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衆院 教育基本法に関する特別委員会 会議録第9号 2006年11月9日

   委員長 森山 眞弓君
   理事 稲葉 大和君 理事 河村 建夫君
   理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 町村 信孝君 理事 中井  洽君
   理事 牧  義夫君 理事 西  博義君
      井脇ノブ子君    稲田 朋美君
      猪口 邦子君    岩永 峯一君
      上野賢一郎君    臼井日出男君
      大島 理森君    島村 宜伸君
      田野瀬良太郎君   戸井田とおる君
      冨岡  勉君    中山 成彬君
      西川 京子君    馳   浩君
      鳩山 邦夫君    松浪健四郎君
      森  喜朗君  やまぎわ大志郎君
      若宮 健嗣君    北神 圭朗君
      田中眞紀子君    高井 美穂君
      土肥 隆一君    西村智奈美君
      野田 佳彦君    古本伸一郎君
      松本 大輔君    三日月大造君
      坂口  力君    石井 郁子君
      塩川 鉄也君    阿部 知子君
      保坂 展人君    糸川 正晃君
      保利 耕輔君
    …………………………………
   議員           高井 美穂君
   議員           藤村  修君
   参考人
   (教育再生会議座長代理)
   (株式会社資生堂相談役) 池田 守男君
   参考人
   (品川区教育委員会教育長)            若月 秀夫君
   参考人
   (教育評論家)
   (法政大学キャリアデザイン学部教授)       尾木 直樹君
   参考人
   (国際基督教大学教授)  藤田 英典君
   衆議院調査局教育基本法に関する特別調査室長    清野 裕三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 教育基本法案(内閣提出、第百六十四回国会閣法第八九号)
 日本国教育基本法案(鳩山由紀夫君外六名提出、第百六十四回国会衆法第二八号)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 どうもありがとうございます。
 本当に、この教育の問題というのは、そういう意味での教育観、子供観等々がベースにあって、それで成り立っていくというふうに思うんですけれども、そういう問題もまだまだ私たちも審議をしっかりしなきゃいけないかなというふうに思っているところです。
 それで、最後なんですけれども、この法案の審議中に、まさに子供たちが命を絶つとか、あるいは高校で未履修問題が起こって、今子供たち、親も、ある面では本当にパニック状態ですよね、受験期を前にして。これほど、今教育をめぐって子供たちが声を上げている、いわば命をかけて声を上げているという状況だと私は思っているんです。
 そういうときにこの政府の法案を、与党の方は来週早々にももう採決かというようなことも言われておりますので、ちょっと生々しい話にもなりますけれども、今出ている問題の解決に政府法案が本当に役立つのかという問題と、それから、こういう状況でのこうした法案の成立というのは、この法案をどう見るかというのはあるんですけれども、その法案を国会が成立させるということを一体国民の皆さんがどのように受けとめるんだろうかということを私は大変考えておりますので、その点で一言ずつお伺いできればというふうに思います。
 櫻中参考人、それから千葉参考人と木村参考人、中森参考人、もう時間ですのでほんの一分ぐらいずつお願いできればと思いますが、今の状況で、この国会で教育基本法の成立ということを率直にどのようにお考えになりますか。

○櫻中辰則君 それについては、現在のいじめ等、今出ておりますように未履修問題等、やはりこれは基本的に教育というか今までの世の中のひずみだと私は思っております。その中で、今やらなければいけないことというのが必ずあると思います。ですから、なるべく、先ほども私申し上げましたように、子供たちはどんどん卒業してしまうし、一年を刻んでおりますので、やはり私は早い方が、きっかけとして、またそれでよく世の中が考えていくということに関しては、いいと思っております。

○千葉胞義君 簡潔に申し上げますと、よく議論をして、そして国民の方々の声も聞いて、それでよしとなれば、やはりこの法案をひとつつくっていただくということがいいのではないか。なお議論、今している最中だと思いますけれども、お互いにそれでよろしいとなれば、それは早くてもいいのではないか。しかし、非常に問題がありまして、これはやはりいろいろ国民の方からも聞いた方がいいということであれば、そういうことの過程を踏まえながらやっていった方がいいのではないかというふうに思います。

○木村勝好君 教育基本法を改正すれば日本の教育問題はすべて解決するなどということでは全くないと思います。しかし、教育に関する憲法的な性格を持つ法律でございますので、それの改正、その審議につきましては、十分に時間をかけて、そして広範な国民的な議論を踏まえてやっていくべきで、拙速は避けるべきだというふうに思います。

○中森孜郎君 私は、どんな改革も、一番原点はやはり子供だと思うんですね。子供の声にまず耳を傾ける。そして、その子供の教育に直接責任を負って、毎日苦労している先生方の声に耳を傾ける。そういうことなしには、本当に子供のための教育改革にはならないんじゃないか。
 子供はみんな学びたがっているし、きょうよりはあしたと高みに上りたがっているわけで、私はもう二十数年、仙台にある、ある女子少年院の教育にかかわってきています。その中で、学校教育から締め出された、非行に走った子供たちが、本当に授業の中で生き生きとした目をして、どんどん変わっていくんですね。感動的な場面がいっぱいあります。本当に子供たちは、そういう自分の学びたいという要求を持って生きている。それが今の競争教育の中で、管理的な教育の中でつぶされていっている被害者だと思うんです。だから、やはり子供の声に耳を傾ける、教師の声や親の願いに耳を傾ける、そこがやはり改革の原点でなくてはならないと思います。急いではならないと思います。

