114-衆-文教委員会-4号
1989年05月24日
石井郁子議員 質問部分 採決部分 会議録


平成元年五月二十四日(水曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 工藤  巌君
   理事 臼井日出男君 理事 北川 正恭君
   理事 鳩山 邦夫君 理事 船田  元君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛治  清君 理事 中野 寛成君
      井出 正一君    岡島 正之君
      岸田 文武君    佐藤 敬夫君
      斉藤斗志二君    渡海紀三朗君
      中村  靖君    松田 岩夫君
      宮里 松正君    渡辺 栄一君
      江田 五月君    嶋崎  譲君
      中西 績介君    馬場  昇君
      有島 重武君    北橋 健治君
      石井 郁子君    藤田 スミ君
      山原健二郎君    田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 西岡 武夫君
 出席政府委員
        文部政務次官  麻生 太郎君
        文部大臣官房長 國分 正明君
        文部大臣官房総務審議官    佐藤 次郎君
        文部省生涯学習局長      横瀬 庄次君
        文部省初等中等教育局長    菱村 幸彦君
        文部省教育助成局長      倉地 克次君
        文部省高等教育局長      坂元 弘直君
        文部省学術国際局長      川村 恒明君
        文化庁次長   遠山 敦子君
 委員外の出席者
        法務省刑事局刑事課長     古川 元晴君
        厚生省健康政策局指導課長   澤  宏紀君
        厚生省健康政策局医事課長   丸山 晴男君
        厚生省健康政策局歯科衛生課長 三井 男也君
        文教委員会調査室長      松原 莊穎君
    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
     ――――◇―――――

○工藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
    ―――――――――――――
 国立学校設置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

○西岡国務大臣 このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、短期大学部の併設及び廃止のほか、国立大学共同利用機関を大学共同利用機関に改めること等について規定するものであります。
 まず、第一は、短期大学部の併設及び廃止についてであります。
 これは、秋田大学に同大学医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することとし、また、群馬大学に併設されている工業短期大学部については、これを廃止し、同大学工学部に統合しようとするものであります。
 なお、秋田大学医療技術短期大学部は、本年十月一日に開学し、平成二年四月から学生を入学させることとするものであり、群馬大学工業短期大学部は、平成二年度から学生募集を停止し、平成三年度限りで廃止することを予定しているものであります。
 第二は、国立大学共同利用機関を大学共同利用
   号機関に改めることについてであります。
 これは、国立大学共同利用機関について、国立大学を中心とする共同利用の機関から、広く大学の共同利用の機関に改めるとともに、これを大学共同利用機関と称することとするものであります。
 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る平成元年度の職員の定員を定めることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。

○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

○工藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

    ―――――――――――――

○臼井委員長代理 次に、石井郁子君。
    〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕

○石井(郁)委員 国立学校設置法の一部改正案の質疑に先立ちまして、重要性にかんがみて二点質問をしたいと思います。
 その一つは、全国的な関心を集め、今も脚光を浴びている吉野ケ里遺跡の保存問題でございます。大臣も視察をされたようですけれども、この遺跡の価値、学術的評価につきましてどのような認識をお持ちでいらっしゃるでしょうか、伺いたいと思います。

○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりに、吉野ケ里遺跡の価値についての認識でございますが、私自身も現地を視察いたしまして、専門の皆様方からもいろいろと説明を受けたところでございます。吉野ケ里遺跡につきましては、この遺構あるいはそこから発掘されております遺物等から見まして、この遺跡が弥生時代中期、後期の国と言われる政治領域や村から国へという歴史的な発展過程を示す極めて貴重なものである、このように認識をしておりまして、文部省、文化庁といたしましてもこの保存につきまして十分留意し、積極的にこの問題については取り組んでいく考えでございます。

○石井(郁)委員 私も現地へ行きましてつぶさに調査をしてまいりました。第一級の文化的、学術的価値を持っている遺跡だと思っております。この保存について、今の大臣の御答弁のとおりでございまして異存はないわけですけれども、国指定というような方向を考えていらっしゃるのかどうか、それから、どのような保存を検討されているのか、文化庁に伺いたいと思います。

○遠山政府委員 先生御指摘の吉野ケ里遺跡に関しましては、本格的にその価値が明らかになりましたのが最近のことでございまして、佐賀県の当局におきましてはなおこれからも周辺部分を発掘したりいたしまして調査を続行されつつ国としての指定を受けるような手続等もとられるというふうに聞いております。したがいまして、佐賀県当局においての調査あるいはその全体計画との絡みにおきまして全体を勘案いたしまして、御申請があれば史跡に指定するということを考えております。
 また、どういうふうに整備するかという点につきましても、やはり地元の方のお考えを伺いながら全体として国としての史跡保存という角度から十分に検討してまいりたいと考えております。

