トップ>国会報告>164 /衆/行政改革特別委員会/2006年4月7日
衆院行政改革に関する特別委員会 議事録第7号 2006年4月7日


   総務大臣         竹中 平蔵君
   財務大臣         谷垣 禎一君
   農林水産大臣       中川 昭一君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     安倍 晋三君
   国務大臣
   (行政改革担当)
   (規制改革担当)     中馬 弘毅君
   国務大臣
   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君
   内閣官房副長官      長勢 甚遠君
   内閣府副大臣       山口 泰明君
   財務副大臣        竹本 直一君
   文部科学副大臣      馳   浩君
   内閣府大臣政務官     山谷えり子君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  大藤 俊行君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  上田 紘士君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  中藤  泉君
   政府参考人
   (人事院事務総局人材局長)            鈴木 明裕君
   政府参考人
   (内閣府規制改革・民間開放推進室長)       田中 孝文君
   政府参考人
   (内閣府市場化テスト推進室長)          河  幹夫君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          小笠原倫明君
   政府参考人
   (総務省統計局長)    衞藤 英達君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   松元  崇君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            石川  明君
   衆議院調査局行政改革に関する特別調査室長     大竹 顕一君
  
     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 行政改革推進法案の五十三条にあります国立大学法人の人件費削減問題で質問をいたします。
 五十三条は、「役員及び職員に係る人件費の総額について、平成十八年度以降の五年間で、平成十七年度における額からその百分の五に相当する額以上を減少させることを基本として、人件費の削減に取り組まなければならない。」としておりますけれども、各大学の人件費総額の支出を五%以上削減せよということでしょうか、大臣。

○中馬国務大臣 委員おっしゃるとおり、人件費削減の取り組みにつきまして、国立大学法人につきましても対象となっております。

○石井(郁)委員 法人になっているわけですけれども、これはちょっとできないとか取り組まないという場合が出てきた場合はどうなりますか。

○中馬国務大臣 これは今回法律で規定することでございますから、恣意的な形は私はできないと思います。

○石井(郁)委員 恣意的はできないと。その場合、やらなければいけないんですが、やらなかった場合にはペナルティーみたいなことは考えておりますか。

○中馬国務大臣 特に罰則は設けておりませんが、要請は引き続きやらせていただきます。

○石井(郁)委員 伺うところによりますと、これは各大学が中期計画、そして目標を掲げなければいけなくて、そしてその後には事後評価という形で、その事後評価においてマイナスの評価になるというようなことも聞いているわけですけれども、これは明らかにペナルティーがかかるというふうに理解せざるを得ないわけですね。
 そうしますと、やはりこういうことをしてまでも人件費総額の五%以上を減らせということに今回の法案はなるわけであります。私は、これはもう定員削減の押しつけと同じことだというふうに思うわけでございます。
 そこで、中馬大臣にお聞きいたしますけれども、国立大学法人法の審議に当たりまして、国立大学法人の定員管理についてどのような議論をされたか御存じでしょうか。質問を通告しておりますから確かめていただいたと思いますけれども、こういう国会答弁がございました。
 国立大学が行政機関である以上、行政改革の対象に必ずなる、定員削減は免れない。一切聖域を設けないという行革の中で今まで九次にわたって定員が削減されてきたから、それが嫌だというなら行政機関から出ていくしかない。今のままでいっても予算は絞られる、定員は減らされる。それが法人化すれば、少なくとも定員削減という問題は片づくし、大学の自主性、自律性は拡大をする。これは当時の文科省の高等教育局長の御答弁でございます。
 だから、こういう形で、法人化へ法人化へと、いわば政府は誘導していきました。ところが、今、法人化三年目にして、これは事実上、定員削減の押しつけということになるのではありませんか。大臣、いかがですか。

○中馬国務大臣 定員削減の強制といいましょうか、こうした国全体で取り組もうという、この五年間で五%という一つの枠でこうしてお願いをし、また場合によっては、直接のところではそれが一つの大きい、何といいましょうか、強制力が働くことになりますが、これは大学法人でございますから、一つの枠の中ではあっても強制はできないかもしれませんが、要するに強く要請することになると思います。

