2007年4月26日(木)「しんぶん赤旗」
学校教育法改定案
文科相の基準で評価
石井議員 国の統制につながる
日本共産党の石井郁子議員は二十五日の衆院教育再生特別委員会で、学校教育法改定案が学校の評価を「文部科学大臣の定めで行う」と新たに規定している問題について、「国の学校統制につながる」と追及しました。
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(写真)質問する石井郁子議員=25日、衆院教育再生特別委 |
現在、学校の自己評価のために全国各地で「スクールマニフェスト」が作られています。茨城県のある市では、学力テストの正答率を「県平均より各教科5―10ポイントアップ」などの数値目標で自己評価、教員評価を行っています。埼玉県では「あいさつや身の回りの整とんができる」「元気に外遊びができる」などが何%の子どもができるか数値で評価しています。いまでも数値での学校評価が現場を縛っています。
学校教育法改定案は四二条で、「小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い…」としています。
石井氏は「文科大臣が定める基準で一律に評価するなら、各学校が達成目標を迫られることになる」と指摘し、「文科大臣の定める内容」を明らかにするよう迫りました。文科省の銭谷真美初等中等教育局長は「内容には『授業』も含まれる。評価項目・評価の基準は、法案審議後、政令・省令で決める」と答えました。
石井氏は「重要な中身であり、法案審議中に提出すべきだ」と追及。理事会で協議することになりました。
議員 藤村 修君
議員 牧 義夫君
議員 田島 一成君
議員 高井 美穂君
議員 松本 大輔君
議員 笠 浩史君
総務大臣 菅 義偉君
文部科学大臣 伊吹 文明君
国務大臣
(内閣官房長官) 塩崎 恭久君
内閣官房副長官 下村 博文君
文部科学副大臣 池坊 保子君
厚生労働副大臣 武見 敬三君
文部科学大臣政務官 小渕 優子君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 山中 伸一君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 藤井 昭夫君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 上田 紘士君
政府参考人
(文部科学省生涯学習政策局長) 加茂川幸夫君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 銭谷 眞美君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 清水 潔君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 荒井 和夫君
衆議院調査局教育再生に関する特別調査室長 清野 裕三君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九〇号)
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)
教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案(内閣提出第九二号)
日本国教育基本法案(鳩山由紀夫君外五名提出、衆法第三号)
教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案(藤村修君外二名提出、衆法第一六号)
地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案(牧義夫君外二名提出、衆法第一七号)
学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案(笠浩史君外二名提出、衆法第一八号)
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○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
まず、学校教育法改正案についてお聞きをしたいと思います。
四十二条が新設されております。このようにあるんですね。「小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。」とあるわけです。
これは、小学校だけじゃなく、幼稚園、中学校、高等学校に準用される極めて重要な条文だというふうに私は思いますが、ここの「文部科学大臣の定め」というのは何を定めるんでしょうか。
○銭谷政府参考人 学校教育法の四十二条で、学校評価について、「文部大臣の定めるところにより」、こうなっておりますけれども、この具体的な定めについては、これから十分検討しなきゃなりませんが、例えば自己評価の評価項目とか指標など、目安となる事項について定めるということを今後検討していきたいと思っております。
○石井(郁)委員 これまでも自己評価というのは小学校、中、高等学校の設置基準で各学校に課されてきたというふうに思うんですね。今度はこれが法律で定められるということになりますから、極めて義務づけということでは課されるということになるんですね。
今お話しのように、大臣が定める基準で評価をする、これは一律に評価をするということになるかと思うんですが、そうすると、評価基準によって各学校が達成目標を迫られていくということになるわけですね。そういう理解でよろしいですか。
私は、国がいわば学校を統制するということにつながる大変重要な問題を持っていると思います。だから、その場合、評価項目を決める、その項目の何か基準というか、そこはどうなりますか。
○銭谷政府参考人 先ほども申し上げましたように、今回の学校教育法の改正案の四十二条におきましては、学校評価の実施のあり方につきましては、文部科学大臣が別に定めることとしております。
文部科学省におきましては、これまでも、各学校や教育委員会における学校評価の取り組みの充実に資するために、義務教育諸学校における学校評価ガイドラインというものを昨年の三月に定めまして、各学校が行う自己評価の評価項目、指標等、目安となる事項を示してきたところでございます。
