トップ>国会報告>169/衆/青少年問題特別委員会/2008年4月25日

2008年4月27日(日)「しんぶん赤旗」

有害サイト

経営形態に問題

参考人 業界の管理強化必要

石井議員質問


 衆院青少年問題に関する特別委員会は二十五日、インターネット上の有害情報から子どもを守る対策について参考人質疑を行い、ソフトバンクモバイルの孫正義最高経営責任者ら四人が意見を述べました。

 ネット規制について孫氏は、米連邦最高裁がゆきすぎた規制は憲法違反と判決を下した例を紹介、「(日本でも)憲法レベルまで十分に議論すべきだ」と述べました。

 日本共産党の石井郁子議員は、いじめや犯罪の温床になっている各種子ども向けサイトについて、実態は企業によるネットビジネスではないかと質問。群馬大学の下田博次教授は、「学校裏サイト」など子どもたちが利用する無料サイトの多くがサラ金や「出会い系サイト」などの広告で運営されていると指摘し、「経営形態に問題がある」と強調しました。

 財団法人インターネット協会の国分明男副理事長は、アメリカでは千人以上のスタッフでコミュニティーサイトを管理しているとし、サービスを提供する業界の管理強化が必要だとの認識を示しました。

 全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は、携帯電話のメール機能が子どものいじめに使われている事例を紹介しました。

衆院青少年問題特別委員会会議録第7号 2008年4月25日

   参考人
   (群馬大学社会情報学部大学院研究科教授)     下田 博次君
   参考人
   (財団法人インターネット協会副理事長)      国分 明男君
   参考人
   (全国webカウンセリング協議会理事長)     安川 雅史君
   参考人
   (ソフトバンクモバイル株式会社代表取締役社長兼CEO)          孫  正義君
   衆議院調査局第一特別調査室長           金澤 昭夫君

     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 きょうは、青少年特別委員会の参考人質疑に、参考人としてそれぞれの立場から貴重な御意見をいただきましたし、また、皆様方の取り組み、私は実践、大変興味深く伺わせていただきました。
 我々だったら、私なんかまだまだネットがわからない世代なんですけれども、子供たちの間では急速にネット機能の携帯が普及して、そしてさまざまな問題がそこから派生しているということだと思いまして、そういう問題に本当にそれぞれ取り組んでいらっしゃるということだと思います。
 限られた時間ですので、お一人ずつに一点ずつお伺いをさせていただきます。
 下田参考人は、先ごろ発表されました文科省の裏サイトの実態調査、それにもかかわっておられましたようで、そのコメントも読ませていただきました。
 そこで、ぜひこの機会ですので伺いたいなと思ったんですけれども、学校非公式サイトというのは中高生を中心とした子供たちによる主体的なネット遊びととらえがちであるが、構造的には大人の業者の手のひらに乗っているということがございましたし、さらに、各種の子供サイト遊びの根底には、いわゆるコンテンツ業者を含めた企業のネットビジネスモデルという大人社会の企て、活動が働いている構造になっていることに注目しなければならないだろうということがございました。
 私もこのくだりに注目いたしまして、もう少し具体的にこれがイメージできるというか、どういう実態を指してこのようにおっしゃっていらっしゃるのか、少し、短い時間ですけれども、お聞かせいただければというふうに思いましたし、では、子供を守るためには、結局、今何から始めるべきなのか、何をすべきなのかということなので、そのことで何か御示唆をいただければというふうに思います。
    〔委員長退席、笹木委員長代理着席〕

