116-衆-文教委員会-3号
1989年11月22日
石井郁子議員 質問部分 会議録


平成元年十一月二十二日(水曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 鳩山 邦夫君
   理事 臼井日出男君 理事 船田  元君
   理事 中西 績介君 理事 鍛治  清君
   理事 中野 寛成君
      青木 正久君    木村 義雄君
      岸田 文武君    工藤  巌君
      古賀  誠君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    高橋 一郎君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      江田 五月君    馬場  昇君
      有島 重武君    石井 郁子君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 石橋 一弥君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 國分 正明君
        文部大臣官房総務審議官    佐藤 次郎君
        文部省生涯学習局長      横瀬 庄次君
        文部省高等教育局長      坂元 弘直君
        文部省高等教育局私学部長   野崎  弘君
 委員外の出席者
        参  考  人(私立学校教職員共済組合理事長)      保坂 榮一君
        文教委員会調査室長      多田 俊幸君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六八号)
 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第四九号)
     ────◇─────

○鳩山委員長 これより会議を開きます。
 第百十四回国会、内閣提出、私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ─────────────

○鳩山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

    ─────────────

○鳩山委員長 次に、山原健二郎君。

○山原委員 年金問題は極めて重大な問題ですし、また非常に関心の高い問題です。これは私、昨日上京するときに、地方新聞でございますけれども、こういう投書が出ているんです。
 「われわれ年金生活者は、買い物に行くたびに消費税を取られ、しかも本年四月からとられている。」さらに、「われわれ年金生活者はどうであろうか。ボーナスが支給されないのは当然かもしれないが、四月以来、買い物に行くたびに消費税を取られ支出はものすごく増えているのに、年金額の改定は全く行われず、昨年以来据え置かれ、一体これで生活できると政府自民党は考えているのか。」こんな弱い者いじめはやめてほしい。「年金生活者といえども全くただでもらっているわけではない。定年までの長い年月、毎月の給料から相当高い掛け金を差し引かれてきている。」「われわれの年金額の改定も速やかに実施されたい。」という、この投書です。
 実はこの年齢を見ると私と同じ年齢なものですから、調べてみたら私の中学校時代の友人だったんです。彼は長く警察に勤めておりましたから、地方公務員なんです。そういうことを投書に書いてあるんですね。ささやかではあるけれども給付改善は当然の権利として、いわゆる改悪案と切り離して一日も早く実施してもらいたいというのが、今年金生活者の切実な要求になっています。このことは石橋大臣もよくおわかりと思います。
 最初に、今度の政府案の中で、いろいろ後で申し上げますけれども、学生の国民年金への強制加入問題です。これは私は、文部省としてこんなことは絶対に許してはならぬという姿勢を貫いてもらいたいと思います。こうなりますと、夫婦と子供で大体月五万円から六万円の負担になります。そうしますと、滞納者あるいは免除者がふえてくることはもう明らかでございまして、そういう意味で国民皆年金制度が崩壊する危機すら予想されるわけでございます。この点については、教育に携わる文部省として、学生の国民年金強制加入は絶対反対であるということを主張していただきたいのですが、この点について最初に見解を伺っておきたいんです。

○佐藤(次)政府委員 この問題につきましては、担当の政府委員が見えてないものですから、かわりましてちょっと私から御答弁させていただきたいと思います。
 現在、学生につきましては、国民年金については任意加入とされているわけでございますが、このために加入していなかった学生が障害者となっても障害基礎年金が支給されないなどの問題が生じているわけでございます。
 今回、二十歳以上の学生についても国民年金を強制適用にするよう改正することによりまして、すべての学生が障害基礎年金、遺族年金の対象となりまして、また老齢基礎年金についても満額支給されるというふうに承知をいたしております。
 強制適用とされた場合に、国民年金の加入に伴って新たに年額約十万の保険料負担が生じることになるわけでございますが、この点につきましては、年金審議会の答申においても、学生に対する国民年金の適用に当たりましては、親の保険料負担が過大とならないよう適切な配慮がなされるべきであるということが提言されておりまして、文部省としても、こうした観点から適切な配慮がなされるよう厚生省に要請しているところでございます。

