2003年6月27日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の林紀子議員は26日、参院文教科学委員会で、文部科学省が国立大学法人法案を国会に提出する前から、法案にある中期目標・計画の原案を各大学に作らせていたことについて、「国会審議を軽視し、大学に多大な負担を強いたことを反省しているか」とただしました。遠山敦子文科相は「委員会審議を尊重するのは当然」と述べながら、「(中期目標・計画の作成を支持した文書は)大学からの求めに応じて参考として出した」と開き直りました。
林氏は「同様の問題はほかにもある」として、今年度予算に法人への移行経費として95億円が形状され、移行後に必要な財務会計システムのコンピューターソフトの入札もすでに73の国立大学で行われていることを指摘。「4月1日から法人化という文科省のスケジュールを国会審議を無視して強行すれば、大学の歴史に100年に1度の汚点を残す」と批判しました。
また、労働安全衛生法の基準に合わせるための必要経費について、熊本大学は綿密な調査をもとに9億円と算出したが、文科省は2億6000万円との見積り額を発表していることをあげ、「机上のものだ」と指摘。調査のやり直しを求め、法案の廃案を主張しました。
平成十五年六月二十六日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 大野つや子君
理 事
仲道 俊哉君
佐藤 泰介君
山本 香苗君
林 紀子君
委 員
有馬 朗人君
有村 治子君
大仁田 厚君
北岡 秀二君
後藤 博子君
中曽根弘文君
岩本 司君
神本美恵子君
櫻井 充君
山根 隆治君
草川 昭三君
畑野 君枝君
西岡 武夫君
山本 正和君
国務大臣
文部科学大臣 遠山 敦子君
副大臣
文部科学副大臣 河村 建夫君
事務局側
常任委員会専門
員 巻端 俊兒君
政府参考人
総務省行政管理
局長 松田 隆利君
総務省行政評価
局長 田村 政志君
文部科学大臣官
房総括審議官 玉井日出夫君
文部科学省高等
教育局長 遠藤純一郎君
文部科学省研究
振興局長 石川 明君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立大学法人法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立高等専門学校機構法案(内閣
提出、衆議院送付)
○独立行政法人大学評価・学位授与機構法案(内
閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立大学財務・経営センター法案
(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人メディア教育開発センター法案(
内閣提出、衆議院送付)
○国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備
等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
私は、質問をする前に委員長にお願いをしたいんですが、この状況を見ていただきたいんですね、座席の状況を。これだけ重大な国立大学の法人法案が熱心に審議をされていて、傍聴者の方も今日は今までにも増してたくさんいらっしゃる。こういう中で、この委員会が、今、もしかしたら定足数に達していないんじゃないでしょうか。
こういうことではちょっと審議できませんし、もっと与党の皆さんいらっしゃるのをお待ちするのは、私、全くあれですから、待っておりますので、定足数達成するまで、それからまた、もっとちゃんといらっしゃるまで待っております。
○委員長(大野つや子君) 定足数は達しているそうでございますので、このまま続けていただきたいと思います。(発言する者あり)
○林紀子君 ちょっと止めてくださいね、私の質問時間にこれ入ったらあれですので。ちょっと止めて、ちょっとどうするかは……
○委員長(大野つや子君) 定足数、足りているということでございますので、質問を続行していただきたいと思います。(発言する者あり)
○林紀子君 ちょっと止めて論議してください。私の時間に食い込んだら困ります。
○委員長(大野つや子君) 一度、ですからちょっとお聞きいただいて、余りにも、どこへいらしたか、ちょっとそれはありますね。
○林紀子君 そう、余りにも、余りにもひどいですよ。ちょっと止めてください。
○委員長(大野つや子君) していただいて……(発言する者あり)
○林紀子君 ちょっと待ちましょう。──速記止めてください。私の時間がどんどんたってしまいます。(発言する者あり)
