150-衆-青少年問題に関する特別委員会-2号
2000年11月09日
石井郁子議員 質問部分 会議録


平成十二年十一月九日(木曜日)
    午前九時六分開議
 出席委員
   委員長 青山 二三君
   理事 太田 誠一君 理事 馳   浩君
   理事 原田 義昭君 理事 水野 賢一君
   理事 城島 正光君 理事 水島 広子君
   理事 池坊 保子君 理事 樋高  剛君
      岩屋  毅君    岸田 文雄君
      小島 敏男君    古賀 正浩君
      後藤田正純君    田中眞紀子君
      林 省之介君    菱田 嘉明君
      平沢 勝栄君    福井  照君
      松島みどり君    三ッ林隆志君
      宮澤 洋一君    横内 正明君
      石毛えい子君    鎌田さゆり君
      田中  甲君    中川 正春君
      中津川博郷君    中山 義活君
      松本 剛明君    黄川田 徹君
      石井 郁子君    大森  猛君
      原  陽子君    谷本 龍哉君
      松浪健四郎君
    …………………………………
   政府参考人(内閣法制局第一部長)  阪田 雅裕君
   政府参考人(警察庁長官官房審議官) 上田 正文君
   政府参考人(総務庁青少年対策本部次長)           川口  雄君
   政府参考人(法務大臣官房審議官)  渡邉 一弘君
   政府参考人(文部省生涯学習局長)  崎谷 康文君
   政府参考人(文部省初等中等教育局長)            御手洗 康君
   政府参考人(文部省体育局長)    遠藤純一郎君
   政府参考人(厚生大臣官房審議官)  堺  宣道君
   政府参考人(厚生省医薬安全局監視指導課長)         白石 順一君
   政府参考人(厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   政府参考人(通商産業省機械情報産業局次長)         古田  肇君
   政府参考人(郵政省電気通信局長)  天野 定功君
   政府参考人(郵政省放送行政局長)  金澤  薫君
   衆議院調査局第三特別調査室長           飽田 賢一君

    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 青少年問題に関する件(有害環境について)

    午前九時六分開議
     ――――◇―――――

○青山委員長 これより会議を開きます。
 青少年問題に関する件、特に有害環境について調査を進めます。

    ―――――――――――――

○青山委員長 まず、政府参考人から順次説明を聴取いたします。総務庁青少年対策本部次長川口雄君。

○川口政府参考人 総務庁の青少年対策本部でございます。
 青少年を取り巻く社会環境につきましては、発展途上にある青少年に強い影響を及ぼしております。青少年の性または暴力に関する価値観に悪影響を及ぼし、性的な逸脱行為や残虐な行為を容認する風潮の助長につながる要因の一つは、青少年の健全な育成に有害な環境であると考えております。
 具体的には、性的感情を著しく刺激したり、粗暴性、残虐性を助長するおそれのある出版物、ビデオ、パソコンソフト、映画、広告物、放送番組など、享楽的な色彩の強いスナック、ディスコ、深夜飲食店、ゲームセンター、カラオケボックス等があり、これらは時には非行の誘因となることもあり、少年非行防止の対策上、憂慮すべき問題であります。
 総務庁では、政府の青少年行政の総合調整を行う立場から、総務事務次官を長とし、関係省庁の局長クラスが参加している青少年対策推進会議を設けておりますが、この青少年対策推進会議においては、政府における青少年行政施策の指針として、青少年育成推進要綱を申し合わせております。青少年を取り巻く有害環境の浄化につきましても、同要綱に基づき、対策の推進を図ることとしております。
 お手元の資料の一ページにありますように、「有害環境の浄化活動等の推進」として、
 青少年の育成に有害な環境の浄化を推進するため、関係業界に自主規制の成果がより国民の目に明らかになるよう一層の充実を促すとともに、PTA等による有害情報の実態についてのモニタリング調査等の支援、その結果を踏まえた関係業界等との意見交換の促進や、地域の住民、団体等による地域活動を促進するほか、青少年の有害情報への接触を阻止する仕組みについて検討する。インターネット上の有害情報についても情報流通の各段階における格付けを軸とした具体的措置、NPO等と連携した情報のモニタリング等具体的な対応策を検討する。
などとしております。
 これらの有害な社会環境については、青少年自身の意思とその判断による対応が基本となりますが、それと同時に、またそのためにも、最も身近における青少年を支える家庭や学校における指導、そして地域の人たちによる有害環境の浄化のための積極的な活動、関係業界等関係者の深い理解と協力が必要であります。
 このため、総務庁といたしましては、関係省庁等と連携しつつ、一番目に、関係業界の自主規制の促進、二番目に、住民の地域活動の促進、三番目に、法令による規制と取り締まりを中心とした対策を推進しております。
 関係業界への自主規制の促進につきましては、平成九年十一月二十五日に、コンビニエンスストアの団体に対し、条例により指定された有害図書類の十八歳未満の者に対する販売、提供の禁止などの周知徹底指導の要請を行っております。
 また、平成十年三月二十七日には、出版業界、ビデオ業界、各種ソフト業界、テレビ放送業界に対し、現在の自主規制の成果がより一層目に見えて明らかなものとなるよう、自主規制の充実の要請を行っております。
 また、平成十一年八月五日には、関係団体、関係機関等に対し、青少年問題審議会から提出された「青少年の自立と大人社会の責任」という答申の趣旨を踏まえた取り組みの充実の要請などを行っております。
 次に、二番目の、住民の地域活動の促進につきましては、総務庁で主催しております毎年七月の青少年の非行問題に取り組む全国強調月間、十一月の全国青少年健全育成強調月間の際に、実施要綱の重点の一つに、有害環境浄化活動の推進や地域主導の青少年健全育成活動の推進などを掲げて、関係団体等を初め全国都道府県に協力要請を行い、地域活動への取り組みを呼びかけております。
 さらに、社団法人青少年育成国民会議におきましても、有害環境浄化に関する調査研究や関係団体への啓発活動を行っております。
 三番目の、法令による規制につきましては、各都道府県の青少年保護育成条例につきまして、その規制状況や改正状況などの経過を必要に応じて連絡し、助言を行うなど、緊密に連携しております。
 各都道府県における青少年保護育成条例の規制の内容は、お手元の資料の二ページのとおりでございます。
 青少年に有害なものとして都道府県知事が個別に指定した映画、雑誌、ビデオ等の件数の推移は、資料の三ページのとおりでございます。
 なお、雑誌やビデオ等の個別指定の件数は減少傾向にありますが、これは、最近では、一定基準以上のものを自動的に指定するという包括指定方式をとる条例が多くなったためであります。
 以上、総務庁として、青少年を取り巻く社会環境の問題について進めている業務等について御説明申し上げました。
 今後とも、いろいろな御意見をちょうだいしながら、青少年の健全育成のため、有害環境の浄化を推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○青山委員長 次に、警察庁長官官房審議官上田正文君。

