トップ>国会報告>162/衆/文部科学委員会/2005年6月10日

2005年6月11日(土)「しんぶん赤旗」

秘密裏の作業を告発

衆院文科委

教基法改悪で石井氏


 日本共産党の石井郁子議員は十日の衆院文部科学委員会で、自民・公明両党が教育基本法の「改正」作業を文科省と進めていることについて、「公的でない機関が政府の上に君臨して『改正』を検討し、文科省はその下部機関に成り下がっている。教育行政に対する政党支配だ」と批判しました。

 文科省は五月十一日、「与党・教育基本法改正に関する検討会」(保利耕輔座長)に対し教基法改悪の骨格となる「仮要綱案」を提示しました。与党検討会ではこれに基づき条文の逐条検討を進めています。

 石井氏は、「文科省が与党だけに『仮要綱案』を示すのはおかしい。野党にも示すべきだ」と迫りました。中山成彬文科相は「取り扱いは検討会の判断にゆだねられる。公表するのはいかがなものか」と答弁しました。

 文科省は与党の教育基本法に関する協議会(幹事長、政調会長、国対委員長で構成)の中間報告に基づいて柱立てをつくり、与党検討会の指示で作業を進めています。このことについて石井氏は、「国民の将来にかかわる重大な教基法『改正』を秘密裏に行うのは異常であり、やめるべきだ」と要求しました。

2005年6月11日(土) 「しんぶん赤旗」

国立大 教授・助手 逆三角形に

衆院委 石井議員 交付金減でポスト減る

 国立大の半数で教授・助教授・助手の比率が1対1対2から、3対2対1の逆ピラミッドになっている−。国立大の運営費交付金削減でリストラが進み、若手研究者のポストも減っていることを日本共産党の石井郁子議員が10日の衆院文科委員会で指摘。研究者支援を抜本的に強めるよう主張しました。

 同委で審議中の学校教育法「改正」で「大学には学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない」としていたものを「准教授、助教又は助手を置かないことができる」とのただし書きをつけました。

 石井氏は「1986−2001年度で教授の構成比は34%から39%に伸びたが、助手は34%から24%に落ちている。定員削減で助手が減らされた結果、研究活動に支障をきたしている」と指摘。「置かないことができる」とのただし書きがリストラの根拠になる恐れがあると追及。定員削減にならないため、運営費交付金や私学助成を充実させるよう求めました。

 中山成彬文科相は「運営費交付金の確保に努力したい」と答えました。

衆院文部科学委員会会議録 第13号 2005年6月10日


   文部科学大臣       中山 成彬君
   文部科学大臣政務官    下村 博文君
   会計検査院事務総局第四局長            千坂 正志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          田中壮一郎君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            石川  明君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         金森 越哉君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       有本 建男君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            清水  潔君
   文部科学委員会専門員   井上 茂男君

     ――――◇―――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 法案の審議に入ります前に、一点確認をさせていただきたいと思います。
 五月の十一日に与党の教育基本法改正に関する検討会がありまして、文部科学省が教育基本法改正の仮要綱案を提示されたということでございますけれども、これは事実ですか。

○中山国務大臣 お答えいたします。
 去る五月十一日の与党教育基本法改正に関する検討会におきまして、これまでの中教審の答申とかあるいは与党内での議論を踏まえまして、与党検討会における議論のたたき台としまして、文部科学省が作成いたしました仮要綱案を提示したところでございます。
 現在、与党検討会におきましては、この仮要綱案に基づき議論が深められているというように承知しております。

○石井(郁)委員 文部科学省の手によって教育基本法改正の法案、仮要綱案ですけれども、それができているということですね。戦後初めてのことだと思います。私は、極めて重大な問題だというふうに考えております。
 それを新聞報道などで見ているわけですが、前文、それから教育の目的とか目標、それから補則ということまであって、十八条立てだというふうに聞いておりますけれども、どのような柱立てになっているのか、報告してほしいと思います。

○田中政府参考人 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、与党の検討会に提出しております仮要綱案につきましては、与党の検討会における議論のたたき台として私どもの方で作成したものでございまして、具体的中身については、現段階では公表することは差し控えたいと思っております。

○石井(郁)委員 文科省がつくられているものでありまして、与党には提出するけれども、それ以上ほかには提出できないと。その理由は、どういう理由でしょうか。

○田中政府参考人 ただいま与党におきまして、中教審の答申等も踏まえまして、この検討会の中でいろいろ改正につきまして御検討が進んでおるところでございまして、今の段階では、与党の検討会の中でまだ一致した方向性が出ていないというようなことで、まだ、現段階で公表することは文部科学省としても考えておらないところでございます。

○石井(郁)委員 私、ちょっと問題にしたいと思うんですが、憲法の十五条には「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」とありますよね。一体、文科省は、与党のためには一々、逐一お示しをしながら、ほかには公表しない、こういうことはあっていいんでしょうか。
 ですから、当然、与党にお出しするんですから、野党の私たちにも出してほしいということがきょうの一点の質問でございますが、いかがですか。

○中山国務大臣 この仮要綱案につきましては、与党検討会における議論のたたき台にしたいということで、検討会の方から文部科学省の方につくってくれ、こう言われたわけでございまして、これに基づきまして今検討会で議論がされておるところでございます。この仮要綱案の取り扱いについては、これは与党検討会の判断にゆだねられるべき問題であろう、このように考えております。

