2003年7月2日(水)「しんぶん赤旗」

国立大法人法案

授業料値上げの恐れ

参院委で畑野議員追及 文科省、否定せず


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質問する畑野君枝議員=1日、参院文教科学委員会

 日本共産党の畑野君枝議員は一日の参院文教科学委員会で、国立大学法人法案が授業料の値上げを招く危険について質問しました。

 六月二十九日付「朝日」の学長アンケートでは、国立大九十六校中二十四校(25%)が「学費が全体として上がる」と回答。医系・理系の授業料値上げにつながる学部別授業料の導入について二十一校(22%)が「賛成」の意向を示しています。

 畑野氏は「国民の間で懸念が高まっている。授業料がどうなるのか明確にせよ」と追及。文科省の遠藤純一郎高等教育局長は「検討中」と答え、値上げを否定しませんでした。

 法案は、各大学の運営のため、新たに二−八人の理事、二人の監事を置くと定めており、その数は全国で五百八十四人(定員)にのぼります。ここに文科省官僚が大量に天下りすると報道されています。

 畑野氏は「学長・理事の役員報酬は年千七百二十五万円、監事は千三百六十七万円との案を文科省は出している。総計で年間約九十六億円になる」との試算を提示。授業料値上げはあいまいにしながら、天下りだけははっきりしているのかと批判し、「天下りはしないと明言すべきだ」と追及しました。遠山敦子文科相は「学長が大学の将来を考えて任命する。行政経験者を選ぶ場合もそうだ。その見識を信頼する」と述べ、天下り容認の姿勢を示しました。

 畑野氏は、文科省が法案を先取りして中期目標・中期計画の作成を各大学に押しつけてきた実態を紹介。「国家統制であり、文科相が答弁した『自主性・自律性の尊重』と違う。法案審議の前提が崩れている」と述べ、廃案を求めました。

参院文教科学委員会 会議録21号

平成十五年七月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                山根 隆治君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       福井 良次君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       財務省主計局次
       長        杉本 和行君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   玉井日出夫君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立大学法人法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立高等専門学校機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人大学評価・学位授与機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立大学財務・経営センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人メディア教育開発センター法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備
 等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 今日の毎日新聞、七月一日付けに意見広告が載りました。「「国立大学法人法案」の廃案を訴えます 第四次」という意見広告でございます。
 この中で、茨城県の主婦の方は、「現在小学四年と一年の子供を育てています。進学塾も私立の中学もない田舎の子供たちにとって、これ以上教育を受ける権利を奪わないで下さい。」とおっしゃった後に、「自分の学びたい学問を教えてくれる大学に入ること。それは産業として国益にはつながらないかもしれませんが国立大学で自分の興味のある分野を突き詰めること。そんな子供たちの夢をつぶさないで下さい。」。さらに、「もし、学びたい学問によって、学ぶ為にかかる学費が高額になれば、学ぶこと自体をあきらめなければなりません。子供たちの未来にとって、こんな残酷なことはありません。日本の未来にとってもマイナスであると思われます。」というふうにおっしゃっておられます。
 授業料の問題というのは、もうそろそろ大学も募集要項を決め学費をどうするかということも、そもそもは国立大学、今までであればもうはっきりしている中で、来年四月以降どういうふうにしていくのか、親御さんも含めて進学の問題、将来の夢の問題、大変な問題になっているわけでございます。
 六月二十九日の朝日新聞の一面トップでは、「国立大学法人化 学長アンケート」というのを、国立大学、公立大学、そして私立大学含めて全国で行われておりますけれども、その中で、国立大学の学費が全体として上がると思うと答えた国立大学の学長が九十六校中二十四校、二五%、上がるんじゃないかと思う、こういうふうに答えているわけでございます。また、学費が学部ごとに差が付くのではないかという学長も二二%国立大学でおられるということであります。
 これはもう本当に各週刊誌でも、一体、学費はどうなるんだろうかと。もう今の不況の中で切実な大きな疑問、懸念、不安が示されているわけでございますが、かつて、昨年の十二月十日に「法人化後の学生納付金の標準額及び幅の設定方法(検討試案)」というのも出されまして、いろいろな案も出されてきたところであります。
 この点については、もうこの期に及んで、国民的な大きな不安、関心事なわけですから、どういう基準でやるのか、これを明確に示していただきたいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 我が国の国立大学は学生に経済状況に左右されない進学機会を提供するなど重要な役割を果たしてきておりまして、こうした役割は法人化後におきましても維持される必要があると、こういう基本的な考え方でおります。
 したがいまして、法人化後の授業料につきましては、具体的な授業料設定の際の共通的な指標となる標準額及び国が示す一定の範囲を文部科学省令で明確に定める予定でございまして、各国立大学法人はその範囲内で国立大学法人としての使命や機能その他の事情を考慮して自主的に授業料を設定する方向で検討しておるわけでございます。
 授業料、標準額と一定の範囲の具体的な在り方についてでございますけれども、これまで国立大学が担ってきた役割とともに、各国立大学法人の自主性、自律性を尊重する、そして大学の自主的判断で特別の教育サービスの提供等を行い当該大学の大学教育の充実と教育目標の実現を図るということを可能とするという、いろいろな観点に留意しながら現在検討を進めているというところでございます。

