トップ>国会報告>162/衆/文部科学委員会/2005年3月16日

2005年3月17日(木)「しんぶん赤旗」

修学旅行に10万円

頼みは就学援助

お金かかる義務教育



義務教育は無償の立場で就学援助の拡充をと話す西村さん

 「いま求められているのは、就学援助費の削減でなく、充実・増額ではないか」。十六日、衆院文部科学委員会の質問で、日本共産党の石井郁子議員は、神奈川県・大和市の西村よし子さん(43)の事例をもとに、大臣に迫りました。

 就学援助の対象は生活保護水準以下(要保護)と、それに準ずる(準要保護)家庭の児童・生徒。準要保護の基準は自治体によってさまざま。政府は、全体の九割、百十三万人の準要保護分の補助を廃止し、一般財源化しようとしています。

 五十七万円。西村さんの子ども三人が義務教育だった二年前、一年間の学校にかかった教育費です。

 小学校一年の娘に入学準備も含め十五万円余、中二の息子に部活動の遠征費十四万五千円を含めて二十二万四千円、中三の息子は修学旅行費六万三千円を含めて十九万円…。

 「上の子が高校生になって、もっとお金はかかります。でも、義務教育は無償といいながらこんなにかかるっていうことをわかってほしい」。西村さんは、ため息をつきます。

 夫婦の所得は不安定で年間三百数十万円。同市では、準要保護家庭となり、頼みの綱が就学援助です。その就学援助で出たのは、給食費や学用品、修学旅行(一部)など二十八万円分。かかった費用の半分にしかなりません。

 「二万〜三万円もする中学の制服は、小学校のころから近所の人に声をかけて、傷みの少ないお下がりを集めてすませました。中学の教師には受験情報は塾でといわれますが、塾や習い事に通わせる余裕はない」

 準備費用もあわせれば十万円近くになる修学旅行は悩みの種。「就学援助は後払いなので、サラ金で借りて払ったという人もいました」

 不況を反映して、同市の受給率は十年で三倍。在籍児童・生徒の三割にのぼっています。そうしたなか、認定は厳しくなってきているといいます。

 西村さんはいいます。「大和市では、めがね購入費も援助の対象とされるなど自治体として上乗せしています。国が公的責任をあいまいにしたり、予算枠が狭まれば、支給額が減らされかねない。義務教育は無償の立場から、制度を充実させてほしい」

 西村さんが事務局長を務める、大和生活と健康を守る会などでつくる「就学援助をすすめる会」では、毎年、四月の新学期に就学援助の申請を記入する会を開いたり、対市交渉で制度の拡充を求めてきました。

 就学援助 経済的理由によって就学困難な児童・生徒に市町村が学用品などの援助をする制度。憲法と教育基本法にかかげる義務教育無償の原則と教育の機会均等を実現するためのもので、国が二分の一を負担することになっていますが、受給者が増える一方、予算が削られ、補助率は二割に下がっています。




対象は35万人増

石井議員指摘 補助金は減額


質問する石井郁子議員=16日、衆院文部科学委

 十六日の衆院文部科学委員会で石井郁子議員は、「三位一体改革」にもとづく「義務教育費国庫負担法等改正案」によって、就学援助費の国庫負担を削減し地方自治体に税源移譲する問題をとりあげました。

 石井氏は、要保護・準要保護の児童・生徒数は二〇〇三年度百二十五万人にのぼり、五年間で三十五万人も増加、一方で補助金額は七十六億円から七十二億円へと減っていることを紹介。そのもとで各地の自治体で就学援助の対象をせばめる動きがひろがっていることを紹介し、「地方に税源移譲すれば、このような動きを助長し支給枠を引き下げることになるのではないか」と指摘しました。

 中山成彬文部科学相は「生活困窮の家庭のお子さんに手を差し伸べることは当然で、一般財源化されても、しっかり実情を見守り、そうでなければ指導していきたい」とのべました。