○下田参考人 お答えします。
 具体的にわかりやすく申し上げます。
 学校裏サイトという掲示板遊び、ネット遊び、それを子供たちに、ただでおもしろいことができるよというふうにしかけているわけですね。そういう場所がなければ、お金がかかるのであれば、子供はああいう遊びはしません、基本的には。学校の友達といろいろ連絡をしたいということで、ただで掲示板を貸してくれる。では、うちのクラスあるいは学校の友達、ここで集まって話をしようやという趣旨は趣旨なんですね。
 ところが、問題は、そうやってただで子供にネットの遊び場を提供している、その遊び場に張られている、わかりやすい例、ただ一つなんですね、ワン・オブ・ゼムの話をしますけれども、広告が張られている、これをだれも問題にしないのはおかしいと私どもは言っているんですね。
 全国調査で広告の種類をチェックしました。はっきり言って有害広告ばかりです。有益な、こういう本を読みましょうとか、そんな図書の広告はありませんし、文部省推薦の映画を見ましょうなんてございません。サラ金、わいせつ情報販売、最も多いのは出会い系サイト。
 ですから、その遊び場で友達が集まるサイトは、子供たちが自主的にいろいろな情報交換、宿題やったとか夏休みはどうするかとか、仮に問題のない受発信内容であっても、子供たちはそういう悪い広告、青少年健全育成の視点から完全に条例違反のような、完璧な有害広告が張られている中で遊んでいるわけですから、見ないわけがないんですよ。現実に私どもは見ているというデータもとっておりますし、本当に見ないわけがない。そのことについて考えると、これはやはりビジネスモデルに問題があるなということを私は指摘せざるを得ない。
 問題は、従来、頻繁に膨大な子供がそういう遊び場で遊んでいるのに声が上がらなかった理由はどこにあるんだ。では、それを提供している業者自身が問題にするか。するわけがないですね、そこが収入源ですから。その声を上げたのは保護者なんですよ。子供に、あなた、こういう遊び場でネット遊びしているけれども、お母さんが見たらアダルトグッズを売っているじゃないと。クリックしてくださいというふうに誘導するわけですから、さまざまな仕掛けが施されているわけですから、それでお母さんはおかしいねと。
 本当に僕はつくづく思うんですが、インターネット時代に、携帯電話会社が子供を守っていい子にするためにあれを出したとは、私はそのもともとの開発の経緯からして思っていません。時間がないので詳しく申し上げませんが、設計者自身が私の意見を聞きに来たんですから。設計思想そのものに問題がある。さらに、今お話ししているのは、コンテンツサービス業者の問題として、広告の問題を取り上げて言っている。
 その問題を専門家と称する人たちが指摘もできない中で、本当に子供のことを考える親御さんが、初めてこの遊び場に入ってわかった、先生、というふうに私に教えてくれているわけですから、やはりインターネット時代の日本の社会に、さらに今まで以上に見守る力、愛情の力をみなぎらせなければだめだと私は思っております。
 以上です。
    〔笹木委員長代理退席、委員長着席〕

○石井(郁)委員 ありがとうございました。
 続きまして、国分参考人にそれとの関連で伺いたいと思います。
 今のお話のように、さまざまなサイトというのは、パソコンでは見られなくて携帯でたくさん見られるという話になっているわけでしょう。それは私たち大人では到底わからない世界になっていたわけでありまして、今私も伺って本当に驚いたんです。その問題で今いろいろ議論されているのに、先ほどの委員の質問にもありましたけれども、違法情報、有害情報を一くくりにして、そこから子供を守るというような形で言われているんですけれども、そもそも違法と有害は一緒くたにはできないと私は思っているんです。
 今のお話の関連でいいますと、今、一つの議論として出ているように、違法もしっかりと削除できないというか、きちっと対応できない中で、有害という定義をさらに広げて、そして、それを国が決めたり、削除しなければ権力的に規制するというようなやり方というのは、やはり私はとるべきではないという立場なんです。そこで、問題は、コンテンツ業者というふうに言われましたけれども、やはり業界、業者が自主的な取り組みをいかに進めるかということが非常に問われているというふうに思うんですね。
 そこで、国分参考人の書かれたものの中で、例えばアメリカの企業では千人規模で管理している企業という形で紹介をされていたと思うんですけれども、先ほど来、レーティングの話もありますけれども、第三者機関という話もありますが、業界の自主的な取り組みというのをどのように進めていったらいいのか、御意見があればその点をちょっと伺わせていただきたいと思います。

○国分参考人 先ほど孫社長が御紹介された資料の中にもありましたけれども、米国のマイスペースという、二億人ぐらいのユーザーがいるという世界的に展開しているSNS、ソーシャルネット・ワーキング・サービスのサイトなんですけれども、そこでは、内部のスタッフが千人ぐらいで、外と契約をしていろいろカスタマーサポートしている人が三百人ぐらいおられるということで、これでもまだ不十分だというようなお話でした。
 このマイスペースは、実は、やはり成り済まし、子供に成り済まして、ちっちゃい男の子とか女の子をだまして、実際に会って児童に対して性的虐待をするとかという事件がいろいろ起こったこともあって、そういう経緯もあって、相当なサポート要員といいますか、管理体制を強化してきたんじゃないかなというふうに思います。
 先ほど安川参考人からも御紹介ありましたモバゲーも、三百人体制あるいはもっと多い数でちゃんと管理するというふうに話がだんだんなってきましたので、ちょっと後づけになりますが、とにかく、掲示板的なサービスをする場合は、手間がかかるといいますか、管理者がちゃんとしなければ相当荒れて、違法も有害も書き放題という状況になるというふうに社会的にいろいろな立場の方が理解をして、やはりそういうサービスを提供する側にちゃんと管理をしろということを言っていただきたいなというふうに思っております。私も機会あるたびにそういうことは関係者に申し上げているんです。
 体制的に一人か二人でやっているようなサイトももちろん存在します。そういうところは、いわば副業的に管理をしている、夜とか週末とか、そこら辺で対応するとかというサイトもあるので、一律に何かで法的に規制をかけるということではなくて、何かちょっとそこら辺の管理体制を強化する、管理者のトレーニングでありますとか、スキルのスタンダードを検定的な形でちゃんとある資格を持っている人が管理者になれるとか、何かそういうことを具体的に考えていかないとなかなか問題は解決しないように思います。
 以上でございます。

