平成元年三月二十四日(金曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 工藤 巌君
理事 臼井日出男君 理事 鳩山 邦夫君
理事 船田 元君 理事 町村 信孝君
理事 佐藤 徳雄君 理事 鍛治 清君
理事 中野 寛成君
愛知 和男君 井出 正一君
小澤 潔君 岸田 文武君
鴻池 祥肇君 佐藤 敬夫君
斉藤斗志二君 杉浦 正健君
渡海紀三朗君 中村 靖君
平泉 渉君 松田 岩夫君
渡辺 栄一君 江田 五月君
小林 恒人君 中西 績介君
馬場 昇君 有島 重武君
石井 郁子君 山原健二郎君
出席国務大臣
文 部 大 臣 西岡 武夫君
出席政府委員
文部大臣官房長 加戸 守行君
文部省生涯学習局長 齋藤 諦淳君
文部省初等中等教育長局長 古村 澄一君
文部省高等教育局長 國分 正明君
文化庁次長 横瀬 庄次君
委員外の出席者
大蔵省主計局主計官 福田 誠君
大蔵省主税局税制第一課長 長野 厖士君
参 考 人(第二国立劇場設立準備協議会会長)(新劇団協議会会長) 千田 是也君
文教委員会調査室長 松原 荘穎君
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
国立劇場法の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、国立劇場法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
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○西岡国務大臣 このたび、政府から提出いたしました国立劇場法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
昭和四十一年に国立劇場法が制定されて以来、特殊法人国立劇場は、主として我が国古来の伝統的な芸能の公開、伝承者の養成、調査研究等を行い、その保存及び振興を図ることにより、我が国の文化の向上に寄与してまいりました。
一方、オペラ、バレエ、ミュージカル、現代舞踊、現代演劇等現代舞台芸術のための国立の劇場については、その設置について関係者の長年にわたる強い要請を受けて、鋭意調査検討を重ねてきたところでありますが、平成元年度には、この劇場について実施設計を完了するとともに、敷地整備工事を実施する予定であります。
現代舞台芸術のための国立の劇場は、我が国現代舞台芸術の振興、普及の中核となる公共の施設であり、また、多様な現代舞台芸術の創造活動を推進する劇場に適した弾力的な運営を行うことが必要であります。この観点から、その設置、運営は、特殊法人国立劇場が行うものとし、これに必要な国立劇場法の改正を行い、開場に向けて諸準備を推進しようとするものであります。
次に、本法律案の内容について御説明申し上げます。
まず第一に、国立劇場の目的に現代舞台芸術の公演、実演家等の研修、調査研究等を行い、その普及及び振興を図ることを追加することといたしております。
第二に、役員の任命に関しては、行政改革の趣旨に沿って、理事は、会長が文部大臣の認可を受けて任命することといたしております。
第三に、国立劇場の業務に、(一)劇場施設を設置し、現代舞台芸術の公演を行うこと、(二)現代舞台芸術の実演家等の研修を行うこと、(三)現代舞台芸術に関して調査研究等を行うこと、(四)劇場施設を現代舞台芸術の振興または普及を目的とする事業の利用に供すること等の業務を追加することといたしております。
第四に、罰則等に関して、所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要でございます。
何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○工藤委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
○工藤委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 第二国立劇場につきましては、いよいよ予算、建物も本格化いたしまして、真に現代舞台芸術の殿堂として大変期待されているわけでございます。芸術関係者や団体からもいろいろな要望、御意見がこの間出されてきたと思いますけれども、まずそういう事柄につきまして、文化庁としてどのようにお聞きをし対応されてこられましたでしょうか、その点をお伺いしたいと思います。