○石井(郁)委員 私は、国会での審議そして国会での政府答弁に照らして、こういうことが許されるかという御質問でございますが、大臣からは明確な御答弁はいただけませんでした。
 明らかに、人件費総額を五%以上減らせということなんですから、これはもう本当にそれに見合った定員を今後減らさなきゃいけない、そうなるわけですね。
 重ねて、こういう問題について、二〇〇三年、平成十五年の大学法人法審議の際には参考人質疑も行われまして、参考人として出席されたお一人で、石弘光、一橋大学の学長でございます、当時は国立大学協会の副会長でもあります。政府税調の会長もしていらっしゃる方で、もう言うまでもありませんけれども、法人化に賛成の立場でこのように述べていらっしゃったわけです。ちょっと御紹介します。
 交付金という形で、資金、俗に言われます金は与えられますから、その配分は自由になりますし、人、定員管理も自由になります。ポスト、組織、これも大学の独自の方法によって自由に運営できるはずです。実は、この面に関しまして、これまでは著しく不便でありました。金、人、組織、すべからく、はしの上げ下げまでと言われるぐらい、官ないし政府の縛りがあったのは事実でございますということで、これからはこの辺に風穴があくということだったんです。
 つまり、ここからわかりますように、当時、こういう国会審議の中から、大学人、多くの方々は、これは定員削減の対象から外れるんだ、定員管理も自由になるんだということを信じていたわけですね。
 重ねて大臣に伺いますけれども、今、法人化三年目にして、この人件費五%削減という形で定員削減だ。しかも、これは法律による、これは義務だと先ほどおっしゃいました。さらに、やれないとか従わないという場合はペナルティーがある。だから、法律とペナルティーという、いわば二重の縛りが今度は大学の定員にかけられるということになりませんか。
 私は、これは極めて、大学の教育研究への介入という問題に照らしても、またやり方の問題としても、本当に強権的なやり方だと言わざるを得ないと思いますけれども、大臣、いかがですか。

○中馬国務大臣 国立大学法人の人件費につきましては、中期目標におきまして文部科学大臣が示す業務運営の効率化に関する事項でありまして、各大学法人は、中期計画に人件費の見積もりを定めまして、文科大臣の認可を受けるべきものだ、このようにされております。
 このように、国立大学法人法上、国立大学法人の人件費、業務運営の効率化に関しまして文科大臣が関与することとなっている中で、その範囲内で行政改革推進法案において人件費削減の取り組みについて規定しているものでありまして、国立大学法人法の趣旨に抵触することにはならないと考えております。
 また、人件費削減に取り組むに当たりまして、その内訳である人員数や給与水準をどうするかという具体的な取り組み方につきましては、各法人がその実情に応じて最も適切な方法を選択されるものと考えておりまして、本法律案が人員数の削減を押しつけているものではない、このように御理解をちょうだいいたしたいと思います。
 ただ、今言いましたような形で、五%という数字を挙げましても、これは、すべて研究員まで全部切れという話じゃないじゃないですか。いろいろと前からも言っておりますように、用務関係の方々とか、大学に所属されておりましても直接研究にタッチしていない方もいらっしゃいます。そういう方を民間にアウトソーシングするとか、いろいろな方法を考えていただきたいというのが、この独立行政法人的な形で大学法人という形にしたわけでございまして、研究者の方々には手厚くすることだって可能でもございます。何かすべて縮小されるんだということの誤解をされると、ちょっとこの大学法人にした、自由度を増して、自由に研究活動等もやってくださいという、その趣旨にそぐわないことになるんじゃないかと思います。

○石井(郁)委員 大学は、先ほど申し上げましたように、法人化前に既に九次にわたる定員削減で、もう職員の方は削減削減してきたんですね。今、これから申し上げますけれども、もう教員の定員に手をつけざるを得ないというところまで来ているんです。その辺はちょっと中馬大臣は少し御認識が甘いのではないかというふうに思いますけれども、それはこれから申し上げたいと思うんです。
 法人化後の国立大学の現状がどうなっているかということでございます。
 法人化では、運営費交付金で効率化係数一%というのが毎年掛けられます。病院の経営改善係数は二%です。なかなかこれは厳しいものであります。だから、運営費交付金は減額になっていく。それで、教職員の削減ということがもう既に始まっているわけですね。
 それで、大臣、三月十五日、NHKの「クローズアップ現代」で大学特集がございました。こういう表題です。「大学大競争時代 生き残りをかけた闘い」という放映でした。ごらんになったでしょうか。また、きょうの質問に際して、もし準備できましたら、御感想をお聞かせください。

