2005年2月24日(木)「しんぶん赤旗」
少人数学級化が必要
石井議員質問に文科相

質問する石井郁子議員=23日、衆院文部科学委
|
文部科学省は、二十三日の衆院文科委員会で、大阪府寝屋川中央小学校で教職員殺傷事件を起こした少年が小中学校時代を三十五人前後のクラスで過ごしたことを明らかにしました。日本共産党の石井郁子議員は、「いま子どもたちは、不登校をはじめさまざまな問題を抱えている。一人ひとりに目が行き届くよう、三十人学級に踏み出す決断を文科省としてすべきだ」と求めました。
これに対し、中山成彬文科相は「集団的な行動などを学ぶにはある程度の数が必要ではないかという認識だったが、大臣になってあちこちまわると、現場の先生から『昔に比べてもいまの子どもは手がかかるんだ』などの声をきく。教師をしていた妹からも『兄さん、それは違うよ。もう少し減らさないと先生方も大変だ』といわれた。少しでも少人数、クラスの(人)数を減らすほうにいかないといけないと思っている」と答弁しました。現職の文科相がクラスの人数を減らす方向性をはっきり打ち出した答弁として注目されます。
2005年2月24日(木)「しんぶん赤旗」
安全確保に予算必要
寝屋川教職員殺傷事件
石井議員が質問
教職員殺傷事件が起きた大阪府寝屋川中央小学校で、インターホンと防犯カメラが寝屋川市教育委員会の「勝手に取り付けるな」という反対のもと、前校長が私費で設置したものだったことが二十三日の衆院文部科学委員会で明らかになりました。日本共産党の石井郁子議員が、学校の安全確保について文科省の姿勢をただしました。
石井議員が明らかにした市教育委員会の危機管理マニュアルは、人、モノ、金の対策なしに教職員の「目と心で対応せよ」というもの。同小では子どもたちに渡されている防犯用の笛もPTAが支出。同小の危機管理訓練も、さすまたや木製の三角定規、竹ぼうきを使って体を守るという内容でした。
寝屋川市の教職員組合の緊急調査では、インターホン設置は市内三十七校中八校、防犯カメラは九校でしたが、インターホンは五校が寄付、防犯カメラも全部寄付。石井議員は「緊急の整備計画も予算措置もなく、寄付に頼っている。文科省の施策として問題だ」と指摘しました。
寝屋川中央小の事件は、校長、教頭、教務主任とも会議で不在で、職員室にわずかな教職員しかいない状況で起きました。石井議員は、用務員や警備員も減っており、予算削減のしわ寄せが学校からマンパワーを奪っていると指摘。「文科省として、警備員をはじめ必要な職員の配置を予算をつけてやるべきだ」と主張しました。
中山成彬文科相は「防犯対策は、地域の特性を踏まえ、現場中心で考えてほしい。文科省は最大限の支援をしなければならない」と答えました。また文科省は、すべての国公私立の小中学校に警備員を配置した場合、約七百億円弱の予算が必要との見通しを示しました。
府議団が知事に申入れ
大阪府寝屋川市の教職員殺傷事件で、日本共産党大阪府議団(宮原威団長)は二十三日、太田房江府知事と竹内脩府教育長に、子どもたちと教職員の安全を守るための抜本的な対策を求めました。
申し入れは、▽中央小学校関係者の意見、要望を十分に聞き、教職員の増員、心理カウンセラーの派遣など万全の対策をとる▽大阪市をのぞく府内全小学校への警備員の継続的な配置と幼稚園、保育所、中学校等へも配置し、国に財政措置を求める▽小学校一、二年での三十五人学級の前倒し実施と小中学校全学年、高校への拡大。担任外教諭の配置の復活、不登校などに対応する専門の教職員、スクールカウンセラーなどの全校配置▽教室からの通報システムなど、学校の安全システムの確立に必要な施設・設備への財政的援助――などを要望しました。
申し入れの席で府議団は、「大阪教育大学付属池田小学校での事件のときに警備員の配置も提案したが、そうした対応の遅れも背景にあると思う。真摯(しんし)に検討してほしい」と要望。竹内教育長は、「不審者の侵入抑止のハードルをもう一段高くする必要を感じている」とのべました。
衆院 文部科学委員会会議録 第2号 2005年2月23日
文部科学大臣 中山 成彬君
文部科学副大臣 塩谷 立君
文部科学副大臣 小島 敏男君
文部科学大臣政務官 下村 博文君
会計検査院事務総局第四局長 友寄 隆信君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 林 幸秀君
政府参考人
(警察庁刑事局長) 岡田 薫君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 瀧野 欣彌君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 広瀬 哲樹君
政府参考人
(文部科学省大臣官房長) 玉井日出夫君
政府参考人
(文部科学省生涯学習政策局長) 田中壮一郎君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 銭谷 眞美君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 石川 明君
政府参考人
(文部科学省高等教育局私学部長) 金森 越哉君
政府参考人
(文部科学省研究振興局長) 清水 潔君
政府参考人
(文部科学省研究開発局長) 坂田 東一君
政府参考人
(文部科学省スポーツ・青少年局長) 素川 富司君
政府参考人
(文部科学省国際統括官) 井上 正幸君
政府参考人
(文化庁次長) 加茂川幸夫君
文部科学委員会専門員 井上 茂男君
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
