108-衆-文教委員会-1号
1987年03月25日
石井郁子議員 質問部分 採決部分 会議録


昭和六十二年三月二十五日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛治  清君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      佐藤 敬治君    沢藤礼次郎君
      中西 績介君    馬場  昇君
      有島 重武君    井上 和久君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総務審議官    川村 恒明君
        文部大臣官房会計課長     野崎  弘君
        文部省初等中等教育局長    西崎 清久君
        文部省高等教育局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際局長      植木  浩君
 委員外の出席者
        文教委員会調査室長      高木 高明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
     ――――◇―――――

○愛知委員長 次に、内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。塩川文部大臣。
    ―――――――――――――
 国立学校設置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

○塩川国務大臣 このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国立大学の学部の設置、国立短期大学の新設等について規定しているものであります。
 まず第一は、学部の設置についてであります。
 これは、福島大学に行政社会学部を、三重大学に同大学の農学部及び水産学部を統合して生物資源学部をそれぞれ設置し、それらの大学の教育研究体制の整備を図るものであります。
 なお、これらの新学部は、本年十月一日に設置し、昭和六十三年度から学生を入学させることとしております。
 第二は、国立短期大学の新設等についてであります。
 これは、筑波研究学園都市に視覚障害者及び聴覚障害者を対象とする高等教育機関として筑波技術短期大学を新設するとともに、徳島大学に同大学医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することとし、また、電気通信大学に併設されている短期大学部については、これを廃止し、同大学電気通信学部に統合しようとするものであります。
 なお、筑波技術短期大学及び徳島大学医療技術短期大学部は、本年十月一日に開学し、筑波技術短期大学については昭和六十五年四月から、徳島大学医療技術短期大学部については昭和六十三年四月からそれぞれ学生を入学させることとし、電気通信大学短期大学部については昭和六十三年度から学生募集を停止し、昭和六十四年度限りで廃止することを予定しております。
 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を定めることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。

○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

○愛知委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。

    ―――――――――――――

○愛知委員長 石井郁子君。

○石井(郁)委員 法案の質問に入る前に、ちょうどこの時期に緊急を要する問題があると思いますので、伺っておきたいと思います。
 一つは、国鉄職員の子弟の高校転入学の問題についてであります。国鉄新会社への移行が進められておりますが、その人事異動もいろいろ広域にわたって進められており、そのために高校転入学問題が相当深刻だと思います。文部省はこの実態をどうつかまれておりますか。また、その対応を何らか考えておられますかどうか、伺いたいと思います。

○西崎政府委員 御指摘の国鉄改革に伴う子弟の高校転入の問題でございますが、これはやはり先生御指摘のように大きな問題でございまして、昨年の七月の段階で私どもの方から、局長通知で各都道府県教育委員会に対して、国鉄改革に伴う広域異動の高校転入については十分な配慮をするようにというふうな通知を出しまして、高校の転入学の許可自体は高校長の権限、責任でございますので、各県教育委員会から高等学校長へ指導するようにというふうな手当てをしておるわけでございます。
 実態の点でございますが、昨年の二学期の転入学につきましては八十六人の転入学の希望者がありまして、転入学の合格者は八十人でございました。それから、ついせんだっての三学期の転入学につきましては、二十五人の受験者に対しまして合格者は二十三人ということでございます。
 今後の課題といたしましては、この四月の時期の転入学がございます。さらに、北海道等で採用ができなかった方々等がまた東京の方へ新たに採用されるというふうな事態で今後異動が続くわけでございますので、なお私どもとしては対処については十分配慮してまいりたいというふうに考えております。