○石井(郁)委員 本当におかしいんですよ。
 文部科学省が出した仮要綱案というのが既にある、これはお認めになりました。五月十九日、二十五日、六月一日、八日、与党の検討会で、その法案内容が逐条的にというか検討されているということですよね。
 今問題にしているのは、与党と相談するということはあるかもしれないけれども、文部科学省が今法案を作成しているんですから、そこまで案がもうまとまったということですから、それは当然、野党の私たちにも示していただかなくてはならないということですよね。そうしないと、先ほど申し上げた憲法十五条、あなた方はこれに反してこの作業を進めているということになるわけですよ。
 与党のための文部科学省ですか、まず文部科学省は。

○中山国務大臣 これは、各党からいろいろな資料をつくってくれとかなんとか頼まれれば、それに応じてつくっているわけでございまして、こっちから頼まれたからというのでこっちにも全部出したらどういうことになるかということはよくおわかりだと思いますから、あくまで頼まれたからそこに出しているということでございまして、そういうものをすべて文部科学省が公表するということも、またこれはいかがなものかと思います。

○石井(郁)委員 私、文部科学大臣のそういう姿勢というのも大変問題だというふうに思うんですね。与党、与党と言われますけれども、一体、文部科学省は与党のための機関なんですか、与党のためだけの機関なんですかと言わなければならないと思うんです。
 というのは、ずっとこの間の経過も、柱立ても与党協議会の中間報告に基づいてつくられました。内容も、与党検討会の検討に基づいて政府が法案をつくっているんですね。異常じゃないでしょうか。
 この与党の教育基本法改正に関する検討会というのは、公的な機関なんですか。公的な機関でも何でもありません。それを密室で、ここに出された仮要綱案というのは全部回収されるそうですけれども、一転、新聞記者には、こういう経過でこういう議論をしていますということは記者レクはされているんですね。なのに、その資料は全部回収される。何か異常なやり方じゃないんでしょうか。
 私は、文部科学省として、文科省がこの教育基本法改正の作業に取りかかっているんだ、ここまで案がまとまったというんですから、それは野党である我々にも当然示してしかるべきじゃないんですか。いかがでしょうか。

○田中政府参考人 先ほどからお答えしておりますように、この仮要綱案というのは検討会における議論のたたき台として作成したものでございまして、私どもといたしましては、この検討会並びに協議会の御議論の結論を踏まえまして、きちんとまた積極的に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○石井(郁)委員 当委員会にはその検討会にかかわっていらっしゃる方もおいでですから、そういう事情もあるのかもしれませんけれども、私は、今の経過をお聞きしてもわかるんですけれども、公的でも何でもない、与党の検討会ですよ。その与党検討会が、まさに文科省の上に、政府の上にいわば君臨しているような姿じゃないんでしょうか。そして、法案の逐条検討をしていると。そして、法案の作成をしていると。
 私は、この流れでいきますと、文科省というのはまさに与党の下部機関に成り下がっていると言わなければいけませんし、これはもう教育行政に対する政党の支配そのものだ、極めてゆがんだ形だというふうに言わざるを得ないと思うんですね。しかも秘密裏にやっているわけですから。
 教育基本法改正という問題は、まさに国民挙げての、国民的な関心事じゃないですか。まさに日本の将来にかかわる重大問題じゃありませんか。何でこんな秘密裏に文科省と与党が進めるのかという問題は、今極めて異常に、あるいは異例に映っている、国民から見たらそのように見られているということを申し上げまして、このような秘密裏な検討は私はやめるべきだということを主張しておきたいというふうに思います。
 さて、続きまして、法案の質疑に移らせていただきます。
 今回の学校教育法の一部を改正する法律案の中では、現行助手を助教と新助手というふうに区分けするという問題がございます。まず、その問題から入るわけですけれども、この新助手、助教の処遇についてちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。
 基本的には現行助手のままだというふうに理解をしているんですけれども、それでいいのかどうか。それから、新助手への移行または新規採用についても、現行の給与水準などの維持というのはきちんと守られるのかどうか。私は現行を守るだけでいいとは思いませんで、水準アップを図るべきだというふうに思いますけれども、その点でお答えください。

○石川政府参考人 このたびの改正によって新しく設けられることになります新助手の処遇等についてのお尋ねでございます。
 今回の制度改正は、ただいまお話がございましたように、現行の助手を、教育研究を主たる職務とするものに相応する職としての助教の職を新設するとともに、教育研究の補助を主たる職務とする職として、新しい制度における助手を明確化するというものでございます。これを踏まえまして、新しい制度におきまして、各大学における助手の処遇ですとかあるいは職階上の位置づけにつきましては各大学の判断により適切に定められるということが基本であると考えております。
 ただ、これまでの経緯ですとか、あるいは実際に当該助手が行う職務の実態も踏まえまして円滑な処遇等が行われるということが望ましいことは当然でございます。例えば、従来から改正後の助手の職務に属するような職務を行っていた方々につきましては、処遇等は基本的に継続されるべきもの、このように考えているところでございます。

○石井(郁)委員 とりわけ新助手の処遇なんですね。
 さらに伺うんですが、この法案を準備する検討委員会でも懸念が表明されておりまして、このような記述がございました。教授、准教授、新職というのは、この職階の中でプロモートの可能性がある。だから、助教まではプロモートの可能性があるんだと。事務職員の場合は事務職員としてのプロモーションの仕組みがある。新助手だけはそれがないというと、非常に不満を生じる。だから、新助手を独自の専門職として認めて、その中で新しい職階制なり給与体系を入れない限り、学校教育法上の職として新助手をつくってみても問題の解決には必ずしもならない。これは、昨年八月二十四日の検討委員会の議事要旨から、私、見たんですけれども。
 だから、こういう問題点は払拭できているんでしょうか。新助手の昇進とかあるいは職階制について、どのような措置がとられるのでしょうか。

