トップ>国会報告>166/衆/教育再生特別委員会/2007年4月20日

2007421()「しんぶん赤旗」

学力テスト

首相、公表否定せず

石井議員 学校序列化の危険


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(写真)質問する石井郁子議員=20日、衆院教育再生特別委

 衆院教育再生特別委員会で二十日、教育への国家統制を強める教育三法案に関する本格的審議が始まりました。

 日本共産党の石井郁子議員は、二十四日実施の全国一斉学力テストについて結果公表が、学校の序列化につながる問題を追及しました。

 安倍晋三首相が「個々の市町村名や学校名を明らかにした結果の公表は行わない」と述べたのに対し、石井氏は、安倍首相の著書『美しい国へ』のなかで全国的な学力調査の結果を公表すべきと主張していることをあげ、「答弁は著書と矛盾するのではないか」と迫ると、安倍首相は「学校を通じて父兄に公表していく」と述べました。

 首相直属の教育再生会議も結果を公表し学校選択の判断基準にするという議論をしています。保護者に示された各学校の成績を受験産業などが一覧表にすれば、点数によるランク付けが生じる危険があります。

 また安倍首相は「国全体や都道府県の状況は(国として)発表する」と述べました。

 石井氏は、学力テストの結果公表と学校選択制が結びついている東京都では、子どもたちが土曜日も夏休みもテスト対策に追われていることを紹介。「これでは子どもたちが学ぶ意欲を奪われる」と結果の公表をやめるよう要求しました。さらに「学習状況の把握のためには数%の抽出調査で十分」として全国テストの中止を主張しました。


2007421()「しんぶん赤旗」

論戦ハイライト

学力テストで個人情報収集

石井 「保護者同意あるか」

文科相 「子どもに説明する」


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(写真)パネルを示して質問する石井郁子議員=20日、衆院教育再生特別委

 二十日の衆院教育再生特別委員会で、日本共産党の石井郁子議員は、二十四日実施の全国一斉学力テストが抱える数々の問題点を安倍晋三首相にただしました。

法に違反する

 一斉学力テストでは、国と民間企業がテストを受けた児童・生徒の個人情報をにぎることが大きな問題になっています。

 学力テスト当日は、テストのほかに「児童・生徒質問紙」に答える時間があります。昨年の予備調査には、個人の氏名や出席番号を書かせてから、「一週間に何日、学習塾に通っているか」「家の人と旅行に行くか」などプライバシーにかかわる項目が並んでいました。

 個人情報保護法一六条は「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、…利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない」と定めています。

 石井氏 本人や保護者の同意は得ているのか。

 伊吹文明文部科学相 保護者の同意は求めていない。実施要領を公表しているから十分理解をいただいていると思う。

 石井氏 同意は得ていないということだ。個人情報保護法違反だ。民主主義の基本のルールにかかわる大問題だ。

 石井氏が次に安倍首相の答弁を求めたのに対し、伊吹文科相は首相をさえぎって釈明を試みました。

 「明日の『赤旗』に(保護者の)同意を求めない、と認めたと書かれると困ります。本人には説明し、同意をするから(テストを)受けている」

 石井氏は「そういう答弁で済ますわけにはいかない問題だ」と厳しく批判しました。

企業に丸投げ

 全国一斉学力テストは、小学校はベネッセコーポレーション、中学校はNTTデータが文部科学省から受託しています。民間産業に丸投げすることに不安が広がっています。

 石井氏は、ベネッセが各小学校あてに送っているダイレクトメールを取り上げました。そこには「全国学力調査が四月二十四日に予定されておりますが、ベネッセコーポレーションの総合学力調査を学校様独自でもご実施いただくことで以下のことを実現できます」と書かれています。児童一人に付き七百円で、全国学力テストを自社の独自テストの売り込みに利用するものです。石井氏は「重大問題だ」と追及しました。

 文科省の学力テストの委託契約書では、事業を受託したことで営業行為を行うことを禁止しています。安倍首相は「文科省は厳正に対処していると聞いている」と述べました。

 ところが石井氏は、ベネッセが「通常の営業・販促活動を行うことに関しては、特に問題がないと考えている」と居直っている実態を指摘し、首相の認識は甘いと批判しました。

学ぶ意欲奪う

 学力テストの公表と学校選択制がリンクすることで各地で弊害が起こっています。学力テストが実施され、多くの自治体で学校選択制を導入している東京都では、学校で「おまえがいると成績が下がるから休め」と言われるなど子どもが傷ついています。石井氏は「これでは子どもたちから学ぶ意欲を奪うことになる」と批判しました。