○上田政府参考人 少年を取り巻く有害な環境の浄化に対する警察の取り組みについて説明申し上げます。
 少年を取り巻く環境は、テレホンクラブ等の性を売り物にする営業の増加、インターネット等各種メディアによる性や暴力に関する有害情報のはんらん、カラオケボックス等不良行為を助長する深夜における娯楽施設の増加等に見られるように、年々悪化しており、最近における少年非行と犯罪被害の深刻化の背景の一つとなっております。
 警察としましては、関係機関、団体や地域住民の方々と連携をしまして、性を売り物とする営業に対する指導取り締まり、少年に対する有害情報のはんらんの抑止、少年による深夜の遊興や不良行為を助長する環境の浄化等の対策を推進しております。
 具体的には次のとおりであります。
 第一は、テレホンクラブ等の性を売り物とする営業に対する指導取り締まりであります。
 テレホンクラブ営業や性風俗特殊営業等の性を売り物とする営業は、女子少年の性の逸脱行為や犯罪被害のきっかけとなるおそれが大きいものでありまして、特にテレホンクラブ営業は、いわゆる援助交際と称する性の逸脱行為の温床となっております。
 平成十一年中、テレホンクラブ営業に係る福祉犯で検挙した人員は千百十三人であり、罪種別では、青少年保護育成条例(淫行等の禁止)違反が全体の約八〇%を占めているほか、児童福祉法違反、売春防止法違反等となっております。
 さらに、昨年十一月に施行されました児童買春、児童ポルノ法による児童買春事件の検挙状況は、本年一月から六月までの半年間を見ますと四百五十二件、二百八十五人でありまして、そのうちテレホンクラブ営業に係るものは二百七十七件、六一%、人員では百七十一名、六〇%となっております。要するに、全体の約六〇%を占めております。
 警察としましては、テレホンクラブ営業等について、テレホンクラブ営業規制条例等の関係法令を活用した指導取り締まりを徹底するとともに、テレホンクラブ営業等に係る福祉犯の取り締まりを徹底しております。さらに、関係機関、団体や地域住民の方と連携しまして、少年がテレホンクラブを利用することがないよう、非行防止座談会、非行防止大会等のあらゆる機会を通じて広報啓発活動を推進しております。
 第二は、少年に対する有害情報のはんらんの抑止であります。
 近年、性や暴力に関する過激な情報を含んだ雑誌、ビデオ、パソコンソフト等の有害図書類を少年が簡単に入手できる状況にあります。性や暴力に関する過激な情報のはんらんは少年非行の深刻化の一因とも考えられており、事実、格闘技ゲームのわざを試そうとした傷害事件や、アダルトビデオの影響を受けたと見られる性犯罪の発生も見られるところであります。これらの図書類のうち、都道府県の青少年保護育成条例に基づき有害図書類として指定されたものについては、青少年に対する販売等が禁止をされております。
 警察としましては、青少年保護育成条例により規制対象となっている有害図書類につきましては、条例を所管する関係機関や地域住民の方々と連携をして、関係業界の自主的措置の促進を図るとともに、個別の業者に対する指導の徹底や悪質な業者に対する取り締まりの強化を図っております。
 さらに、インターネット等の新たなメディアを通じて、違法薬物等の販売情報、性や暴力に関する成人向け情報等の有害情報に少年が容易にアクセスできる状況が急速に拡大しており、また、少年がインターネット等を利用して不正アクセス、詐欺等の非行を行う事案も発生をしております。
 警察としましては、インターネット等による有害情報等対策としまして、児童ポルノ、わいせつ図画等の禁制情報に対する取り締まりの強化、風営適正化法の円滑な施行、これは、映像送信型性風俗特殊営業者が十八歳未満の者を客とすることを禁止していること等、そういう規定の施行であります。そして、プロバイダーの自主的措置の促進等を推進しております。
 第三は、不良行為を助長する環境の浄化であります。
 カラオケボックス等の娯楽施設や深夜飲食店等においては、不良行為少年のたまり場となったり、飲酒、喫煙等の不良行為が行われるおそれが大きい状況にあります。さらに、コンビニエンスストアや自動販売機等により、少年が酒やたばこを容易に入手することができる状況となっております。
 警察としましては、風営適正化法、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法等に基づく指導取り締まりを徹底するとともに、深夜に少年を立ち入らせないこと、少年に酒やたばこを販売しないことなどの自主的措置の促進を図っております。
 最後に、少年を取り巻く有害環境にはさまざまな形態がありますが、今日の目まぐるしい時代の変化の中で、これらも刻々と変化をしております。警察としましては、関係機関、団体や地域住民の方々と緊密に連携をし、実態を把握しつつ、少年を取り巻く有害環境の浄化対策を今後も推進をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○青山委員長 次に、法務大臣官房審議官渡邉一弘君。