○委員長(大野つや子君) ごめんなさい。定足数に足りていれば委員会というものは続行できるということでございますので、大変申し訳ないと思いますけれども、今急いでというよりも、どのような状態なのか私にはちょっとこれ分かりませんので、林先生、お続けをいただきたいと、このように思います。
○林紀子君 ちょっと、委員長が分からないのは分かりますけれども、やっぱりこういう状況の中でこんなに重大な法案が審議をされること自身が大変な問題だと思うんですね。ですから、どういう状況か調べる間ちょっとお待ちをして、私はまたスタートからさせていただきたいと思います。
○委員長(大野つや子君) 何か今こちらに向かっているということでございますので、そんなことでお続け願いたいと思いますが。
○林紀子君 それでは、私のカウントは八分からということでよろしいですね。それでなければ私の大変短い質問時間ですので、このことで時間を取られるというのは困りますので、それでお願いをしたいと思います。
○委員長(大野つや子君) 分かりました。はい。
○林紀子君 それでは急いで駆け付けてくださるということを前提にいたしまして、質問をさせていただきます。
今回、審議が止まった根本には、この法案が出てもいない時点から中期目標、中期計画の原案を各大学に作らせていたと、こういう問題があるわけですよね。この点について、この冒頭、文部科学大臣は、法案の国会提出以前の段階から文部科学省名義の資料が提示されたことにより、文部科学省による指示があったと受け止められて法律に基づく中期目標、中期計画そのものの作成が進められてきたとの指摘や、その結果として、国会における審議の尊重という観点から問題だとの指摘を受けたことについては、誠に遺憾であり、深くおわびをするという表明をなさいました。
これをすらっと聞いて、何となく引っ掛かって、私のところに真意が伝わってこないのは、この指摘やそれから審議の、国会審議の尊重という観点から問題だと指摘を受けたことにおわびをするという形なんですけれども、それでは文部科学大臣の本当のお気持ちというのは、国会審議を軽視したそのことについて、そのものについて本当に反省をなさっているのか、おわびの気持ちがあるのか、もう一度きちんと確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 国会審議の尊重につきましてはそこに述べたとおりでございまして、今法案を審議していただいておりますこの委員会における審議を尊重するのは当然のことでございます。
そういうことで、国会軽視の気持ちというのは全くございません。
○林紀子君 当然であり、国会軽視は全くないという強い意思の御表明がありました。
しかし、大臣、この中期目標や中期計画だけではないんですね。この資料以外に同じような未定稿という判こを押しました文部科学省の資料なるものが昨年の十月と十一月に大学に配られているわけです。今、おわびをなさったそのことと全く同じパターンがほかにもあるわけですよね。国立大学法人運営交付金算定基準、人事制度についての参考事項、国立大学法人の施設整備、大学法人における会計関係諸規程のイメージ。もっとあるのかもしれませんですけれども、私の今手元にあるものはこういうものがあるわけですから、こういうものによって各大学は作業を進めなくてはならない。
先ほど、山形大学の理学部長さん、本当に大変な状況の中で心不全で亡くなった。私のところにもこのファクスいただいておりますけれども、教官だけではなく事務職員も過度の負担に追い立てられているんじゃありませんか。今、大学の現場は大変な怒りが渦巻いているわけです。この過度の負担をなくす、それはどういうことをやって過度の負担をなくすということなのか、そのことについても御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほどの冒頭の私からの話で申し上げましたように、現在進められているいろんな大学における準備作業というものがあるというのは確かでございます。
それら一連の事柄といいますのは、昨年三月、調査検討会議の最終報告が出まして、それを踏まえて四月以降にこの準備作業の検討を開始した国立大学協会の方から、各大学で検討を要すると考えられる事項のうち、何をしていいか分からないと。それで、それぞれの大学でいろんな準備が重なり、重複するというようなことを考えると大変であるということで、各大学の自主的な準備作業の参考資料として中期目標あるいは中期計画のイメージ的なものが必要であるというふうなことで文部科学省に対して協力の依頼があった、要請があったわけでございます。
それは恐らく、私も、独立行政法人、別の独立行政法人への転換のときの責任ある立場にいたことが経験としてございますけれども、新しい事態にどのような形できちっと円滑に移行していくかということは、非常に初めての作業でございますので大変な心配もあり、またいろんな準備が必要であるということは事実であるわけでございます。
