トップ>国会報告>162/衆/文部科学委員会/2005年3月11日

衆院 文部科学委員会会議録 第5号 2005年3月11日


    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   文部科学大臣       中山 成彬君
   総務副大臣        今井  宏君
   文部科学副大臣      塩谷  立君
   総務大臣政務官      松本  純君
   文部科学大臣政務官    下村 博文君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  板倉 敏和君
   政府参考人
   (消防庁次長)      東尾  正君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 玉井日出夫君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        素川 富司君
   文部科学委員会専門員   井上 茂男君
    ―――――――――――――

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 法案審議に先立ちまして、一点確認をさせていただきたいと思います。下村政務官の教科書に関する発言問題でございます。
 下村政務官は、教科書検定基準の近隣諸国条項について、条項ができたことでマルクス・レーニン主義による自虐史観の教育が行われていることを看過できず議連をつくったと述べまして、近隣諸国に配慮した検定のあり方を強く批判したという記事を、私、新聞で読みました。そして、いよいよ教科書採択がことしの七、八月に行われる、きょうは地方の方々がたくさんいるので、歴史教科書がぜひ正常な形で採択されるようにしていただきたいというふうに述べたと報じられておりますが、事実でございますか。

○下村大臣政務官 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 先日の日曜日に、これは、そもそもこの大会におきまして、超党派の教育基本法改正促進委員会というのがございまして、そこの委員長代理として、その議連でつくりました教育基本法の改正についての基調講演をするということの中で、今の御指摘のことがございました。
 正確には、おっしゃっていることはそのまま事実ではございませんので、ちょっと正確に申し上げたいというふうに思うんですが、特に申し上げたのは、従軍慰安婦それから強制連行、こういう言葉が歴史教科書の中で少なくなってきたのはよかったと思っているということを申し上げました。
 それは、理由が二つあります。一つは、強制連行という言葉は当時ありませんでしたし、今も外務省初め政府はそういう言い方をしておりません。これは、徴用とか、それから募集とか官あっせん、こういう言い方をしておりまして、それ自体をもちろん否定しているわけじゃありませんが、しかし、そういう言葉が当時使われていなかった。同じように、従軍慰安婦、これも、慰安婦そのものを否定しているわけではなくて、従軍慰安婦という用語が当時使われていたわけではありません。これは、特に近隣諸国条項そのものを批判しているわけではなくて、それができた以降の歴史教科書において、そのような、当時使われていなかった、ある意味では学術用語が教科書の中で使われ、それが減ってきたのはよかった、つまり歴史的なそういう用語の問題として申し上げたのが一点あります。
 それから、そもそも中学二年生の歴史教科書に従軍慰安婦等の言葉が入っているということは教育指導上適切ではないというふうに思っておりまして、私にも中学二年生の子供がいますが、中二の子供に、殊さら親の立場として、慰安婦という言葉を教科書で記述するのは適切ではないというふうに思ったことから申し上げたわけであります。

○石井(郁)委員 今私は、強制連行や従軍慰安婦の問題をどう考えるかということをお尋ねしたわけではありませんし、その議論をしようとは思っていません、それはそれとして私も意見を持っておりますけれども。
 問題は、近隣諸国条項、この条項ができたことでの問題、その関連での御発言があったのかどうかということでございますが、御答弁はちょっとそこら辺が明確でありませんでしたから、いかがでございますか。

○下村大臣政務官 それは、恐らく一昨日の朝日新聞の社説で書かれたことに対しての御質問だと思いますが、その社説そのものが正しくはございません。
 私が申し上げているのは、近隣諸国条項そのものに対して批判を申し上げているわけじゃなくて、近隣諸国条項ができた以降の、いわゆるそういうふうな強制連行とかそれから従軍慰安婦という、そういう意味では私は自虐史観というふうに申し上げているわけですけれども、そういう記述がふえてきたことは事実でありまして、それが一方で、最近減ってきたということも事実ですから、そのことを申し上げているわけであります。

