116-衆-文教委員会-2号
1989年11月17日
石井郁子議員 質問部分 会議録


平成元年十一月十七日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 鳩山 邦夫君
   理事 麻生 太郎君 理事 臼井日出男君
   理事 北川 正恭君 理事 鴻池 祥肇君
   理事 船田  元君 理事 中西 績介君
   理事 鍛治  清君 理事 中野 寛成君
      青木 正久君    梶山 静六君
      岸田 文武君    工藤  巌君
      杉浦 正健君    長谷川 峻君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      有島 重武君    塚本 三郎君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 石橋 一弥君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 國分 正明君
        文部大臣官房総務審議官    佐藤 次郎君
        文部省生涯学習局長      横瀬 庄次君
        文部省初等中等教育局長    菱村 幸彦君
        文部省教育助成局長      倉地 克次君
        文部省高等教育局長      坂元 弘直君
        文部省高等教育局私学部長   野崎  弘君
        文部省学術国際局長      川村 恒明君
        文部省体育局長 前畑 安宏君
        文化庁次長   遠山 敦子君
 委員外の出席者
        法務省人権擁護局人権擁護管理官       島野 穹子君
        外務省国際連合局人権難民課長 角崎 利夫君
        建設省都市局公園緑地課長   曾田ひさ嗣君
        文教委員会調査室長      多田 俊幸君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六八号)
 文教行政の基本施策に関する件
     ────◇─────

○鳩山委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

    ─────────────

○鳩山委員長 次に、石井郁子君。

○石井(郁)委員 まず、登校拒否の問題について質問をしたいと思います。
 先月文部省もこの登校拒否児の実態を発表されまして、小中学校で四万人に上るということでマスコミも大きく取り上げました。登校拒否の問題は、登校拒否に陥った子供たち、その渦中にいるときの親の気持ち、本当に深刻なものがございます。私は、この問題は解決策を急がなければならないというふうに思っているわけで、そういう立場で質問をしたいと思っています。
 法務省の人権擁護局も不登校児の人権実態調査報告書を発表されています。不登校児の実態について明らかにし、提言もあるというふうに思うわけですけれども、まずこの内容について法務省に伺いたいわけです。
 この報告書によりますと、「総括」と「結論」という部分で、「総括」部分は五項目ですね。「結論」の部分でも四項目で、特に学校教育の問題が指摘されているというふうに見えるわけです。教師の受けとめ方、授業の進め方など、それから、いわゆる落ちこぼれに対する配慮という点が登校拒否を予防する点、またその解決ということで重要だというふうに言われているように思うのですが、こういう調査結果を発表されたわけですけれども、その内容について御説明をいただきたい。特に学校教育の指摘の部分についてお願いしたいと思います。
    〔委員長退席、麻生委員長代理着席〕

○島野説明員 では、御説明いたします。
 今回私どもが調査いたしましたのは、各種の施設に通園をしている児童生徒五百九名に直接にアンケート調査を行いまして、その結果を集計しております。それで、学校に行けなくなった原因というものを複数回答で回答してもらっております。それの調査結果を申し上げますと、友達関係を挙げた者が最も多く、次いで先生・学校関係、勉強・学業関係がほぼ同数でございます。そして家庭関係というものがこれに次いでおります。最後に給食関係というのもございますが、これは少なくなっております。
 その勉強・学業成績関係というものの細部を見てみますと、「勉強がわからなかった」と答えた者が百四十二名、「勉強についていけなかった」と答えた者が百十六名、「成績が落ちて先生や親から強く叱られた」という者が三十八名で、以上、勉強・学業成績を原因として挙げた者の数を合計いたしますと二百九十六名になっております。

○石井(郁)委員 実はもう少し御説明いただきたいのです。それは「総括」のところで「いわゆる「落ちこぼれ」に対する配慮は、登校拒否を予防する点で、大きな意義をもっている。」というふうに言われていますので、その中身をちょっとお聞きしたかったわけですね。