○石井(郁)委員 言うまでもなく、国鉄改革は国の施策として行われているものでありますから、高校教育を子供たちに保障するというのは当然のことだと思いますので、引き続き文部省の努力をしていただきたいと思います。やはり各教育委員会にもっと指導を強化していただきたいということを申し上げたいと思います。
 二つ目の問題は、先ほど来審議されております大学入試なんですけれども、今年度の入試が受験生に大変混乱を来し、また父母の経費負担も非常に大きいということで、社会的な問題になっているわけですが、今定員割れが進み、また二次募集を行い、四月に入ってそういう定員を埋めるというようなことが各大学で出てくるということが予想されているわけですけれども、私立大学に受かり、そして授業料も振り込まなければいけないというふうなことで、父母の方でも大変な負担になっているということが言われているわけであります。そういう問題が一つあります。
 それから足切りの問題ですね。先ほど大臣からの御答弁もありましたけれども、もう一つはっきりしませんでした。今後足切りというのをやはりしない方向でいくのか、それともやむを得ないということで進むのか、文部省は検討されるということですけれども、もう少しはっきりした答弁をお願いしたいと思います。足切りそのものにつきましては、共通一次の導入のときからも、本来すべきでないというのがほぼ大学関係者の意向だったというふうに私は理解しているのですけれども、共通一次導入の理念からしても、やはり足切りはすべきでないという方向をもっと強く出すべきではないかという点で、再度大臣の御答弁を伺いたいと思います。

○阿部政府委員 このたびの受験機会の複数化は、先ほど来お答えを申し上げておりますように、受験生の選択の機会を拡大をしよう、一校だけしか受験できないというのではなくて、複数のチャンスを認めようではないかという趣旨に出たものでございました。初めてのケースでもございましたこともございますし、大学側にも受験生の側にもいろいろな戸惑い等もあったことだろうと思います。そういう意味で幾つかの問題が出てきておることも事実だと思っております。
 足切りの問題でございますけれども、足切りそのものの是非ということからいえば、これは共通一次を始めましたときにも、できるだけ丁寧な入試をして受験者の能力を多角的に見るようにしようというようなことを基本に置いたという点からいえば、好ましくないということは当然のことだと思っております。ただ現実問題として、入試を実施する側から考えますと、各大学が二次試験についてできるだけ丁寧に面接をし、あるいは論文式の試験をし、いろいろなことをやるという場合に、非常に多量の何千人、何万人という受験生がいたのではどうにも処理がし切れないというようなたぐいのことがあることも事実でございまして、全くこれはやってはいけないというふうに言い切れない点があるということはひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、それにいたしましても、先ほども申し上げましたように足切りそのものはできるだけ少なくしていくということが大事なことだと思っております。今年度の経験にもかんがみましてまた国立大学協会の中でも種々検討が行われるものと思っておりますが、文部省としてもそういう方向での努力を国立大学協会及び各大学に促してまいりたい、かように考えております。

○石井(郁)委員 時間がありませんので、入試については以上でとめておきたいと思います。
 三つ目の問題は、今回の法改正案では出てきておりませんが、共同研究センター、国際日本文化研究センターについて、時間がありませんので、幾つかの点だけを指摘させていただきたいと思います。
 政省令で設置されようとしている富山、神戸、熊本三大学の共同研究センター、それから国際日本文化研究センターについては重大な問題があると思っております。今日、産学協同がさまざまな形態で進行しつつありますが、今回の共同研究センター構想は従来の単なる延長ではなく、一つは、財界と大企業の求める技術開発等に大学の研究が動員される仕組みが人的にも物的にも確立されることであり、また軍事利用の危険性を持っていることがあります。二つには、こうした研究の推進に当たって大学の自主的判断がないがしろにされる、つまり教授会の議を経ずにセンター独自の運営が可能となることなど、大学の自治、学問の自由の否定、公開の原則の否定に道を開くという問題を持っております。
 国際日本文化研究センターにつきましても、中曽根首相の軽井沢セミナーでの発言がありましたように、独特の思想に基づく日本学の研究、これ
が奨励されておりますように、特定のイデオロギーによる日本国民の思想動員をねらった反動的な拠点づくりの構想だと私どもは考えております。
 この二つのセンターにつきましては、今後質問で取り上げていくということで申し上げておきたいと思います。
 さて、法案に関連いたしまして、障害者の高等教育の保障、筑波技術短期大学設置の問題について伺います。
 一つは、先ほど来、障害者の高等教育保障につきましては、大学に門戸を開放する、一般大学での受け入れもあわせて行われていくということが言われておりますけれども、その現状につきましてもう少し明らかにしていただきたいと思うわけです。全国の大学で現在障害者に受験を認め配慮しているそういう大学、国公立、私立大学で何枚あるでしょうか、また最近の受験者数と入学者数がどのようになっているか、特に特徴的な点などについてお答えいただきたいと思います。