○石川政府参考人 今のお尋ねは、いわゆる新助手の将来のキャリアパスに関することではないかというふうに理解をいたしておりますけれども、助手についている方々の将来の処遇ですとか、あるいは職業能力の開発、将来の他の職への転換等を含めました、いわゆるキャリアパスにつきましては、各大学や各分野の実情に応じまして、各大学におきまして判断するということが適当であると考えております。
 例えば、各大学の判断によりまして、主任助手など教育研究を補助することを主たる職務とする職につきまして、独自の体系を設けるというようなこともありましょうし、また、近時、情報化、国際化への対応などあるいは入学者選抜等、専門性の高い職務がますます拡大をしております。こういったことから、専門性の高い職務を担う職といったようなものを設けまして、助手との間で人事交流を行うといったようなことも考えられることではないかと思っております。
 なお、助手のキャリアパスとしては主にこのようなものが考えられるわけでございますけれども、助手の職についている個々人につきまして、その適性でありますとか資質、能力に基づいて、各大学の判断によって准教授ですとかあるいは助教等に採用されるといったようなことも大いに考えられるもの、このように考えております。

○石井(郁)委員 私どもがちょっと伺った中では、助教と新助手に分けて、助教にはキャリアパスとしての道はいろいろあるということでしたけれども、新助手にはその辺が想定されていないんじゃないかという心配があるものですから、お聞きしたわけです。
 そして、なぜこれをお聞きしたかといいますと、国立大学には長いこと教務職員という方がいらっしゃいました。本当にそこから、実際には研究の一助を担っていたりいろいろなことをやっているんですけれども、そこどまり、その上がなかったということがあるんですね。
 さて、それで、今一部には、この新助手というのは教務職員問題の再現ではないのかという心配の向きがあるんです。それでちょっと伺っておくんですが、教務職員制度というのは、どんな実態で、どういうものとしてあったのか、ちょっと簡単に説明していただけませんか。

○石川政府参考人 教務職員についてのお尋ねでございます。
 教務職員につきましては、学校教育法上の直接の根拠規定を持った職ではございませんで、国立大学の法人化前の内部職制といたしまして、旧国立学校設置法の施行規則、この規則は国立大学の法人化に伴いまして廃止されておりますけれども、これに規定されていたものでございます。なお、その職務の中身につきましては、「教授研究の補助その他教務に関する職務に従事する。」このように定められていたところでございます。

○石井(郁)委員 その教務職員なんですけれども、教育職の給与表一級というのが適用されていましたけれども、教員として研究費とか旅費等は措置されていませんでした。それから、職務内容としても、いろいろ本当はされてきたんですね、実験、演習の指導、実験装置、機器の開発、設計、製作、実験、測定のデータ処理だとか、動植物の飼育とか栽培、管理等々、また論文の整理。だから、助手と同様の職務を担いながら助手でもなかったという方々でした。私もかつてそういう方々をいろいろ親しく見てまいりました。だから、研究者としてやりたい、研究者として伸びたいと思っても、研究支援者としても昇進がなかった、一生教育職俸給表一級のままだった、いわゆる袋小路だったということを言われていたんですね。そういう教務職員でした。
 それで、あえてお聞きするわけですが、今回の新助手というのは、助教ではなくて新助手というふうに位置づけたわけですから、この教務職員とどう違うんですか。

○石川政府参考人 教務職員につきましては、先ほど御説明を申し上げたとおりでございますけれども、他方、助手につきましては、国公私立を通じた大学制度につきまして定めた法律でございます学校教育法に根拠規定を持っておりまして、「教授及び助教授の職務を助ける。」これは従来といいますか現状の規定でございますけれども、このような形で位置づけられております。そして、職務内容を含めまして、その法制的位置づけは教務職員とは異なっておるものでございます。新しい改正後の助手につきましても、学校教育法上の現行の助手の職務の整理といたしまして、「教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する。」職として明確化しようとするものでございます。
 そういったことで、国立大学の内部職制として法令上規定されていた教務職員とはその制度的な位置づけを異にするものである、このように考えております。

○石井(郁)委員 先ほど、キャリアパスについてもそれぞれ法人の内部でいろいろ工夫はできると考えられるということもありましたので、決して袋小路の職ではないんだということですね。そこら辺は確認をしておきたいというふうに思います。
 それにしても、やはり助教と新助手というふうに分けるわけですから、いろいろ問題が出てくるだろうというふうに思うんですね。とりわけ、どちらを選ぶかという問題が出てくると思います。
 その移行なんですけれども、やはり本人の意思を尊重すべきだというふうに思いますし、やはり格差をつけていくわけですから、新助手への移行というのは強制してはならないというふうには思いますが、それはそのように確認してよろしいですか。

○中山国務大臣 今回、現行の助手を助教と助手に分けようとするものでございますが、この新制度のもとで現在の助手の職にある個々の方を助教とするかあるいは助手とするかは、各大学において制度改正の趣旨等を踏まえつつ関係法令に従い決定されることになるものでございます。その際、各大学におきましては、現在の各助手の方々の具体的な職務の実態、今後の職務分担等を総合的に踏まえ判断が行われることになりますが、その一環として、現在の助手本人の意思も適切に踏まえた対応がなされるものと考えております。
 なお、文部科学省としては、新制度施行に伴う移行に関して、特定の基準を作成したり、各大学における個々の人事について指導や調査を行う考えはございませんが、今回の制度改正の趣旨をさまざまな機会を通じて大学関係者等に対して周知することに努めてまいりたいと考えております。