○島野説明員 落ちこぼれという言葉を法務省としては余り使いたくなかったわけですけれども、この調査は、ある学者の先生に質問をつくっていただき、また集計、分析をしていただいております。その中で、学業成績が不振であると申しますか、今先生がおっしゃった落ちこぼれと見られる生徒が多いという傾向は否めないように思います。それが原因となって学校に行けなくなったということは不登校の一つの要因として否めないように考えております。

○石井(郁)委員 そこでもう一点伺いたいわけですが、「結論」の部分では、そういうことで教師の受けとめ方とか授業の進め方、特に授業について言われているわけですが、「抜本的な改革が必要であることが痛感された。」というふうに書かれています。この場合の抜本的な改革というのは何を指しているのでしょうか。

○島野説明員 大変失礼ですが、白い表紙のですね。法務省としてのまとめはこの黄色い表紙のものにしておりまして、それは調査を委託した先生のレポートでありますので、それはそのままそっくりお配りはしておりますけれども、法務省の人権擁護局としては学校の教育についてその先生のレポートのように提言し得るまでには至っておりませんので、恐縮ですが、お答えできません。
 今からいろいろ皆さんと意見交換しながらその部分もその専門の分野で検討課題にはなっていくと思いますけれども、それは先生の提言としていただいた報告のとおりに印刷した資料でございます。どうも失礼いたしました。

○石井(郁)委員 どうもありがとうございました。
 そこで、文部省に伺いますけれども、文部省も児童生徒の問題行動実態調査を発表されました。そこでは、登校拒否のきっかけとして学業不振が最も多い。とりわけ中学校の場合はそのように強調されているわけですが、文部省もこの登校拒否を生み出す学校教育の大きな原因にいわゆる学業不振、授業についていけない、この問題があるというふうに認識していると受けとめていいでしょうか。

○菱村政府委員 登校拒否は、小学校で六千人余、中学校で三万六千人余で、小中合計で四万二千人。全体の生徒数の比率からいきますと、〇・六%ですから少ないということになるかもしれませんが、年々子供が減っているのにこの数字はふえている。そして、登校拒否には至らないけれども潜在的にそういう傾向を持っている子供たちもふえているということを聞いておりますので、これは大変重要な問題であるというふうに認識しております。
 そこで、今回の白書でもこの問題を取り上げているわけでありますが、今先生から御指摘がありましたように、そのきっかけとして、私どもで調査いたしましたのを見ますと、学校生活に影響のあるものとしては、「友人関係をめぐる問題」が一四%、「学業の不振」が一五・四%、やはりこの二つが大きいと思います。それから「家庭生活での影響」がきっかけになっているのも一五%ほどございますし、いろいろな原因ないしはそれが複合した原因によって登校拒否が起きていると思いますが、もちろん学校の教育に対する不適応という問題もその一つの要因であるというふうに受けとめております。

○石井(郁)委員 ここ数年、登校拒否の子供たちがふえてきました。しかし、その子供たちは学校に完全に行きたくないというふうに拒否をしているかというとそうではなくて、勉強したい、行きたいという気持ちを持ちつつ行けないという問題を抱えているわけです。
 このところ、そういう子供たちが夜間中学校に入ってそこで勉強をしているというケースが多くなってきています。東京都内には八校の夜間中学校があるわけですけれども、過去六年間に七百二十七名の登校拒否生徒が入学している。一九八三年から毎年調査が続けられてきているわけですが、その調査によりますと、やはり夜間中学の入学時の学力が十分ついていない。例として申し上げますと、とりわけ国語では四六%が小学校段階だ、数学でも三九%が小数や分数の基礎的段階でとどまっているということが判明しています。だから、やはり小学校や中学校での勉強のつまずきという問題が大きな要因になっていることが報告されているわけです。
 今御答弁もございましたけれども、文部省の児童生徒の問題行動の実態調査を見てみますと、小中学生の登校拒否のトップが「ずる休みによる拒否の型」、これは小学生で三九・〇%中学生で五三・九%とあるわけです。こういう形で、登校拒否をずる休みとか勉強嫌いと子供の責任としてとらえる視点は登校拒否の真の原因をつかんだことにならないのではないかと思うのですが、その点でいかがでしょうか。