衆院教育再生に関する特別委員会 会議録第2号 2007年4月20日


   議員           藤村  修君
   議員           田島 一成君
   議員           松本 大輔君
   議員           笠  浩史君
   議員           高井 美穂君
   議員           牧  義夫君
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   総務大臣         菅  義偉君
   文部科学大臣       伊吹 文明君
   厚生労働大臣       柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君
   国務大臣         高市 早苗君
   内閣官房副長官      下村 博文君
   文部科学副大臣      池坊 保子君
   文部科学副大臣      遠藤 利明君
   厚生労働副大臣      石田 祝稔君
   文部科学大臣政務官    小渕 優子君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          加茂川幸夫君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        樋口 修資君
   衆議院調査局教育再生に関する特別調査室長     清野 裕三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九〇号)
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)
 教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案(内閣提出第九二号)
 日本国教育基本法案(鳩山由紀夫君外五名提出、衆法第三号)
 教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案(藤村修君外二名提出、衆法第一六号)
 地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案(牧義夫君外二名提出、衆法第一七号)
 学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案(笠浩史君外二名提出、衆法第一八号)
     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 安倍内閣の教育改革の柱の一つである学力テスト問題で質問をいたします。
 全国一斉の学力テストが、来週、四月二十四日実施されることになっております。小学校六年では算数と国語、中学三年では数学と国語、全国すべての学校ですべての児童生徒が受けることになっているわけでございます。
 そこで、まず総理に伺いますが、この学力テストは何のために行われるんでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 義務教育につきましては、全国どの地域においても一定水準の教育を受けることができるようにし、そして、その成果を把握、検証して、これに基づいて改善を行う仕組みが必要である、私はこう考えております。
 全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力や学習状況を把握して、そして分析をし、教育指導の改善、向上を図ることを目的としています。これによって義務教育の質の保証が図られるものである、私はこのように考えています。

○石井(郁)委員 そこで、この学力テストの結果は公表し、また、学校に順位をつけたり、ランクをつけたりすることになるのではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 全国の学力・学習状況調査においては、個々の市町村名や学校名を明らかにした結果の公表は行いません。そして、学校間の序列や過度の競争をあおらないように、十分我々は配慮をしなければならない、こう考えています。
 一方、教育再生会議の第一次答申で提言をされておりますとおり、各学校が説明責任を果たすために、保護者に対して自校の学力や学習状況とその成果や改善計画を説明することは重要であろうと思いますし、また、規制改革・民間開放の推進に関する第三次答申においては、調査結果については、学校ごとの教育施策や教員自身の指導方法の改善に資する資料として活用すべきとしているところであります。これらの答申の趣旨を踏まえまして、調査結果による学校のランクづけではなくて、それぞれの学校が自校の学力等の状況を把握し、向上させることを促していく必要はある、こう考えています。

○石井(郁)委員 調査結果の公表は行わないということは御答弁されたと思います。
 ところで、総理は、御自身の著書「美しい国へ」の中で、全国的な学力調査を実施し、その結果を公表するべきであるというふうに書かれています。結果を公表するということは総理のお考えではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 私は、申し上げましたように、この学力テストは、全国の学力の水準を把握して、そしてまた改善を図っていくためのものであって、ただ、もちろん調査をやるだけでは何の意味もなさないわけでありますから、その調査の結果を各学校に伝えていくということは当然大切でしょうし、また、父兄の皆さんが、一体自分の子供が通っている学校はどうであろうということになれば、それは当然知ることができるということになるのではないか。しかし、最初に申し上げましたように、ランクづけ等々をするのはふさわしくない、こういうことでございます。
 私が公表と申しましたのは、結果がどうであったかということを学校あるいは父兄が知ることができるということは重要ではないか、こう考えたところでございます。

○石井(郁)委員 ランクづけをしないということですが、やはり、公表するということはランクづけにつながるということなんですよね。ですから、総理は、やはりこの中でお書きになっているということは、今の取り組みと違っているというふうにはなりませんか。また、これは撤回すべきではないでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 国全体と、また都道府県では公表しておりますから、そういう意味では、私の趣旨にのっとって公表、そういう意味での公表は行っている。つまり、都道府県がどうなっているということについてはしているわけでございまして、ですから、個々の学校においてはそういうランクづけは行っていない、こういうことでございます。
 要は、最初に申し上げましたように、御両親が、自分のお子さんが通っている学校はどういう状況にあるのかということは知ることができる、それは極めて大きなことであって、であるならば、やはり工夫をしてもらいたいということにつながっていく、そしてみんなで改善の努力も行っていくことは十分に可能ではないか、こう考えております。

