140-衆-決算委員会第二分科会-1号
1997年05月26日
石井郁子議員 質問部分 会議録


平成九年五月二十六日(月曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主 査 根本  匠君
      岸田 文雄君    田邉 國男君
      滝   実君    松本  純君
      井上 義久君    池坊 保子君
      中川 正春君    西川 知雄君
      桝屋 敬悟君    若松 謙維君
      正森 成二君
   兼務 石井 紘基君 兼務 枝野 幸男君
   兼務 石井 郁子君 兼務 辻  第一君
   兼務 矢島 恒夫君 兼務 岩國 哲人君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 小杉  隆君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        労 働 大 臣 岡野  裕君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省生涯学習局長      草原 克豪君
        文部省初等中等教育局長    辻村 哲夫君
        文部省教育助成局長      小林 敬治君
        文化庁次長   小野 元之君
        厚生政務次官  鈴木 俊一君
        厚生大臣官房総務審議官    中西 明典君
        厚生省健康政策局長      谷  修一君
        厚生省保健医療局長      小林 秀資君
        厚生省生活衛生局長      小野 昭雄君
        厚生省薬務局長 丸山 晴男君
        厚生省老人保健福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省児童家庭局長      横田 吉男君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
        厚生省年金局長 矢野 朝水君
        労働省労働基準局長      伊藤 庄平君
        労働省婦人局長 太田 芳枝君
 分科員外の出席者
        大蔵省主計局司計課長     田頭 基典君
        文部省初等中等教育局幼稚園課長       土居  正君
        文部省高等教育局医学教育課長 寺脇  研君
        建設省都市局都市計画課土地利用調整官    笹井 俊克君
        会計検査院事務総長官房審議官 中村 修三君
        会計検査院事務総局第二局長  諸田 敏朗君
        会計検査院事務総局第四局長  小川 光吉君
        会計検査院事務総局第五局長  森下 伸昭君
        環境衛生金融公庫理事長    坂本 龍彦君
        決算委員会調査室長      天野  進君
    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件
 平成六年度一般会計歳入歳出決算
 平成六年度特別会計歳入歳出決算
 平成六年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成六年度政府関係機関決算書
 平成六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成七年度一般会計歳入歳出決算
 平成七年度特別会計歳入歳出決算
 平成七年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成七年度政府関係機関決算書
 平成七年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (文部省、厚生省所管、環境衛生金融公庫及び労働省所管)
     ――――◇―――――

○根本主査 次に、石井郁子君。

○石井(郁)分科員 女子差別撤廃条約に基づいて我が国で男女平等が進むことを、私は女性として、政治家として強く願っているものです。一九八六年に均等法が施行されて十一年が経過しました。今国会でその改正が日程に上ったわけですけれども、この法律の施行によって雇用の男女差別が大きく解消されてきたのかというと、そのような実感は全くわかないと思います。
 そこで伺いたいのですけれども、均等法の三十三条で、婦人少年室長は事業主に対して報告の徴収を求めて、助言、指導、勧告を行えることになっていますが、企業からの報告をとった中で、募集、採用から定年、解雇に至るまでの各項目の中で、一番問題が多く、助言を行ったのはどの部分なのか。また指導した件数、勧告を行った件数をお聞きしたいと思います。

○太田(芳)政府委員 お答えいたします。
 均等法では、法第十四条と三十三条で婦人少年室長が助言、指導、勧告ができることになっておるわけでございます。先生お尋ねの三十三条に基づく助言件数でございますけれども、これは平成七年度で三千二百四十八件、法施行後の累計で二万七千七百二十八件に達しているところでございます。
 それで、どのような内容が多いかということでございますが、最初のうちは、やはり十一条関係の定年、退職、解雇に関するものが圧倒的でございました。最近は、やはり女性たちの就職が厳しいというようなこともございまして、募集、採用の件数がふえておること、また配置、昇進等もふえているというような状況でございます。