○畑野君枝君 全く分かりません。上がるんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 具体的な授業料の標準額についてでございますけれども、今後財政当局との調整が必要でございますけれども、現在、文部科学省といたしましては、標準額につきましては法人化移行時の授業料をベースに設定をする方向で検討をしているところでございます。

○畑野君枝君 私、学部間の格差についても伺いたいんですが、この点はどういうふうな基準を考えていらっしゃるんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 学部別の授業料ということでございますけれども、現在でございますが、経済的理由によって希望する専門分野への進学の機会に制約を生じ、個人の能力に応じた教育機会の均等が損なわれるおそれがあるということなどの問題があるということを踏まえまして、現在、国立大学におきましては全学部同額の授業料を徴収をしているところでございます。
 標準額について学部別の取扱いを導入するかどうかということについても検討中でありますけれども、このような国立大学の従来からの役割を踏まえながら慎重な取扱いが必要だと、こう考えております。

○畑野君枝君 この新聞のアンケートでも、学長は、学費が上がるというのが二五%、学部の差が付くというのは二二%となっているわけですね。だから、実際そういう方向に行くんじゃないかというのがこの法人化の方向ではないかというふうに現場では見ているわけですよ。こういうのをきちっとどういうふうにするのかというのを示していただかないと私は納得できません。
 ちょっと加えて、伺っていなかったんですが、ロースクールの授業料、これは今日の読売新聞を始め各マスコミでも取り上げておりますけれども、これはどういうふうになるんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 法科大学院についてでございますけれども、国家的なプロジェクトとして三権の一翼を担う法曹養成に関連をしまして、新たな法曹養成制度の中核的な機関として、平成十六年四月以降、新たに国公私立を通じて開設されるということでございます。したがいまして、どのような取扱いとするか、現在別途検討中でございます。

○畑野君枝君 これもはっきり分からない。
 これはみんな連動していくわけですよね、今の法案審議と。ですから私は、その基準含めて省令でこれからやるんだというふうに言っておりますけれども、授業料、国立大学の法人化後の授業料の設定、学部間の問題、ロースクール、これはすべてきちっと資料を出していただきたいということを委員長にお願いをしておきたいと思います。

○委員長(大野つや子君) 分かりました、はい。

○畑野君枝君 こういう不安が全く払拭されていない状況があるわけですけれども、この今日の意見広告の茨城県のお母さんの声は、そうして授業料の問題と併せてこのように言っています。「私たちが納めている税金をなぜ、天下り文部官僚の理事・監事職の給与にあてなければならないのか。現在その職種がなくても国立大学の運営にはなんら支障がないのですから、その分の予算を研究費・開発費に回してあげたほうがよほど子供たちのためになると考えます。」というふうにおっしゃっております。
 実は私、授業料の問題をなぜ取り上げたのかというと、これはもう大枠、全体、運営費交付金の問題、それから今言われた理事、監事、そういった問題、そして学生納付金どういうふうにしていくのか、総体的なもので決まってくるというふうに思うからなんです。
 そこで伺いますけれども、この定数の問題でございます。職員定数の問題です。
 伺う前にちょっと確認しておきたいんですけれども、国立大学法人化というふうになっていくと国家公務員の定数管理から外れるということになりますよね。定員削減計画の対象ではなくなるのではないかと思いますが、文部科学省が各大学法人に対して教職員数を増やせとか減らせとか、こういう指示もなくなるわけですね。ちょっと確認させてください。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、基本的には定員管理ということはしないということでございます。

