昭和六十三年三月九日(水曜日)
午前九時開議
出席分科員
主 査 愛野興一郎君
奥田 敬和君 後藤田正晴君
田中 直紀君 五十嵐広三君
上田 哲君 加藤 万吉君
佐藤 敬治君 竹内 猛君
馬場 昇君 水田 稔君
山花 貞夫君 渡部 行雄君
坂口 力君 鈴切 康雄君
冬柴 鉄三君 吉井 光照君
滝沢 幸助君 楢崎弥之助君
中島 武敏君
兼務 上田 利正君 兼務 上原 康助君
兼務 坂上 富男君 兼務 近江巳記夫君
兼務 柴田 弘君 兼師 岡田 正勝君
兼務 小渕 正義君 兼務 石井 郁子君
兼務 経塚 幸夫君 兼務 田中美智子君
出席国務大臣
国 務 大 臣(内閣官房長官) 小渕 恵三君
国 務 大 臣(総務庁長官) 高鳥 修君
国 務 大 臣(防衛庁長官) 瓦 力君
国 務 大 臣(科学技術庁長官) 伊藤宗一郎君
出席政府委員
内閣参事官兼内閣総理大臣官房会計課長 河原崎守彦君
内閣法制局第一部長 大出 峻郎君
人事院総裁 内海 倫君
人事院事務総局職員局長 川崎 正道君
内閣総理大臣官房管理室長 文田 久雄君
内閣総理大臣官房参事官 平野 治生君
警察庁長官官房会計課長 半田 嘉弘君
宮内庁次長 山本 悟君
皇室経済主管 井関 英男君
総務庁長官官房審議官・兼内閣審議官 紀 嘉一郎君
総務庁長官官房会計課長 八木 俊道君
総務庁人事局長 手塚 康夫君
総務庁行政管理局長 佐々木晴夫君
総務庁行政管理局行政情報システム参事官 重富吉之助君
総務庁行政監察局長 山本 貞雄君
北海道開発庁計画監理官 大串 国弘君
北海道開発庁予算課長 筑紫 勝麿君
防衛庁参事官 小野寺龍二君
防衛庁参事官 福渡 靖君
防衛庁参事官 児玉 良雄君
防衛庁参事官 鈴木 輝雄君
防衛庁長官官房長 依田 智治君
防衛庁防衛局長 西廣 整輝君
防衛庁教育訓練局長 長谷川 宏君
防衛庁人事局長 松本 宗和君
防衛庁経理局長 日吉 章君
防衛庁装備局長 山本 雅司君
防衛施設庁長官 友藤 一隆君
防衛施設庁総務部長 弘法堂 忠君
防衛施設庁施設部長 鈴木 杲君
防衛施設庁建設部長 田原 敬造君
防衛施設庁労務部長 山崎 博司君
科学技術庁長官官房会計課長 武田 昭君
科学技術庁科学技術振興局長 吉村 晴光君
科学技術庁原子力局長 松井 隆君
沖縄開発庁総務局会計課長 五郎丸日出昇君
外務大臣官房外務参事官 時野谷 敦君
外務省北米局長 有馬 龍夫君
分科員外の出席者
衆議院事務総長 弥富啓之助君
参議院事務総長 加藤木理勝君
裁判官弾劾裁判所事務局長 金村 博晴君
裁判官訴追委員会事務局長 龍前 三郎君
国立国会図書館長 指宿 清秀君
人事院事務総局管理局会計課長 樋口 英昭君
人事院事務総局給与局給与第一課長 山崎宏一郎君
公正取引委員会事務局庶務課長 植松 勲君
宮内庁書陵部長 勝山 亮君
総務庁長官官房地域改善対策室長 瀬田 公和君
総務庁人事局参事官 河野 昭君
総務庁恩給局恩給問題審議室長 鳥山 郁男君
国土庁大都市圏整備局筑波研究学園都市建設推進室長 野村 信之君
外務省北米局安全保障課長 岡本 行夫君
大蔵省主計局主計官 若林 勝三君
大蔵省主計局主計官 岡田 康彦君
大蔵省主計局主計官 伏屋 和彦君
大蔵省関税局総務課長 冨沢 宏君
国税庁長官官房総務課長 龍宝 惟男君
文部省初等中等教育局高等学校課長 森 正直君
文部省初等中等教育局小学校課長 熱海 則夫君
文部省初等中等教育局教科書検定課長 御手洗 康君
文部省初等中等教育局教科書管理課長 福島 忠彦君
厚生省社会局生活課長 和田 勝君
厚生省年金局年金課長 松本 省藏君
労働省労働基準局賃金福祉部企画課長 畠中 信夫君
労働省婦人局婦人福祉課長 藤井紀代子君
建設大臣官房官庁営繕部営繕計画課長 清水令一郎君
建設省住宅局住環境整備室長 羽生 洋治君
自治省行政局行政課長 秋本 敏文君
自治省行政局振興課長 谷口 恒夫君
会計検査院事務総長 西川 和行君
会計検査院事務総長官房上席審議室調査官 五十嵐清人君
会計検査院事務総長官房会計課長 天野 進君
会計検査院事務総局第三局建設検査第一課長 阿部 杉人君
最高裁判所事務総長 大西 勝也君
参 考 人(動力炉・核燃料開発事業団理事) 植松 邦彦君
予算委員会調査室長 右田健次郎君
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本日の会議に付した案件
昭和六十三年度一般会計予算
昭和六十三年度特別会計予算
昭和六十三年度政府関係機関予算
〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府所管(総理府本府、総務庁、防衛庁、科学技術庁)〕