○石井(郁)委員 そのように進められることが望ましいと思いますけれども、単なる各大学の判断というようなことに任せたらやはりいろいろな混乱が起きるんじゃないかということは当然のこととして心配が起きるわけでございまして、あるいは一方的に強引に進めるだとか、そういうことは避けなければいけないというふうに思います。
 今、大臣のそういう御答弁ですから、こういう新制度をこれは文科省として新たに導入するわけですから、その混乱が起きないようにする責任は文科省にあるというふうに思うんですね。各大学の判断に任せるということだけでは済まないというふうに思います。そういう意味で、あくまでも新助手への移行というのは強制がないように、また、本人の希望によって選ばれるように、その辺の注意と配慮というのは文科省としてきちんと見ていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 さて、次の問題なんですが、研究支援体制のことでございます。私は、日本の科学技術研究体制、基礎研究にとってこの問題が今非常に急がれる喫緊の課題じゃないかというふうに考えているところです。
 国立大学で研究者二人に研究支援者一人を確保するというふうに述べられたのが一九九六年の科学技術基本計画だったんですね。十年前のことです。これまで、欧米諸国と比べて日本の研究支援体制というのは非常に弱い、そういう人的な配置という点で弱過ぎるということは指摘されてきたんです。新しい昨年度版の科学技術白書によれば、主要国における研究者一人当たりの研究支援者数というのは、もう本当に格段の違いがありまして、EUで〇・八一人、イギリスで〇・九六人、フランスで〇・八八人、ドイツが〇・八二ですけれども、日本が〇・二八なんですね。
 先ほど十年前を言いましたけれども、十年前の水準では約〇・四人でしたから、何と十年前に、こういう研究支援者数はヨーロッパに比べても落ち込んでいるし、これは上げなければいけないというふうに白書で言われながら、上げなければならないというか、こういう実態は変えなければいけないと言われながら、どんどん落ちてきている。これは欧州の三分の一の水準ですよね。
 これがやはり研究の阻害要因になっているんじゃないかというふうに思いますが、こういう現状については文科省はどのような認識をお持ちでしょうか。

○清水政府参考人 ただいま先生から御指摘がございましたように、我が国の研究体制を考える場合に、研究支援者の問題というのが大きな問題であるということは私どもも認識しております。
 ただ、先ほど先生御指摘ございましたように、諸外国との比較というのは、正直言ってなかなか難しい要素もございます。難しい要素というのは、国ごとにそれぞれの対象をどういうふうにカウントするかという問題もございますし、また、そういう意味での正確な比較というのもなかなか難しい。
 例えば、研究者でありますと、日本とアメリカで申し上げますと、日本は大学の教員に助手も含めているわけでございますが、アメリカの場合ですと、教員については、教員のうちでも博士号を有して、かつ研究を主たる業務とする者に限定し、一方で、大学院博士課程の在学者を日本は丸ごととっておりますけれども、アメリカの場合ですと、研究支援で報酬を得ている、いわゆるRAとなっている者に対して、五〇%の専従比率を掛けている。
 こういうふうなことで、例えば外国との比較では、日本の研究者数は相当数小さくなっておるという問題もございますし、また、別な部分でさまざまな、難しい、それは支援者の場合は裏腹の職務の重層、複層性の問題もあるわけでございます。
 ただ、しかしながら、そういう中で、全体として平成九年から十四年の研究支援者総数というのは減少傾向にあるわけでございますけれども、例えば、科学技術基本計画の推進によりまして、大学等では研究者一人当たりの支援者数は低落傾向に歯どめがかかっている。このような状況でありまして、全体として、そういう意味で、さまざまな形の努力が行われているということを申し上げたいわけでございます。

○石井(郁)委員 私は、そういう御答弁を聞きますと、やはり文科省って何だろうなと本当に思わざるを得ないんですね。
 私は、科学技術白書に載せられている、そのデータで、こういう現実をどう見たらいいんですかとお聞きしているんですよ。そうしたら、いやそれは比較は簡単にはできないんだ、いろいろ事情があるんだと。そういう事情を、では書かなければいけないんじゃないですか、数字を。これは国民向けに出しているんでしょう、科学技術白書。これは科学技術白書ですよ。こういう白書を出しながら、いやそれはちょっと事情がいろいろ違いまして、何かそういう話というのはないでしょう。何か白書はそれなりのリアルにある現実を述べながら、しかしそれはいろいろ読み方があるんです、何のための白書ですかと言わなければいけないですよ。ちょっと、そういう答弁はだめですよ、本当に。政府として本当に無責任ですねと言わなければいけない。
 大学の研究支援者数が極端に少ないんですよ。この科学技術白書によりますと、公的研究機関は〇・八九人です。大学は〇・一八人なんですよ。だから、トータルでは〇・二八人とかいうふうになりますけれどもね。この問題について、では白書がどう述べているかといえば、七〇%以上に及ぶ多くの研究者が、雑用を排し、研究に集中できる環境があることを海外で研究を行うことの魅力としてきたと。だから、よく日本の研究者が海外に逃げていくという話ですけれども、その問題を述べていまして、これは、日本においては、研究体制の不備により研究に集中できないことを示しているんだ、研究支援者の量的、質的な充実と研究支援体制の充実が必要であることが浮き彫りにされている、こう述べているわけでしょう。
 だから、ここまで指摘しながらというか、あるいは指摘されながら、では文科省としてこの研究支援体制の充実というのをどのようにやってきたのか。先ほどは減少している、充実どころか後退しているということをはしなくも言われました。どうなんでしょうか。