○石井(郁)委員 私、新聞で見ましたのは、これは東京新聞の三月七日でございます。
 それで、きょうはその議論じゃありませんので、確認だけさせていただきたいのでございますけれども、近隣諸国条項は、一九八二年、宮沢内閣の官房長官談話として出されたものでありまして、我が国としては、今後とも、近隣諸国民との相互理解の促進と友好協力に努め、ひいては世界の平和と安定に寄与していくというものでございまして、この背景には、日韓共同コミュニケや日中共同声明において、やはり過去についてのきちんとした反省に立って友好関係を築いていくということがございますね。
 そういう歴史教科書に関するこの宮沢内閣の官房長官談話ということを、政務官は内閣の一員、政府の一員でございますから、やはりきちんと守っていただかなければ困るわけでして、そういう立場に立っておられるのかどうか、そのことを重ねて伺っておきたいと思います。

○下村大臣政務官 それについては当然のことでありまして、近隣諸国条項そのものの内容はもっともな内容でございまして、それ自体否定することでは全くございません。

○石井(郁)委員 しかし、そのときの発言が、もうひとつ全容が今のことだけではわかりませんし、新聞報道はいろいろありますので、あえて私は伺っているわけです。
 こうした発言が新聞等々で報道されますと、こういうことを実際におっしゃったのかというふうになりますから、私は、こういう発言、条項ができたことで自虐史観の教育が行われているんだ、教科書採択を正しくやってほしいみたいなことを政務官の立場でおっしゃられますと、やはり教科書検定と採択に影響するということがあっては困るわけであります。そういう点で、私は、きちんと、この官房長官談話を政府の一員として踏まえていただきたいということを重ねて申し上げまして、この質問は終わりにしたいと思います。

○下村大臣政務官 最初に申し上げましたように、これは、政務官としての発言を申し上げたわけじゃなくて、議連の教育基本法改正促進委員会の委員長代理としての立場で出席をしてそのように申し上げたわけでございます。
 そもそも、政府見解そのものについて、これを否定している立場ではないということは重ねて申し上げたいと思います。

○石井(郁)委員 しかし、新聞では下村政務官とはっきり書いてありますから、それだったらちゃんと訂正もしていただかなくてはいけないと思いますし、やはりそういう発言が政府から出てくるということが問題なんです。政府の一員から出てくるということが問題だということを私は申し上げているわけでございます。もう結構でございます。
 さて、法案審議に移らせていただきます。政務官、どうもありがとうございました。
 義務教国庫負担をめぐって本当に大変真剣な議論になっているわけでございますが、これまでも、旅費、教材費、恩給費、共済費、公務災害補償基金、児童手当等々、給与費はもちろんですけれども、国庫負担の対象としてまいりました。ところが、臨調行革以来、公教育からの財政的撤退ということがどんどん進んでおります。そして、今、三位一体改革というところで非常に大きな問題になっているわけでございます。だから、削減に次ぐ削減という形で来まして、もう給与費本体のみとなってしまいました。いずれにせよ、今回の四千二百五十億円の削減というのは教職員の給与費だということでよろしいですか。これは大臣にお願いします。

○中山国務大臣 そうでございます。

○石井(郁)委員 私は、大変問題だというふうに言わざるを得ません。この三位一体改革が、既に昨年、一昨年と議論になってきておりますから、二〇〇三年度では、教職員の共済費の長期給付、公務災害補償基金負担金が一般財源化されました。その際の文部科学大臣は、国会審議でこのように言っておられたんですね。義務教育の根幹は守る、根幹とは教職員に支払われる給与費ということになる、その根幹である給与についてはしっかり守っていきたいと。
 きょうも、大臣も根幹は守るということまでは言われましたが、どうも給与費という次は明確に出てこなかったように私は思うんですが、国会の質疑の中では、これは二〇〇三年の三月、遠山文部科学大臣の御答弁で、教職員に支払われる給与費、その根幹である給与についてはしっかり守っていきたいというふうに述べていらっしゃいました。しかし、今、もうこの給与費が削減されるということになりますから、この答弁は守られなかった、守られていないということになりますが、いかがですか。

○中山国務大臣 この義務教育費国庫負担制度の根幹といいますか、先ほども答弁いたしましたけれども、機会均等、水準の維持向上、無償制、これを担保するのが義務教育費国庫負担制度である、このように考えております。特に教職員給与費の二分の一を国が負担して、そして必要な教職員を確保する、その財源を保障するということで、義務教育の妥当な規模と内容を保障している制度である、このように考えておるところでございまして、何度も申し上げておりますが、義務教育制度の根幹を維持する、国の責任を引き続き堅持するという方針に変わりはございません。