そうしたようないろんな準備というものが一方で必要という中で、国立大学協会の側から、ある程度どういったようなものが必要であるのかということについての、準備ないし作業の段階で必要な参考資料として何が必要なのかについて教えてほしいというふうなことがあっていろんな参考資料といいますものをお示ししているわけでございます。
そうしたことでございますので、恐らく、私は、大学の学長なり大学当局者というものはその資料の性格というものは分かってもちろんいるわけです、そちらの方から依頼があったわけでございますから。ただ、それらが作業の段階でいろんなその組織、複雑な組織でございますから、そういうところに通じて渡される際に、どうしても受け取る側が、未定稿でありますとか、あるいは、これは本当に準備のためのものでありますと、正式になったらまた別途というふうなところを読みこなすというよりは、それらのものが決まったようなものとして理解されていろんな作業があったのではないかということはもちろん想定されるわけでございます。そうした趣旨というものが十分に伝わっていないという点もあったのかもしれません。
ですから、そういう点については、私どもとしては、大きな制度の変化といいますか、あるいはそれへの移行というふうなことがあるにしても、十分留意してやった方がいいというふうに思っているわけでございます。そうした指摘を受けまして、これについては重く受け止めているところでございます。
そういうことで、先ほど申しましたように、資料の正確な趣旨というものを大学に対して徹底するという予定にしているところでございます。
○林紀子君 今、大臣のお話を聞いておりましたら、それは今までと全く同じ。中期目標、中期計画についても今までさんざんそういう説明をした。だけれども、それは間違っていたんだと。国会審議というのを無視したものだということを、絶対そういうことはやりませんというふうに断固としておわびをしながら、私がこれ、正に今申し上げましたこの資料なるものは、中期目標、中期計画、この資料と一緒に出されたものでしょう。国立大学協会から言われたから出したんですという、そういう説明は今までさんざん受けましたけれども、それがそもそも間違っているんだということで最初におわびをなさったんじゃないですか。全然反省ないと思うんですよ。
それに加えまして、まだあるわけです。皆さんに資料をお配りしていただきたいと思います。
〔資料配付〕
○林紀子君 移行経費の問題です。
これは六月五日の本委員会で、九十五億二百万円を計上して会計システムの構築の準備を始めていると、そういう御答弁を大臣はなさいましたよね。それが大問題になりました。先ほどのお答えの中でも、今までの会計事務と異なるやり方になるんだと。これは、国立大学法人は正に独立行政法人の制度設計をそのまま使って企業会計原則ということになるわけですね。ですから、今までの会計の方式と根本から違ってくる。法案は今審議中でも、審議中で成立もしていないのに、この新しい国立大学法人の財務会計システムの導入、早々と始めるというのはどういうことですか。
○副大臣(河村建夫君) 法人化移行経費の問題、今御指摘があったわけでございます。
御指摘のとおり、国立大学等における法人化に向けた準備作業のうちで、多額の経費を要する特定の作業について、平成十五年度予算において国立学校運営改善経費として百三十六億計上いたしております。
これは、新会計システムの構築及び導入については、既に各国立大学において貸借対照表の作成とか財政情報の開示の必要性等について、各方面から御指摘を踏まえて、従来から企業会計を参考にした財務書類の作成等について検討、研究を重ねてきたところでございます。これは行革審の方からも指摘を既に受けておることでございまして、これは企業会計を参考にした財務書類の、財務諸表といいますか、財務書類の作成等について、これを作っていくそのための経費が要るということでありまして、今回、法人化に向かうわけでございますから、これを更に推進する必要があるということで所要の予算配分を行ったものでございます。
もちろん、その本経費が対象とする事業内容自体は、ほかの多くの作業と同様に、あくまでも法案が国会で成立した場合に備えた準備作業の一環である、このように考えておるところでございます。
○林紀子君 これは、必ずしも国立大学の法人化ということではなくてもこういうことはやるんだというようなお話だったと思うんですけれども、それは違いますよね。前回のこの委員会での答弁で、玉井総括審議官がお答えになっているのは、正にこれは移行経費なんだと、国立大学法人に移行するための経費として計上しているんだということをはっきりお答えになりましたし、また、昨年の九月に出されました国立大学法人財務会計システムに求められる基本的な機能要件、こういうところで法人化を前提とするということをはっきり書いているわけですから、これは国立大学の法人化移行のための措置だということは明らかだと思うんですね。