○石井(郁)委員 県当局の意向につきまして、今の段階でどのような状況にあるか、もう一点伺えないでしょうか。

○遠山政府委員 これは、吉野ケ里遺跡につきまして先ごろの発掘調査の結果を踏まえまして、佐賀県当局としてもこれまでに保存対象区域を大幅に拡充して保存するというふうに考えておられます。そして、重要な遺構等が所在する区域につきましてほぼ全面的に保存するというお考えのようでございます。
 現段階におきまして佐賀県教育委員会から聞いているところによりましたら、保存を予定している区域以外につきましては、そこに所在する遺跡が他に類例があるようなものであることとかあるいはこの地域におきましても一部現状保存を図るというふうなことを予定しておられまして、したがいまして、かねて佐賀県当局において計画しておられます工業団地としての開発の要請等も全体を勘案いたしまして、記録保存に持っていく地域と保存地域というふうに分けながら考えていきたいというお考えのようでございます。その中身を十分伺いまして文化庁としても対応してまいりたいというふうに考えております。

○石井(郁)委員 今伺いましたように、全面保存という御答弁もありましたけれども、遺跡の一帯、部分保存なのか全面保存なのかというのは実は重要な問題でありまして、どの範囲までの保存なのかということが今大きな問題点だというふうに思うのですね。
 今日、国民は自然環境がどんどん破壊されるということで大変厳しい目を持っておりますし、またそういう世論も出てきているというふうに思います。この間、開発との調和、そういうことで貴重な遺跡が全国的に随分破壊されてまいりました。そういう点で、この埋蔵文化財というのは一たん破壊されれば復元できないわけでして、申し上げるまでもありませんけれども、今非常にその点での取り組みは重要になっているというふうに思うわけです。
 この吉野ケ里遺跡は、先ほどいろいろお話しのように、弥生時代全体もそうですけれども、縄文から弥生、そして奈良時代から平安時代までと、そういう重層的な、あるいは構造的なといいますか、複合的な遺跡群というふうに私どもは考えているわけです。そういう意味で、現地の自然を守る会の皆さん方も景観を含めた一帯の保存、だから遺構だけの全面保存ではなくてそういう景観を含めた一帯の保存という要求というか声が非常に強いと思うのです。そういう意味の全域保存ということを考えるべきだ、そういうふうに思うのですが、最後に文化庁と大臣の御答弁、決意をお伺いしたいというふうに思うのです。

○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の問題につきましては、佐賀県の県当局のお考えがあるわけでございまして、文部省、文化庁といたしましても佐賀県当局の考え方を十分尊重した上でこの問題には取り組んでまいりたい、このように考えております。

○石井(郁)委員 もう一点の問題に入りたいと思います。
 リクルート疑惑の問題であります。
 一昨日、藤波元官房長官、池田代議士、就職協定の存続問題ということで受託収賄罪で起訴されました。この内容は、もういろいろ言われておりますとおり、文部行政をめぐって、また臨教審という政府が今日進めている教育改革の根幹がリクルートに関係をし、汚染をされていたという点で非常に重大な問題だというふうに言わなければなりません。
 そこで、藤波氏に渡されたわいろが臨教審の動きと極めて密接に符合しているというふうに見なければならないと思うわけです。昭和五十九年二月一日に臨教審設置が決まると三月中旬に藤波氏に対する請託があった。臨教審が発足した五十九年八月、藤波氏に対して五百万円の小切手が渡されている。臨教審専門委員が任命された十二月二十日の前日にも藤波氏に対して五百万円の小切手が渡されている。六十年二月二十七日に江副が第二部会で協定存続を主張した直後ですね、その三月上旬に藤波氏に対して請託です。臨教審答申が出された当日には官邸で五百万円が渡されているというふうになっているわけであります。
 ですから、このように見てきますと、臨教審に就職協定存続を盛り込ませるための請託である、あるいは報酬であるというふうに浮かび上がるわけですが、起訴状を見ます限りこのような臨教審答申とのかかわりが盛り込まれていないわけであります。きょうは法務省においでをいただいているわけですけれども、なぜ書かれていないのか、お伺いしたいと思います。

○古川説明員 御質問の点につきましてお答えいたします。
 委員御指摘のとおりに、今月二十二日付の起訴状の公訴事実の中身につきましては、臨教審に触れるところはないわけでございます。そのような意味で、起訴の時点におきましてはこの臨教審の関係は公訴事実には含まれていない、こういうことになりますので、そのように御理解いただきたいと思いますが、何ゆえ含まれておらないのかというような事柄につきましては、これはまた具体的な内容にかかわることでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

○石井(郁)委員 午前中の議論にもあったわけですけれども、臨教審の「審議経過の概要(その二)」、その学歴社会についての評価といいますか規定と二カ月後の一次答申での評価ががらりと変わっているという点ですね。この経緯について、新聞等の報道によりますと、部会で就職協定について議論したことは記憶がないとか、また非常に不自然だというようなことだとか、いろいろ言われているわけであります。官邸筋からの圧力があったという声もあるわけでして、やはり藤波元官房長官の関与ということは指摘されているわけですけれども、今回起訴事実はこういう点も含んでいるんでしょうか、いないのでしょうか、どうでしょうか。