○石井(郁)委員 義務教育費の根幹、その根幹は教職員に支払われる給与費だ、これが国会での答弁なんですよ。しかし、大臣は、今、どうもそのようにおっしゃっていない。根幹は守るが、その後はおっしゃっていない。
 重ねて伺いますけれども、二〇〇四年度では、退職手当、児童手当が一般財源化されました。そのときも、河村文部科学大臣でございましたが、給与費、これが根幹で、この根幹をしっかり守っていくことによって基本理念を貫くことができる、こういう御答弁でございました。ところが、どうですか、今回の削減の対象こそ給与費そのものではありませんか。
 そうすると、国会の答弁というのは、国民に対して、国会に対して、うそだったということになりませんか。この点ははっきりしていただかなくてはいけないと思うんですが、明確にしていただきたい。

○中山国務大臣 この義務教育費国庫負担制度を堅持する根幹として給与費があると思うわけでございますが、今でも二分の一になっているわけですね。全部を見ているわけではございません。ですから、どれだけ持てば根幹も守ることになるのかというのはまた議論は別だと思いますけれども、私は、やはり国としての責任があるということを前提にしてこの議論はやっていきたいと思っております。

○石井(郁)委員 少し申し上げたいんですが、遠山文科大臣に至っては、その議論のところで、広義の給与、狭義の給与論という形も持ち出されました。給与費で本当の根幹ということになりますと、これは在職給与でございます、狭義の給与ということで、いわゆる給料とそれから諸手当になるわけでございます、こういうこともありました。そういう形で、一般財源化を退職手当と児童手当についてはされたんですよね。
 私は、そのときの質疑で、これはもう全面移譲に向けたつなぎでしかないじゃないかということを質問させていただきました。だから、根幹を守ると言うけれども、結局、給与である退職手当に手をつけていったら、これはもう総崩れになっていくんじゃないか、ここはきちっとすべきだ、本当に譲れないところですというふうに質問したことを思い出しますが、今、もう総崩れの間際を迎えている、必死の防戦をしている、そういう状況じゃないんでしょうか。だから、退職手当、児童手当の一般財源化を許したところから、今回に足を踏み出してしまったということになっているんじゃありませんか。この点は、大臣はいかがお考えですか。

○中山国務大臣 まず、退職手当等は、給与ではない、根幹ではない、こう思っておるわけでございますし、平成十七年度予算、今御審議いただいているものにつきましては、まさに暫定ということで、十七年度限りの措置ということになっているわけでございまして、昨年来、何とか根幹を維持したいということで頑張ってきておるところでございます。

○石井(郁)委員 もうたびたび出ておりますけれども、旅費とか教材費というのは一九八五年に一般財源化されました。教材費に至っては、平成九年には予算措置率が一〇〇%を切りました、今では八六%台で推移している、各県ではばらばらだ。徳島県では三五・六%、富山県で三八・二%、埼玉県でも四五・七%ですね。三割台、四割台がもう並んでいるわけです。だから、一般財源化されますと教育の機会均等というのは著しく困難になるということがもうこの数字にあらわれているというふうに思うんですね。
 中山大臣は、この問題のときにも答えていらっしゃいましたが、まさにこういった数字が示される、一般財源化された場合には地方によっては本当に大変なことになる、こういった数字もあるわけでございまして、それを踏まえまして、どうしてもこの義務教育費国庫負担制度は堅持すべきだという主張をしてまいりました。これからもそういう方向でやってまいりたいというふうに御答弁なさっておりますが、この立場はお変わりないと確認してよろしいですか。

○中山国務大臣 変わりはございません。

○石井(郁)委員 そう力強くおっしゃっていただくとありがたいんですけれども、しかし、大事なことは、今、義務教育費国庫負担制度を廃止する、しかも、根幹の給与に今足を踏み出しているということなわけでありまして、この相当額を個人住民税フラット税率にして全額税源移譲したと仮定した場合、文科省の試算でも、四十道府県では財源不足になるという結果が出ております。
 だから、改めて、義務教育費の国庫負担制度というものを本当に堅持する、十八年度はもう減額しない、あるいは給与費は永久に措置する、この言明はできますか、していただきたいと思います。

○中山国務大臣 そのことにつきましては、まさに今中央教育審議会において議論いただいているところでございますが、私としては、何とか堅持していきたい、こう思っているところでございます。