○石井(郁)分科員 もう少し詳しく本当はお聞きしたいのですけれども、どうなんですか、平成七年度では、均等法七条部分、募集、採用に関する件が二千五百八十八件、約七七・二%を占めているのじゃないでしょうか。そのうち、指導件数二十四件、勧告件数はなし、これはいいですか。

○太田(芳)政府委員 これまでの状況から申しますと、これは六十一年から平成七年度まででございますが、三十三条で指導件数が百三十七件、勧告件数が三件でございまして、平成七年度についての勧告はございません。

○石井(郁)分科員 均等法七条の募集、採用に関する相談件数と助言指導件数、これが他に比べて非常に高い。七七%、約八割ですね。ですから、この募集、採用での男女差別がやはり広く存在しているということじゃないか。それは、法の定めが努力義務規定であったことや、労働省の指針、ガイドラインが明らかに男女差別に当たる部分しか規定してこないことなどが原因ではないかというふうに私は考えるわけであります。
 今回の法改正で、この募集、採用に係る男女差別に対しては、現行法の努力義務規定から、「男性と均等な機会を与えなければならない。」と禁止規定になりました。今回の法改正で、募集、採用に関する差別的苦情とか実態というのは、それでは確実に解決されていくでしょうか。その点、いかがですか。

○太田(芳)政府委員 募集、採用につきましては、先生御指摘のように、これまでは事業主の改善の努力が求められるという努力義務規定だったわけでございますが、今回、禁止規定化によりまして、法に違反している場合は直ちにその是正が求められることになるわけでございますので、均等確保の実現に向けて、募集、採用の禁止規定化が与える影響というのは、これは非常に大きいというふうに考えているところでございます。

○石井(郁)分科員 現行の均等法は、女子であることのみを理由とする差別を規制の対象に限定してきました。そういう中で、従来からあった世帯主とか主たる生計維持者、そういう名目による女性の社宅入居の排除などは今でも続いているわけですね。
 また、均等法施行後に、大企業では相次いでコース別採用、コース別雇用管理などが導入されてきました。これは、財団法人の女性職業財団が一九九〇年の六月に調査した結果によりますと、男子では学歴に限らず九九%が総合職です。女子は三・七%です。女性の九六・二%が一般職です。これはコース別を利用した、企業のいわば男女差別と言えるのじゃないか。
 だから、このような脱法的な男女差別、言いかえれば間接差別の禁止というのは、雇用における男女差別をなくしていこうという均等法の本来の使命から考えたら、私は改正案に盛り込むべきではなかったのかというふうに思いますが、いかがですか。

○太田(芳)政府委員 いわゆる間接差別につきましては、まだその定義が明確でないわけでございますが、一般的には、やはり男女共通の基準であるにもかかわらず結果的に女性が不利になるものを指しているというふうに考えております。この間接差別につきましては、勤続年数を基準とした処遇もこれに該当するというような外国の例もございますことから、どのようなケースが差別とされるのかということにつきまして、やはりまだコンセンサス形成のために慎重な議論が必要であるものというふうに考えているわけでございます。
 それから、先生御指摘のコース別雇用管理制度でございますけれども、これは各コースの職務内容とか処遇が明確に定められ、各コースが男女ともに開かれているということ、また各コース内における配置、昇進が男女公平に実施されている限りにおきましては均等法上の問題はないものでございますが、労働省におきましては、このようなコース別雇用管理制度が本来の趣旨に沿った運用がされますように、「コース別雇用管理の望ましいあり方」というものをつくりまして指導に努めているところでございます。

