トップ>国会報告>163/衆/青少年問題特別委員会/2005年10月20日

2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

学童保育充実へ援助を

大規模化解消で石井議員

衆院特委


 衆院青少年問題に関する特別委員会は二十日、学童保育などの放課後児童育成事業についての参考人質疑を行いました。

 学童保育問題が国会の委員会のテーマとなるのは一九九七年の児童福祉法改正のとき以来、八年ぶりで、学童保育問題に限っての委員会が開かれるのはこれが初めて。

 参考人として全国学童保育連絡協議会の真田祐事務局次長が意見陳述。子どもが学童保育で過ごす時間は学校より多く、平均千六百時間、家庭にかかわる毎日の生活の場であること、施設数、入所児童数が急増している現状と課題について述べました。

 日本共産党の石井郁子議員は、学童保育の施設不足と人数の大規模化の解消を援助し、学童保育の設置・運営基準を設けるよう厚生労働省に求めました。厚労省の北井久美子雇用均等・児童家庭局長は、「設置基準をつくることについて研究したい」と答弁しました。

 石井氏は、「厚労省の『子ども子育て応援プラン』では二〇〇九年までに一万七千五百カ所に学童保育を増やす計画だが、それでは大規模化している実態に合わず、遅すぎる」と指摘。北井局長は「市町村の要請に応じて考慮していきたい」と答えました。

衆院 青少年問題に関する特別委員会 議事録第2号 2005年10月22日

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 私は、一九七〇年代に共働きを始めまして、保育所、学童保育と、子供とかかわってまいりました。きょうもこもごも語られましたが、共同運営という形から始まった学童保育が制度化され、法制化される、そしてきょうは、いわば集中審議的な形での参考人質疑となったわけでございまして、私も大変歴史を感じ、また意義深くも感じているところでございます。
 ちょうどこの参考人質疑があるためで目が行ったのかもしれませんが、きょうも真田参考人が新聞の記事を資料に入れていただきましたけれども、雑誌でも何か特集、レポートが相次いで発表されているんですよね。それで、これは、ある雑誌は「働く親の命綱、学童保育をなくさないで」ということでございましたし、それから「働く母を阻む「小一の壁」」。だから、先ほどありましたように、保育所までは行けていたけれども、学童がないために、壁になる、学校へ上げた途端に困ってしまうということがちょうど相次ぎました。
 私は、今学童保育についてこういうメディアの注目もあるわけですし、それはやはりニーズが非常に高まっているからだというふうに思うんですね。本当に仕事を持ちたい、また働きたいという女性がもう多数というか、どんどんふえている状況だし、また、いろいろな家庭の事情、そして一人親家庭がふえている等々の事情も出てきている中で、私は、学童保育というのは本当に不可欠な、親と子供にとっての本当に大切な居場所でもあり施設でもあるというふうに思っているところです。
 それで、この機会ですので幾つかお尋ねしたいと思いますが、まず、真田参考人は、時間もなかったでしょうけれども、とにかくまだまだ足りないという実態だということを言われました。そして、学童保育には定員がないということがありますためか、急速に大規模化、マンモス化が進んでいるということの御指摘もありました。
 どのような実態なのか、その大規模化というのがやはりどういう現場に困難、そしてまた、とりわけ子供たちに影響をもたらしているのかというようなことで、足りないということの実態と大規模化という実態について、ちょっと簡潔に、もう少し数字的にでもお話しいただければというふうに思います。