○中馬国務大臣 残念ながら、それは見ておりません。

○石井(郁)委員 私は、きょうはその質問をするので、ぜひ事務方の方からお聞きいただけたらよかったなというふうに思うんですけれども、これは長々と実態を放映していますから、やはり大変反響のあった番組だったというふうに私は思うんです。
 そこの番組で、いろいろな大学の例が出ておりました。これは京都教育大でございましたが、運営費交付金の毎年一%の削減で、定年退職した教授の後任は置かない。それで教員数を減らしているわけですよ、退職された後はもう埋めないんですね。
 理科教育の担当の方が十九人から十四人になりました。各教官が専門外の授業を受け持つという形で当座をしのいでいます。結局、理科だけで六つの科目を廃止せざるを得なかった。だから、学生がこういう声で述べていらっしゃいましたが、無機化学がない、液体の化学のところもない、とろうと思ったら全部その関係が廃止になっていたということでありました。
 私は、番組の中で大変印象的だったんですけれども、学生が、高い授業料を払って大学に行ったのに講座がないじゃないか、開かれていないじゃないか、これは契約違反じゃないかということを訴えておりました。
 だから、こういう形で、結局、定員を埋めない、不補充ということで、実際は削減になっているわけでしょう。研究室がなくなる、講義も開かれていないということになっています。
 こういう形、幾つかの大学での実情を告発したものでございましたけれども、私はここで、では文科大臣に伺いたいと思いますが、文科大臣はごらんになったでしょうか。胸を痛めなかったでしょうか。

○馳副大臣 二回ほど繰り返しビデオで拝見いたしまして、いろいろな複雑な思いを持って拝見いたしました。
 東京大学では寄附金の募集事業をやったり、とかいいながら、また国際的な大学の評価として下位にちょっと低迷してきているということとか、とりわけ寄附金を募集する事業についても、大都市部とか、大企業とか研究機関が身近にある国立大学法人ならば非常に有利な条件でしょうが、これは一つ複雑な思いで拝見したのが、地方の国立大学法人は大変厳しいんだろうなというふうな印象を持ちました。
 また、先ほどから石井先生がおっしゃるように、定員という概念は、国立大学法人法においては、国が管理する定員という概念ではなくて、就業規則に基づいた適切な事業運営に当たるための人数というふうな概念になっておりますので、定員の削減ということよりも、各大学の学長、経営陣として、いかに必要な事業運営をしていくかという中での、文部科学大臣が中期目標の策定をし、中期計画の認定をしていくという中での対応であるし、基本的には各大学の経営陣の判断によることになるんだろうというふうに思って、いろいろなことを思いながら、複雑な思いでビデオは見させていただきました。

○石井(郁)委員 本当にいろいろな問題があるんですけれども、法人化のときにも大変議論になりましたけれども、やはり外部資金の導入といっても、本当に、その研究のテーマや性格によって得られるところと、また都市部と、条件が違うわけですよね。だから、今、大臣の御答弁のように、教員養成系大学などは外部資金の導入というのはほとんど期待できないということになりませんか。
 だから、私は、定員にこだわっているようですけれども、やはり予算で大学は運営されるわけですよ。だから、運営費交付金、それが一番大事なものなんですね。そこが削られていけば、結局、定員に手をつけざるを得なくなるじゃないですか。予算の縛りで大学がどうなっていくかということになるわけですよね。この問題を申し上げているわけです。
 ちょっと、もう一つ例を申し上げたいと思います。
 これは、ある教員養成系大学の例でございますけれども、平成十三年度から平成十七年度まで、事務系職員が二十一名減っている、教員が十二名減らされた。今後、十八年度から二十一年度まで、これからの計画で、教員を四十名減らす、事務系職員は二十名という計画を立てておられるというんですね。
 では、そうなりますと、教員養成系大学というのは大学院設置基準で教員の基準数というのがございますから、それが満たないという事態にもなる。現実に、ちょっと計算をしていただいたんですけれども、平成二十一年度末には、幼稚園課程が最低要件数五名のところが四名になっている、家庭科が八名が七名になる、技術科は八名のところが五名になってしまう。ちょっと細かい数字でございますけれども、これはちゃんと大学院設置基準で決められているんですよ。こうでなければ大学として開校できない、そしてまた免許が出せないという基準、これは文科省がお決めになっているわけですから。
 では、こうなりますと、今後、教員養成大学でなくなる、そういう事態に大学を追い込むのではないか。この問題はちょっと文科大臣に御答弁いただきたい。

