147-衆-文教委員会-3号
2000年02月24日
石井郁子議員 質問部分 会議録


平成十二年二月二十四日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 恒夫君
   理事 飯島 忠義君 理事 小川  元君
   理事 奥山 茂彦君 理事 栗原 裕康君
   理事 肥田美代子君 理事 藤村  修君
   理事 西  博義君 理事 松浪健四郎君
      岩下 栄一君    岩永 峯一君
      小此木八郎君    河村 建夫君
      倉成 正和君    小島 敏男君
      下村 博文君    平沢 勝栄君
      松永  光君    柳沢 伯夫君
      渡辺 博道君    田中  甲君
      松沢 成文君    山元  勉君
      池坊 保子君    旭道山和泰君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      濱田 健一君    粟屋 敏信君
    …………………………………
   文部大臣         中曽根弘文君
   文部政務次官       河村 建夫君
   文部政務次官       小此木八郎君
   政府参考人(文部省教育助成局長)  矢野 重典君
   政府参考人(厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   文教委員会専門員     岡村  豊君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件

    午前九時三十分開議
     ――――◇―――――

○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
    ―――――――――――――

○鈴木委員長 次に、石井郁子さん。

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 同僚議員の御質問と重なる点があるかと思いますが、幾つか質問させていただきます。
 まず初めに、文部大臣の所信表明で述べられました教育改革についてでございます。
 先ほどの質問でも、教育改革国民会議と中央教育審議会とはどう違うのか、何を議論されるのか等々の質疑があったかと思いますけれども、私も、大臣所信は十八日だったと思いますが、朝日新聞の記事を見てびっくりしたわけであります。朝日新聞の夕刊でしたけれども、そこでは、文部大臣が教育改革と教育基本法の見直しを並行して進めるという考えを示したという紹介、そして、教育基本法見直しを含めて教育のあり方を文部大臣が中教審に諮問することを正式に表明したというふうになっていたわけでございます。
 先ほど文部大臣は、正確ではなかったというお話でございましたけれども、私も所信表明を伺って、どうしてこう読めるのかというのは率直に思ったのです。国会あるいは政府のいろいろな流れの中でこういう読み取りもあったのかなというふうに思ったのですけれども、改めてお伺いをさせていただきます。
 文部大臣は、中央教育審議会に対して教育基本法見直しについて諮問されるのかどうか。それから、「近いうちに必要な議論をお願いする」というのがこの所信の中にございますけれども、その内容は一体何なのでしょうか。その諮問の内容を、この際お伺いをいたします。

○中曽根国務大臣 私の先日の所信の中の中央教育審議会の審議についての新聞報道をもとにした御質問でございました。
 委員もお読みいただければおわかりになりますように、私自身は、ここで述べておりますのは、教育改革について、中央教育審議会においても近いうちに必要な議論をお願いすることを考えております、そういうつもりで述べたわけでございまして、教育基本法についてここでの審議をお願いするというふうに述べたわけではございません。そういうことから、正確性に欠ける記事ではないか、そういうふうに思っております。
 教育改革国民会議の方は、けさからも、また予算委員会等でも御説明させていただいておりますけれども、総理が中心になりまして今後この会議を立ち上げるということでございまして、戦後五十年の日本の教育を総点検しながら、そしてこれからの教育の理念的なものを議論していただくと同時に、さまざまな教育の問題もあるわけでありますから、そういうものについても御議論をしていただくことになるのではないかと思っております。
 しかしその前に、幅広く国民の皆さん方の御意見をまず伺ってみて、国民の皆様方がどういう点に関心をお持ちでどういう御意見を持っているかということをよく伺った上で、参考にしてテーマを決めたいという総理のお考えもございます。
 教育の問題は、本当に奥行きも深いですし、幅も広いですし、一朝一夕に改革ができるものでもありません。そういう意味で、けさほどから先生方から、テーマはどういうものかとか、もうちょっと主体性を持ってやるべきであるとか、遅いではないか、まあそういう表現はございませんでしたけれども、多少そういうような感じの御意見もございました。
 私どもといたしましては、設置をしたらまずじっくりと御議論をしていただきたいと思っているわけでありまして、そのためにも、テーマやメンバー等についても国民の皆さんの御意見を伺いながらやっていきたい、そういうことでございます。
 中教審における審議事項につきましては、教育改革国民会議は総理が主体でつくるわけで、中教審の方は文部大臣諮問の機関でございますので、教育改革国民会議の動向を勘案しながら、これでの審議のテーマについては考えていきたい、そういうふうに思っているところでございます。