○渡邉政府参考人 法務省から御報告申し上げます。
 青少年を取り巻く有害環境に関しましては、法務省におきましては、本日お手元にパンフレットを配らせていただきましたが、「ふれあいのある明るい地域づくりへの参画」というパンフレットでございますが、このパンフレットに示されていますように、社会を明るくする運動を通じて啓発活動に努めております。また、検察当局におきましては、関係罰則を適正に運用し、青少年に対する有害行為等を処罰しているものと承知しており、青少年を取り巻く環境の浄化に努めているところであります。
 まず、関係罰則の適用状況について御説明申し上げます。
 御承知のように、刑法は、十三歳未満の女子を姦淫した場合には強姦罪、十三歳未満の男女に対してわいせつ行為をした場合には強制わいせつ罪として、それぞれ相手方の同意の有無にかかわりなく処罰することとし、また、わいせつな文書、図画その他のものを頒布、販売、公然陳列または販売目的で所持した者も、わいせつ物頒布罪等の罪で処罰することとしています。
 このうち、わいせつ文書頒布等につきましては、平成十一年におきまして、全国検察庁で七百四十三人を起訴しております。
 近時、インターネットの普及により、これを利用してわいせつ画像等を配信する行為が問題となっておりますが、例えば、ホストコンピューターのハードディスク等の記憶装置にわいせつ画像を記憶させ、インターネットを利用して不特定多数の者に対して右画像を閲覧させる行為は、刑法百七十五条のわいせつ物公然陳列罪の適用により処罰されることとなっております。
 次に、児童買春法は、昨年五月十八日に成立し、同年十一月一日から施行されておりますが、児童買春、その周旋、勧誘、児童ポルノの頒布、販売、業としての貸与、公然陳列、これらの目的での児童ポルノの製造、所持、運搬、輸入、輸出、児童買春等の目的での児童の人身売買等を処罰することとされております。
 同法施行以降、平成十二年三月までの間に、全国の検察庁で、児童買春またはその周旋により百六十三人を受理し、そのうち百二十人を起訴しております。同じ間に、児童ポルノの頒布等では、八十二人を受理し、そのうち六十二人を起訴しております。児童ポルノについても、わいせつ画像等と同様、インターネットを利用する行為が問題となっておりますが、同様に児童ポルノの公然陳列罪等が適用されることとなると思われます。
 同法の十二条一項は、「事件の捜査及び公判に職務上関係のある者は、その職務を行うに当たり、児童の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない。」と規定し、同条の二項は、「国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、児童の人権、特性等に関する理解を深めるための訓練及び啓発を行うよう努めるもの」と規定しております。
 これを受けて、法務省におきましては、検察官の各種研修や会議等の機会にこの規定の趣旨を周知徹底するよう努めており、検察官においても、児童からの事情聴取に当たり、児童の受けた心身への有害な影響やその精神状態等に十分配慮し、取り調べの時間や回数等、検察庁への来庁の際の送迎など、取り調べ担当者の選定などについて必要な配慮を払っているものと承知しております。
 第三に、児童福祉法は、児童の保護のための禁止行為を定め、児童に淫行させる行為など、児童に有害な影響を与える一定の行為を処罰しております。同法に言う児童とは十八歳未満の者をいいますが、一部の罰則は十五歳に満たない者を客体としております。児童福祉法違反については、平成十一年に全国の検察庁で二百四十一人を起訴しております。
 そのほか、風営適正化法は、風俗営業を営む者が十八歳未満の者に接客等をさせたり、このような者を客として立ち入らせる行為等を処罰しており、また労働基準法は、最低年齢違反、未成年者の労働契約違反、有害業務就業制限違反等の罰則を、職業安定法は、有害業務につかせる目的での労働者募集等の罰則を、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法は、親権者等が未成年者の飲酒、喫煙を知りつつ制止しなかった行為の罰則をそれぞれ設けております。
 これらの事件についても適正に罰則を運用しております。
 多くの地方公共団体では、青少年の健全な育成を図るため、これを阻害するおそれのある行為に対する罰則を条例で設けておりますが、その内容は地方公共団体により異なるものの、青少年に対する淫行、わいせつな行為、青少年の性的感情を著しく刺激し、その健康な育成を阻害するおそれのある有害図書類の青少年に対する販売等、有害図書類の自動販売機への収納等について罰則を設けられていることが多く、いわゆるテレホンクラブの営業について規制を設けている地方公共団体も、先ほど他省庁からも報告がありましたように、少なくはございません。平成十一年には、全国検察庁において、青少年保護育成条例違反により二千二人を起訴しております。
 少年による薬物犯罪を見ますと、その圧倒的多数を占めるのは毒物及び劇物取締法違反であり、次いで覚せい剤取締法違反であります。
 平成十一年度における少年の特別法犯の司法警察員からの送致人員総数に占める罪名別構成比を見ますと、毒物劇物取締法違反が六三・三%と最も高くなっており、次いで覚せい剤取締法違反が一一・九%を占めております。
 毒劇法違反による少年送致人員は平成三年以降減少が続いており、平成十一年の少年送致人員は五千二百七十九人となっております。一方、覚せい剤取締法違反による少年送致人員は、平成十一年、九百九十六人であります。
 このような薬物乱用事件の捜査処理につきましては、検察官において、犯罪事実はもとより、その少年の要保護性についても十分な捜査を遂げ、適切な処遇意見を付して家庭裁判所に送致するよう努めているものと承知しております。
 最後に、社会を明るくする運動について御説明申し上げます。
 法務省では、毎年七月を強調月間として全国で実施している社会を明るくする運動を主唱しております。この運動は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と、罪を犯した人たちや非行に陥った少年たちの更生について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせて犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする全国的な運動であり、「ふれあいと 対話が築く 明るい社会」という標語のもとに、効果的な運動を推進しております。
 この運動は、保護司会、更生保護婦人会、BBS会等を初めとする民間協力組織や関係諸機関、団体等の協力を得て全国的に実施しているものであります。
 社会を明るくする運動におきましては、地域における薬物乱用防止のための広報啓発活動の強化にも努めており、青少年の薬物乱用問題についても、これを取り上げた広報資料等を積極的に活用するなど、薬物乱用対策に対する国民の理解と協力を促しております。
 本年も、七月を社会を明るくする運動強調月間とし、犯罪や非行を防止するとともに、罪を犯した人や非行に陥った少年の更生を支え、触れ合いのある明るい町づくりに参画するを重点目標として、全国的に運動を展開したところでございます。
 以上でございます。

