衆院行政改革に関する特別委員会 議事録第9号 2006年4月11日
総務大臣
国務大臣
(郵政民営化担当) 竹中 平蔵君
財務大臣 谷垣 禎一君
文部科学大臣 小坂 憲次君
厚生労働大臣 川崎 二郎君
農林水産大臣 中川 昭一君
経済産業大臣
環境大臣臨時代理 二階 俊博君
国務大臣
(内閣官房長官) 安倍 晋三君
国務大臣
(金融担当)
(経済財政政策担当) 与謝野 馨君
国務大臣
(行政改革担当)
(規制改革担当) 中馬 弘毅君
内閣府副大臣 山口 泰明君
財務副大臣 竹本 直一君
経済産業副大臣 西野あきら君
環境副大臣 江田 康幸君
農林水産大臣政務官 金子 恭之君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 千代 幹也君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 大藤 俊行君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 上田 紘士君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 中藤 泉君
政府参考人
(内閣府大臣官房政府広報室長) 谷口 隆司君
政府参考人
(内閣府市場化テスト推進室長) 河 幹夫君
政府参考人
(総務省行政管理局長) 藤井 昭夫君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 高部 正男君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 久保 信保君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君
政府参考人
(財務省大臣官房参事官) 林 信光君
政府参考人
(財務省主計局次長) 松元 崇君
政府参考人
(文化庁次長) 加茂川幸夫君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房総括審議官) 金子 順一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 松井 一實君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 松谷有希雄君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 鈴木 直和君
政府参考人
(厚生労働省職業能力開発局長) 上村 隆史君
政府参考人
(社会保険庁運営部長) 青柳 親房君
政府参考人
(林野庁長官) 川村秀三郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 深野 弘行君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 近藤 賢二君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 安達 健祐君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 谷口 博昭君
政府参考人
(国土交通省自動車交通局長) 宿利 正史君
政府参考人
(国土交通省航空局長) 岩崎 貞二君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 小林 光君
政府参考人
(国際協力銀行総裁) 篠沢 恭助君
衆議院調査局行政改革に関する特別調査室長 大竹 顕一君
――――◇―――――
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
市場化テストの問題で質問をいたします。
独立行政法人に関する有識者会議は、昨年十月二十八日に、国立美術館、博物館、文化財研究所の再編統合について、さらなる検討を行うべきであるという要望を出しました。また、規制改革の民間開放推進会議は、これらの機関を市場化テストの対象にすべきだという要望も出されております。こういう経営効率優先のあり方について、平山郁夫東京芸大学長、高階大原美術館長らが「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧する」という声明を発表し、いろいろ行動されたということはよく知られているところでございます。
そこで、最初に文科大臣にお伺いをいたしますが、先日、文科委員会で大臣の次のような御答弁がございました。競争あるいは採算性のみを追求するようなことのないように、市場化テストに適するものと適さないものをしっかり分けて考えなければいけない、従来の形でしっかり計画性を持って取り組んでいくという必要性を強く認識していると。これは保坂議員の質問に対する御答弁でございました。
