トップ>国会報告>163/衆/青少年問題特別委員会/2005年12月16日

2005年12月17日(土)「しんぶん赤旗」

学童保育・バス拡充要求

石井議員 子どもの安全対策で


 小学生が下校途中に連れ去られ殺害されるなど痛ましい事件があいつぐなか、衆院青少年問題特別委員会で十六日、子どもの安全対策をめぐって、スクールバスや学童保育の拡充、児童ポルノの規制などに議論が集中しました。

 日本共産党の石井郁子議員は、スクールバスや学童保育の拡充を求めました。事件のおきた栃木県今市市では、スクールバスの運行を求める声が広がっているものの、自治体独自では財政上実現が困難となっています。石井氏は、へき地などでの遠距離通学対策だけでなく「安全対策上スクールバスを購入した場合も補助の対象とすべきではないか」と質問。

 文部科学省の素川富司スポーツ・青少年局長は「スクールバスは安全確保の一つと認識している。スクールバス購入を含む通学方法を自治体が検討するにあたって、国の対応について検討すべきと承知している」とこたえました。

 石井氏は、事件が起きた地域で入所児童が急増するなど期待の高い学童保育の問題もとりあげました。

 学童保育の設置率は小学校区65%と遅れ、自治体格差も大きくなっています。石井氏は「一学区に少なくとも一つ、入所児童が多い地域は、複数の設置を国や自治体の責任で緊急にすべきだ」と求めました。また、奈良市では事件をきっかけに、保育時間を二時間延長したものの、四月には財政難などを理由に元の五時閉所に戻っていることをあげ、「安全確保というなら、職員の増員や、延長保育を可能とする待遇改善、財政支援をすべきです」と迫りました。

 厚生労働省の北井久美子雇用均等・児童家庭局長は、「地域のニーズにこたえてやっていく」「手厚い支援をしている」と答弁。

 傍聴した全国学童保育連絡協議会の真田祐事務局次長は、「学童保育は九七年に法制化されたものの、国による明確な運営・設置基準がないまま、対策が遅れていました。長時間加算についても年間一施設三十一万円では不十分です。国は安全点検リストをつくるなど努力を始めていますが、さらに条件整備などの拡充が必要です」と話します。

衆院青少年問題に関する特別委員会議事録 第4号 2005年12月16日

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
 誘拐、殺害という形での幼い子供に対する事件が相次いでおりまして、こういう事件を繰り返さないというためには、学校関係者はもとより地域住民、さまざまな取り組みが今なされているところだろうと思います。やはり国会や行政も全力を挙げて取り組まなければならないと考えております。
 今とり得るあらゆる対策を打つべきだと思いますが、その一環として注目されているのがスクールバスの問題なんですね。新潟県の加茂市では、児童生徒の安全対策としてスクールバスを配置しているということが報道されております。
 加茂市では、ことしの四月から、これまで十五台持っていたけれども、さらに九台のバスを加えた。計二十四台で、安全対策上の必要な児童生徒の送り迎えをしているわけでございます。小学校七校中六校です。中学校は五校中五校で、約八百名の子供たち。だから、全児童生徒の約三割がスクールバスを利用していることになるわけです。人件費、燃料費入れて、一台約六百万円が年間の必要経費だと。加茂市では十七年度として、九台の購入費、人件費など五千三百万円の予算を組んで配置しているということでございます。
 先ほども出ておりましたけれども、このスクールバスは、今、僻地教育の振興法に基づいて国としての補助が出ていると思いますが、国からの補助、あるいは交付税措置についてどうなっているのか、まず御説明ください。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。
 制度の説明になろうかと思いますけれども、今お話ありましたように、交通条件などに恵まれない山間地、離島に所在する僻地学校の振興を図るために地方公共団体がスクールバスを購入する場合の、その一部につきまして国庫補助を行っているところでございます。十七年度予算におきましては、文部科学省の通学用のスクールバス等の購入費として約四億五千万円を計上しているところでございます。
 それから、地方財政措置の話が今ございましたけれども、これにつきましては、私ども承知しているところでは、遠距離の通学に必要な場合などに市町村がスクールバスを運行している、これは購入のみならず運行委託の場合も入るかと思いますけれども、そのような場合には地方交付税で所要額が措置されているというふうに承知しているところでございます。

