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衆院文部科学委員会 議事録第16号 2006年4月28日


   文部科学大臣       小坂 憲次君
   文部科学副大臣      馳   浩君
   厚生労働副大臣      中野  清君
   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   林  幹雄君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           白石 順一君
   文部科学委員会専門員   井上 茂男君

     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。最後の質問になりました。よろしくお願いします。
 私も待機児問題で一問伺いたいと思っております。
 実情を紹介したいのでございますけれども、大阪市の場合です。政令都市、中核市の中では最も待機児が多いという都市でございます。二〇〇五年四月現在で、入所児童数は三万九千九百三人ですけれども、従来の定義によりまして千七百九十二人の待機児なんですね。今お話しのように、地方自治体は次世代育成行動計画を立てています。大阪市もこのように述べています。保育所の新設や増改築、駅前分園の設置などにより、入所枠の拡大に努める。一応、政府とか行政、市町村はそういうことを掲げてはいる。しかし、その中身は、二〇〇五年度から二〇一〇年度までにふやす入所児童数は五百二十八人なんですよ。これではもう到底追いつかない。だから、自治体がそういう待機児を解消するということに、これではまじめに取り組んでいるとは言えないということだと言わざるを得ないわけです。
 こういう中で、認定こども園が今回創設される。この認定こども園の創設というので、待機児の解消というのはどのように期待しているのか、大分質問がありましたけれども、改めて御見解を伺いたいと思います。

○中野副大臣 待機児童の問題につきまして、今高井さんに審議官が答弁いたしましたが、改めて私の方から申したいと思いますけれども、平成十四年から待機児童ゼロ作戦を進めておりまして、十六年までの三年間で十五万六千人の受け入れ児童数の増加を図ったところでございます。そして、平成十七年四月の待機児童数は二年間連続で減少をしておりまして、約二万三千人となってございます。

○石井(郁)委員 今の質問にはちょっとお答えになっていないように思うんですが、認定こども園の創設が待機児の解消にどういうふうにかかわるんですか、待機児の解消ということをどんなふうに期待しているんですかということです。

○中野副大臣 今回の法律によるところの幼保連携型の認定こども園になった場合には、保育所の認可の定員とか施設設備基準の特例を設けるなどいたしまして、幼稚園が低年齢児保育に取り組むことになりますと、待機児童の解消に資するものと期待をいたしております。
 今、認定こども園の方はそうでございますし、先ほど御答弁いたしましたけれども、十七年度補正予算と十八年度予算で約四百十五億円を確保いたしまして、これで施設整備費に重点的に取り組むということと一緒に、例えば待機児童が多いところ、少なくとも五十人以上の、待機児童が多い都市、市町村を中心にいたしまして、平成十九年度までに集中的に児童の受け入れ数を拡大したい、そういう決意でございます。

○石井(郁)委員 政府として待機児問題を解決するというためにきちんと取り組むということだと思うんですね。そういう点では、今本当におっしゃっていただいた方向で大いに努力していただきたいんですけれども、公立、公的な保育制度、保育所を国の責任でやはりきちんと整備していく、計画的に整備していくということがぜひ大事だというふうに思います。そのための財政措置も、きちんとやはり今後とも措置をしっかり確保していくということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それとも関連いたしまして、今、認可保育所、とりわけ公立保育所では、地方自治体の財政難ということがありまして、新たな子育て支援の実施を理由にして民間委託とか民営化というのが進んでいますよね。二〇〇一年度から二〇〇五年度までの累計で、私どもの聞いたところでも、民間への業務委託が三百九十八件、民間への公有施設の貸与が百九十件というのがありまして、今、民間委託になったところで、保育士さんが足りないとか、あるいは営業上困難になるとかいうことでストップをするとか、いろいろな事件が全国あちこちで起きています。
 きょうはそのこと自身には触れませんけれども、定員を超えて待機児童を受け入れているという公立保育所もございますし、また、そういうところでは本当に運営費が厳しい。これは保育所の運営費が一般財源化されましたよね。そのことによって、市町村の財源だけではやはり保育所を運営していけないというところが出てきているわけです。それでも民間委託をする、業務委託をするということが起きて、そこで大変なトラブルや、あるいは閉鎖とかということが起きています。
 こういう実態をどのように把握していらっしゃるのかということと、やはりこの問題は大変深刻ではないか、その認識をお持ちかどうかについて、大臣の御認識を伺いたいと思います。

