109-衆-文教委員会-3号
1987年09月02日
石井郁子議員 質問部分 会議録


昭和六十二年九月二日(水曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛治  清君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      沢藤礼次郎君    中西 績介君
      馬場  昇君    有島 重武君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総務審議官    川村 恒明君
        文部省初等中等教育局長    西崎 清久君
        文部省教育助成局長      加戸 守行君
        文部省高等教育局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際局長      植木  浩君
        文部省社会教育局長      澤田 道也君
        文部省体育局長 國分 正明君
        文化庁次長   久保庭信一君
 委員外の出席者
        厚生省保健医療局感染症対策室長       伊藤 雅治君
        林野庁林政部林産課長     高橋  勲君
        通商産業大臣官房企画室長   土居 征夫君
        通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長 近藤 隆彦君
        文教委員会調査室長      高木 高明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

○愛知委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

    ―――――――――――――

○北川(正)委員長代理 石井郁子君。

○石井(郁)委員 きょうは、幾つかのテーマに絞って質問したいと思っております。
 初めに、大和飛鳥と並んで大阪府下の河内飛鳥と言われる古代遺跡群の保存問題について質問いたします。
 この河内飛鳥については、関係市町村はもとより大阪府議会でも長年にわたって議論されており、国会でも取り上げられ、社会的問題、関心を呼んできております。そこで初めに、この河内飛鳥について文化庁はその価値をどのように認識されているでしょうか、伺っておきたいと思います。

○久保庭政府委員 大阪府の太子町、羽曳野市の丘陵地帯に広がる河内飛鳥地域でございますが、これは古墳時代後期の古墳が多数存在する地域でございまして、特にその南部に位置しております一須賀古墳群は、二百数十基の円墳から成っている地域でございます。この一須賀古墳群につきましては、大阪府が既に昭和四十五年から四十八年にかけまして古墳百二基を含む二十九ヘクタールを買収いたしまして、「近つ飛鳥風土記の丘」として公開しております。これにつきましては、文化庁もその整備に助成をしておるところでございます。
 なお、この近隣に、先ほど申し上げましたとおりの一須賀古墳群が存在しておるわけでございます。私どもも重要な遺跡地域だと認識をしておりますが、この地域につきまして現在開発計画がございまして、その開発の許可につきまして大阪府が現在調整中でございまして、私どもも地元でございます大阪府の教育委員会が対応しておるのを見守っておるところでございます。

○石井(郁)委員 非常に価値のある遺跡だと思うのですね。そういう点で、大阪府議会でもことしの三月に請願が採択されております。ちょうどこの国会に、河内飛鳥を遺跡として保存するという運動を長年取り組んでおられます河内飛鳥を守る会から、保存の請願が出されております。この点では、各党も紹介議員になっておられると思うわけですが、私も先日、現地を調査してまいりましたし、景観が非常にすばらしくて、今お話しのように群集墳という点でも大阪の三大群集墳の一つ、古代国家の形成過程を知る上でも重要な拠点と言われているところであります。大阪府ではここを将来文化ゾーンとしても考えていくということも言われておりますけれども、そういう点で、この保存につきまして今は教育委員会の対応を見守っているというお話でありましたけれども、文化庁として既にこういう請願が出されているわけですから、どのように対応されようとしているのか、もう一度お尋ねをしたいと思います。

○久保庭政府委員 文化庁が直接に国が公有化をするとかというのではなくて、現在の文化財保護法に基づきまして行っております史跡等の整備につきましては、必要があれば文化財保護法に基づいて史跡に指定する、それから史跡に指定したものについて地元で必要があればそれを公有化する場合に国が助成する、そういうことになりますので、まず地元である大阪府がその開発業者と今調整をしておる部分がございますので、それを見守った上でその後の扱いについて考えたいということでございます。

○石井(郁)委員 太子町や地元住民の意向もあるわけですけれども、ここで一つ伺っておきたいのですけれども、史跡指定をする場合に地権者の同意というのはどういう形で前提になるのか、この問題を伺っておきたいと思います。

○久保庭政府委員 文化財保護法に基づきますと、特に地権者、その土地の所有者等の同意が前提となっている制度ではございませんが、制度を円滑に運営するために現在では地権者等の同意を得た上で指定をする、その方がその後の保存が非常に円滑にいくということで、そのように運営をしておるところでございます。したがいまして、まだ調整中のところがございますので、まだそのようなことには入っておらないわけでございまして、あくまで地元である大阪府の教育委員会の調整の結果を見守っておるという段階でございます。

○石井(郁)委員 大阪府の方では、先ほど請願が出されていることは申し上げましたけれども、教育委員会の方でも国指定を要望するという点は出されているのじゃないでしょうか。