その九十五億二百万円、もう配分を始めているわけですね。私の手元には大学それぞれ幾ら配分されるのかというのもいただいております。北海道大学一億三千七百七十万円、東北大学一億五千六百四十万円、東京大学が二億三千二百五十万円。これは大きい大学の億の単位のところを読み上げたわけですけれども、このずらっとした一覧表があって、しかもその大学に配分されている予算に基づいて財務会計システムのコンピューターソフトの入札を始めている。
その入札を始めている大学の一覧というのを今皆様方のお手元にお配りをいたしました。これはもう官報に告示をされておりますので、これを全部調べ上げたんですね。で、一覧にしたものです。この間、この委員会が止まっておりました。その間にも、加えて四大学がこの入札の告示というのを始めて、入札の公告というのを始めているわけです。八十九大学中、何と七十三大学がもう既に法律もできていないうちからお金は配分され、しかも入札を行っている。
大臣、どうですか。これは国会審議無視そのものじゃありませんか。私は、これは先ほどの言葉、照らし合わせても、どうしても納得できません。どうですか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(河村建夫君) 先ほども御答弁申し上げたとおり、この経費が国立大学の法人化への移行を想定しているということ、これを否定するものではございませんが、しかしやっぱり法人化移行に当たっての準備経費あるいは移行経費という言葉を先ほども使わさせていただいたと思いますけれども、この本経費が対象とする事業内容そのものは他の多くの事業と同じように、作業と同じように、あくまでも法人化に向けての準備作業の一環であるということで進めておるわけでございまして、これは先ほど、今、委員からも御指摘ありましたけれども、いずれにしてもこのシステム化ということは進めていかなきゃならぬものでございます。
特に、これが法人化するということになりますと、それがもうきちっとしなきゃいかぬということになっていくでしょうから、これは前倒ししてでもこの際でありますから急いでやりましょうということもあってこういう形になっておるわけでございまして、決して法律が通らなければできないというものでは私はないというふうに思っておるわけでございます。
○林紀子君 前倒しとおっしゃいましたね。だから、それは法律ができてからスタートすべきことなのに、どうして法律も、今審議中、どうしてスタートするんですか。そこを問題にしているんです。全然、ですから、今の河村大臣の言葉では、国会無視はいたしません、審議無視はいたしません、そこのところから外れているじゃないですか。そこが問題なんです。
私は、ですから、こんな審議無視が次々次々と起こっているということでは、もう本当に許すことできません。こんなやり方ではこれ以上続けることはできないと思うんですよね。是非、どうするかというのを今すぐ御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 河村副大臣からお答えいたしましたように、これらの作業といいますものは、あくまでも法案が国会で成立した場合に備えた準備作業の一環でございます。
○林紀子君 成立した暁と言いますけれども、してないということはお認めになるわけですね。じゃ、どうしてお金を既に各大学に配分して、その大学が入札を始めているんですか。そこが問題なんですよ。絶対おかしいと思います。
○副大臣(河村建夫君) あくまでも準備のためにこれを進めるということ、これはやらなきゃいけないことだというふうに思っておるわけでありまして、これは、システム化ということは進めなきゃいけないことでもあるわけでございますし、その準備をするということ、これは準備作業の一環としてやるということは、これは当然の責務だというふうに思っておるわけでございます。
労働安全衛生法の問題にしてもそうでありますけれども、これ法律が変われば今度新しくなるという、これは法律にかかわることだからということでもございますが、同じように作業としては進めなきゃいかぬということ、これは準備ということであって、あくまでも準備作業の一環であるということで進めさせていただいているということであります。
○林紀子君 ですから、先ほど未定稿という判こを押して、中期目標というのも、それからいろいろな準備作業というのもやらせているということが、そもそもこの審議の途中にやっていて、準備作業、準備作業ということで、本当に過労死の人が出るような形でまでやられている、そのことがおかしいと言っている。今度のこの会計システムの問題でも同じじゃないですか。どうしてそこが分からないのか、私は非常に不思議ですし、そういうことで、これは、国会審議は尊重しているんだ、そういうことは絶対成り立たないと思います。