○石井(郁)委員 それでは確認をいたしますが、中教審では教育基本法の問題は議論をしない、あるいは見直しなどを諮問はしないということを確認できますね。
 これは当然、文部省の設置法に基づいて中教審が設置されるわけでして、やはり憲法、教育基本法のもとでの調査審議事項というふうになるわけですから、そもそもできるはずがないというふうに思いますから、今の御答弁は、中教審には教育基本法の見直しなどは諮問しないということで、まずよろしいですか。

○中曽根国務大臣 委員は教育基本法の見直しという言い方で御質問をされておられるわけでありますけれども、まず教育基本法についての議論が起こるかどうかということは現時点ではわかりませんけれども、こういうことも大切ではないかと私は申し上げているところでございます。
 それから中教審でのテーマということにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、教育改革国民会議で何を議論するかということを踏まえて中教審でのテーマを決めていくということでございます。したがいまして、現時点では、中教審においても今後どういうことを御議論いただくかということについては白紙であるわけでございます。

○石井(郁)委員 私は大変重大な発言だというふうに伺ったのですね。
 教育改革国民会議の方では教育基本法も含めて大いに国民的な議論をするし、して結構だという話かなと思っていましたら、その教育改革国民会議を受けて、中教審でも教育基本法についても議論することはあり得る、どうも今そういうお話ですよね。そういうことでいいですか。

○中曽根国務大臣 教育改革国民会議と中教審は別であります。しかし、同じ教育の問題を議論するわけですから、全く別々のことを議論するということでもないと思います。
 それから、このテーマにつきましては、現時点では、私、白紙でございますと申し上げたわけでありますけれども、いずれここの審議会で御審議いただくテーマについては検討をし、決定をしていかなければならないと思っております。
 なお、教育改革国民会議は大きなテーマを、あるいはこれから何になるかわかりませんが、議論いただくわけでありまして、その中でいろいろ議論された結果から、中央教育審議会あるいは別のところでさらに議論をしてもらうのが適当であるというようなことも出てくるかもしれません。そういう意味で、この中央教育審議会の審議のやり方というものにつきましてはまだここではっきりとどういうものと申し上げられない、そういうふうに申しているところでございます。

○石井(郁)委員 私が伺っていますのは、要するに教育基本法の問題を中教審が議論できるのかと聞いているのですよ。これはもう、教育基本法体制下でできている審議会ではないですか。文部省設置法のもとでできている審議会でしょう。そこでその教育基本法を見直すということはどういうことですか。自己矛盾も甚だしいでしょう。まさに法の逸脱ということにもつながるし、それはあり得ないのではないでしょうか。
 文部大臣がそういう認識であるということは、私は本当に驚きなんですね。大変重大だというふうに思うのですが、はっきりさせてください。教育基本法を中教審で議論されるのかされないのか、端的にお答えいただきたいと思います。

○中曽根国務大臣 議論するかどうかは、現時点ではわかりません。それから、教育基本法について中教審で議論はできないということはございません。
 ですから、先ほどから教育基本法についてお尋ねでありますけれども、教育改革の中の幅広い議論の中で教育基本法も議論が出てくるであろうというふうに申し上げたのでありますし、国民会議の中でそういう議論が出てくるのか出てこないのか、あるいは中央教育審議会でどういうテーマを扱うのか、現時点ではまだ白紙でありますと申し上げているところでございます。

○石井(郁)委員 国民的な議論として、あるいは国民の間で教育基本法について議論をするというのは、あり得ることだし、あっておかしくないわけですけれども、今、限定しているわけですね。文部省設置法のもとの中教審でこれをちゃんと議論にのせるというのは、本当に初めて伺う話ですよ。
 先ほど来、臨教審のときも問題になりましたけれども、ちょっと聞いてください、あのときも、文部大臣の答弁は、我が国の教育制度全般に通ずる基本理念だ、その原則を明示したものだ、だから臨教審も教育基本法の精神にのっとって設置されると、わざわざ教育基本法を入れましたよね。それはやはり、教育基本法をそういうものだというふうに認識をされ、位置づけているからじゃないですか。これは当時、八四年の森文部大臣の御答弁ですよ。
 ですから、この答弁と違いますよ。違うのですね。中曽根文部大臣は森文部大臣の答弁と明らかに違う答弁を今されたということです。教育基本法を中教審で見直しをするという御答弁として確認できるというのは、これは本当に今までの答弁を大きく踏み外すものですよ。いいのですか。