○久保庭政府委員 大阪府の方から、この地域の史跡としての指定についての要望が出ているところでございます。

○石井(郁)委員 それでは、文化庁としてそれに対してどのような対応をされるかは、文化庁の方の問題でございますね。

○久保庭政府委員 一般的な意味での要望は出ておりますが、指定となりますと、地域をかなり明確に区切って指定ということになりますので、そのようなことについては地元の地権者との開発に
伴う調整が現在行われておるわけでございますので、それを見守っておるということでございます。

○石井(郁)委員 私は先ほど申し上げましたように、現地も見てまいりましたし、全面的な保存がこの河内飛鳥については必要だと考えておるわけです。そのためには国なり自治体なりが買い上げる方法が一番いい、今はそれしかないというふうに考えております用地元の住民もそのことを大変望んでいる。というのは、一部の山が荒れほうだいになっていたり、そういうところがあります。そういう点で、自然も含めて面としての保存をする、それが遺跡の価値を本当に生かすことにもなると思うし、また開発との調和という問題もありますけれども、開発か自然・遺跡保存かという二者択一ではなくて、開発との調和をしながら文化財の保存、復元を考えていくということだと思うわけですね。そういう点で、本当に遺跡の保存という問題は、ここで開発で全部壊してしまえばまさに後世に悔いを残すことになるわけですから、国が責任を持って保存できるように十分かつ慎重な対応をしていただきたい。既に、どの程度史跡として保存できるか、するかという点では一定の詰めの段階に入っているのではないかと思うのですけれども、再度、文化庁のもっと積極的なお考えをお聞かせいただきたいと思うわけです。

○塩川国務大臣 いい質問をしてくれました。ありがとうございました。
 これは私ども本当の地元のところなんです。これで何と五年かかっているのです、本当のところ。十分御存じだと思うのです。これはなぜこんなことになってしまったかというと、大阪府教育委員会もふにゃふにゃ、ふにゃふにゃやっていてふがいない、ちっとも決めようとしない、文部省に相談に行っても、文部省も地元で地元でと言って逃げてしまう、それがこうなってしまって、途中で土地が何遍も転がしになってきた。こういう状態なんです。そして、残っている方々は、これは下手なことをしたらおれたち売るにも売れず何にもならぬぞ、その土地を殺してしまわなければならぬだろうという不満がある、不信がある、そういうのが交錯しておるのです。
 これはいい質問をしてくれたので、私もまたこれをきっかけに大阪府を呼んで、早急に片をつけるようにしましょう。方針をそうしましょう。これはいい質問ですよ。こんなものをほっといて―本当にほうってあるんだ、無責任な。これがもしつぶれてしまったら、おっしゃるようにこんな貴重な史跡は戻りません。六年前ですか、町長選挙がありましたときに、開発か保存かで大選挙をやったのです。それからすぐに片をつけるといって、町長はずっと大阪府教育委員会に行っているが、大阪府教育委員会はふにゃふにゃ、ふにゃふにゃ逃げてしまって、調和を調和をはかり言っている間にこういう事態になってきた。これは私はよくわかっております。やりますから、これは百遍の答弁よりもどうするかということなんです。

○石井(郁)委員 さすが地元の文部大臣でありまして、よく御存じでいらっしゃいますし、私も大臣から初めてお褒めをいただいたと思います。そういう点で、本当に地元の大臣といたしまして、大臣の任期がどのくらいかという問題もありますけれども、特段の御尽力をお願いしておきたいと思います。
 それでは次の問題ですけれども、障害児教育について質問いたします。
 この点では二つの問題があるのですけれども、まず聴覚障害児の早期教育、これは三歳未満の教育のことですけれども、この問題を伺いたいと思います。
 この問題では、昨年、同時選挙の前になるのですが、百四回国会において我が党の藤木洋子議員が文教委員会で取り上げております。そのときの政府答弁がございますので、私はまずそのつながりといいますか、そのフォローという形から伺いたいと思います。
 二点ありまして、一つは、言うまでもありませんが、三歳未満児という教育は学校教育法の対象になっていないという点で、とりわけ障害児教育という点でも、医療機関が対応しているという点での厚生省との関係ですね。それで厚生省との連絡調整が必要だという御答弁をされております。この厚生省との連絡調整がその後どうなっているでしょうか。
 もう一つは、一方で幼稚部がございますね。聾学校の幼稚部の教育の一環として、教育相談という形で、既に二歳児あるいはもっと下の子供たちの教育をしているという実態が大変広く進んでおります。そういう実態を踏まえて、法体系の見直しということは大仕事だけれども、現実的な対応として補助制度の検討を考えてみてはどうかというふうに述べておられます。そういう点で、この検討がどうされているでしょうか。
 この二点をまず伺いたいと思います。