まず、二月十四日に発生した大阪府寝屋川中央小学校における教職員殺傷事件に関して質問をいたします。
この事件で男性教諭が亡くなりました。二人の方が重傷で、今も入院しているわけでございます。また、そして多数の児童が心の傷を負っています。私は、亡くなられた鴨崎先生の御冥福を祈るとともに、負傷された先生の一日も早い御回復を願うものであります。
二〇〇一年六月には、大阪教育大附属小学校の本当に悲惨な事件がありました。それを教訓にして、再びあのような事件が起こらないようにと取り組んできたやさきのことでありまして、安全であるべき学校でこのような事件が再び起きたことにつきまして、文部科学大臣はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。お尋ねいたします。
○中山国務大臣 今回の事件につきましては、これは起こってはならない事件でございます。大変痛ましい事件でございまして、被害に遭われて亡くなられた方に心から御冥福を申し上げますとともに、けがをされた方にお見舞い申し上げたいと思います。
特に、今回は、平成十三年に発生した大阪教育大学附属池田小学校のある同じ大阪で今回のような事件が発生したという点において、大変な衝撃を受けているところでございます。
○石井(郁)委員 当の寝屋川市教育委員会は、「学校園における幼児児童生徒の安全を確保するために」という危機管理マニュアルを持っています。しかし、そこを運用するに当たっては、教職員の目と心で対応せよという認識でできているんですね。
文科省に伺いますが、寝屋川市の中央小学校に聞き取りに行ったようでございますが、あの学校にはインターホンが取りつけられています。防犯カメラもあったはずですが、だれの指示でそれを取りつけたんでしょうか。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
大阪府の教育委員会から聴取したところによりますと、この中央小学校に設置されておりますインターホン、防犯カメラにつきましては、この小学校の前の校長先生が十六年三月に寄附されたものと伺っているところでございます。
○石井(郁)委員 十六年ですから、昨年ようやくできたということでもありますし、大体教育委員会ではなくて、校長先生のいわば私費でつけられている。これをつけることに対しても、教育委員会は、勝手に取りつけるなとか、やめろとかというふうに言ったということも聞いています。子供たちは安全のために笛を下げているんですけれども、この笛はPTAが支出して渡しているという状況なんです。この小学校は、昨年、危機管理の訓練が行われましたけれども、そこでは、さすまたとか木製の三角定規とか竹ぼうきで体を守るということであったというふうに言っています。
さて、文部科学省として危機管理マニュアルを持っているわけですね、文科省は。こういう点でも、ハード面での具体的な支援というのはどうなっているのかと私は伺わなければならないんですね。この危機管理マニュアルで見ますと、テレビドアホンはあるか、インターホンはあるか、非常用押しボタンはあるか、防犯カメラ等々挙げられていますけれども、では、これらの設置状況、文部科学省としては把握しているでしょうか。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
文部科学省では、学校の安全管理の徹底の一環として、全国の国公私立の小中高等学校等を対象にいたしまして、学校の安全管理の取り組み状況について調査を行っているところでございます。その調査によりますと、十六年の三月現在で、防犯カメラ、センサー、インターホン等の防犯監視システム、これを整備している学校の割合は、全体で四五・四%でございます。
○石井(郁)委員 その数字を一応承っておきましょう。
当の寝屋川市ですけれども、寝屋川市の教職員組合、緊急調査をいたしました。インターホンがあるのは三十七校中八校です。しかも、寄附でつけられています。監視カメラは三十七校中九校です。全部これは寄附による設置なんです。寄附ですよ。
再びこのような学校に対する、あるいは学校が安全な場所にならないような事件を繰り返してはならないということでありましたけれども、やはり、緊急の整備計画というものがなくて、その予算措置もしてこないということがあったんじゃないか。だから、こういう点での設置というのをやはり進めていくべきではないのか。寄附に頼ってやっているというのは、余りにも文科省の施策としてこれはいかがかと言わざるを得ません。それが一点。
それから、今回は途中で一人の先生が亡くなり、職員室にいた二人の先生が刺されましたけれども、その職員室のずっと奥の方に放送室というのがあって、全校に放送することができない状況でもあるんですね。
ですから、今学校で言われているのは、事件が起きた教室、職員室もそうですけれども、緊急のブザーで、あるいは電話で、全校にそれが伝わるようなそういう連絡網というのも必要だということも強い要望が出されています。これらも含めて検討対象にすべきだと思いますが、この予算措置についていかがでしょうか。これは文部科学大臣に伺いたいと思います。
○中山国務大臣 今回の中央小学校では、放送設備が職員室から行き来ができる隣の部屋にありまして、犯人が職員室にいたため、その放送設備を利用できなかったと大阪府教育委員会から聞いておるところでございます。
今回の事件のような緊急事態の発生時においては、学校内において事件の発生や負傷者の有無などの情報を収集、提供できる体制の整備が有効と考えられております。
