衆院教育基本法に関する特別委員会 議事録第6号 2006年5月31日
議員 笠 浩史君
議員 藤村 修君
議員 武正 公一君
議員 高井 美穂君
議員 達増 拓也君
文部科学大臣 小坂 憲次君
国務大臣
(内閣官房長官) 安倍 晋三君
国務大臣
(少子化・男女共同参画担当) 猪口 邦子君
外務副大臣 塩崎 恭久君
文部科学副大臣 馳 浩君
内閣府大臣政務官 後藤田正純君
文部科学大臣政務官 吉野 正芳君
政府参考人
(文部科学省生涯学習政策局長) 田中壮一郎君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 銭谷 眞美君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 石川 明君
政府参考人
(文部科学省高等教育局私学部長) 金森 越哉君
政府参考人
(文部科学省スポーツ・青少年局長) 素川 富司君
衆議院調査局教育基本法に関する特別調査室長 清野 裕三君
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○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
憲法に準ずる法律の教育基本法についての全面改定の政府提出の法案でございまして、国会審議に入ったところでございます。私は、やはり立法提案の趣旨、関連資料等がこの審議には不可欠だと考えているものでございます。私自身は当委員会で一回目の質問でございますので、きょうはその点からちょっと入らせていただこうと思います。
その資料の問題につきましては、理事会等におきましていろいろ議論もありました。そして、先日、二十六日の理事会に「与党教育基本法改正に関する検討会について」という資料が出されました。
しかし、これを見ますと、第一回から第十回はまとめて一行、「現行法各条文についての議論。論点の整理。」とあるだけでございます。それで、十一回から二十六回ということで、これだけの、十回以上の回数も一行、「教育基本法改正の枠組み、「中間報告」案についての議論。」とあるだけでございます。等々で、あと、六十回から最新の七十回までは一行ずつございますけれども、私はこれを見て驚いているわけでございまして、大臣に率直なところをまず伺いますけれども、これが検討会の会議録というものでしょうか。
○小坂国務大臣 当委員会の理事会、五月二十六日ですか、そこで協議をされた結果として資料が提供された、その提供された資料に対する御意見でございますけれども、与党の協議会に関してどのような資料を提出するかということにつきましては、与党が判断されるべきものでありまして、政府としてはお答えする立場にない、このように考えております。
いずれにいたしましても、国会において法案の審議を進めていただくことを期待しておるわけでございまして、政府として、法案審議のために適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。
○石井(郁)委員 私どもはやはり会議の会議録ということが最小限必要ではないかということでございまして、出されたのがこういうものですということで、まず、これを会議録と見ることはできるのかどうかということの、いわば御感想的に伺ったわけですが、今のような御答弁でございました。
そこで、改めて、この現行の教育基本法、これは当時、本当に戦後の混乱期だったと思いますけれども、第一線の学識者が慎重に議論をされたということですよね。私、きょう持ってまいりましたけれども、この教育刷新委員会、これは第一回の記録で、ずっとありますけれども、これだけの、各委員がどういう発言をされたかという記録がちゃんと残っているわけですよ。私は、立法提案というのはこういうものだというふうに思うんですね。しかも、今度これを全面改正するという中身でございますから、そういうものだと。こういう会議録があれば、これは復刻ですけれども、後々、後世、我々が読むことができるという点でも、どういう議論を経てこういう条文になったのかと、その立法者の趣旨ということは、やはり理解する上では会議録というのはもう不可欠なものだというふうに思うんですね。
ところが、今もって今回は示されてないんですよ。私たち見るものがありません。中教審でも会議録というのはかなり大部なものがあるというのは、もう皆さん周知のとおりでございます。ですから、どういう審議で今回の条文になったのかということは、やはり明らかにしていただきたいということなんですね。
その議事録というのは、そもそもあるんですか、ないんですか。これはいかがですか。
○小坂国務大臣 与党協議会のことでございますので、そこにどのようなものが残っているのか、私どもとしては申し上げる立場にございません。