○青山委員長 次に、文部省生涯学習局長崎谷康文君。

○崎谷政府参考人 文部省におきます青少年を取り巻く有害環境への対策について御説明を申し上げます。
 資料に沿いまして御説明申し上げます。
 基本的な立場でございますが、メディア上の性、暴力に関する情報など青少年を取り巻く有害環境の問題につきましては、心身の発達途上にあり、判断力、責任感が未成熟な青少年に対する悪影響が懸念されるところでございます。
 こういう観点から、文部省として極めて憂慮すべき状況にあると認識をしております。メディア関係者等において適切な配慮が必要であると考えております。
 関係業界等への働きかけでございますが、平成十年に、人気テレビドラマの主人公をまねた子供によるナイフなどを使った凶悪事件が続きました。これを契機といたしまして、メディア上の有害情報を問題とする世論が高まったわけでございますが、この背景のもと、文部省では、平成十年の五月、放送業界、出版業界等の関係業界に対しまして、一層の自主規制を要請しております。
 特に、テレビ、ビデオの問題につきましては、平成十年の四月に、郵政省、通産省に対して、Vチップあるいは事前表示の導入等について、前向きで速やかな検討を行うように要請をしたところでございます。
 また、昨年、平成十一年十二月以降におきましては、文部省と経済同友会、日経連等々の経済団体との懇談会の場がございますが、そういう場において、文部大臣から各団体に対しまして、テレビ番組のスポンサーとなるに際しての格段の理解と協力を要請しておるところでございます。
 PTAが行うテレビのモニタリング調査に対する支援でございます。
 PTAあるいは地域住民による有害情報への取り組みを促進するという観点から、日本PTA全国協議会及び全国高等学校PTA連合会が平成十年度から三年間の計画でテレビ番組の全国モニタリング調査を実施しておりまして、これを文部省として支援をしているところでございます。
 なお、資料につけておりますが、PTAは、平成十二年三月から四月のモニタリング調査の結果に基づきまして、テレビ局に加えて、スポンサーに対する要請を行っているところでございます。
 この調査の結果、最も悪い評価を受けたテレビ番組「稲妻!ロンドンハーツ」の主要スポンサー数社に対して改善の要請を行ったところ、一部のスポンサーから、前向きに検討する旨の反応もあったところでございます。
 学校における取り組みの改善についてでございますが、従来から、学習指導、生徒指導を通じて、学校教育全体を通しまして、児童生徒の社会性、自律性を育成するとともに、道徳教育の充実を通しまして、社会生活上のルール、基本的なモラルなどの倫理観をはぐくんでおります。みずからを律し、他人を思いやる心を持つなどの、豊かな人間性、社会性の育成を図っているところであります。
 平成十四年度から完全学校週五日制の実施にあわせまして行われます新しい学習指導要領におきましては、情報教育の充実を図っております。中学校の技術・家庭科において情報とコンピューターを必修とするとともに、高等学校の教科に情報を新設し、必修としております。
 このようなことによりまして、子供たちが必要な情報を主体的に判断し、選択する能力、あるいは情報モラルの必要性や情報に対する責任について考える態度等を育成することとしております。
 家庭への働きかけでございます。
 乳幼児や小中学生を子に持つすべての親に、現在、家庭教育手帳、家庭教育ノートを配布しておりますが、テレビ、テレビゲーム、ビデオに関して、幾つかの呼びかけを含めております。
 まず、極端に暴力的な場面や露骨な性描写が盛り込まれたものは、親の判断で子供に見せないようにするような家庭でのルールをつくるということ、次に、子供によいと思われる番組を一緒に見るなどして、子供とのコミュニケーションを深めるということ、三番目には、屋内での遊びだけではなく、自然体験の活動などを通じて生命の大切さや自然環境への感謝の気持ちを教えていくというようなことを手帳、ノートに盛り込んでいるところでございます。
 また、資料にもございますが、平成十三年度概算要求におきましては、NPO等における取り組みを支援するため、海外の実践例を踏まえた我が国における取り組みを検討するための調査研究に係ります経費を要求しているところでございます。
 今後の方針でございますが、文部省としましては、青少年を取り巻く有害環境の問題について、メディアにおきます適切な対策が早期かつ確実に実施されますよう、保護者、教育関係者の意見を聞きながら、関係省庁、関係業界等への働きかけを引き続き積極的に行ってまいります。
 あわせて、当然のことでございますが、学校教育や社会教育における取り組みを積極的に推進し、家庭教育に対する支援を前向きに行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○青山委員長 次に、厚生省児童家庭局長真野章君。