────◇─────
○田中(直)主査代理 次に、石井郁子君。
○石井(郁)分科員 地域改善対策協議会の意見具申、八六年十二月十一日、それを踏まえた「地域改善対策啓発推進指針」八七年三月十八日など、同和行政の今後のあり方に関する見解、方針が出されています。これらの文書は当然のことながら部落差別を解消するためのものであると思いますが、最初にこの点を確認しておきます。
○紀政府委員 五十九年あるいは六十一年の意見具申、それに基づきまして地域改善対策に関する大綱が政府で決定されて、それに基づきましてまた新法が昨年施行されました。また、お話しの啓発推進指針、昨年地方公共団体に示しております。現在の地域改善対策の方針でございます。
○石井(郁)分科員 部落差別解消を進める上で大阪の動向は全国にも与える影響が大きいと思われるだけに、同和行政の実態がどうなっているのか、真に差別是正に向かっているのかどうか、幾つかの問題で政府の対応を伺いたいと思います。
私は、今日重大な問題として、この意見具申と啓発指針が、新たな差別意識を生むさまざまな新しい要因が存在していると指摘していることを重視せざるを得ません。これは具体的にどういうことを指しているのでしょうか。
○紀政府委員 地対協六十一年意見具申の中では、同和地区の生活環境や生活実態の改善は相当程度進んでいるが、特に心理的差別については解消が進んできているものの現在なお十分な状況とは言えない、こういうふうに指摘しております。また差別意識の解消を阻害している新しい要因として、行政の主体性の欠如、同和関係者の自立、向上の精神の涵養の視点の軽視、それからえせ同和行為の横行、それから同和問題についての自由な意見の潜在化傾向を指摘しております。地域改善対策啓発推進指針においては、この意見具申の指摘を踏まえまして、行政の主体性の確立、えせ同和行為の排除、自由な意見交換のできる環境づくりを進めるように提言しております。
○石井(郁)分科員 それらはこの意見具申と啓発指針を読むと書かれているわけでありますけれども、もう少し具体的な事例でちょっとお示し願えないでしょうか。
○瀬田説明員 今審議官の方から新たな差別の要因が生じてきているということで、四つほど具体的にお答えをしたわけでございますけれども、行政の主体性の欠如という問題につきましては、やはり地方公共団体の中に主体性の欠如しやすい部分といいますか、長い間の同和行政の中で主体性の欠如というものが見られているということが一つございます。それからえせ同和行為の横行でございますけれども、これにつきましても、最近はややえせ同和問題というのは少なくなってまいっておりますけれども、やはり数年前には非常に多くのえせ同和行為が全国を騒がしたような記憶がございます。また、えせ同和問題の横行と関連をいたしまして、同和問題というものが非常に怖い問題だという意識を一般の国民の中に生み出しまして、いわゆる同和問題の解決につきまして自由な意見の交換といったものを阻害するような傾向が出てきているというふうな幾つかの点が指摘できるのじゃないかと思います。そういった点をやはりできるだけ早く払拭して同和問題の解決の方向に進んでいきたいというふうに考えております。
○石井(郁)分科員 なかなか具体的なことには話が進まないようですけれども、この啓発指針の第三章に、啓発の具体例を別冊で示すということになっておりますが、これはいっまでに作成される予定でしょうか。また、なぜ今なお出されていないのかについてお答えいただきたいと思います。
○瀬田説明員 先生御承知のように、啓発推進指針につきましては、第三章といたしましては、啓発活動の具体的な事例というものを紹介することになっているわけでございます。これらの啓発活動の具体的な事例につきましては、地方公共団体等がそれぞれの事情に応じまして活用できるよう具体的で幅広い内容のものが必要であると私たちは考えておりまして、現在各都道府県等に協力を依頼いたしまして、これまで各都道府県等において実施してきました啓発活動の具体例の実は収集を行わせていただいているという段階でございます。先生御承知のように、余り端的な例が少ないので苦慮しているわけでございますけれども、できるだけ速やかに編集整理を行いまして、公表する段階まで持っていきたいというふうに考えております。
○石井(郁)分科員 新たな差別意識という問題に関連して、以下具体的に話を進めていきたいと思うわけですが、私どもは、こういう問題について逆差別、こういうふうに言っているわけですけれども、こういう点でどういう認識をされているでしょうか。
