昭和六十三年四月十五日(金曜日)
午前十時一分開議
出席委員
委員長 中村 靖君
理事 愛知 和男君 理事 岸田 文武君
理事 北川 正恭君 理事 鳩山 邦夫君
理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
理事 鍛治 清君 理事 林 保夫君
逢沢 一郎君 青木 正久君
井出 正一君 遠藤 武彦君
工藤 巌君 古賀 正浩君
佐藤 敬夫君 斉藤斗志二君
杉浦 正健君 谷川 和穗君
渡海紀三朗君 松田 岩夫君
綿貫 民輔君 江田 五月君
嶋崎 譲君 中西 績介君
馬場 昇君 有島 重武君
石井 郁子君 山原健二郎君
田川 誠一君
出席国務大臣
文 部 大 臣 中島源太郎君
出席政府委員
文部政務次官 船田 元君
文部大臣官房長 古村 澄一君
文部大臣官房総務審議官 川村 恒明君
文部大臣官房会計課長 野崎 弘君
文部省初等中等教育局長 西崎 清久君
文部省教育助成局長 加戸 守行君
文部省高等教育局長 阿部 充夫君
文部省高等教育局私学部長 坂元 弘直君
文部省学術国際局長 植木 浩君
委員外の出席者
防衛施設庁施設部施設対策第二課長 柴田 桂治君
沖縄開発庁振興局振興第四課長 池田 登君
文教委員会調査室長 高木 高明君
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本日の会議に付した案件
義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
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○中村委員長 内閣提出、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
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○北川(正)委員長 代理 石井郁子君。
○石井(郁)委員 私学共済法改正案の審議に当たりまして、二、三の問題点に絞って質問をいたします。
まず、私学共済の運営姿勢についてお伺いしたいと思います。およそ教育の場には民主主義は貫かなければならないというふうに私は思いますし、憲法と教育基本法の精神に立って教育を進めるというのはそういうことであるというふうに理解するわけですが、まず初めに大臣にこの点での御確認をいただけるでしょうか。
○中島国務大臣 冒頭の御質問でございまして聞き落としたら失礼でございますが、教育そのもの、これはまさに、どの方向でどのような精神で行うかということについては、教育基本法がございます。教育基本法は、先生おっしゃいますように日本国憲法をもとにいたしまして、日本国憲法で言っておる民主的な国家をつくるその根本は教育であるというふうに教育を位置づけておる基本法でございますので、それにのっとりまして教育はあるべきこと、これはまた国公立、私学押しなべてその方向であろうと思います。
○石井(郁)委員 私の質問の趣旨は、憲法や教育基本法を貫く精神というのは、教育の場に民主主義が徹底されるということではないかという中身で御質問したのですけれども、そういうふうに大臣の御答弁を受け取りまして、そういう点で考えますと、私学の経営姿勢を見ますと、必ずしもそういうふうになっていないというか、民主主義に反するような事柄がいろいろ行われている、そういうことがあるわけですね。
先日、私も、この委員会でも四天王寺国際仏教大学の事例を取り上げざるを得ませんでした。余りにも前近代的で非民主主義的な運営というのがあちこちで見られるのではないかという点で、その結果が教職員の不当な解雇ということになってあらわれているわけですね。この事例は全国に及んでおりまして、中高関係で見ましても各県にまたがっております。
時間がありませんので全部申し上げませんけれども、三十名近くの不当解雇事件という形で行われているわけです。先日、新聞でも、福井工大では勝訴ということが報道されておりました。ですから、多くの事件では、地裁、地労委などでは経営者側がほとんど負けているということになっているわけですけれども、まず、文部省はこういう教職員の不当な解雇という事件についてどのように把握されていますか。