 石井氏は、就学援助費の地方移譲は義務教育無償の原則と教育の機会均等を保障する国の責任放棄といわざるをえないと厳しく批判しました。

  衆院 文部科学委員会会議録 第6号  2005年3月16日

 



   文部科学大臣       中山 成彬君
   文部科学副大臣      塩谷  立君
   文部科学大臣政務官    下村 博文君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          田中壮一郎君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   文部科学委員会専門員   井上 茂男君
    ―――――――――――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。朝九時から始まりました質疑も最後の質疑者となりました。よろしくお願いいたします。
 きょうは、法案の中の就学援助費についてお聞きをいたします。
 経済的理由によって就学困難な児童生徒に学用品など就学援助費が出されているわけですね。これも憲法二十六条と教育基本法の掲げる義務教育無償の原則、教育機会均等を実現するためのものであるということを、私は前回の質問で確認させていただきました。これまで国は、要保護、準要保護児童生徒に対する就学援助を行う自治体に対して予算の範囲内で補助を行ってきました。
 そこで、まずお伺いします。予算措置をしてきた要保護、準要保護児童生徒の人数及び予算額をお示しください。

○銭谷政府参考人 平成十五年度におきまして、生活保護法による教育扶助を受けた要保護者は約十二万人でございます。また、就学援助による準要保護者の数は約百十三万人でございます。それから、要保護者に対する国庫補助は約六億円でございます。それから、準要保護者に対する国庫補助は約百四十億円ということでございます。

○石井(郁)委員 今回の改正によりまして、準要保護児童生徒に対する国からの補助がなくなるわけですよね。人数にしまして九割以上です。今お示しの百十三万人が補助対象から外れるということになるわけですね。自治体によっては、果たしてこれまでどおりの予算措置がなされるだろうか、極めて不安定になるのではないかと思われます。
 そこで伺いたいのですが、市町村がこれまで行ってきた準要保護児童生徒に対する就学援助を引き続き行わなければならないとする法的規定はございますか。

○銭谷政府参考人 準要保護者に対する市町村が行う就学援助の法的な根拠についてのお尋ねでございますけれども、私ども、基本的には、学校教育法の第二十五条がそれに当たると考えております。学校教育法第二十五条におきましては、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」ということで、この学校教育法二十五条によりまして市町村に就学援助の実施義務を課しているところでございます。

○石井(郁)委員 そういう根拠はあるという話ですが、しかし、就学援助法とか学校給食法にあります「生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるもの」という準要保護規定が、就学援助法とか学校給食法からなくなることになるんじゃありませんか。そうなりますと、今御案内の学校教育法二十五条の就学困難者というのが、要保護に限定する、そういう自治体も出てくるのではないかというふうに思われますが、これは大臣、いかがでございましょうか。重要な問題です。では、どうぞ。

○銭谷政府参考人 学校教育法の第二十五条に基づきまして、各市町村におきましては、これまでも、準要保護者を含めた地域の実情に応じた就学援助を行ってきたところでございます。今回、準要保護者に対する就学援助に係る国庫補助が廃止、税源移譲されるわけでございますけれども、私ども、学校教育法の趣旨を踏まえまして、今後とも市町村において実施をされるように、市町村に対しては指導していきたいというふうに思っております。

○石井(郁)委員 ここは重要なところでございますので、重ねて確認させていただきたいんです。やはり、就学困難と認められる学齢児童の中には、これまでどおり要保護者と準要保護者を対象としているということを私はきちんと大臣からも明言していただきたいと思いますが、いかがでございますか。

○中山国務大臣 今回、準要保護者に対する国庫補助につきましては一般財源化されることになるわけでございますが、学校教育法におきまして、就学援助の実施義務は市町村に課せられていること、それから、準要保護者の認定は、従来どおり、地域の実情に応じて市町村の判断で行っていくこと、財源につきましては、これは所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事業費が地方財政計画に計上されて、地方交付税を算定する際の基準財政需要額に算定されることになっておりまして、市町村における事業が縮小することはない、このように考えております。