○清水政府参考人 若干数字的なことを先に申し上げさせていただきます。
 例えば、平成十一年度における大学等の研究支援者の総数は、四万八千五百人でございます。平成十六年度現在で研究支援者総数は五万一千六百人という形でございまして、全体といたしましては二千人強ということ、二千人から三千人近くでございましょうか、それなりに研究支援者数の増はこの数年間の中で見てきているというふうな状況でございます。これは、私ども、さまざまな基盤的経費とあわせながら競争的資金の拡充を図りつつ、そういう形の努力を続けさせていただいてきているということでございます。
 私、先ほど御答弁申し上げましたのは、言いわけを申したわけではありません。研究者と研究支援者数をいわゆる一人当たりで諸外国と比較するときに、往々にしてそこの部分は単純化できない問題があるということを申し上げさせていただいたわけでございまして、我が国における研究支援体制というもの、研究の全体の体制を考える上で、支援体制は同時に、研究者、人の問題と、施設設備の問題等々、資金の問題とあわせながら基本的に考えていかなければならない重要な課題であることは認識しているところでございます。

○石井(郁)委員 今の御答弁でも、そうしたら、この科学技術白書を書き直さなければいけませんよ。「主要国における研究者一人当たりの研究支援者数」というふうに出ているんですよ。では、これを書き直してもらわなくてはいけないということになりますよね、今の御答弁だと。これは、ちょっと宿題に置いておきたいと思います。
 研究支援者数というのは、研究従事者とか技能者とか職員とかいろいろあるようですけれども、二〇〇二年の科学技術白書でも、研究支援業務が職能体系として確立していない、この業務への人材確保を困難にしているというふうに言われていると指摘がございます。
 技術系研究支援者に対する人事処遇上の主な問題点としては、研究者に比べてやはり給与水準が低い、特殊な技能、専門知識が人事評価に反映されていないということも挙げられています。だから、今後、研究支援者の不足を解決していくためには、その能力や業績を踏まえた適切な処遇を行うこと、その上で研究支援者が誇りを持って働けるような環境を構築していくことが必要である、ここまでの指摘もあるわけですね。
 そういうことを受けて、私は、今度新助手ということですけれども、これまた後で言いますけれども、単なるこれは今の助手を切り分けただけですから、もっともっといろいろな研究支援者が必要なんですけれども、新助手も研究支援者の職能体系だというふうに言うんだったら、もちろんこの新助手の給与水準など処遇の向上がなければならないと思うし、そのほかの職種として置かれる方々も同様に処遇の向上がされなければならないというふうに思うんですね。
 聞くところによりますと、理化学研究所では、研究者と同等の給与体系が研究支援者にもあるというふうに聞いておりますけれども、こういう考えを国立大学にも広げていくというようなこと、あるいはその処遇の面でどのように措置されているおつもりなのか、伺っておきたいと思います。

○清水政府参考人 ただいま理化学研究所の例を御指摘いただきましたわけでございますけれども、理化学研究所に限らず、研究活動が高度化し、複雑化し、大規模化するという状況の中で、研究支援のあり方も、それにどう対応していくかというのが課題になっているわけでございます。理化学研究所はまさにそのための対応をする一つの例であろうというふうに思っております。
 そういう意味では、まさに白書にも述べておりますように、研究支援に従事する者の専門性を高めるか、高度の人材をどう確保するか、そういう意味での職能体系の確認というのは、理化学研究所のみならず、各大学においても重要となってきている、こんなふうに思っております。
 これは法人化以前でございますけれども、これまで国立大学にありましては、例えば、業務の効率化、機能化、集約化ということで、支援体制の組織化の推進というのを第一に推進し、それとあわせながら、技術専門官とか技術専門職員などの新たな職を設け、またその処遇の改善、上位号俸への格付等々を行ってきております。
 法人化によりまして、国立大学等において研究組織をどのように編制し、どのような研究支援職員を育成、配置し、そしてどのような処遇あるいは職能の体系としていくか、これは法人にまさにゆだねられたということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、国立大学等における研究活動をどう支援していくかということが重要となってきておる、こういうことにかんがみますと、これまでのそういう流れというものを十分踏まえながら、そういう職能体系の確立も含めた一層の支援体制の充実整備が必要である、こういうふうに考えております。

○石井(郁)委員 研究者一人当たりの研究支援者数というような比較は簡単にできない、そんなことを言われたら、本当にこの科学技術白書は何を書いたのかということになるわけですけれども、明らかに日本は少な過ぎる。しかも、十年前よりどんどん下がってきているということが問題だと思うんですよ、実数では多少ふえたとしても、研究者一人当たりの数でどうしても比較するわけですから。
 では、この十年、政府としてこの分野でその充実のために何をしてきたのかという、まさに国の責任が問われる問題だというふうに私は考えているんですね。ですから、何度も、内部的にどういうふうに仕分けをしていくかだとか、それから、法人としてどのように進めていくかだとかいうふうに言われるわけですけれども、これは国が責任を持って整備しなければならない問題じゃありませんか。
 その意味で、国の責任をもっとはっきり自覚してもらいたいし、国自身が、文科省自身がやはり責任を持って取り組んでほしいということを強調しておきたいというふうに思います。
 だって、これでは先が見えてきませんよ、あなた方、余りにも法人任せなんだから。国は何をしてくれる、何をするのか、よくなるという方向が見えてこないじゃないかということになるわけで、いかがですか。