○西崎政府委員 先生御指摘の、障害者教育のうちの聴覚障害児への対策の問題でございます。
 まず一般的な御説明として申し上げますれば、先生御指摘のように、三歳児−ゼロ歳児は学校教育の対象ではございません。しかし、やはり私どもは、これらの障害児の学校教育への対応の前提として、早期に治療なり早期の判断と申しますか指導というものが必要であるということは、かねてより痛感しておるわけでございます。そこで二つ、現在施策を講じておるわけでございますが、一つは、現在都道府県レベル、政令指定都市レベルで、全国に二十五カ所の特殊教育センターというものがございます。この設置促進を今懲慂しておるところでございますが、特殊教育センターの機能として、やはりゼロ歳児から三歳児の者でも、聴覚障害児も含めていろいろな相談に応じて、できるだけ学校教育につながる年齢段階までの指導も含めて相談に応じ、適切なアドバイスができるように、これを一つやっておるわけでございます。
 それから、先生御指摘の第一点の厚生省とのつながりの関係で申しますならば、この特殊教育センターは学校教育だけで機能するというよりも、福祉の問題と医療の問題あわせて機能することが大切でございますので、地域の総合的なセンターとして三つの機能をあわせ持つ同じ場所でこのセンターをつくるということの相談も各省でいたしまして、現在北海道や北九州市では同じ棟で、入り口は別でございますけれども中は廊下でつながっているというふうなことで、医療、福祉、教育ということでこのセンターが実現を見ておるところがあるわけでございますので、これからどんどんと、各省とも相談しながら、こういう先生御指摘の聴覚障害児の早期の相談に応じられるようなセンターの設置に努めてまいりたい、これが第一点でございます。
 それから次に、第二点の幼稚部との関連でございますが、ゼロ歳から三歳までの子供がどこに入るかといえばまず幼稚部でございます。そこで、私どもとしては特殊教育小学校で、聾学校でございますが、聾学校の幼稚部でも、地域の特性や保護者の要望等を勘案して保護者や本人に対する教育相談や指導が行われるように、実際問題としての指導をやっておるわけでございまして、ゼロ歳から三歳だから相談に応じないということではなくて、できるだけみずからの持ついろいろな知識あるいは判断を保護者や本人について及ぼすようにというふうなことをやっておるわけでございます。
 先生御指摘の補助の問題あるいは法体系の問題については、まだ私ども必ずしも措置を講じておるわけではございませんけれども、実際の問題としての幼稚部のいろいろな先生方のかかわりにおいて、この点についての実際的な適応をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 以上でございます。

○石井(郁)委員 特殊教育センターが二十五カ所という点では、一都道府県に一つずつもないわけです。全国一都道府県に一つずつもないわけですから、これではとても足りないということもあると思うのですが、それはそれとして、こういう特
殊教育センターも大いに今後ふやしていっていただきたいというふうに思うのですが、きょう私は、主として幼稚部が行っている教育相談の実態、それに対する補助といいますか、それについて少し突っ込んで伺ってみたいと思うのです。
 幼稚部が行っているその教育相談の実態については、文部省としてはどのように把握されているでしょうか。つまり学校でどのようにやりくりをして行っているのか。実際公認化されてないわけですから、いろいろ大変な実情の中で教育に取り組んでおられるわけですけれども、あるいは全国的なそういう状況ですね、ちょっと文部省がつかんでおられるその実態を伺いたい。

○西崎政府委員 この点は、先生最初に御指摘のとおり、ゼロ歳から三歳までの幼児については学校教育体系からは別の体系でございまして、その点から申しますと、文部省の職務権限の問題としてとらえれば、しゃくし定規に申しますならば、対象外ということに相なってしまうわけでございます。しかし、それはやはり特殊教育なりあるいは今御指摘の聴覚障害児の学校教育へつながる前提として考えれば、少し手を伸ばして、むしろ就学時における適切な判定を行うためにも、余力ある限りと申しますか努力してでも、ゼロ歳から三歳前の幼児についても保護者や本人の相談に応ずることが必要ではないか、こんな気持ちでやっておるわけでございます。したがいまして、これを真正面から予算の問題、制度の問題として取り上げるということはいかがかということもございまして、私どもは慫慂はしておりますが、実際の問題の実態調査等は正式には行っていないという状況でございます。

○石井(郁)委員 やはりそこら辺に一つの問題があると思うのですけれども、現場ではこの聴覚障害児の早期教育というのは、これは聾教育自身が大変伝統のある分野ですから、非常に教育の方法もいろいろ開発されてきております。特に早期発見がまず最近大変可能になってまいりました。もう言うまでもありませんけれども、教育は言葉から始まるように、三歳までに言葉を覚えるかどうか、言葉の教育ができるかどうかが決定的に重要になっているわけですから、そういう点で早期教育の重要性が言われているわけですね。既に、全国で幾つかのそういう聾学校で、教育相談という形で二歳児を受け入れる、あるいはもっと一歳児を受け入れるなどしてやっていらっしゃるわけですけれども、しかし、これはちょうど私の地元大阪でございますけれども、聞いてまいりましたところが、まず教員は早期教育相談をしても加配がありませんから、定員へしわ寄せが非常に大きいという問題があります。それから予算についても、公的予算措置がないために、備品とか消耗品など非常にしわ寄せが大きい。また施設設備についても、そういう年齢に応じたものがございませんから、そういう点でも非常に困っている。それから、公的に受け入れていないために在籍措置ですね、就学奨励費などの支給がありませんし、また保護者の負担も大きい、例えばスクールバスで通うにもパスの負担が親にかかってくるという問題だとか。そういう点で、非常に公的保障のない中でいわば努力をしながら早期教育のために幼稚部の先生方が御苦労されている、こういうことになっているわけですね。そういう実態は全国がなりあると思うのです。今局長の方からこういうゼロ歳から三歳までの教育が必要だという点はお認めになっていらっしゃるわけですから、ぜひともそれが保障されるような措置を講じるためには、まず実態についてつかんでいただきたい。それはいかがでございましょうか。