○畑野君枝君 そうすると、増やせとか減らせとかいうことももちろん言わないということですね。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 大学の方からこういう学科を作りたいから定員を増やしてというようなことでの、そのための運営交付金を措置をしてということでのことはあろうと思いますけれども、いわゆる今までのようなことはないというように思います。

○畑野君枝君 それで、昨年の十月に文部科学省が示した運営費交付金算定基準案ございますね。これによると、各大学の教職員を標準教職員とそれから特定教職員の二つに分けて人件費を算定しているということなんですが、なぜ二つに分ける必要があるのですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 教職員試算基準案でございますけれども、これは法案が成立した場合に備えまして、各大学の協力を得ながら運営交付金所要額の試算を行うことに際して用いている資料でございます。
 国立大学法人に措置する運営交付金につきましては、調査検討会議の最終報告におきまして、学生数等に基づき各大学に共通の算定方式により算出される標準運営費交付金、そして特定の教育研究施設の運営や事業実施に当たって必要となる特定運営費交付金としてそれぞれ算出をしまして両者の合計を交付すると、こういうことにされているわけでございまして、これらを踏まえまして運営費交付金所要額の試算を行っておるわけでございますけれども、それに当たりまして、教職員に係る経費に関しましても、教職員数試算基準案におきまして標準運営費交付金の算定の基礎となる標準教職員数と特定運営費交付金の算定の基礎となります特定教職員数とに分けて算定をするということにしておるわけでございます。

○畑野君枝君 そうしますと、各大学に共通して必要な教員の人件費というのは標準教員数に当たる人数分が運営費交付金として交付されると。
 それで、文部省が四月に各大学に通知している平成十六年度国立大学法人教職員数試算基準によりますと、計算した場合、例えば旧帝大のある大学では標準教員数は現員数の五八%、うなずいていらっしゃいますけれども、標準職員数は現員数の六七%にしかならない。それから、ほかのある大学では教員で七〇%、職員で六七%にしかならない。こういう小さな数になる。私は、特定教員数の方を文部科学省の裁量で削減するために二つに分けたんじゃないかというふうに言わざるを得ないわけです。
 文科省が各大学に通知した「平成十六年度概算要求参考資料(基礎額等調)」では、特定教職員数の算定を現員数から欠員見込み数を控除した数にしていると、つまり欠員見込み分の人件費を削減するというふうになっております。平成十七年以降はどのように算定するのか、その基準を明らかにしていただけますか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 必要な教職員数でございますけれども、標準教職員数と特定教職員数を合算したものが必要な教職員数というふうに考えておりまして、標準の教職員数につきましては、これは学生数に基づきまして各大学に共通の算定方式により算出される教職員数と。
 ただ、これ、教職員数につきましては、これはいろんな大学の教育研究上の事情、それから歴史的ないろんな経緯がございますから、一律には、こういう一律の算定だけではないということでございまして、特定教職員数として大学の学部、大学における教育研究の特性等に応じた、実情を踏まえた教職員数を考えておりまして、これによりまして平成十五年度末における各大学における教職員数を基本的に確保したいと、こう考えておる次第でございます。
 したがいまして、今、十七年度というお話でございましたけれども、基本的には、十六年度についてこういう考え方で今試算をしておりますので、試算の結果、十六年度のやつ、どういう形になるかというのはまだこれからのことでございますし、十七年度につきましてはその後また検討したいと、こう考えております。