○清水政府参考人 先ほど、科学技術白書の私の説明が不十分だったかもしれませんが、科学技術白書で指摘しております研究支援者の総数は、企業の研究活動における支援者を含めた数字でございます。
 現実に数字を見てみますと、我が国の研究者、研究支援従事者数の約六割が企業等のセクターでございます。そういう中で、全体としてこの五年間の傾向を見ますと、一番そういう意味で一人当たりの支援者数の減少率が大きいのが、いわゆる民間の研究機関及び企業等でございます。大学につきましては、先ほど若干数字を挙げさせていただきましたように、それなりに歯どめといいますか、低落傾向には歯どめがかかっている、実数としては増加している、こういうふうな状況であるということでございます。
 ただ、私、そういう実態を申し上げたいということでございまして、全体として、我が国の研究活動を支える、そこにおける支援体制というものを考えてみた場合に、研究支援体制というもの、あるいは支援者の問題が重要であるというのは否定しているものではございません。しかしながら、そこで、企業のあれについてどこまで国が役割を果たすべきか、そこはいろいろな議論があるだろうと思っています。

○石井(郁)委員 次の問題なんですけれども、准教授以下を置かないことができるというただし書きがつけられました、この問題でございます。
 これまでは、「大学には学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置かなければならない。」としていましたが、今度は、「ただし、教育研究上の組織編制として適切と認められる場合には、准教授、助教又は助手を置かないことができる。」このただし書きをつけた理由は何でしょうか。ちょっと御説明ください。

○中山国務大臣 今回の制度改正におきましては、若手の教育研究者の養成が大学の重要な責務の一つである、あるいは、大学の教育研究の活力を維持していく上で若手教員の活躍が必要であるということから、基本的には大学に准教授等を置かなければならないということにしているわけでございます。
 ただし、今後、各大学がそれぞれの理念等に基づきまして、教育研究上の個性、特色を発揮し、緩やかに機能を分化していくことが考えられること等を踏まえまして、すべての大学に必ず准教授等を置かなければならないということにはしないで、各大学の理念とか、あるいは各専攻分野の実情等によって、教育研究上の組織編制として適切な場合には、この准教授等を置かないことができるということとしたものでございます。
 具体的にはいろいろなケースが考えられると思いますけれども、例えば、学生の教育に重点を置いて、他大学において既に業績を確立しているベテランの教授を中心に採用している場合とか、あるいは、学際分野など教育研究分野の特性に応じて、教授、准教授、助教等の重層的な教育体系をしいて一定の分野をより深く履修させるよりも、教授のみを置いて幅広い関連領域を履修させる方が有効な場合等が考えられるというふうに思っております。

○石井(郁)委員 ちょっと一点確認させていただきたいんですけれども、今の御答弁の中で、今までは置かなければならないとした、これは若手養成の観点からだというふうにおっしゃったと思うんですが、それでいいんでしょうか。とすると、逆に、今度、置かなくてもよい、置かないことができるというのは、若手養成という観点はよそに置いたということですか。ちょっとそこの関係を、若手養成という問題がここにはどうかかわってくるのか。

○中山国務大臣 まさにその若手養成ということが今回の非常に重要な目的でございますけれども、それとまた別の観点で、やはり大学の自主独立性ということもあるわけですから、それにつきましては、やはり大学は柔軟に教員編制ができるようにと、そういう配慮があったということでございます。

○石井(郁)委員 最初の御答弁は大変重要だと思ったんですね。今までは若手養成の観点があったから置かなければならないということだけれども、それは否定はしていないということですね。ちょっともう一度。

○中山国務大臣 若手の養成ということは、今までもそうですが、これからもっと重要になるということでございます。

○石井(郁)委員 確認させていただきました。
 それで、今の御答弁のように、多様性だとか機能的にだとか大学の特色等々というふうにいろいろ言われるんですけれども、先ほど私も申し上げたように、研究支援者を人的にどう充実させるかということもそうですが、やはり、研究者ポストの数というのが今後本当にどうなっていくのか。研究者の数、研究者ポストがどうなっていくのかという問題も大変重要だというふうに思いますのでお聞きするんですが、最初に数字をお示しいただきたいのは、一九八六年度から二〇〇一年度までの、これは国立大学に限りますが、教授の人数と助手の人数、推移をちょっとお示しください。

○石川政府参考人 国立大学におきます教授あるいは助手の人数の推移についての御質問でございます。
 国立大学の教授につきましては、昭和六十一年では一万五千二百四十七人という数字でございます。これが、平成十三年におきましては二万七百十三人ということになっております。助手につきましては、同じ昭和六十一年から平成十三年でございますけれども、一万七千五百七十四人から一万七千六百三十一人、こういう状況になっておりまして、教授につきましては年々増加しているところでございますが、助手につきましては必ずしもふえているとは言えない、こういう状況かと思っております。

○石井(郁)委員 私はこのことを問題にしたいと思うんですけれども、今の御答弁のように、国立大学の中で見れば、教授はかなり、これは五千数百人ぐらいになると思うんですけれどもふえているけれども、助手というのはほとんど増加していないということがあると思うんですね。
 この問題も検討委員会でも指摘されていたようですが、非常にトップヘビーの構造になっている、新しい血が必要だと言いながら、新しい血が大学の中にいる場所はどんどん狭くなっていると。これは今の数字の実態を言ったと思うんですけれども、なぜこういう構造というか、こういう比になったんでしょうか。それはどのような認識でしょうか。