○伊吹委員長 それでは、まず、基準と実態について、政府参考人文部科学省石川高等教育局長。

○石川政府参考人 今、委員から、教員養成系大学での実態あるいは見通しについてのお話がございました。
 小規模な教育あるいは文化系の国立大学の場合におきましても、人件費の削減の具体的な方法としては、先ほど副大臣の方からもお話し申し上げましたけれども、退職者の不補充等による教職員の数の削減、あるいは一人当たりの給与水準の調整、さまざまな方法があり得るところでございまして、これらにつきましては、各法人におきまして、自主的な判断に基づいて適切に対応していくものと考えております。
 そして、今、将来的に設置基準上必要な教員数を割り込むことになる大学があるのではないかというようなお話でございますけれども、各法人では、今回の人件費削減につきまして、教員も含め大学の職員全体を対象として対応していくということになるものでございまして、そのような事態に至ることのないように適切に検討された上で、今回、人件費削減の計画が策定されているものと私どもとしては考えております。

○石井(郁)委員 大変な事態にならないように、私は本当に、文科省しっかりしてほしいと思っていますけれども、心配なんですよ。
 それで、具体的な例をもう一つお聞きしたいんですが、国立大学法人化後、運営費交付金に効率化係数を掛けてずっと減額してきたということを申し上げましたけれども、これがどれだけ大学を今苦しめているかということなんです。そういう大学の実態を本当にきちんと見るべきだというふうに私は思います。
 そこで、これは北海道大学をちょっと例に取り上げますが、北海道大学に対する運営費交付金の交付額ですね、この三年でどのぐらいだったのか、お示しください。

○石川政府参考人 北海道大学の運営費交付金についてのお尋ねでございます。
 北海道大学の運営費交付金につきましては、平成十六年度で四百四十八億円でございます。そして平成十七年度では四百三十二億円ということで、対前年度十六億円の減でございます。そして平成十八年度は四百二十九億円となっておりまして、対前年度三億円の減ということでございます。法人化後三カ年では、合計で十九億円の減ということでございます。

○石井(郁)委員 どうでしょうか。わずか三年間で十九億円国費が減らされている。これは大変なものですよ、一大学にとっては。約四・四%の減なんですね。
 それで、北海道大学では昨年七月に、教員に係る人件費についてということで検討をされた。このように言っています。毎年度、効率化係数による減額となる教員人件費については、各部局の配置定員数を職種別に削減することによって対処する、各年度の効率化係数一%削減分の財源を人員に換算して、当該年度当初に削減するというふうにしたそうです。
 その結果がどうかといえば、平成十八年度からの教員の削減数は、四年間で今後百五十一人に上ると。十八年度、今年度ですね、教授三十八名、助教授三十二名、講師一名、助手二十七人、計九十八人の削減をするという計画なんですよ。
 どうでしょうか。これはもう、ある面で一学部がすっぽりなくなるぐらいの規模じゃないですか。これでは本当に大学の存立というか、その地域のいろいろな研究基盤、そしてまた学問の衰退につながりかねないと私は思いますけれども、これは異常な削減ではありませんか、中馬大臣。

○伊吹委員長 今の政府参考人の参考意見、それから石井先生の御質問を踏まえて、中馬国務大臣。

○中馬国務大臣 どの大学にどれだけの予算が減らされた、人件費がどうだといったようなことにつきましては、これは私の所管ではありませんで、それぞれの監督をしております文部科学省であったり、あるいはまた予算の査定をしているところの話でございますから、私からそのことにつきまして答弁することは不適切かと思いますが、ただ、言えることは、日本の人口が本当に減少を始めまして、特に子供の数は大いに減ってきておりまして、もう数年後には大学全入だと言われておることも御承知かと思います。それが、教員が一人たりとも減ってはだめだとかそういうことではなくて、私はそのことも今後の対象になり得ると思っています。
 それから、大学という大きな中ではやはりいろいろな職種がありますが、もう一度繰り返しになるかもしれませんが、車の運転手さんだとかいろいろな方々、かなりアウトソーシングできることがある、あるいはまた削減できることがある。人間にわたることであっても、わざわざ研究者のことに言及しなくても、そちらのことを対象にしていただくことも十分に可能でございまして、そういうことを柔軟に運営していただけるのがこの独立行政法人的な大学法人でございますから、そういったことで、ひとつ今回のこの法案の趣旨は十分御理解をちょうだいいたしたいと思います。