それで、伺いたいんですが、国が責任を持って行うべき分野はしっかりと国が維持していく、美術館、博物館などは市場化テストの対象とはしないというふうに受けとめてよろしいでしょうか。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。
先日もお話を申し上げたわけでございますが、財政厳しい折、どのような分野にあっても採算性、効率性ということを常に考えなければならない、このようには考えるわけでございますけれども、国立美術館と国立博物館の業務というのは、長期的かつ継続的な視点に立って進めることが必要でございまして、短期的な評価に陥りがちな効率性や採算性というものを余りに重視いたしますことは必ずしも適当ではなく、なじまない面がある、このように考えております。
昨年、多数の文化人の方々からも同様の危惧が示されたところでございまして、これらにつきましては十分に配慮することが必要であるという認識を持っておるわけでございます。市場化テストの適用につきましては、このような文化芸術の特性等を踏まえつつ、慎重に対応することが必要である、このように考えております。
○石井(郁)委員 平山郁夫さんらだけではなくて、本当にこの間いろいろな方々の発言がございますが、先月には日本学術会議が、経営効率だけを重視する国の文化政策について警鐘を鳴らすために、学術・芸術資料保全体制検討委員会を立ち上げました。ことしの秋にも提言をまとめるということでございますけれども、その中で、日本学術会議がこういう委員会を設置したその必要性を次のように発表していらっしゃいます。
少し読み上げますけれども、「効率化で改善される部分も多いが、実物資料の管理をも改革の潮流に放すことは、あまりに無謀である。安易な民営化で、学術・芸術の礎である無二の実物を将来にわたって守ることができるのだろうか。」「公的施設の運営及び民間委託が、その収益性向上と効率的活用を重視するあまり、人間文化の継承と創造に等しく役割を果たすはずの基礎的文化資源や管理業務を切り捨てさせ、それ本来の社会的役割を見失わせつつある」という指摘でございます。
そこで、この点は中馬大臣に伺いたいと思いますけれども、日本学術会議から、これは三月ですから先月、こういう指摘が出ていることを御存じでしょうか。また、今お話ししたようなことに関しての御感想をお聞かせください。
○中馬国務大臣 そのことは承知をいたしております。
委員御指摘のように、文化芸術といったものは、これはいわゆるコスト競争には私はなじまないと思っています。ですから、そういう意味での市場化テストの対象には私たちの方も余り考えておりません。
しかし、そういったこともすべて判断されるのは監理委員会の方々でございますけれども、ここで言っているのは、それを全部丸ごと、コストが低いからということで市場化テストの対象にしようという意図ではないんですね。聖域なくいろいろなことは対象にしていただきたい、その中で、今言いましたような、同じ博物館を運営するについても、その展示の仕方とか、その部分は民間の方がよほどサービスがよくなるんじゃないかとか、そういったことは十分、今、各自治体なんかでやっておりますものを見ましても、すべて役人に任せて博物館がずっと象牙の塔のような形でやっていることじゃなくて、もう少し住民の立場に立って、サービスだとか展示の仕方だとかそういったことを幅広くやる場合には、場合によっては、場合によってはですよ、そのことも一つの対象になり得るんじゃないか。
そういうことで、市場化テストの対象に入っていることは事実でございますけれども、だからといって、丸ごと、もうすべて、やるのはけしからぬといった議論には直接は結びつかないかと思います。
○石井(郁)委員 しかし、まだ何かあいまいなものを感じざるを得ないんですけれども、市場化テストの対象に入らないということは私は初めてお聞きしました。
平山郁夫さんなどが、美術館、博物館の市場化テスト導入については本当にはっとすることをおっしゃっていましたよね。それは、ちょっとこれも読み上げますけれども、太平洋戦争末期、日本軍の参謀本部は前線の情勢を一切知らないまま、耳を傾けようともせず、机上の作戦を立てて、将兵を玉砕に追いやった、市場化テストはこれに似ていると。なかなか激しい口調ではございますけれども、そういうやはり非常な危惧、怒りというか、心配を感じるわけでございます。
それからまた、高階さんですけれども、例えばゴッホやセザンヌの展覧会を開けば、大勢の観客が集まって人々に大きな喜びを与える、文化的にも経済的にも極めて有意義な、国民のためになる催しだ、だが、ゴッホもセザンヌも、生前にはほとんど作品は売れなかった、もしその当時彼らが市場化テストにさらされていたら、歴史の上でその名前は消えてしまったであろうというようなこともございました。