○中野副大臣 今委員が御指摘のように、公立の保育所の民営化や民間委託につきましては、既に数多くの実績があるということは御承知だと思います。また、保育につきましても、公立民立を問わず、職員の配置や施設設備を定めた最低基準というものができておりますから、基本的な保育の質は担保されているというふうに考えておりますし、また、それを維持したいと思っております。
 また、今、市町村の財政の話がございましたけれども、市町村としては、公営民営を問わず、保育の実施責任があるわけでございまして、どのような形態でやっていくかということについては各市町村の適切な判断というものがあると思いますので、その点で我々も期待をしているわけでございます。

○石井(郁)委員 待機児童問題からお話しいたしましたけれども、一方では本当にそのニーズがある、しかし民間委託をしたためにその保育所がクローズ、閉鎖になってしまった、これではどうしようもないわけでしょう。だから、やはり公立として市町村が措置する責任があるわけですから、本当に市町村が保育所をきちんと運営していく、また財政的な措置もきちんととっていく。このことがなかったら、やはり待機児童問題、解決しないというふうに思うんですね。
 きょうは時間もありませんけれども、今、本当に各地で深刻な事例が起きています。私も、神戸の事件、大阪にも大東市、そのほかでも裁判にまで訴えているような事例になっている、その裁判も闘いながら、勝利もしているんですけれども、というようなことになりまして、ぜひこういう深刻な実態にも目を向けて、きちんとやはり市町村の財政措置、国としても抜本的に図っていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
 それで、きょう、民主党の修正案について一問お伺いをいたしたいと思います。
 修正案の附則の第三条に「幼稚園及び保育所の間において、教育及び保育の内容並びに施設の設備及び運営に関する基準、幼稚園の教諭と保育士の資格の内容等ができる限り統一的なものとなるよう、必要な措置を講ずる」というのがございます。できる限り統一的なものとして措置をするというのはどういう内容を考えていらっしゃるのか、お聞かせください。

○高井委員 御質問、ありがとうございます。
 私たちの民主党案では、最終的に幼保別々の機能を持った施設が子供のための施設として一つの類型となることを目標、理想としています。そして、それは今までの幼保の存在を否定するものではなくて、教育、保育双方の必要なところすべてを包括する理念と基準でもって子供のための施設として存在するようにしたいというふうに考えています。
 それを前提にしまして、内閣府に担当の部局を置いて、補助金の出入りも統一するということから始めて、三年間のうちにすり合わせをしながら、統一した基準や資格をつくることを進めたいというふうに考えております。
 具体的に申し上げますと、施設の整備、運営に関する基準では、双方のより厳しい方の基準に合わせる、つまり〇―二歳を預かる施設では、例えば調理室の設置等も入れていきたいというふうには考えています。
 しかしながら、そのためにはやはり財政支援措置が当然必要となってきますので、でき得ることならば、子ども家庭省並びに子供担当部局などの設置によって、総合的に新たな支援を検討しているところであります。
 例えば、資格におきましても、現状では、新規卒業者では八割が併有しているというふうに聞いておりますが、さらに研修等の充実も図って、両資格の統一を目指しつつ、片方の資格を有する者のみを排除することのないように統一していきたいというふうに考えています。
 国が就学前のすべての子供に質のよい居場所を提供するために、新しいナショナルミニマムとしての基準をつくり直すという観点から、このように附則にはできるだけ統一的なものという書き方で入れさせていただきました。

○石井(郁)委員 どうもありがとうございました。
 私も、やはり幼稚園、保育園の一元化ということは大事だと思っているんですね。そのためにも、一番やはりやらなきゃいけないのが、それぞれ基準が違う、そこのところを低い方に合わせてはだめなんで、しかも現状ではなくてもっとこれをいいものにするということを考えますと、政治の課題として大変な努力が要るなと思うんですけれども、やはりそれなくして一元化をしてもうまくいかないだろうというふうに思っておりまして、お聞かせいただきました。
 次に、幼稚園にかかわって、きょうは残り質問をいたします。
 認定こども園においては、三歳児から五歳児の共通時間ということについて、学級を単位というふうにされていますけれども、これは政府の方にお聞きするんですが、具体的に一学級何人にするんでしょうか。