○古川説明員 繰り返しになりますけれども、いずれにいたしましても臨教審の事柄につきましては公訴事実に含まれておりませんので、そのことを直接公訴事実の内容に含ませた起訴ではないというふうに御理解いただきたいと思いますが、検察におきましては、言うまでもなく厳正公平な立場から所要の捜査、検討を加えた上でこのような結果になっておるということでございます。

○石井(郁)委員 臨教審について直接含ませていないということですが、今後――今後のことはあれですが、公判等々でそういう事実について踏み込んでいくというか、そういう点はいかがですか。

○古川説明員 公訴事実のさらに具体的な中身の話になりますと、いずれ公判段階におきまして検察当局からそれなりの具体的な主張がなされ、立証がなされていくということでございますが、これはひとえに検察当局の方の判断による事柄でございまして、いまだ公判に至っておらないわけでございますので、私どもの立場から現時点でその事柄について触れますのは差し控えさせていただきたいと思います。

○石井(郁)委員 起訴事実の中で、官邸で五百万円の小切手が渡されているという点は大変ゆゆしい問題だというふうに思うわけですが、この点でもいろいろの疑問があるわけであります。
 藤波さんは中曽根さんの高級秘書であるとか、一存で果たしてそういうことがやれたのかどうかという問題だとか、いろいろな工作をするなら当然首相サイドにも手が回っているのではないかとかいう点があるわけですが、その点で、中曽根首相の関与という問題では捜査はどのように進められたのでしょうか。

○古川説明員 東京地検におきます捜査はなお継続中でございまして、お尋ねのような具体的な事柄につきましてどのように対応しているかということになりますと、捜査の内容にかかわってまいりますので、御容赦いただきたいと思います。いずれにしましても、種々国会等で御議論がなされました事柄につきましては、検察当局におきましても十分拝聴いたした上で厳正公平に捜査を進めてまいってきておるものというふうに承知をいたしております。

○石井(郁)委員 時間がありませんので、いろいろと詳しくはできないのですけれども、先ほど来就職協定をめぐりましては、ここで第一次答申が出される直前、六十年六月五日、臨教審の岡本道雄会長、石川忠雄、中山素平会長代理等々と中曽根前首相が料亭で懇談をしているという点ですね。学歴社会の是正が極めて重要な問題だ、取り組んでいただき結構なことでしたという評価があったということが出されているわけであります。ですから、藤波元官房長官、中曽根前首相等々がこの問題にいろいろ関与があったのではないかという疑惑が出されているという点ははっきりと言わなければならないと思います。
 今日、国民の声は、巨悪に迫るべきだというのが圧倒的でありまして、捜査当局として、当然ここで終わりにするわけにはいかないという点での捜査当局の今後の姿勢を伺っておきたいと思います。

○古川説明員 これまでの状況につきましてはただいまも申し上げたとおりでございますが、委員御指摘の点は、また御指摘といたしまして検察当局におきましても拝聴させていただくことになろうかと思います。

○石井(郁)委員 法務省、どうもありがとうございました。
 文部省に伺いたいと思います。
 起訴事実に関係した点はそれとしてあるわけですけれども、臨教審答申が二十一世紀を目指す教育改革という点で進めてきたわけですけれども、この間、先ほどの就職協定問題をめぐっていろいろ疑惑が出されている点についての調査は、文部省としてどのようにされてきたのでしょうか。

○西岡国務大臣 お答えいたします。
 文部省といたしましては、これまでも文教委員会等でいろいろな御指摘がございまして、それに基づきまして私自身、当時の臨教審の審議の過程等について十分調査をいたしました。
 その調査の結果、委員先ほどから御指摘がございましたけれども、就職協定の問題について臨教審答申に官邸筋からの影響があったというふうには考えておりません。

○石井(郁)委員 文部省は、局長の処分といいますか更迭の人事がございました。その中で、齋藤諦淳生涯学習局長も辞任をされたと思いますが、この理由は何でしょうか。

○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘の点につきましては、文部省一連の昨年来の不祥事、大変国民の皆様方に御心配をおかけをし、文部省の信頼を回復する努力をしなければいけないと私ども取り組んできたところでございますが、人心一新を図って、この際新たな決意で教育行政に取り組んでまいりたいという気持ちで行ったところでございます。

○石井(郁)委員 辞任の理由を聞いているのですけれども、なぜでしょうか。
 この方は、言うまでもありませんが、臨教審の事務局の中心にかかわった方です。前臨教審の事務局次長だったと思います。ですから、リクルート社と臨教審との関係の責任という点があったのではないかというふうに自然に読み取れるわけですが、その点はいかがですか。

○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 そのような理由ではございません。

○石井(郁)委員 処分というのは重大な問題ですから、やはり理由を明らかにしていただくことが大事だと思うのですけれども、どうも午前中を見てもそれ以上おっしゃっていただけないようですから、先へ進みます。
 文部省全体がリクルート社との接触あるいは工作を受けていたのではないか、これも一連の新聞報道がございますけれども、その点で伺いたいと思います。
 一つは、五月十一日の読売新聞ですけれども、リクルート社が臨教審の就職協定問題の取り扱いに重大な関心を持っている、委員や文部省を中心とした臨教審事務局に接近をしたという報道がされているわけです。
 また、五月十五日付の朝日新聞では、リクルートが文部省幹部に接触、文部省高等教育局の当時
の幹部であった、また、臨教審が発足してから二カ月後の五十九年十一月一日、当時の位田尚隆リクルート社専務がこの幹部を訪れて就職協定問題を話し合っているということが報道されているのですが、この事実について文部省はどのようにつかまれているのでしょうか。