○山原委員 時間がありませんからこれにこだわることもできませんが、戦前においても学生に対するいろいろな国政上のサービスといいますか、配慮というものがなされておったわけですけれども、今度は国民年金に強制加入をさせるということは、ちょっと考えられないことだと私は思って
おります。本来なら、こんな問題は連合審査でもやって今度の年金問題についての論議をすべきだと思っておりますが、時間の関係で、この問題はこれで終えておきます。
 長期掛金の問題でございますが、私学共済の場合は十年前、八〇年に値上げをしてそのまま据え置きとなっております。これはもちろん理由があるわけでございまして、成熟度が低いため、つまり老齢年金受給者が少ないために財政が比較的豊かであるというようなことでございます。当面値上げをする必要はないと聞いておりますが、この点は確かめておきたいのですが、これは財政的に必要ないということか、あるいは将来はどういうふうにお考えになっているか、簡明にお答えいただきたいのです。

○佐藤(次)政府委員 私学共済組合の掛金につきましては、昭和五十五年以来現在まで据え置いているわけでございます。しかし、今回の制度改正によりまして、本年十月から再評価等による年金額の引き上げ、あるいは来年四月から六十五歳以上の組合員に対する年金支給措置等が新たに実施をされるわけでございますので、そういうことを通じまして、全体として年金給付費が増大することになるわけでございます。
 現在、これらの改善措置等も踏まえまして、来年四月一日に財政再計算を行うべくいろいろ作業を進めているわけでございますが、現時点においても掛金につきましては引き上げをしていかなければいけない、こういう見通しでございます。

○山原委員 掛金の引き上げですね。
 次に、国鉄共済の財政赤字の問題ですが、私学共済も先ほどちょっとお話が出ておりましたように財政負担を強いられているわけでして、三十億円、来年の四月から毎年ということですから、六年間にしますと約百八十億という拠出が求められる結果になると思います。
 この点は、年金制度が一元化された場合には、成熟度の低い私学共済は、財源が一本化されるため他の共済を賄う点で大幅な拠出増、一番被害を受けるのではないかと思われますが、この点はどういうふうにお考えでしょうか。一元化されました場合に、私学共済がどれだけ被害を受けるかという点についての試算がなされておると思いますが、その点、お答えいただきたいのです。

○佐藤(次)政府委員 被用者年金制度間の費用負担の調整につきましては、特別措置法が現在国会で御審議中でございます。その法律が通りますと、政令に基づきまして拠出金というのがはじかれるわけでございますが、厚生省の方におきまして現時点で試算したところによりますと、平成二年度から平成六年度までの間ということですので五年間でございます。五年間平均いたしますと、年約三十億というのが私学共済の関係、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
 なお、この被用者年金制度間の負担調整を、平成六年が終わりましてその後どういうふうに続けていくかということにつきましては、この制度の運用の実施状況も見きわめた上で考えていく、各省間で話し合いをしていこう、こういうことになっておるわけでございますので、先々のことは今ちょっと申し上げられない状況でございます。
 なお、今回の費用負担の調整に当たりましては、私学共済のいろいろな事情、成熟度が非常に低いということ、あるいは六十五歳以上の者は他の制度に比べて割に人数が多いとか、いろいろな事情があるわけでございますので、そういった事情を十分に反映をしていただいてこの計算方法を最終的にまとめていただいた、私どもとしてはそういう理解をいたしております。

○山原委員 きのう大蔵委員会で私の党の正森議員が試算を発表しておりますが、今度の政府の、私どもは改悪案と呼んでこれは絶対賛成できないわけでございますが、これを見ますと、とにかくすごいのです。自分が払った保険料分を年金給付の形で取り戻すのには、実に九十八歳の時点になることが数字として出てきております。
 ちょっと聞いてくださいよ。こういうふうに出ているのです。年金の今度の案では、基礎年金の保険料は月額八千四百円から始まり、毎年四百円ずつ値上げし、二十一年後に月額一万六千百円にするものでありますが、物価上昇分がプラスされるので、実際にはこれを上回ることになる。一方、年金支給開始年齢は六十歳から六十五歳に五年間おくらせる。こういうことになりますと、加入期間四十年で六十歳になる直前まで納める保険料は、累計で六百七十九万二千円。これにこの間の利子を加えた元利合計は千二百二十四万円余りになるわけです。その後も六十五歳の年金支給までの間は元金に利子がつき、年金支給開始後も年金を取り崩した残りの部分に利子がついてまいります。
 こういうふうに計算してみますと、自分がためた保険料を取り戻すことになるのはやっと九十八歳の時点。八十歳前後の平均寿命をはるかに上回り、圧倒的多数の国民が損をすることになります。三分の一国庫負担という法律の規定を考慮すると、百六十三歳にならないと元を取り戻せないことになります。こういう試算が出ているのです。これは昨日問題になったわけですけれども、こんなことをお考えになったことはありますか。