なお、文部省が行った学校の安全管理の取り組み状況に関する調査の結果によりますと、これは平成十六年三月三十一日で、校内緊急通話システムを整備している学校の割合は三九・二%ということでございまして、こういったシステムを整備するということが非常に有効だと考えますけれども、具体的にどのような設備を整備するかにつきましては、これは学校とかあるいは地域の状況等を踏まえまして、各学校の設置者においてこれらの検討をしていただいて措置していただくことが必要である、このように考えております。
○石井(郁)委員 危機管理マニュアルには、点検項目の中に、きちんと学校の施設設備等の面で次のような対策を講じているかということで挙げられているわけですよ。では、その設置の裏づけもなければ、点検も今後文科省としてもしないということになれば、これは単なる作文にしかすぎなくなってしまうわけですね。
では、伺いますが、この危機管理マニュアルを見る限り、鴨崎先生はマニュアルどおりの対応をしたと思われますけれども、文部科学省としてはどのようにつかんでいますか。
○素川政府参考人 今回の事件におきまして、教職員は学校への不審者侵入時の危機管理マニュアルに沿った行動をとっていたものと承知しているところでございます。
○石井(郁)委員 そのとおりなんです。にもかかわらずこういう事件に遭う。では、どうしたらいいのか、何が足りないのかということになりませんか。
そこで、次に伺いたいのは、当日は、チャレンジクラブというのがあって、多くの先生が外に出ていました。だから、言われるように、職員室には二人の先生しかいなかった。校長先生も出張、教頭も出張、事務職員もいない。そういう中で事件が起きているんですね。管理職は一体どこへ行っていたんでしょうか。ちょっと答えてください。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
大阪府教育委員会によりますと、事件発生時、校長と教頭、教務主任については会議に出席していました。校長は大阪府の主催の会議、教頭と教務主任は寝屋川市主催の会議に出席していたと伺っているところでございます。
○石井(郁)委員 その会議がどういう会議なのかということも私は確かめたいんですが、今はいいです。たしか、いろいろな研修の会議だというふうにも聞いておりますけれども。
今現場では、管理職の先生方が会議会議等に追われて、日常的にいないという状況がかなり広がっているんじゃないでしょうかということが一つあります。だから、鴨崎先生はいわば一人で対応されたわけですよね。しかも、危機管理マニュアルどおりに対応した。では、どうしたらいいのかというものがあるわけです。
私は、この点でも、文科省が出されたこのマニュアルにはこういうふうにあるんですね。「不審者による緊急事態発生に備え、次のような組織、体制等が整備されているか。」、その第一に挙がっているのは、直ちに校長、教頭、教職員、子供に情報が伝達されて、避難誘導されているかどうかと挙がっている。しかし、今管理者はいないじゃないですか。どうするんですか。最もそこで責任を負うべきそういう方々がいらっしゃらない、これは大変な事態でしょう。
さらにお話し申し上げますと、職員室には日常的に二人から三人しかいないんだ、一人しかいない場合もある。しかし、学校というのはたくさんの訪問者があります、いろいろな方が。もう五分置きにインターホンが鳴るというんですね。それをだれが対応するか。もう対応しているだけでも大変な状況だ、追われている。テレビモニターももう見ていられないという状況で、モニターをつけても、これはありがた迷惑だという話さえ出てくるわけです。
だから、モニターとかインターホンがあっても、見る人がいないとこれは役に立たないわけですよ。よく言われるように、監視システムをいっぱいつけました、監視カメラつけましたって、だれが見ているか、見ている人がいなかったら意味をなさないでしょう。こういう状況があるということを申し上げたいというふうに思うんですね。ですから、私は、設備というのはあくまでも補助的なものだと思います。やはり人がいてこそ、それが生かされる、機能すると思うんですね。
しかし、今、学校は本当に驚くような状況でありまして、私も大阪ですから、この学校の先生に私も伺いました。そうしますと、もう一日じゅう走り回っている、子供のいろいろな対応に追われている、昼食だって五分で済ませている、もう毎日毎日そんな神わざのような日ですという話がありました。
それから、学校では用務員の方がだんだんいなくなりました。警備員も減っています。予算削減のしわ寄せというのが、やはりこうして学校からマンパワーを奪ってきているんですね。平成元年から十四年まで、警備員その他で四千八百六人が三千八十五人と減っています。警備員の配置率というのは全国でも四・九%、約五%ぐらいしかないんじゃありませんか。だから、教職員だけではもう限界もある。
そういう意味でも、私は、こういう事件を繰り返さないためにも、現場からは、警備員の配置、どういう名称で言うかはいろいろありますけれども、強い要望があります。大阪府は、この四月から緊急にやはり小中学校に措置したいということも決めています。
私は、本当に文部科学省として、こういう警備員の配置を初めとして学校に必要な職員を今配置する、やはり真剣に、緊急に措置をすべきではないかと思います。予算を含めて、これは今全校にといかなかったら、順次段階的にでいいと思いますけれども、計画的にでいいと思いますけれども、やるべきではないかと思いますが、再度、大臣、いかがでしょう。