○石井(郁)委員 そういう義務教育費の国庫負担制度というのは、負担法の第一条、法律の目的にきちんとあるわけでございますから、そして、憲法二十六条、教育基本法の掲げる教育無償の原則及び教育機会の均等の原則を実現するという立場からこれは堅持しなければいけないということになると思うんですね。
 しかし、今申し上げましたように、実際に、教材費、旅費が一般財源化されて基準以下になっている、自治体によってばらばらだ、予算措置状況三割台、四割台ということになっているわけで、本当にこれが大変な事態だ、義務教育の水準の維持ということがもう崩れつつあるという点の認識を、これは文科省自身が調査で明らかにしているわけですね。
 だから、そういう実態が明らかになっている以上、やはり教材費や旅費を一般財源化から国庫負担の対象に戻す、これが本当に義務教育費国庫負担制度の原則にのっとった措置ではないかというふうに思うんですが、それはいかがでございますか。

○中山国務大臣 個人的な気持ちとしてはそうしたい。世界的にも、まさに義務教育費国庫負担、国が全額を持つような方向に行っているわけですから、そのときになぜ日本だけが逆行していっていいのか、そういう思いがございまして、昨年来頑張ってきたところでございます。
 御指摘ありましたように、教材費だとかあるいは図書購入費が減ってきている、あるいは地域によって大きなばらつきが出てきている、このことは教育の機会均等という国の責任を果たすことになるんだろうか、そういう思いを持っていることは御理解いただきたいと思います。

○石井(郁)委員 お気持ちとしては、大臣もそういうお気持ちだということですけれども、現実、実際の問題として、文科省を挙げてそういうことで本当にやれるのか、やっていらっしゃるのかということになると、甚だ心もとないということがあるんですね。
 私は、今、教育の機会均等を侵すような状況ということがもう明確になりつつある、これはもう放置できない状況だと。だから、幾ら言葉の上で教育の機会均等を守ってまいりますとおっしゃっても、現実はもうそれが保障されていないという状況を本当にどう取り組んでいかれるのかという問題なんですね。
 私は、これまでに一般財源化した部分についても、本当に国庫負担の対象に戻すということをやはりもっと明確に言明していただきたいというふうに思いますが、その辺はいかがですか。

○中山国務大臣 今個人的な思いは申し上げましたけれども、これから中央教育審議会におきまして、国と地方が負担している総額約十兆円の義務教育費全体を視野に入れて議論していただくわけです。
 まず、文部科学省といたしましては、義務教育費の保障の歴史的な経緯とか、あるいは義務教育に係る諸外国の財源保障制度、さらに義務教育費の将来推計など、さまざまなデータ等を提供しながら、一方では、国民的な議論を喚起しつつ、国民の声を適切に反映させることができますように、中央教育審議会の議論に資する、そういった取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。

○石井(郁)委員 私は、旅費、教材費の問題もありましたけれども、先ほどからも出ていますけれども、やはり学校図書整備費の問題というのも本当に深刻なんですね。これも一応言われておりますけれども、改めて、学校図書整備費の予算措置の状況、これはぜひ文科省、図書購入費というのは非常にばらばらになっていますけれども、どんな状況なのか、ちょっとお示しいただきたいと思います。

○中山国務大臣 私も、現場の学校を視察するたびに図書館に参りまして図書の整備状況を見るんですけれども、全体的に本当に少なくなっているなとか、古いのが多いなとか、そういうことを感じておったんです。実際に調べてみますと、学校図書館の図書購入費につきましては、平成十四年度の額で見まして、全国ベースでは百三十億円以上措置されているわけでございますが、これは都道府県別に相当の格差が見られるわけでございまして、小学校一人当たりの平均では四十二万一千円、高いところでは七十万七千円、低いところでは十八万六千円ということで、三・八倍に格差が広がっているのが現状でございます。