○佐藤(次)政府委員 ただいまの先生が御指摘になりました数字は国民年金についてではないかと思うわけでございますが、私ども、私学共済の年金については、先ほど来申し上げておりますように、将来の財政的な見通しに立って適正な運営をしていかなければいけない、将来安心して老後生活ができるような、そういった年金制度を維持しなければいけないということでやっておるわけでございまして、またそれに必要な制度間調整その他についても、私学共済の歴史とか沿革とかを踏まえた対応をさせていただいているわけでございます。そういうことで、先生がおっしゃったような形で私学共済の場合にいくということは考えておりません。

○山原委員 現在、私学共済の年金給付に対する国庫負担率、これは給付費の一八%、厚生年金の二〇%に次いで高い負担率となっておりますが、国家公務員共済あるいは地方公務員共済の場合は一五・八五%となっておりまして、これよりは高いわけですが、共済年金が一元化された場合、国庫負担率はどういう状態になるのか、計算をされておりますか。

○佐藤(次)政府委員 ただいま先生が御指摘いただきましたのは、六十一年度制度改正によりまして、国庫負担の公平化の観点から基礎年金に国庫補助が集中されたわけでございますけれども、経過的な国庫補助といたしまして、国民年金のかき上げ相当部分の給付費の四分の一、それから昭和三十六年四月以前の加入期間にかかわる給付費用の一九・八二%の補助を受けている、こういう状況にあるわけでございます。この一九・八二%の補助につきましては経過的なものでございまして、補助の対象者も年々減少してくる、こういう状況にあるわけでございますが、それが他の年金と同じように統合されるとか減少されるとかということは考えていないわけでございます。

○山原委員 次に、健康保険の家族給付負担について聞きますけれども、二千円以上の医療費に対する一部負担金払戻金、家族療養費付加給付制度ですね、私学共済の場合は、同じ月内に同じ病院などで支払った自己負担額が二千九百九十九円までは自己負担となっています。他の共済制度、公務員共済の場合は二千九十九円までが自己負担です。この点の改善はされるのですか。どうお考えですか。

○佐藤(次)政府委員 先ほど来申し上げているのですが、短期経理の財政事情というのは大変問題を抱えておるわけでございまして、付加給付につきましては、そういった経理状況を見て今後充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○山原委員 老人保健制度あるいは退職者医療の問題ですが、老人保健法の改正、これ私どもにすれば改悪ですが、この問題で、先ほど出ましたけれども、私学共済から拠出金が年々増加しまして、一昨年、八七年度決算では五十九億円の赤字。
そのため掛金が本年千分の五、組合員一人当たり平均八千四十円の負担増だと思います。そういう試算があるわけですね。さらに九十年度にも千分の五引き上げられようとしているわけですが、私学共済の財政の状況から見まして、短期掛金を引き上げずに済ませる方法はないのか、その点、検討されたことはありませんか。

○佐藤(次)政府委員 短期経理が赤字の状況が続いていて、本年の四月に掛金を千分の五引き上げた、また来年引き続き引き上げざるを得ない状況であるということは先ほど来申し上げてきたとおりでございます。この短期給付の財政方式はいわゆる賦課方式というのをとっておりまして、原則として単年度の予定支出に見合うだけの掛金収入を当該年度に得るということで掛金を設定しているわけでございます。これはどこの制度でも同じだと思うわけでございますが、そういったことでございますので、これを私学共済の中で他の方法で消化するというのはなかなか困難である、こういうふうに認識しています。

○山原委員 時間がありませんので、最後に大臣に伺いたいのですけれども、年金問題というのは、私はよその国へ行くたびに年金生活者の実態に非常に関心を持っているわけです。ヨーロッパの場合は、年金に対する考え方が随分違いますね。年金生活者が非常にゆったりした、みずからの権利として年金制度を見ている。また、一般の住民もそういう感覚で見ているという感じを受けているわけです。したがって、この問題は、今回政府が出しておる案を見ますと、六十五歳へ支給年限をおくらすとか幾つかの重大な問題点を持っているわけです。しかも、最初に言いましたように、学生を国民年金制度の中に強制加入さすというような問題を含めまして、国論を二分するぐらいの大きな問題になっております。
 しかも、目前には総選挙が行われるという事態で、国民はこの行方を本当に見詰めているわけですね。そういう点から考えまして、文部大臣として、私どもに言わせれば改悪でありますけれども、今回の一連の年金制度改正案について石橋文部大臣としての見解をぜひ伺っておきたいのです。主張すべき点はやはり閣僚の中においても主張していただきたいと思いますが、その点についての御見解を承りたいのです。