そこで、私は、市場化テスト全体もそうなんですけれども、特にこの分野は本当に市場化テストなどにさらしちゃいけないと思うわけですが、改めて、国立美術館あるいは博物館、これは国として担っているその業務の意義とか目的というのは何でしょうか、これをお答えください。政府委員でいいです。
○加茂川政府参考人 御説明を申し上げます。
国立博物館でございますが、国の文化財保護政策の一翼を担う機関として、貴重な国民的財産でございます多数の国宝、重要文化財を初めとする文化財を収集、保存、展示をいたしまして、次世代へ継承するとともに、これらを活用して国内外に我が国の歴史、伝統、文化を発信するという役割を担っておるものでございます。
また、国立美術館でございますが、我が国における芸術文化の創造と発展、国民の美的感性の育成を使命といたしておりまして、美術振興の中心的拠点として、美術に関する作品等を広く国民に紹介をしております。また、同時に、海外の主要な美術館、作家等と連携をいたしまして、美術を通した国際文化交流推進にも役立っておる、そういう役割を担っておるものでございます。
したがいまして、これらの役割を踏まえますと、いずれも我が国の文化振興の基盤として、長期的、継続的観点から、国が責任を持ってその運営に関与する必要があるものと考えておるものでございます。
○石井(郁)委員 どうもありがとうございます。
繰り返す必要もないんですけれども、美術館とか博物館というのは、やはり展示や企画というのは、長年にわたって蓄積されてきたそういう調査研究をもとにして開かれているということだと思います。それからまた、外国の美術を受け入れるというような点でも、また逆に日本の美術の発信の窓口にもなるというようなことだと思うんですね。ですから、やはり一国の美術振興の拠点として位置づけられ、設けられているというふうにも思います。
そういう意味で、国民共有の文化財を保存、活用する、次世代に継承するというナショナルセンター的な観点から設けられているというふうにも確認をさせていただきたいと思うんですね。やはりそういうナショナルセンターとしての役割というか、あるいは外国からの信頼も得て運営されてきている、また開かれているということだというふうに思います。
さて、次の問題は、市場化テストの法案によりますと、その趣旨には、質の維持向上を図るというふうに書かれています。それから理念のところには、国民のために良質なサービスを実施するということも書かれています。この二つはやはり大変大事なことだと私は思うんですけれども、しかし、具体的にどういうことになっていくかといえば、官民競争入札です。もしくは、最初から官を排除した民間競争入札によって落札者を決めることになっているということですね。
そこで、その落札者を決める評価の基準なんですよ。これがどうなっているんだろうか。法案によりますと、評価基準は入札実施要項で決めるという一文があるだけなんですね。具体的なことは書かれておりません。評価の基準が明確でないというのは、これは美術館、博物館だけに限ったことではありません。私は、この法案が抱えている大きな問題点の一つだというふうに思うんです。
ここで市場化テストの推進室にちょっと伺おうと思うんですが、価格だけではなくて質も考慮に入れて評価をすると、一応質ということは言われるわけですね。しかし、具体的な説明はお聞きしたことがありません。
一体、評価基準があいまいなままで、結局入札の価格だけがやはり重視されるんじゃないのか、入札価格の安い業者がその事業を受け入れ、また実施することになるのではないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょう。
○山口副大臣 お答えいたします。
今の先生の御指摘でございますが、この法案は、国民のための公共サービスの質の維持向上とコストの削減をともに実現することが目的であるということは、もう何度も言っております。そして、公共サービスの質については、最低でも、今までやってきた、従来のレベル以上を維持することが大前提であります。そして、むしろ、民間の創意工夫を生かすことにより、限られた財源の中で公共サービスの質の向上を実現することを目的とする法制度となっております。
具体的には、官民競争入札などの結果、民間事業者が公共サービスを実施することになった場合にも公共サービスの質の維持向上が確保されるよう、このサービス実施に当たりまして確保されるべき質を、国や地方公共団体の責任においてまず明確化する制度となっており、このような公共サービスの質に関する要求水準を上回ることを条件とした上で、質と価格の両面で最もすぐれた落札者を決定する制度となっております。
○石井(郁)委員 一応そういう御説明ですけれども、大変抽象的ですよね。抽象的ですよ。いわば言葉で繰り返されているだけにすぎないと言わざるを得ないんですよね。
一体、質の維持向上という、質というのは評価基準の中でどのように考えられるんですかという質問なんですが、それはこの段階でも明示されないんですか。