○石井(郁)委員 都道府県や市町村がどのように行うかということと国がどうするかということは全然おのずから別なことでありまして、今、国の対応をお聞きしているわけでございます。
 なぜこのことをお尋ねするかといいますと、これは二〇〇五年の十二月、規制改革の民間開放推進会議第二次答申ではこのように述べております。全国的な学力到達度調査について、「学校に関する情報公開の一環として学校ごとに結果を公表する必要がある。」ということを明確に述べていますね。それから、先ほども総理がお触れになりましたけれども、教育再生会議でもそういう議論をしているところであります。
 結果を公表するということと学校選択制ということとがリンクされて議論されているわけでございますのでお尋ねしているわけでありまして、総理は、この答申部分は否定されるのでしょうか。また、国として結果は公表しないということは断言できますか。

○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたのは、国として、国全体と都道府県の状況については公表いたします。これは公表するということで私は申し上げたわけでございまして、いわば都道府県の状況については、個々の学校がどうなっているかということではなくて、例えば神奈川県はこういう状況になっていますよと、神奈川県全体については公表する。あるいは、国全体についてはどういう状況になっているかということは公表するわけでありますが、学校ごとのランクづけはしないということでございます。これも申し上げておかなければならない。
 しかし、これは何のためにこの学力テストを全国でやっているかといえば、それは、やはりそれぞれの学校で学力の状況が落ちていれば、その改善の努力をする。いい学校があれば、そのいい学校でやっていることをそういう学校にさらに活用してもらうということは十分に可能であろう、こう思うところでございます。
 また、規制改革・民間開放の推進に関する第三次答申においては、調査結果については、学校ごとの教育施策や教員自身の指導方法の改善に資する資料として活用すべき、このようにされているところでございます。

○石井(郁)委員 確認をしたいんですけれども、個々の学校がどうかということをお知らせするということは当然だと思うんですが、最初の御答弁では、市町村名、学校名を明らかにした結果の公表は行わないということだったと思うんです。そこははっきりしていますよね。

○安倍内閣総理大臣 それははっきりしておりまして、個々の市町村名や学校名を明らかにした結果の公表は行わない。しかし、先ほど申し上げましたように、国全体や都道府県の状況については発表する、こういうことでございます。

○石井(郁)委員 私はそのことを確かめたわけでございまして、個々の市町村名、学校名は公表しない、それはやはりランクづけにつながるからなんですよ。そのことと総理がお書きになっていることとは違うんじゃないですか。矛盾していませんか。ここはいかがですか。どちらが正しいんでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 ですから、私が書いたことは、まず、四十年間行われていなかった全国の学力調査を、テストを実施する。そして状況を把握し、それを学校に対して、あるいは学校を通じて父兄に対して公表していく。そして全体を把握しながら、それを改善に生かしていくことが大切ではないか。それが全く行われなかったわけでありますから、それをやっていくべきであろう、こういうことでございます。
 それと、私は独裁者じゃありませんから、私が言ったことを全部やるということではなくて、当然、教育再生会議の中でいろいろな議論を経た中において決めていく。そして、さらに党においての御議論をいただいて法律にしていく、こういうことでございます。

○石井(郁)委員 結果は一切公表しないということは断言されませんでした。だから、将来の方向としては、やはり非常にあいまいな御答弁だったなというふうに思うわけです。
 そこで、何が問題かと申しますと、教育再生会議では、先ほども触れましたけれども、学力テストの結果を公表する、学校選択の判断基準にするということが述べられているんですね。そういう議論がされているということを私は問題にしているわけでございます。だから、テストの結果を公表する、そして学校選択制がリンクするということになりますと、学校教育、子供たちがどんな状態に置かれるだろうかということなんです。
 既に多くの自治体でもうテストが行われています。そして、公表されているところもあるわけですよ。
 東京の場合ですと、幾つか聞きますけれども、やはり点数を上げたいということのためにテスト対策が横行する。過去の問題集、過去問といいますが、ドリルなどのテスト漬けの毎日だ。子供たちはやはり追い立てられている、土曜日も夏休みもテスト対策で追われている。大阪のある市でも、テスト漬け、評価漬けにさらされている。学力テストの結果が悪くてお父さんに叱責された小学生が、学校に行きたくないというふうに言ったことも聞いています。学校ごとの平均点を発表するわけですから、部活動で学校ごとの試合が行われますので、あなたのところは最低だと言われたり、それからまた、学校の中では、あなたがいるから成績が下がるんだと言われたりして、やはり子供たち、深く心は傷ついているわけですよ。
 総理、こういう問題、どうですか。子供たちからやはり学ぶ意欲を奪うようなテスト漬けになっている。この問題についての実態をどうお考えになりますか。