○中曽根国務大臣 先ほど臨教審と中教審の関係を申し上げましたのは、両方とも審議会でありますと。したがいまして、同じテーマの審議をする同じ審議会でございますから、臨教審開催の、三年間でございましたか、中教審の方は休止をしていたわけでございます。今回は、まだ国民会議の位置づけは決まっておりませんが、中教審の方は文部大臣の諮問により審議を行う機関でございまして、先ほどお話がありましたけれども、教育基本法についてもそこで議論してはいけないということはございません。
 ただ、私が白紙と申し上げましたのは、教育基本法そのものについて中教審に審議をお願いすることは、現時点では考えてはいないということであります。

○石井(郁)委員 私は、やはり文部大臣としては本当に、教育基本法を変えるつもりはないと、そういう立場で御答弁をされるべきだというふうに思うのですが、そういう御答弁できませんか。

○中曽根国務大臣 申しわけありません。もう一度御質問をお願いできますか。

○鈴木委員長 もう一度御質問をしてください。

○石井(郁)委員 文部大臣としての教育基本法に対する考えを伺っているわけです。

○中曽根国務大臣 教育基本法は昭和二十二年三月に制定されたものでありまして、いわば教育の憲法ともいうべき基本的なものを示したものでありまして、大変重要なものであります。その前文、第一条の目的の中におきましても、教育のあるべき方向性をしっかりと明示しておりまして、私は、この教育基本法の戦後の教育で果たしてきた役割は大変大きいと思っておりますし、そういう結果、教育水準も上がり、また世界の主導国にもなり、経済的にも発展してきたものと思っております。
 ただ、時代も、制定から五十数年たちまして、現場では、いじめの問題とか学級崩壊の問題とか校内暴力とか不登校とか、そういうさまざまな問題もありますし、それから、ちょうど時代の変わり目ということもあり、あるいは農業基本法や中小企業基本法や、また憲法まで今議論されているという時期でございますから、教育基本法についても幅広く議論していただくということは大切なことではないかと思っておるわけです。
 そして、さらに、いろいろな方々の御意見でもありますけれども、今の教育基本法の中には、日本の歴史とか文化とか道徳教育とか、そういうものに対する記述がないとか、あるいは今当たり前となっている男女共学、こういうものの規定が五条でわざわざ書いてあるわけでありますが、そういうような御意見がいろいろあるわけでございまして、私は、今の時代に合ったものかどうか、また、本当に日本人としての教育基本法となっているかどうか等、タブー視することなく御議論をいただくということは大変に大事なことである、そういうふうに思っております。

○石井(郁)委員 きょうは時間の関係上、教育基本法をどう見るとか、その内容についての議論には入れないわけでございますけれども、私は、本当にそういう大臣の認識については根本から異議を唱えたいというふうに思っているわけです。
 それと、言われましたように、現実に今、学級崩壊やいじめや暴力や、本当に痛ましいというか深刻な実態がいろいろございますけれども、この実態が教育基本法を変えるという理由には、私はどこにもならないというふうに思っているのです。むしろ、教育基本法の精神をきちんと守った教育行政がされてこなかった、そのことに問題があるというふうに私は思っておりますので、その辺はこれから大いに議論がされなければいけないことだというふうに思っていますが、そこはおいておきまして、次に、教育行政の具体の問題でお話をさせていただきます。
 まず、教職員の配置でございますけれども、先ほどもこれも出ていましたけれども、来年度予算、今審議中の予算でようやく教職員の配置改善の第六次計画が終了するわけですが、問題は、二〇〇一年度からこの計画をどうするのか。先ほども、概算までにはという話はちらっと出ておりましたけれども、文部省として、次期計画はどのように検討されているでしょうか。