○西崎政府委員 先生御指摘ではございますが、私どもの現在考え方として申し上げますならば、やはりゼロ歳から三歳児までの幼児の早期発見なり早期治療という問題は、かなり経験を積み、専門的な知識も必要ですし、親御さんの立場も考え、本人の状況も判断できるというふうな人たちがこれに当たるのが一番望ましいであろう。そういう考え方に立ちますと、行政の努力として今後私どもがどの部面に力を入れるべきかと申しますと、先ほど第一に申し上げました特殊教育センター、こういう一つの組織で、これは本来相談事業というものを業務にするわけでございますから、そういう本来の業務を持っておる組織で、ゼロ歳から三歳までの幼児についていろいろと相談にも応ずるというところ、二十五カ所で若干少ないという御指摘もございますが、これをもっとより広げて、そういうように努力するというのがまず第一着手ではないかというように思うわけでございます。
 それとの裏返しで申し上げますならば、幼稚部における相談業務というのは本来の幼稚部における教育で、それがまず本来の先生方のお仕事でございますから、その点について支障があるようなゼロ歳から三歳までの仕事を無理やり付加するということはいかがかというふうにも思いますし、それを付加することについての法的な、あるいは条件的な問題としてはいささか問題もないではない。こういうことから申しますと、私どもはやはり、特殊教育センターという一つの組織なりの方向で、今先生御指摘の大事な問題だと思いますから、そっちの方で努力をするというふうな方向をこれからもとりたいというふうに思っておるわけでございます。
 御理解をいただきたいと思う次第でございます。

○石井(郁)委員 それはまた最初に戻ったような形になりまして、あれかこれかではないわけですね。両方必要なんです。今、とりわけ長い伝統と非常に専門的な蓄積を持っているのは、聾学校の幼稚部の実践なんですね。ですから、これは文部省も御存じだと思いますけれども、自治体において既に予算を計上しているところもあるのじゃございませんか。それはいかがですか、御存じですか。

○西崎政府委員 今私が申し上げておりますのは、国の行政の姿勢と申しますかポジション、スタンスとして申し上げておるわけでございまして、それぞれの幼稚部なりそれぞれの幼稚部の先生方がいろいろそういう面での御努力をされる、もちろんそれはそれで必要なことでありますし、そういう点が可能であればぜひそうしていただきたいということは、もちろん私どもの頭にもあるわけでございます。
 そういう意味から申しますと、地方自治体で仮に予算が計上されているところがあるとすれば、それはそれとしてその地方公共団体の御判断でございますから、その点については私どもがとやかく申し上げるところではございません。
 ただ、国の問題として、この点について、あるいは予算、制度として幼稚部のゼロ歳から三歳までの対応についてどうかということでお尋ねであるとすれば、それはむしろ特殊教育センターの方での仕事として努力すべきではないだろうか、こういうことを申し上げた次第でございます。

○石井(郁)委員 これは、現場にいる先生からすると効果が目に見えるわけです。三歳になるまでに早期教育を受けた子供と、放置というのは悪いですけれども、教育を受けずにきた子供とでは、三歳以降の教育がまるで違ってくるわけですね。そういうのを見ている側にとりましては、早期教育は何としても実現したい、それは当然のことですね。
 この点では私も実は見てきているのです。見事に教育の効果は違いますね。五歳児が曲を演奏してくれたのですけれども、三歳未満で教育を受けた子供と三歳から初めて教育を受けた子供とでは本当に全然違う、差が出ているのですね。ですから、教育というのはそういうことだと私は思うわけですけれども、そういう実践をしているところについて、国としてはそういう方向はそちらが今重点ではないというような言い方で、どう言ったらいいのでしょうか、そういう努力を無にするようなことは許されないと思うのですね。再度お願いしますけれども、教育相談のそういう実態、それからそういう教育の効果について文部省としてぜひとも把握していただきたい、ひとつそう思います。
 それから、既に先生方があるいは親と協力をしながら現実に三歳未満の教育を行っているわけですけれども、そういう点の補助制度、これは前百四回国会のそういう御答弁があるわけですから、何らかの補助制度がやはり考えられてしかるべきだ、既に地方自治体で補助制度が行われているという点からしても、国としても当然考えるべきだというように思います。そういう点で強く要望したいのですけれども、いかがですか。