○石井(郁)委員 だから、本当に一般財源化しても交付税で措置するから大丈夫です、もう何年来こういうふうにずっと言われてきましたよ。しかし、現実はこういう格差、ばらばら状態、これでどうして義務教育の水準の向上、維持していると言えるんでしょうか。私は、これは本当に文科省としてどう考えるのかと思うんですね。
 しかも、これからますます、三位一体改革というのは交付税の問題もありますから、交付税で措置するというけれども、一方で交付税は大幅に減らすということなんでしょう。ますます交付税措置の保障はないじゃありませんか。だから、もう給与費本体まで手がつけられ出した。その広義、狭義の分というのをわざわざ分けられて、そして、もう細ってしまった狭義の分さえもう削られようとしている。その周辺の部分というのはどんどん削減されていっている。しかも、交付税措置の見通しは甘くはない。どうするんですか。私は、文科省、大臣がおっしゃっておられることの担保が本当にないと思うんですよ。
 その点では、この事態というのを本当にどう受けとめていらっしゃるのか、重ねて伺わなくてはいけないと思うんです。

○中山国務大臣 既に一般財源化されたものについて全体として減ってきている、あるいは、申し上げましたように、図書購入費についてはもう四倍近い格差が出てきているということで、憲法の保障します教育の機会均等ということについても、そういう観点からも問題があるのではないか、こう思うわけでございます。
 だからこそ、義務教育の根幹については何とか守るべきだということを昨年来から主張してきているということでございます。

○石井(郁)委員 その義務教育の根幹が給与費であるということは再度確認させていただきたいと思いますし、それは本当に守っていただきたいというふうに思うんですね。一般財源化されますと、今申し上げた教材費、図書整備費など、本当に各自治体でばらばらで、基準以下ということが続出しているわけでございまして、本当に今重大な事態に立ち入っているということです。
 そうしますと、今回の法案で出ているもう一つの問題、就学援助費の問題なんですね。これは、準要保護部分は国から削減するという問題。それから公立高校の産業教育の実験実習設備の問題、それから定時制、通信制高校の設備に要する経費の問題、スポーツ指導者の養成等に要する経費についての補助、これも廃止をして地方移譲するということにこの法案ではなっているわけでございますけれども、従来どおりの措置が保障されるのかどうかというのは本当に極めて不安であります。その保障、とりわけ就学援助費の準要保護部分、これについての保障はあるのかどうか、それはいかがでございましょうか。

○銭谷政府参考人 今回の法律改正におきまして、これまで国が補助対象としておりました就学援助のうち準要保護者に対する部分については、これを廃止するという内容が入っているわけでございます。
 その意味としては、これは三位一体の改革におきまして、就学援助は準要保護者と要保護者が対象になるわけでございますけれども、準要保護者は要保護者よりも困窮度が低く、その認定について各市町村の判断によるものであることから、準要保護者に対する就学援助については、今回、国庫補助を廃止して税源移譲するということにしたものでございます。
 財源につきましては、準要保護者に係る部分につきましては、所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事業費が地方財政計画に計上されて、地方交付税を算定する際の基準財政需要額に算入されることとなっております。
 私ども、今後とも、市町村におきまして適切に就学援助事業が実施されるように、実態の把握等に努めてまいりたいと思っております。

○石井(郁)委員 ちょっと時間が途中になりましたので、本格的なこの問題での質問は次回に回したいと思います。
 そのためにも、最後に一点確認をさせていただきたいんですけれども、これまで経済的理由によって就学困難な児童生徒に学用品など就学援助費が出されていたということで、私、大阪ですけれども、本当にこの援助費で助かったという声をたくさん聞いております。これも、憲法二十六条と教育基本法の掲げる義務教育無償の原則、教育機会均等の原則を実現するためのものであるということを確認させていただきたいのですが、これは文科大臣、いかがでしょう。

○銭谷政府参考人 就学援助につきましては、憲法第二十六条それから教育基本法第三条に基づきまして、広く、経済的な理由によって就学困難な者に対して奨学の方法を講ずることの一環として実施をしているものでございます。
 ただ、いわゆる義務教育の学校における就学援助につきましては、具体的には学校教育法に基づきまして市町村が就学援助を行うということに基本的にはなっておりますので、今後とも、市町村において適切な就学援助を行っていただけるように、私どもとしても指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○石井(郁)委員 教育が、本当に現場主義という大臣がおっしゃるような意味では、それぞれの現場が責任を持ってやるとか、市町村がきちんと責任を持ってやるというのはそのとおりですけれども、問題は、その財政的な支援をどこが責任を持ってやるのか、国がそこを責任を持たなければどうするのか、こういう問題なわけでございまして、この法案にかかわるたくさんの問題点はございますけれども、また次回にすることにして、以上で終わらせていただきます。


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