○阿部政府委員 障害者の受け入れにつきまして、文部省としては、先ほど来お答えを申し上げておりますように、一般の大学におきましても障害者の能力、適性に応じて健常者の場合と同等の高等教育進学の機会を与えてくれということで指導を申し上げておるわけでございますが、大学の中で自分の大学は障害者を受け入れないと決めているというようなところは、文部省としては聞いたことがないわけでございます。
 それから、最近の入学の状況でございますけれども、最近五カ年間のケースで申し上げますと、五十七年度の入試の場合に千九百六十五人の志願者がありまして五百四十七人が入学、五十八年度の場合は二千六百十四人の志願者で五百七十五人が入学、五十九年度は二千五百十七人が志願者で五百十七人が入学、六十年度は二千二百二十八人志願いたしまして四百二十三人が入学、六十一年度は二千百十五人志願いたしまして四百二十二人が入学している、こういうような状況でございます。

○石井(郁)委員 非常に受験者数はふえているというふうに思いますけれども、入学者数が必ずしもふえているとは言えないということがわかるように思うのです。そこで、実際に障害者を受け入れている大学の一覧といいますか、断ってはいないかもしれないけれども実際には受け入れていないというか、そういうものも含めて受け入れている大学が何枚で、どういう大学であるかということは資料として提出していただけるでしょうか。

○阿部政府委員 ただいまその資料を手元に持っておりませんので、必要でしたら後ほど電話ででも申し上げます。

○石井(郁)委員 それを見た上でのことでもありますが、障害者に対する受験機会の拡大という点では、まだ全国の大学がそれほど門戸を開放していないというふうにも言えると思いますし、また現実に入学者数が必ずしもふえていないという問題があると思うわけです。障害者の受験を保障する大学が必ずしもふえていないという問題、また現実に入学ができていないという問題の理由はどこら辺にあるというふうに文部省はお考えでしょうか。

○阿部政府委員 最近の状況、先ほど申し上げました数字を見ましても、一つの傾向をつかむのは難しいわけでございます。例えば先ほど申し上げた五十七年以降の五年間のケースを見ましても、五十八年度がいわば一番多い時期でございまして、受験者が二千六百人で入学者が五百七十五人というのが一番多かったわけでございますが、六十一年度では受験者そのものが二千百十五人というふうに五百人落ちておるわけでございます。そして合格者は四百二十二人で百人落ちたというようなことで、率的には同率あるいは若干いいぐらいの率で入学はしていると思いますけれども、ただ、こういった受験者層の変化あるいは入学者層の変化、千人前後という数でもございますので年によっていろいろな差があるのだろうと思いますが、その辺の状況というのはにわかにつかみがたいわけでございます。

○石井(郁)委員 いろいろ社会的な状況やそのほか大学の対応、さまざまな条件もあると思いますけれども、障害者を受け入れるという点では、大学の方では、入学後の勉学の保障などという点ではまだまだ責任が持てないという点で二の足を踏むということもあると思うわけです。
 その点で財政的な事情について伺いますけれども、受験の機会、受験そのものについての財政的な援助もあるわけですが、入学後の勉学の保障につきまして、例えば視覚障害などの場合には点字用のいろいろな保障が必要なわけですけれども、そういう点で文部省としてどういう対応をされてきたでしょうか。