○中曽根国務大臣 今後の学級編制、それから教職員配置のあり方などにつきましては、委員も御承知と思いますが、教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議、ここにおきまして、中教審の一昨年九月の提言内容を基本として、また諸外国の実情、実態等も参考としつつ、教職員配置と定数のあり方や、それから学級規模、また学習集団のあり方などについて検討を進めているところでございます。
 文部省といたしましては、この協力者会議の検討を含めて、今後新たな施策に着手できるよう準備を進めていきたいと考えているわけでございます。
 まだ一定の結論を得るには至っていないと承知をしておりまして、現時点でその報告等の時期等についてはここでは申し上げられない状況でありますけれども、平成十三年度、二〇〇一年における新しい政策並びにいろいろな政策ということを考えますと、遅くともこの夏の概算要求の時期前には一定の結論をいただかなくてはならない、そういうふうに思っているところでございます。

○石井(郁)委員 調査協力者会議はもうかれこれ二年近くになろうかと思うのですね。皆さん、いろいろ地方自治体も含め、関係者を含めて、やはりその報告結果を待っているというふうに思うのです。その報告が出されて、すぐ概算じゃないですか。だから、国民的にはその調査協力者会議がどういう報告になるのか、それについてのいろいろ意見もあるでしょう。そういう点では大変、概要を見せないという点では、どうも文部省はおかしいですよ。
 それから、調査協力者会議の議事録もインターネットにも入らないということで、全然見えないわけです、国民からすると。もう当然、次の計画を文部省はいつ発表するのか、出していいのじゃないかということになっておりますから、その辺はちょっと言っておきます、近く出すだろうということですが。
 その中に、少人数学級というのは、私は世界の流れだというふうに思うのですね。先ほどもちょっと質疑の中で出ておりましたけれども、文部省は一貫して教育効果があるのか疑問だという言い方をされているのですけれども、協力者会議の中でこういう少人数学級の教育効果については議論されているでしょうか。これは端的にお答えください。

○河村政務次官 当然、少人数学級の効果、また世界の、中教審等の答申でも、いわゆるヨーロッパ、欧州並みに近づけるように努力をという話も来ておりますし、ただ、前の有馬文部大臣の答弁の中にもありますように、それでは、例えば三十人学級にしたらすべて、効果は全部上がるものかということについては、いろいろ疑義を挟む専門家もいらっしゃるということであります。しかし、全体の流れはそういう方向にあるということは、私も、文部省の政務次官を拝命いたしまして特に強く感じておるわけであります。
 それに向けては、財政的基盤はどうあればいいのかとか、いろいろな具体的な検討をしなければいけない問題、特に第七次をどうするかというのは、これから財政再建路線も考えられるわけでありまして、非常に厳しい状況下にあるということも念頭に置きながら、願わくば、教育についてはシーリング枠がどうとかそういうことなしに、やはり教育はこれからの日本の国の将来を担う大きな投資であるという基本的な考え方に立ったもので、予算獲得等について文部省としては、私、大臣ともお話をしているのは、やはりこの際、大胆な計画を立てるときに来ているのではないかというふうに思っております。今、内部で、いろいろな検討を待って大臣と政治的な判断をしなければいけないのではないか、このように私は思っております。

○石井(郁)委員 今伺ったのは、協力者会議で教育効果についての調査や検討は、とりわけ調査ですね、調査としてされているのですかという質問なんです。答えはイエスかノーかで、もう、しているかしていないかだけで結構です、ちょっと時間がありません。