○石井(郁)委員 きょう、それぞれのお立場から貴重な御意見、本当にありがとうございました。
 以上で終わります。

    ―――――――――――――
   派遣委員の栃木県における意見聴取に関する記録
一、期日
   平成十八年十一月八日(水)
二、場所
   宇都宮グランドホテル
三、意見を聴取した問題
   教育基本法案(第百六十四回国会、内閣提出)及び日本国教育基本法案(第百六十四回国会、鳩山由紀夫君外六名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
    座長 森山 眞弓君
       稲葉 大和君   斉藤斗志二君
       中井  洽君   西村智奈美君
       西  博義君   石井 郁子君
       糸川 正晃君
 (2) 意見陳述者
    宇都宮市議会議員    杵渕  広君
    宇都宮大学教育学部教授 渡邊  弘君
    芳賀保護区保護司    渋井 休耕君
 (3) その他の出席者
    衆議院調査局教育基本法に関する特別調査室長  清野 裕三君
    文部科学省大臣官房審議官           尾山眞之助君
     ――――◇―――――
    午後二時一分開議

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 この教育基本法の審議は、春の通常国会に始まりまして、今、臨時国会と引き継がれているところでございますけれども、こうした公聴会は、今全国できょう四カ所行われているということで、初めてのことでございます。ぜひ、本当にやはり国民の皆さんの意見を広く、そしてまたいろいろな分野からお聞きをするということは私は大変大事だというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、冒頭というか、意見陳述者の皆様方が、やはりそれぞれ現状の教育、本当に大変心配なことがたくさんあると。家庭の教育力もそうだし、社会もそうだし、学校もそうだと。それから、子供たちの様子を見ても、これで本当に道徳がついているのかというようなことがいっぱいあるのは、もう言われたとおりだというふうに思うんですね。
 しかし、私は、この道徳とか価値という問題は、やはり、法律に書き込んで、そして国民に強要したり強制するものではないだろうというふうに思いますし、また、こういうことを語るときに、現行の教育基本法が何か欠けているからとか、それに足りないものがあるからこういうふうになっているんだというふうにも私は考えないわけですね。
 私自身が教育基本法とともに育ったというか、戦後の一期生なんですけれども、それで、この教育基本法には、まさに道徳にある面で関係する部分が教育の目的とか方針の中にも書かれておりまして、真理と正義を愛するだとか、勤労と責任を重んじるだとか、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民でありたいとかいうようなこと、また、自他の敬愛と協力というようなこともありますし、文化の創造、発展に貢献しようということもあります。
 私は、やはりこういうことが社会的に、いわば国民的に本当に議論をし合って、そして身についていくものだろうというふうに思うんですね。だから、やはりそういうことを事細かに法律で規定するというのは非常に慎重でなければいけないというふうに思っていますし、結論的には、現行の教育基本法を生かすような教育行政をしていけば、大方の教育問題、かなり前向きに解決するのではないかというふうに考えているわけでございまして、現行教育基本法を私どもは守れという立場で、反対の立場で考えているということで、きょうは本当にそういうことで率直な皆さんの御意見を伺えればと思うんです。
 第一点は、三人それぞれに伺いたいと思いますけれども、相当審議をしてきましたけれども、現行の教育基本法のどこどこが悪いので、だから変えなければいけないというような政府側からのしかとした答弁というのはないんですね。そういう点で皆様方に、やはり現行法を変えるという、変えた方がいいというお立場ですから、条文的にいいますと、どこがぐあいが悪いのか、だから変えたいんだというようなことをどのようにお考えになっていらっしゃるのかということを、まずお聞かせいただければと思います。

○杵渕広君 先ほども西村先生の方にお答えしたとおり、済みません、どこが悪いというのをここで今ちょっとお話しするだけ知識は持っておりません。
 ただ、一言だけ。現行の教育基本法でずっとやってきました。その結果、今の親ができているという悲しい現実もあるのではないかと思います。ですから、そこを直すためにはもとからきちっと一つ一つ見直していく必要がある、そのためにはやはり直すべきではないのかと、済みません、総花的な御回答で申しわけないんですが、私はそう思います。
 ですから、それがきちっとできているのならば悪いところだけ直せばいいというふうになりますけれども、今の世の中を見るとそういうふうに思わざるを得ない。だから直すべきではないかというふうに考えております。