○坂元政府委員 私ども、全国でどの程度の先生がおっしゃるような意味での不当解雇があるかないかということについては把握いたしておりません。基本的に、文部省の私学行政の立場といたしましては、人事に関することというのはそれぞれの私学が自主的に適正に行うべきものであるというふうに理解いたしておりまして、その人事にかかわる問題が不当であるあるいは不当でないというような評価は私どもが軽々にするのではなくて、仮にそれが労働事件にかかわるものでありましたならば、地方の労働委員会あるいは裁判所というところで判断すべき事柄である。文部省としては、あくまでそこには一定の線を引いてその種の問題には対応すべきだというふうに考えております。
○石井(郁)委員 しかし、現実に社会的な問題となっているわけで、知らないでは済まされないし、また、人事問題だということでタッチができないということではないわけですね。というのは、私学の教職員に対する扱い万、待遇の問題として起こってきているわけでありますし、それは
言うまでもなく、私学の教育条件にはぬ返る問題であります。この私学の教員の地位という問題、一方的解雇というような事態で大変不安な状態に置かれている問題があるわけですけれども、そういう点で改善するおつもりがあるのかないのかということをお尋ねしたいと思います。
○坂元政府委員 私学の教員が一方的に解雇された場合に、それぞれ解雇した方については、先生の立場から見て不当であるかどうかというような評価は別といたしまして、理事者側にはそれなりの理由があるわけでございましょうし、それから、今度解雇された方の立場から見れば、あくまでそれは不当であるというような意見をお持ちの場合も多いと思います。そういう個々の事例については個々具体的な判断をしなければ、一概にこれが不当であるあるいは不当でないというふうに言い切れないのではないか。特に、その種の問題が労働問題、労使問題にかかわって事件が発生してまいりますと、それは文部省で判断するのではなくて、先ほど申し上げましたようなしかるべき機関で判断をすべき事柄ではないかというふうに考えているところでございます。
ただ、一般的に教職員の身分取り扱いを行う場合には、法令に違反しない、あるいは学内諸手続に違反しないように適正に行うようにという一般的な指導は私どもも従来からいたしているところでございます。
○石井(郁)委員 実は、この私学経営の問題、また私学の教員の不安定な立場というか身分の問題は、私学共済の運営に反映していると考えなければならないと思うわけです。現行法では、組合員の資格取得あるいは資格喪失などの権限は一切学校法人に任されております。これは極めて重大な問題だと思うわけです。私学共済の掛金拠出をしているのは経営者だけではなくて、一般の教職員も折半主義による責任額を負担しているわけです。今申し上げた事柄は、個々の裁判の事例でいろいろありますけれども、現実には多くが一方的解雇であります。そうなりますと、経営者の全く一方的な届け出によって資格が剥奪されております。
ですから、一つは、教職員が異議を申し立てるような不当労働行為が歴然とした問題については、少なくとも資格剥奪を保留するということは、この私学共済の財政負担の建前からいっても、また趣旨からいっても当然ではないかと思います。
また二つ目には、先ほどの事例で申し上げましたように、このほとんどが経営者側が敗訴して終わっているように、明らかに不当労働行為なわけであります。また解雇権の乱用ということが行われているわけでありますけれども、教職員が勝訴したとき直ちに資格喪失の取り消しの措置がとられなければならないということは当然ではないかと思うわけです。しかし経営者の方はそれを行っておりません。また、私学共済組合もそういう指導を積極的にしていない。勝訴しても共済組合員としての復活手続を拒否したために、そのこと自身が裁判となった、こういう例もありまして、これは本委員会でも過去に取り上げられてきております。長崎の玉木学園ですね。そういう点での厚生省の行政指導もありますし、また国会で問題になってきたという点も考えまして、こういうことが今なお残っている、あるいは継続されるというようなことではなくて、やはり文部省としてこういう問題について何らかの対処をはっきりとすべきではないかと考えるわけですけれども、いかがですか。