○西崎政府委員 先生御指摘の二点でございますが、聾学校における幼稚部で、先生方が自分の本来の仕事以外にゼロ歳から三歳児までの父母なり本人なりについていろいろ御努力をされている、これはとうといことですし、効果も上がることですし、大変結構なことであるということは私どもは再々申し上げているところでございまして、そういう実情について悉皆調査ができるかどうかということについては個別の問題でございますから、私ども特殊教育に関するいろいろな会議もございますし、指導部課長会議もございますから、折に触れてそういう実情などは聞く機会もあろうかと思いますので、私どもも個別の問題として認識してまいりたいと思っております。
 第二点の制度の問題として補助をするかどうかという点は、文部省のポジションの問題としてはなかなか難しい問題があるということをお答えせざるを得ないわけでございまして、特殊教育センターの方につきましては補助制度を持っておりますし慫慂もしておるわけでございますし、医療、福祉、教育について三者一体になった特殊教育のセンターはより設置を奨励してまいりたい、それについては補助もしていくということは拡充してまいりたいと思っておりますので、そちらの面での努力は今後もなお続けてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

○石井(郁)委員 障害児教育のもう一つの問題は、今度は上の方に行きまして、後期中等教育の問題でございます。
 小中学校が義務教育化いたしまして、そこは問題は一応終わったわけですけれども、今は高等部に入学したいという要求が大変高まってきております。今、ここの問題が障害児教育、学校教育の一つの焦点になっているかというふうに思うのですけれども、初めに養護学校高等部への進学希望者数、また実際の入学者数、そういう点で数値がございましたら伺っておきたいと思います。

○西崎政府委員 先生御指摘の盲・聾養護学校全体の高等部への進学率でございますが、六十一年三月現在で申しますと、進学者が四千五百四十六人でございまして、卒業者が七千八百九十人でございますから、全国平均で申しますと五七・六%というふうな進学率になっております。
 この進学率は県別にかなり違います。これはあるいはもう御承知かと思いますけれども、私も今拾ってみたわけでございますが、二〇%台というのが八県ぐらいございます。それから七割を超えているところが八割ぐらいある。県によって大変ばらつきがあるというのが実情である、こういうふうに考えております。

○石井(郁)委員 盲・聾の方は九〇%、かなり高い率だと思いますけれども、特に知恵おくれ、肢体不自由児の養護学校、そういうところの高等部の増設計画というものは文部省としてお持ちでしょうか。

○西崎政府委員 高等部の設置状況が県によってかなり違うことと、それから進学率が全国平均で五割台であるということの理由でございますけれども、私どもが考えますに、昭和五十四年に養護学校が義務化されて、養護学校義務化に伴う施設整備その他で、各都道府県が大変苦労したわけでございます。そういう点で、各都道府県の財政状況の問題として高等部の設置がなかなか進んでいない、国ももちろん補助はしておるわけでございますが、そういう問題が一つでございます。
 それからもう一つは、これは県によって考え方が若干異なるようでございますが、社会的自立が可能な中度、軽度の障害の生徒を高等部に受け入れる、そういう考え方でそれに必要な高等部はつくる、こういう考え方の県があるのでございます。片や、いや希望する者であれば重度の者も含めてほとんど受け入れられるように高等部をつくるという考え方の都道府県もあるわけでございまして、高等部について、それを受け入れる障害の程度について各都道府県の考え方が若干異なっておるというのが従来の経緯としてもあるのではないかと思うわけでございます。主として財政事情の問題と、受け入れ生徒の障害の程度の判断の問題、こういうことでございまして、しかしいろいろな理由はあるわけではございますけれども、私どもとしては養護学校における高等部がこのように各県でばらばらであるということでは困るわけでございまして、これは助成の問題としても対応できるように予算措置を講じてまいるわけでありますが、これからの高等部の設置の促進については、文部省の姿勢としても努力をしてまいりたいと考えております。

○石井(郁)委員 そういう各県のアンバランスの問題が今出されておりますけれども、その一つの特徴の点で、これも私の大阪の問題を申し上げたいと思うのです。
 文部省は御存じだと思いますが、非常に高等部への進学者が多うございまして、学校が今過密状態になっているというのが特徴であります。そういう点で、この過密状態というのは本当にちょっと驚くぐらいの内容でして、例えば当初学校規模を二百人ぐらいで建てているのですね。それが今四百人受け入れているということで、施設、そしてまた教育の保障という点からしても、いろいろな点で問題になっているということが出されております。この点では、養護学校を分離してほしいという問題、あるいは高等部の増設という問題は基本的には設置者から要求が出ないと困るわけですけれども、文部省として、これもまた、こういう高等部の実態につきまして各県のことが出されましたけれども、とりわけ今問題になっている課題、過密の養護学校の問題ですね、そういう実態はつかまれていらっしゃるでしょうか。