○石川政府参考人 先ほど申し上げましたような傾向を招いた原因といいましょうか、その原因につきましてはいろいろな面が考えられると思いますけれども、そしてまた、特定の原因に限定をするということもなかなか難しい面もあろうと思います。
 例えば大学院、大学の学部もそうでしょうが、大学院におきます教育研究機能の強化というような観点などのために、各国立大学におきまして教授のポストをふやして教育研究体制を整備した、あるいは整備してきたというような要因も働いているように思われますし、そしてまた、そういった際に、各大学からの要望を踏まえまして、定員上は助手のポストを活用して整備するといったケースもあったりした、こういったことが影響しているのではないかな、このように考えておるところでございます。

○石井(郁)委員 国立大学の半数近くが、教授と助教授、助手の比というのはこれまで一対一対二、それがベストかどうかというのはまた問題ですけれども、それが今、三対二対一、逆ピラミッドだというふうに言われているんですね。
 今御答弁ありましたけれども、やはりこのような形になったのは定員削減の問題じゃなかったんでしょうか。これも検討委員会での発言を引用しますけれども、助手を一番たくさん抱えている医学部では、国立大学で第十次の定員削減があった、多くを助手から減らしてくる。助手を減らしたために実際には弊害として出てきてしまう、現在の助手の業務分担が物すごく多様になってしまった。やはりこういうことが非常にいびつな大学の状況を生み出しているということを言われているわけです。
 助手に膨大な仕事が押しつけられている、それで研究活動に支障を来している。もちろん、若手の養成ということにもそれがつながらないということだと思うんですね。その辺の御認識はどうなんでしょう。定員削減が、助手のポストあるいは事務職員のポストを非常にそこから奪ってきたということはお認めになりますか。

○石川政府参考人 法人化前の国立大学の教職員も、いわゆる定員削減の対象となっていたところでございます。教官につきましては、大学における教育研究の充実の観点から定員上も配慮されてきたところでございます。
 また、定員削減についても、どの職種をどういうふうに削減していくかということにつきましては、これは各大学の判断を踏まえてきたところでございまして、文部科学省として助手の削減を指導してきたということではございませんので、それぞれの各大学が対応してきた結果が現在の形になっておるということかと思っております。

○石井(郁)委員 それぞれの大学の事情、実情に応じてやってきたという面もあるかもしれませんけれども、今現状が、教授、助教授、助手は三対二対一という逆ピラミッドだ。ある大学のある学部なんかでは、本当に助手が一人とか二人とか、あるいはいないところも出てきているというようなことも聞いておりますけれども、これは、そういう大学の職員の構成として、やはりよくないというか是正の必要があるという認識はございますか。

○石川政府参考人 大学におきます教員組織のあり方、そしてその具体的な、例えば教授、助教授、助手等の配置の考え方というものにつきましては、それぞれの大学の特色ですとかあるいは方針、それからそういった個性、そういったことによってさまざまに変わってくるものであろうと思います。
 先生御指摘がありましたように、支援職員あるいは若手を厚くしてこれからの勢いに期待をするというような考え方も、例えば新しい研究を切り開いていこうという場合にはそういう考え方もあろうと思いますし、それから、教育面をしっかり重視してこれを中心にやっていこうといったような場合に、例えば教授層を厚くしよう、こういった考え方もあろうと思っております。これも、やはり大学のポリシー、そして教員組織が置かれる分野とか置かれている状況等によって、それぞれまた変わってくるものではないかな、こんなふうに思っております。

○石井(郁)委員 とにかく国立大学は、十次にわたる定員削減で、相当な助手あるいは技術職員、事務職員等々の人が減らされました。そのことがこういう逆ピラミッドという形になっているし、このままでは本当に若手研究者の養成がどうなっていくんだろうかという声が今や聞こえるわけです。
 私は、そういう中で、今問題なのは、法人化にして、今度はさらに運営交付金がこれから先減らされていくという問題です。ただ、それがやがて定員にもあるいは非常勤にも及んでいって、結局、人をどんどん減らさざるを得なくなってきているということが今大問題になっていると思うんですね。また、私学でも、十八歳人口百二十万人時代を迎えている。それぞれが何か生き残りをかけた、いわば大学間の競争ということが言われているわけです。
 そんなときに、そこにやはり歯どめこそ必要だ、本当に研究者、研究支援者をどう確保していくのか、将来を展望するのかということになるのに、先ほどに戻りますけれども、それぞれのいろいろ職種を置かないことができるということをわざわざここで法律として決めるということは、このただし書きを加えたら、まさに、置かないことができるんだから、その定員を外そうか、あるいは大学のリストラということの根拠を与えることになりはしないか。これはどうお答えになりますか。

○石川政府参考人 今回の置かないことができるという規定の仕方につきまして、こういった規定をするとリストラとかあるいは人員削減につながるのではないか、こういった御心配かと思います。
 現在、先生も御案内のように、大学設置基準におきまして、大学につきましては、学部の種類あるいは収容定員に応じまして、必要な専任教員数といったようなものが定められております。仮に各大学の判断によりまして、准教授や助教について、置かれないあるいは数において少し違った配置の仕方をする、いろいろなことがあるといたしましても、最低限必要な専任教員数といったようなものは今回の法律の改正前とその点は変わるわけではございませんで、同じということでございます。
 そういった数字的な面から見れば、専任教員全体として見た場合には、今回の制度改正によりまして、各大学における定員削減が促進される、あるいは進んでしまうというようなことはないと考えておりまして、どういった構成で教員組織をつくっていくかということは、まさにそれぞれの大学のイニシアチブ、御工夫によっていくものであろう、このように考えておるところでございます。