○紀政府委員 地域改善対策の適正な実施につきましては昭和六十一年十二月に各省の合意を得まして総務庁が定めました「今後の地域改善対策に関する大綱」というのがございますが、この中で適正化に関する考え方を述べております。それか
ら昨年の新法、地対財特法の施行時に通知を出しまして、この中で「法施行に当たっての配慮事項」というところで特に行政の主体性の問題と、例えば物的施設についても周辺地域との間に格差のないものを整備し、その運営に当たっては周辺地域の人々の利用にも供するように配慮するというような具体的な指摘をもちまして、適正に実施されるように指示しているところでございます。これらの問題につきましては、啓発指針の趣旨に照らして、ただいま申し上げましたような大綱あるいは通知の趣旨に沿いまして、各省庁と連携をとって指導の徹底を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○石井(郁)分科員 私は、この逆差別という存在が非常に大きな問題になっていると考えるわけですが、差別の解消を困難にしていますし、この差別を固定化する大きな要因になっているわけです。
例えば大阪市の例で少し申し上げたいと思いますが、大阪市の浪速区に栄小学校というのがございす。この学校は、児童数は現在三百三十九人ですけれども、教職員数は六十七人、教室の数が八十四室。設備として、体育館が実は二つあるわけですね。二層式の体育館になているわけです。プールは二面あります。テレビが十二台つきの千人が入る食堂がございます。これは当初千人児童数を予定していたのでこういう食堂になっているわけですが、あります。それからスタジオ並みの放送室がある。プラネタリウムが設置されている。それから市民ホール並みの大講堂、これは座席が固定しておりまして、そういうホールです。建設費は七十七億円、一般校の大体十校分というものでございます。こういう非常に至れり尽くせりのデラックスな学校ということですけれども、このことを承知されているでしょうか。
○熱海説明員 五十年の話でございまして、その当時の資料を見ますと、大阪府の栄小学校、矢田小学校の校舎の建設について大阪府から理由を聞いた経緯が載った書類がありました。それによりますと、この栄小学校については大阪市の話として、大阪市の同和対策の方針を十分に尊重しつつ、浪速地区の実態を踏まえ同和教育を推進するために必要な施設を追求していく中で成案を得たものである、また施設の内容については学校教育面のほか、地区の中核的な役割を果たしていくにふさわしい学校であること、それからPTAを初めとする地区住民の学校とのつながりを密にすることを目的として計画したものである、こういう御説明が大阪市の教育委員会からあったようであります。
これは、国としてはもちろんこのときは助成の対象にはしなかったものであります。国の立場としては、小中学校の建物の建築については市町村教育委員会が責任を持って、また、その予算については市町村長が議会の議決を得ているものであるので、国としてはよほどの事情がない限り軽々しく関与すべきではない、当時こういう判断で対処したようであります。そういう記録があります。
○石井(郁)分科員 同じような規模の一般校の場合ですと、教職員の数は約三分の一なんですね。教室の数もそういうものです。ですから、栄小学校の場合は一般校の三倍の教職員と教室、設備をもっている。設備については一般校と比較になりませんけれども、そういう実態になっているわけです。現在なおこういう学校の格差があるという問題について、どのようにお考えでしょうか。
○瀬田説明員 地域改善対策事業につきましては、改めて申すこともないわけでございますけれども、いわゆる行政の公平性というもの、それから周辺地域との一体性といったものを確保する必要があるだろうというふうに私たちは考えております。
先生が御指摘になった件につきましても、このような見地に立った建設または運営が行われるものだろうというふうに考えております。
○石井(郁)分科員 同じような問題がいろいろなケースにあるわけですけれども、住宅についてもそうなわけです。
大阪市の場合、同和住宅が九百戸も空き住宅がある、そういう中でなおかつ同和向けの住宅が建設されようとしています。一般向けの市営住宅では毎回十倍の競争率ですけれども、そういう中でこういう事態がまかり通っているわけですね。今御答弁のように公正さを欠いている、こういう同和行政は許されないという点では明確な御答弁をお願いしたいと思うのです。
○瀬田説明員 現在の地対財特法の施行通知の中におきましても、物的施設につきましては今後とも周辺地域との間に格差のないものを整備してほしいということを明確に指示しておるわけでございまして、国の方針としてははっきりしたものが出ているというふうに私たちは考えております。