○安倍内閣総理大臣 この全国学力テスト以外にも、テストというのは恐らく学校でやっているんだろうと思いますよ。そこで私もおやじに随分怒られたことがあります。先生は優等生だったから、そういう経験がないかもしれませんが。
 しかし、全国のテストについては、これは、それをそれぞれの氏名で序列を発表するわけでもありませんし、学校の序列を発表するわけでもないということを申し上げておきたい、このように思います。

○石井(郁)委員 私どもは、学力テストは、児童生徒の学力や学習状況を把握、分析すること自体は必要だというふうに思っております。ただ、問題は、その目的を達成するために全国一律のいわば悉皆調査、こういうことが必要なのかという問題なんですね。数%の抽出調査で十分ではないのかというふうに思います。よく言われる学力世界一のフィンランド、これは五%の抽出調査で行われているわけでございます。だから、これで十分ではないのか。全員参加となると、必ず学校や子供たちのランクづけにつながっていく、こういう問題はやはり見ておかなきゃいけません。
 そこで、一つ、学力テストに参加しないことを表明している愛知県の犬山市という自治体がございます。注目されていますので、ちょっと紹介したいと思うんですね。
 なぜ学力テストに参加しないのかという本も出されておりますけれども、そこでは、勉強は競い合いではなくて学び合いによってつくものであるということです。そうすることで、子供たちがやはり教え合うことで考える力をつける、人と人とが助け合うことを学ぶ、こう言われています。それからまた、難しい教科は一クラス十五人程度だ、丁寧に教えている、結果として成績も上がっているということであります。
 どうでしょう。こうした犬山方式というのを支援することが政府のやるべきことではないのでしょうか。総理、伺います。

○安倍内閣総理大臣 この全国学力・学習状況調査については、今先生が御指摘になった犬山市教育委員会を除いたすべての教育委員会が参加をすること、こうしているわけでありまして、犬山市は極めて例外の例ということは申し上げておかなければならない、こう思います。
 同市の教育委員会においては、教育についてさまざまな取り組みを行っているようでありますが、その成果を全国的なかかわりの中で把握、検証する必要があるのではないか、こう考えております。

○石井(郁)委員 二十四日に予定されていますこの全国一斉学力テストは、昨年と今年度、両年度含めて予算は九十五億円にも上っています。今述べましたように、子供たちをやはり非常に傷つける学校序列化につながりかねない、私はこういう一斉学力テストはやめるべきだと思います。ましてや、学力テストとリンクさせて児童生徒が集まる学校には予算を重点的に配分するということも議論されているやに聞いておりますので、こういうことは断じて行うべきでないということもこの機会に強く申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、次の問題なんですが、この一斉学力テストの実施に当たりまして、さらに重大な問題が生じております。
 総理、このテストは、学力テストだけではなくて、児童質問紙、生徒質問紙、そして学校質問紙が配られ、記入することになっていることは御存じでしょうか。きょう資料をお配りいたしましたけれども、昨年の予備調査で配られ、実施されたものであります。
 小学六年の児童質問紙にはこういうふうにあります。「みなさんの学校や家での勉強や生活の様子についてたずねるものです。」「回答用紙に、学校名、男女、組、出席番号、あなたの名前を書いてください。」ということになっているんですね。
 それで、この項目でございますけれども、例えば「学習塾では主にどのような内容の勉強をしていますか。」、学校の勉強より進んだことをやっている、よくわからない内容もやっているというようなこと。おけいこごとはどんなことに通っておりますかとか、携帯電話で通話、メールはどのくらいしていますか等々がありますね。
 それからさらに、家庭の状況を聞くこともありまして、「あなたは、家の人と次のようなことをしますか。」と。当てはまるものを右の中から一つ選んでください。「朝食をいっしょに食べる」「いっしょに外出をする」「いっしょに話をする」「いっしょに運動・スポーツをする」というところで印をつけることがあるんです。こういう質問項目が小学校で九十二項目です。中学校で百十一項目ございます。
 総理、こういう質問も入っているということは御存じだったでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 二十四日に実施する全国学力・学習状況調査において、教科に関する調査に加えて、こうした児童生徒や学校に対する質問紙調査をあわせて実施するということは承知をしております。これによって児童生徒の学習意欲や学習方法、学習環境や学校における指導方法に関する取り組み等の現状を把握することとしているということではあります。
 また、この質問紙調査の結果と学力との相関関係の分析を通じて、国や各地方自治体、各学校がそれまでの教育指導や教育施策を十分に検証して、その改善につなげていくことが重要である、こう考えております。