○矢野政府参考人 先生がおっしゃいますような、実践的な意味での調査は行っておりません。

○石井(郁)委員 私は、予想できたのですけれども、改めて本当に残念に思います。それでどうして少人数学級をやることがいいかどうかという結論を出せるのですか。やはり調査が先になければいけないですよ。
 その点で言いますと、私は、やはりアメリカはアメリカなりに努力しているところを非常に最近感じるのですよ。よく大統領の一般教書で教育問題に触れていて、教師の十万人計画だとか少人数制に踏み出すということで、三年続けて言われていますよね。その裏づけがやはり調査なんですよ。
 これはテネシー州の調査なんですが、もう十年にわたって、十五人のクラスと二十五人のクラスと、それから補助教員がついた、文部省がお好きのTTという二十五人のクラスと、三つに分けて、特に算数と国語でずっと調査をしているのですね。そうしたら、明らかに十五人学級では学力は上がると。まあアメリカはアメリカ独自の、非常に基礎学力を上げなきゃいけないという、ちょっと日本とは違った問題意識はありますけれども、しかし、やはりこういう調査をしている。それに基づいてやはり政治が物を言っている。やはりこういう立場に文部省が立たなければ、どこが立つわけですか。そういう意味で、私はぜひ、ちゃんとしたそういう調査に基づいて次の計画を立ててほしいということを強く申し上げておきたいと思います。
 それともう一点、この教職員の問題で、きょう、特殊教育諸学校の定数問題あるいは標準法の問題で質問をいたしたいと思うのですけれども、今、二つ以上の障害を持っている子供たち、あるいは重度の障害児、大変増加の方向にあるわけですね。知的障害と病弱だとか、あるいは多動をあわせ持つだとか、肢体不自由と病弱だとか、いろいろあるかというふうに思うのです。それで、この重複障害の子供たちへの教育というのは、これはこれとして本当に行政が手厚くやらなければいけないし、父母や教職員の皆さんも努力されていると思うのですが、実は、こういう問題が今あるのですね。
 特殊教育諸学校も単式学級を学級編制の基本としているのですが、例外として、重複度障害学級のみに複式学級、これは二つ以上の学年にまたがって生徒の合計数が三人以下の場合は一クラスにしてもいいということがあるのです。今、これは大阪で幾つかの学校であるのですけれども、例えば、学年に二人ずつであれば二学年で四人になるから、ここでは学年ごとでやると二つのクラスというふうになるのですけれども、それを全部どんぶり勘定にして、足しまして三で割る、一年から六年までというふうにするわけです。これは、大阪だけではなくて、全国的にもあるかもしれません。
 こうすると、明らかに学級数は、その標準法で計算したよりも下回るわけですよ。少なくなるのです。二つ、三つというふうに少なくなるのです。それで、教師の定数が出るということです。こういう標準法どおりでない学級編制がやはりあるという事実については、文部省は把握していますか。

○矢野政府参考人 お答えいたします。
 事実について把握をいたしておりまして、特殊教育諸学校における学級編制につきましては、先ほどお尋ねの重複学級に関しましては、二以上の学年で編制することができ、そうした複式編制の場合も含め、一学級三人以内で編制すること、また、それ以外の学級につきましては、学年ごとに六人以内で編制することが標準法上定められているところでございます。
 そこで、御指摘の大阪府におけるような重複学級の編制のあり方についてでございますが、これは一般的には、先ほど申し上げました標準法の内容、すなわち重複学級の学級編制は三人を超えないこと、また、その場合、二以上の学年で編制することができることという標準法の趣旨、内容に照らしまして、大阪府の編制の仕方は、これは私ども、都道府県の裁量の範囲内にある事柄であるというふうに考えているところでございます。

○石井(郁)委員 これは文部省の方も、学級編制を弾力的に運用できる、あるいは都道府県の範囲だということで見ているかというふうには思うのです。しかし、明らかに、その標準法どおりでやる計算と違うという部分と出てくるわけです。これは、障害児の関係者の方々は、こういう弾力的な運用というのは結局条件を下げるものにつながるという点で、やはり障害児も標準法を守って法のもとの平等を保障すべきだという考えが強く出ているわけですね。
 私はきょうはそういうことで言っておきますけれども、やはり都道府県が標準法を厳格に守る、あるいは、守って学級数、教員定数がそういう形で文部省に出されるということがあれば、文部省としては当然財政負担をするということは認めていいですね。それをちょっと短くお願いします。