○石井(郁)委員 このスクールバスの配置というのは今極めて評判がよくて、注目をされていると思います。
 栃木県の今市市でもスクールバスの運行をという声が上がっていて、しかし、予算で二の足を踏んでいる、こういう記事が出ておりました。吉田有希ちゃんが殺害された栃木県今市市でも、市議や住民からスクールバスの運行を求める声が上がっている、ただ、市教委の担当者は厳しい表情を崩さない、それは国が動いてくれない限り現実的には不可能だと。
 全国の地方都市でも同じ悩みを抱えておりまして、島根県県教委では、バスの運行は理想だが予算面で難しいと。能登半島の中心部にある石川県のある町の担当者は、スクールバスは安全だとわかっていても財政負担が大き過ぎるという状況でございます。
 今御説明のように、遠距離通学対策としてスクールバスが購入されるわけですね。また、維持費としての交付税措置も組まれているということですから、私は、この考え方を安全対策上のスクールバスを購入する場合にも大いに使って、それで補助の対象にすべきだというふうに思いますが、文科省としての予算措置を本当に今すべきときだというふうに思いますが、いかがでございますか。

○素川政府参考人 スクールバスを通学方法として採用することは、先生御指摘のように、登下校の児童生徒の安全確保のための有効な一つの方法であると認識しているところでございます。
 しかしながら、学校が置かれている状況はいろいろ、地域ごとに区々でございますし、また、スクールバスによる通学方法におきましても、バスを購入して運行する場合でございますとか、または民間のバス会社に運行委託する方法もある、また、実際にそういう方法でやっておられるところもあるというふうに承知しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、通学時を、登下校時を含む学校の安全対策についてどのような措置を講じていくかにつきましては、各学校の設置者において適切な対応をしていただきたいと思うわけでございますが、スクールバスの購入自体に限りませんけれども、むしろ購入自体とは異なりますけれども、スクールバスを含む通学方法について、その導入等について自治体が検討するに当たって、どのような国としての対応ができるかということは検討すべき点があるのではないかというふうには承知しているところでございます。

○石井(郁)委員 申し上げましたように、それぞれの地方で私はもっともっと今要求が出ていると思いますけれども、大変予算面で難しい、だから文科省は、それぞれ地方自治体がいろいろな工夫をするだろう、いろいろな運用があるだろうというお話ですけれども、やはり財政面は今地方自治体も大変厳しいわけですから、だから、そういう中で、本当にやりたくてもやれないという中でいうと、私はやはり国がきちんと一歩踏み出すということが必要ではないかと思うんですね。
 しかも、今議論していますように、この幼児の事故というのは登下校中に起きていて、文科省自身も通学路の安全確保ということに特化して、先ほど通知も出されたということでしょう。だから、この通学路の安全をどのように確保するかということについて言いますと、一つ有効な問題としてのスクールバスというのは、本当にやるべきだというふうに思うんですね。
 だから、ぜひ前向きにもっと検討すると、文科省として検討する、そういう決意を示されてはいかがですか。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどお答えしましたけれども、やはり、スクールバスを含みます子供たちの通学方法がどうあるべきかということにつきましては、各自治体で置かれている状況を踏まえて適切に判断していただくというのが適当ではないかと考えております。
 先ほど申しましたように、スクールバスを含む通学方法について自治体が検討するに当たって、国がどのような対応をすることができるかということにつきましては、一つの検討すべき課題があろうかと思いますけれども、それらを、先ほど申しました地方交付税措置、財政措置も含めまして、各自治体での検討がまず第一ではないかと考えておるところでございます。