○銭谷政府参考人 認定こども園における一学級の編制でございますが、これは幼稚園設置基準と同様、三十五人以下というふうに考えております。

○石井(郁)委員 小学校でも今や三十人前後のクラス、少人数学級と言われている時代ですよね。国会でも、義務教育のところは、学級の定数は大変話題になったというか問題にしてきたところですけれども、幼稚園のところが何で三十五人以下なんだ。三十五人なんだということはやはり一度きちっと議論しなきゃいけないかなというふうに私は思うんですが、なぜ三十五人のままなんですか、これは。

○銭谷政府参考人 幼稚園は、御案内のように、学級単位で教育活動を行っているわけでございますけれども、子供たちにいわば環境を設定いたしまして、子供たちがいろいろと活動をする中で子供たちに対する指導を行うという、ある意味で集団的な活動ということが要請をされているわけでございまして、現実には、これまでのいろいろな経験にかんがみまして、従来から三十五人を上限とした基準で運用をしてきているところでございます。
 なお、実態を申し上げますと、現在は、大体一学級当たりの園児数の平均は、三歳から五歳児を通じまして約二十五人でございます。一方、園児数の一学級の平均が三十人を超える学級というのが全体の約二割ぐらいございます。

○石井(郁)委員 そういう実態ならなおのこと、やはり思い切って、国の基準としてもきちんと下げるという方がいいんじゃないかというふうに思いますよね。小学校の低学年で学級崩壊ということが大変ずっと話題というか問題になりましたけれども、やはり就学前のところの問題が引きずっているんじゃないかということも言われていますから、やはり就学前のところの定数というのは非常に大事だ、どういう規模で生活をするのか、まさに生活の単位でもあるけれども、それは大事だというふうに思うんですね。
 これはある幼稚園の教諭の方にお聞きしたんですけれども、そこは、年長で三十五人で三クラスだ、年中組というのがありますね、やはり三十五人で三クラス、年少は二十五人で四クラス、合計三百十人という大規模な園だと思うんですけれども、そういうところだということです。
 それから、これも一つ幼稚園の大きな問題なんですけれども、幼稚園の教諭は比較的若いんですよ。勤務年限が非常に短くて、本当に若い人だ。これはどうも安く雇っているからだという話もあるわけで、しかも女性だから安い賃金でという問題も一つ私はあると思っています。その幼稚園で、十二人中七人の方が一年から五年ぐらいの経験しかない。ころころ変わるんですよね。子供にとってもこれは大変だということがあります。ですから、やはり幼稚園の学級定数というのは、保育園に合わせて、私は少なくとも改善すべきだというふうに思います。
 ちなみに、ちょっと諸外国の例なんですが、イギリスの場合、三歳から五歳児を預かる保育学校というのが、今の幼稚園の話ですけれども、二十人の子供に対して職員は二人配置する、これは国の基準としてやっていることなんですね。それから、保育所では、一グループ二十六人を超えてはならない、八人の子供に対して一人の職員だ。フランスでは子供八人に一人です。スウェーデンでは子供五人に一人の職員です。これがみんなやはり公務員の資格を持って、専門的な資格を持って、国として配置しているというふうになっておりますから、それと比べても、余りにも日本の幼稚園あるいは保育園の配置基準というのはやはりおくれているんじゃないかということをこの機に申し上げさせていただきたいと思います。
 さて、もう一つの問題が、幼稚園に通わせている親にとっての保育料の負担の問題なんですね。
 これは、もう皆さん、けさの新聞でやはりそうかということで改めて思いまして、これは毎日ですけれども、育児や教育にお金がかかるから子供はもっとというふうには思わないと。これは内閣府の五カ国調査で、少子化社会に関する国際意識調査で、日本はやはり最低だ。だから、いかに教育費が高いか、これが少子化にも影響しているということで、きょうの新聞報道がございました。
 これは文科省の調査でも、入園料と保育料を合わせて、全国平均は、私立幼稚園の場合、年額二十八万五千円です。公立幼稚園の場合は七万七千円なんですよ。四倍の差がついている。だんだんとこの差は親にとって大変負担になっている。だから、一人は行けても、二人目、三人目になるととても同じ私立の幼稚園には通わせられないということですね。幼稚園に通う子供の約八割は私立の幼稚園です。ですから、今、親の負担、若い世代の負担が大変重くなっているということが言えるかと思います。
 さて、それで、文科省として、幼稚園の就園奨励事業というのを実施しておりまして補助金を出していますが、国は三分の一です。市町村が三分の二の負担です。市町村では、これを実施しているところが決して一〇〇%じゃないんですよ。だから、この調査は、文科省と内閣府でちょっと数字が違うんですけれども、まだそれをやっていないところも非常に存在しているということでございます。
 私は、この法案でも、幼稚園は幼稚園として、保育園は保育園としての役割、機能はそれなりにまた果たしていくという制度でございますから、幼稚園の果たしている今の役割を考えますと、国が負担率を引き上げるなどの拡充、あるいは市町村にもっと支援をするということが必要ではないのかというふうに思いますが、この点はぜひ大臣の御決意を含めて伺いたいと思います。