○加戸政府委員 先生おっしゃいますように、確かに養護学校高等部の人数がだんだん伸びてきているという実態は状況把握いたしております。この問題につきましては、もちろん、先ほど初中局長答弁がございましたように、障害の程度、種類も違いますし、また地域の実態あるいは学校の実情等もそれぞれ異なるわけでございますけれども、特に大阪等におきましてはいわゆる高等部の人数がかなりふえているという状況にあります。全国的に見ますと、高等部の十学級以下のものが七三%で圧倒的多数でございますけれども、しかしながら、特に都市部等におきましては高等部の十一学級以上、極端な場合には三十学級というケースもあり得るところでございます。従来から、こういった養護学校高等部の過密化等に伴います地域の実態、実情に応じましてのいわゆる分離、新設ということにつきましては、私ども、都道府県におきます計画を把握いたしまして優先的に採択をする方向で進めているわけでございまして、例えば五十七年から六十一年までの五年間におきまして、養護学校だけの分離、新設四十六校に対しまして補助をしてまいった状況でございます。今後とも、各都道府県の実情を十分把握いたしまして、いわゆる適正な規模あるいは教育上の効果が上がるような方向への分離促進ということにつきましては、建築補助に関します限り最大限の努力をいたしたいと考えております。

○石井(郁)委員 ぜひそういう方向で今後とも取り組んでいただきたい、文部省に強くお願いをしておきます。
 以上で障害児問題は終わりまして、概算にも関係いたしますので、国立大学の授業料の問題をちょっとお尋ねします。
 先月末の新聞報道によりますと、六十四年度には大蔵省がまた文科系、理科系との授業料の格差をつけるという方向で検討を始めたということでございました。また授業料も三万から四万円アップするということの検討も始めているということが出されております。まずこの点で文部省はど
のようなお考えなのか、お聞きしたいと思います。

○阿部(充)政府委員 先般の新聞記事で国立大学の授業料の問題について取り上げられておりましたことは承知をいたしておりますけれども、もちろん財政当局等からは、正規のと申しますか、公式にも非公式にもこの問題についての申し入れは文部省としては受けておりません。
 いずれにいたしましても、この授業料の問題は大事な問題だと私ども思っておりますので、諸般の状況を総合的に勘案しながら、申し入れ等があった場合、今後のことでございますが、仮定の問題でございますけれども、いろいろな状況等を勘案しながら、また国立大学協会等とも相談しながらこれは特に慎重な対応が必要であろう、こう思っております。

○石井(郁)委員 慎重な対応というよりも、これは国立大学の基本的なあり方というかそういうものを、格差の導入という点では根本から崩すことになると思うのです。そういうことでこれは絶対に賛成できないということで、文部省としてはやはりそういう態度で臨むべきではないかと思うわけです。既に前国会でそのような御答弁もされていたと思うのですけれども、重ねて基本的な姿勢を伺っておきたいと思います。

○阿部(充)政府委員 仮定の問題についてお答えするのもいかがかと思いますけれども、御指摘のように、授業料の額そのものの問題と、それから学部別というような新しい仕組みをつくるかどうかという問題と、二つの問題が従来からあるわけでございます。特に後者の問題につきましては、かねてお答えしておりますように、国立大学のあり方あるいは使命、役割等とも関連してくる大変難しい問題だと私どもは思っておりますので、この点については我々としては従来からの方針で現在も考えているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。

○石井(郁)委員 授業料につきましても、この十年、入学金と授業科とが交互に上がってまいりま

○西崎政府委員 臨教審答申の趣旨は、先ほども申し上げたとおりでございますが、どのように具体的にその趣旨を取り扱うかということは臨教審はそれぞれ行政機関なりに任せておる、これは文部省の扱いになるわけでございます。
 そういう段階で物を申し上げますと、まず指導要領の問題としては、教育課程の問題として国旗・国歌の問題をさらに徹底して扱う、現在不十分であるという御指摘もあるわけでございますから、それをどういうふうに扱うかということは、現在教育課程審議会でも並行して審議が行われておるわけでございまして、その結果は十二月末の教育課程審議会の答申にも盛り込まれるやに私どもは予測をするわけでございます。
 その教育課程審議会の答申に基づきまして、私どもが来年の秋に幼稚園、小中学校、これは高等学校は翌年になりますが、指導要領をつくるわけでございますから、その段階で、教育課程における学習指導要領の問題として国旗・国歌をどのように取り扱うかということが決まる、こういうふうになるわけでございます。
 それから、先生御質疑の教科書はそれではどうなるかということでございますが、教科書は指導要領に基づいて編集・著作されるわけでございますので、来年でき上がります指導要領に基づいて教科書は編集されるということになりますので、指導要領に盛り込まれた適正な国旗・国歌の取り扱いに基づいて教科書が編集・著作されるという運びになるであろうというのが私どもの現在の見通してございます。