○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘の点は、いずれも新聞報道に基づく御質問であろうかと思いますが、昨年来一連のリクルートの問題をめぐっての文部省についてのいろいろな御批判というものを踏まえ、私自身も詳細に省内において調査を進めたところでございます。確かに一部一般常識の線を超える接触があったということがございまして、これについては厳重な処分を行ったところでございますが、委員御指摘のような、文部省が組織全体としてリクルートからの接触を受け、それに対して対応していたという事実はございません。

○石井(郁)委員 これももう取り上げている点でありますけれども、臨教審が終了した六十二年の夏、臨教審事務局メンバー二十人が盛岡へ出かけた。リクルート社のゴルフクラブのコンペ旅行でリクルート社からの便宜を得たという話ですけれども、この事実については文部省はいかがですか。

○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 委員ただいま御指摘の問題につきましても、私自身調査をいたしました。その結果、一定の対価を払ってゴルフコンペに参加をしたということは事実でございます。

○石井(郁)委員 大臣の御答弁でしたけれども、新聞報道が相当詳細に出ていますように、リクルート社と文部省との関係、疑惑、これはやはり疑惑としてあるわけでありまして、それについて、はっきりその事実を調査し、またその結果を国民に公表するということがない限り文部省の疑惑は晴れないと思います。臨教審事務局、文部省、リクルートが一体となって、この間、臨教審答申、そしてその実施が進められてきたのではないかということでありますから、文部省としてぜひとも調査し、公表すべきだということを強く訴えたい。要望したいと思います。
 リクルート問題は、戦後の最大の疑獄事件ということでその中心人物が逮捕されたわけですけれども、大学審議会の委員あるいは教育課程審議会の委員、まさに臨教審関係の要職についてきたということではないでしょうか。そういう問題がなぜ起こったのか。政府、文部省挙げて臨教審、教育改革という基本政策を進めてきた中でこれが起こってきた問題だという点についても、この疑惑はやはり晴らさなければなりません。
 そういう点で、ただ処分で済むという問題ではないというふうに思うわけです。この事実を調査し、公表するという点をぜひとも文部省に強く求めたいというふうに思います。

○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 これまでも再々お答えを申し上げてまいりましたように、先般来人心一新を図り、それぞれ問題につきまして懲戒処分、また厳重注意等を行って、この問題について文部省としてのけじめをつけた、このように私自身判断をいたしております。

○石井(郁)委員 関連質問を山原議員が行います。

○工藤委員長 山原健二郎君。

○山原委員 今度のリクルートの事件、私はこの文教委員会に二十年座らせていただいております。西岡文部大臣でちょうど二十一人の文部大臣とおつき合いをしてきたわけですけれども、これほどの事件に対する認識というものが、私は先ほどからの答弁を聞いておりまして、大臣としては薄弱ではないかと思うのですよ。
 それは、私は今度教育疑獄の戦前からの歴史を調べてみたのです。そしたら明治三十五年に一番大きなのが、教科書疑獄事件というのがございまして、このときの新聞にどう書いてあるかといいますと、「世論沸騰し、関係官吏、教育者に対する罵詈のこえ四万にきこえて教育界は実に修羅の巷と化し」という大問題になったわけです。そのときでも、しかし文部省の官吏は二人の方が処分された程度のものであったわけです。
 ところが、今度はこれはお二人の代議士、さらには文部次官が現に起訴されているわけでしょう。そして、リクルートから渡った株あるいはゴルフ、パーティー券あるいは政治献金、歓送会あるいは執筆、講演というふうな多種目にわたりまして総理大臣が関係しておりますね、しかも文部大臣が関係している、文教委員長も何名か関係している、臨教審の委員、また臨教審に総理そのものが送り込んだ暴れ馬と称する委員あるいは次官、政治家。こうなってきますと、これは史上空前の日本の教育界における大疑獄事件ということを考えますと、これに対してどう対処するかということは、私は現文部大臣として相当慎重な態度をとるべきだと思います。
 とれは新聞の記事ですけれども、「文部行政の中枢の部分が、これほどまでに汚されていたことに、あらためて衝撃を覚える。子どもたちにかかわる教育の分野への疑惑は、労働行政やNTTの疑惑とはまた違った重い意味を持つ。」こう書いてあります。この意味では、西岡さん、私は一致すると思うのです。
 それからこれは東京新聞ですが、「日本の教育は最大の危機にある。とても教育改革どころではない。必要なのは文部省自身のための「指導要領」だ。文部省は人の心に深くかかわる司である。失われた信頼は取り返しのつかないほど大きく、その傷は深い。」こう書いてあります。
 これは朝日新聞の投書、町の声で、神奈川県の高等学校の先生ですが、どういうふうに言っておるかといいますと、「学習指導要領も白紙にもどし、もっと常識のある人たちの手でつくりなおして欲しい。」こういうふうに出ているわけですね。
 この意味において、人間の育成をつかさどる文部行政として、この問題について単に労働行政とかNTTの事件とかいうものとは違った認識を文部省全体がすべきであると私は思いますが、この点についてまず最初に伺っておきたいのです。