この改正法案がお認めをいただきましたら、文部科学省としては、各学校や教育委員会におきまして、その実情に応じて創意工夫しつつ学校評価への取り組みが行われるような、そういう学校評価のいわば評価項目、指標等の目安となるような事柄について検討を深めて考えていきたい、こう思っているわけでございます。
かちかちとして、必ずこれでやらなきゃいけないとか、そういうものにするかどうかということではないというふうに思っております。
○石井(郁)委員 評価項目は文科省としてお決めになるということは言われました。その評価項目の内容、その内容はこの委員会審議でお出しになりますか。その評価項目の、何を基準で評価をするのか。評価というのはそういうことですよね。どういう基準で評価されるのか、そういう評価の基準、その項目、こういう項目が入りますよということまではとにかく国が決めるということになりました。
それで、ちょっと、少し具体的に何を問題にしているかということで伺いますけれども、既に言われているように、自己評価はもう各学校でありまして、それは各学校、自発的にやっておられますよね。文科省もガイドラインを出されているということなんです。
これは、スクールマニフェストがつくられているある学校の項目を見たんですけれども、やはり、学力診断テストの正答率向上を目指すというようなことがあって、県の平均正答率より各教科五から一〇ポイントアップする。こういう、アップするという達成率が目標になってくるわけですね。つまり、数値目標化されて自己評価を行う。そうなると、当然教員評価もその中に加わってくるということがあります。学力向上で見ますと、平仮名と片仮名、一年生の漢字を読んだり書いたりできるというような項目が入ってきます。また、今大変、規律ということが学校でいろいろ強調されておりまして、その規律ある態度ということでは、あいさつや返事、身の回りの整理整頓ができるというようなことがある。また、体力の向上でも、元気に外遊びができる、毎時間五十メートル走を全力で走ることができるということです。
目標をこういうふうに設定するということと達成度、結局、評価ですから、それが達成度という形で評価される、これが現場になっているわけですね。つまり、何%達成できたかというための評価項目になっております。だから、私は、そういう評価項目というのは非常に重要な教育現場での意味を持つというふうに思うんですね。
最初に申し上げた今回の条文でいいますと、法律が、「教育活動その他の学校運営の状況について評価を行」う、だから教育活動の評価を行うということになっていますから、教育活動を、つまり何を指標に、どういう項目で評価するのかということになりますが、それを文科大臣がお示しになるということでよろしいんですか。
○銭谷政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、学校評価について文部大臣が定めるところにつきましては、現在ございます学校評価のガイドライン、こういうものをベースにしながら、私ども、さらに検討を深めていきたいと思っております。
先ほど来、学力の問題とかいろいろ出ておりますけれども、この評価は、別に学力だけを評価するというものではなくて学校運営全般についてそれぞれの学校で評価をし、そして学校運営の改善を図っていただくというのが、これが目的でございますので、そういう観点に資するような文部科学大臣の定めというものを今後よく検討していきたいと思っております。
○伊吹国務大臣 今も、先生がおっしゃっているように、設置基準で評価ということが決められているわけですが、必ずしも公表していない学校もありますし、自己評価はやっているけれども内容は千差ばらばら、いろいろあるということはよく御承知のとおりです。ですから、文部科学大臣が定めるのは、具体的な実施の内容あるいは公表のあり方、こういうものになると思います。
したがって、文部科学省では学校評価の推進に関する調査研究協力者会議というのを今ずっとやっておりまして、まさに先生がおっしゃったような項目、基準、今参考人が申しましたようなことも含めて、どれを具体的に評価して自己評価をしていってもらうかということをやっているわけでして、例えば今先生が例に挙げられたような、何点をとればどうだとか、進学校に入ればどうだ、それで学校に序列がつくという、いつもおっしゃっているようなことまで私どもは別に前提にしているわけではありません。
○石井(郁)委員 そういうちょっと矮小化をした御発言はされない方がいいと思うんですけれども。
それじゃ伺いますけれども、「教育活動」とあるんですね。教育活動という中には授業は入りますか。
○銭谷政府参考人 教育活動の代表的なものは授業だと思います。
○石井(郁)委員 私は、やはり大変重大な問題だと思います。学校の授業、どんな授業かということも、国が決める基準のもとで評価の対象となるということですよ、そうでしょう。そうすると、この評価の項目にどういうものが入るのか、評価の基準に何が入るのか、それをやはり当然当委員会にきちんとお出しいただかないと、その是非をめぐって議論できないじゃないですか。
これは、ぜひその内容をお出しいただきたいと思うんですが、その全容。これから決めるのではなくて、今、これからいろいろ検討をと言われましたので、どれを評価するかは検討だと言われましたので、やはり、委員会の審議ですから、ここできちんとお出しいただきたいというふうに思いますが。大臣。
○伊吹国務大臣 それは先生、どうなんでしょう。立法府と、法案の提出者としての行政府、内閣との関係というのは、法案の御説明をする際にできるだけのことはやはり御報告をして御審議は仰ぐ、しかし同時に、日本の行政執行のあり方からすれば、政令、省令あるいは告示、一体となって形成される法律案については、国会の、大きな法案としての御了解のもとで行われているというのが日本の統治のあり方じゃないでしょうか。
○石井(郁)委員 伊吹大臣は重要な場面ではいつもそういう御答弁になるんですけれども。国会がお決めになることですと言われるようなことがあったと思いますけれども。