○石井(郁)委員 与党与党とおっしゃいますけれども、これは政府提出の法案なんですよ。私は、今の大臣の答弁は大変おかしいと思います。(発言する者あり)おかしいですよ。この与党の検討会に文部科学省も加わっていたじゃありませんか。そうですね。その都度、文科省が論点整理、資料の説明、そして法案の整理、各条をどういうふうに整理するかということをされてきたんじゃないんですか。
これは、当委員会にも保利委員もいらっしゃいますけれども、この検討会の後には毎回記者レクというのをやっていましたね。私もその記者レクのメモを見せていただいたこともあります。そこによりますと、かなり本当にいろいろなことを、これは保利会長自身がおっしゃっているんですよ。
例えば、先々週、文科省に、可能であれば、政府案みたいなものをできる範囲で示してほしいとちゃんと要求したということが残っています。我々がここでの議論をもとにつくったたたき台に対して、内閣法制局意見が出て、それをもとに文科省が一条一条素案をつくっている、その一部をきょうは出されましたと、これは四月二十日なんですけれども、おっしゃっておられます。きょうは論点を文科省に整理してもらって、法文を突き合わせながら検証した。また、文科省としてはまだいろいろ論点が残っているというので、きょうは、憲法とのかかわり、義務教育にかかわる問題、宗教教育にかかわる問題、教育行政にかかわる問題など、今までどういう議論があったのか、かなり詳しい資料をつくってくれたと。
ですから、まさにこれは与党と文科省との共同作業なんですよ。これは、私、その記者レクのメモを持っておりますけれども、それはもう記者の皆さんがよくお聞きのとおりなんであります。
ですから、何が論議されたのか、何が論点だったのか、どういう法案作成作業をしたのかを小坂大臣が全く知らないとなったら、知らなくてこの法案を提出したのかということにもなりますので、私は、何が論議されたのかという説明責任があると思うんです。これは文科省としての説明責任を果たすべきだと思いますが、その点はいかがですか。
○小坂国務大臣 私はその検討会に出席しているわけではございませんので、その協議会検討会においてどのような議事が行われたか等については、これは与党の方にお聞きをいただきたいと思うわけでございます。
この与党の教育基本法改正に関する検討会における審議のために、文部科学省として例えば仮要綱案のようなものを提供したではないか、こういうお話だと思うのでございますが、これは、この検討会の審議に資するために、その求めに応じて、中教審答申や、それまでの与党での議論を踏まえた議論のたたき台として仮要綱というようなものを提出したことはございますけれども、これはあくまでも与党における議論のたたき台として作成したものでございまして、その公表にかかわることは与党が判断すべきもの、このように考えているところでございます。
○石井(郁)委員 毎回の記者レクの記録というのはかなりちゃんと、それなりにあります。だから、それは文科省として持っているはずですよ。毎回、与党と文科省との検討作業を行ってきたという事実があるわけですから、それは文科省として、やはりきちんと整理をされて、私は提出されるべきだと思います。
この点は、委員長にもぜひそのようにお諮りをしたいと思いますが、いかがですか。
○森山委員長 ただいまの資料の要求につきましては、理事会において協議したいと思います。
○石井(郁)委員 それで、具体的に、内容に入ってお尋ねをしたいと思います。
昨日の参考人の質疑でも一定出されましたけれども、中教審答申とそれから今回の法案との間には、幾つか違いがございます。そういう意味でも、なぜこういう法案になったのかということを私たちは知る必要があるわけですね。
中教審には、現行の教育基本法を貫く個人の尊厳、人格の完成、平和的な国家及び社会の形成者などの理念というのは、憲法の精神にのっとった普遍的なものとして今後とも大切にしていくとか、また、今日極めて重要と考えられる以下のような教育の理念や原則を明確にするため教育基本法を改正することというようなことになっておりまして、つまり、現教育基本法をベースにして、私たちはこれをいわば部分改定だというふうに受けとめたわけですね。
ところが、今回は、いわば総改定だ、全面改定というふうになっているわけで、この点でも、やはりどういう審議でこういうふうになったのかというのは御説明いただかなきゃいけないと思うんですが、いかがですか。
○小坂国務大臣 法令について改正を行う場合には、その改正部分が広範囲にわたり、かつ規定の追加や削除、移動が大幅に行われる場合には、一部改正の形式をとらずに、法令の全部改正という場合が多いわけでございます。
教育基本法につきましては、昭和二十二年の制定以来、一度も改正が行われておりませんで、今回の改正におきましては、前文を初め改正部分が広範囲にわたりまして、また規定の追加等が大幅に行われることから、全面的に改めるというふうにしたわけでございます。