〔北川(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○川村政府委員 私学共済組合の組合員資格の件でございますけれども、ただいま御指摘のような解雇という事態が生じたときに、これは一般の雇用関係、先ほど御答弁がありましたのと全く同じでございますけれども、その個々の解雇の事由の是非について私学共済組合が個々に個別に判断をするということは、実際問題としては非常に困難なことでございます。でございますから、私学共済組合としては、その学校法人から資格喪失の報告書の提出があればそれで一応組合員資格が喪失をする、事務処理の体制としてはそれしか方法がないのではないかと思っております。
ただ、今御指摘のように解雇の効力について、それが争われた、その結果判決が出た、それが労働委員会でございますとか裁判所で解雇無効の決定とか判定が出れば、それは当然組合員資格喪失ということを取り消して組合員の資格を確認することになるわけでございます。この場合に、私学共済組合の取り扱いといたしましては、これは国民年金とか健康保険なんかも同様でございますけれども、一応そういう判決が出た時点で、正確に言えばこれは本来確定判決まで待つべきところかと思いますが、組合員の利益ということもあり、確定判決以前であっても、その組合員資格喪失の決定を取り消すということをしているわけでございます。
それから、そういう建前になっておっても、実際にやっていないではないかという御指摘がございました。これは個々の事例の問題でございまして、私どもが直接一つ一つの事情について申し上げるわけにいきませんけれども、私どもとしてはそういうふうな、確定しなくても判決が出た場合にはきちんとした取り扱いをするようにということを、私学共済組合から各学校法人等に対して指導をしてもらっているという状況でございます。
○石井(郁)委員 やはり、共済組合員の資格取得、また剥奪という最も重要な問題について、そういうことが経営者サイドで一方的に行われるということは大変問題だというふうに思うわけです。だから、そういうことが起こってくるのも、この私学共済の経営に本当に組合員の意見、立場というものが十分反映し切っていない、もっと改善できる点があるのではないかということになるわけです。
私はそういう意味で、これまでにもたびたび要望されており、また委員会でも質問もあったと思いますけれども、この運営審議会委員に、教職員や労働者の代表を入れるということを本当に真剣に考えなければならないときに来ているというふうに思うわけです。とりわけ教職員の大多数の声を反映しているという日教組私学部の委員をぜひ加えるべきだという点は、強い要望として出されておりますし、検討するときに来ているというふうに思うわけでして、ぜひとも前向きに御検討いただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○川村政府委員 私学共済組合には、その業務に関する事項を審議する、理事長の諮問機関でございますけれども、運営審議会が設けられているわけでございます。この運営審議会は、先生も御存じのとおりでございますけれども、いわゆる三者構成になっておりまして、単に学校法人の代表者ばかりでございません。学校法人の代表者と組合員を代表する者と学識経験者、三者構成でできているわけでございます。
この組合員を代表する者あるいは学校法人を代表する者、これはやはりそういう人たちの意向が反映されなければならない。これは文部大臣から委嘱をするわけでございますけれども、その人選に当たっては、それぞれの私学の団体から推薦していただくという仕組みにしております。
具体的には、全私学連合という組織でこれを推薦していただいているわけでございまして、これまでの私学共済組合の二十九年以来の運営の実績等を見ますと、それぞれ適切な代表が選ばれ、その意向が反映されて、私学共済組合は健全な運営をなされておるというふうに承知しております。こういう現在の仕組みというものを改めるということは考えていないところでございます。
○石井(郁)委員 なかなかその辺では押し問答になろうかと思いますので、時間の関係で打ち切らざるを得ないわけです。実態はいろいろ問題が起きているということは申し上げたとおりでありまして、最初に言ったように、経営やまたは私学の教育という機関の立場からもきちんと民主的な運営がされる、あるいは民主主義が貫かれるという点で、ぜひとも改善すべきだというふうに思いま
す。
次に、生徒の急減対策や低賃金対策の一つとして考えられているわけですけれども、私学では講師制度というのがかなり広がって採用されています。この講師制度について文部省がどのように把握されていますでしょうか。