○真田参考人 大規模化の問題でございますけれども、ちょうどきのうでき上がったばかりのこういう冊子を私どもつくりました。安全、安心な学童保育を大規模化ではなく適正規模で複数設置をということで、ここにさまざまな私ども現場の指導員の方々の声だとか、あるいは子供の生活の様子、あるいは保護者の方々の願いを書いてありますけれども、本当に子供たちが、先ほど少し触れましたけれども、学童保育で大規模になることで安心して生活できなくなるということがこもごもに語られております。
 それは、先ほどちょっと指導員の方とのかかわりをお話ししましたけれども、子供同士の関係も、四十人ぐらいの規模であれば、本当に異年齢集団のよさで、お兄ちゃん、お姉ちゃん、あるいはその下の子の面倒を見るといったような子供同士のかかわりがすごく濃密になるわけですけれども、大規模化することによって、非常に子供同士が無関心になってしまうとか、あるいは、無関心な一方で、自分のエリアの中にだれかが入ってくると攻撃的になってしまうとか、あるいは言葉遣いが荒くなってしまう、あるいはどならないと相手に物が伝えられないといったようなことですね。そういった、子供の生活が本当に荒れてくるといったようなことが問題点として相当指摘されています。指導員の方々も、子供一人一人を大事にするようなかかわりができなくて、どちらかというと管理するような形になってしまうといったようなことが、大変私は大きな問題ではないのかなというふうに感じております。
 なぜ大規模化になっているのかということの中に、行政の方々の考え方の中に、施設が一人当たりの広さがあるだろうと。例えば、広い施設であればたくさん入れてもいいんじゃないかというふうな理解があるように思います。でも、やはり大事なのは子供集団の規模であり、あるいは指導員さんがどれだけ子供たちに目が届くかといったことが大変大事なことですので、そういう意味で言うと、施設が広い、狭いというだけの問題ではないということで、やはり分割をしていくということが大変大事なのではないかというふうに思っています。
 以上です。

○石井(郁)委員 厚生労働省にお尋ねしたいと思いますけれども、子ども・子育て応援プラン、出されておりますように、二〇〇九年までに全小学校区の約四分の三、一万七千五百カ所ですか、学童保育をふやすという目標を立てていらっしゃるわけですね。少子化という問題が大変社会問題ですけれども、総務省の少子化対策に関する政策評価というのを見ましても、やはり放課後児童クラブの充実を望むという声が四二%と、保育サービス、子育てサービスの中でも非常に高くなっているということが昨年出されていると思います。
 私は、最初に少し述べましたように、共働き家庭が非常にふえている、そしてまた放課後の遊び、生活を充実させたい、保障したいという家庭がふえてきているという中で考えますと、この数値目標でいいのかなと率直に思うんですね。この数値目標がどういうふうに立てられたかというのもありますが、二〇〇九年まで一万七千五百カ所というのは少ないんじゃないか。ということで考えると、これから四年後になるわけですか、これは少ないというふうに率直に思います。
 既に待機児が相当あるというふうに言われている中では、そういう問題が一つ。それから、ではその数値目標を達成するのさえ、果たして予算の確保措置というのは大丈夫なのかという二つの問題なんですね。
 来年度の予算で見ますと、学童保育に九十四億七千万円ですから、いわば九十五億円にもならない。学童保育、六十五万人の子供たちが行っているところで、わずか九十五億円足らずというのが実態ですよね。この学童保育、少しずつでも箇所数はふえてきておりますけれども、ここ数年でもこの予算というのはどういう形での増額になっているのか、今後どういう増額が見込まれていくのか、その点をお聞かせください。

○北井政府参考人 まず、子ども・子育て応援プランにおきまして目標としております目標数値一万七千五百カ所が少ないのではないか、こういう御指摘でございますが、私どもは、このプランを作成するに当たりましては、市町村が住民のニーズを踏まえて策定した地域行動計画の計画に基づきまして集計をしたものでございまして、現在のところ、その実施主体の市町村がこういう計画でやりたいという数字であるというふうに認識をいたしております。
 平成十八年度概算要求におきましては、この目標を達成するために八百カ所の増を要求しているところでございます。予算につきましては、平成十七年度予算、本年度の予算が九十四億七千万円余りでありまして、平成十八年度の予算要求におきましては百十二億円ほどを要求しているところでございます。
 私どもは、あくまでこの子ども・子育て応援プランの数字は今策定した段階での目標数値でございまして、仮に今後住民のニーズがますますふえて、もっと前向きに計画を見直して取り組みたいという市町村がふえてくれば、当然この目標数値を上回った国庫補助の御要望も上がってくると思いますし、各市町村でも取り組みが進むと思っております。仮にそうした計画を上回るような国庫補助の御要望等がありました場合にも、なるべく私どもとしては前向きに予算の確保をやってまいりたいということで考えております。