○真野政府参考人 厚生省関係につきまして御説明を申し上げます。
 資料に沿って御説明をしたいと思います。
 まず、一ページをお開きいただきたいと思いますが、青少年育成推進要綱の中で、厚生省に関連する事項といたしましては、青少年の喫煙及び飲酒の防止、児童買春、児童ポルノに係ります児童の保護、青少年の薬物乱用対策、この三点でございます。
 まず初めに、未成年者の喫煙及び飲酒の防止についてでございますが、二ページをお開きいただきたいと思います。
 未成年者の喫煙や未成年者に対しますたばこの販売につきましては、未成年者喫煙禁止法によりまして禁止されておりますけれども、二ページにございますように、厚生省の平成十年度喫煙と健康問題に関する実態調査によりますと、未成年者の喫煙率は、男性で一九・〇%、女性で四・三%に上っております。
 こうした状況を踏まえまして、資料の三ページにございますが、厚生省では、本年三月に策定し公表いたしました、二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21の中で、未成年者の喫煙をなくすなどの目標を掲げて、未成年者の喫煙を防止するための取り組みを一層推進することといたしております。
 この一環といたしまして、本年の五月には、未成年者の喫煙防止をメーンテーマとしました、平成十二年度世界禁煙デー記念シンポジウムを開催し、さらには、インターネットなどによる、たばこの健康影響に関する正しい知識の普及啓発等の対策を講じております。
 また二ページにお戻りをいただきまして、未成年者の飲酒や未成年者に対する酒類の販売につきましては、未成年者飲酒禁止法により禁止されておりますが、その二ページにございますように、国立公衆衛生院の平成九年度調査によりますと、高校三年生男子の二人に一人が月に一、二回以上飲酒していると報告されております。
 こうした未成年者の飲酒は、精神的、身体的な影響が大きいことから、三ページにございますように、先ほど申し上げました、二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21においても、未成年者の飲酒をなくすなどの目標を掲げて、未成年者の飲酒防止のための取り組みを推進しております。
 この一環といたしまして、パンフレット、インターネット、シンポジウムなどによる未成年者及びその周囲の大人に対するアルコールの健康影響に関する正しい知識の普及を行うほか、都道府県等に設置されております保健所、精神保健福祉センターにおいて実施しております未成年者に対する正しい知識の普及及び相談指導などの総合的な対策を強化し、アルコール関連問題の予防に努めております。
 これらの施策は、酒類に係る社会的規制等関係省庁連絡協議会で決定をいたしました未成年者の飲酒防止等対策及び酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱においても取り上げられておりまして、今後は、同協議会の関係省庁と連絡をとりながら、未成年者の飲酒防止等の対策の充実に努めたいと思っております。
 続きまして、児童買春、児童ポルノに係る児童の保護についてでございます。
 四ページでございますが、昨年十一月から施行されましたこの児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律におきましては、児童買春、児童ポルノに係る行為を処罰する規定に加えまして、児童の保護に関するものといたしまして、第十四条で、国民の理解を深めるための教育、啓発、第十五条で、心身に有害な影響を受けた児童に対する相談、指導、一時保護、入所施設等の必要な保護の措置、第十六条で、調査研究の推進、保護を行う者の資質の向上、関係機関、民間団体との連携協力体制の整備などが規定されております。
 このため、厚生省におきましては、児童買春の相手方となったことや児童ポルノに描写されたことなどにより心身に有害な影響を受けた児童について適切な保護を実施できるよう、法律の施行に際しまして、各都道府県、各政令指定都市に対する通知を発出するとともに、関係機関及び関係団体への周知の徹底に努めております。
 当該通知の具体的な内容につきましては、四ページにございますように、児童の保護に当たっての総合的な診断や児童に対するカウンセリングなどの必要性、心理的療法が必要な場合における児童相談所、児童家庭支援センター等の活用、児童福祉施設へ入所している児童に対する適切な心理的治療の実施、それから、関係機関、関係団体との連携の強化、広報啓発や調査研究、研修の推進などでございます。
 なお、法律が施行となりました昨年十一月から今年三月までの間に、全国の児童相談所における児童買春、児童ポルノ禁止法関係の相談件数は九十件となっております。
 また、被害に遭った児童につきましては、必要に応じて児童養護施設などで保護を行うことになりますが、個々の児童の心身の状況に応じて、カウンセリングなどの心理療法により心的外傷をいやすことが重要であり、情緒障害児短期治療施設に医師、心理療法担当職員を必置としているほか、平成十一年度から、児童養護施設にも心理療法担当職員を配置することといたしております。
 さらに、平成十三年度、来年度の概算要求におきまして、児童養護施設に加えまして、乳児院、母子生活支援センターへの心理療法担当職員の配置や児童養護施設への心理療法室の整備などを要求しておりまして、児童福祉施設での保護の充実を図りたいと考えております。
 最後に、青少年の薬物乱用対策でございます。
 五ページでございますが、我が国におきます最近の薬物事犯は、第三次覚せい剤乱用期の深刻な状況が続いております。特に、青少年の間で薬物乱用に対する警戒感や抵抗感が薄れ、薬物乱用が拡大しているなど、大変憂慮すべき状況であると考えております。
 中高校生の覚せい剤事犯検挙状況を見ますと、平成十一年は延べ百五人でございましたが、ことしの一月から六月期と昨年の同期を比較いたしますと、三十七人から七十四人と倍近く検挙者がふえております。
 現在、政府の取り組みといたしましては、内閣総理大臣を本部長といたします薬物乱用対策推進本部におきまして、平成十年五月に薬物乱用防止五か年戦略を策定し、早期に第三次覚せい剤乱用期を終息させることを目標に、関係省庁の緊密な連携のもと、総合的な対策を実施しているところでございまして、厚生省におきましては、取り締まりの強化、啓発活動の充実、再乱用防止の推進、国際協力の推進など、総合的に取り組んでおります。
 特に、厚生省におきます青少年に対する薬物乱用対策といたしましては、学校教育の場における啓発の推進といたしまして、薬物乱用防止キャラバンカーの整備や麻薬取締官OBなどを活用した講演実施など、文部省が取り組んでおられます全国の中学、高校におきます薬物乱用防止教室開催への協力、支援を行っております。
 また、地域、家庭の場におきましては、全国的な啓発運動として、毎年、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動や麻薬・覚せい剤乱用防止運動を展開するほか、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターを活用した啓発活動を実施しております。
 このほか、各地区麻薬取締官事務所などで薬物に関する相談事業を実施いたしておりまして、青少年に対する薬物乱用防止対策を推進しているところでございます。
 以上、厚生省関係の御説明を申し上げました。