○畑野君枝君 正に大学の生殺与奪が、大学がどうなっていくのかというのが、そこのさじ加減でというか、文部科学省の交付金の状況によって違ってくるじゃありませんか。これがどうして自主性、自律性と言えるんですか。そんないい加減なことじゃ私はこれもう本当に問題だと思いますよ。
 私、次に併せて伺いたいんですけれども、天下りの問題についてでございます。
 時間がありませんので簡単に申し上げますが、この間、東京新聞でも紹介されたというのが委員会の中でも紹介されました。それで、今日の意見広告の中では、「小泉さん、これが「改革」なのでしょうか?」ということで、「理事・監事があらたに五百八十人、」、「九十七億円」というふうに書かれているわけです。
 私も計算をしてみました。この法案では、大学に新たに理事が四百六名、文部科学大臣の任命の監事が百七十八名の役員が置かれると。役員報酬は年間どれぐらい掛かるかという人件費試算単価表案というのがありますね。その中では、平均的に見積もると、学長、理事は年間一千七百二十五万七千円、監事は一千三百六十七万一千円と。これに一二%、都市部調整手当等々が付いてくると、一番高いので、学長、理事が一千九百二十万七千円、監事が一千五百二十一万三千円というのが試算単価ということで示されております。これで計算すると正に年間約九十六億円、大学部分のみですけれども。そして、設置形態が今後変わっていくというふうになると、役員報酬以外に労災保険が約五十四億円、雇用保険が約百十三億円というふうに新たな経費が掛かってくるわけです。
 正に、授業料の問題もはっきりしない。それから定数の問題、教職員どうなるかということも、それは文部科学省が言う方向で決まっていくと。しかし、しっかりと監事や理事、役員はこれだけの算定基準という額まで示されて予算が付けられる、こういうことじゃありませんか。今までに必要なかったものが使われていく、その分が授業料だとか教職員の給与に影響を及ぼしていく、こういうくくりに私なっているというふうに指摘しなくてはなりません。
 この点で特に言われているのが天下りの問題であります。こういうことは、これだけ国民の批判意見があるわけですから、文部科学省から天下りはしないとはっきりと言うべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

○政府参考人(玉井日出夫君) まず一言、運営費交付金についてちょっと申し上げておきますけれども、運営費交付金は、これはその基準が決まりましたならば、これは十四年三月の関係者によります調査検討会議の報告においても示されておりますように、その基準を明らかにして、そして透明化を図ると言われておりますので、正にどういう形で、何か裁量でというような御指摘ございましたけれども、どういう形で運営費交付金を積算するか、当然明らかになるわけでございます。
 それから、役員についての御指摘がございましたが、これも、理事につきましては、これはもちろん今度は各学長が、それぞれが自らの判断に基づいて選任をされていくわけでございますけれども、通常は現在副学長あるいは学長補佐という形で学長を支えている方々が選ばれることが想定されているわけでございます。その点はひとつ御理解を賜りたいと存じます。
 その上ででございますけれども、理事につきましては、今申し上げましたように、これは各学長が自らの人事権に基づいて適任者を幅広く選任をしてまいると。そのときには、先ほどから申し上げましたとおり、副学長や学長補佐など、やはり現に今支えていらっしゃる方々を通常は考えていらっしゃるんだろうというふうに思うわけでございます。
 ただ、その中で、例えば現在の事務局長等を学長が自らの判断で理事に選任したいということもそれはあり得るというふうには考えておりますけれども、当然、学長の人事権に基づいて自らの判断で行っていくことであろうと、かように思っているわけでございます。

○畑野君枝君 ある大学では、理事は全部外から採ろうというような仕組みも考えているところもあるとか、それから、今おっしゃったように、事務局長、正に文部科学省のルートじゃありませんか。
 私は、天下りの問題、一般的な問題もちろんありますけれども、今一番問題なのは、あなたたちは大学の自主性、自律性と言ってきたわけですよ。そこにまた文部科学省の人が行ったら、正にそれを阻害するじゃないですか。だから、きっぱりと、こういう法案を出したのならば、そういうことは仕組み上も制度上も襟を正してやりませんと言うべきじゃないかということを文部科学大臣に伺っているんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 法人化後の国立大学の理事につきましては、これは学長が自らの考え方に基づいて幅広い角度から任命するわけでございます。私は、それぞれの学長は、これからの法人化ということを背景に、真剣になって自らの大学の将来について考え、それについて学長とともにその運営について考えてくれる理事については私は真剣になって選ばれるものと思っております。それらの中には、恐らく経済界あるいは私学関係者、あるいは高度の専門職業人も含めて、正に……