なお、中央教育審議会答申におきましては、具体的な改正方式についての提言はいただいていないところでございます。そういった面から、今回の全部改正ということの御理解を賜りたいと存じます。
○石井(郁)委員 中教審のことですけれども、確かに条文立てということまではしていなかったというふうに思うんですね。それを一点確認をさせていただきたいと思います。しかし、結果として出された案、検討会の案というのは、前文と十八条立てということになっておりますので、どういう審議を経て、今多少お話しいただきましたけれども、この十八条立てになったのか。その審議の経過、そこがまだ明確になっていないというふうに思うんですね。
そういうプロセス、例えば、そこにはいろいろな議論がやはりあっただろう、教育ですから、やはりそういう議論を経てこういう結論に至ったという部分があると思うんですね。それがまた、私たちも、国会審議、また国民の皆さんに説明する上でも大変大事なところだというふうに思いますので、どういう議論でこの十八条立てということになったんですかということを重ねてお聞かせください。
○小坂国務大臣 今回の改正に当たりましては、中教審答申、そしてまた与党における最終報告、またその前の国民会議の報告、こういったものを全体的に配慮して、そういったものの中から私どもとしてこの法案の条文立てを行い、提出したわけでございます。
したがいまして、私どもとして必要な条項を立ててまいりますと、最終的に十八条という条文立てになったということでございます。
○石井(郁)委員 中教審の場合、義務教育の年限についてですけれども、この義務教育の九年間の規定は引き続き規定していくということが適当だというふうにあったかと思うんですね。ところが、今回、それが取り払われています。それから、幼児教育についても、中教審では全く議論されていませんでした。この点も、どういう議論を経て今回の条文立て、そして義務教育の年限を取り払ったのか、幼児教育を加えたのかということはいかがですか。
○小坂国務大臣 中教審答申との違いを述べられましたけれども、昨日の参考人質疑におきまして、鳥居中教審会長は、九年の年限を削除したことについて、自分もこれを事前に知っていたわけではないけれども、これを見てみて、これは適切だ、こう考えたという答弁といいますか、意見を述べておられます。
教育の年限につきましては、今回の法案においては規定せずに、将来における延長の可能性も視野に入れつつ、その手続が柔軟に行えるように学校教育法にゆだねることとしたわけでございます。
また、幼児期の教育につきましては、心身の健やかな成長を促す上で重要な意義を有することにかんがみまして、家庭、幼稚園等の施設、地域社会における幼児期の教育の重要性を規定するとともに、国及び地方公共団体がその振興に努めなければならない旨を規定することとしたものでございます。
なお、これらは、教育基本法改正に関する中教審答申には必ずしも明示されてはおりませんけれども、その後の中教審答申や、この教育基本法改正に関する与党協議会の最終報告などを踏まえて、このような規定としたものでございます。
○石井(郁)委員 今の御答弁を伺っても、結果としてというか、こういう結論です、その結論はこういうことですということはおっしゃったわけですけれども、お聞きしていますのは、それにはやはり相当な議論があっただろう、だから与党検討会も三年間かけてこられたわけでしょう、その議論が見えないんですよね。そこには、やはり賛否両論があったり、あるいはまた、賛成でもいろいろな理由づけがあったりするでしょう。それが全く示されないんですよ。結論だけが押しつけられている。
それは、私は、国民の方にしたらもっと深刻だと思うんですね。だって、中教審答申は三年前ですけれども、二年前に与党の中間報告案というのが出されました。その後、今日までというのは全くのブラックボックスです。そして四月、突然この法案概要として示されて、四月の末、法案提出ということになりました。だから、国会も国民もこの法案についてはそれまで全くわからない。しかも中教審とは違うものが随分入っている、こういうことですから、それはどういう議論でそうなったのかというのは、私は、文科省が説明責任を果たすべきだというふうに思うんですね。そうしなければ、余りにも国会軽視でもありますし、また、国民に対する説明責任を果たすことにもならないというふうに思うんです。その意味で、私は、到底今のような御答弁だけでは満足できないわけですね。
教育刷新委員会では何しろこれだけの議事録が残る話ですから、戦後初めてのいわば大改定のときに、ただ結論だけおっしゃっても、それでよしとするわけにはいかない。どういう議論があったのかということは、徹底して、議事録として、あるいはできる限り国会に開示されるべきだというふうに思います。