○石井(郁)委員 本当にそのようにあってほしいし、なければならないと私は思いますが、そのようにしないと、これは本当に大変なことになるんですよ。既に就学援助の対象を狭める動きが各自治体で出てきています。私は、少し例示申し上げたいと思うんです。
 生活と健康を守る会というところがございまして、調査をしたところ、札幌市では国基準を上回る支給分はもう廃止する。東京都東久留米市でも基準を切り下げる。三重県の松阪市では、入学金の三千円をカットする、中学一年生につけていたクラブ費千円もカットする。大阪・八尾市では、持ち家か借家かで格差づけをする、そこで割り振りしていく、支給額の国基準の引き下げもする。柏原市というところもありますが、基準を切り下げる。堺市でも基準の切り下げが行われようとしている。大阪市、これは私のいるところですけれども、ここは区役所の窓口をなくして申請そのものをしづらくしていくという形で、実際に対象を狭めていくということが行われているんですね。そういう基準を狭める、実質的な引き下げを行うということが出てきているわけですね。
 だから、今回の地方へのこうした移譲というのは、この動きをさらに助長するのではないか、また支給額を引き下げることにつながるのではないかということがもう既に危惧されておりますので、この点はいかがでございましょうか。

○中山国務大臣 これも、三位一体の改革の中で地方団体側が、自分たちでちゃんとやるからということで、まさに税源移譲された部分でございますから、これは責任を持って措置してもらいたいし、文部科学省としては、きちっとやられているかどうか、そういう事業がちゃんとやられているかどうかについては、しっかり関心を持って見守っていきたい、このように考えております。

○石井(郁)委員 そういう問題でいうと、本当はもっと大きな問題にまた戻ることにもなるんですけれども、都道府県知事会レベルでこういう地方自治体の要望という形で出てきていますが、大臣がよくおっしゃる現場、市町村レベルでいいますと、必ずしもそうじゃないでしょう。ここまで、国のいわば責任の部分の要保護児童、準要保護児童についても税源移譲と市町村レベルが果たして言ったのかということをやはり見ておかなければいけないんですね。
 だから、そういう点では、文科省は、安易に要保護部分と準要保護部分を切り分けて、ここまでは国の責任だけれども、準要保護部分はいいですというふうにしたという点では、私は安易に認めるわけにいかないんですね。実際に、この額も大きいし、そして九割方対象者になっているということを考えますと、今の文科大臣の御答弁ではちょっといかがかなと私は言わざるを得ないと思います。
 さらに、この就学援助費が本当に実態に見合っているのか、現在の補助額が実態に見合っているのかどうかということも見ておかなきゃいけないんですね。
 この点でも、私はお聞きしたところをちょっと例示申し上げますけれども、この就学援助を受けている御家庭では教育費がどのくらいになっているのかという問題なんですが、これは神奈川県大和市の方から聞いたんですが、小学一年生と中学二年生と中学三年生、三人を抱えている、だから、その御家庭では塾や習い事にはとても行けない状況です。しかし、そんな中で、給食費や学納金、学用品、体操着、靴、上履き、子供会費、部活動費、学校にかかった費用というのは三人で五十七万百七十円だ。そのうち、就学援助費が約半額で二十八万三千百四十五円、二十八万七千二十五円というのが持ち出しなんですよ。義務教育費で、やはりかなりの持ち出しというか、家計負担になっているということでしょう。
 こう考えますと、この就学援助費というのは、この半額の援助費というのがどんなに重要なものであるかということと、今の援助費自身が決して十分ではない、だから、就学援助費の削減ではなくて、やはりもっとここを充実する、あるいは増額をする、今そのことをやるべきではないのかと私は考えますが、大臣の御見解を伺います。

○中山国務大臣 これは、地方側の要請によりまして、自分たちでやる、責任を持ってやるということでこのようなことになったわけでございますから、私どもとしては、本当に地方側が、市町村が責任を持ってやるわけでございますから、それをしっかり見守って、もしそうじゃないところがあれば指導していきたいというふうに考えております。