○伊吹委員長 内閣府河市場化テスト推進室長、もう少し具体的に。
○河政府参考人 今委員御質問の件、質というのは、事業ごとにその評価する質というものが異なっているということになろうかと思います。
今回御提案させていただいております、例えば人材銀行の事業についてはどれぐらいの人数を紹介してもらえるか、あるいは国民年金の収納事業でいえば、どれぐらいの方々にお声をかけて、どれぐらいの方々から保険料を納めていただけるか等々具体的な形で、例えばそれを昼間、別の場所でも受け取れるようにしようということの提案をしていただくとか、そういうことがいわばサービスの質ということになると思います。
具体的に、実施要項の段階で今申し上げたようなことを明らかにしながら、参加をしていただく。これが結果的に、お約束が守れたかどうかが評価になるわけでありますし、もうちょっと細部にわたっての評価基準をつくった上で、まさに入札に参加をしていただくということになろうかと思います。事業ごとにそのようなことを丁寧におつくりした上で、まさに入札をしていただくということになろうかと思います。
○石井(郁)委員 今、少し例をお出しになって説明いただきましたけれども、この市場化テストの本格的導入のためのモデル事業という形で実施されている社会保険庁の業務などでは、落札者の決める評価基準をやはり数値化しているわけですね。
恐らくいろいろなところでその数値化がされていくだろうというふうに思うんですが、美術館、博物館については本当に市場化テストの対象としないとは言っていないんでしょう。だからお聞きするわけですが、そうすると、美術館、博物館も、例えば数値化なんてあり得るのか。美術品、芸術品、歴史的遺産など文化財を扱う業務ですよね。業務です。調査研究をする、企画、展示の業務というようなことになりますと、これは機械的に数値化して基準をつくるということは不可能ではないのか。
そういうことがありますから、質で基準を決めるといったときに、今の御説明でも多くは数値化されていくようなことになるので、果たしてそんなやり方で、例えば美術館、博物館ということはできるのかということなんですね。もう一度、いかがでしょうか。
そうして、入札になるわけだから、結局、価格競争、そして、価格と質と両面見てというふうにおっしゃるわけですけれども、その質の部分というのはどのようにして入札にかけるんでしょうか、もう少し。
○中馬国務大臣 先ほどちょっと誤解があったようでございますが、私は、丸ごとこれを市場化テストの対象にする、それはそういうケースもありましょうけれども、少なくとも、このウエートも含めまして、文化人の方々からの御心配もありますが、しかし、これを完全に聖域にするというんじゃなくて、それぞれの部門で市場化テストの対象になり得ることはあるのではないか。そういうことはひとつ間違いなく私の発言を御理解ちょうだいいたしたいと思います。
その際に、今、質の問題が出ておりますが、何度も申しますように、私たちは質をよりよくするために、今までのお役所任せよりもよっぽどこちらの方が住民のサービスになるのではないか、そういう観点から、今度は役所仕事を民間に移していくというこの作業でございまして、イギリスの場合に失敗したという話も先ほどありましたけれども、これは、そのときにはかなりコスト重視でやりました。しかし、今回は、その反省も踏まえて、逆にこちらとしましては、日本の場合に、今回のこの法案では、かなりそのことを書いているつもりでございます。
そして、これにつきまして少し御説明しておきますと、まず、これを対象にするかどうかといったことも民間事業者の方々からの意見を聞くわけですよね。そして、関係機関での協議、これは各省庁が担当しておりましょう、それにつきましての協議が行われます。協議が調わなかったら、これは対象にはなりません。
それと、監理委員会でございますが、これは本当に幅広い方々に入っていただいているんです。文化人の方も入っていらっしゃいますし、それから、もちろん経営者の方も入っていらっしゃいましょう、住民を代表する形の方ももちろん入っていただくんですよ、これは。それから、ちょっと労働組合のことをおっしゃっている方もいらっしゃいましたけれども、労働組合を、その方を入れるということじゃなくても、労働組合的な立場を代表する発言もしていただける方も入るんです、これは。幅広い国民の方の意見を入れた形の監理委員会ですから。そこで、こちらの、役所にいるだけで何かコスト削減でやるんだというような誤解だけはしないでいただきたいと思います。
ともかく、そうした形で、その中で、ここで細かく、美術館の場合はこうだといったその質の基準を全部列挙することはもちろんできません。そういうことで、それぞれの対象になったものにつきまして、こういうことがやはり必要じゃないかという質の項目を挙げた上で、これがそれぞれの評点までした上で、金額、コストではない形の、住民サービスの方の評点も大いに、その方を逆に重い形で評価の対象にしますということを言っているわけで、それは今後の政令、省令の方とか、そういったことの中で規定されていくものだと思っております。