○石橋国務大臣 お答えいたします。
 年金制度もまた共済制度であります。ですから、一番の目的はその中においてその制度が安定することであると思います。今度のこの委員会に出してある国鉄共済への援助の問題も詰まるところ組合が収入支出のバランスをとれないままになってしまったので、あの組合に入っている方々は他からの応援、それから特別に今自分自身の自助努力、この二つがなければもらえないという状態になってしまったのですね。これが一番恐しいことである、こう私は考えております。ですから、今回の改正案全般についてもぜひ御理解をいただきたいと思います。

○山原委員 私の考えと全く違うわけですね。立場が違うからそういうお答えになると思いますけれども、消費税の問題については、今参議院で税制特の討議が中断しておりますけれども、これも政府の主張はやはり老齢化社会のためにということを言われているわけですね。でも、現実にはこの消費税が年金生活者は一番こたえているのです。その上に、例えば国鉄共済のように明らかに国民あるいは労働者側の責任でないもの、そういう無謀な、国鉄問題を絡めての赤字を他の共済年金その他が埋めるという全く不当なものなので、そういう意味では、真に社会保障制度あるいは年金制度について国がどういう姿勢でどうこれを補完していくかということが前提にならないと、将来になったら困るよ、自助努力、お互いの助け合いだという形で、結局はこの犠牲が年金生活者にも及んでくるということを考えますと、今重大な年金問題の局面に立っておりますので、ぜひお考えを変えてほしいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 石井さんが関連質問を用意しておりますので、よろしくお願いします。

○鳩山委員長 次に、石井郁子君。

○石井(郁)委員 共済組合員の資格回復問題についてお伺いをいたします。
 横浜市の私立旭台幼稚園の問題でございますが、昭和六十二年一月に経営者が一方的に八名の教職員を解雇いたしまして、同時に七名の共済組合員の資格も経営者の喪失届によって失われています。これに対して、神奈川県地労委が昨年七月、不当労働行為に当たるとして原職復帰の救済命令を出しています。
 この幼稚園は、現在百五十九名の園児と十三名の教職員がおりまして、五年前に経営者が一方的に廃園宣言をしたわけですけれども、父母と教職員が自主運営を行っております。地域の幼稚園として住民に信頼されておりまして、来年度の入園希望者は過去最高の百十六名だというふうに聞いているわけであります。
 監督庁である神奈川県は廃園申請書を受理していません。存続を前提として行政指導を行っているわけでありまして、現在の状況は、設置者交代によって存続が来年度にも実現できるかというところまで来ているというふうな状況なわけであります。
 そこで、質問ですけれども、文部省重々御存じのように、昭和四十四年の通達によりまして、この身分保全の仮処分がなされた場合は、組合員資格が回復したものとして取り扱わなければなりません。経営者から資格喪失取消申請書を提出させて、資格喪失以前から組合員資格があるものとして取り扱うということになっているわけですが、今日に至るも経営者の方がこれを拒否しているわけですね。これにつきまして文部省がどのように指導されたのか、まず伺いたいと思います。

○佐藤(次)政府委員 今先生から御指摘いただきました解雇の効力について、係争中の組合員資格の取り扱いにつきましては、お話がございましたように、私学共済組合が独自で判定するというのは非常に困難でございますので、労働委員会とかあるいは裁判所に対する訴えが提起がなされた場合であっても、学校法人から資格喪失報告書の提出があったときは一応組合員資格を喪失させまして、そして裁判所あるいは労働委員会等の解雇無効の決定または判決がなされましたときは、その効力が発生をしたときは資格喪失の処理を取り消す、こういうやり方をとっているわけでございます。
 そして、今問題なのは、そういう仕組みの中で、現在そういう手続をとるのが学校法人等の設置者にあるわけでございまして、設置者がそういった手続をとらない、こういう状態について問題が過去においても若干出ているわけでございます。私どもといたしましては、そういったことにつきましては、その都度個別に私学共済組合から関係の学校法人等に対しまして個別に指導を行ったり、あるいは私学主管課長会議等でその趣旨を徹底したり、そういった行政指導をさしていただいているわけでございます。
 本件につきましても、六十三年の七月に解雇を取り消す旨の救済命令が神奈川県の地方労働委員会から発せられているわけでございます。したがいまして、資格回復の取り扱いが必要でございますので、その設置者に対して共済組合の方からもいろいろ働きかけをしてまいったわけでございます。同時に、私学共済の関係者が神奈川県に直接赴きまして、県の対応状況を聴取するとともに、資格回復についての指導の要請もするということもやっておるわけでございます。また、ことしの四月には神奈川県の関係者に文部省に来ていただきましていろいろ状況を聞きまして、あるいは組合員の資格の回復の手続についての適正化を図るように依頼を申し上げたり、そういったいろいろの指導をしているような状況でございます。
 ただ、ここの幼稚園の場合に今までの学校法人等と違いますのは、この幼稚園の設置者であります方が幼稚園の存続の意思がない、もう廃園をしたいということを申し入れていること、そして幼稚園の教育の場でございます施設とかあるいは土
地、そういったものが第三者に所有権が渡っているというような状況でございます。したがいまして、この問題は単に共済組合員の資格回復という点の問題以前に、その設置者あるいは幼稚園の運営という問題を速やかに解決していただかないと、なかなかこの問題は最終的な解決が難しいのではないかという感じを持っている次第でございます。