○石井(郁)分科員 もう一点。
同和地区には今申し上げたような大変デラックスな施設などがあるわけですが、この施設の利用や開放という問題が市民の間で大きく課題になっているというふうに思います。
例えば、私のところで平野区という行政区がありますけれども、この平野区は六万六千八百世帯がありますけれども、同和地区の世帯は百三十世帯なんですね。この百三十世帯の中に解放会館が十二億で建てられている。青少年会館は十億かけられています。この会館には二つの体育館、柔道施設やその他がいろいろあるわけですけれども、この青少年会館を利用する子供たちは二十人くらいだということになっています。老人福祉センターは五億五千万かけてでき上がっているわけです。約二十万の人口の平野区に老人福祉センターは一カ所だという点でも、先ほど来申し上げている逆差別が歴然としているわけですけれども、こういう問題について、同和地区の施設が一般には使われない、まさに特定団体の専有物になっているという点で、すぐできることは一般へ開放する、市民のための施設にすべきだということが考えられるわけですけれども、いかがでしょうか。
○瀬田説明員 国といたしましては、いろいろ物的な施設があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、その運営に当たりましては周辺地域の人々の利用にも供するように配慮してほしいということをはっきりお願い申し上げております。
○石井(郁)分科員 大阪府や市へのその辺の対応については後で問題にしたいと思います。
次に、文部省に伺います。
「にんげん」という本があることは御存じだと思いますけれども、この本の作成者あるいは内容について、文部省はどのように把握されていますか。
○熱海説明員 大阪府教育委員会が御指摘のように、同和教育の副読本として昭和四十五年以来「にんげん」という副読本を市町村の希望に応じて管区の市町村に無償配付している、こういうことが行われていることは存じております。
市町村の教育委員会が副読本として使用を決定して府が無償配付をする、そして、それを学校で使わせるということについては手続的には特段、問題はないと思います。ただ、その内容については、もちろん教育委員会がその内容の適否を判断する立場にありまして、それを判断して適正であればこれは使わせるというのが教育委員会の立場であります。
文部省としては、従来から、教育委員会を指導する立場として次の三点を強調しているわけであります。一つは、内容が教育基本法、学校教育法あるいは学習指導要領等の趣旨に従っていること、二つ目には、児童生徒の発達段階に合っているものであること、三つ目には、政治や宗教について特定の政党とか宗派に偏った思想、題材によっているなど不公正な立場のものでないこと、この三つを教育委員会の方に指導指針として示しているわけであります。
「にんげん」については、もちろん、大阪府が昭和四十五年以来もう二十年近く使用しているものでありますから、この内容についてはいろいろ検討されていると思います。そういう意味で、我々としてはそこは詳細に見ておりませんけれども、
府の教育委員会としては適切なものという判断のもとに使用させているものだろう、こういうふうに理解しております。
○石井(郁)分科員 府の教育委員会が適切だという判断をしているということでしょうけれども、実際、この内容には、ただいま御答弁されたような点から見て逸脱するものが非常にございます。
今時間がありませんので、私は二点申し上げたいのですけれども、一つは、狭山裁判が教材として取り上げられております。これは狭山事件の被疑者の手記ということで載っております。五年生です。それを指導の手引という中では、これをどのように扱うかという点では、この裁判それ自体が誤判だ、冤罪だという立場で指導しているということがございます。
もう一点は、随所に解放運動のことが述べられております。この中では、特に部落子供会の位置づけが非常に高く評価をされている。部落子供会というのは解放運動のいわば下請的な組織でありまして、子供たちを解放運動の担い手に育てるということを掲げている子供の組織です。校外の児童組織です。指導の手引ではこの点でも、解放教育全体が三つの目標の一つに、子供たちに部落解放の、解放の自覚を持たせることであるというふうに言い切っているわけですね。これはとりもなおさずこの意見具申の中で言われていますように、教育と政治、社会運動とを区別しなければいけない、教育の中立性の確立のために徹底的な指導を行うことが必要であるというふうに書かれていますけれども、こういう点で大きく反する内容だ、今課長の御答弁のように、教育基本法に反する偏向教育そのものだと言わざるを得ないと思うわけですが、どうでしょうか。