○石井(郁)委員 私は大変残念ですね。本当にこんな重大な事柄にぶつかって、そして、本当に国として子供たちの命、安全をどう守るかというときに、それほど文科省が後ろ向きだということについては、私は到底許されないというふうに思うんですね。自治体丸投げ、自治体任せだという姿勢では、本当に子供の命を預かる文科省としては大変問題だということを指摘して、ぜひ検討してください。
 次の問題ですけれども、学童保育、これも出ておりますけれども、こうした事件が繰り返される中で大変要望が高まっております。子供たちの放課後、働く女性もふえておりますから、学童クラブの充実をしてほしい、もっと預けたいということが出てきております。
 その栃木県の今市市の市のPTA連絡協議会の臨時会議でもこのような声が、要望が出ていると聞いております。四年生以下となっている学童保育の対象を全学年に拡大できないだろうかということですね。奈良でも昨年の十一月、これが実は本当にきっかけになったような大変大きな事件でしたけれども、それ以来学童児童の登録が急増しておりまして、各地でこのようにしてやはり利用者がふえている、申し込みがふえているという状況だというふうに思いますが、厚労省としてこの実態はどのようにつかんでいらっしゃいますか。

○北井政府参考人 放課後児童クラブにつきましては、こうした放課後の児童の安全な生活の場の確保という意味で非常に重要な機能を持つ制度であると考えております。
 私どもといたしましては、子ども・子育て応援プランに基づきまして、目標数値ができるだけ早く達成されるように必要な予算の確保を図っているところでございますし、また、地方自治体にも、ぜひ必要な地域には早く整備していただきたいということで、積極的な取り組みを促しているところでございます。

○石井(郁)委員 しかし、現状は、小学校区当たりで見ますとその設置率というのは全国平均は六五%です。私は本当に今、子供の安全確保という立場からも、一小学校区には少なくとも一カ所は学童保育が必要だ、それだけにとどまらない、もちろん小学校区といっても広いわけですから、複数の配置も当然、もう二つ、三つとあってしかるべきだというふうに思うんですね。ですから、そういう配置を国と自治体の責任で緊急にすべきだというふうに考えます。
 この点でいかがかという問題と、この学童保育の問題は、ついこの間、十月、当委員会でも集中的な審議をいたしました。そのときには、今、地方自治体で子ども・子育て応援プランでいろいろ掲げられている目標数値もございますけれども、そういう学童保育の設置数にとどまらないで、自治体からの要望があれば検討していきたいと、北井局長がたしか十月にそのように御答弁もされておりますけれども、その方針にお変わりないでしょうか。

○北井政府参考人 私どもといたしましては、まだ子ども・子育て応援プランに掲げられた目標値の達成までいっておりませんので、できるだけ早く必要な予算を確保しながら整備が進められるようにしていきたいというふうに考えております。
 また、地域地域によりましても、その必要の箇所数も違うと思います。今御指摘のように、小学校区に一つということだけでなくて、地域によりましては、むしろ複数必要な地域もございますし、また逆に、僻地保育所で代替が可能なような、必ずしも必要でない地域もございますので、自治体がそうしたその地域のニーズをよく把握をしていただいて、積極的に進めていただきたいというふうに思っております。

○石井(郁)委員 学童保育でもう一点伺いたいんですけれども、やはり指導員の体制を充実させることも大変大事だというふうに思っているんですね。先ほどの奈良の例でございますけれども、事件後、ことしの三月までは七時までの保育延長をしてきたということですけれども、ことしの四月からは、もう人員の確保ができないので五時に閉めるということに戻ってしまったというんですね。
 大体、日本では、事件が起きたときにはぱあっと緊急のいろいろな対応をしますけれども、ちょっと言えば、冷めると言ったら変ですけれども、何かもとに戻ってしまう。大変私は、それで事件が決して終わるわけじゃないので、問題だというふうに思うんですね。ですから、この学童保育の指導員をやはり複数置いてほしい、この職員が足りないという問題があるわけですね。
 それから、保護者が迎えに来るまでの延長保育、これはもうぜひ可能とするような体制が、財政的にも支援していかなければいけないというふうに思います。これこそ緊急の課題だと思いますけれども、局長、御答弁をお願いします。