○畑野君枝君 天下りやらないかと聞いているんです。それだけ言ってください。

○国務大臣(遠山敦子君) 正に学長が自らの大学の将来を懸けて選ばれるものだと思っております。その過程におきまして、それぞれの角度から見て十分にその知識、技術が生かされるということについて考えて、行政経験者を選任するということがあるにいたしましても、あくまでも学長といいますか、大学側のこれは人事権に基づくものでございまして、私は正にそこは学長の見識というものを信頼しているところでございます。

○畑野君枝君 でも、その学長をお決めになるのが文部科学大臣ですから、本当に自主性、自律性ということがそういう点では、学内からの推薦があるというふうにいっても、それはもうそういう関係じゃありませんか。
 私は、伺ったことにきちっと答えていただけませんでした。そういうことは襟を正して文部科学省はやらないというふうに一言もおっしゃいませんでした。
 私、その点でもう一つだけ伺いたいんですが、再編・統合にかかわっての問題です。もう時間がありませんので、天下り問題は実はもうちょっと詳しく伺おうと思っていたんですが、続きは林紀子理事がやりますから、また別の機会に資料も含めて質問したいと思うんです。
 それで、再編・統合にかかわっての質問でございます。
 中期目標、中期計画が終了したときに、文部科学大臣は国立大学法人に対して「所要の措置を講ずる」となっております。この「所要の措置」というのは、衆議院での総務省の答弁では、法人としての存続の必要性、すなわち廃止、民営化を含めまして業務、組織の見直しを行うというふうになっております。
 総務省に伺うんですが、廃止、民営化を含めて組織の見直しというのは大学の再編・統合を含むのかどうか、伺います。

○政府参考人(福井良次君) お答え申し上げます。
 国立大学法人法が準用しております独法通則法三十五条でございますが、この「所要の措置」の中には、今、委員御指摘になりましたように、廃止、民営化を含む業務、組織の見直し等々の内容を想定しております。
 今お尋ねの、その中に法人の統合・再編を含むかどうかというお尋ねでございますが、一般論としましては、組織に関するあらゆる形態の見直しが入り得るわけでございます。ただ、具体的な措置内容は、当然、個々の法人によりまして主務大臣、大学の場合は文部科学大臣でございますが、検討をされるということでございます。

○畑野君枝君 そこで、文部科学大臣にお伺いしますけれども、再編・統合についてはこれまで各大学が自主的に検討してもらうのが基本だというふうに言われてまいりました。今度の法案では、「所要の措置」ということで、今まで答弁したことが担保されるような法文はないわけですけれども、そういう点では各大学に再編・統合が押し付けられるんじゃないかという懸念があります。
 そこで伺いますが、中期目標の原案、これに対して、大学同士の再編・統合という文言がない場合ですね、文部科学大臣として再編・統合と書かせるということはあるんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 国立大学の再編・統合でございますけれども、各大学の枠にとらわれずに、限られた資源の有効活用によりまして教育研究基盤の強化を図るためのものでございまして、各大学におきましては、このような観点に立ちまして、それぞれの教育研究の発展という視点から、また更なる活性化の好機として幅広く自主的な検討がなされてきているわけでございます。文部科学省といたしましても、各大学における検討を踏まえまして、大学同士の合意が得られるなど諸条件の整ったものについて再編・統合を進めているところでございます。
 中期目標につきましては、最終的には主務大臣の責任において定めるという独立行政法人制度の枠組みを活用しながらも、文部科学大臣に対しまして、大学の教育研究の特性への配慮義務、あるいは国立大学法人の意見の事前聴取義務、国立大学法人の意見への配慮義務を法律上の義務として課すことにしているところでございます。
 このような法案の趣旨を踏まえまして、文部科学省といたしましては、中期目標の策定や中期計画の認可に当たりまして大学の自主性、自律性を最大限尊重するということが大前提でございまして、文部科学省が大学の意に反して中期目標の原案に再編・統合について記載を、強制的に記載をさせるといったようなことはないと考えております。