○横瀬政府委員 第二国立劇場につきまして、その設立に当たりましては、現代舞台芸術を支えている民間の芸術家あるいは芸術団体の意向を十分聞いて、可能な限りそれを取り入れるということは大変大事だというふうに考えております。したがいまして、まず舞台芸術家の関係者を、第二国立劇場を検討する会議として文化庁で昭和四十七年度からその設立に向けて準備をしてまいりました設立準備協議会というのがあるわけでございますが、その委員に各方面の舞台芸術家等の関係者を委嘱をする、そういうことで第二国立劇場の基本的な性格でありますとか施設あるいは事業、管理運営といったような重要事項について検討をし、その成案を次第に固めつつある、そういうことで芸術家の御意見をお聞きしているわけでございます。
それからさらに、この設立準備協議会がつくり上げてまいりました構想につきまして、特に設計競技の段階に入りました昭和六十年度にオペラとかバレエ、現代舞踊、現代演劇といったような舞台芸術関係者の意見を聴取する、そしてその後の検討にそれを反映させるというための意見を聞く会を催しまして、ここでいろいろな意見を出していただきました。その後、昭和六十一年度以降毎年度、設立準備協議会等で一応固めました案につきまして各芸術家団体にそれを説明いたしまして、そしてまた意見をいただく、そういうことを各年度ごとにやってきておりまして、今後ともぜひこういったことは、さらに各設立準備の段階がございますので、そういった機会に芸術関係団体の意見を十分聞きながら進めていきたい、そういうふうに考えております。
○石井(郁)委員 現代舞台芸術の関係で言いますと、オーケストラ、オペラ、バレエ、演劇、いろいろなジャンルが含まれているわけですけれども、こういうすべてにかかわる芸術団体で構成されている第二国立劇場推進連絡会議がございますけれども、今そのお話がなかったのですが、特にここからは強い要望が出されていると思いますが、この団体からの意見について真剣に検討すべきだと思うのですが、その点をはっきりさせていただきたいと思います。
○横瀬政府委員 先ほど芸術関係団体と申し上げました中には、今お話しの第二国立劇場推進連絡会議という団体も当然含まれているわけでございます。そして、先ほどその会長であられる千田先生が参考人として御答弁されましたけれども、その要望につきましても、ハード面、ソフト面、いろいろといただいておりまして、そして現在それの実施設計というものがハード面では進められているわけでもございますし、それからソフト面では、いよいよその実施設計の段階に入りまして並行して管理運営についての具体案を相当固めていかなければならない時期ということもございまして、管理運営検討会議というようなものも、これは芸術家の方々をできるだけ入れた会議でございますが、そこで管理運営の検討も始めているわけでございますが、そういった中に推進会議の御意見も反映できるように十分考えているところでございます。
○石井(郁)委員 今、管理運営検討会議作業部会の話がございましたけれども、これからこの管理運営がいろいろ詰めていかれるということで非常に大事だと思うのですけれども、芸術家関係者の間にはこの部会などの検討の内容が届いていないというか、伝えられていないということが不満として非常に聞くわけでございます。その点で、非常に不安が強く抱かれております。
この芸術関係というのは、非常に国民にオープンに論議を進めていかなければならないというものだと思うのですけれども、なぜこの検討会議作業部会の内容が知らされてないのか、その点はいかがですか。
○横瀬政府委員 ただいま御指摘の第二国立劇場管理運営検討会議というものは、文化庁の第二国
立劇場の設立準備を進めるための劇場の管理及び運営について広く各界の御意見を伺うということを目的といたしまして昭和六十二年につくられたものでございまして、先ほどちょっと申し上げましたが、その構成も半数以上が芸術家あるいは芸術関係者、芸術関係団体の代表者というような形で各ジャンルの御意見が入るようにという配慮をしてきたところでございます。
それで、この検討会議につきましては、これまで六回の会合を重ねまして、まず第二国立劇場の設置主体と、それから事業内容について検討いたしました。それである程度の案が固まったところでございますけれども、これらの結果につきましては、先ほども申し上げましたけれども、芸術家会議あるいは第二国立劇場推進連絡会議というような芸術団体に文化庁として御説明を行っているところでございます。それで、これは行ってきているつもりでございますけれども、各芸術団体にそういうような、先生が今御指摘のようなことがあるとすれば、これはやはりもう少しその回数をふやすとか、あるいはもっと内容について詳しく説明するとか、そういうような努力が必要であろうと思いますので、ぜひとも今後は芸術関係者のそういった各界の意見を集約するためにも、そういった説明の機会というものを増加、充実させていきたいというふうに考えております。