○中山国務大臣 今、石井委員のお話を聞きながら、本当にどうしたらいいんだろうかなという気持ちになっているわけでございます。
鴨崎先生もマニュアルどおり行動された。しかし、卒業生と称する少年が後ろから急に刺す、それに対してどういうふうに防御できたのかなということを思いますと、これは別に学校だけではなくて、一般社会においてもそういうことはあるわけでございますから、そういうものとして考えても、これを防ぐのはなかなか難しいな、こう思うわけでございます。
授業のとき、管理職の先生方がいらっしゃらなかったと。これについても、やはり日ごろから、そういうときにはどうするんだ、学校から校長も教頭もいなくなるけれどもそういうときはどうするんだとか、そういったことを日ごろからやはり話し合っておくべきじゃないかなというようなことも考えます。
確かに、警備員を配置することも一つの方法だ、こう思うわけでございます。もちろん金もかかりますけれども、では、警備員を置くから絶対大丈夫かというと、やはりそうでもない。やはり日ごろから教職員の方々がそういう危機管理意識を持って常に臨んでおるということが非常に大事だろう。
いろいろなことを考えるわけでございますが、予算という面におきましては、文科省は今、義務教育費国庫負担制度の問題、いろいろ課題はあるわけでございますけれども、総額裁量制のもとにおいて、それぞれの地域においてどのようにこの予算を使っていくかということ、まさに現場といいますか、地方に任されているわけでございますから、そういった中で、それぞれの地域の特性、学校の場所、その状況等を踏まえて、どういった形で防犯ということに取り組んでいくのがベストなのかということについてはまさに現場が中心になって考えていただきたいし、文部科学省としては、それに対して最大限の支援をしていくという体制をとらなきゃいけない、こう思っております。
○石井(郁)委員 私が申し上げましたのは、こういう危機管理マニュアルをつくっても、それを裏づける体制というものがなければ、これ自身が本当に単なる作文に終わってしまいませんか。実際、寝屋川市の教育委員会では、目と心で対応せよと。目と心でですよ。しかし、今、いろいろな意味で、学校の安全、子供たちの安全、人命ということを、教職員の命も含めて考えなければいけない、残念ながらそういう状況になってきている。そういう中では、安全のためには、本当に予算措置も含めたしっかりとした計画、対応というのをしなきゃいけないんじゃないかということなんですね。
それで、伺いますが、平成十三年に起きた学校内犯罪というのは幾らあるでしょう。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
警察庁の調べによります学校で発生した刑法犯認知件数、このデータによりますと、平成十三年、学校で発生した刑法犯の件数四万一千六百六件ということになっております。
○石井(郁)委員 四万件を超えている、こういう犯罪件数ですよ。
やはり、残念ながら、今日本の社会がこういうことになっているというところから出発しなきゃいけないわけでしょう。
この危機管理マニュアルでも、その点では、学校内も決して安全な場所とは言えなくなっている、改めて、学校、家庭、地域が一体となって子供の安全を考えねばならなくなっているということをこの数字が示しているというふうに述べています。
私は、こういう認識に立つんだったら、これをただ文科省が、学校、家庭、地域が一体となりやってくださいと、ただそういうかけ声をかけるだけじゃなくて、それを本当にハードの面で物質的にも保障する体制をやはりつくらなくちゃいけないんじゃないですか。だから、警備員を配置するということも、やはり教育関係の職員として制度化する、そのぐらいのことを考えていいと思うんですね。そういうお考えはありませんか。そして、それを全校に配置したら、一体どのぐらいの予算がかかりますか。
○素川政府参考人 全国の小中学校全校に配置した場合、どの程度の予算が必要なのかという仮の計算でございますけれども、公私立のすべての小中学校にそれぞれ一人を配置する、一人当たりの単価をどれぐらいにするかということはいろいろあろうと思いますけれども、額は多くありませんけれども、例えば二百万というふうに設定した場合には約七百億円弱というような経費になろうかと思います。
○石井(郁)委員 一応伺っておきましょう。何とかそういう体制をとってほしいというふうに思うんです。
中山大臣は、特に教育改革、この教育問題ではスピーディーな対応とずっとおっしゃっているわけですから、この安全、こういう問題でこそやはりスピーディーな対応が求められているというふうに思うんですね。ぜひ、この安全確保のための教職員の加配とか学校警備員の配置ということを強く求めておきたいと思います。
さて、それに関係してなんですが、私は、こういうハード面とともに、本当に今、学校が地域や家庭と一体となって楽しい学校になっているのかどうか、それは一人一人の子供が大切にされているのかどうか、子供にとって学校が居場所でなければならないということはよく言われることなんですけれども、そういうためにも、やはり本当に、学校の規模や内容、教師の対応等々が問題になると思うんです。
そこで、伺いますが、この少年、残念ながら卒業生だったわけですから、小中学校の学校規模はどのぐらいか、一クラスの人数は何人だったんでしょうか。
○銭谷政府参考人 まず、加害少年が在籍をしていた小学校の当時の児童数でございますけれども、少年が一年生のときから順に申し上げますと、一年生のときは八百三十一人でございます。卒業する六年生のときは六百七十六人でございます。