ちょっとこれは、本当にこの法案を審議をしていく上での一番根本的な問題だと思うんです。ですから、是非ちょっとここのところでストップをして、理事会でどうするかというのをやっていただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 法案の成立前からその諸準備を行っているということについて、国会における審議の軽視ではないかということでございますが、私は国会の審議に対してこれを軽視するとかということは全くないわけでございまして、またやるべきでもないわけでございます。
国立大学の法人化といいますものは、日本の高等教育、それから学術研究の発展を図るという上で極めて重要な改革であると認識しているわけでございまして、来年四月に、この法案が成立させていただければ、その法人化を念頭に、四月の法人化というものがあるわけでございまして、それを念頭に関係法案の御審議をいただくために鋭意諸準備を進めているところでございます。
もとより、国立大学を法人化するか否かにつきましては国会において御判断いただくべきものであるわけでございますけれども、法案の御審議をお願いする立場から申し上げますと、国会での御審議の結果、法案が成立した場合には国立大学への移行に遺憾なきを期するということも大事であるわけでございます。その意味で、文部科学省としては可能な準備は進めておくという必要があると認識しているわけです。
しかも、しかもこの問題につきましては、大学関係者が何年にもわたって議論をし、特にその成果が調査検討会議において明確にされて、そしてその準備をすると、その準備するについてはいろんなイメージというものを持たせてほしいというようなことがございまして、今回、私どもの方でいろいろなことを未定稿としてお示ししているわけでございます。その関係資料の示し方について配慮が不十分だという御指摘があったということは誠に遺憾だというふうに考えているわけでございます。
いずれにしましても、これらの諸準備といいますものは、あくまでも法人化というものは最終的に国会で御判断いただくべきものであるということを前提とした上で、国会の御審議の結果、法案が成立した場合に備えての事実上のものでございまして、私としてはその点について十分御理解をいただきたいと思うところでございます。
○林紀子君 もうさっきから同じことを繰り返しているわけですけれども、法案が成立した暁にはということをおっしゃいますけれども、今、暁ではないんですよ。審議中なんですよ。それなのに、もう本当にこの法案が通ったような状況でこの法案に書いてあることそのものをやらせている、それが今の現実じゃないですか。
盛んに大臣は、じゃ法案が通って、来年の四月一日に間に合わなかったらどうするというふうにおっしゃるわけですけれども、そこの考え方が私は間違っているんじゃないかというふうに思うんですね。だって、法案ができてから、さあ、それじゃどうしよう、それに向けてどういう準備をしていかなくちゃいけないか、そう考えるのが当たり前じゃないですか。だって、もしかしたらこの法案、通らないということだってあるわけですよ。(「準備は無駄だ」と呼ぶ者あり)そうです。そうしたら、今までやっていた準備、本当にあれほど過労死まで出るような形でどんどん準備させて全部無駄だったと、そういうことだってあるわけですから、本当に国会の審議を無視をしないということは、この法案が通った正に暁から準備を始める、仕事を始める、それが当然だというふうに思うわけですね。
だから、この四月一日、これに向けて何が何でもやっていくんだっていうその態度そのものを改めない限りこの国会審議無視というのは続くんですよ。大臣が幾ら口で、無視はいたしません、謝りますって言ったって、それは続くんです。だから、こうした文部省のスケジュールが最優先でやるんだ、こんなことは正に百年に一度の汚点残すことになるじゃないですか。国会審議、本当に優先するって言うんなら、こういうことをきちんとやめるべきだ、改めるべきだ、その御返答がない限り、私は国会無視が続くと思いますから、この文部科学省の下で、大臣の下で論議することはできません。
○副大臣(河村建夫君) この法人化というものがこれからの大学改革に大きな一石を投じ、また日本の大学の改革につながるんだということで今日まで進めてきたところでございます。