○石井(郁)委員 意見を聴取するというだけではなくて、検討された内容もまた返していくというフィードバックですね。その両面で今御答弁の趣旨のとおり、ぜひ今後とも強化をしていただきたいというふうに思います。
大臣にお伺いしたいと思いますが、第二国立劇場は、国際的にも一級の建物設計で建設されるということでございますね。当初はオペラハウスとして非常に強い要望が出されてこういう企画になったというふうに聞いているのですけれども、オペラ劇場といえば、ヨーロッパを持ち出すまでもなく専属のオーケストラ、合唱団等々がございますね。そういう点で、先ほど来ソフトの面ということでいろいろ御意見がありますけれども、そういう点で国際的な国立劇場、オペラ劇場を目指すという点では、専属のスタッフを抱えるという点でのお考えはいかがでございましょうか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
現在の時点で第二国立劇場におきましての計画として専属のオーケストラ等を置くという計画はございません。と申しますのは、これは、現時点における我が国のそれぞれの芸術団体の皆様方の活躍の場としてこれを御利用いただくということに主眼を置いているわけでございまして、専属のオーケストラを持つというような考え方、一つの考え方として存在するということは十分わかりますし、またその意義もあろうかと思いますが、今回の計画におきましてはそこのところは入っていないのが現実でございます。
○石井(郁)委員 建物は国際的に立派だということだけでは、これは竹下総理も文化交流を据えていろいろ国際的な問題を強調しているところですけれども、やはり中身がないというのではいかにも片手落ちだと思うのですね。普通、劇場というのは、もう今日ではやはり中身を持たない劇場は劇場と言えないということが言われているわけですし、この設立の構想ができましてからもう二十年、これから先五年後ということになりますと二十五年、それだけの間にはもういろんな劇場もできているわけですから、やはり本当に国立劇場としての中身を整えるということはもっと前向きに考えていいのではないかと思うのですね。
その点では、しかし今の時点で持たないということですけれども、どうなんでしょうか。調査室の資料によりますと、設立準備協議会専門委員会が昭和五十六年にその点での検討がされておりまして、発足ではそうではないけれども考えてもいいというようなことが述べられております。「状況等を勘案して検討する。」ということを述べられているんですが、その辺は変更なしというふうに考えていいんでしょうか。
○横瀬政府委員 第二国立劇場の公演組織につきましては、ただいま御指摘のございましたとおり、昭和五十六年の設立準備協議会の報告で「専属のオーケストラ、歌手、合唱団、舞踊団、劇団等は、発足当初は置かないこととし、その整備については発足後の状況等を勘案して検討する。」というふうにされているところでございます。
これは、その協議会の中で専属の問題については随分いろいろな議論がございまして、一方では、安定した芸術創造が行えるとかあるいは長期的に見てアンサンブルが育ちやすいというような意見もございましたけれども、他方では、既存劇団等との調整が難しい、あるいは芸術家の新陳代謝が行われにくくなづて硬直した組織になりやすいのではないかというような御意見がございまして、結果として、我が国のこれまでの舞台芸術活動が民間の芸術団体の力によって支えられてきたという状況も勘案いたしまして、この劇場に専属の公演組織を置くことはこれらを必要以上に混乱させることになるという意見が大勢を占めましてこういった結論になったわけでございます。
これは、例えばオーケストラについて言いますと東京都内にプロのオーケストラが九つある、あるいはバレエ団あるいは現代舞踊というようなオペラに使われるようなそういう組織につきましても非常にそれ以上に多い、あるいは合唱団につきましても二期会とかあるいは藤原歌劇団といったようなオペラ団体に専属の組織がある、こういうような現状の上でこの第二国立劇場が専属の組織を持ちますと、こういった民間団体に非常に大きな圧迫になるというような懸念がございますし、そういうことが非常に一つの有識者間の合意になってこういう結論になったということでございます。
したがいまして、この専属問題につきましてはそういった状況が現在はあるわけでございまして、それらの状況についての変化とかあるいはその専門家においてぜひそういう方向が望ましいというような意向がまとまってきたような段階において今後検討するということでございます。この「発足後の状況等を勘案して検討する。」という、そういう姿勢は捨てているわけでは決してございません。