それから、一学級当たりの児童数でございますけれども、一年生のときは三十六・一人、それで六年生のときが三十三・八人ということでございます。小学校だけでよろしゅうございましょうか。
中学校も申し上げますと、中学校の方は、一年生のときが七百五十一人、三年生のときが六百九十一人でございます。
それから、一学級当たりの生徒数は、一年生のときが三十四・一人、三年生のときが三十六・四人ということでございます。
○石井(郁)委員 もう一点、数字を伺いたいのは、その小中学校に不登校の子供たちは何人いたんでしょうか。
○銭谷政府参考人 不登校の児童生徒数でございますが、小学校は、少年が一年から四年生時まではちょっと不明でございまして、五年生のときに一人いた、六年生のときはいなかったというふうに承知をいたしております。それから、中学校は、これは数字を申し上げますと、一年生のときは二十四人、二年生のときが三十人、三年生のときが二十人というふうに承知をいたしております。
○石井(郁)委員 今伺ったのは、やはり一クラスの人数が三十数人という人数は、やはり多過ぎると思うんですね。
これは私どもがよく言ってきたことですけれども、先進国では大体二十五人前後じゃないですか。今、子供たちというのは、不登校を初めとして、本当にさまざまな問題を抱えています。家庭の事情も非常に複雑です。そういう点では、本当に一人一人に目が行き届く、本当にその子に合わせた指導ができるという点では、やはりクラスの人数を二十五人程度に下げなきゃいけない。これは二十一世紀、そういう決断を本当に文部科学省としてほしい、この三十人学級ということですけれども、三十人学級に国としてやはり踏み出してほしいということを私は強く申し上げたいし、現場からもその声が強く出ています。
そういう点で、私は、来年度からの第八次の教職員の配置計画があるわけですから、早急に立てるということ。そして、伺いますと、スクールカウンセラー、随分文部科学省は努力してきたと思いますが、小学校には常駐の配置というのはないんですね。やはり私は、常駐のスクールカウンセラーの配置ということが必要だというふうに思います。
そのほかいろいろな、専門家の配置というか、人たちがもっともっと学校には欲しいというふうに私はかねがね思っているんですけれども、財政事情ということだけ言わずに、本当に子供たちの、議論になっているような、一人一人の力を伸ばしていく、そして人間的な成長を本当に保障する、そういう学校になるためにも、三十人学級にはぜひ踏み込むべきだし、新たな教職員加配というものを考えるべきだと思いますが、再度、この点での大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○中山国務大臣 十七年度に完成します第七次定数改善計画におきましては、これは、教科に応じた二十人程度の少人数指導等が行われるようになっておるわけでございまして、五年計画で二万六千九百人の教職員定数が改善された、こういうことでございます。その結果、教員一人当たりの児童生徒数は欧米並みの水準に改善されることになりまして、平成十六年度には、小学校で十八・四人、中学校では十五・一人となっております。
また、スクールカウンセラーにつきましても、今御指摘ありましたけれども、公立中学校のすべての生徒がスクールカウンセラーに相談できるように、その配置の充実に努めていきたいと思っておるところでございます。
私も、実は、小学校、中学校のころは五十人以上のクラスでございましたし、集団的な行動とかそういったものを学ぶにはある程度の数が必要じゃないか、こういうふうな認識であったものでございますけれども、大臣になりまして、あちこち回りますと、本当に現場の先生方から言われるのは、昔の子供たちに比べて今は手がかかるんだというふうなことでございます。私の妹も先生をしておりましたけれども、それは兄さん、違うよ、本当にもう少し減らさないと先生方も大変だ、こういうふうなことを聞きまして、本当にそういう意味で、少人数といいますか、少しずつでもやはりクラスの数を減らす方にいかないとこれはいけないんだな、そういうことは思っております。
今後、中教審におきまして、義務教育等のあり方についていろいろ検討いただきますので、それを踏まえて進めていきたい、このように考えております。
○石井(郁)委員 都道府県というか地方レベルでは、もう随分と三十人学級が実施に移ってきています。だから、国として、本当に今ここで決断をするというか、それが大きく求められているということを私は強く申し上げておきたいと思います。
次の問題ですが、学習指導要領の見直しの問題でございます。
先日、大臣は、中教審にこの学習指導要領の見直しの諮問をされたわけであります。
そこで、伺いたいんですが、私はきょうもう一つ、平成十二年の教育白書「我が国の文教施策」というのを持ってまいりました。今見直しだと言われているこの学習指導要領ですけれども、このようなクエスチョンとアンサーがありました。
これは文科省自身がつくったことですが、「学習指導要領が改訂され、教える内容が減ることにより学力が低下するのではないかと心配なのですが、どうなのでしょうか?」、国民のそういう心配があると。答えとして、「共通に学ぶ知識の量は減りますが、ゆとりをもって繰り返し学ぶことで基礎・基本の確実な定着を図り、自分で学ぼうとする意欲や学び方をしっかり身に付けさせるとともに、高等学校卒業レベルの教育内容の水準はこれまでどおりとしており、学力が低下することはないようにしています。」と、これは明確に言い切っているわけであります。