○石井(郁)委員 先ほどから、大学が柔軟に対応できるだろうとか職種がいろいろあるだろうとおっしゃるんですけれども、その職種のところ、事務系とか技術系でもうどんどん削ってきたんですよ。これは今、北大の例で申し上げましたけれども、ここでも事務系職員は百三十人、一三・八%削った、技術職員も一三・八%、三十五人ももう削っている。
 事務系職員とか技術系職員というのは、例えば実験をやる場合に絶対必要な人員じゃありませんか。だから、そっちを削ったらいいだろうと簡単に言うような話では大学は成り立たないんですよ。今、そこも目いっぱいのことがされて、そしてもう教員にまで手をつけざるを得ないというところが非常に深刻な問題だということで、本当にこの事態をこのまま進行させていいのかということを私は強調したいわけであります。中馬大臣は少子化の時代と、またちょっと論点がそれておりますけれども、そういう話ではないんですね。
 では、もう一つの例を申し上げます。埼玉大学も再構築計画ということを出していらっしゃいます。
 ちょっと御紹介しますと、効率化係数の適用による運営費交付金の減額という問題を抱えながら教育研究を十全に行っていくということは至難のわざだ、そして、この状況を民間企業に例えれば、売上高が確実に減りつつあるにもかかわらず、減収をカバーできそうな新しい有望商品が出ない状態で、このままでは立ち行かなくなるためリストラ策を打ち出さざるを得ない状況だと言えるというふうに述べております。
 では、ここの大学での運営費交付金がどのぐらい減額したか。平成十七年度から毎年六千四百万ずつ少なくなっていく。平成二十一年度の運営費交付金は、平成十六年度と比べると約三億千五百万円減だ、そのほかの要因もあるので約四億円近い。だから、本当に一つの大学がこれだけの規模を数年の間に国費として投入されないというか、手当てがされないということになるんですね。
 こうも言っています。六千四百万円というのは、大学によると、教養部の平成十六年度年間総支出の約八〇%だ、だから、三億円余りというのは、教育学部と経済学部の年間総支出額を合わせたようなものだと。
 だから、今、大学はこんなところに来ているんですという問題ですよね。実際、教育学部、経済学部の年間総支出に見合う額が減らされようとしている。本当にこれは大学の存亡にかかわる問題じゃないんでしょうか。私は本当に深刻だと思います。
 ほか、群馬大学もしかり。いろいろもう申し上げませんけれども、例を挙げれば、新潟大学では十三億円が減る、東京大学でも二十八億円相当の削減を行うということなんですね。
 この点で、私は文科大臣に伺いたいと思います。
 文科省としてはこういう大学の実情を当然把握しているはずでございます。そして、この運営費交付金の削減によってこれほどの影響が出ていることについて、どのような御認識をお持ちなんでしょうか。

○馳副大臣 当然、現状も把握しておりますし、苦しい声も伺ってはおります。
 ただ、国立大学が法人化されるに当たって、中期目標の策定、中期計画の認定ということに当たっては、各国立大学法人の計画を、その意見を尊重しながら認定して、事業を進めておるということは御理解いただきたいと思いますし、そのほかにも、特別教育研究経費については増額も図ってきているところでありますから、各大学の意欲的な取り組みというものは下支えをする、こういう形で取り組んできております。
 委員の御指摘は非常に理解できるところもございますが、基本的には、国費をもって運営される運営費交付金のもとで事業展開をしていただくということを文部科学省としてはより推進する体制をとっていく、こういう考え方でおります。

○石井(郁)委員 私、ここで二つ申し上げたいんですけれども、今回の経過の中で重大な問題が一つあるのは、大学は中期計画を立てていますけれども、その途中でこの総人件費の五%削減ということが出てきているという中で、昨年暮れの閣議決定以降、それを書きかえさせる、そういうことも行っている、異例のことまでしています。そして、各大学の中期目標を出させている。だから、政府は非常に強引に、中期目標を書きかえさせて、これに合わせるようにやれと言っているんですよ。大学自身はそれは努力するでしょう、もうその予算の範囲内でやらざるを得ないと思うんですけれども、問題は、これほど国費を、あるいは大学の運営、教育研究に必要な予算を削りに削っていいのかという問題だと思うんです。
 この点でも、国立大学法人化法案のときには、衆参での附帯決議もございました。運営費交付金についてはこう言っていましたよね、法人化前の公費投入額を踏まえて、従来以上に国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること、これが国会の意思だったんですよ。従来以上に教育研究が確実に実施されるように確保しなきゃいけないと。それがもうこの三年でどんどんと、一大学、億単位で削りに削ってきていて、さらに総人件費の五%削減ということになるわけですから、全然国会の審議と附帯決議にも反しているじゃありませんか。この点はいかがですか。

○中馬国務大臣 人件費を強制的に削れと言っている話じゃございません。この法文にもございますように、百分の五に相当する額を減少させることを基本としてということに、御理解をちょうだいいたしたいと思います。

○石井(郁)委員 ところで、この五%削減に見合う国立大学の人件費削減の総額、今後、総額は一体幾らになるでしょうか。


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