○渡邊弘君 私は、いわゆる昭和二十二年にできました教育基本法ですね、諸問題の原因を基本的に求めているということではなくて、諸問題の解決のための共有の原理というものを基本法に求めていく時代なのではないか。
 つまり、基本法を全く悪いと言っているわけではなくて、つまり、現状が大分変わってきている、そういうものに照らし合わせて、本来ならば資質等まで余り細かくそれは掲げなくてもいいのかもしれません。
 しかし、実際、具体的に申しますと、教育の目的の、ただいまお話がありました、真理と正義を愛する、あるいは個人の価値をたっとぶ云々という現行の教育の目的がございます。これは政府案では今、必要な資質ということで、今度は教育の目標の中に具体化されて五項目になっているのは御存じのとおりです。
 では、なぜこういうものが必要かといえば、もうこれは繰り返しになりますけれども、今の現状で、そういう公共の精神とか、あるいはやはり命が、これだけ自殺等も多い、そういう中で、あるいは環境もこれは世界的な問題でございます。
 そういうようなものを意識して、そういうものを積極的に自覚していくということは私は必要なのではないかなというふうに考えて、やはり現行法のどこか足りない部分、もちろんこれはよいものは、そういうものはそのまま継続しているわけですから、そういう部分を現状に照らし合わせてつけ加えていくということが重要である、そういうふうに判断しています。

○渋井休耕君 私も、戦後、あるいは教育基本法ができて正確に言えば五十九年になりまして、いわゆる現状の教育の姿と教育基本法の姿が、すべて悪いわけじゃなくて不足している面があるということ、それが一つです。
 それから、ALTというんですか、私、真岡にいるときはグレンドーラというロサンゼルスの在にある都市と姉妹都市を結んでおりまして、そこから外国の、英語教育を高めるために補助教員を呼んでいたわけですけれども、そのときに、彼は男の若い先生でしたけれども、毎月一回は自分の机の上に星条旗を掲げて非常にお祈りしているんですね。私は、そういう姿に接して、はるばるアメリカから日本に来て、そして自分の国を忘れないということでやっている姿などを見まして、ああ、アメリカという国はそういう国なんだと。
 我々がオリンピックとかスポーツの大会などで日本のチームが勝ったときに、やはり声援を送ると思うんですね。そういうことで、私は、何らそういう教育に変えていっても、文言に入れていっても悪くはないんじゃないかな、こんなふうに思っています。
 したがって、自分の国だけがよければいいんだというのではなくて、やはり外国、世界の平和に貢献するということがうたわれておりますので、私はそんなふうに考えて、かなり立派な現行の教育基本法であったけれども、時代の変化に対応して多少は変えていってもいいのではないか、こんなふうに考えております。

○石井(郁)委員 どうもありがとうございます。
 それでは、もう一点伺わせていただきます。
 政府案では今度、十六条の教育行政というところで、教育振興の施策を国と地方公共団体が策定する、これは、しなければならない、実施義務という強いものになっています。
 実は、この施策というものに何が入るのか。私ども、本来、皆さんもそうですけれども、やはり教育の予算がきちんとふやされるとか、教育条件がよくなるとか、そういうことを期待されると思うんですが、どうも必ずしもそうではなくて、これは中教審が出された例示ではありますけれども、いろいろ数値目標を出して、もっと学校はこういう努力をせよと、例えば、挙がるのが全国一斉の学力テスト、結果も公表するというような数値目標。それから、いじめや不登校についても半減をするとかいうような、学校教育に数値目標を掲げていわば成果を競わせる、そして学校間競争をさせるということが出ておりますので、こういう振興計画については皆さんのお考えはいかがでしょうか。
 もう時間があれですので、一言ずつでも結構でございます。三人それぞれ伺えればと思います。

○杵渕広君 宇都宮のことだけ申し上げますと、宇都宮は、平成十一年に基本的なビジョンをつくっておりまして、それをもとに今振興計画をつくっております。
 ですから、正直言いますと、宇都宮の教育委員会は国よりちょっと先を行っていますというのがうちのあれでして、ただ、その数値目標がいいかどうかという部分については、私は、教育に数値目標を入れるのは成績だけでいいのではないかと個人的には思っております。
 以上です。

○渡邊弘君 私は、やはり数値がひとり歩きするというのは非常に危険だというふうな認識を持っております。
 教員評価、これもやはり現実に、かなり校長等の負担になっているという事実があるのは認識しております。また、学校評価にしても、客観的に評価する統一基準をどうするかというようなところで数値が偏重されてくるというのは、やはりこれは慎重にやっていかなければいけないんじゃないかという認識です。
 そしてまた、数値がいわゆるランキングのようなことになってきますと、これは逆に、その子供たちに直接かかわる先生方を締めつけることになります。ですから、やはりその辺は慎重にして、議論していただきたいなということでございます。

○渋井休耕君 私も、数値目標で教育現場をやるということにはやはり慎重であるべきだ、こんなふうに思っています。
 ただ、やはり学校の様子などを見て、もっと頑張った方がいいのではないかというような面、そういう意味での意見は申し述べることができるのではないか、非常に慎重であるべきだということだと私は思っております。

○石井(郁)委員 それぞれ、どうもありがとうございました。
 以上で終わります。


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