そうすると、大臣、これは間違いだったということですか。
○中山国務大臣 間違いだったということではないと思いますけれども、ここにありますように、「本人のやる気次第でこれまでよりも深い内容を学ぶことができるのです。」とありますように、まさに、新しい学習指導要領が目的としておりました、子供たちが学ぶ意欲を持って主体的、積極的に学習活動に取り組むなど、本来のねらいが十分達成しておれば十分な学力が身につくものだ、こう考えるわけでございます。残念ながら、こうしたねらいが十分達成されていないのではないか、あるいは、そのための手だてが十分講じられていないのではないか、こういったことを今問題意識として持っているところでございます。
○石井(郁)委員 私、微妙にちょっと御答弁、後でもゆっくりちょっと考えたいと思いますけれども。
では、ねらいが達成されない、やり方の問題だということなんですか。このねらい、定めたことは間違いでなかったというふうにも今聞こえるんですが、でも、何か根本的に学習指導要領に今問題がありという発言が大臣の方からは聞こえてくるわけで、そうすると、違うんじゃないかなというふうに思うんですね。
先日の中教審に対する大臣あいさつでも、要するに、子供たちの学力には低下傾向が見られる、それから、先ほど来、無気力な子供たちがふえているということで言っているわけで、そういう点で、今の学習指導要領に問題ありと。だから見直すんでしょう。だって、見直しをもう諮問されているわけですから。
では、今の学習指導要領に問題がありという立場から発想されているというふうに思うんですが、違いますか。
○中山国務大臣 学習指導要領によりまして、要するに、今までと違って、基礎、基本的なことをしっかり教えて、そして、自分の頭で考えて判断して行動する、そういうことがやれれば学力も落ちることはないんだろう、こう思っておるわけでございます。
しかし、現実問題として、あの国際的な学力調査等を見ますと、日本の子供たちの学力が低下傾向にある、これは否めないと思うわけでございまして、どうしてそうなっているんだろうかという問題意識を持っているわけでございまして、そこのところを私たちは今検証しながら、学習指導要領を変えるべき点があれば変えていかなきゃいけないんじゃないかと考えておるところでございます。
○石井(郁)委員 専ら、子供たちが学力低下だという話が出されている。しかし、文科省自身は、三年前の学習指導要領でも、決して学力低下することありませんと述べていらっしゃったわけですよ。
これは、本文の中でも、我が国の児童生徒の学力は、国際的に見ておおむね良好です、そこから出発したんですよね。そして、「数学や理科が好きであるとか、将来これらに関する職業に就きたいと思う子供の割合が、国際的にみて最低レベルであるなどの問題点」はあると。
「新しい学習指導要領では、このような子どもたちの学習の状況も踏まえ、小・中学校では、各学年ごとにみれば教育内容を三割程度減らしていますが、その多くの部分は上の学年や上の学校段階に移して、従来上の段階で扱っていた内容と合わせて教えることなどにより、体系的にわかりやすく、子どもたちにとって理解しやすいようにしています。」と。
だから、このとおりちゃんとやれば、そんな学力が低下することはありませんとはっきり言っていたわけでしょう。
私が尋ねたいのは、このときに文科省が述べていたことは、今どうなんですか、間違いだ、そういう判断ですか。
○中山国務大臣 ですから、十二年度の我が国の文教施策より抜粋のこの文章、まさにこのとおりであれば、学力は低下することはありませんとその当時は思っていたんですね。
だけれども、私が申し上げているのは、十二年にこうなったから学力が低下してきたということではなくて、それ以前からの問題だろうと。新しい学習要領の結果学力が落ちたということじゃなくて、長い間の、長い間といいますか、私は、日本の経済が低迷した十数年のことを考えているわけですけれども、日本全体が停滞といいますか、経済社会が無気力になっている中で、子供たちが学ぶ意欲といいますか、何のために勉強するんだ、そういう動機づけがだんだん弱くなってきている、そっちの方により問題があるのじゃないかということも考えるわけでございます。
ここに書いてある、確かに断定して、低下することはありませんと書いてありますが、これはまさに本人のやる気次第で、やる気があるということを前提にして、ありません、こう言ったのではないかと思うわけでございまして、本人のやる気がどうも薄まっているというところが問題ではないか。どうしたらもっとやる気を出させるか、出させる教育、授業を行えるかということが私は課題ではないかと思うわけでございまして、そういったことを含めて、私どもも現場に行きましていろんな話を聞いておりますけれども、中教審においても議論していただきたい、こう考えておるところでございます。
○石井(郁)委員 私はやっぱり、今伺いますと、全然話が別の筋のような気がしてならないんですね。
つまり、本人のやる気だとか動機づけだとかという問題は、学習指導要領が決めている内容とちょっと別な話じゃありませんか、それは。今、問題は、学力低下だという話題になっている、しかも、専らその内容上の問題、それをどういうふうに学んでいくかという内容上の問題に今なっているわけで、あるいは時間数だとかということが多くの議論なんですけれども、子供たちのやる気とか動機づけだという問題でいうと、本当にそれはもう日本社会全体、先ほど前の委員の質問もありましたけれども、本当に社会全体、家庭も、大人全体の中で生まれていることでありますから、それは全然別な性格の問題ではないのかというふうに思うんですね。