基本的に法人化そのものが駄目だと、こうおっしゃれば、これはもう見解の相違としか言いようがないんでありますけれども、このために各大学は大変真剣、深刻な議論をずっと今日まで続けてきておられるわけです。そういう形で、最終的に大学側が法人化の準備に入るんだということで準備をされたわけでございまして、これにおいて、法人化に向けて自主的な準備を進めたいんだということの中の一環として今御指摘の点もあったわけでございまして、この法人化において各大学は改革の大きなステップにしたいということでございまして、平成十六年四月というタイミング、これを目途にこれまでも議論を進め、準備を進めてきておられる、その中の一環というふうに考えておるわけでございまして、これまでの議論を振り返ってまいりましても、先ほどちょっと触れましたが、労働安全衛生法の問題等もあるわけです。これも具体的な御指摘もあったように、この法案が通ったときに法律違反状態をどうするんですかと、早くそれは当然事前にやっておかなきゃいけないんじゃないですかと、こういう御指摘もあったわけですよ。
正にその準備の一環でありますし、特に先ほどのシステム化の問題は、システム化の問題は、これは当然やるべきこと、やらなきゃいけないことなんです。だから、これを今回の法人化によって促進しましょうということで、準備段階を進めてくださいよと。特に法人化になったらもう企業会計原則入ってくるわけでありますから、それまでに準備する必要がありますということは、これは大学側と我が省側といろいろ議論した中で、じゃこれはまずとにかく進めましょうということになって、準備段階としてやりましょうということになっておるわけであります。御理解をいただきたいというふうに思います。
○林紀子君 私たちは今、中身について本当に真剣に論議をしているからこそ国会審議を無視しちゃならぬと言っているわけですけれども、今、河村副大臣は何とおっしゃいましたでしょうか。そもそも見解が違えばしようがないというようなことをおっしゃったわけで、それはちょっと取り消していただかなかったら困ります。
○副大臣(河村建夫君) 議論の差し支えありますから、大変私、失礼なことを申し上げたと思いますから、そのことは取り消させていただきますし、議論の場でありますから、当然いろいろ意見があってしかるべきだと私も思います。
そして、先ほど私も前倒してという言い方をしましたが、これはあくまでも、これも私も言葉も不十分な言葉だと思いますので、取り消させていただいて、あくまでも準備段階の作業として今進めておるんだということで御理解をいただきたいというふうに思います。
○林紀子君 謝っていただかなくちゃいけないことが次々出てきちゃうんですけれども、取り消すだけでは納得はできません。
○副大臣(河村建夫君) 先ほど来御答弁を申し上げておりますように、特に新会計システムという、これ特定の準備作業に入るわけでございます。これにはかなり高額な予算も要るわけで、準備経費も要するということもあって、ほかの独立行政法人の例も踏まえておるわけでございまして、これは平成十五年度予算について国立学校運営改善経費として計上いたしておるものでございますから、これはやっぱりその経費が、各国立大学の法人化を移行しているということは、これを促進するという立場に我々も立っておるわけでございますが、あくまでもこれは準備に必要な経費だということで大学側とも十分協議した上での予算計上であるということでありますから、御理解をいただきたいというふうに思います。
○林紀子君 今の御説明では私は理解をできませんけれども、もう一つ重要な問題がありますから、これはペンディングにしておきまして次に行きます。
今、河村大臣は盛んに労働安全衛生法との対比でおっしゃっておりましたけれども、これは全然性格が違うものなんですよね。だって、労働安全衛生法、これが大学法人になったら確かに適用されて、刑罰も含めて処罰もあるという状況になりますけれども、それじゃ今まで国立大学、それはこういう安全衛生面をちゃんとやらなくてよかったのかといったら、そうじゃないですね、人事院規則があったわけですから。それできちんとやらなければいけなかった。それは今回の正に法律とは関係なく、ちゃんと国立大学としてもやらなければいけなかったことをサボってきたわけですよね。それで、それを一生懸命やりなさいって私たちが言ったら、この会計原則のシステムコンピューター含めるのと同じだなんて、そんな言い方は絶対間違っております。
その労働安全衛生法について、私はこの前の質問、続きをさせていただきたいと思いますけれども、さきの質問で、文部科学省は、対策の問題点を具体的に指摘して、私が、文部科学省から出てきたものは机上の空論だということを京都大学や東京大学の例も示して申し上げました。それでは、きちんと信頼できるような数字を出してほしいということをそのとき申し上げましたが、その後、調査、見直し、行ったのでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今、委員御指摘のように、大学におきます安全衛生管理の実施につきましては、現在でも人事院規則にのっとって各大学が責任を持って取り組むべき課題であるわけでございます。今もその規則に違反していてはいけないわけでございます。