○菱村政府委員 今御指摘いただきました数字がどの数字なのかわからないのですが、ことし発表しましたのでは、要するに学校生活に起因するものとして三九・八%、家庭の問題が三一・八%という数字を出しておりますし、また別な登校拒否のパターンといいますか態様としては、要するに遊び型、遊ぶためとか非行グループに入って登校しないという怠学が数字としては一六・六%でございます。一番多いのは、行きたいけれども行けないという情緒不安定、情緒混乱が二九%。それ
と並びまして無気力と申しますか、要するにアパシーの状態に陥っている子供たちがやはり二九%という数字でございまして、ちょっと今御指摘の数字が……

○石井(郁)委員 これは八八年十一月の数字なんです。これを持ち出しましたのは、ことしの分の「実態と文部省の施策」を見ましても、子供の側の責任というか、今のお話でも子供が無気力になっているだとか、そういうような指摘は、なぜ学校に行けないのかという、学校の問題が明確にされていないということで、八八年十一月の数字が非常にはっきりしていましたので、今引用したところなんです。
 文部省の方でも学校不適応の対策という形で対策に取り組まれているということはわかっているわけですけれども、学校不適応という言い方では、学校に子供たちが合わせられていないんだというふうに聞こえるわけです。だから、あくまでも子供の方に問題があって、子供の心理状況や身体的な状況やそういうことが変われば学校に行けるのかということで、学校に行けない本当の原因は、今の学校を取り巻く教育の内容や、また条件や、それからとりわけ管理主義的な体制、体罰や規則の押しつけ、こういうところが子供たちを学校へ行けなくしている大きな原因ではないかと考えるわけですけれども、その点で文部省の御認識をもう一度伺っておきたいと思うわけです。

○菱村政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、登校拒否の態様としましては、学校生活に起因する型はもちろんございます。それから無気力に起因するものないしは不安などの情緒的混乱によって行けないもの、ないしはそれらの混合型、いろいろございます。ですから、これがすべて子供の責任とか学校の責任とか親の責任とかという単純な問題ではないと思います。
 結局この豊かな社会の中で子供が健全に育っていくのが大変難しくなっているということでございまして、これは欧米でも先進工業諸国に共通した、学校嫌いといいますか、こういう一つの傾向があるわけでございますから、日本もその中の一つの態様として存在しております。もちろん特殊日本的な問題もあろうと思いますけれども、私は、これは学校も家庭も社会も共同して一体となって取り組んでいかなければ解決しない問題であるというふうに思っております。

○石井(郁)委員 学校生活に起因するという点で、では学校生活のどこが問題なのかという点ではいかがでしょうか。

○菱村政府委員 学校に起因する場合もいろいろなケースがございます。友人関係をめぐるトラブルが原因になって行けなくなったという子供さんもいらっしゃいますし、教師との関係でうまくいかなくて登校拒否に陥ったというのもございます。それから先ほど来御指摘の学業の不振、授業がわからないというようなことで学校嫌いになっていく、登校できないでいる。この場合もいろいろな要因がございます。