だから、その点で申し上げたいのは、文科省の側から、もう学習指導要領がくるくる変わったり、教科の編成がくるくる変わったり、それから、時間数がどんどん変わったりする、そういうことが現場に押しつけられる、今現場はそういうふうに受けとめているわけでしょう。
だって、総合学習というのは、三年前にあれも大変な議論をして、賛否両論ありました。しかし、総合学習というのは、それこそ動機づけ、子供たちのやる気を引き出すために大変ある面で効果があるというか、そういう位置として導入された。それが、総合学習をやっても、やる気が全くなくなってきた、一体どういうことだったのか、こうなるわけでしょう。
ですから、私申し上げたいのは、国立教育政策研究所の調査でも、もっと現場を踏まえた改革にしてほしい、文科省が上から一方的にやってくる、しかも、くるくる変わる、こういうことではもう本当に対応できないということを言われているわけです。朝令暮改だという声も現場から聞こえてきます。だから、こういう言い方をして現場が混乱をしている、私は、混乱を文科省が押しつけている、そこが大変重大だと思っています。
そして、これは大臣は言われましたけれども、本当にこの数年の、指導要領も含めて、一体何が問題なのかという検証が必要だというのは私はそのとおりだと思います。だから、教育内容の編成の根拠というのは一体何だったのか、そして、本当に、何が今子供たちとかみ合って学力につながるのか等々、やはりその検証は要ると思います。科学的な根拠が要ると思います。そのためにもやはり開かれた国民的な議論が必要だというふうに思うんですね。
そういう点でいいますと、私は、今のやり方というのは、本当にひどく文科省として現場に混乱を押しつけている、そういう自覚と反省はございますか。
○中山国務大臣 どうも、文科省が押しつけているとか何か、そう言われますが、私どもいつも言っていますのは、これはもう教育というのはできるだけ現場に任せる。学校、そして教育委員会、市町村に任せるんだ。現場がそれぞれの地域の特色に応じて創意工夫をしてやってください、どこの地域の子供にも負けない子供たちを育ててください、こういうことを言っているわけでございまして、何か、くるくる変わるとか、朝令暮改だとか、現場が混乱するとか、もう少し子供の立場から考えていただきたいと思うんです。
先生方に申し上げたいのは、本当に先生方一生懸命頑張っておられますよ。ですから、子供たちのためにどうしたらいいかということはもう本当にそれぞれ創意工夫をしておられる。文部省が言う前にいろいろなことを先取りしてやっておられるところもあり、すばらしい成果を上げておられるところもあるわけでございまして、どうか、文部省が押しつけているとか、くるくる変わるとか、こういうことは決してないということは御理解いただきたいと思います。
今回のことについても、もう三年たちますから、三年たったらいろんなことはやはり検証しなきゃいけないんですよね。検証して、変えるか変えないかということはそれからでございまして、指導要領を変えると初めから言っているわけじゃなくて、三年たったから検証をして、総合的学習の時間も含めて、本当に有効に使われているんだろうかどうかということを、まさに私たちは現場に行って見てこよう、いろいろな方々の御意見も聞きながら、よりよい教育のために、教育改革のために邁進していきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。
○石井(郁)委員 現場に任せるというふうにおっしゃいまして、私は本当にそれがそのとおりされたらいいと思うんですよ。しかし、学習指導要領というのは一律に決めているじゃありませんか。それはやはりかなりの拘束力、かなりというか拘束力があるというのは政府自身がずっと言われたことじゃありませんか。だから、画一的に学習指導要領で現場はやはり押しつけられているんですよ。
では、本当に指導要領を外して、現場に自由な裁量権を文科省は認めますか。私はそうすべきだと思いますが、その点でも後で御答弁いただきたいと思います。
ここで、今、学力で世界一ということで注目されているフィンランドなんですけれども、ここでは、教育省の国家予算というのは保持したままで、国家の教育委員会による教育内容、教師教育に対する統制というのを大幅に緩和しています。地方行政と学校に権限を移譲しています。だから、教師の自由は本当に拡大している。創造性を高める改革を進めています。
私は、教育には自由と創造性というのがないとやはりうまくいかないというふうに思うんですね。だから、カリキュラムというのは国は大枠で目標をつくっているだけであって、事細かな内容というのは、どう達成するかとか、どんな時間を組んでやるかとか、それは各学校の校長にゆだねる、学校に押しつけずに裁量を与えているということなんですね。教科書についても、国の関与はありません。非常にやはり自由度が拡大しています。
私は、その点で、後でというか、教育基本法の議論とも重なるんですけれども、教育基本法が施行された一九四七年、戦後の教育の中で学習指導要領がもともと位置づけられていたのは試案ということでありました。その試案という言葉に込めた意味というのは、序論でこう書いていました。
これまでの教育では、その内容を中央で決めると、それをどんなところでも、どんな児童にも一様に当てはめていこうとした。だから、どうしても画一的になって、教育の実際の場での創意工夫がされる余地はなかった。このようなことは、教育の実際にいろいろ不都合をもたらしたし、教育の生気をそぐようになったということがあるんですね。