○西岡国務大臣 お答えいたします。
 昨年来のリクルートの問題をめぐっての一連の文部省にとりましての不祥事、このことが教育の現場に与えている大きな影響ということにつきましては、文部省は深く反省をし、その信頼を回復すべく全力を挙げて今後取り組んでいかなければいけない、また、時間のかかる問題であるというふうに厳しく事態を認識いたしております。
 しかし、委員御指摘の新学習指導要領等々の問題について、リクルートの問題が関係していたので、これは撤回すべきであるというような御趣旨の御発言につきましては、同意いたしかねるところでございます。なぜならば、この問題につきましては、多くの良識のある専門家の皆様方がかかわられたことでございまして、このお一人お一人の教育課程審議会の委員の皆様方の名誉のためにも、文部大臣としてそのようなことに同意することはできないわけでございます。
 また、本年になりまして、私自身文部大臣に就任をいたしまして、新学習指導要領につきましては私の責任においてこれを決定したわけでございまして、そういう意味から委員御指摘の点については、前段について今回の事件、文部省、深く反省するということにつきましてはまさに御指摘のとおりでございますが、後段の部分については同意しかねるところでございます。

○山原委員 汚れた手で握ったものを教育の現場へおろすということ自体、私は問題だと思うので、まだ今の質問では言っておりませんけれども、臨教審にかかわるこれの具体化法案その他については一度撤回をして出直すべきだ、それぐらいの決意が私は必要だと思っているのですよ。文部省を構成する職員の皆さん、みんな真摯に文部行政に携わろうとしていることは、それは私もよく知っております。けれども、この問題に関しては許せないのですね。これが第一点。
 第二点は、今あなたがおっしゃった学習指導要領の問題ですけれども、告示をされましたね。し
かもその告示の中には、まさに高石が関係をしたもの等を含めまして、全く国民的な合意のないものがこの中に含まれていることは間違いありません。私は、その意味で西岡文部大臣に申し上げたいのですが、私が判断をして決断をして学習指導要領に対する告示を出したのだとおっしゃいますけれども、私はその姿勢に問題があると思っているのですよ。
 最近の文部省行政は権力行政です。高石君がやったことは、例えば北九州へ行き、あるいは岐阜へ行き、そしてあそこで組合対策のらっ腕を発揮した。これはどの新聞も書いております。そしてそれが報告され、その手腕が買われて、日の丸・君が代の押しつけをやってこられたわけでしょう。道徳教育をやられたわけでしょう。そういうことが今度全部学習指導要領の中に含まれているわけですね。今度の改訂の中に含まれている。そういう点では、文部省自体が長年にわたって権力行政を行ってきた。その背景にこの事件があるんだということを痛切に感じるわけです。
 そして、もう時間がありませんから申し上げますけれども、今度の日の丸・君が代の問題につきましても、これは今までは「望ましい。」でしたでしょう。今度はこれを義務づけるわけですね。そして今度は、文部大臣の御発言によると、聞かなければ処分するでしょう。私は、教育に処分なんというものはふさわしいものではないと思っているのですよ。そういうことになってくるわけでしょう。日の丸・君が代についてはいろいろの意見があることは間違いありません。それを押しつけること、これは今まで内閣法制局はどういうふうに言ってきたかというと、国歌・国旗を義務づけるためには、「法的根拠が別途必要である」、これは去年の十二月の参議院における内閣法制局長官の発言なんですよね。それを押しつける、しかも聞かなければ処分をする、これが西岡文部大臣に象徴されている権力主義です。これはここから来ていると私は思うのです。
 この数年来この委員会におりまして、ほとんどもう政策問題については強行採決でしょう。賛成する政党もあるけれども、反対する政党もあるわけですね。ほとんど強行している。そういうところに問題があるのですよ。
 ところが、文部省はかつてはそうでなかった。私は、きょう歴史を持ってきた。どれを見ましても、文部省の発言はそうじゃないのですよ。これは、あけたところどこでも今までこういうふうに書いてあるのですね。これは「上からの権威」によって思うとおりに左右されてきたところに日本の教育には問題があるのだ、これは文部省ですよ。それから木田さんはどう言っているかというと、「教師と生徒児童に何らの自主性も認められなかったところに、どうして自主的な国民が生れてくるであろうか。」というところまで戦後においては戦前の教育における反省のもとにこういう方針が出てきた。私はもう一回このことを思い起こしてみる必要があると思うのですよ。
 そうでなければ、あの高石さんに象徴されるような、権力を振りかざして、第一、帝京大学から八億円もらっているでしょう。帝京大学へは十数人の文部省の天下りが行っておるでしょう。そういうことになるのですよ。そういうことが今度のリクルート疑獄を生み出す背景になっているということを考えましたときに、私は、戦後教育の原点に文部省はもう一度立ち返ってみるべきであるということを警告として申し上げておきたいのですが、その点、あなたの見解を伺いたいのです。