○石井(郁)委員 そういうふうにいろいろな問題を羅列されるだけではやはり解決策は見えてこないように思うのです。
 それで、私は十一月一日の朝日新聞の社説がその点では非常にすっきりと問題点を指摘していると思うわけです。それをちょっと御紹介したいと思うのです。
  原因がさまざまであれば、解決の道もまた、いろいろだ。その中で一つだけ提案がある。学校の、一学級の児童生徒の人数をもっと少なくすべきだと思う。
  受け持つ子どもの数が少なければ、先生はイライラせず、一人ひとりに目も行き届く。子どもの気持ちも、より理解できるだろう。それは、登校拒否の原因を、一部であっても解消することにつながる。
欧米諸国並みに二十五人ー三十人。四十人に減らす計画がまだ終わってない日本が問題だということが指摘されているわけです。
 先ほど欧米諸国に共通する現象だというふうに言われましたが、登校拒否の現象は特殊というか、日本的な現象だ、欧米諸国には見られないということは法務省の調査の中でも出ているんではないでしょうか。先ほども法務省の調査結果でもやはり学業不振が大きな原因だ、その学業不振を本当に解決するためには、新指導要領でもさらにもっと詰め込みをしていくということがあるわけですから、そういう問題もありますけれども、何よりも教育行政として教育条件の整備と、一学級の生徒数を減らすということは何をさておいてもしなければならないということだと思うのですが、そういう点での文部省のはっきりとした見解というか認識をぜひお示しいただきたいというふうに思うわけですが、どうでしょうか。

○倉地政府委員 先生のお話にありましたように、私ども今四十人学級を含めまして教職員定数の改善計画を進めているところでございます。平成二年度の概算要求におきましては、改善計画の第十一年次分ということで、四十人学級につきましてはその他の市町村の小学校の五年生まで、中学校につきましては第二年生まで措置することを要求している次第でございます。
 教職員定数の配置率の改善につきましても、いろいろな職員についての改善を要求しておりまして、五千百九十一人の改善を要求している次第でございます。四十人学級と合わせますと、全体で一万三千三百人の改善ということで、これが認められるということになりますと七二・二%の改善率になる次第でございます。今後二年間で四四・六%の改善を図らなければならないわけでございます。極めて厳しい状況にあると認識しているわけでございますけれども、なお目標に向けて十分努力を続けてまいりたい、さように考えている次第でございます。

○石井(郁)委員 その問題に入りましたので、そちらの方でちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 今お話しのように、九一年度に第五次学級編制・教職員定数改善計画が完成するのかどうかという点で、今定数改善の数字も出されましたけれども、例えば来年度の予算で見ても養護教員での改善率は五七・二%です。栄養職員では五五・八%、事務職員では四七・八%で半分に満たないところもあるわけですが、本当に実現は大変困難だというふうに思うわけですが、どうでしょうか。

○倉地政府委員 先生の御指摘にございましたように、養護教員定数、それから事務職員定数、学校栄養職員定数の改善率は御指摘のあったとおりでございます。あと二年ということですとこの改善率は必ずしも高くないわけでございますけれども、私ども、あと二年の予算の要求、それから査定を通じましてぜひ目標が達成できるよう努力を続けてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。

○石井(郁)委員 九一年度までに、これはもう法律事項ですから、法に沿ってはっきり完成するというふうに、いかがですか、努力をするでは本当に達成できるかどうかということがはっきりしないわけですけれども、完成するというふうにはっきりお答えいただけないでしょうか。

○倉地政府委員 あと二年でございますけれども、やはり予算の問題と申しますと毎年度の概算要求、それから査定ということを通じて行うわけでございます。私ども十分努力する所存でございますけれども、やはり査定という作業があるわけでございますので、先生の御指摘のあったような御答弁をするわけにはなかなかまいらないのではないかと思う次第でございます。私どもといたしましては、十分努力を続けてまいりたい、そのように考えている次第でございます。

○石井(郁)委員 それは竹下元総理の九一年度中にきちんと対応できるという国会答弁もございますけれども、私は、努力で済まさないで残る二年で完全に達成するということで大臣は決意を持って臨んでいただきたいと思いますし、ぜひ大臣の決意をお聞かせいただきたいと思うのです。

○石橋国務大臣 先ほども他の委員にお答えを申し上げたわけでありますが、あと二年ということ、いよいよ目前に迫ったわけでありますが、何
とかしてこれを達成すべく全幅の努力を傾けたいと存じます。