ところが、文科省自身がこの試案を外し、どんどん指導要領に拘束性を強めてきたじゃありませんか。では、本当に現場に任せるというのだったら、文科大臣、本当にその拘束性を外してください。いかがですか。
○中山国務大臣 そもそも学習指導要領は、全国的に一定の教育水準を確保するなどの観点から、各学校が編成する教育課程の基準として、国が教育基本法の規定に基づき、全国共通に指導すべき各教科等の目標や大まかな内容を告示して定めているものでございまして、この学習指導要領のもとで、各学校において創意工夫を生かした教育課程が編成、実施されているものでございます。
何度も繰り返しますが、押しつけとかそういうことじゃございませんが、やはり国として、到達目標といいますか、先ほども民主党の委員からも御指摘ありましたが、国として到達目標というのはやはりあるべきじゃないかという御指摘がありました。私はそのとおりだと思うわけでございまして、現場に任せますけれども、じゃ、自由勝手にやればいいというものじゃない。やはり国家として、これぐらいのことは学ばせてほしい、これぐらいのことは子供たちに知ってほしいというのはあって当然じゃないかと思うわけでございまして、それを押しつけと言われるかどうかは、考え方が違うというふうに申し上げたいと思います。
○石井(郁)委員 私も、だから大枠は決めることはあっていいと認めているんですよ。その大枠でやってほしいと。後で、そこはまた検証したいと思います。
最後に、時間で、一点だけ伺いたいと思います。
教育基本法改正問題がいろいろ議論となっているところでありまして、当委員会でも、大臣からは、今国会の改正法案の提出を断念しているわけではないという話がございましたので、一点伺わせていただきます。
就任時の記者会見で、この問題では大臣は、教育基本法改正案にどう盛り込むのかという問題で、国を愛する心と愛国心は同じだ、そういう理解になればいいし、その方向で進んでもらいたいというふうに述べておられました。一月二十九日に開かれた、これは宮崎県の都城での大臣就任祝賀の会のあいさつの中では、教育基本法改正案について、私としては、愛国心という言葉でまとめ、改正したいというふうにお考えを示されました。
私は、もちろん教育基本法は改正すべきでないし、その理由もないという立場でございますけれども、もし政府案として提出されるということになれば、大臣としては、愛国心というものを盛り込むおつもりですか。それが一点。
それから、二〇〇二年四月二十一日に開かれたタウンミーティング、そこでは宗教教育にも触れて、宗教的情操、宗教教育は大事なものと述べられまして、一人一人の生活の上でも、世界の上にも大事なことを日本人はわかっていない、宗教教育について教えることが何か悪いことのような、避けて通ってきたのではないかと思うわけですということも述べていらっしゃいます。大臣は、宗教教育を復活させるおつもりですか。
この二点、短い時間で恐縮ですが、お答えください。
○中山国務大臣 教育改革を進める中で、やはり教育の根本にさかのぼった議論というのはどうしても必要だ。いろいろ現場のこと等については、本当に現場に任せていろいろやるような方向で検討していますが、どういう日本人を育てるんだというふうなことの根本にさかのぼった議論というのは、これはもう絶対必要だと思っているわけでございまして、これは私が言うまでもなく、歴代の内閣もそのことについてずっと取り組んできたわけでございます。
今の教育基本法、私は、確かに立派な理念をうたっているし、間違っていないと思うんですけれども、もう既に制定して本当に長い間たちまして、その間に、経済社会、本当に時代が変わってまいりました。その中で、一体どういうふうにこれからの教育を行っていくんだ、そういう原点に立ち返って、教育基本法の改正を速やかにやっていただきたい、やりたい、こう思っております。
その中で、一つ愛国心という言葉でございますが、この世に生まれたありがたさ、そして、この日本という国に生まれてよかったな、そういう思い、この思いを次なる世代にも伝えていきたい、もっといい国にして、この国を次の世代にバトンタッチしたい、そういう思いというのは愛国心じゃないかな、私はこう思うわけでございます。
それから、宗教教育ということにつきましても確かに私は発言いたしましたが、何か宗教を語ることが日本ではタブーみたいになっていますが、例えばイラクとかイランとかああいったところで、なぜ自爆テロ、自分が死ぬんだけれども、しかし、それでもって相手を殺す、そういう自爆テロがなぜ起こるんだというようなことは日本の子供たちにわかりませんですよね。そういう世界で起こっているいろいろな出来事の中で、宗教の持つ重みというもの、それから、個人個人の人生において、やはり宗教というものは非常に大きな重みを持っているんだということについても理解する、いろいろな方はいろいろな考え、いろいろな思想を持っているんだ、そういったことも尊重する、そういう気持ちを育てる意味からも、私は宗教的な情操の涵養という言葉を使っていますけれども、そういったものも必要ではないか、このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても、私がどうこう言う前に、いろいろな方々が本当に議論を重ねて、深みのある議論をもとにして、本当に基本法ですから、改正する以上は、すばらしい教育基本法の改正といいますか、本当に創定みたいな、制定みたいな気持ちでやるべきじゃないかな、やっていただきたいなと考えているところでございます。
○石井(郁)委員 終わります。