この点では、政府提出ということでございますので、きょうお越しいただいている官房長官にも、通告はしておりませんけれども、一言、こういう事態をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
○安倍国務大臣 私も二年前幹事長として与党の協議に参加をしていたこともあるわけでありますが、会を重ね、極めて広く深く議論をしていた、このように思っております。
これは与党での協議でございますから、政府として、その中身を出せとか議事録を出せと言う立場ではないというふうに考えております。
○石井(郁)委員 私、ありがとうございますとあえて言いたいんですけれども、広く深く議論されたんだったら、やはりそれはぜひお示しください。それは文科省がお入りになってされているんですから、それは当然審議に当たって示していただきたいと思うんですね。それは申し上げておきます。
それで、きょうは猪口大臣にもお尋ねしたいと思います。
やはり中教審との関連でございますけれども、中教審答申では、新たに規定する理念として、男女共同参画社会への寄与というのを挙げられておりました。ところが、政府提案の法案にはその文言はなく、男女の平等、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参加し、その発展に寄与する態度を養うということになっております。
この男女共同参画社会への寄与ということが男女平等ということに置きかえられただけなのかどうか、なぜそうなったのか、その議論の経緯をお聞きでしょうか。
○猪口国務大臣 石井先生にお答え申し上げたいと思います。
まず、男女の平等という表現ですけれども、これは非常に重要、そして非常に積極的な趣旨で規定したものでございます。政府提出の法案におきまして、第二条第三項、これはまず正義と責任、あるいは自他の敬愛と協力、あるいは先生もおっしゃってくださいました、主体的に社会の形成に参画、このような態度とあわせて、男女の平等を重んずる態度、そういう表現にしております。ですから、これは私としては非常に積極的な内容と考えております。
言うまでもなく、男女共同参画社会の実現が求められていて、その観点も踏まえていると考えております。大変に積極的かつわかりやすく重要な表現、男女の平等でございます。
○石井(郁)委員 私、残りの時間、愛国心の評価問題でお尋ねをいたします。
本法案の審議に入りまして、愛国心の通知表というのが大問題になりました。小坂大臣も、評価でA、B、Cをつけるのはとんでもないという御答弁もございました。その後、新聞各紙もいろいろと報道されたところでありまして、現在、埼玉県で五十二小学校、また岩手県、茨城県などでも愛国心の評価が行われているということがございました。
文科省としまして、この愛国心の評価で実態を把握されているでしょうか。これも大臣にきょうはお願いしていますけれども、大臣いかがですか。
○銭谷政府参考人 通知表でございますけれども、通知表は、各学校がその責任において適切に判断して使っているものでございます。現在、報道等によりまして、通知表の中で国を愛する心情についていろいろな評価がなされているということが言われているわけでございますが、我が国を愛する態度の評価に際しましては、児童生徒の内心を調べ、国を愛する心情を持っているかどうかで評価するものではございません。その学習の内容について自分で調べたり、あるいは意欲を持って臨んでいるか、そういった姿勢を総合的に評価するものでございます。このような趣旨の考え方については、文部科学省としてその趣旨の徹底を図っているところでございます。
このことから、文部科学省といたしまして、全国の学校における通知表の内容について調査をするということは考えていないわけでございますが、評価の考え方につきましては引き続き趣旨の徹底を図ってまいりたいと思っております。
○石井(郁)委員 現実に愛国心を通知表に載せて、A、B、Cというランクをつけているということが報道されているんですから、そういう実態については私はきちっと把握すべきだというふうに思いますし、問題は、なぜこういう事態になっているのかなんですよ。
私は、そのもとは、やはり文部科学省が平成十年に学習指導要領に載せましたね。「我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする。」ということを書き込みました。その後、平成十三年の四月には、小学校児童指導要録、中学校指導要録等の改善という通知を出されているんですね。その通知で、「学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を評価することに改める。」ということがあります。そして、指導要録に記載する事項としている。ここから来ているんじゃありませんか。