○石井(郁)委員 その辺は本当に文部省を挙げてぜひ頑張っていただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 問題は九二年度からのことも考えなければいけないと思います。児童生徒は今後も減少していくわけでございますけれども、こういう中で三十五人以下学級に移行できる条件があるわけでございます。先ほど中西委員からも質問がございましたけれども、文部省としてこの九二年以降のことについてはどのような方策を検討しておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○倉地政府委員 先ほど来お答え申し上げているところでございますけれども、大変厳しい財政事情の中で教職員の定数改善計画を達成するよう努力しているところでございます。そういう事態でございますので、現段階では改善計画につきましてどうこうすることを検討する段階に至ってない状況でございます。今後の検討課題だとは考えておりますけれども、そういう現状でございますので、ひとつよろしく御理解のほどお願いする次第でございます。

○石井(郁)委員 先ほど大臣の御答弁の中でも、この問題では何とかしたいということを基本に検討するというような趣旨で中西委員に対しての御答弁があったように伺っていますけれども、その中身はどういうことなのか、もう少しお聞かせいただけないでしょうか。

○倉地政府委員 今御指摘の点につきましては、検討した結果、現在の改善計画終了後直ちに次の計画がスタートするか、また今回の計画のスタートと司じように一年の間があくかという問題につきまして大臣がその真情をお述べになったものと私ども理解している次第でございます。
 ただ、この問題は、そのときの概算要求、それから査定の問題も含めまして財政上の措置が必要な問題でございますので、現段階でそのことについて確定的なことをお答えする段階ではないというふうに考えている次第でございます。

○石井(郁)委員 私は、昨年でしたか、この委員会でもこういう問題は取り上げているのですけれども、こういう条件の中で、先ほど登校拒否の問題もまさにそうだったわけですけれども、本当に学級定数を減らすということは国民的な要望というか強い願いだと思うのです。また世界的にもそういう趨勢なわけですから、ぜひしなければいけない、できる条件のときに本当に踏み切るべきだというふうに思うわけですが、九二年度以降からにつきましては当然法改正をしなければ進められないということもありますので、だから、いろいろと検討をしていくということでありますと準備期間が要るわけですので、やはり調査費をつけるなどして取りかかっていく、文部省はそういうふうにも踏み出せない。どうでしょうか。

○倉地政府委員 先ほど来申し上げているところでございますが、財政事情が大変厳しいのが実情でございます。その中でさらに定数の改善を行うわけでございますので、現段階ではそれに最大限の努力を傾注してまいりたい、そのように考えているところでございます。

○石井(郁)委員 最初大臣にお聞きいたしましたので、大臣にもう一度大臣のお考えのほどをぜひお聞かせいただきたいと思います。

○石橋国務大臣 予算を伴うことでありますので、なかなかここでぴしっとやり抜くということが答えられなくて恐縮でありますが、とにかく決められてあることでありますから、それに向かって一生懸命に努力をいたします。

○石井(郁)委員 九二年度以降についてもうそろそろ準備をしなければいけないということを言っているわけですが、では今のようなお考えですと九二年度以降については全く、何とも計画が立たないということでしょうか。

○倉地政府委員 再度の御質問で大変恐縮しているわけでございますけれども、本当に厳しい財政事情が続いているわけでございまして、その中で大変な財政需要のある定数改善を進めるという課題を抱えているわけでございます。私どもといたしましては、この課題をぜひ達成していきたいということで努力を続けてまいる所存でございます。現在のところは、そういうことでひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。