やはり、この条文は、「評価」をする、それは教育活動です、学校教育活動すべてが入ってくるということが一つ重要問題です。それだけにとどまらず、その結果、評価ですから結果があって、そして「必要な措置を講ずる」、そこまで文科大臣がされるわけですね。だから、結果の検証、そして必要な措置、一連のものとしてこの条文があるんですよ。文科大臣の権限、極めて大きなものがあるんじゃないですか。
そして、私はここをなぜ重視するかといいますと、本当にこれは教育の本質に大変かかわる問題なんですが、やはり、教育内容については国家的な介入というのは抑制的でなければならないということは、前国会、昨年、きちんと議論をして、そして大臣もお認めになったことです。
これは教育内容への国家的介入になりませんか。
○伊吹国務大臣 ちょっと、私のこの四十二条の法文解釈は先生の解釈とは違うと思います。
この四十二条の主語は「小学校は、」なんですよね。「小学校は、」でしょう。だから、「文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について」小学校が「評価を行い、その結果に基づき」、小学校が「学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。」ので、文科大臣が学校運営の改善を図るために必要な措置を講ずるという法文にはなっていないんじゃないでしょうか。
○石井(郁)委員 しかし、最終語尾は、「その教育水準の向上に努めなければならない。」ですから、小学校、ある学校が努めているか努めていないかということもこの評価の中に入るわけですよね。
ということで問題にしておりまして、きょうはそれ以上のことを時間の関係であれですけれども、文科大臣の定めという評価項目、評価基準、これをぜひお出しいただきたいと思いますが、委員長、いかがでございますか。
○保利委員長 文部科学省の御意見を伺わせていただきます。
銭谷初中局長。
○銭谷政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、こういった評価の項目や指標など目安となる事項につきましては、この法案の審議における御議論も踏まえ、また文部科学省としても学校評価の推進に関する調査研究協力者会議で今いろいろ議論を深めているわけでございますので、私どもとしては、こういった審議を踏まえながらさらに検討を深めて、法案をお認めいただきました後には、こういう文部科学大臣の定めについて確定的なものをつくっていきたいと思っております。
○石井(郁)委員 私はとても承服できません。
やはり、こういう重大な問題で、省令にゆだねると大臣はおっしゃいましたけれども、省令には私たちは白紙委任できないと思うんですね。やはり国会でこれは審議すべき内容だというふうに思いますので、ぜひ、これは委員長、理事会でお諮りいただきたいというふうに思います。
○保利委員長 後刻理事会において協議いたします。
○石井(郁)委員 よろしくお願いします。
もう残り時間でなんですけれども、きょう、私はもう一本、先ほど来議論の教免法関係を議論したかったんです。
最初に一つ二つ確認だけさせていただきますけれども、指導力不足教員への対応というのは、二〇〇一年、地方教育行政法の改正で都道府県で既に実施されております。今回新たに、保護者の意見を聞くことなども義務づけていますけれども、多くの自治体では保護者も参加して指導力不足教員の判定に当たっているというふうに思うんですね。
それで、指導が不適切な教員に対応するためにこの基準も公正なものでなくちゃならないというふうに私は考えますが、まず伺います。指導が不適切な教員、その定義はどのようにされているんでしょう。
○銭谷政府参考人 指導が不適切とは、一般論として申し上げれば、第一に、教科に関する専門的知識、技術等が不足をしているため学習指導を適切に行えない場合、第二に、指導方法が不適切であるため学習指導を行うための技術や専門的知識が欠けていること、第三に、児童生徒の心を理解する能力とか意欲に欠けて学級経営や生徒指導を適切に行えない場合、こういったことが一般論として申し上げることができるのではないかと思います。
○石井(郁)委員 この点についても、各都道府県、いろいろと定義の内容があるかというふうに思います。大変抽象的なものから具体的な内容まであるかというふうに思うんですね。
そこで、その指導が不適切な教員には、私は、当然に、疾病、精神疾患などは含まれないと思いますが、これは確認できますか。
○銭谷政府参考人 精神性疾患など心身の故障によるものであって、病状が回復をせず、今後も職務遂行に支障がある場合や長期休業を要するような場合は、今回御提案しております指導改善研修の対象とするのではなくて、医療的措置によって対処すべきものでございまして、任命権者におきまして適切に分限処分の対象とすべきものと考えております。
○石井(郁)委員 分限にするというのも大変重大な発言なんですけれども。
しかし、問題にしたいのは、指導力不足教員という定義で、現在、福島県とか大阪府など六府県・三政令市では、そういう精神障害等により指導力を発揮できない教員などを指導力不足教員という定義にわざわざ加えているというところが問題なんですよ。
最初は、御答弁のようにそれは定義には入っていなかった。これは私も、前回の地教行法審議に当たって、この問題でいろいろ文科委員会で審議したことをよく覚えておりますけれども、精神疾患など病気については指導力不足教員の対象にしないということになっていました。
それが今日このように入っているという点については、私は、文科省はその当時は、じゃうその答弁をしたのかということにもなりますが、この点だけ最後に確認をさせていただいて、時間が来ましたので終わりたいと思うんです。
○銭谷政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、いわゆる精神性疾患等の病気の場合は、これは任命権者において分限処分の対象にすべきものでございます。具体の判断は任命権者において適切に行われるべきものと考えております。
○石井(郁)委員 今の答弁も大変重大な答弁だと思いますので、これはまた次回に議論したいと思います。
以上で終わります。