○北井政府参考人 放課後児童クラブの予算の補助に当たりましては、長時間開設されるクラブには加算を行いまして、手厚い支援をしているところでございます。そうしたことを、利用実態に応じた補助を進めていきたいと思っております。
 しかし、いつまでも放課後クラブで預かるというわけにもまいりませんでしょうし、むしろ、帰宅時の安全確保も含めて、クラブ後の預かりも含めて、この利用児童の安全確保につきましては、さまざまな地域組織や学校、警察等との連携が重要であると考えております。
 特に送迎につきましては、保護者あるいは親族がお迎えに来られるということのほか、近所同士で協力するとか、あるいはファミリーサポートセンター、シルバー人材センターなどを活用して、協力して迎えを頼むというようなことでさまざまな方法が考えられると思いますし、私どもは、今回の事件をきっかけとして具体的な安全点検リストをつくって、そうしたことについても周知をしていきたいというふうに思っております。

○石井(郁)委員 担当大臣にお越しいただきましたので、最後に一問お伺いさせていただきます。
 私は、こうした問題、通学路の点検、防犯ブザー、さまざまな手だてをとろうとしているわけですけれども、それでも一〇〇%安心できないというところに子供と親の不安が今高まっているかというふうに思うんですね。なぜ幼い女児がねらわれるのか、この犯罪の特質や誘因は何なのかということに目を向けなきゃいけないというふうに思っています。
 少女が犠牲になるという共通項なんですよね。新聞報道あるいは裁判の事例などから見ても、アダルトビデオとかあるいはアダルト雑誌等々の影響が言われているわけですね。また、児童ポルノがはんらんしています。そこでは本当に女児を傷つけることが、もうむごたらしい映像が流されているわけですよ。
 これは、最近ではインターネットサイトの問題がございます。家庭にまで入り込んでいるんですね。だれでもアクセスできる。実は私も本当に引いてみて、もうとてもとても見るにたえない。これはあるサイトですけれども、アダルトロリータの検索という結果を見ますと八十九万件だと。これは一つのサイトだそうですから、もっともっといろいろある。それはもう本当に、裏ビデオとか言われるような、そのもの自身がインターネット、目の前であらわれてくるわけですね。ここでは、私は女性でもありますが、女性を性的なものとしか見ていない。そして、暴行し傷つけるという、命を奪うことが許容されている、こういうのが流されているわけですね。
 日本のポルノ産業というのは数兆円だと言われております。だから、児童ポルノがこれほど野放しになっている異常さ、こんな国というのは本当にあるんだろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで、最後に大臣に、今度女性の担当大臣でございますし、このような実態をどのように見ていらっしゃるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

○猪口国務大臣 児童ポルノにつきましては、これは児童の権利の侵害に当たることであり、絶対に許すことができないということは言うまでもございません。非常に深刻な問題であると認識しております。
 そのようなことがないように、徹底的な施策を推進していきたいと思いますけれども、インターネット上の有害情報につきましては、関係業界に対しまして、フィルタリングの普及促進など、こういう側面からも要請してきているわけですけれども、一層その努力を強くしてまいります。
 また、新たな技術開発におきまして、やはり青少年に配慮した自主的な対応、そのようなことも一層引き出していきたいと考えております。
 児童買春、児童ポルノ禁止法の厳正な運用により規制を行ってきたところでございますけれども、その取り組みを一層強化していきたいと当然ながら考えております。

○石井(郁)委員 終わります。ありがとうございました。

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