○西崎政府委員 御指摘の講師制度の問題でございますが、御案内のとおり学校教育法におきましては原則が教諭でございます。教諭がいろいろな事情で得られない場合は、教諭にかえ助教諭または講師を置くことができる、こうなっておるわけでございまして、講師には常勤と非常勤とございます。
私ども、全体の学校基本調査での統計としましては、本務者、兼務者という形の調査をいたしておりまして、必ずしも常勤、非常勤の講師の調査はしておりませんが、兼務者という形で挙がっておりますのは、私立高校全体におきまして約三〇%という形の兼務者が挙がっておるわけでございます。この兼務者の中には非常勤を含むというふうになっておりまして、その中で講師は約八割程度ということになっておる次第でございます。
○石井(郁)委員 大変高い数字だというふうに改めて思います。一年間の期限につき雇用というか採用ということで、専任講師、時間講師、常勤、非常勤といろいろな形があるわけですけれども、私どもが聞いている数では、持ち時間数にして四〇%から五〇%を占めている。実際の学校教育の中で果たしている役割はいろいろあると思うわけですけれども、そういうふうに聞いているわけです。ですから、先ほどの兼務者三〇%あるいは持ち時間にすると四〇%、五〇%、こういう点では一体教育上好ましいというふうに文部省は御判断でしょうか。
○西崎政府委員 高等学校教育におきましては専任の、そして教諭であることが望ましいというのが学校教育法の一つの路線でございます。ただ、現在、高等学校教育の実情を考えますと、いろいろな教科・科目の多様化ということもありますし、教科によりましては外部からそれぞれ専門的な方々を招くというふうな場合もございまして、一概に非常勤講師がよろしくないということもいかがかということはあるわけでございます。
しかし、学校の姿として、高等学校設置基準では、半数以上が専任でなければならないというふうな設置基準がございますので、専任者が半数を割るようなことでは、学校教育の建前として、法令上の問題としてもよろしくない、こういうことが申し上げられるわけでございますが、やはりそれぞれの地域なり学校の事情によりまして講師、非常勤講師の任用が行われるということはあり得ることだというふうに考えておる次第でございます。
○石井(郁)委員 こうした講師の方々は、ほとんどが専任の方と同じような仕事を実際学校の中で担っていらっしゃるわけですね。しかし、一年間の期限つき雇用ということで、私学共済組合員としての資格を与える手続がとられていないのではないでしょうか。私学共済としてこういうことについてどうお考えになっているのでしょうか、また文部省としての見解をお伺いしたいと思います。
○川村政府委員 私学共済組合の組合員資格でございますけれども、これは私学共済法に規定がございまして、その専任でない者あるいは臨時に使用される者、つまりそういう常時勤務に服さない者については組合員としない、それ以外の者はする、こういうことでございます。
それで、ただいま御指摘のような講師の実態、これはなかなか把握が困難でございまして、例えば専任でない者といっても、何をもって専任云々と決めるのか。これは運用といたしましては、そこで得ている給与の額、そこで得ている給与でもってそれが主たる生計の支えとなっているということであるならば、それは講師であろうが期限つきであろうが、これは組合員とする、これは共済組合としては制度上、二カ月間以上雇用される実績があれば組合員にするわけでございます。二カ月なければ組合員になれない。そこで、その二カ月という期間があり、かつ、それが専任としての実態があるということであるならば、それは組合員にするわけでございますが、そうではない、いろいろあちこちでかけ持ちをしているとか、あるいは期限が極めて短いということであればこれは組合員にできないわけでございます。結局それはケース・バイ・ケースの判断で判定をしているということでございます。
○石井(郁)委員 それでは、一年間の期限つき採用ということで、しかし現実には毎年毎年更新で、いわば万年講師というふうに呼ばれている方々が多いわけですけれども、そういう方々は共済組合員の資格は十分取得できるというふうに考えてよろしいわけですか。