○西岡国務大臣 お答えをいたします。
 委員御指摘の点につきましては、かなり粗雑な御議論もあるようでございまして、高石の問題につきましてはいろいろと問題があったことは事実でございますが、例えば今御発言ございました帝京大学から八億円もらったというようなことは、高石が八億円を取得したということではないわけでございまして、そういうような御議論をこの文教委員会の場で御質問いただきますと、文部大臣としてお答えするのが非常に難しいわけでございます。
 もう一つ問題だと思いますのは、学習指導要領の問題につきまして、汚れた手でというお話がございましたが、委員も御承知と思いますが、教育課程審議会の委員は六十四人おられるわけでございます。そこにたまたま江副氏が参加しておられたということは事実でございますが、他の六十三人の方々まで含めて汚れた手であるというがごとき御質問をいただきますと、文部大臣としてはこれは否定をせざるを得ないわけでございまして、そういう意味で、私自身責任を持って新学習指導要領を決定したと申し上げましたのは、そうした専門の委員の皆様方の積み上げた原案について私は精査をいたしまして最終的な判断を下したということでございまして、決して権力主義的な行為であるとはいささかも思っていないところでございます。

○山原委員 最後に。時間の関係で、粗雑な議論になったという指摘に対しては、必ずしも私も理路整然とやっておるわけではありません。しかし、今度の学習指導要領の中にも、うそをつかない、ごまかしをしないという高石氏の言葉もずばり入っているわけでしょう。そういう問題だけでなくて、今度のあなたがおっしゃる処分をするとかいうことで、最も権力的な立場で来ているのですよ。そういうことが本当に教育にふさわしいものであるかどうかということは、もう一度、文部省は原点に返って考えるべきであるということは申し上げておきたいと思います。
 石井さんの時間をこれ以上とることはできませんので、これで私の質問は終わります。

○石井(郁)委員 国立学校設置法の改正案の質疑に入ります。
 関連する点で、学術研究のあり方を質問したいと思っています。
 日本の学術研究は今大きな曲がり角に来ていると指摘されているわけであります。去る四月二十日に日本学術会議が勧告を出されたというふうに思います。そこに今日の問題点が集約的に出ているというふうに思うのですが、この勧告について文部省がどのように受けとめていらっしゃるか、まず伺いたいと思います。

○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、日本学術会議が勧告をされたわけでございまして、この勧告は、大学等における学術研究推進の重要性にかんがみ、特にそのために不可欠な研究施設の充実を求められたというものであると理解をいたしております。
 近年、我が国の学術研究の水準は、もちろんまだまだ努力をしなければいけないわけでございますけれども、研究者の努力とも相まって著しく向上しつつあり、国際的にも高い評価を受けている分野も少なくないわけでございまして、今後ともさらに文部省といたしましてもその振興に一層の努力を傾けてまいりたい、このように考える次第でございます。

○石井(郁)委員 勧告の中で、非常に深刻な状態ど指摘があるわけですけれども、特に研究設備の整備拡充、この点では研究費の問題、国費の負担割合を引き上げつつ基礎研究を重視してそれを推進してほしいという点で、格段の増額を図るようにという点があるわけです。それからまた、研究設備の老朽化、陳腐化という点で、研究と若手研究者の育成を非常に困難にしているという問題があるわけですが、こういう日本の研究、基礎研究の非常に困難な状態というのがどうしてこうなってきたのかという点で学術局にお答えいただきたいというふうに思います。

○川村政府委員 我が国の学術研究につきましては、先ほど大臣から御答弁があったとおりでございまして、大変困難な状況の中でも着実に進展をしておる、こういう状況のように私どもは認識しております。
 ただいま先生御指摘がございましたように、学術研究を取り巻く条件は必ずしも十分なものではございません。研究を進めるために必要なものは、これはどこの世界でもそうですけれども、やはり人が必要であり金が必要であり物が必要だ。人の面で言えば、研究を支えているのはやはり若
手の研究者でございまして、若手の研究者がその才能を自由に伸ばして独創的な研究をする。そのための工夫で言えば、最近特に若手研究者のために日本学術振興会におきます若手研究員制度というものの充実も着実に進んでおりまして、いわゆる専任体制というようなことで今進ませていただいておるわけでございます。
 また、予算の方、金の方で申し上げますれば、最近のこの厳しい情勢の中でも、おかげさまで学術関係の予算は科学技術研究費の補助金を中心に着実な増をしていただいておる。設備につきまして今先生御指摘がございました。設備というのは、事柄として基本的にはいわゆる物件費の系統のことになりまして、現在の予算のシーリングの中ではその拡充は大変困難でございますけれども、国立、公立、私立を通じてそれぞれの大学の設備費の増は若干ずつでありますが図っていただいておる、こういう状況でございます。
 今どうしてこういう厳しい状況であるかという御指摘がございました。これは、学術研究というのはやはり非常に長い歴史を必要とする。研究者の長年にわたる努力の蓄積、積み上げというものが基本でございますし、また、それを支える社会全体の体質、基盤というものがございます。やはり日本の戦後の復興の困難な歩みの中で学術研究も同様の道を歩んできたということでございます。そういう日本の全体の発展とともに学術研究も今おかげさまで発展の道をたどりつつある。しかし、なお今後とも努力をしていかなければならない、そういうふうに理解をいたしております。