○石井(郁)委員 きょうは、先ほど来、研究者あるいは研究者支援、研究支援体制というのを本当に充実させなければいけないということでの質問を私は申し上げてきましたし、文科省もそういうことは需要をお認めになったわけです。
 今御答弁のように、専任教員数も決して減らしたりはしないんだ、また研究者支援体制も今後も充実させていくんだということであれば、ぜひ運営費交付金、こういうスタッフの強化というか人的体制の確保という点での運営交付金の確保あるいは私学助成というのは、もう抜本的にふやすべきだというふうに思います。この点ではぜひ大臣の御決意も伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中山国務大臣 我々としてもしっかり運営交付金等の確保には努力してまいりますが、国立大学法人化には、教育研究の高度化とかあるいは個性化とか、さらに運営の効率化といったことも当然あるわけでございまして、日本全体として行革を進めているという中にありまして、大学だけが別だというわけにもいかぬわけでございますから、そういった全体のことを踏まえながら大学運営にしっかりと当たっていただきたい。
 そういう意味で、自由度も与えながら自律性に任せてやっていくという方針で文部科学省はおるわけでございます。

○石井(郁)委員 もう少しの時間ですが、ポストドクター、ポスドクの問題で、ちょっと二、三伺っておきたいと思います。
 先ごろ、文科省はポストドクターの実態調査を行ったようですけれども、二〇〇四年度は何人というふうに把握していらっしゃいますか。

○有本政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のポスドクの実態調査でございますけれども、昨年からことしにかけまして、全国の大学、公的研究機関、千七百機関以上、初めて悉皆的に本格的な実態調査をいたしたわけでございます。
 それで、十五年度実績の人数といたしまして一万二百人、それから、十六年度の見込みの人数といたしまして一万二千五百人程度ということになってございます。

○石井(郁)委員 人数がふえていますけれども、その原因というのは文科省はどのように考えていらっしゃいますか。

○有本政府参考人 一般的な傾向といたしまして、最近は、御存じのように、競争的資金によりますポストドクターがたくさん、ポスドクのうち約半数が競争的資金によって支えられているという状況にございます。そういう意味で、競争的資金が拡充されているという中で、その研究を支えていただいておりますポスドクの人数も増加傾向にあるというふうに推察いたしてございます。

○石井(郁)委員 年齢別で見ますと、四十歳以上の方が約八%いらっしゃるというふうに私は見ているんですけれども、大変高齢化が進んでいる。つまり、ポスドクで、それから正規のというか研究職についていかなければいけないわけですから、それが既に四十歳以上だということは、私は大変問題じゃないかというふうに思うんですね。
 だから、まさに大学の助手などの常勤ポスト、あるいは助手以上でももちろんいいんですけれども、やはり空席待ちというのが長引いているからじゃないのかというふうにも思いますが、ポスドクの経済状態についてはどのように把握していますか。

○有本政府参考人 まず、先生御指摘でございますけれども、この実態調査によりまして、四十歳以上のポスドクの方が約八%おいでになるということ、それから、御指摘ではありませんでしたけれども女性が二割ぐらい、それから外国人のポスドクが二割ぐらいおいでになるということがわかってございます。
 その上で、経済状態でございますけれども、いろいろなポスドクのサポートの制度がたくさんございますので、どれぐらいの方がどれぐらいの収入を得ているかというところまでは十分把握いたしてございません。

○石井(郁)委員 やはりそういうことを文科省としてはきちっとフォローしていただきたいなというふうに思うんですね。常勤研究者並みの待遇を受けている方というのはポスドクの半数ぐらいしかありません。それから、先ほどあったように、競争的資金ですから、それはもうプロジェクトですよね。それは年数も限られているでしょうし、非常に不安定ですよ。
 やはりポスドクの方というのは、自立した研究者として、本当に将来日本の科学研究を担っていくわけですから、そういう人としてやはり研究活動をしていかなければいけないということがあると思うんですけれども、自立した研究をするフェローシップというのはわずか一四%しかいない。あとはもう競争的資金、研究プロジェクトに組み込まれてやらざるを得ないということになっているということなんですね。
 いずれにしても、若手の研究者が経済的に非常に苦しい状況に追い込まれている、あるいは、苦しい状況で研究活動を進めているということが言えるというふうに思うんですね。こういう状況について、ぜひ、最後は大臣としての御見解を伺っておきたいというふうに思います。
 私は、研究に専念できる環境をつくるというのはやはりこれは国の責務として、特に文科省が負わなければいけない責務ですし、特に常勤研究者ポストの確保というのは本当に必要なことだと思いますし、そのことが日本の若手研究者の育成や将来の日本にとっての重要な課題だというふうに思いますので、最後に大臣のこの問題での御認識と御見解を伺って、終わりたいと思います。

○中山国務大臣 ポスドクにつきまして、人数もふえているし、また高齢化も進んでいるということでございまして、これは我々としても大変残念なことだと思っております。そういった方々がそれぞれの能力に応じてやはり活躍していただくということが日本経済の活性化にもつながるわけでございます。
 特に、これからの科学技術創造立国の達成に当たりましては、こういった方々をいかに活用していくかということが大事だろうと思うわけでございまして、これは、経済がもっともっと活性化していくことも大事でございましょうし、大学とか研究機関がそれぞれもっと工夫をしながらそういった方々を活用していくという観点からもっともっと考えていくべき問題ではなかろうか、このように認識しております。

○石井(郁)委員 大体時間が参りました。
 私は、女性研究者の問題も、今回、政府の白書でも大変強調されまして、科学技術分野で日本の女性研究者が余りにも冷遇、少な過ぎるという問題もありますけれども、きょうは以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


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