○石井(郁)委員 先ほど申し上げました第二国立劇場推進連絡会議、これは芸術関係者のすべての団体を網羅している中心的な代表的な団体でございますけれども、そこでは一貫して専属のスタッフ、オーケストラ、合唱団を持つべきだということで御意見、御要望が出ていると思うのです。ぜひとも、芸術活動は創造、発展、普及ということで国立劇場を本拠地として活躍をしていくということが非常に大事だと思うのです。そういう点で、もっと積極的に今後も検討していただきたいということを強く申し上げておきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
先ほど文化庁次長からお答えを申し上げましたような事情、経緯もございますので、それぞれの分野の皆様方とこれからも建設過程を通じまして文部省、文化庁といたしましては十分その御意見を承りながら、また先ほど来各党委員の皆様方から御質問をいただきました中でお答えを申し上げましたように、この委員会におきましてもその経緯を適宜適切な時期に十分御報告申し上げながら、お力をいただきながらこれを進めていくということを御答弁申し上げましたわけでございまして、そうした過程を通じてただいまの御質問の趣旨がどういう形で生かされるかということで取り組んでまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 次に、役員の任命の問題について質問したいと思います。
今回の条文改正の中にそれが一つあるわけですが、現在の国立劇場理事長、会長、理事が文部大臣の任命になってございますね。任命に至る手続、あるいはどういう人を選ぶという内規などはあるのでしょうか。
○横瀬政府委員 今回のお願いしております国立劇場法の改正の内容が成立いたしますと、役員の任命方法が変わるわけでございます。それで、こ
の役員についての考え方でございますが、例えば現在の国立劇場について言いますと伝統芸能の保存、振興ということ、それから第二国立劇場にお願いしておりますサイドは現代舞台芸術の振興、普及ということでございますが、そういった法人の設立趣旨にかんがみまして、高い識見を有するということ、それから国立劇場の管理運営について十分その力量、手腕を備えた人物というようなことがその選任の際の基準になろうかと思いますが、こういった決まった内容、そういった選考基準についての決まった内規というのは、今回の役員の任命方法の変更ということもございまして、特にそういうものが存在しているわけではございません。
○石井(郁)委員 その際、芸術関係団体から意見を聞いたりする、あるいは推薦を受ける、そういう手続は特にありますか。
○横瀬政府委員 現在の特殊法人国立劇場の役員といたしまして会長一人、理事長一人、理事五人、監事二人、これは以内ございますが、という規定がございまして、これについての変更はお願いをしておりませんので、現行の例えば理事五人というような範囲内で、第二国立劇場が設置された場合でも現行の枠内で対応していきたいというように考えているわけでございます。
それで、その選任に当たりましては、先ほど申しましたようにこの役員の中の業務分担がいろいろでございますので、それは具体的にその時点で現存する役員の分担というものを決めていかなければいけないわけでございますが、そういった状況によるわけでございますけれども、第二国立劇場担当の役員というものを選ぶ際には、現代舞台芸術の振興、普及ということに関しての高い識見と管理運営能力というような点を国立劇場がまず判断をして、そしてそれを文部大臣の認可を得て任命する、そういう形になっていくわけでございまして、この辺はこれからの国立劇場の実際の手続によるわけでございます。そういった人物といいますか識見及び力量を備えた人物の選考ということが具体的に国立劇場の中で行われるということでございます。
○石井(郁)委員 国立劇場というか古典芸能、現代舞台芸術、今度は両方備えるわけですから、芸術関係者からの推薦というのは非常に大事だというふうに思うのです。そういう意見も大変強いわけであります。
そこで伺いますが、国立劇場では昭和四十一年に創設されて以来理事長にどういう人を人選されてきたのでしょうか。
○横瀬政府委員 昭和四十一年七月に設置されたわけでございますが、それ以来寺中作雄さん、齋藤正さん、福原匡彦さん、犬丸直さん、それから佐野文一郎さん、この五人の方がなられておられます。