本年五月の調査結果といいますものは、各大学等が責任を持って報告してきた見積額を集計したものでございまして、文部科学省としてはこの数字を基に対策を講じるということが適切であると考えております。
五月二十八日にその見積額を取りまとめて発表しまして、同時に、その改善対策について私どもの考えに基づいて各大学を指導し、必要な支援を行って、その改善状況についてはしっかりと把握していきたいというふうに考えておりまして、年度内に安全衛生の改善が図られるように万全を期していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○林紀子君 前、前回出してくださったあの資料を基にというお話ですね。
それでは、文部科学省が五月十六日付けで事務連絡というものをお出しになりましたね。その記入要領に、わざわざ下線を引いて、ここは注意しなさいということでお出しになっている部分があるわけですが、記入要領の(1)というのには何が書いてあるのか、ちょっと読み上げていただきたいと思います。
○副大臣(河村建夫君) 五月十六日の調査でございます。国会での御論議を踏まえて、昨年十月、安全衛生状況の調査を行った実験施設等について、その後の改善も踏まえて、本年五月時点における改善に必要な所要額を把握するために行ったものでございまして、記入要領のところでございますが、「室数の総合計は、」「平成十五年一月末日に報告した数と符合すること。」とあります。
これは、前回の調査で室数の数え方について国立大学等から問い合わせが多数ございまして、今回の調査を短期間で実施するためには、室数は前回の調査と同様にという趣旨で指摘をしたものでございます。
〔委員長退席、理事仲道俊哉君着席〕
具体的に言いますと、例えばオープンな実験室を複数の実験グループが家具等で仕切って使用しているものや、可動間仕切りによって大部屋で使ったり小部屋で使ったりすることが可能な実験室等をどのようにカウントするか等によって実験室数の変動が予想されることから、円滑に調査を行うためにこのような指示をいたしたものでございまして、今回の調査で、安全衛生管理上問題のある実験施設等については、改善に必要な所要額をすべて報告をしていただいておる、適切な調査である、このように考えておるところであります。
○林紀子君 私も、でもこの記入要領というのはびっくりしたんですよね。平成十五年一月末日に報告した数と符合するように今回の調査を上げてこいと、こういうことを言っているわけですね。
普通、調査というのは、前の調査と符合するようにその数を上げなさい、こんな調査があるんですか。今、現実にどうなっているかというのを調べるのが調査でしょう。前の数と符合しなければ駄目ですよなんというただし書をどうして付けているんですか。これは、もし現在の状況をそのまんま出してきたら、昨年十月の調査と懸け離れている、こういうことになってしまうから符合させなさいという言葉を、わざわざ線まで引っ張って付け加えたんでしょう。とんでもないことだと思うんですよね。
その後、私のところには全国各地の大学から、あの金額、三百六億円という金額が示されたわけですけれども、あの金額は何だ、それぞれの学校の金額も全部分かっているわけですから、そういう声が続々と寄せられております。
一端を紹介しますと、熊本大学では今年二月から三月にかけて綿密な調査をしているわけですね。この調査結果によりますと、調査対象となった面積、改善を要する部屋の数、改善に要する金額がすべて、文部科学省がまとめた、あの三百六億円のあのところと全く違っているんです。文部科学省のまとめでは百四十九教室、二億六千万円、これが熊本大学の数字です。しかし、大学の調査では、八百六教室を調査した結果、およそ三百教室で改善が必要、ハード面で八億円、ソフト面で一億円、およそ九億円がお金としては必要だと。実際調べた数は、お金は、文部科学省が提出したあの三倍強なんですよ。重大な食い違いじゃないですか。
どうなんですか。こういうことを覆い隠すために符合しろ、こんなことを出したんじゃないですか。
○副大臣(河村建夫君) 今回の調査によって、これまで出た数字、多くなるのを止めるためにということは全くないのでありまして、多くの大学等において見積額を出していただく。各学部から要望がございます改善要望を取りまとめて、老朽化、狭隘化、こういう長期的視点から取り組むべきものがあるか、あるいは利用方法等の見直しによって改善できることはないか、あるいは施設整備の改善に要する経費がちゃんときちっとした見積りになっているか、妥当であるかどうか、こうした点から精査をやって、法令上必要不可欠な改善経費を文部科学省に見積額として報告をしていただいておるものでございまして、今の御指摘、それを隠すために数字をということではなくて、当然、その差をきちっと見るという観点から今回調査をしたわけでございますから、御指摘のような点はないというふうに思っております。