○石井(郁)委員 指導要領に位置づけられ、そして教科書にも登場してくるということが予測されるわけですが、今お尋ねしていますのは、そうなりますと、教育の場で君が代を国歌として強制をしていくのかどうか。強制というようなことが伴うのかどうかということについて一点伺っているわけですね。
 それから、関連しますのでもう一つですけれども、国歌君が代というものをどのように教えるのでしょうか、これはちょっと具体的にお尋ねしたいと思うのですね。大臣、例えば中学一年生に君が代を国歌として教える学校の教師はそういう立場に立たされるわけですから、大臣が教師だとしますと、どのように教えるのでしょうか。

○西崎政府委員 教育内容の問題でございますので、私どもからお答え申し上げます。
 国旗・国歌に関して学校教育で教えることが大切であるということについては、私どももかねがね文部省の立場として申し上げておるところでございまして、この点は若干先生と見解を異にするところであろうかと思うわけでございます。やはり日本国民としての自覚を児童生徒に持ってもらう、そして、日本国民としての自覚を持って国際社会でも信頼される国民でなければならぬ。そういう意味でいいますと、国旗・国歌というのは日本国のシンボルでございますし、それが制定法であるか慣習法であるか、従来からの国民に定着した一つの考え方として君が代、日の丸が国旗・国歌であるということは、私どもはもう当然のこととして前提にしておるわけでございまして、その点がちょっと先生と異なるところかもしれません。そういう意味から申しますと、君が代、日の丸を国歌・国旗としてそれぞれの発達段階に応じて小学生は小学生なりに、中学生は中学生なりに教える、これは私は必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 その点で申し上げますならば、今先生中学の例を申されましたが、現在、中学では学校行事のところには指導要領で載っておるわけでございますけれども、教科のところについては指導要領における扱いというものがない、この点などはどのように今後考えてまいるかというのが一つの課題なんでございますね。そういう点については、教育課程審議会なりの今後の御答申をいただきながら、私どもも考えてまいらねばならない点ではないか。では、現時点で文部省どう教えるのかということについては、若干個人的見解は差し控えさせていただかざるを得ないという次第でございます。

○石井(郁)委員 それではどういうことでしょうか。今の御答弁だと、文部省としての君が代の解釈というのを今持っておられないということなんでしょうか。君が代を国歌としてどう考えるかという話を私はしているのではないのです。今後国歌君が代を教科書や何かで教えていくということでございますね。あるいは指導要領にきちっと位置づけるということですから、それをどう教えるのですかということで大臣の御見解と文部省の御見解、中身そのものを尋ねているわけです。

○西崎政府委員 御質問の趣旨を十分理解しないでお答えした点は恐縮でございますが、要するに君が代は「千代に八千代に」という言葉の意味の問題としての御質疑でございましょうか。――そういう点でちょっとお答えさせていただきます。
 この点につきましては、やはり君が代の歌詞の問題として、私どもが現行憲法のもとで、日本国及び日本国民統合の象徴である天皇をいただく日本の繁栄を幾久しく願ったものとして理解すべきではないか、こんな考え方でございまして、君が代の歌詞の「君」という言葉についての御疑念がいろいろ先生おありかと思うわけでございますが、私どもとしては、日本国民統合の象徴である天皇をいただく日本の今後の繁栄というふうな意味で君が代の歌詞を理解すべきであろう。学校教育においても今後はこういうことで理解してまいる必要があろうというふうに思っておるわけでございます。

○石井(郁)委員 私のお尋ねしている意味がなかなか伝わらなかったようですけれども、実は君が代の解釈につきましては、戦前そしてまた戦後も教科書にきちんと説明が載せられているという点では、尋常小学の修身書というのがございますね。一九三七年に発行されているものですけれども、この中に実は戦前でも初めて解釈が載せられているのです。
 そこでは、「「君が代」の歌は、「我が天皇陛下のお治めになる此の御代は、千年も万年も、いや、いつまでもいつまでも続いてお栄えになるやうに。」」こういう歌ですという説明がございますね。
 一つは、この「君」は明らかに天皇陛下だということですが、この戦前の解釈を文部省は否定されるのでしょうか。

○西崎政府委員 先生御指摘の解釈は、国定修身教科書、尋常小学校修身書巻の四、昭和十二年という教科書に載っておる内容であろうというふうに思うわけでございます。
 私ども国旗・国歌ということを現在の児童生徒に教える場合には、現新憲法下における日本国というものを考えるのが当然でございまして、その現在の新憲法下における日本の国民統合の象徴である天皇、君というふうなものが君が代の内容として考えられるべきであろう。したがいまして、今先生のおっしゃいましたかつての昭和十二年の教科書に載っている解釈は私どもはとらないところでございます。