○石井(郁)委員 個人名を書かせるわけですから、個人情報の収集ということになりますね。しかも、これは学力テストの調査の目的を超えているんじゃありませんか。生徒の個人情報あるいは家庭生活情報を引き出そうとしているわけでしょう。私は、このような情報をとるのであれば、本人及び保護者の同意が必要だというふうに思うんですね。では、保護者の同意は得ているんでしょうか、お聞きします。

○伊吹国務大臣 先生、先ほど来、るる総理から御答弁申し上げておりますように、今先生がおっしゃった生活習慣その他の調査の結果と本人の学力のあり方というのは、これは日本の教育のために大変大切な要素なんですね。それを把握した上で、これから教育委員会はどういう形の指導をしていくか、どういうふうに児童を教育していくかという大きな公益のためにお伺いしていることであって、決して何か個人の情報だけを把握するためにやっているわけではありません。
 したがって、まず個人情報の取得に当たっては、先ほど来、高市大臣も藤村先生の御質問に答弁をしておりましたように、あらかじめ本人に利用目的を明示することは求めておりますが、保護者の同意までは求めていない。それから同時に、今回の調査では、その利用目的について実施要領を公表しておりますから、どういう調査の内容なのかということはもう十分御理解をいただいていると思います。利用目的を生徒本人にも十分理解してもらうように説明をしろということは、教育委員会と学校に文部科学省としては連絡をいたしております。

○石井(郁)委員 私は、今、個人情報との関係で伺っているわけです。これは本人の同意を得なければならないと法律上なっています。通知をしている、広報しているということとは全然別の話です。同意を得ていないということですよね。
 そうすると、これは法律の十六条でも、あらかじめ本人の同意を得ないで、そういう利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないとしているわけですから、私は大変問題だということをまず指摘させていただきます。ここは非常に問題です。これは民主主義の基本のルールにかかわる問題ですから、私は大変問題なことをされているということを強く申し上げておきたいと思います。
 それで、この実施が、特に採点、集計などが、小学校はベネッセです、中学校はNTTデータが行うことになっております。ともに受験産業であります。こうした調査を民間の受験産業に丸投げするということに、今大変国民の間で不安が広がっているわけですね。
 既にベネッセから、こういうことが行われているんです、各学校の学校長、学力調査担当先生あてにこういうものが配られております。これもきょう資料で皆さんに配付させていただきました。こうなっております。ベネッセの総合学力調査小学校版というものですが、こう書かれております。「小学校六年・中学校三年生を対象とした全国学力調査が本年四月二十四日に予定されておりますが、ベネッセコーポレーションの総合学力調査を学校様独自でもご実施頂くことで以下のことを実現できます。」と。四月五日から始まっているんですね。一人につき七百円で行うと。こうなると、これを受けた方が点数が上がるんじゃないかという感情は働きますよね。
 私は、文科省が行うことを見越して学力テストに先行してこういう企業が売り込みを図っているということが果たして許されるのかという問題、重大問題ではないのかと総理に伺います。もう時間がありませんので、総理に。

○伊吹国務大臣 簡単にお答えします、あすの赤旗に私が本人の同意を得ていないということを認めたと書かれると困りますから。
 御本人には説明をし、御本人が同意をするから受けておられるということだけは御理解ください。

○安倍内閣総理大臣 全国学力・学習状況調査は、調査問題の発送、採点等の一部作業について民間機関に委託して実施することといたしています。そして、その際、委託先に対しては、本調査を受託した事実や受託によって得た成果を不正に利用して営業行為を行うことがないよう厳しく対処することが必要である、こう認識をしています。文部科学省においては、このことを委託契約書において明記をして厳正に対応していると聞いております。

○石井(郁)委員 実は、事態はそうではなくて、政府は厳正に対処しているとおっしゃいますけれども、このベネッセの方は販売活動というのは問題ないと引き続いて行っているんですよ。こういう実態がございます。
 それから、伊吹大臣がおっしゃいましたけれども、実施するということと、本当に本人の同意を得てやっているのかというのは別なことですから。本人の同意は、恐らく各学校、いろいろまだまだされていない、あるいは教育委員会もいろいろ困ったことがおありだろうというふうに思うんですね。文科大臣のそういう答弁で終わらすわけにはいかないと私は思っております。
 本当に、もう時間が参りましたけれども、学力テストをめぐっては非常に重大な問題がございます。引き続き教育三法の審議の中でも検討していかなきゃいけないということを申し上げまして、質問を終わります。


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