〔理事仲道俊哉君退席、委員長着席〕
○林紀子君 その差をきちんと見るというんだったら、符合しろなんということを書く必要はないわけで、差なんて出てこないでしょう。
実際どのくらい費用が掛かるか、まだ全く分かっていないわけですね。ほかの大学でも、例えば私の地元の広島大学でも、今コンサルタントを入れて調査をしている、関西B大学ではこれから調査を行う、D大学では六月二十三日をめどに調査をしている。ですから、この前も指摘をいたしましたけれども、文部科学省が発表した資料と実態は全く違っているわけですよ。
東京大学の場合も、あのとき遠山大臣は、委員は大学側のどこにお聞きになったんでしょうか、学内の安全衛生の基準に合うようにということで見積りもし、将来計画も立てている部局と連携を取ってやったんです、文部科学省はというふうにお答えになったんですけれども、その後、東京大学でも更にお話を聞きましてびっくりいたしました。東京大学では、理学部、工学部の一部を調べて、そこから類推して全学の計算をしただけだと言うんですよ。正に机上の計算にほかならない。だから、現場はもう、せき立てられるから、無理な類推をせざるを得ない。大臣、これで本当に四月一日、大丈夫なんですか。到底そうは思えませんね。
ですから、是非、改めて申し上げたいと思います。きちんと、もう今、各大学では、まじめにと言ったら申し訳ありませんけれども、本当にまじめに、この労働安全衛生法が適用されたらどういうふうになるのか、どこを改善しなくちゃいけないのか、名古屋大学の例を申し上げましたけれども、そういうような形で全部きちんとコンサルタントも入れて調査を始めているわけです。その調査を、符合しろなんて言わないで、ちゃんとこれこそ手のひらに乗せて文部科学省はやるべきじゃないですか。そして、抜本的な対策を是非練り直すべきだというふうに思うわけなんですね。
調査をしますか。対策、四月一日までにどうするかというのを練り直しますか。さもなければ、本当に違法な状態で四月一日、国立大学法人スタートになるんです。そんなことは、私たちはこの委員会の責任として、もうそれは与野党を問わず、違法状態で国立大学法人がスタートをするなんということは絶対に許せません。認められません。どうですか。
○副大臣(河村建夫君) 林委員から先ほど東京大学のケースの御指摘があったわけでございます。文部科学省では、東京大学の施設整備の改善に責任のある部局から、東京大学の安全衛生管理の改善のために見積りとして二十七億円が必要という報告を受けました。
それで、あの当時の衛生対策費は十七億円ということでありまして、これは東京大学によりますと、工学部の改善希望額として存在したというふうな御指摘があったわけでございます。東京大学の事務局では、このような学部間の希望額を、老朽化、狭隘化といった長期的な観点、あるいは利用方法等の見直しのみで改善できるんじゃないかとか、あるいは施設整備の改善に当たる費用というのは妥当であるかどうか、そういうものから、綿密な審査をやりながら法令上必要不可欠な改善経費を算出したというふうになっておりまして、東京大学の御報告というのは、見積額は適正なものであると、こう思っておるわけでございます。
今、委員の方から、調査が非常にずさんで、もう一度やり直すべきだと、こういう御指摘もございましたが、今回の調査結果は、各大学等における安全衛生確保のための施設整備の改善に責任を持つ部局から所要経費の見積りを出していただいて集計したものであって、そのことそのものは私は問題がないというふうに思っておるわけでございます。
現在、最も求められておることは、各大学の報告を踏まえながら、五月二十八日に公表いたしておりますが、改善対策というのを早急に実施しなければいけない、こう思っておるわけでございます。
○委員長(大野つや子君) 時間です。
○林紀子君 はい。もう時間になりましたから、また私はこの続きをこの次やらせていただかなくちゃいけないと思うわけですけれども。
本当に、国立大学法人が違法状態でスタートするなどということは絶対に認められない。ですから、本当に対策をどうするのか、調査がそのスタートになるわけですから、きちんとやるということを、審議が、この国会審議をやっている間に是非出すべきだということを申し上げて、質問を終わります。


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