○石井(郁)委員 内容を大変論議しなくてはいけないのですけれども、時間がありませんので最後に二つ伺っておきたいと思うのです。
 その前に、今象徴天皇としての「君」という解釈が政府の公式見解としていろいろなところで出されておるわけですけれども、私どもはそれは余りにも単純な君が代の説明ではないかと思うのですね。象徴天皇の「君」を「君」として歌っているから憲法に反しないというのなら、これは全然説明にはならないと思うわけですね。つまり象徴天皇として書いたとしても、憲法第一条にあるわけですけれども、この憲法の精神は言うまでもなく国民主権、主権在民の精神ですね。そういう精神を憲法がうたっているのでありまして、その精神からすると、この「君」を天皇としたのでは矛盾するわけですね。その点が大きな前提となります。
 時間がありませんので、最後に私は二つだけ問題提起として質問をし、お答えもいただきたいのですが、私がこの君が代問題で懸念をするのは二
点あります。
 一つは、戦前の経過を振り返ってわかりますように、学校教育の中で君が代を国歌として儀式そのほかで斉唱を義務づけてきました。このことが戦前の国家主義に連なり、そしてあの侵略戦争へ行ったという経過は、これは研究者はどなたもそう指摘されるところだと思うわけです。つまり、教育の中で何よりも国歌としての扱いが、法的根拠のない国歌を国歌として強制してきたということが一つです。私はそういう点で、学校あるいは教育を政治の道具にしてはならないと考えています。
 その点で、この夏の中曽根首相の軽井沢セミナーの発言がまた大変重大だと思うのです。国家としてのまとまりを教育において教えていく、それには国旗や国歌が大事だ、その国家のまとまりのシンボルとして天皇があるという発言がございます。これはまさに戦前に教育の面で行ってきたことと同じ繰り返してはないだろうか。最初に申し上げました戦前の過ちを二度繰り返す、この道を歩んでいるのではないかということが第一点です。
 もう一つの問題は、国歌を歌うかどうかという問題を強制できるかどうかということです。その点では、これは大臣もたびたびおっしゃっておりますように、国を愛するとか国歌を歌うというのは自然の感情であるべきだということがございますように、これは自然の内面的な感情に基づくものでなければならないと思います。そういう点で、国歌を強制するというのは、これも憲法に出ておりますように思想、良心の自由、信教の自由にかかわる問題でありますし、それにまさに反する問題だというふうにとらえざるを得ません。
 この二点について、最後に大臣の御所見と政府の御見解を伺っておきたいと思います。

○塩川国務大臣 第一点のあなたのおっしゃる国旗・国歌が軍国主義へ駆り出したというのは、話が逆さまだと思うのですよ。そうじゃなくて、軍国主義者が――確かに私は一時期、軍国主義者がおったと思いますが、その軍国主義者が逆に国旗・国歌をそのように悪用していった。だから、私はこれは悪用させてはいかぬと思うのです。
 しかしながら、国旗・国歌に対する国民の気持ちというものはもっと純粋なものだと思うのです。だって、皆さんがもし外国へ行かれて日の丸の旗、国旗が立っておったら、やはりそこへさっと走りますよ。あなただってそうだと思うのですよ。それはみんな同じだと思うのです。純粋な気持ちなんです。やはり国の象徴としての国旗なんですから、私はそれはやはり国民の自然な発露だと思うのです。
 それから国歌にしても、今歌うな、歌うなということを一部の学校で言っているものですから、それで歌っていいのか、歌って悪いのか迷っている子供が随分あります。ですから、私が一緒に歌ったらついて歌っているのがたくさんいます。それは何も国家主義運動の一つとして歌っているのではなくして、やはり一つの儀式で、何か自分から同一の民族であり同一の国民であるという意識、同一感をとるという意味で言っているのであって、私はそんなに難しく考える必要はないと思います。
 それから、よく、どないして教えるんだ、さっきあなたはおっしゃいましたが、これは簡単で、日の丸の旗を持ってきて、これが日本の国旗だよということを教えていけば自然に小さい子供はなじんできます。それは心配ないと思います。国歌にいたしましても、何か行事のあるときはこれを歌うんだなということから教えていけば、だんだんとそういうものになじんでいく。そんなに難しいことではない。
 要するに、反対せんがために反対しているから、これで国旗・国歌というものが現在変な格好になってしまったのです。ずっと日本の国というものは連綿と続いておるのですから、純粋にこれを続けておれば何の問題もなかった、こう私は思っております。

○石井(郁)委員 二点目の答弁がございませんので、ちょっとお願いします。

○塩川国務大臣 思想、信条の強制ということにはならない。私は、国民がみんなそれを尊重しようというものを尊重するんですから、別に賛成、反対と言う者、それは一部、あなた方は反対しておられることはありますけれども、しかし大部分の国民はこれでコンセンサスができておるのです。これを別に強制ということにもならぬと私は思うのです。

○石井(郁)委員 以上で終わります。


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