○石井(郁)分科員 コース別採用、コース別雇用管理についてもう少しお聞きをしたいというふうに思うのですね。
 募集、採用に当たって、転勤に応じられるかどうかということを要件にして総合職から女性が締め出されている。また本店採用とか支店採用を口実にして、同じ仕事をしているのに昇進、昇格で女性の差別が続いているわけです。調べてみますと、その職務に転勤は必要でない場合もあります。また総合職の全員が必ずしも転勤しているのではないという事例も見受けられるわけです。だから、女性が転勤しにくいということから、それを踏み絵にして女性を男性と違うように振り分ける、そういう目的で行われている。だから、これは実態として女性差別の隠れみのだと言わざるを得ません。
 このようなコース別採用、雇用管理という言い分を無限定に合法と認めていったら、男女差別を禁ずる均等法はすべて空洞化すると言えないでしょうか。こういう場合、企業に、その職務が転勤を不可欠とするのかどうか、同じ職務でありながら本店採用とか支店採用という区分に本当に合理性があるのかどうか、労働省としても調査を行うべきだというふうに思います。実態がなくて、また合理的な理由がない場合は、積極的に指導を行うべきだというふうに私は考えますが、どうでしょうか。

○太田(芳)政府委員 コース別雇用管理制度につきましては、先ほども御紹介いたしましたように、望ましいあり方というものを示してそれに基づきまして指導をしているわけでございまして、やはりこれはコースの定義と運用方法というのは明確にしなければいけないと思うわけでございます。そして各コースの職務内容、処遇につきましてきちっと明確に定めておくということも必要でございますし、また先ほど申しましたように、各コースにおいて男女の公平な採用、選考が望ましいわけでございます。各コースの制度導入時の振り分けを、性別を基準とするわけではなくて、やはり個々人の意欲、能力に従ったものにしなければいけないということでございますし、また女性が転勤しにくいというようなこともおっしゃいましたが、コース間の転換を認める制度というのも柔軟にしろというようなことで、私どもとしては、もしおかしいような、我々の「コース別雇用管理の望ましいあり方」に反しているようなものにつきましては、指導を積極的に進めているところでございます。

○石井(郁)分科員 私も、この婦人局の通達ですか、「コース別雇用管理の望ましいあり方」というのも見せていただいておりますけれども、ここでも、コース制において総合職は男女対象だけれども一般職は女子のみ対象という例が時々見受けられる、これは望ましいとは言えないというあなた方の一定の認識はやはりあるわけですね。それは、実態がもうそうなっているからですよ。その望ましいと言えない実態はいろいろある、まずそれに対してどうされるのかということなんですよ。
 一つの例で申し上げますと、コースの転換ということを言われました。いろいろその調査の結果でも、企業の中の約三五%ぐらいがそういうコースの転換が認められていないということも出ていますね。では、そういう企業に対してどういう指導をされるのですか。一般的なことを言っているということだけでずっと済むのですか。

○太田(芳)政府委員 企業の女子労働者から、例えばコース別雇用管理制度をやっておられる企業で各コース別の転換制度がないというようなことがもし御相談がありましたら、そういう企業におけるコース別雇用管理制度について調査をいたし、本当に転換制度がないならば、ぜひ転換制度を設けていただくように企業に対して助言等をさせていただいているところでございます。

○石井(郁)分科員 私は、いわゆる採用区分という形で実際に男女差別がどんどん拡大をしているのだということを、ぜひやはり実態としてつかむべきだというふうに思うのですけれども、その上で、それはもう国際的にも大変な、この間接差別を禁止するということの流れになっておりますので、それで伺うわけですが、間接差別の禁止の必要については、国連の女子差別撤廃委員会が一九九五年の一月に最終コメントを出していますね。民間企業に均等法を守らせる、昇進及び賃金の両方で女性たちが直面している間接差別をなくすための措置をとり、報告しなければならない、これは日本政府に勧告したのじゃないでしょうか。これに対してどのように報告するつもりでしょうか。

○太田(芳)政府委員 先生御指摘のものは、第十四回の女子差別撤廃委員会の日本の報告に対するコメントであるというふうに承知をしておるところでございますけれども、先ほども申しましたように、いわゆる間接差別につきましては、どのようなケースが差別なのかということにつきまして、コンセンサス形成のためにより慎重な議論が必要であるというふうに考えるわけでございます。
 労働省といたしましては、まずは諸外国や判例の動向、事例の収集に努めまして、引き続き検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

