それから、本委員会につきましては、これが初めてでございまして、政府側からの説明をいただいて、今回は質疑は、今までのような格好なり、また、本来もうちょっと委員同士でもどう思うこう思うというような話し合いをしていただく方がもっと深まるのではないか、こう思っておりますので、そういうことも含めて、本委員会にも各党からそれぞれ理事がいらっしゃいますから、そういう方々と御相談をしてこれからの委員会の持ち方についてもやらせていただきたい、こう思っております。
きょうのところはこれにて終わりたい、こう思います。どうもありがとうございました。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時三分散会



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