○石井(郁)委員 次に、高校の四十人学級の問題で伺いたいと思います。
 厳しい財政事情を盛んに言われますと、こういう問題で本当に言いにくくなってくるわけですけれども、高校問題も深刻でございます。ことしをピークに高校生が急減期を迎えています。公立学校の定数は御承知のように四十五人ですけれども、大都市部では四十七人、八人というクラスになっているということですね。急減期こそ四十人学級、さらに三十五人学級ということも、国民的な非常に強い要望になっているというふうに思います。
 高校の第四次の教職員定数改善計画が、これも九一年度に終了するのですけれども、学級定数を変えるためにはやはり法律改正が必要になるというふうに思うわけです。
 ここで、具体的な事例で申し上げますけれども、これは私の大阪ですけれども、大阪府の場合では九〇年度が四十八人から四十六人へ、九一年度は四十六人から四十五人に戻すという計画まではあるわけです。ところが、九二年度からはそれをさらに縮小するかといえば、検討できない、国の施策待ちというのが現状になっているわけです。文部省として積極的にこの急減期対策を立てなければ、地方でもこれ以上踏み出せないということが起こっていると思うのです。こういう点で、文部省がこの学級定数を変えるということに取りかかるかどうかということが今問われていると思いますが、いかがですか。

○倉地政府委員 公立高等学校につきましては、現在第四次の教職員定数改善計画が進んでいるところでございます。この進捗率も、平成元年度で六〇%ということになっている次第でございます。この改善計画も義務教育と同様にあと二年で計画を完成する必要があるわけでございまして、私どもとしては今後地方財政当局と十分折衝して、その実現に努力してまいりたいというふうに考える次第でございます。
 その後の学級編制の改善のことを今御質問でございますけれども、そういう状況にあるわけでございますので、現在の改善計画の達成ということに私ども努力するということをひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。
    〔麻生委員長代理退席、委員長着席〕

○石井(郁)委員 急減期問題というのは本当に深刻だということはもう重々御承知だと思うのですね。
 高校の問題でいいますと、急増期ということを理由にしてこの定数改善が先送りされているわけです。この小中の十二カ年計画の中には入らなかったわけですね。今度もまたこの急減期の中でそういうことにも踏み出せないということになれば、本当に高校教育というのは、いわば無策の中で高校生たちが大変な目に遭っているということになるわけですから、私はやはり本当にこの定数改善に踏み切るべきだというふうに思うのですが、そのことは強く申し上げたいというふうに思います。
 時間がありませんので、私立高校の急減対策について同じような意味で質問したいと思います。
 この急減期問題はとりわけ私学がそのしわ寄せを受けるわけですね。こうした問題について文部省はどのような認識をお持ちなのか、それをまず伺いたいと思います。

○野崎(弘)政府委員 十五歳人口がこの平成元年度をピークにいたしましてその後急減をしていく、全国的に減っていくということは先生御指摘のとおりでございます。ただ、これは既に予測をされておったことでございます。実は私立幼稚園につきましてもこの問題が既にあったわけでございますが、私立幼稚園につきましてもそういう急減のための特別の措置というものは特に講じてきてはいないわけでございます。
 それから、この急減の傾向というのは今後ずっと続くわけでございまして、現在、平成元年が二百五万、それに対しまして平成九年が百五十一万ということで、五十万減るわけでございますが、さらにその後もこれが減っていくというような状況にありまして、ずっとこれが継続をしていく。こういうようなことを考えますと、そのような長期的な対策というものを講ずることが果たして適切なのかどうかというような問題がございますので、生徒急減のための特別措置ということを講ずることは考えていないわけでございます。
 ところで、今の私立高等学校の経常費助成補助の考え方というのは、私立高校に直接助成するわけでございませんでして、都道府県に補助をするわけでございます。その都道府県に補助いたします考え方は、各都道府県の助成水準の維持向上というのが一つ、それから各都道府県間の助成水準の格差是正を目的として実施しておるわけでございますので、各都道府県におきまして経常費助成の増額を図るという場合にはそれに見合って国庫補助の方も増額が行われる、こういう仕組みになっております。
 そういうようなことを総合的に考えますと、私どもとしてはこの私立高等学校の経常費助成、総額としてこれをできるだけ確保していくということがやはり基本的に重要なことである、このように考えておるわけでございます。