○阿部政府委員 一般大学におきます身障者受け入れに伴う財政措置でございますけれども、文部省といたしましては、国立大学は国でございますのでもちろん丸抱えでいろいろやっておるわけでございますが、受験の段階で、点字による受験の必要がある場合の点字問題作成のための経費は相当の額が必要なものでございます。六十二年度予算案で現在お願いしておりますものでは、一千五百万円ほど全体としてお願いしております。また、入学後の学生の教育のための経費につきましても特別の予算措置を、一般学生並みの経費のほかにさらに上乗せして措置をしておりまして、六十二年度で二千五百万円ほどの経費を予定いたしております。また、施設設備等につきましては、それぞれ各大学からの要望に応じて必要な経費を配賦しております。例えばスロープをつくる、手すりをつくる、あるいは場合によってはエレベーターを設ける等々のこともございますし、オプタコンでございますとか点字図書の整備等いろいろなことがございますが、各大学の要望に応じて必要な予算措置を講じておるわけでございます。
 また、公立大学の場合につきましては、昭和五十二年度から身体障害者学生用の設備の整備費の助成措置を講じております。これは件数は比較的少ないので六十一年度予算では二百万円くらいでございますけれども、各大学の要望に応じてその金額をお配りすることにしております。
 また、私立大学の関係につきましては、私学助成の経常費助成の中で、特別補助ということで、身障者を受け入れている大学に対しては経常費助成の上乗せを行っております。これは実績しかございませんけれども、六十年度の実績では総額一億五千万円ほどの上乗せを行っているということで、文部省としては、国公私を通じてできるだけの努力を重ねているつもりでございます。

○石井(郁)委員 言うまでもありませんが、ことしは国際障害者年の折り返し点というか中間点でもありますので、私は、障害者の教育権の保障という点で、一般大学の受け入れについては文部省としてももっと力を入れていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 さて、法案の筑波技術短期大学ですけれども、現在一般大学に受け入れられている障害者は、障害者の中でもやはり軽度な障害者というところがあるのではないかと思うわけです。盲・聾学校からの進学は大変困難になっているということがあるように聞いております。そういう問題の解決の一つの方向が、今度の視覚障害者、聴覚障害者のこの短期大学をつくるということだというふうに思うわけですが、いろいろ議論もあるところでありますので、障害者の要望にこたえて高等教育保障を拡充していく契機にしていくという立場から、少し内容に立ち入って質問をしたいと思います。
 三年制の短期大学ということですけれども、先ほどの質問にもちょっとありましたが、高等教育としては四年制の大学という構想をなぜ最初からつくらなかったかという問題が一つです。それに関連して、現在出されている学科、聴覚障害関係は四つの学科、視覚障害関係は三つの学科ですけれども、この学科では非常に不十分ではないか。また、入学定員もそれぞれ十人ずつということで、二十人のところもありますけれども、九十人というのは非常に少ない。障害者の要望からする
と余りにも狭き門ではないかという点があると思います。この二つについてお答えいただきたいと思います。

○阿部政府委員 この大学は三年制の短期大学ということで構想したわけでございます。もちろんこの問題の検討に当たりましては四年制大学とするかどうかという課題もあったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、こういった障害者のための高等教育機関、大学というものを我が国でつくるのは全く初めての経験でございます。現実にカリキュラムや教育方法等についてそれぞれ開発しながら進めていかなければならないという、新しい分野を開拓するというたぐいの大変な事業でもございますし、特に教員の確保というような点を考えますと、こういうことを申し上げて適当かどうかはありますけれども、四年制大学の教員となりますと相当レベルの高い人でなければ設置審議会の審査を合格しないというような問題等もあるわけでございます。そういったような意味からいいますと、まずは短期大学でこれをつくっていく、充実した短期大学としてこれを設けていく、これを将来どうするかという問題は、またその運営の実態を見ながら検討する課題としてとっておこうというのが、いわばこの問題を検討した多くの方々の御意見であったわけでございまして、それに従って三年制の短期大学ということでスタートするということにさせていただいたわけでございます。
 また、学科の内容につきましてもいろいろと御議論がございまして、幾つかの案があったわけでございますけれども、これも一つには、そういう学科にどれだけの志願者があるかということもございますし、またもう一つには、その学科でどれだけ実際に障害者に対して適当な教育が可能かという問題もございます。卒業者の進路開拓というような問題等もございます。こういった点をいろいろ考え、議論を重ねた結果、まずは「内容」に掲げておりますような種類の学科でスタートをしようということにいたしました。人員についても、そういった現在の盲・聾学校の高等部の在学生や専攻科の在学生の状況やそういったようなたぐいのものをもろもろ考えながら、しかも少人数教育で、通常の大学が四十人ないし五十人の授業というのが普通でございますけれども、この大学は十人単位の少人数教育で徹底した教育をやろう、そういうことを通じながら新しい教育方法の開発もしていこうというようなことを考えております関係上、人員もそういう点等総合的に考えまして九十人という人数を定めたということでございます。