その中で、社会では、学年別の評価の観点の趣旨として、我が国の歴史、我が国の役割云々ということの中で、国を愛する心情とともに云々、日本人として世界の国々の人々とともに生きていくことが大切であるという自覚を持とうとすると。だから、国を愛する心情とか日本人としての自覚とかいうことが、ここの中で評価の観点ということに入ったんですよ。それで通知表に書かれるようになったということがあるんですね。
いかがですか。やはりこういうことから、文科省がまさにこういう通知表を作成するような行政指導をしてきたからじゃありませんか。その点は、大臣、いかがでしょう。これは大臣、ぜひ御答弁ください。
○小坂国務大臣 今御指摘の学習指導要録でございますけれども、在学する児童生徒の学習及び健康の状況を記録した原本でございまして、法令上は学校に作成、保管義務がある書類でございます。様式は設置者である教育委員会が定めることとしております。文部科学省がこの十三年四月に現行の学習指導要領のもとでの学習指導要録の様式の参考例を作成して通知をした、その中で、小学校六年生の社会科の社会的事象への関心、意欲、態度の評価の観点の趣旨として、御指摘がありました、「我が国の歴史と政治及び国際社会における我が国の役割に関心をもち、それを意欲的に調べることを通して、我が国の歴史や伝統を大切にし国を愛する心情をもつとともに、平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であることの自覚をもとうとする。」と記載しているわけでございまして、これは、子供の内心を調べて国を愛する心情を持っているかどうかを評価する趣旨ではないわけでございます。
すなわち、我が国の歴史と政治及び国際社会における我が国の役割に関心を持って、それを意欲的に調べるといった学習内容に対する関心、意欲、態度を総合的に評価するという趣旨でありまして、過日も申し上げましたけれども、国を愛するという心情を持っているかどうかという内心を評価するということは、これはすべきでないと私も思うところでございます。
○石井(郁)委員 やはりはっきりさせなければいけないことがあると思うんですね。指導要録というのは義務づけられているというふうにおっしゃいました。学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を評価することに改めるということで、目標に照らしてその評価をするというふうにしていますから、今問題になっているああいう通知表が出てくるんだと思うんですね。大臣は総合的にとおっしゃいましたけれども、あの通知表を見ますと、国を愛する心情、日本人としての自覚云々ということが項目として載っている。載せてきたんじゃないんですか。
私は、いろいろ言われるけれども、こういう愛国心の評価をやめさせるのかどうなのかということになりますと、こうした通知を撤回させる以外にないと思うんですよ。指導要領に沿って目標を立て、そしてその実現の評価をするということを通知しているんですから、そういう通知はやはり間違っている、撤回するという立場に文科省として今は立つべきだ。そうしなければ、この愛国心の評価というのは残っていくわけです。
私は、その辺は、愛国心評価などとんでもないという発言をされた文科大臣としては、やはりきちんとされるべきだと思いますが、いかがですか。
○小坂国務大臣 この通知表の書き方ですけれども、通知表自身は、各学校がその責任において適切に判断すべき事項でございますので、どのような記述を行うかというのは学校にゆだねられるわけでございますけれども、その中で、国を愛する心情を持っているかどうかということで評価をするというようなことをしてはならないということについて、私どもは適切な指導を行ってまいりたい、このように思うところでございまして、我が国の歴史や伝統に関する学習内容に対する関心、意欲、態度を総合的に評価するということで、評価というのはあくまでもなされるべき、こういうことを、あらゆる機会を通じて、学校にも徹底してまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 もう時間なんですけれども、現在の学習指導要領に、国の歴史や伝統を大切にして、国を愛する心情を育てるようにするということを書いて、さらにそれを通知で、指導要録でもきちんと観点評価するようにということになった中で、今日の問題の愛国心の評価ということが出てきたわけですね。
今回の法案というのは、それを法律そのものに今度は格上げするわけですよ。法案の第二条、教育の目標、そこに載せているわけですから、態度を育てるようにするというふうにしているわけですから。指導要領で、今現実に起きているいろいろな混乱が、今度は法律へ格上げする、法律の名前で一層強制が働くようになるというのが、私は今回の法案だというふうに思うので、この法律はもう撤回以外にはないということをこの点に限っても申し上げて、きょうの質問を終わります。