○石井(郁)委員 全体的な、こういう私学が今後どのようになるかということでの認識を伺ったのですけれども、もう既にいろいろ踏み込んで御答弁をいただいたようなところもあるのですが、本当に大変ですよね。大阪の私学のことでいいますと、今後私学の約半分が不必要となっていく事態だ。公私の受け入れの比率を七対三という比率で考えていきますとそういう数字も出ているわけです。だから私学は経営の面でも大変ですけれども、もちろんそれでやっていくためには経済的な負担をさらに学費値上げということでしなければいけないということにもなるわけですから、やはり私立学校振興助成法の精神からしても今後の事態というのは大変なことになっていくということだと思うのです。
 そういう点で、経常費の総額増という点は当然ですけれども、過疎地の私学特別補助並みに急減期の特別助成対策ということはやはりどうしてもやらなければいけないことになっているんじゃないでしょうか。既にもう答弁で考えていないということが先回りでいただいているわけですけれども、やはりそういう姿勢では本当にこれからの私学に対しての文部省は、全く切り捨て、見捨てるというふうなことにしかならないのではないかと思うのです。
 こういう点で、私立高校も四十人以下学級ということも含めて私学の教育条件の拡充ということについて本当に文部省はどういうお考えなのかということが問われていると思うのですが、再度伺いたいと思います。

○野崎(弘)政府委員 現在、過疎地に対する対策ということで実施しておりますのは、これはそういう特に減の激しいところに対しまして実施をしておるわけでございますが、先生のおっしゃることは全国的なことでございますので、やはり私どもは全体を確保するということによってそれがまた全体の水準の向上にもつながっていく、このように考えておるわけでございます。

○石井(郁)委員 しかし、私学の助成費の割合はもうこの数年、年々減り続けてきている。ですから、それでは到底間に合わないということになっているわけです。だから、今のこういう実態の中で、やはり特別助成対策というようなことを考えない限りどうしようもなくなっているのじゃないでしょうか。そういう点では、文部省が前向きに検討していくということは本当に必要なことだと思うのですが、全くそういうお考えはないのでしょうか。

○野崎(弘)政府委員 先ほどの過疎地に対する対策もこの私立高等学校等経常費助成費の中で措置しておるわけでございますので、全国的な傾向のものに対してどう対応するかということは、やはり全体の経常費助成の増額の中で対応していくのが一番適切ではないか、私どもはこのように考えております。

○石井(郁)委員 この際、大学の助成についても伺いたいのですが、今国会の予算委員会で、これは橋本大蔵大臣がこういうような御答弁をされているわけです。石橋文部大臣もいらっしゃいましたので御存じだと思うのですが、問題を起こした私学もある、経常費助成だけが私学助成ではないというような趣旨でおっしゃったのですが、石橋文部大臣も同じようなお考えでしょうか。

○石橋国務大臣 お答えいたします。
 大学の助成の問題について、結局二九%もあったものが一六%程度に下がってきてしまった。その理由がどういうところにあるのだということでありますが、私はいろいろなところにあるな、こう思っております。ただ総計は、御承知のとおり全く微々たるものでありますけれども、とにかくふえていることはふえているのですが、残念ながらパーセンテージは減っている。ただ、大蔵大臣がおっしゃったことがそのままかなという感じであります。

○石井(郁)委員 どういうふうに受け取ったらいいのでしょうか。もう少し積極的な大臣のお考えは。

○野崎(弘)政府委員 大蔵大臣のお答えになった趣旨は、それは私どもの受け取り方でございますのでいろいろな受け取り方がまたあるかと思いますが、経常費助成だけでなしに、やはりいろいろな特別補助的なものをやる、例えば大型の施設、装置に対する補助なんかもやっておる、そういうことをいろいろなことを考えてやっていくべきじゃないかというようなことで私どもは受け取ったわけでございます。やはり特色ある私学を育てるためには、そういう特別補助の充実も含めましていろいろな形の補助というものを私どもとしても重視していかなければいかぬかな、こう思っているわけでございます。