○石井(郁)委員 研究費の問題で着実に前進を見ているという部分がちょっとありましたので、私は全然そうはなっていないのじゃないかというふうに思うわけですが、科学技術研究費の総額がございますね、その中で大学の研究費は一体この近年何%ぐらいの割合を占めているのか、それをお示しいただきたいと思うのです。
 研究といえばやはり大学で圧倒的に行っているわけでありますし、基礎研究は大学が中心です。そういう点でも、研究費の問題でこの十年来科学技術研究費総額のうちで大学は一体どのくらい研究費はあるのか。

○川村政府委員 科学技術関係の予算ということで、申しわけございませんがちょっと手元にこれしか資料がございません。これは科学技術庁のお調べになったものでございますけれども、国全体の科学技術関係予算が六十三年度で申しますと一兆七千億余りでございます。その中で文部省関係が八千百三十億円でございますから、全体の半分近くということでございます。これは平成元年度の現在御審議をいただいております予算案でもほぼ同様の傾向でございまして、国全体で一兆八千百四十八億の中で文部省関係が八千五百四十三億、こういう状況でございます。

○石井(郁)委員 いろいろ見ますと、国のこの研究費の支出が非常に実質下がってきているという問題があると思うのです。科学技術研究費総額のうち、約八〇%は民間です。公的支出の部分というのは二〇%でありますから、その点で非常に困難なわけであります。研究者一人当たりの研究費は、民間研究でいいますと二十年間で四六%増加しているけれども、大学では二八%も下がっている。これが日本の科学を取り巻く研究環境、これは化学の学会が調査報告として発表されている部分があります。そのほか、これは日本経済新聞がアンケートした結果ですけれども、先端技術のアンケートで、この分野のリーダーの方々ですけれども、非常に基礎的な研究が軽視されている、日本の研究、技術の開発に満足をしていないという方が圧倒的なわけですね。満足しているという方は九百人中九人という結果が先ごろ発表になっております。
 だから、大学の研究費が非常に足りない、また基礎研究が軽視されている、この問題についてもっと深刻に文部省としては目を向けなければいけないのではないかということを申し上げているわけです。その点で、端的にいかがでしょうか。

○川村政府委員 研究の中で占める基礎研究の比率というものを例えば諸外国と比べてみるということでございますけれども、確かに日本の場合は国全体の研究の中で基礎研究の占める比率が低いわけでございます。ちょっと古い数字で恐縮でございますが、一九八五年で日本は基礎研究が約一三%ぐらいでございます。同じような時点で、西ドイツでは二〇%ぐらい、あるいはフランスでも同じぐらいというようなことがございまして、やはり国全体としての基礎研究の比率を上げるということは大変重要なことでございます。
 私ども、大学における学術研究というのは、その意味ではこれがほとんどすべてと言うのも言い過ぎでございますけれども、大学における研究の過半は基礎研究ということになっておりまして、我が国の場合、それにもかかわらず基礎研究が全体として低いのは、ただいま御指摘がございましたように、我が国の場合、研究のかなり多くの部分が民間の研究活動に頼っている。民間の場合は、事柄の性格としてどうしても基礎研究よりは応用研究でございますとか開発研究の方へ重点を置きがちであるというようなことがございます。
 ただ、一言つけ加えさせていただければ、最近の状況としては、民間の企業といえども、あるいはその他の試験研究機関においても、中長期的な観点から見ると基礎的な研究をしっかりやっておかないとその開発研究もうまくいかないということ、やはりそういう意味での認識は非常に徹底してきている。先進国ではそういう観念がかなり早くからございまして、民間等でも基礎研究がかなり活発に行われているというふうなことがございます。そんなことで、やっと日本の社会もそういう意味では西欧型の形に近づきつつあるのかなと思いますけれども、ともかく現時点において基礎研究というものの占める比率が低いというのは御指摘のとおりでございます。

○石井(郁)委員 そういう点で、基礎研究を重視しなければならないという点は一点伺ったわけですけれども、その基礎研究を担う大学の積算校費ですね、それが非常に抑えられてきております。これはもう言うまでもありません、文部省がやっていることですから。連続八年間同額だという、これはもう考えられないと思うのですね。だから、本当に重視をするなら重視をするように、やはり現状を真剣に考えていただかなくてはいけないということだと思うのですね。
 先ほど御紹介しました日本化学会の調査報告でも、旧制国立大学でも純粋の研究費というのは年三十万くらいだというふうに言われています。研究費はいろいろ人件費その他、水道、光熱費等々引かれますから、そういうふうになっている。ですから、民間の研究者の額の十五分の一から四十分の一だというふうに調査結果報告が出ていますけれども、積算校費が実質上同額ということは、目減りしている、低下しているということですから、どうしてそういうことで基礎研究重視ということが言えるだろうかという点で、最後に、外国から日本は基礎研究のただ乗りだという批判がされているわけでありまして、この現状を本当にどうするつもりなのかという点で伺っておきたいと思います。