○石井(郁)委員 やはり入札というのは、価格以外に評価の客観的な基準というのが大変心配になるわけで、そのことがないと、国民にとっての良質なサービスというか、そういうことが本当に保障されないということだと思うんですね。だから、その問題は大変大きな問題としてまだ引き続いて残るというふうに思います。
もう一点伺いたいのは、こういう分野に市場化テストを導入するということのやはり危険性、無理ということについては、先ほど関係者の皆さんからの非常に強い御懸念があるということを申し上げましたけれども、私は、一連のこの間の民間開放推進会議などの内容を見ておりまして、手続上でも大変問題があったんじゃないかと言わざるを得ないんですね。
先ほど、冒頭の平山郁夫さんらの抗議声明に対して、この規制改革の民間開放推進会議が一応反論もしていらっしゃいます。決してこれは初めに民営化ありきではないんだ、また、民間主体が常にすぐれているという決めつけをやったわけじゃないんだということでの反論も読ませていただいております。
しかし、この民間開放推進会議が文科省あるいは文化庁を数回にわたって呼びましてヒアリングをしている、あるいは公開討論なども行っていますけれども、その議事録をちょっと読ませていただきますと、こういうやりとりをしているのかというような、実は驚くような中身になっているんですね。
何か、ヒアリングといったら、冷静にいろいろとちゃんと聴取しているのかという印象なんですが、そうじゃなくて、まさに、決めつけ的な事情聴取、恫喝的な内容の印象というのが随所に見られるんですよ、これは。本当にお読みになったら、これはよくわかります。だから、端々に断言的な形で言っておられます。どういうことかと申しますと、これは民間開放推進会議の市場化テストワーキンググループ、福井専門委員なんですね。その方の発言というのは、ヒアリングといいながら、それは答えになっていない、あるいは、もう論理は破綻した、そういう一方的な決めつけに終始しているという感じを本当に私は受けました。
そこで、この点について文科大臣に、こういうやりとりがあったんだということについては文科大臣はどのように御報告を受けていらっしゃるんでしょうか。
○小坂国務大臣 今委員が御指摘になりましたものにつきましては、第六回の官業民営化等ワーキンググループ、第十六回市場化テストワーキンググループとか、いろいろ私も読んでみました。かなり厳しい御指摘といいますか、一方的といいますか、表現があるような気もいたしまして、もとより、公の議論、そういう場では互いに品位ある建設的な議論をするということが大事であると思います。
そういうようなことに関しまして、御指摘の議論に関しては、博物館、美術館の実態等を十分勉強していただいた上で文化芸術の特性にも配慮した議論を展開していただきたい、そういうような思いはありますけれども、あくまで規制改革を推進する立場からの発言と承知をしているわけでございまして、当方の事務方からもきちんと反論を、説明をさせていただいたところでございます。
お互いに建設的な議論というものを心がけながら、譲ることなくしっかりと議論をしていく、こういうことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○石井(郁)委員 もうちょっとだけありますので。
何しろ、ちょっともう本当に紹介するのも私もどうかと思いながらですけれども、例えば、こういう資料を堂々と出してくる文化庁の感性が信じられないだとか、博士号取得者が少ないというのに、アカデミックな権威づけを受けていない者が大部分なのに業務としてきちんと運営されているのか、これは通るわけのない荒唐無稽な主張だ、というようなことがありまして、博士号を取れないような集団がどうして高度の専門家集団なのか、審査を経ていない論文は雑文、エッセーだ、こういう言い方というのは、私は、本当に専門家の言う話かなと逆に思いますし、こんなふうに決めつける権限というのは本当にどこにあるんだろうかというふうにも思いますし、やはり大変な個人攻撃もしていると言わざるを得ないんですよね。
そういう点で、もう時間になりましたけれども、この方は、日経新聞でこうも言っておりますよ。展覧会のよしあしは基本的には入場者数ではかるべきだということで、やはりすべてはコストだというふうに言っておられます。それで、採算に合わない場合は国に返還する、国は不必要な美術品、文化財を売却する、こうすれば四割はコストが減る。こういうのは本当に暴言だというふうに思うんですよね。
ですから、もう時間ですが、市場原理万能論者の、やはり採算だけの論理で規制改革の民間開放が進められているということを指摘せざるを得ないということを申し上げまして、もう時間でありますので、終わりにしたいと思います。