○石井(郁)委員 この方々は文部省のいわば天下りではありませんか。学術視学官、事務次官、局長、長官等々をされた方でありまして、私は、国立劇場、文化芸術活動が政府の監督を受けながらも強い統制を排除するという点で大幅な自主性の尊重が非常に大事だと思うのですけれども、そういう点からすると、これは非常に問題だというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○横瀬政府委員 ただいま申し上げました理事長経験者五人の方々はたまたま文部省におられた方々ではございますけれども、ただ、いずれの方々も文化行政といいますか文化芸術行政に大変造詣のある方々でございまして、特に犬丸、佐野という最近のお二人の理事長はいずれも文化庁長官を歴任された方でございまして、そういった意味で伝統芸能の振興、保存ということに関しての高い識見という点ではどなたにも劣らない方々であったというふうには思っております。
○石井(郁)委員 しかし、歴代の理事長五人がすべて文部省のいわば天下り人事だということはどうなんでしょうか。これは非常に問題ですね。国立劇場へのいわば天下り人事をしているというふうに見られるわけでありますから、この点では、この際、そういうことはやめるということではっきりさせてはいかがですか。これは大臣にお伺いしたいと思います。
○西岡国務大臣 お答えを申し上げます。
ただいま文化庁の次長からお答えを申し上げましたように、これまでもそうでございましたが、歴代の理事長、我が国の文化行政を進めていく上でも大変な高い見識を持った方々ばかりでございまして、これを単なる天下りというふうにおとりいただきますのはいかがなものであろうか。今後、もちろん民間の芸術家の中から適当な方がおられればその方々も侯補の一人となりえましょうし、また文部省、文化庁の中に適切な人材があればこれを起用するということはいささかもおかしなことではない、このように考えております。
○石井(郁)委員 時間がありませんので次の問題を伺いたいわけですが、先ほど設立準備協議会に江副氏が任命されていたという問題がありましたけれども、確認を含めてお伺いしますけれども、先ほどオペラ団体の代表の理事長の交代によってというふうに御説明ありましたけれども、ちょっと正確な名称を伺いたいと思います。そのオペラ団体、何という団体ですか。
○横瀬政府委員 江副さんが理事長をしていたというオペラ団体は、財団法人日本オペラ振興会でございます。
○石井(郁)委員 それでは、そこからは今日は設立準備協議会の委員は選出されていないわけですか。推薦されていないのでしょうか。
○横瀬政府委員 この辺の少し詳しい経過を申し上げますけれども、オペラ団体の代表としてこの協議会に財団法人日本オペラ振興会の理事長が入ったというのは昭和五十九年からでございまして、これは在京のオペラ団体の代表をぜひ入れてほしいという芸術関係者からの要望があり、そうした意味で入っていただいたわけでございます。当初は、その理事長でありました西直彦氏が委員になったわけでございますが、六十二年の二月に亡くなられました。その後任として、財団法人オペラ振興会理事長の後任が江副さんになったといういきさつがございまして、そして六十二年度になって、財団法人オペラ振興会をオペラ団体の代表として考えていたために、ほぼ自動的に江副さんが協議会の委員になった、こういうことでございます。
ところが、昭和六十二年度中の会合につきましては江副さんは御出席になられなかったということで、本務非常に多忙で出席の見込みがないというような状況もございまして、六十三年度の委嘱のときにはお願いをしなかった、こういう経過でございます。
○石井(郁)委員 おかしいのですよね。オペラ関係の代表的な団体ということで委嘱されているということでありましたら、それでは人が変わって、その団体から次の方が出てこられないのかということがありますね。今日では、オペラ団体協議会の会長の朝比奈隆さんが協議会の委員に入っていらっしゃいます。だから、そのときそのときで団体がかわるのだろうかという問題がありますが、それはちょっとおきまして、江副さんはいつからいつまでこの委員になっていられたのでしょうか。
○横瀬政府委員 江副さんの委員としての委嘱期間は昭和六十二年度でございますが、具体的には昭和六十二年の九月一日から六十三年の三月三十一日まででございます。
それから、先ほどの御疑問でございますけれども、オペラ団体の代表者としては、これはお話しの朝比奈隆さんが以前から入っておられました。しかし、これは大阪の方の団体でございますので、先ほども申しましたように、芸術関係者からは在京のオペラ団体の代表者を入れてほしいということで、江副さんといいますか、日本オペラ振興会の理事長を充てたわけでございます。六十三年に江副さんにお願いしなかったその時点では、オペラ団体でございますけれども、日本のオペラを含めて音楽界の全部に通暁しておられました芥川也寸志さんをかわりにお願いをしたというようないきさつでございます。