○石井(郁)委員 ありがとうございます。
 最後の時間になりましたけれども、安川参考人に伺いたいと思います。
 本当にたくさんのショッキングな事例も御紹介いただきまして、なるほどと思ったんですけれども、やはり携帯のネット機能というのは、本当にこれは新しい問題ですよね。
 それで、私は、学校や保護者はもう完全に立ちおくれていると思うんですけれども、やはり子供たち自身に、こういうネット時代、あるいはネット機能、そして日本の社会にこういう問題が起きているということ、さまざまな科学的知識と言ったらいいんでしょうか、やはりそれが必要じゃないかな、私はこう思うんです。
 そういう点と、安川参考人が大変精力的にいろいろ全国を回っていらっしゃることを拝見いたしましたし、ぜひ、政府や行政がもっと後押しするためには何をしたらいいのかというような点でお聞かせいただければと思います。

○安川参考人 まず家庭なんですけれども、今、フィルタリングの件もそうなんですけれども、もっと問題を言えば、子供たちは携帯を手放さないんですね。おふろに入るときでも、ビニールに包んで、おふろの中でメールを打っている子もいるんですよ。御飯を食べるときでも、親子の会話というのは成り立っていないケースが多いんですね。右手で御飯を食べて、親の話も何も聞かないで、左手でメールを打っているんですね。ずうっとなんですよ。
 だから、結局、家庭の中で一番大切なのはコミュニケーションですよね。今、携帯にはまっている子が多いということが、これがコミュニケーション不足という一番のデメリットになっていると思うんですね。だから、まず家庭の中でのルールづくりというのも必要だと思うんですね、携帯を持たす上で。うちでは、御飯を食べるときは携帯を置いて食べようね、携帯を持つのはそれが条件だよということで、友達にもそういうことをちゃんと伝えておいてねと。
 それから、あと、SOSのサイン、まず家庭の中で見抜くべきなんですね。裏サイトとかに書き込みされたりする子というのは、大体、同時にメールでの嫌がらせにも遭っているんです。子供たちは着うた、着メロを大音量で流しますよ。新しい歌が出たらすぐダウンロードして、それを聞くのが快感なんですね。ところが、死ねとか、うざいとか、よくそんな顔で生きているななんてメールが来出すと、いきなりサイレントにします。このようなサインというのは、本来、一番身近にいる親が気づかなければならないんですね。これは学校の先生では見抜けないところなんですよ。
 ちょっと、いろいろ話すと長くなってしまうので、時間がオーバーしたので、ここで終わらせて……

○石井(郁)委員 どうですか、委員長に御了解いただいて、一、二分、ちょっと御披露していただきたい。

○玄葉委員長 どうぞ、安川さん。

○安川参考人 あと、全国を回っていて、最近は、教育委員会とか保健所とか、いろいろなところから要請が来ます。一生懸命なんですけれども、県ごとの取り組み方が全くばらばらなんですね。やはりこれは日本の問題ですから、それぞれの県が、こうやってやっていけばいいんだとわからないから、もう全部試行錯誤をやっているんですよね。
 だから、やはり上からどんとそれぞれの県に、こういう方向でやっていきましょう、それもマニュアルみたいなわかりづらいのじゃだめなんですよ。先生方はもう分厚いマニュアルは持っているんですが、学校へ行っても、全然読んでいない先生方が多いんですよね。わかりづらいというんですね、細か過ぎて。学校の先生にももっとわかるように、対策としてこうなんだとずばっと言うものがなければ、先生方も親もなかなか動いてくれないと思うんですね。わかりやすいものの作成の方をぜひ国の方にはお願いしたいというふうに考えています。

○石井(郁)委員 時間が参りました。
 どうもありがとうございました。


Copyright(C)石井郁子事務所 2003
本サイト内のテキスト・写真等全ての掲載物の著作権は石井郁子事務所に属します。
リンク希望の方は,お手数ですがメールにてお知らせください。
国会報告のページへ戻る