○川村政府委員 ただいま申し上げましたように問題が二つあって、一つは雇用の期間の問題でございますね。雇用の期間は、私学共済では二カ月以上の実績があれば組合員にいたします。それからもう一つは、講師ということで、多くの場合、そこで主たる生活の支えを得ていない、ほかのところでも得ているということであるならば、これは専任である者というふうには読めないわけでございますから、それはしない。そこで、肩書が講師であってもその生活の主たる部分、生計の主たる部分をそこで得たものでもって支えており、その雇用期間が二月を超えるということであるならば、それは組合員の資格があるということでございます。
○石井(郁)委員 なかなか講師の実態が十分つかみ切れていないというお話もございましたので、私学に対しては公費助成が行われているわけでありますから、講師の実態についてぜひとも文部省としても調査を行う必要があるのではないかというふうに私は考えております。そういう点で本当に、共済組合員の資格がどういう範囲で実施されているかという点でもその実態を把握する必要があるのではないかと思うわけですが、いかがですか。
○川村政府委員 そういうそれぞれの私学は、基本的に民間の組織でございますから、雇用の仕方についてもそれぞれの私学に応じた実態があるのだろうというふうに思っているわけでございます。私学共済組合の立場からすれば、そういうことでそれぞれの学校法人から、これは組合員の資格があるということで届け出があれば、それを認めて組合員資格とするわけでございます。そこのボーダーラインにあるものを調査をするのは実際問題としてなかなか困難で、結局第一義的には、それぞれ学校法人の御判断でこれを進めていくということが最も適切な方法ではないかというふうに考えております。
○石井(郁)委員 ですから、やはり学校法人のというか経営者側からの届け出によって判断するしかないわけですね、現在のところは。そこのところで、いろいろと実態を必ずしも正確に反映していないようなことが起きているということを最初のところで申し上げたわけでありまして、この私学共済組合法の精神で本当に組合員の資格取得ということについてもっときちっと把握する。そういう方法では、届け出で済ますということにとどまらないでやるということで、文部省の御決意を伺いたいというふうに思うわけです。
○川村政府委員 私学共済組合は、現在組合員が三十七万人ぐらいいるわけでございまして、これを私学共済組合が直接一人一人を管理と申しましょうか、その資格の取得、それから喪失その他をチェックするということは、現実の事務的な対応からいってもなかなかできることではない。やはりそれは、それぞれの学校法人において学校が適切に運営されているわけでございますから、その運営の実態に基礎を置いてその制度を進めていくことが、制度全体としての円滑な進め方からいえば一番いい方法ではないのか。でございますから、私学共済組合でもって一人一人の組合員を、三十数万人が常時資格を得たり喪失をしたりすることは延べ数にすれば非常に多い数があるわけであります。そういうことを私学共済組合で事務と
して処理することは適切ではないというふうに考えているわけでございます。
○石井(郁)委員 それぞれの私学で運営が適切に行われているというふうに御判断されるところが私どもと違うわけですが、一つ事例を申し上げたいと思うのです。
それは、ことしの三月三十日、宮崎県の延岡学園では二名の講師の雇用の契約拒否ということが行われております。この二人は校務分掌教員と同じく校内でいろいろな役割をされており、また担任も受け持っている。ところが、組合に入ったという理由だけで契約を拒否されるということなんです。
一方、この学校は生徒数はこれまでの最大規模で、教員が足りない。二人の先生は正規の免許を持って、生徒からも慕われている。先生がやめるのだったら僕たちも学校をやめたいという声まで上がっているわけですね。そういう教員を契約を拒否して、臨時免許を持った講師を入れる、こんなことが行われるというのがあるわけです。私は、こういうことでは本当に私学の教育の質の低下ではないかと思います。青森でもこういうことが行われていると聞いています。だから、こうこうことを称して不当解雇がふえているというふうに最初に申し上げたわけです。