○石井(郁)委員 ちょうどこの在任期間はまさに高石前文部事務次官の時期にあたるわけでありまして、リクルート疑惑は今非常に重大な問題になっているわけです。先ほど担当課の推薦で上がったという話もありましたけれども、高石氏の関与の問題は文部省としてもまた文化庁としてもはっきりさせていただかなければいけないということでありますので、一つはこの問題について再度調査、報告をして、高石氏との関連についてはっきりさせていただきたいということが一点です。
それから、この役員の任命、これは委嘱を含めて、この間文部省も大変問題になったわけでありまして、任命の制度、そのシステムはもっとわかりやすいものにといいますか、はっきりしたものにしていくことが非常に大事になっていると思うのです。そういう点で、この国立劇場につきましても役員の任命についてももっと芸術家の推薦や意向がはっきり入るようなシステムを保証するという点で御検討をしていただきたいと思います。その点では、最後になりますけれども、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
江副氏の問題につきましては、少なくともこの問題に関する限りは先ほどからるる御答弁申し上げておりますように、財団法人日本オペラ振興会の理事長の西直彦氏が逝去されたことによって、そこに江副氏が就任をされたということによって自動的に第二国立劇場の設立準備協議会のメンバーになったということでございまして、御指摘の点につきましては、第二国立劇場の設立準備協議会のメンバーに江副さんがなられたということの経緯はいささか御質問の趣旨とは違うのではないだろうか、このように考えております。
それから、今後第二国立劇場を本当に国民の皆様方に十分御理解をいただき育てていただくためには、各方面の御意見を十分承っていかなければいけない、この姿勢で、文部省、文化庁取り組んでいかなければいけないということは十分心して臨んでまいる考えでございます。
○石井(郁)委員 質問を終わります。
○工藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
―――――――――――――
○工藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、国立劇場法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○工藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○工藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、町村信孝君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提案されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。
まず、案文の朗読をいたします。
国立劇場法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、芸術・文化振興の重要性にかんがみ、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
一 第二国立劇場(仮称)が現代舞台芸術の振興及び普及のための中核的施設として機能するために、国による適切な措置を講ずること。
また、劇場の貸与に当たっては、その目的が十分達成されるよう配慮すること。
二 第二国立劇場(仮称)が現代舞台芸術の情報センターとしての役割を果たせるよう、その機能、設備等の充実に努めること。
三 国立劇場の管理・運営等の在り方について、芸術家及び芸術団体など関係者の意見を
十分に尊重すること。
四 第二国立劇場(仮称)の竣工・開場まで、その準備・進捗状況を適宜当委員会に報告すること。
五 我が国の経済力と文化予算との現状にかんがみ、長期的・総合的観点に基づいて、文化予算の大幅拡充に努めること。以上でございます。
その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
何とぞ御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○工藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。西岡文部大臣。
○西岡国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。



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