○小坂国務大臣 新聞に確かにそのように書いてございますが、実際には、あの新聞の中で、読んで、もう一つ掘り下げて、それは感覚として教育費が高いのでという理由になっていますが、では、実際に教育費は幾ら対幾らになるかという比較も出していうと、もう少し違ってくるような状況もあるかとは思いますけれども、そういうような指摘があるのは事実だと思います。
 幼稚園と保育所では、提供されるサービスや保育の時間が異なっておりますし、また、保育料設定の考え方も異なっているわけでございますので、必ずしも幼稚園の保育料が保育所に比べて高いとは一概には言えない部分がありますが、幼稚園においては、幼稚園に通う園児の保育料負担の軽減を目的とした、今御指摘の就園奨励事業を実施する地方公共団体に対して、国はその所要経費の、三分の一と御指摘をいただきましたけれども、一部を幼稚園就園奨励費補助金という形で補助をしているわけですね。この幼稚園就園奨励費補助事業につきましては、これまで、補助単価の増額や、それから第二子以降に対しては優遇措置条件をつくって緩和を行っているわけでございます。
 御指摘のような状況を踏まえて、文部科学省としては、今後とも必要な予算の確保に努めて、緩和に努力をしたい、このように思います。

○石井(郁)委員 時間が参りました。終わります。

○石井(郁)委員 私は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案に反対の討論を行います。
 第一に、認定こども園の施設設備や職員配置、教育保育内容などを、都道府県が国の基準を参酌し条例で定める点です。
 幼稚園や保育所の現行基準などを基本に、総合施設モデル事業評価委員会の最終まとめに従ってつくる国の基準も何ら法的拘束力がありません。しかも、その基準を都道府県が参酌するもので、国の基準以下で条例が制定される可能性もあり、現状の保育環境や水準の低下、地方ごとの格差を招くものと言わなければなりません。
 次に、直接契約制を導入し、施設ごとに保育料が自由に設定される点です。
 幼稚園や保育所の保育料負担が家計を圧迫していることは、内閣府の調査などでも明らかです。保育料の自由設定によって、高額の負担を強いる施設も出てきかねません。本来どの子にも平等に保障されるべき就学前の教育、保育が、親の収入によってランクづけされてしまいます。また、認定こども園と親との直接契約は、滞納、未払いを理由に子供が退所という事例も生じかねず、また保育を必要としている子供たちが、保育を受けられなくなる事態になりかねません。
 ほかにも、子育て支援を行える施設や専門家の配置を行えるようにする財政的支援が全くない点、多様な類型を認めるとして無認可幼稚園や無認可保育所を認定するというダブルスタンダードを認める点などの問題があります。
 以上の点から、国や自治体が負っている公的保育制度を崩すことに道を開くことになりかねず、本法案に反対するものです。
 なお、民主党提案の修正案については、残念ながら賛同しかねます。
 終わります。


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