だから、この講師制度というのが教師の管理や組合対策という形で用いられているというか、そういう実態があるわけです。文部省としても、この教育の質を下げるような、そして学校の経営をかえってやりにくくするようなこういう問題についてきちっとした指導をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 一般的に、高等学校以下の所轄庁は都道府県でございます。その種の問題が生じた場合に、一般的な指導をするのは私ども都道府県に任せておるということでございますが、先ほど来申し上げましたとおり、文部省としては、人事管理というものはそれぞれの大学が自主的に判断をする事柄ではありますけれども、適切な手続に従って適法な人事取り扱いを行うようにという一般的な指導はしているところでございます。
○石井(郁)委員 この次にちょっと申し上げますけれども、この講師制度が恐らくこれからも年々ふえていくことが予測されるだけに、生徒の急減という時期を迎えてそういう方向が非常にふえていくと思われますので、しっかりとした文部省の指導をしていただかなくてはならないというふうに強く申し上げておきたいと思います。
私立高校の急減対策についてでありますけれども、来年度で中学卒業生がピークを迎える。それ以降急激に生徒減が予測されているわけですけれども、この生徒減について文部省としてどのようにつかんでいらっしゃるでしょうか。
○坂元政府委員 来年度全国平均で申し上げまして、都道府県によっては時期が若干ずれるわけですが、全国的には昭和六十四年に十五歳人口がピークになるのは先生御指摘のとおりでございます。
これに対する対策といたしましては、私どもとしては、既に七年前に公私立高等学校協議会というものを各都道府県に設置をして十五歳人口の急増急減に対処する、言いかえれば公私立高等学校の適正配置、入学者等の配分について調整を図るため、各都道府県においてこの協議会を設置して、関係者による十分な協議を行うよう指導してきたところでございます。したがって、六十四年度を目指す急増対策を立案するに当たっても、それからその後の急減対策を立案するに当たっても、この公私立高等学校協議会で公私立の役割分担、それから公私立高等学校の総収容定員の比率をどうするかというものを決めて、その協議会の結論に従って、マクロの十五歳人口の収容計画を立て、あるいは十五歳人口の急減に対応するための、公私の数的な役割分担を決めて対応してきているというふうに私ども理解をしているところでございます。
一方、そういうような公私の役割分担を明確にするということと同時に、私立学校がこれまた独自にそれぞれの地域の事情に適応した、建学の精神を生かした特色ある学校経営をすることによって応募者がたくさん来る、そういう経営努力も必要であろうというふうに考えているところでございます。
ちなみに経常費助成の問題でございますが、経常費助成というのは今でも、これは高等学校以下の経常費助成は所轄庁であります都道府県が行っているところでありますが、この都道府県が行う経常費助成を算定する場合には、教員の実員と生徒数を基礎にいたしまして、教員給与費とか生徒経費等を算定しているわけでございます。したがって、急減期になって、例えば世上言われるように、学級編制をある高等学校で従来からの四十五人から四十人に減らす、そうすることによって免職なり首を切らないで従来の先生万を張りつける、そういう工夫をした場合も、それ以後の経常費助成については、現在配置されておる教員の実員に着目いたしまして経常費を算定いたすわけでございますので、その点については、経常費補助の上では問題がないんではないかというふうに思っております。
ただ、私どもとしては、従来からも努力しているところではございますけれども、一般的に都道府県が行う経常費助成に対する国の一部補助につきましては、これからも鋭意増額に努力してまいりたいと考えているところでございます。
○石井(郁)委員 大分先の方までいろいろお答えいただいたのですけれども、公私の役割分担という形でお答えいただいたのですけれども、しかし、私学はいろいろ大変な経営の問題としてこの急減期を迎えるわけでして、文部省としての抜本的な急減対策というのは、何か協議会の結論待ちというふうにも今聞こえたのですけれども、文部省としてのそういう意味での姿勢というか対策というか、そういうことはいかがなんでしょうか。
○坂元政府委員 先ほども御説明申し上げましたとおりに、高等学校以下の所轄庁は都道府県でございます。しかもそれぞれの都道府県で実情が違うわけでございます。私立のウエートの高い都道府県、そうかと思いますと私立がほとんどない都道府県、それぞれの都道府県において実情が違うわけでして、そういう意味から申し上げますと、各高等学校以下に経常費を直接補助しているところは都道府県でございますので、個々の都道府県が、先ほど申し上げましたような公私立高等学校協議会の協議の場などを通じまして、適切に具体的な対応の仕方を考えていくべき筋合いのものではないかというふうに考えているところでございます。