○石井(郁)委員 下の方からのいわば積み上げ的な形で一万七千五百カ所ということだという説明でございました。そして、これは決して固定したものではない、もっと出てくればそれはそれで見ていくという話だと思いますし、本当に大事なことだと思うんですね。
 ただ、私は同時に、やはり児福法に基づいて国の事業として行うわけですから、そういう意味では国としてもっとイニシアチブを持ってもいいと思うんですよね。だから、ちゃんと、こういうニーズに対してどういうふうに対応していくのか、そういう裏づけというか、国としての試算なども持って臨まれるということも必要じゃないかなというふうに思ったものですから。
 何しろ、これは平成十六年度で一万五千百三十三でしょう、現在。それが一万七千五百といったら二千じゃないですか。箇所数でわずか二千ぐらいでしょう。本当にこれは時代のテンポに合わないなというふうに私は思いまして、強くその辺を、やはり箇所数もふやすし、また予算としてもきちんと措置していくということをお願いしておきたいというふうに思います。
 それで、先ほども小宮山委員の方からもお話がありましたけれども、大規模化の解消という問題にどうしても必要なのが、やはり一定の設置基準という考え方が要るんじゃないかということなんですよね。
 この問題は、私どもの党が昨年六月に、実は地方でも既に何らかの設置基準を設けている、あるいは設けようという動きがあるということの中で、それはどういう自治体で行われているのかということをお尋ねしました。そして、国としてもそういうことを考えるところに来ているんじゃないかというふうに質問したわけですけれども、そのときの回答では、これは地域の実情に応じて個別具体的に判断されるべきだ、施設の規模などの基準を国において一律に定めることは困難だと、質問主意書だとそういう答弁に終わってしまいますから、これはちょっと私も尋ねておかなくちゃいけないなというふうに思って、きょうはぜひ質問するわけでございます。
 先ほども少し回答もありましたけれども、地方がそういう設置基準を定めようとしている、定めているところも出てきているという中では、やはりその必要性があるからだと思うんですよね。地方の方が先に行っているんじゃないですか。国が本当に法律に基づいて学童保育を充実させようというふうに考えるんだったら、今のままでいいのかという点でいうと、やはり何らかのことを考えるべきじゃないか。それからまた、地方でも、もちろん地方にはいろいろ自治体間の格差ということがどうしても出てきますから、国としての、これは小宮山議員がガイドラインというふうにおっしゃったので、私も本当に、少なくともガイドライン的なものというのは必要だというふうに思うんですね。その点、いかがでしょう。

○北井政府参考人 放課後児童クラブの何らかの運営・設置基準というお尋ねでございますが、先ほども御説明申し上げましたとおり、今独自で基準を設けている自治体が四十五自治体ございます。ただ、この内容を見ますと、かなり多様な内容になっております。
 こういうことで、私どもとしては、これまで放課後児童クラブの運営に当たっては、各地域の実情に合わせて多様な取り組みができることの方がむしろ円滑な事業実施につながる、このクラブの推進につながるという認識でもってやってきているところでございます。したがいまして、最低限の実施要件、指導員の配置であるとか、遊具、図書、ロッカーの配置であるとか、そのような最低限の実施要件を規定するにとどめているところでございます。
 国が余りにも一律な基準を設けますと、かえって自治体が萎縮をして硬直的な運用になったり、あるいは、そういう難しいことを言われるのならということで取り組みを進めないというようなことも危惧されるわけでございまして、私どもとしては、やはり基本的には、こうした児童クラブというのは自治体の自主性を最大限尊重したいと思っているところでございます。
 ただ、ガイドラインというお話もございました。そこのところは少し研究をしていきたいというふうに思います。

○石井(郁)委員 今のお話で、何か運営基準を一律に決めると硬直化すると。そういう考え方はおかしいと思うんですね。そんな硬直化する運営基準だったら困るのははっきりしているわけですから。やはり運用においていろいろな弾力的なことを視野に入れたものができるわけでしょう。だから、そういうものとしてぜひ考えてほしいというふうに思います。
 さて、それでは真田参考人に伺いたいんですけれども、この設置基準の必要性についてどうお考えかということと、あわせて、先ほど私は予算のことを申し上げましたので、とにかく法制化自身がおくれて、ようやく国の事業が始まったが、しかし予算の規模というのは本当に少ない、やはり単価が少な過ぎるという点では、現場は大変御苦労されていると思うんですね。だから、この予算についてどのようにお考えか、簡潔にお答えください。