○石井(郁)委員 現状としてはそういうスタートという点では言えるかと思うのですが、将来構想としましてやはり四年制大学の構想とかあるいは学科の増、定員増というようなことについての、ちょっと今すぐは難しいかもしれませんけれども、その辺の文部省のお考え、再度ちょっとお聞きしておきたいと思います。

○阿部政府委員 現在のところは、現在この法案をお願いしておりまして、六十二年度に設置をして六十五年以降に学生を受け入れる、その間全力を挙げてその準備に突入するというようなことになるわけでございますので、せっかくのこの短期大学が円滑に成功するように最大限の努力を払うというのが私どもの最大の務めであろうと思っております。ただ、御指摘をいただきましたようにいろいろな課題があることも事実でございますので、そういった点につきましては、この大学の整備充実を進めながら、それと並行して個々の課題として検討は続けていかなければならない、こう思っております。

○石井(郁)委員 私どもは、将来的にはやはり四年制大学にとどまらず、先ほど来専門家の養成というかそういう教員の確保という問題も出されておりますけれども、そういう教員養成もできるような二年間くらいのマスターの設置、そういうことまで含めてやはり障害者の教育の拡充、そういう問題について考えていくべきだというふうに思っております。
 ちょっと時間がありませんので、次の問題に移らせていただきますが、福島大学、三重大学の学部創設、改組の法案に関連いたしまして、現在教員養成大学とか学部の整備が重要な問題とされておりますので、その点で伺いたいと思います。
 各大学ではいろいろな取り組みがされておると思いますけれども、大阪教育大学の例について先般、これは三月十七日の新聞報道では学部の改革案がまとまったということですが、文部省に届いていると思いますけれども、文部省として大阪教育大学の学部改革案についてどういう評価と受けとめをされておりますでしょうか、伺いたいと思います。

○塩川国務大臣 この大学は石井さんも関係しておられて非常に関心の深いことだと思うのですが、長年にわたりまして学内でいろいろな議論は検討されましたけれども、最近、評議会の議を経まして改革案を正式に提出してまいりました。私は率直に申して、時代の要請に沿い得る大学として脱皮しようという意欲が十分に感じられておりますし、その実現については我々も努力したいと思っております。

○石井(郁)委員 二点ばかり問題点として伺っておきたいのですが、今回大学の方で出された案は、定員は動かさずに四百人の新しい学科をつくるという案でございますけれども、一つは教員採用の問題で、現在確かに児童数が減っているということがあるのですけれども、過去に文部省は、教員が必要ならば大学にいろいろ学生定員を増加するようにという指導もあったと思いますし、少なくなればそれは減らすという点では、教員養成大学はいろいろそういうあおりを受けてきたわけです。これから先の教員の需要というか採用の問題は、一概に減少というだけじゃなくて、例えば今四十人学級がさらに三十五人学級あるいは三十人学級、私はこういうことが世界の教育改革の趨勢だと思いますけれども、そういう点と見合った教員の採用という問題について、今後の教員の需給について文部省のデータをもう少しお示しいただけたらと思います。

○阿部政府委員 先生御案内のように、児童生徒数が昭和六十三年度ピークで中学校も減少に転ずるというような状況になるわけでございますので、これからその傾向は七十年代のかなりのところまで続くだろうということが見込まれておるわけでございます。それに伴いまして教員の採用減ということが最近の傾向として既にかなり出てきておりまして、この傾向は、これから教員定数につきまして四十人学級の実施でございますとか、その他配置率の改善とか、いろいろな従来の計画を進め、あるいはその後の段階においてもある程度のことをやっていったにしても、なおかつ、減少の傾向というのは否めない状況ではなかろうかと思っておるわけでございまして、少なくとも現在の教員養成系の大学、学部の規模では、かなり就職が困難だということが見込まれるわけでございます。
 そういったようなことから、各大学におきましてもいろいろそれの改組、改革についての御検討がなされておるわけでございまして、今回の法案に盛り込まれております福島大学の行政社会学部の場合にも、教育学部から百名の学生定員を動かして新しい学部の一部にするというようなことも行われているわけでございまして、これは今後かなり長期的に、教員需給の逼迫という状況から見て、そういう方向はそれぞれ大学において逐次講じていくべき性格のことであろう、こう思っておる次第でございます。