○石井(郁)委員 具体的に少し伺いますが、この五年間で就学援助を受けている児童生徒の推移、人数ですが、どのようになっていますか。

○銭谷政府参考人 過去五年間の就学援助を受けている児童生徒数の推移についてのお尋ねでございますけれども、平成十一年度の数字をまず申し上げますと、要保護、準要保護の児童生徒数、合わせまして約九十万人でございました。平成十五年度は、要保護、準要保護を合わせた児童生徒数が百二十六万人という数字でございます。増加の傾向にございます。

○石井(郁)委員 大変な増加ぶりだと思いますね。この五年間で約九十万から百二十六万ですから、四〇%ぐらいの増加じゃないでしょうか。なぜ、このようにふえているんでしょうか。その理由はどのように把握していらっしゃいますか。

○銭谷政府参考人 やはり、昨今の厳しい経済状況というのはあろうと思いますし、準要保護の子供につきましては、基準等は各市町村がつくるということでございますので、各市町村の基準設定ということも若干かかわっているかなというふうには思います。

○石井(郁)委員 基準自身はそんなに、ここ二、三年あるいは五、六年の間に変えているという話は余り聞きませんから、やはり厳しい経済事情、非常に家計の状況の悪化ということがこの数字にあらわれているんだと思うんですね。
 次に、ではそれに見合って、国からの補助金の決定額というのはどうだったんでしょうか。これもこの五年間の推移で明らかにしていただきたいと思います。

○銭谷政府参考人 就学援助の補助金額でございますけれども、厳しい財政状況のもと、平成十二年度予算におきましては約百五十三億円でございましたが、平成十六年度予算におきましては約百四十一億円となっておりまして、約十二億円の減ということになってございます。

○石井(郁)委員 実際に対象となる児童はふえ続けている、四〇%も増加しているということが明らかになりながら、国の補助金額というのは減ってきている。何ともこれはつじつまが合わない話だなというふうに思うんですね。
 それでは、市町村が給付した就学援助額と国からの補助金額を比べると、これはどうなっているかという問題で考えますと、平成十一年で三〇・一九%でしたが、平成十五年では二一・一七%まで落ちているんですね。ですから、補助率というのは、もう三割から二割です。本当は、これは半額補助、国が二分の一負担ということが原則ではなかったんでしょうか。これは私は大変問題ではないかというふうに思いますが、この点でも、大臣はどのような見解をお持ちでしょうか。

○中山国務大臣 学校教育法におきまして、就学困難な児童生徒の保護者に対して必要な援助を与えなければならないということになっておりまして、国としても、就学援助法等に基づきまして予算の範囲内で補助を行ってきたところでございます。
 この就学援助法施行令によりまして、具体的に、予算で定める学用品等の単価に、予算の範囲内で定めた補助対象児童生徒総数を各市町村ごとに配分した人数を乗じて得た額を限度として、その二分の一の補助を行うこと、こうなっているわけでございまして、各市町村がそれぞれの地域の実情に応じて実際に支給する額ではなくて、国が諸般の事情を総合的に勘案して定める額を限度として、その二分の一を補助するということになっているわけでございます。

○石井(郁)委員 今御答弁いただきましたように、結局予算額を減らしているわけですから、その予算の範囲内で対象児童を決めてくる。実際、この対象児童、準要保護児童生徒については全児童生徒数の三・八%とする、今度は三・三四%に下げる、こういう形で文科省は対応しているわけでしょう。ですから、先ほど来例示を挙げましたけれども、自治体では基準を引き下げるということにならざるを得ないわけですよね。
 私は、やはり今の文科省の姿勢というのは非常に問題だというふうに思うんですよ、根本には財政が厳しいと絶えずありますけれども。しかし、教育の機会均等の原則あるいは教育の無償という原則からして最も守らなければいけない、こういう部分でやはり守り切れていないじゃないかということなんですね。
 だから、就学援助制度というのは憲法二十六条、教育基本法の原則から要請されるということであるならば、真っ先に国がきちんと予算措置をする、負担金として措置をする、そういうことではちゃんとやはり姿勢を示していただきたいと思うんです。いかがでございましょう。