○畑野君枝君 確認ですが、文部科学大臣、そういうことでよろしいですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 今、局長の方からお答えしたとおりでございまして、文部科学省が大学の意に反して再編・統合等について記載を強制するというふうなことはございません。

○畑野君枝君 私は、残る時間で先日の、六月二十六日の委員会の冒頭に遠山文部科学大臣が御発言になったことについて伺いたいと思います。
 これは、大学の中期目標、中期計画の項目等についての案という、文部科学省の昨年の十二月の未定稿についての大臣の訂正とおわびという発言でございました。
 その中で、私、議事録、速記録を持ってまいりましたが、このように大臣はおっしゃっておられます。本資料は、ちょっと飛びまして、今日に至るまで各大学における自主的な準備作業の参考のための資料として活用されているものと承知しております、自主的な、あくまで自主的なものであるというふうにおっしゃっておられます。
 しかし、本当にそうでしょうか。私は、これまでいろいろな方の御意見を伺う中で、そのような各大学に自主的な準備作業のための参考資料などという生易しいものではないという点について明らかにし、伺いたいのでございます。
 この十二月の、この間大問題になりました、委員会、もう十数日間にわたって審議が中断しておりましたけれども、その前の段階というのは十一月に作られました「中期目標・中期計画の項目・記載事項について(検討素案・未定稿)」というものであります。これを見ますと、「「◎」は必要的記載事項(案)」、「「○」は各大学の状況等に応じて記載する記載事項例(案)」というふうになっており、非常に細かいものが書かれております。
 これが各大学に配られますとどういうふうになったかというと、ある大学の委員会の議事録では、本資料は六月二十五日の閣議決定を踏まえて検討された項目や事項であり、検討素案として現時点において整理されたものであるとされているが、示された限り、我々は、調査検討会議の記載事項例ではなく、この資料に基づいた中期目標、中期計画を作成していかなければならない。文部科学省に言われた中身で書かなくちゃいけない、自主的なじゃなくて、この方向で作成しなくちゃいけない、こういう徹底が現場ではされている。
 そして、これは十一月です。そして、この間問題になった未定稿、十二月、これが示されると、今度はまたこれに沿って大変な作業が強いられる。文部科学大臣はこの間の委員会で過度の負担というふうにおっしゃったわけです。正に十一月、十二月、そういう状況になっております。
 私は、ここにお示ししたいのは、昨年の十一月の文部科学省、これも未定稿でありますけれども、「国立大学の法人化の作業スケジュール(案)」というのがあります。これも具体的なスケジュールが整理されております。
 これ見ますと、もう本当に、今年の五月には「国立大学法人法(仮称)等関係法案が成立」となっているんです。もう七月ですけれども、まだ成立しておりません。文部科学省どおりのスケジュールにいっていないということでございますけれども。ここを見ますと、十一月に中期目標の記載事項の作成、十二月に中期目標等の記載事項等を各大学に提示するというふうになっております。そして、今の時期ですね。二枚目見ますと、「各大学が検討中の中期目標等の原案について、適宜事前の相談・調整」。
 一体どんな内容でやっているんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) そのスケジュール表でございますけれども、「国立大学の法人化の作業スケジュール(案)」という資料でございますが、国大協が法人化特別委員会等を設けて法人化に向けた検討を行うとともに、各大学におきましても既に自主的な検討が行われているという状況の下で、その時点で想定されるスケジュールの概要を示してほしいという国大協からの要請を受けまして、昨年の十一月に国立大学長懇談会で配付したものでございます。
 これは、平成十六年四月に法人に移行することを念頭に平成十五年の通常国会に法案を提出することなど、文部科学省としてその時点で想定している準備のスケジュールのイメージを明らかにすることで各大学の自主的な検討にも資するという、そういう目的でお示しをしたわけでございます。
 相談というお話でございますけれども、各大学から準備を進めるに当たりまして文部科学省に相談に乗ってほしいといった要望が多く寄せられたということで、文部科学省内に大学からの相談に応じる体制を、本年一月からそういう体制を整えまして、各大学からの希望に応じて法人化に備えての各種の相談に対応をすることにしたわけでございまして、それ以降、大学の希望に応じまして、事務局長などの事務局担当者を中心に相談に訪れておりまして、相談事項の内容といたしましては、中期目標、中期計画に関するもののほか、人事、財務会計、組織など多岐にわたっているわけでございます。
 中期目標、中期計画につきましては、各大学の疑問点等についてお伺いし、その整理をしているという段階でございますけれども、大学からの求めがあれば適宜アドバイスなどを行う場合もあるというふうに承知をしておるわけでございます。