○青山委員長 次に、郵政省放送行政局長金澤薫君。

○金澤政府参考人 郵政省における青少年対策について御説明申し上げたいと思います。
 封筒に資料が入ってございますので、ごらんいただきたいと思います。
 まず、放送分野における青少年対策でございますが、放送法におきましては、放送事業者による自主自律というものを原則としております。放送番組準則を法律上定めておりまして、これに基づきまして放送事業者がみずから番組基準を策定いたしますとともに、放送番組審議機関を設置して番組の適正化を図るということを定めているところでございます。
 郵政省は放送事業者とさまざまな検討を行っておりますが、この検討に基づきまして、郵政省と民放連は、自主的な機関として、放送と青少年に関する委員会というものを設置いたしております。
 放送事業者が策定する番組基準でございますが、日本放送協会番組基準、日本民間放送連盟放送基準におきまして、それぞれ児童向け番組、児童及び青少年への配慮を規定しているところでございます。
 調査研究会の開催でございますが、平成十年五月から十二月まで、青少年と放送に関する調査研究会というものを開催いたしました。さらに、これを詳細に具体化いたしますために、専門家会合を開催したところでございます。この提言に基づきまして、放送事業者におきましては、第三者的な苦情処理機関として、四月に放送と青少年に関する委員会というものを設置したところでございます。
 次に、メディアリテラシーの向上に関する取り組みでございますが、平成十一年十一月から平成十二年六月まで、放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会というものを開催いたしました。現在、この提言を受けまして、メディアリテラシー教材の開発を実施しているところでございます。
 次に、衛星放送分野における青少年保護措置でございますけれども、これにつきましては、契約時における年齢確認などの一定の青少年保護措置を講ずることを認定の基準としたということでございます。CS放送では成人向け番組が存在いたしますので、このような形で処理しているところでございます。
 次に、四ページをごらんいただきたいと思いますが、インターネット上の違法有害情報対策についてお話し申し上げたいと思います。
 インターネット上を流通する違法有害情報の問題につきましては、郵政省といたしましては、業界団体による自主規制のガイドラインの策定、周知の支援、これに取り組んでいるところでございます。
 まず、テレコムサービス協会が、平成十年二月にインターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドラインというものを策定いたしました。
 このガイドラインにおきましては、違法有害情報が流通していることを知った場合には、ISPは情報発信をとめるよう発信者に要求することができます。それでも発信をとめない場合には、当該情報の削除の措置を講じる、繰り返し行われる場合には、発信者の利用停止、契約の解除を行うというふうなガイドラインを定めているところでございます。
 このガイドラインにつきましては、テレコムサービス協会がモデル契約約款を策定し、周知しているところでございます。
 さらに、有害情報のレーティング、フィルタリング技術も研究開発を進めているところでございます。
 今後の課題でございますが、こうした取り組みは一定の成果を上げておりますけれども、急速に進行するインターネットの普及に伴いまして、違法有害情報の流通をめぐるトラブルは、依然高度化、多様化の様相を呈しております。自主規制の実効性を高めるための施策が引き続き求められているところでございます。
 現在、インターネット上の情報流通の適正確保に関する研究会等におきまして、法制度の整備を含め、検討を進めているところでございます。
 検討項目の一つは、情報の媒介者としてのインターネット・サービス・プロバイダー等の責任範囲でございます。
 情報が違法有害情報かどうかという判断は非常に困難を伴う場合が多くて、ISP等の責任が問われるおそれがございます。このために、違法情報の媒介行為、削除行為等に関するISP等の責任を明確化するためのルールを整備する必要があるということで、法制度の整備を検討しているということでございます。
 それから、民事紛争における加害者特定のためのISP等の保有する発信者情報の開示でございます。
 通信には、通信の秘密が係っておりまして、匿名性通信の発生する余地があるわけですが、だれが相手かわからない違法情報について、発信者の氏名の開示をどのような場合に求めることができるのかということについて法制度の整備の必要があるということでございます。
 それから、コンテンツ提供事業者の自主的な取り組みでございますが、コンテンツの提供事業者につきましても取り組みを支援してまいりたいというふうに思っております。
 最後に、レーティング、フィルタリングにつきまして、国際的な取り組みを踏まえつつ、普及の支援方策等の検討を進めたいというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。

○青山委員長 以上で政府参考人からの説明は終了いたしました。
    ―――――――――――――

○青山委員長 次に、石井郁子さん。

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 日本の子供たちが、性や暴力シーンという、むき出しの、本当に悪質な描写にさらされている、そして無防備な状態にあるという点では、私もそうですが、多くの皆さんが胸を痛めておられるわけであります。
 私ども日本共産党としましても、今、子供と教育をめぐる危機的な状況が進行していることの一つに、文化の問題、子供たちを有害な情報から守るという点で、文化の面での社会としての自主的なルールづくりというのが求められているんじゃないかというふうに考えてきたところであります。
 きょう各省庁から御説明いただきまして、それぞれ省庁としても、そういう認識のもとにいろいろな姿勢を示され、また一定の取り組みをされているということを伺いましたが、同時に、今の事態というのは本当に憂慮すべき事態だということが強調されたように思うんですね。その点でも、私はきょう、この問題での対応というか取り組みというのが急がれるということを、認識を新たにいたしました。
 それで、諸外国でも、この性や暴力の問題でいいますと、やはり暴力事件というのをきっかけにして、社会的な世論が起こる、行政も動く、いろいろな団体が動くという形の取り組みが始まっているんですよね。相当長期にわたってこの問題の取り組みがあるということなわけであります。
 その一つの到達点として、私は、カナダの例が大変興味深いわけであります。
 カナダでは、CRTC、カナダ・ラジオ・テレビ・電気通信委員会が、ここは通信・放送行政を担当する独立行政委員会なんですけれども、一九九六年にこういう文書を発表しているわけです。「カナダとテレビ暴力――協力と合意」、その文書では、テレビと暴力に関するアプローチで、放送業界の自主的なコード、まさに自主的な規制という問題でしょうけれども、それと番組評価システムというのが一〇%、Vチップが一〇%の効果で、残りの八〇%は市民の意識の覚せいとメディアリテラシーにあるということであります。それで、この報告書を作成した行政当局が、テレビと暴力の問題を解決する大部分の力というのは、上からの規制ではなくて市民の側にあるというふうに言っているんです。私は、こういうふうな結論を九六年に言えたというのは、八〇年代から始まって九〇年代を通して、各界挙げて議論を進めてきた中での一つの到達点だというふうに思うんです。
 カナダの場合、放送業界、研究者、教育者、子供の精神科医、専門家、親、連邦政府、そういう関係者の対話と共同というのが本当にいろいろな形で進められてきたということが言われているわけであります。こういうことを参考にしながら、私たち日本でもいろいろなことをやっていきたいということをまず最初に申し上げておきます。
 私は、そうした世論を喚起するという上で、まず調査研究というのが大変重要だというふうに考えるんですね。この点でも、もう既に午前中から審議もございましたし、いろいろ各委員が触れておられますけれども、改めて私も一つ二つ尋ねておきたいというふうに思います。
 総務庁の、青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究報告書、平成十一年の九月ですが、これをいただいたときに、日本では初めてのものだと聞いて、私も改めて、やはり今始まったばかりかというふうに思ったのです。
 これは、先ほど来いろいろ御紹介されていますけれども、テレビの格闘技というのがありますね、あるいはゲームの格闘技、それなどでは、やはり、ゲームセンターで毎日遊んでいる子供が非行とか問題行動に、より走っていくというか、そういう傾向が見られる、こうありますよね。それから、家庭でのテレビゲームでも、四時間以上見ているんですね。大体、四時間からデータをとらなきゃいけないというのも、やはり子供の世界にこういうことが相当入り込んでいるなというふうに私は思うんですけれども、そういう四時間見ている子供のうちの半分が非行、問題行動に走る、遊ばない子供というのは本当に低い数値だということが出ているわけですね。
 こうした調査研究は一つの大変大事な点だと思うんですが、アメリカの例で申しますと、アメリカでは、もう一九五〇年代からこうした取り組みがあると言われているわけです。私ども、その紹介の文書を幾つか見ましたけれども、七二年にも一定の調査結果がある。八二年も、国立精神衛生研究所の、「テレビと行動――十年間の科学的進歩と八〇年代に向けての課題」という形で、十年間の追跡調査をされて、報告書がある。九〇年代に入ったら、さらにそれが深められるということです。
 先ほど来、相関関係と因果関係ということが言われましたけれども、子供の攻撃的な行動、態度を招く重要な要因とか、あるいは心理状況にそれがどうかかわっているかというところまで入った研究というのは、やはりなかなか進んだものがあるなというふうに思うわけであります。
 そこで伺いますけれども、総務庁としてもこういう調査を始められた、今後も進めていくだろうと思うんですが、今後の計画として、どういう内容、あるいはどういう体制でこういう問題に取りかかるのかということについて伺っておきたいと思います。