○真田参考人 レジュメにも少し触れましたけれども、地域の実情に応じて多様であるとか柔軟である部分と、あと、子供たちを預かる施設としてやはり最低限安全を確保する、あるいは子供の健全な育成を図るという点で、共通的に必要なものがあろうかと思います。
 先ほどちょっと池坊議員の方からも言われましたけれども、過ごす時間が長いという計算ですが、この「情報」の三十一ページに書いてあるんですが、一年生の十時半始まりのことを計算に入れているわけではなくて、一年生から三年生までの平均の時間で、大体平日は三時間半で見ております。三時間半で見ていても年間を通すと千六百時間、そこで生活をしている子供たちの施設としてやはり最低限必要なものがあるのではないか。
 多様だからといって、例えば子供たちの生活のスタイルが違うわけではないわけですね。冒頭にお話ししましたように、イラストでかいたような生活の流れというのは、北海道の子供たちであれ沖縄の子供たちであれ、学童保育でああいうふうな生活を送っているのは事実でございますので、そういう点で、基本的なベースとしての設置・運営基準をつくった上で、その地域に応じて、実情に対応するような柔軟さがあっていいというのが私どもの考えでございます。
 そういう点では、そのベース部分のところについての予算が余りにも低いということをきょうの資料に載せておりますけれども、民間の施設であっても年間一千万ぐらいかかる。しかし、厚生労働省の補助単価の基準は一カ所当たり三百万円足らずで運営できるという試算になっているわけですね。三百万と一千万の、ここに大きな開きがあるというふうに私ども思っていますので、やはり一千万ぐらいの補助金が何とか確保できるような大幅な補助金の増額を私どもは要望してまいりたいというふうに思います。

○石井(郁)委員 最後にもう一点でございますけれども、ずっときょうの質疑の中でも問題になっておりました全児童対策事業と学童保育の関連なんです。
 これは厚生労働省にぜひ端的にお答えいただきたいと思いますが、やはり全児童対策事業と学童保育は目的と役割が違うと思うんですよね。厚生労働省としては学童保育をきちんと進めていくという立場かと思いますが、全児童対策というのは学童保育に取ってかわることはできないという点では、きちんとした態度をお示しいただきたいというふうに思うんですが、その辺いかがでしょうか。

○北井政府参考人 放課後児童クラブと全児童対策事業との関係ということでございますが、お答えを申しておりますとおり、それぞれの事業はともに大変重要な意義を有する事業であると考えております。ただ、御指摘のようにその目的が異なっておりまして、これをすべてどちらかに統一するというようなことは適当ではないというふうに思っております。しかし、一方で、例えば学校の敷地内で両事業が行われるということもありますし、それから全児童対策事業の中に放課後児童クラブの機能を入れた取り組みがなされるというような場合もございます。
 こうしたいろいろな地域での取り組みが始まっているわけでございますから、私どもは、何度も申し上げて恐縮ですが、保護者が昼間家庭におらない家庭の児童につきましては、ぜひ、開設の日数であるとか、安全の確認であるとか、あるいは保護者との連絡体制であるとか、そうしたような丁寧な対応法をしていただくことは少なくとも必須であると考えております。そのような配慮が必要であるというふうに認識をいたしております。

○石井(郁)委員 私も、本当に今の社会状況、子供の安全の問題だとかが新しく出てきておりますから、放課後の遊びと生活、これは本当に小学校、中学校ともに大切だなというふうに思うんですね。だから、働く、働かないということで、そこで線を引けるのかどうかという問題も出てきているというふうに思います。
 しかし、私は、学童保育ということでいいますと、今、一部の自治体で公営の学童保育が廃止だ、父母会が運営主体になる、そうすると公営のときと比べて保育料が約六倍だ。これはきょういただいた読売新聞の資料にありましたけれども、こういうことで、また何か昔に戻ってしまうんじゃないか、昔、私たちが本当にゼロから始めたような。三十三人、いろいろなそういうところが出ている。十カ所出ている。これは名前を言ってはあれですが、川崎市内では。そういう自主運営が十カ所だ。何か、こんな苦労をさせていいのかなというふうに思いますよね。
 ですから、ぜひ学童保育はそれとしてきちんとやはり充実していただきたい、このことを強く申し上げて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。

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