○畑野君枝君 おかしいですね。この作業スケジュール案というのは去年の十一月なんですよね。何で今年の四月、五月、法案が決まっていないのに五月成立なんて書いてあるわけですが、何でそんな見通し先までやれるんですか。
 大学から相談があれば受ける。しかし、この中期目標というのは今度の法案の最大の環じゃないですか。なぜこれだけ問題になったのか。正に大学の自主性、自律性、学問の自由、大学の自治、これにかかわるものだから、文部科学大臣も私の質問に、教育研究の内容に介入するものではない、してはならないというのが学問の自由だ、こういうふうに御答弁されて、それが覆される資料が出たからこれ大問題になってきたと私思います。
 その時々に出る問題について、これは先ほどからも議論があったように法案も出ていない、そういう点では文部科学省というのは、大学からの相談があっても、むしろ省庁としては自制して、それを改めるというか、そういう態度であってしかるべきじゃありませんか。それが十一月の段階で相談が来ることを見越して、何で四月、五月、そんなことをやる、書けるんですか。おかしいじゃないですか。
 委員長、おかしいじゃないですか、今の。どうなんですか、これ。ちょっと私、これ、資料をちょっと理事会で確認してほしいと思うんです。

○政府参考人(遠藤純一郎君) この作業スケジュール案、今お示しになりましたスケジュール案でございますけれども、これにつきましても、先ほど御説明申し上げましたように、十四年十二月の「国立大学法人(仮称)の中期目標・中期計画の項目等について(案)」といういわゆるイメージ、参考資料、これ、この点についていろいろ議論がありましたけれども、それと同様に、同じように、このスケジュール表についても、大学が自主的に準備を進める上でどういうスケジュールで準備を進めていったらいいのかということについて示してほしいという国大協からの要請を受けまして、そういうことで資料を示したということでございます。

○畑野君枝君 納得できないですよ。
 だって、大臣は自主的におやりになったんだと、こんなスケジュール示す必要ないじゃないですか。それは、まだこれから法案もできていない十一月ですよ、去年の。どうなっていくか、国会審議も分からない中で、スケジュール案出すこと自身が問題じゃないですか。こんなんじゃ審議できないですよ。委員長、これどうなっているんですか。