○川口政府参考人 私どもの有害環境調査は平成四年ぐらいから始めておりますけれども、私どもが考えているいわゆる有害環境と思われるもの、中には、有害環境そのものでなくとも、使い方によっては有害になるというものもありますけれども、そういったことで、これは平成十年に行ったものでございますけれども、今後、有害と思われるようなもの等についても調査をやりたいというふうに思っております。
 それから、来年一月六日、中央省庁の再編によりまして総務庁の青少年行政の総合調整部門は内閣府に行くことになりますけれども、この有害調査につきましては、今後警察庁の方で行われることになると思います。
 いずれにしても、私ども青少年行政を担当する者としては、こういった有害環境がどういうふうに青少年の非行とかに及ぼすのか、そこは、今後ともしっかりやっていきたいと思っております。

○石井(郁)委員 午前中の御報告を伺っても、各省庁でそれぞれ、調査の方向というか、予算も計上していたりということを少し伺うことができましたけれども、何かやはり省庁別になっていますよね。子供の問題では本当に総合的な取り組みが要りますから、何かやはりそういう体制がとれないのかどうかということを非常に感じたところであります。
 それと、私申しましたのは、別に調査がなければ対策がとれないということじゃなくて、もう既に外国で、そういう結果に基づいての一定の行政の対応というか、いろいろな対策がとられているわけですから、これは同時並行なんですよね。午前中でも、外国の例はまだつかんでいないという話がありましたけれども、それはもう、すぐにもつかめる話です。だから、やはり世界的な到達点に立って日本でも進めるということ。ただ、私は、やはり日本の現状があると思うんですよ、ほかの国とも違う、今起こっている。その現状をしっかりつかむ、そういう調査が要るだろうというふうに思うんですね。そういう点で、ぜひこの問題、しっかりやってほしい。
 それから、先ほど御紹介しましたカナダの例も、やはり政府と議会のバックアップがあったからこそ大規模な調査ができたということが言われているんですよね。そういう意味での私ども国会の役割も大変大きいというふうにも思いますので、重ねてこの点での要望をしておきたいというふうに思います。
 それで、私は、きょうは主にメディアリテラシーについて少し聞いておきたいなというふうに思うんです。
 この点も、実はカナダが世界で初めて公教育の場にメディアリテラシーを制度化したと言われているわけで、一九八七年に導入され、既にいろいろな実践を積んでいるわけですね。
 それは、カナダのオンタリオ州というところの例なんですけれども、それをちょっと御紹介しながら、これから二十一世紀に向けて日本の学校教育の中でこの分野をどうされるのかなということをちょっと文部省に伺わなきゃいけないなと思っているわけです。
 というのは、先ほど郵政省のサイドでは、一定の、教材も開発されるとか放送が始まっているとかということを伺いました。しかし、文部省からはどうもそういう内容は聞こえてきませんので、伺っておきたいわけであります。
 そのカナダの例で申しますと、これは国語の授業で、あるアニメ映画を見ながら、勇敢でたくましいプリンスが出る、一方で、助けを求めるプリンセスが出てくる、こういうのを見ながら、これはちょっと一九三〇年代じゃないか、では、あなた方だったらどうするのか、こういう映画にはどんな価値観が反映されているのか、自分が映画をつくるんだったらどんなふうにつくるのかということを議論させる。実際にも何かそういう取り組みをされるんでしょうけれども、そういうことをするんですね。
 それから、もう一つ、ちょっとおもしろいのを御紹介するんですけれども、グローバル企業と大衆文化を教える授業の中で、まさにメディアリテラシーとして考えているんですが、子供たちの大好きなスポーツの有名メーカーのバスケットシューズがありますけれども、その原価は五ドル六十セントだ、ところが、市場では十倍の値段で売られる、それは、有名スポーツ選手を莫大な契約金で広告に起用しているんだ、一方で、このシューズの工場で働く途上国の女性労働者には一日一ドルも支払われていないというようなことを事実として出しながら、企業とメディアの結びつきだとか、それからまた大衆文化や消費社会をつくり上げている仕組みなどがここで解説され、子供たちが考える。つまり、ここでは、メディアがどういう役割をしているのかということを考えさせていくというような授業をしているわけですね。
 ちょっとそういう一例を御紹介しましたけれども、それで、一体日本では、こういうメディアの問題を学校教育の中ではどう位置づけられていらっしゃるのか、どう進めようとされていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。

○御手洗政府参考人 お答えいたします。
 我が国の学校教育におきましては、メディアリテラシーに関する取り組みにつきまして、単一の教科で系統的に教えるという形はとっておりません。
 しかしながら、国語の中では活字メディアを中心とした理解と表現、あるいは社会や公民といった教科ではテレビやラジオなどを含めたより広いメディアについての理解、さらには美術や音楽といった教科の中では映像、音声に関するメディアを扱った表現と、それぞれの教科の中で教科の目標と照らし合わせながら扱うこととしているわけでございます。とりわけ、中学校の技術・家庭科におきましては、コンピューターの基本的な操作とあわせまして、情報化社会におきます日常生活や社会への影響、こういったことを現在教えているところでございます。
 新しく平成十四年度から全面的に実施されます学習指導要領におきましては、中学校の情報の分野を全員が必ず必修として実習いたしますとともに、高等学校の普通科におきましても、平成十五年度からは、すべての高校生が必ず情報の教科を学習するということにしているわけでございまして、ここでは、コンピューターを使う基礎的な知識や技能の習得とあわせまして、誤った情報に惑わされることなく、必要な情報を主体的に収集し、判断し、創造し、みずからの情報として発信できる能力ということで、基礎的な技術や理解ということに加えまして、情報社会に参画するための情報モラルの必要性や情報に対する責任、こういった、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度、こういったものを含めまして、体系的に、情報化社会に対応する、情報を主体的に発信できる能力の育成ということを中心にして教育を行おうと考えているところでございます。