○石井(郁)委員 この先生方は資格を失ってから任意加入で入っていらっしゃいまして、いろいろ健康上の問題等々あるわけですね。事実上病院にかかることもたくさんあるわけでございます。この期限も二年間ですから、もう間もなく切れるわけです。ですから、非常に急がなければいけないというふうに思うわけです。
 今御答弁の後段部分に言われましたことは、これは事情を十分聴取していただければ、設置者交代で今話が進められているということで、神奈川県の方ではこの園を引き継ぐ方も明らかになっているようであります。そういうことで園の存続ははっきりしているわけでありますし、先生方もそこに勤められるわけですから、資格回復の手続を何とかしてとらなければいけないということだと思うのですね。だから、原職復帰という救済命令が出たというこの点に立って、やはり設置者にこの資格喪失取消申請書を一刻も早く出させる、このことで文部省がもっと強力にきちっと指導されるということが必要だと思うのですが、そのことを強く申し上げておきたいと思うのですが、いかがですか。

○佐藤(次)政府委員 この問題は、私立学校共済組合の組合員の資格の問題でございまして、共済組合の方がその問題を一生懸命取り組んでおるわけでございます。
 先ほど来申し上げましたように、設置者である方に相当強い指導をするとともに、現地まで出かけましてその幼稚園を所管している県の知事部局あるいは直接設置者の方にお会いして説得をしているわけです。文部省は直接の事務をとっていないわけでございますが、文部省におきましても幼稚園を担当する課、私学を担当する課、そして共済を担当する課が一緒になりまして、県の知事部局の担当課の責任者に来ていただいて、そういった旨を伝えて指導をしている、そういうことでございまして、この問題については文部省としては相当に強い行政指導をしている、今後もそういった形で続けたいと思うわけでございます。先ほど申し上げましたように、これは設置者がそういう状況でございますので、先ほど来のことですと、設置者問題が解決すればこれは直ちに解決する、こういうことに理解しております。

○石井(郁)委員 非常に急いでいることでありますので、そういう立場でぜひとも引き続き御指導を強めていただきたいと思います。
 こういうケースで、経営者がかたくなにというか、極めて異例に拒否し続けるというような場合、こんなことは組合員の不利益の点でも許されないと思うのですけれども、こういうケースの場合どうするのかという点で、こういうことを考えられないのでしょうか。教職員個人が私学共済に回復の申請ができるというような措置を今回に限って考えてみてはいかがかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

○佐藤(次)政府委員 現行の私立学校共済組合法の中で、こういった事務につきましては設置者が共済組合の方にいろいろな手続をするという大原則が立てられているわけでございます。この共済組合員のいろいろな事務処理というのは、掛金を徴収するにしても、いろいろなことで設置者と組合員である方が一体になって運営しませんと、これは動かないわけでございます。そういった現在の組織の根幹にかかわる問題でございますので、私どもとしては、それは個別の、しかもレアケースでございますので、個別の問題としてそういったことが起こらないように指導しておるわけでございますが、今後も徹底してまいりたいというふうに考えております。

○石井(郁)委員 済みません、もう一点。
 同様のことで、香川県の大手前高松高校でも昭和五十六年に教員の不当解雇がありまして、ことし九月に香川県地労委が原職復帰の救済命令を出しております。この点でも速やかに共済組合員の資格回復が図られるように御指導を強めていただきたいということです。答弁をいただきまして終わりたいと思います。

○佐藤(次)政府委員 ただいま御指摘の倉田学園の事件につきましては、そういう状況があるということがごく最近私立学校共済組合の方に連絡がございました。直ちに関係者に資格回復の手続をとるように指導をしているところでございます。これからも引き続きそういう指導をしてまいりたい、かように考えております。

○石井(郁)委員 終わります。


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