○矢野政府参考人 そのとおりでございます。

○石井(郁)委員 いろいろな問題がありまして、ぜひその辺もよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 さて、あと最後の時間で、きょうはちょっとテーマをがらりと変えまして、国民体育大会、国体の問題で、経費、運営の問題を少しお尋ねをいたします。
 国民体育大会、五十五回目で、ことしが富山、再来年が高知ということで、先日冬季大会も終わったばかりなんですけれども、この国体は、文部省と日本体育協会、それから開催都道府県の三者が共催で開くということでずっと戦後持たれてきたかというふうに思うのです。
 しかし、ここ数年の間に、この存在意義、運営をめぐっていろいろ疑問の声も出されているわけでございます。これは一昨年、九八年に、高知県知事の橋本大二郎さん、今は何か知事の発言がいろいろ話題になる時期でございますけれども、国体が世界記録を競う場でない以上、地域のサイズに合わせた国体とすればいいという発言が、新聞紙上をちょっとにぎわわせました。
 それと前後して、九八年八月六日に国体開催地、開催内定地の県七県で、文部大臣、日本体育協会あてに要望書が出されているのですね。この七県は、神奈川、熊本、富山、宮城、高知、静岡、埼玉と、もう既に終わったところや今かかっているところもありますけれども、その要望の一つは、国体運営の簡素効率化に積極的かつ具体的に取り組むこと、二つ目が、国体の運営に対して共催者として応分の負担を行うことというものでございます。
 それで伺いたいのですけれども、その共催者の一つである都道府県から連名で要望書が出される、これは、国体の歴史上ちょっとなかったことじゃないでしょうか。文部省では、こういう要望が出てきたということをどう受けとめていらっしゃるでしょうか。

○河村政務次官 石井委員御指摘のとおり、要望書が出ております。国体の簡素化、またその応分の負担をということが主な点であります。国体がこれまでずっと開催されて五十年経過をいたしまして、いろいろな社会的な情勢も変わってきたわけであります。また、昨今の経済事情、東京都の例を見るまでもありませんが、各県の経済事情も非常に逼迫してきたということでこういう要望が出たものと、文部省としても受けとめておるわけでございます。
 現在、開催県、体育協会、そして文部省と、国体はこの三つの共同開催の形をとっておりますが、どうしても開催県にウエートがかかってきております。今、この三者の協議をやっておるところでございまして、この一つの方向を見て、文部省としての取り組みを考えていかなければならぬ、今、文部省の考え方はそういう立場に立っております。

○石井(郁)委員 どうも少しすっきりしないのです。やはり文部省と体協に対して開催県の方から要望が出ているわけですから、その協議会でいろいろ御協議されるということはあるかと思いますが、もう既にこの夏で二年になろうとするわけで、いつごろ文部省として、あるいは体育協会として回答されるのでしょうか。あるいは、どういう内容で御準備されているのでしょうか。

○河村政務次官 まだ、検討がいつまとまるという時期に来ていない、具体的にいつなら結論が出るという状況にございません。開催も迫っている県もあるわけでございますし、できる限りこれも早急に取りまとめをしなければいかぬ、こう思っております。
 国の財政もこういう状況でありますから、できること、できないこと、あるわけでありますが、今真摯な討議をしておりますので、早急にその結論を待ちたい、こういうふうに思っています。

○石井(郁)委員 少し具体的に聞いてみたいと思うのです。
 やはり共催者として応分の負担をという要望がなぜ出ているかということなんですけれども、国体経費の規模あるいは国の補助について見ますと、これは文部省から資料をいただいたのですけれども、競技施設の新設費を除いた大会運営にかかわる事業費というのはずっとふえていまして、ずっとこの間、愛知大会でも三十三億六千万とか、福島大会で二十八億二千六百万とか云々ずっとありまして、大阪大会でも三十六億二千八百万、神奈川大会で三十九億四千万、平均大体三十四億円ぐらいかかっているわけですね。これに対する国の補助というのは、この五年間もう一律でして、三億五千八百万円です。私は、この少なさにもちょっと驚いたのです。
 都道府県というのは、財政力もスポーツ人口も競技施設も、いろいろ違いますよね。そういう中で、その事業費の九〇%を負担しなきゃいけない。これは事業費でありまして、新設の競技施設をさらにもっとつくらなきゃいけない。それはまた別なんですよ。それは、都道府県のいろいろお考えもあるのですけれども。
 というふうに考えますと、こういう事業費の総額というのは適切なんだろうか、あるいはお金がかかり過ぎるんじゃないかというのが、いろいろ声が出てくるのは当然であります。それに対して国の補助は余りにも少ないじゃないか、これが三者共催なのかというふうになるわけで、この辺で、文部省として、開催地の財政規模、状況を考慮して弾力的な運営にするとか、あるいは補助率を上げるとか、そういうことは考えていらっしゃるのかどうかということをちょっと伺います。