○石井(郁)委員 どうも、いろいろと言われて、もう一つ具体的なイメージがわいてこないんですね、残念ながら。それから、情報という言葉はありますけれども、今私が強調しているメディアリテラシー、そういう技能あるいは考え方というのはどうなのかと聞いているところがはっきりしないんですね。
 何度も紹介しますが、カナダの場合ですと、教師用の指導手引書というのが作成されていますし、そういう中では、幼稚園から高校生までの全教育課程で学習するというようなことが出されている。
 ここで言うメディアリテラシーですけれども、言うまでもないのですけれども、リテラシーというのは読み書き能力のことですから、メディアを通して分析、評価する、コミュニケーションをする基本的な力みたいなもののことなんでしょうけれども、アクセスするということを前提としながらそういうものを身につけることだというふうに思うんです。しかし、文部省に今御説明いただきましたけれども、やはり日本の学校教育の中では、なかなかまだそれがされていないという状況ですね。
 それから、中教審答申、これは、それこそこれから二〇〇二年度から実施される学習指導要領のもとになるものですけれども、中教審答申で、このメディアの問題でも、主として親と家庭の責任というのが強調されている、Vチップの導入などが提案されていますけれども、この報告書のどこを探しても、教育の場でメディアにどう接するのかとか、まさにメディアリテラシーという考え方は出ていないんじゃないですか。情報という言葉は出てきます、それはもう今まさに国会でも議論されているようなレベルでのことだと思うんですが、それはありますけれども、やはりリテラシー、読み書き能力ですから、そこのところがどうなのかという問題が、文部省、抜けているんじゃないですかということを言わなくちゃいけません。
 今度の学習指導要領というのは、二〇〇二年から始まって、今までどおりでいけばそれこそ十年間使われる。今一部には、学習指導要領十年は長過ぎる、もうどんどん変えるべきだという御意見も出ておりますけれども、やはり二十一世紀ということを考えたときに、本当に、これからメディア社会だという中では、文部省はもっと真剣にこの問題に取り組むという必要があるんじゃないでしょうか。

○御手洗政府参考人 メディアリテラシーをどのように理解するかということでございますが、例えば郵政省の研究会の報告書を見ましても、メディアを主体的に読み解く能力、あるいはメディアにアクセスし活用する能力、メディアを通じてコミュニケーションを創造する能力というような形で挙げられているわけでございます。
 私ども、情報教育の目標としての情報活用能力ということで挙げておりますのは、例えば情報活用の実践力ということで、情報手段を目的や課題に応じて適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集、判断、表現、処理、創造し、受け手の状況などを踏まえて発信、伝達できる能力、あるいは、社会に参画する態度と先ほど申し上げましたけれども、社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画する態度ということでございます。
 メディアリテラシー、これは一口で翻訳するというのは大変難しゅうございますけれども、基本的には、情報に対する主体的な判断、そして主体的な発信能力、こういった考え方をとっているわけでございますので、御指摘の、いわゆるメディアリテラシーに係る子供たちの能力の育成というものも、この情報教育の広がりの中で、私ども、それなりに十分身につけさせていくことができるものと考えているわけでございます。

○石井(郁)委員 先ほど郵政省の方は教材の開発も考えていらっしゃるということでしたから、かなり実践的ですね。文部省もどうですか、何かそういう教材開発的な、参考になるような、そういうものには取りかかりますか。

○御手洗政府参考人 例えば技術・家庭の教科書、あるいは新しく始まる情報の教科書では、当然、今申し上げたような目標に従いまして必要な教材が取り入れられるものと考えておりますし、現在も技術・家庭科の教科書等では、それなりの配慮をしながらこういった問題に十分取り組んでいるところでございます。
 また、各省庁あるいは団体等でさまざまなすぐれた教材が作成され、普及されるということになりますと、それはそれぞれ各学校現場の判断におきまして、適切な教材を教師が主体的、積極的に活用していくであろうと思いますので、私どもも、関係省庁の情報を十分受けとめながら、必要な情報提供等を現場にしてまいりたいと考えております。

○石井(郁)委員 時間が参りまして、郵政省にちょっと一点お伺いしておきたいというふうに思います。
 今、私は、むき出しの性や暴力シーンに子供たちをさらさないようにということで、そういう社会的な規律、自主的なルールというのをどうつくっていくかという立場で考えているのですが、そしてまたメディアリテラシーという、積極的にメディアにかかわっていく、それで、いいものを摂取していくという能力をつけなければいけないという点で申し上げたのです。
 私は、やはり今、悪質なもの、悪いものを規制する、どうやって排除するかということもありますが、よい文化、良質な番組というものをどうつくっていくかという、同時に両方要ると思うのですね。
 そういう点でいいますと、視聴者がもっと番組制作に参加する、あるいは子供自身が番組づくりに参加する、二十一世紀というのはそういう時代になっていくのではないかというふうに思うわけです。多チャンネル時代を迎えるわけですし、いろいろな形、いろいろなものがあると思うのですが、そういうことで、双方向で番組づくりというようなことが現実になるという時代を迎えるわけです。
 それで、ちょっと郵政省にお伺いしたいのですが、NHKでも民放でも、子供向けの番組を、それぞれ三時間枠をとってされるとか、そういうことがいろいろされておりますけれども、そういう番組に一層子供の声を、あるいは子供自身がその番組に参加するというようなことを考えておられるのかどうか、伺っておきたいというふうに考えます。

○金澤政府参考人 子供に良質な番組が提供されるためには、番組制作に積極的に子供の声を反映させるということが重要でございます。
 我が国におきましても、ここ数年、NHKや民放各社におきまして、子供を対象としたモニター制度や視聴者と制作者の意見交換会というものを開催いたしまして、青少年の声を番組制作に反映させる機会を設ける努力をしていると承知しているところでございます。
 また、子供のメディアリテラシーの涵養のためには、子供に番組づくりを経験させること、これが有効であるというふうに考えておりまして、NHKにおいては、子供自身がニュースを企画し、実際に制作、収録体験ができる、訓練の場でございますけれども、そういう場を提供しているということでございます。

○石井(郁)委員 終わります。どうもありがとうございました。


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