○熱海説明員 今お伺いしたことで詳しくは見ておりませんけれども、一般論として、例えば従来から解放運動の一環として狭山のゼッケン闘争とかいろいろな形で狭山を象徴的に扱っているケースがございます。これが学校教育に持ち込まれることについては極めて不適切だということで、従来から我々は指導しております。
それから、よく狭山裁判の、狭山事件の教材化ということが一時行われましたけれども、これによって裁判を批判するとかあるいは司法制度を批判するとか、こういったことに対しては、それは極めて不適切な教材だということは、我々の立場として常に申し上げているところであります。
今御指摘のものがこの「にんげん」の中に含まれているとするなら、あるいはそれがどういう形で取り上げられているかはまた具体的に我々も検討させていただいて、不適切であればこれも大阪府の教育委員会を指導したいと思います。
○石井(郁)分科員 御存じのように、この本を大阪府教育委員会が買い上げています。それで、数年にわたって学校に押しつけている、押しつけているというか、というわけでありますけれども、ぜひともこの点では実態をもっと明確につかんで御指導いただきたいというふうに思います。
御答弁のように、狭山裁判を教材とするのが不適切だということでありますから、そういう教育行政は即刻改めるという点では明確な指導を強化していただきたいというふうに思います。
それで、先ほど来逆差別の実態について申し上げてきましたけれども、そういう公正を欠いたような同和行政については、この意見具申や啓発指針に沿って改めていかなければならないという点が出されたと思うわけですが、大阪市と大阪府におきましてはなお改められていないという点があるわけです。そういう点で、意見具申が指摘しているように、特定団体、また部落解放同盟でありますけれども、それと癒着して行政の主体性が放棄されている問題が非常にございます。そういう点で、このことを解決しなければ本当の意味で部落差別の解消に向かって前進することができないという点で、大阪市と大阪府が啓発指針に対してどういう態度をとっているのかという点ではいかがですか。
○瀬田説明員 大阪府及び大阪市におきましても、啓発推進指針につきましてはそれぞれ府及び市の啓発のための参考資料として勉強させていただき、そして必要に応じて使わせていただきますという態度でございます。
○石井(郁)分科員 例えば最も重大な問題では確認や糾弾という問題がありますけれども、こういう点では大阪市の場合ははっきりとこれを認める立場ですね。これまでの糾弾闘争が差別解消に役立ってきたということをはっきり言っているわけですから、この点はどうですか。啓発指針に反するのではありませんか。
○瀬田説明員 それぞれの地方公共団体におきましては、やはり自治体でございますから、それぞれの意見というものはそれはあってしかるべきだろうというふうに私思います。しかし、先生もおっしゃいましたように、啓発指針といったものは昭和五十九年の地対協の意見具申の中において、国において啓発推進のための指針の策定を行うべきであるという提言をいただきまして、特に啓発推進策定委員会というものを学識経験者をもって発足させ、その専門的意見を参考としながら総務庁において取りまとめたものでございます。いろいろ地方公共団体その他におきまして御意見がある部分もあることは承知しておりますけれども、この指針が各地方公共団体等におきましてそれぞれの地域の実情に応じまして適切かつ効果的に活用され啓発の推進に役立つように、今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
○石井(郁)分科員 意見具申と啓発指針に沿って同和行政を進めるという点では、やはり確固としてこういう逸脱した行政を改めるという点で御指導していただきたいというふうに思うわけです。
時間が来ましたので、以上全体を通して大臣の所見を伺って終わりにしたいと思います。
○高鳥国務大臣 ただいま御指摘のありましたようなさまざまの問題を抱えておるわけでありますが、私どもは、私どもがやっております対処の仕方というものは適切なものであると考えまして、地方自治体とも十分連絡をとりながら確固たる信念を持って進めてまいりたいと考えております。
○石井(郁)分科員 以上で終わります。



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