○中山国務大臣 先ほど言いましたように、そういうふうな計算式によりまして額を出して、それで、予算といいましてもいろいろな諸般の事情がございますから、すべてを認めるというわけにいきませんので、そういう中で、こういった予算につきまして振り向けた予算、その範囲内で市町村はそれぞれの実情に応じて支給してきたというのが実情だ、私はこのように考えております。

○石井(郁)委員 今回の法案のいろいろな議論を通じてでも、教材費や旅費やそれから学校図書費の推移がどんどん各地方自治体で下がっている、格差が広がっているということが指摘をされてきているわけですね。だから、地方の格差が助長されている状況だ。加えて、今、この生活保護費にかかわる準要保護児童の就学援助費が地方へ移譲になるということになれば、子供たちへの影響、家庭への影響がどう起きてくるかというのは私は本当に心配だし、明らかだと思うんですね。そういう意味では、一般財源化などに加えてこの部分も地方移譲などすべきではない、やはり国が国の責任できちんと予算措置をするということを貫くべきだと思うんです。
 そういう点では、大臣に再度、義務教育無償の原則、教育の機会均等を保障する、やはりそういう立場に立っていただきたいということで、私は、重ねての質問になりますけれども、どうお考えになるのかを伺っておきたいと思います。

○中山国務大臣 教育の機会均等という観点からいたしましても、生活困窮の児童、その保護者に対して手を差し伸べていく、これは当然のことでございまして、一般財源化されてもこれは市町村が責任を持ってやるべきことだろうと思うわけでございます。そして、それを含めて、私は言っておりますように、本当に地方が自分たちでやれると言いますけれども、苦しい財政事情、これからの財政事情を考えますと、本当にやろうと思っていてもやれるのか、そういう懸念もあるわけでございます。
 まさに、義務教育の根幹を守っていくという立場から、私は議論していかなければいかぬわけでございますが、中学校の先生方の給与負担二分の一ということだけに焦点が当たっておりますが、実はそれ以外にもいろいろな形で地方に今回されている、自分たちでやると言っている予算があるわけでございます。このことにつきましては、文部科学省としてもしっかりウオッチして、必要に応じて指導していく、こういうことをやっていきたい、このように考えております。

○石井(郁)委員 本当にこの部分での国の責任をきちんと守り抜くということが今最も求められている。国の責任放棄と言われないようにぜひしなければいけないということを私からも強く申し上げまして、この質問は終わりたいと思います。
 少し時間がありますので、義務教育費国庫負担の問題で一、二伺っておきたいと思います。
 これは、既に議論になっております総務省の今井副大臣の答弁との関係での問題なんですが、総務省と文科省の間でのいろいろちょっとそごがあるんじゃないかという話が出てはおりますけれども、私なりに一つ、二つ大臣の御見解を伺いたいと思うわけです。
 これは、先日の当委員会で、総務省の今井副大臣が、池坊議員の質問に対してのお答えなんですけれども、このようにありました。「現実に、国の基準以上に、職員その他も実態としては都道府県は加配しているんです。国の基準よりも多くなっているわけです。国の基準よりも実際に地方がお金を使っているわけです。」ということを述べられたわけですね。
 確かに、きょうは参考人の問題で長野県が話題になっておりますけれども、長野県では小学校四年生まで三十人学級を実施していますよ。もう四十五都道府県で少人数学級に踏み出している。今四十人学級にとどまっているのは東京と香川だけなんですね。そういう点では、各地方自治体で非常にやはり少人数に踏み出して、教員の配置、加配、確保ということでは国以上に努力をされているという事実があると思うんです。
 だから、こういう国の基準よりも実際に地方でお金を使っているんだ、こういう形で言われているように、これは逆に言うと、国の学級編制規模の縮小ということについてのおくれがあるために、地方の方がどんどん進んで国がおくれているんだということで、義務教育費の国庫負担を地方に移譲すべきだ、地方でもっとやらせてほしいという理由づけになっているんじゃありませんか。私はそのように聞こえるわけですが、このことについて大臣はどのように思っていらっしゃるでしょうか。