○河村政務次官 今協議をされておるわけでありまして、その中には今御指摘のような御意見もあることも踏まえて、最終的な討議の結論を待って考えるということであります。

○石井(郁)委員 簡素化、効率化の問題なんですけれどもね。だから、競技施設の整備にかかる費用というのは大変なものだ、都道府県の持ち出しになるということで、先ほど河村さんもおっしゃったように、財政が圧迫されているわけです、もう内容は申し上げませんけれども。
 文部省としても、その点では、国体の競技施設は既存の施設をできるだけ使用することとか、そういう通達も出されているわけで、それは大変いいことだと思うのですけれども、やはりここには二つ問題がありまして、国体を機に、地方としては競技施設をいっぱい立ち上げようとかつくろうという話があるかというふうに思うのですね。そういう地方自治体のお考えもあるでしょう。ただ、もう一つは、国体の開催基準の細則あるいは競技施設の設置基準、これがやはり大変、枠としてというか、あるのですね。だから、既存の施設では国体競技の基準に合わない、それで新築、改築、あるいは改修等々をしなきゃいけないという問題があるのです。
 この辺で私は、これは文部省からいただきました開催基準要綱、その要綱、細則と見ますと、それはもう本当に大変なものですね、事細かに。もちろん、これは競技スポーツもあるわけですから、きちんとルールや条件がないとできないというのはあるとは思うのですが、相当なものです。だから、それを全部地方自治体が守らなければいけないとすると、えらいことになるんだろうなというのは予想がつくわけであります。
 それで、一つ伺いたいのですが、こういう開催基準要綱あるいは細則というものの中に、競技施設は簡素に努めるとか、あるいは既存の施設で間に合うようにするだとか、いろいろなこと、そういうことができないのかどうか。ちょっと、そういう柔軟な対応というのはあり得ないのかどうかという点を一点、伺いたいのでございます。

○河村政務次官 これまでも開催された中で、一〇〇%このとおりでなきゃいかぬということもないわけでありまして、柔軟な対応もしてきておるわけでございます。大阪の国体のときは、カヌーが五百メートル必要ということになっていますが、これは四百メートルしかとれないということで、それで実施したという例もあるわけでございまして、柔軟な対応はできる、各県の事情、立地条件等いろいろありますから。
 そういうこともあるわけでございますので、かつては、さっき御指摘のように国体をもとにして県勢振興ということを非常にしておったが、一巡いたしましたから、国体のねらいも変わってきて、今こういう状況下にある。確かに情勢も変わってきたということでありますから、できるだけ開催基準要綱の柔軟な対応ということは考えなければいかぬことだというふうに思います。

○石井(郁)委員 私は当委員会で少し前、二年前になるのですけれども、陸上競技場で第一種の競技場がすごく規模を膨らませたことがありまして、五千人を三万人にするということで質問をいたしました。それはちょっと余りにも無理過ぎるんじゃないかということで、何か一万五千人に変わったということも伺っているのですが、それをちょっと確認させていただきたいのでございますけれども、いかがでしょうか。

○河村政務次官 御指摘のように、改定前は、例えば開会式、閉会式は陸上競技場とするということまで入っておったのであります。ただ「開会式は三万人を収容できる施設」ということが入っておりますが、今度は「仮設を含み」ということで弾力化されております。それから、陸上競技場も、「第一種競技場は固定席三万人」というものを「第一種競技場ではあるが、芝生を含む」、固定席をつけなくても芝生を含む一万五千人でいいというふうに改定後されておりまして、かなり弾力的に運用を図れるようになったというふうに思います。

○石井(郁)委員 スポーツは大変多くの国民が愛好していますし、またスポーツの振興は地域にとって重要ですし、やはり二十一世紀のスポーツの問題だというふうに私たちも思っておりまして、今おっしゃったように、もう二巡目ですから、やはり新しい国体のあり方ということをもっと、きょう話した以外のこともいろいろございますけれども、ぜひ前向きに検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。


機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


Copyright(C)石井郁子事務所 2001
本サイト内のテキスト・写真等全ての掲載物の著作権は石井郁子事務所に属します。
リンク希望の方は、お手数ですがメールにてお知らせください。


石井郁子トップページはこちらから