○石井(郁)委員 文部省としては、四十人学級のままでずっとこれから先も教員定数を割り出していく、そういうことで理解していいんでしょうか。

○阿部政府委員 これは担当政府委員がおりませんので、私からのお答えとしてはやや不正確かもしれませんけれども、四十人学級計画が六十六年度までに完成ということを目途にしてこれまで進めてきておるわけでございます。これが今後どうなるかということはございますが、できる限り当
初予定どおりこれを完成するということを目指して現在努力が行われております。また、これが済んだ後も、臨教審答申等におきましては、さらに教員組織の整備を進めるべきだというような御指摘もいただいておりますので、いろいろな形での整備、工夫がこれからなされていくことになろうかと思いますが、それにいたしましても、教員需要をぐっと上向きにさせるというような影響にはならないだろうというのが私どもの現在の見方でございます。

○石井(郁)委員 もう一つの問題は、教員養成大学は課程制大学ですが、現在の改革案はそこに学科をつくるということでして、この課程制に学科を置くということについてはこれまで文部省はできないという立場だったと思うのですが、その辺は今回どのようにお考えになっていらっしゃるのか、またこの学科は将来学部への移行を含んでいると理解していいのかどうかという点で伺いたいと思います。

○阿部政府委員 大学設置基準に「学部には、専攻により学科を設ける。」という規定がございまして、そしてまた、それに対する特例規定といたしまして「学部の種類により学科を設けることが適当でないときは、これにかえて課程を設けることができる。」こういう規定があるわけでございまして、いわば学科というのは専門分野ごとに縦割りにしたようなものが学科であって、課程というのは小学校課程、中学校課程というような形で横割りにしたようなものが課程であるというのが従来からのおおむねの見方でございます。
 ただこれは、この条文の解釈としては、ある学部の中にそれが混在することは認めないという趣旨ではないというのが我々の従来からの解釈でございまして、具体の例から申し上げましても、例えば千葉大学の工学部には、もう既になくなりましたけれども、機械工学科等の学科と特設工学課程というのを併置していたというようなケースもございます。工業系ではそういうケースはしばしばあるわけでございます。また私立ても、ある女子大学の家政学部に家政学科と管理栄養士の養成課程を併置しているというようなケースもございますので、これが制度上できないというふうに解釈をし運用してきたというわけではないわけでございまして、今回の大阪教育大学のケースも制度上は問題はないと私どもは思っております。

○石井(郁)委員 時間が来ましたので、今後とも大学はいろいろな形で自主的な改革に努力をすると思いますけれども、自主的な改革を尊重して、大学の拡充のためにいろいろ努力いただきたいということを申し上げまして終わりたいと思います。ありがとうございました。

○愛知委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――

○愛知委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○愛知委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

○愛知委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、町村信孝君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。

○佐藤(徳)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、次の事項について特段の配慮を行うべきである。
 一 一般大学における身体障害者の受入れを促進するとともに、点字受験をはじめ、その諸条件を整備すること。
 二 身体障害者のための高等教育機関の整備に関しては、筑波技術短期大学の実績をみつつ、盲・聾学校高等部の専攻科について、短期大学、専修学校等適切な学校形態へ転換することを含め検討すること。
 三 高等教育に対する新たな時代の要請に基づき、学術の振興、教育・研究体制の推進を図るため、また、現在進行している大学進学希望者の急増対策として、大学の意向や社会の要請を考慮しつつ、必要な諸条件の整備に努めること。
 四 いわゆるオーバードクター問題とも関連して、大学等の研究員の増員、日本学術振興会の特別研究員制度の定員の拡大など、今後の学術研究体制に支障のないよう検討すること。
 五 国公立大学の入学試験については、その正常化のために最大の努力をすること。
 以上を含め、教育の重要性にかんがみ必要な財政措置を講ずること。
 右決議する。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げて、提案を終わります。

○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○愛知委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。塩川文部大臣。

○塩川国務大臣 ただいま御議決いただきました附帯決議に対しましては、その趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。


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