○石井(郁)分科員 私は、ぜひ、実態に合わせてというか、実態をよく調査されまして、大変な日本のこの賃金、昇進、昇格における男女差別が広がっているわけですから、それにやはり労働省として正面から立ち向かってほしいというふうに申し上げておきたいと思います。
 さて、次の問題ですけれども、今回、均等法と労基法の改悪がセットで出されていたわけであります。女性労働者の時間外労働規制、深夜業の禁止規定の削除というのが、大きな不安とまた皆さんの怒りも引き起こしています。
 労働組合が、女子保護規定の撤廃に伴って、女子労働者を守るために残業時間や深夜業について男女異なる内容の労働協約や労使協定を締結した場合、労基法上は労使対等の立場で決定したもので何ら問題はないというふうに考えるわけです。ところが、岡野労働大臣、このような協約の締結について、均等法にもとるという趣旨の答弁を行っておられますけれども、その真意についてお伺いをしたいと思うわけです。どのような場合に均等法違反になるのでしょうか。

○岡野国務大臣 労働協約の中身といえども、やはり男女雇用機会均等法の精神に基づいて締結をしていただかなければならない、これは使用者にのみ課せられた責務ではありません。そういう意味合いでは、例えば当事業場は男子職員をもってのみ構成するのだとか、したがって採用は男子のみでありますとか、女子の定年は四十五歳で男子の定年は六十歳だというような差別のある中身の労働協約、就業規則は、当然でありますが、労働協約といえども、これはあってはならないことだ、かように存じております。

○石井(郁)分科員 女子のみであるということを条件にして残業時間に男女の差異を設ける、そのことによって賃金や昇格、昇進などの処遇面で差別を行った場合、また深夜業の職務から女子を排除した場合は均等法違反になるということですか。

○岡野国務大臣 当該事業場等で超過勤務をやらなければならない職場、あるいは深夜業務もやらなければならない職場、そういう職場において、女子については深夜業はまかりならないというような協約でありますならば、この仕事場は男性のみだというようなことで、今般均等法の改正によりまして、募集、採用あるいは配置、昇進というようなものについて差別を設けてはならないという配置についての違反である、かように存じております。

○石井(郁)分科員 それでは、労使協定や労働協約で、育児とか介護などで時間外、深夜業が困難な男女労働者の場合、こういうふうにして規定をしたら問題はないというふうに理解していいですか。

○太田(芳)政府委員 女性であるとか男性であるといった基準でその労働条件に関して男女異なる定めをすることは、大臣も申されましたように、雇用の分野における男女の均等な取り扱いを求める均等法の趣旨に反するものというふうに考えますが、先生御指摘のように、個々の労働者の家族的責任とか健康というようなものに配慮した内容の労働協約や就業規則を定めることは望ましいというふうに考えております。

○石井(郁)分科員 それでは次ですけれども、やはり育児の問題が大変重大ですね。女子の時間外労働規制、深夜業禁止が撤廃されると、本当に子供がどうなるのかということであります。
 それで、この点で具体的に伺うのですが、基準法の六十七条、育児時間を定めておりますけれども、「生後満一年に達しない生児を育てる女子は、」「一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」というふうになっているわけですが、この育児時間の権利、これは今回の法改悪で大変困難になる、いわばとりにくいということが予想されるわけですけれども、どのように対処していくのでしょうか。

○太田(芳)政府委員 基準法六十七条に基づく育児時間につきましては、労働者が請求した場合は、使用者はその育児時間中は当該労働者を使用してはならないという規定でございます。この規定は、現行法におきましても、時間外労働とか深夜業の規制がかかっている女性でありましても、また規制の適用除外となっている女性に対しましてもひとしく適用されているものでございますので、今回の改正によって育児時間の取得に新たな支障が生じるものというふうには私どもは考えておらないところでございます。