ただ、私どもとしましては、先ほど来申し上げておりますとおりに、高等学校以下の経常費助成を都道府県が行う場合の一部財源補てんをして補助しておりますけれども、その財源補てん的な国の行う各都道府県に対する経常費助成の総額については、今後とも増額を図っていくよう努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石井(郁)委員 各都道府県で行われております協議会で御検討されている内容については、私どもにもっとわかるような形でお示しもいただきたいと思うのですけれども、その動きは文部省から見て、この急減期に十分対応できるような内容になっていると御判断されているわけですか。
○坂元政府委員 急増期にどういうような総定員を割り振るかということも、私学関係者と公立学校関係者が十分協議して、今の急増期に対応しているわけでございます。
それから、急減期に私学がどのぐらいの十五歳人口を収容するか、あるいは公立の定員をどうするかということにつきましても、私学の経営を十分踏まえまして、公私で協議して決めているわけでございます。その急減期における私立の収容定員をどのぐらいにするかという点につきましては、私学の関係者も、私学の経営を十分考えた上でその収容定員について賛成をしているというのが各都道府県の公私協力協議会の実情のようでございますので、私どもとしましては、何とか急減
期にも私学経営を、もちろん先ほど言いました文部省もそれなりの努力はしなければいけませんけれども、対応はできるんではないかというふうに思っているところでございます。
○石井(郁)委員 私はやはり、対策の中でまず第一に考えなければいけないのがこの教員の身分の安定確保という問題だと思うのですね。既に教員がいつでも首を切られるという状態に置かれているという点での一時雇いがふえているわけでありますから、そういう問題にどう対応するのかという点では、これは大変深刻な問題がこれからいろいろ出てくるというふうに思わなければならないわけです。そういう点で、文部省として、この私学助成の一定の御努力があるわけですけれども、ぜひともそういう問題でも一層検討されなければいけませんが、生徒の急減少という時期を迎えて、私学助成の抜本的検討をすることで取り組まないと大変な事態になるというふうに思うわけです。今非常に私学関係者が危機感を持っていらっしゃるわけで、教員の方々もそうですけれども、そういうときこそ公私の格差をなくしていく、私学の教育条件をよくしていくチャンスとして考えて、本当に抜本的に私学の教育条件を向上させる、改善するという点での検討をするときではないかというふうに思うわけです。そういう点で、協議会任せではなくて、文部省としての私学助成のあり方ということを含めた検討を、本当に取り組むのかどうかということを再度伺っておきたいと思います。
○坂元政府委員 先ほども御説明申し上げましたとおりに、現在行われております高等学校以下の経常費助成につきましては、ある生徒数があって、その生徒数ならばこの程度のいわゆる標準的な教員数を設定いたしまして、その標準的な教員数に見合った給与費の二分の一を補助しているという仕組みはとっておりません。生徒数が少ない、それにもかかわらず教員をたくさん抱えておるというところにつきましても、教員の実員で対応をしているわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、先ほど来申し上げておりますとおりに、現在行っておる国の経常費補助の一部補てんのための高等学校以下の経常費助成の充実をこれからも図っていくことによって、対応できるんじゃないかというふうに考えているところでございます。
○石井(郁)委員 委員長にもお願いしますが、本委員会にもこの私学助成のあり方をめぐっての小委員会なりを設置して、急減期という大変な事態への対策についてぜひとも今後検討するという点をお願いしたいと思いますが、委員長の御見解を伺いたいと思います。
○中村委員長 理事会において御相談させていただきたいと思います。
○石井(郁)委員 以上で質問を終わります。



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