○中山国務大臣 今でも給与費の二分の一しか負担していないわけでございますね。その中において地方は地方独自でいろいろな施策をやっていらっしゃるわけでございますから、国からの金では足りない、自分たちはもっとやるんだということでプラスアルファして出しておられるというところもあるわけでございます。逆にそうじゃないところもあると思うわけでございますが。
 そういう意味では、国というのは、標準的な基準をはじき出しまして、それに対する予算措置をしているということでございますから、それはそれぞれ、いろいろな地区地区でやられることは自由でございますし、ぜひやっていただきたい、こう思うわけでございますが、それができないところが出てくるんじゃないか。先ほど準要保護の話もございましたけれども、そこを私は懸念しているわけでございます。
 その点で、今定数の話もございましたけれども、これは四十人学級の中で、それぞれの都道府県におきましてそれぞれ工夫しておられる、このことについては、文部科学省としても、総額裁量制ということで、本当に自由にやってくださいという方針でやっていただいているわけでございまして、この二つが相まってそれぞれの地方で、それぞれの都道府県でそれにふさわしい教育が行われるものだ、このように考えております。

○石井(郁)委員 もう時間ですので締めたいと思うんですが、やはり学級編制基準というのは、日本は、世界、少なくともサミット諸国やそういうところからも大きく立ちおくれているということは当委員会でもたびたび取り上げられてきたことですね。そういう中で、国の基準以下の学級編制に地方が取り組み出しているという問題が出てきているわけですね。私は、こういう点で今本当に国の姿勢が問われている、このことが義務教育費国庫負担の問題にもつながっていると考えております。
 今年度で教職員の配置計画の第七次計画が終わると思います。次期の計画はどのように今お考えでしょうか。今、計画についてどのような進捗か、教えてください。

○銭谷政府参考人 お話ございましたように、第七次の教職員定数改善計画が十七年度で完成の予定でございます。五年間で二万六千九百人の定数改善を行ってきました。私ども、これまで七次にわたる定数改善計画というのは教育条件改善のためにいわば中期的、長期的な計画により実施をするということで、こういう計画をつくって定数改善を行うことの意義は大きいものと考えております。
 次期の定数改善計画をどうするかにつきましては、これまでの改善計画の実績等を踏まえて対応すべきと考えておりまして、義務教育のあり方について十七年秋までに中央教育審議会において幅広く検討することとされておりますので、その中でよく検討してまいりたいというふうに考えております。

○石井(郁)委員 私は、当然この段階で、こんな重要な審議ですから、次の計画はこのように今考えておりますという御答弁を期待したんですが、中教審にこれも投げている、中教審待ちだということは何とも心もとないし、問題だというふうに思うんですね。概算要求まであとわずかしかないじゃありませんか。義務教育費国庫負担の問題についても、本当にこの間文科省は、中教審も含めてやはり防戦的だった、これは防戦に努めたということになっているわけで、しかも、この第八次計画で三十人学級など、国の責任で学級規模縮小に取り組む、こういうことを積極的に明確にして、そして義務教育費国庫負担制度を堅持するということは今やるべきではないかと私は考えているわけです。
 そういう点で、本当に教育のあり方、義務教育のあり方をやはり国の責任で国民的に広く訴えていくということが今いろいろな角度からいろいろな点で求められているし、重要ではないかということできょうは質問いたしましたし、次期計画では、国として三十人学級だということをぜひ入れていただきたいということを申し上げて、きょうの質問を終わります。


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