○石井(郁)分科員 労基法の施行規則十二条の六に、使用者にそういう「育児等に必要な時間を確保できるような配慮」ということがありますから、私は、この点ではぜひ適正に、適正というか、徹底させていただきたいというふうに思うわけです。
 私は、もう一点、特に学習権の問題あるいは保育体制の充実ということで伺っておきたいわけです。
 大学の夜間部に通う女性、大変多うございますね。これは二万二千四百九十五人。ほか短大とか専門学校等々にも夜間に通う女性というのは最近大変ふえています。それから職場で仕事が終わってから、英会話とかあるいは転職のためのいろいろなキャリアアップのために専門学校に通う女性たちもたくさんおられるわけであります。今回の時間外労働規制の廃止などでこうした女性たちの学習権を脅かすことにならないのかという点で、文部省と労働省あるいは婦人少年室は何か協議を行ったでしょうか。

○太田(芳)政府委員 働きながら大学、短大等に通う者、これは十八歳以上の者と思うわけでございますので、今回深夜業が解禁されるわけでございますけれども、これらの者につきましては、企業において当該労働者の学習の機会を奪うことがないように配慮されることが重要であるというふうに考えるわけでございます。
 これまでも企業においては男性、女性を問わず適切な配慮がなされてきたものというふうに認識をしているところでございますし、これまで深夜業が規制されていた女子労働者につきまして新たに深夜業をさせることができるように就業規則や労働協約を変更するに当たりましては、御指摘の点も含めまして、労使間において十分話し合うことが望ましいというふうに考えております。その旨の周知徹底は図っていきたいと思っております。
 そういう点で、御指摘の、文部省と協議すべきではないかというところでございますが、現段階におきましては文部省と協議する必要性はないものと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、法の施行状況につきましては的確な把握に努めていきたいというふうに思っております。

○岡野国務大臣 ちょっと補足をいたします。
 先生、夜学校へ行きますのは男子も女子も同じようであります。したがいまして、同じように処遇をしようといいますのが均等法の趣旨だというふうにまず御理解を賜りたい、かように存じます。

○石井(郁)分科員 それはもう当然のことでありまして、重々承知の上でのことでありますけれども、やはり女性に教育の機会を保障するということは大変大事だという点で、それと今回の改定の問題とが非常に関連するということで言っているわけであります。
 私は、御答弁で文部省と協議をしていないということが一つ大変ひっかかるわけですね。それはまた後でちょっと申し上げたいと思います。
 もう一つの問題は、労基法で時短の名目のもとに変形労働時間制、フレックスタイムが導入されて、今回は女子の保護規定が廃止されるわけであります。ですから、ますますいわば学習権、学習の機会ということが本当に少なくなっていく。この学習権が狭められるということに私は大変問題意識を感じているわけで、この点は十二年前にもやはり大きな問題だったのじゃないでしょうか。そのときに設けられた労基法の施行規則十二条の六、育児を行う者等に対する配慮の規定の周知ですね。先ほどちょっと触れましたけれども、この周知を本当にどのようにしていくのかという問題です。これを重ねて伺っておきたいというふうに思います。

○太田(芳)政府委員 先生御指摘の育児時間等々の周知につきましては、やはり事業主や女子労働者に対して周知徹底を図るということで、女性労働者が働きやすい状況を確保できるように、これまでも努めてまいりましたけれども、引き続き私どもの出先機関等々を通じまして努めてまいりたいと思っております。

○石井(郁)分科員 文部省と同じように、厚生省との関係も重大なんです。先ほど育児のことも触れましたけれども、やはり、この保護規定の廃止で、保育所や学童保育所の増設、拡充が非常に大事だ。また、保育時間の延長などが行われなければ仕事を続けられないということになるわけですね。だから、今度は厚生省に対しては、女性の労働権を守るという立場から、あるいは子供の健全な育成というような立場からも、こうした対策について厚生省とどのような事前の協議をされたのでしょうか。