○川村政府委員 研究費のつけ方と申しましょうか、それに幾つかの方法があるわけでございます。ただいま大学における積算校費の問題をお取り上げになりましたけれども、その研究費のつけ方として、日本の場合は比較的うまくいっているというふうに評価を受けています。これはどういうことかというと、そういう大学におきます教官当たり積算校費といういわばパーヘッドでつける経費、これは非常に安定的な研究費の配分の方法でございますから、それはそれなりでいいわけですけれども、同時に、先ほど来評価という問題がございますけれども、研究業績に応じた、研究活動に応じた研究費の配分ということが一方なくちゃいけない、こういうことでございます。
 それで、アメリカあたりではそういういわゆる教官当たり積算校費に当たるようなパーヘッドの研究費というのはほとんどございませんで、とも
かく研究者が自分で稼いでくるということで、稼ぐとなると非常に見ばえのいい研究ということが表に出がちであるというような弊害も一方指摘されております。我が国の場合は、国立大学等で教官当たり積算校費という形で予算を措置する一方で、すぐれた研究に対してこれを格段に進展させる経費ということで科学研究費の補助金という制度がございます。この科学研究費の補助金につきましてはおかげさまで年々増額をいただいております。今度の平成元年度予算案で申し上げれば五百二十六億円ということで、対前年度七・六%の増というふうな格段の御配慮をいただいているというようなこともございます。
 でございますので、その積算校費だけの一面で物を見るということよりも、やはり研究費全体のつけ方、計上の仕方、それの活用の仕方ということを総合的に勘案をしながら全体としての基礎研究の充実方策を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

○石井(郁)委員 随分長々と御答弁いただいたのですが、時間がありませんから一言でよかったのですけれども、重要な問題が残っておるのです。共同利用機関の問題で組織運営規則についてですけれども、これは省令で改正されるわけですが、その中身はどのようになっておりますでしょうか。

○川村政府委員 このたび共同利用機関の法律改正をお願いしておりますことに関連をいたしまして、その管理運営の仕掛けをどうするかという御指摘かと思いますけれども、御案内のとおりに、この共同利用機関の管理運営の仕掛けといたしましては、従前から所長等のそこの職員のほかに研究者の意向を反映する組織として評議員でございますとか、これはすべて所外の方でございます。そのほかにまた運営協議員という仕掛けがございます。これは約半数が所内の方、あとは所外の方というようなことになっておるわけでございます。
 このたびこういう国公私立の大学に広く開かれた機関ということに法律改正をお願いいたしておりますので、その関連で申し上げますと、今申し上げました評議員とか運営協議員というもの、現在はこれは独任制の機関でございます。一人一人が独立をした職ということでございますけれども、これを合議体、運営評議員会でございますとか運営協議員会でございますとか、合議体の組織に改めまして、それでその構成員として必ず公私立の大学の方も入るようにするというようなことを、これは省令事項でございますけれども、この法律の改正をお認めいただきますればそういうふうな措置を講じたいというふうに思っております。

○石井(郁)委員 時間が参りましたが、従来のあり方と変わるのかどうかという点では、最後にいかがでしょうか。そういう問題は出てくるのでしょうか。それとも従来を踏襲するというふうに確認してよろしいでしょうか。

○川村政府委員 今回の法律改正は共同利用機関の法的な位置づけの問題でお願いをしているわけでございまして、管理運営の仕組み自体は基本的に変わらないというふうに御理解いただきたいと思います。

○石井(郁)委員 終わります。

○工藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――

○工藤委員長 この際、本案に対し、町村信孝君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。町村信孝君。    
    ―――――――――――――
 国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

○町村委員 ただいま議題となっております国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する修正案についてご説明申し上げます。
 案文は、既にお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。
 修正案の趣旨は、本法律案の施行期日、「平成元年四月一日」は既に経過しておりますので、これを「公布の日」から施行することとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。

○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

○工藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに国立学校設置法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決に入ります。
 まず、町村信孝君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○工藤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○工藤委員長 起立総員。よって、本法律案は修正議決すべきものと決しました。
        ―――――――――――――

○工藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、町村信孝君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。

○佐藤(徳)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、次の事項について特段に配慮すべきである。
 一 高等教育に対する新たな時代の要請に基づき、学術の振興、教育・研究体制のより一層の充実を図るため、大学の意向や社会の要請を考慮しつつ、必要な諸条件の整備に努めること。
 二 大学共同利用機関については、国公私立大学の共同利用の機関として実効があがるよう、教官、技術職員等の充実及び研究経費の確保に努めること。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○工藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。西岡文部大臣。

○西岡国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。


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