○委員長(大野つや子君) 先ほどの資料の件と併せまして、後刻理事会等で協議をいたします。

○畑野君枝君 実は、法案提出が二月二十八日です、今年の。その前に全国を四ブロックに分けて、二月十八日、二十日、二十一日、二十七日、会議をやっていますね。法案の提出前ですよ。そこで言われた、文部科学省から言われたメモがあるんです。
 何と言われたか。中期目標、中期計画について、原案の準備について、数値目標について、中期目標、中期計画には具体の数値は書かず、抽象的な表現で方向性を示す。ただし、部局資料には可能な限り数値目標を加える。部局資料というのは正に学部、研究科など研究内容に掛かってくる、その中身については数値目標を加える、こういう指示、あなたたち出していらっしゃる。そして、冒頭言ったように、中期目標、中期計画には具体の数値は書かず、抽象的な表現で方向性を示すと言いながら、学内資料には具体的に記載しておく。何ですか、これは。二重帳簿じゃありませんか。
 こういうことがやられて、現場でどうなっているか。ある大学では、昨年の春からずっと準備作業をしてきた。そして、夏にそれができた。秋に二つ目を作った。そこにさっきお示しした十一月、十二月、示されて書き直す。今度はヒアリング、あなたたちがやっているヒアリングで修正。正に文部科学省が自主性どころか音頭取ってやっているじゃありませんか。
 そして、もっと重大なことが言われています。ある大学の議事録では、ヒアリングの整理内容を参照すると、これまでとかなり違った様相が中期目標・計画の準備の指示内容にある。数大学の目標、計画を入手しているが、大半の大学から数値目標は脱落し、年次目標もほとんど載せないような状況になっている。
 さらにこう言っています。抽象度を高め、これまで言われた概算要求と直結するという形を避けながら、将来を縛ることがないよう、かつ今後の法人化制度の中での評価を想定した内容作りを文部科学省の方で指導してきているという様相がある。正に自律性、自主性を排除する画一化じゃありませんか。文部科学省による統制、国家による支配じゃありませんか。
 委員長、私、こういう声が寄せられている限り、この問題で大臣が前の委員会で言われた、正に自主性だと言っているのと違う話があるわけですから、こういう事態では前提条件が崩れている。どうですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 各大学が自主的に事前の準備をしている際に、いろいろ疑問点もあるということで、相談体制を作ってくれないかということでそういう相談体制を作ったわけでございますけれども、相談の際に各大学の求めに応じて必要なアドバイスを行うことはあるわけでございまして、その際、十二月の資料でも触れているように、原則として全学的な視点からの記載とかあるいは各大学の特性を踏まえて一層の個性化を図る観点を考慮してといったことが望まれるといったようなコメントを述べるということはあり得ると、こう考えておりまして、ただ、いずれにせよ、大学からの求めに応じて、相談に応じての大学から聞かれたことについてのコメントでございまして、また現段階で可能な範囲のアドバイスにとどめておるということでございまして、指示をしているというようなことではございません。

○畑野君枝君 全く納得できません。
 じゃ、もう一つ言いましょう。
 ある大学の議事録ではこうも言っております。二月から三月にかけての各大学のヒアリングがあり、その中で三月から四月にかけ文部科学省がファイナルバージョンと言われるものを提示するという話があった。ファイナルバージョンですよ、ゲームじゃあるまいし。これを受け、本学でも少しこの作業の進展を見合わせようということであったが、四月後半、直接文科省に行き、ファイナルバージョンは用意されるのか、提示されるか問いただしたところ、当面出せない。出さないのではなく、出せない状況になっているとの回答であった。
 四月といえば、三日から衆議院の本会議が始まり、五月二十二日に反対討論があり、五月の二十三日には参議院の本会議で私も質問しました。こういう国会の状況があったから出せないということじゃなかったですか。そういう力が働いたと考えるのが妥当じゃありませんか。逆に考えたら、国会審議で紛糾しなければ最終バージョン出す、それで縛る、はっきりするじゃありませんか。
 私は、このような、文部科学大臣のこの間の発言が自主性どころか正に文部科学省自身がつかさどる、牛耳る、こういう国会を愚弄するような答弁、このような下では国民の代表する国会議員としては審議できない。こういう点で徹底的な委員長の理事会での対応をお願いします。

○委員長(大野つや子君) 後刻、その対応につきましては理事会で協議したいと思います。
 お時間が参っております。

○畑野君枝君 私は、本当に深刻な事態だと思いますよ。文部科学大臣、この間おっしゃったことと時間が……

○委員長(大野つや子君) お時間が参っておりますので、おまとめいただきたいと思います。

○畑野君枝君 違うわけですから、大臣、一言おっしゃってください。終わり、それを聞いて終わります。大臣に聞いています。

○国務大臣(遠山敦子君) 中期目標にあるいは中期計画の記載内容につきまして、先般来、国会審議における答弁につきましては、これらの記載内容については原則として全学的な視点からのものに限る、あるいは各大学の特性を踏まえて一層の個性化を図るという観点から明確かつ簡潔に記載すると、この点についての答弁は全く私は矛盾がないと思っております。
 参考資料につきましての事柄につきましては、先般、十分、前回の委員会の冒頭で御説明させていただいたとおりでございます。

 
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