○太田(芳)政府委員 労働省では、平成六年に労働、厚生、文部、建設の四省庁で策定いたしましたエンゼルプランに沿いまして、厚生省も含めました関係省庁と連携を図りつつ、男性、女性の雇用環境の整備に取り組んでいるところでございます。保育所等々を初め、子供を持ちたい人たちが安心して子供を産み育てる環境の整備というようなことで、厚生省とも必要な連絡調整を適宜行っているところでございます。
 女子保護規定の解禁につきましては、またその状況を見て厚生省とも協議はきちっとしていきたい、いろいろと働きかけをしてまいりたいというふうに思っております。

○石井(郁)分科員 私は、今ずっと見てみますと、文部省や厚生省との協議は十分されない状況の中で、とにかく先に女子の時間外や深夜業の規制の撤廃だけがありきというのが大変問題だというふうに思うのですね。
 日本の社会で女性が働き続けられる環境というのは今も大変貧困だ。さらに、その上で時間外規制だけは取っ払われるということになったら、女性にとっても子供にとってもどういう事態になるのかということは考えられるわけですから、そういう意味での協議というか、事前のそういうことが大変大事だということを強調したいというふうに思うのです。
 そしてもう一点、それは、ただそのことを主張するというだけじゃなくて、私は労働省の婦人局はそういうことをするところではないのかというふうに考えているからであります。婦人局は、労働省設置法に基づいて、他の省庁との連絡調整の事務権限が法定されているのじゃないでしょうか。だから、そういう意味ではどうして積極的な協議をしないのかという点を大変不思議にも思うわけですね。その点、重ねて伺っておきたいと思います。

○太田(芳)政府委員 婦人局は、先生御指摘のように、女性の地位向上に関する連絡調整ということになっておりまして、それぞれ時代に応じた形での連絡調整というものにつきましては、それなりに一生懸命やらせていただいているつもりでございます。
 今回の均等法に関しましても、女性たちの働きやすい状況をさらに進めるという観点からのものであるというふうに考えておりますし、今後とも、そういういろいろ問題が起こった場合には、各省庁ときちっと話し合い等を進めていきたいというふうに考えております。

○石井(郁)分科員 最後に、大臣に御質問したいというふうに思います。
 労働時間の短縮は世界の流れであります。日本も労働時間短縮計画を閣議で決定して、国際公約にもなっているわけです。しかし、計画期間が過ぎても達成できておりません。逆に年間の実総労働時間がふえてさえいるわけですね。だから、時短を進めようとすれば、どうしても労基法三十六条を改正する、労使協定に任せるのではなくて、法的な上限規制を行うことが必要だというふうに思います。女子の労働時間規制を廃止するのではなくて、労働者が人間らしい生活を営めるように、男女共通の法的規制に踏み切るべきだというふうに思います。
 こういう立場から、中央労働基準審議会に、男女共通の時間外労働、深夜業の規制の必要を諮問すべきだというふうに思いますけれども、大臣のこの点での御決意をぜひお伺いをしたいというふうに思います。

○岡野国務大臣 私どもが十年来の懸案の週四十時間労働制というものを、おかげさまで時短促進法を可決成立していただきましたこと、先ほどお話をしましたが、ルビコンをこれで渡ることができた、こう思っております。
 ただ、そういうことで鋭意国民の皆さんと一緒にこの実態というものをつくりたい、こう思っておりますが、四十四時間でまいりましたものが四月一日から四十時間ということになりますと、その間でやはりとうばはどうしても超過勤務をやらなければならないという現象も起きるだろう。それから、景気の好不況によりまして、労働力の需給調整といいますものも時間外労働にかかっている面が大きゅうございます。そういうようなことで、今の時点におきまして、法的にこういった新たな、先生がおっしゃるような共通規制というものを設けるわけにまいるまい。
 ただしかし、時間外労働でありますとか休日労働というもののあり方につきまして、私は、先般、中央労働基準審議会の諸先生にお諮りをいたし、またほかの案件も数多くございます。基準法ができ上がって五十年、したがって、もう一度あれやこれや見直そうということで対処をいたしているところであります。

○石井(郁)分科員 質問を終わります。ありがとうございました。

○根本主査 これにて石井郁子君の質疑は終了いたしました。


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