○石井(郁)委員 この間の私学助成で言いますと、ふえているのは特別補助だけなんですね。経常費助成の分というのはふえてないわけです。だから、先ほど来お話がありますように、文部省としては、経常費助成について本当にもっと力を入れるということではぜひ大臣もそういう立場でやっていただきたいというふうに思うわけです。国会決議で二分の一助成をうたっているわけですし、この私学の署名は、いろいろな請願署名がある中では群を抜いて多いわけですね。ことしはこの十二月に向けて全国三千万署名に取り組んでいらっしゃるという話であります。
 だから、今高校問題は、公私の普通高校を含めて高校の四十人定数の実現、それからこの私学助成の拡充ということで、そういう大きな運動の広がりがあるわけですね。そういう中で本当に国会決議を生かして、この決議に沿って私学助成を拡充するということでは本当に大臣の強い決意をお願いしたいというふうに思うのですが、いかがですか。

○石橋国務大臣 お答えいたします。
 今もお話のありましたとおり、経常費補助だけでなく、例えば私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助ですとか私立大学研究設備整備費等補助ですとか、いろいろな立場において出ているわけでございますが、何と申し上げましても、中西委員のときにも申し上げたわけですが、大変苦しい予算、財政事情ということでシーリングの枠をかけられてしまっている、その中で少しでも努力をして前に出さなければならない、こういうことであります。しかし、私立学校の役割の重要性にかんがみまして、私学助成のことにつきましてはその役割の重要性、しかし一方また厳しい財政事情があるわけでありますが、何とかして、法律は二分の一を目途としているわけでありますから、できる限り推進をしていきたい、こう考えております。

○石井(郁)委員 非常に厳しい財政事情ということばかりが強調されまして、そういうふうになる
と文教行政は本当に何も進まないのではないかというふうにさえ思われるわけですね。けれども、教育基本法を持ち出すまでもなく、やはり何よりも教育条件の整備に全力を挙げるべきであるということが文教行政の基本ですから、そういう立場で最善の御努力をいただきたいと思うわけです。
 時間が参りましたので、最後に、私は文相の政治姿勢について一言伺っておきたいと思います。
 石橋文部大臣、これは大臣時代ではありませんが、月刊「自由民主」の八五年の八月号に「教育改革への提言」をお書きになっていらっしゃいますが、その中でこのようなくだりがございます。「私は国民合意の上で格調高さ「教育憲章」の制定を心から望みます。今回の教育改革論議はその結果として極端に言えばこれ一つが出来上がればよいと思います。しかもこれは教育基本法の上に位置されるべきです。過去に日本民族が持った教育勅語に匹敵すべきものでなくてはなりません。」こう主張されていらっしゃったわけですが、今日もこのような考えを持って教育行政に臨んでいらっしゃるのかどうか。
 また、大臣になりましてから心の教育ということをどうも盛んに強調されていますが、これはこういう内容のことを指すのでしょうか。
 この二点を伺いたいと思います。

○石橋国務大臣 確かに書きました。たしか四、五年前であったではないかな、こう思っておりますが、現時点、文部省入りをいたしましてからは、あのようなことは考えておりませんです。そして、ではというお話でございましたが、新しい指導要領がこの三月にでき上がったわけでありますので、あれにのっとっていわゆる日常生活の規範となるべき倫理問題等にも取り組んでいきたい、こう思っております。

○石井(郁)委員 終わります。どうもありがとうございました。


機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


Copyright(C)石井郁子事務所 2001
本サイト内のテキスト・写真等全ての掲載物の著作権は石井郁子事務所に属します。
リンク希望の方は、お手数ですがメールにてお知らせください。


石井郁子トップページはこちらから