2003年5月30日(金)「しんぶん赤旗」

国立大学法人法案

労安法違反対策ただす

林議員


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質問する林紀子議員=29日、参院文教科学委

 来年4月の強行批判 日本共産党の林紀子議員は二十九日、参院文教科学委員会で、国立大学法人法案に関連して国立大学の労働安全体制についてただしました。

 国立大学が法人に移行すると、労働安全衛生法が適用されます。現状では「危険な薬品のそばで論文執筆や文献調査が行われている」など違反状態となる施設が多数あり、必要な改善個所数と予算額を示すよう野党は求めていました。

 これを受け、文科省は二十八日、改善が必要な実験室は一万三千五百六十二室、予算額は三百六億円との調査を発表しました。

 予算額を算出した根拠を文科省は「各大学から報告された額を積み上げた」と説明しましたが、林氏は二日前に東京大学工学部を訪問した際「何が労安法違反となり、どのくらいの金額になるか見当がつかない。これからコンサルタントに診断を委託する」ときいたこと、京都大学では「七月三十一日までに改善計画をまとめる」との文書が回っていることを指摘し、「文科省の出した数字は机上のもので信頼できない」と批判しました。

 林氏は、京都大学では労安法に適合させるための施設改善が数年かかると見込まれていることも紹介し、「違法状態が来年四月一日以降も持ち越されることになる。このまま法人化をスタートすることはできない」と強調。正確な資料を出し直し、国会で徹底審議することを求めました。

参院 文教科学委員会会議録 
平成十五年五月二十九日(木曜日)
   午後一時四分開会
    ────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                神本美恵子君
                齋藤  勁君
                鈴木  寛君
                山根 隆治君
                草川 昭三君
                富樫 練三君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        杉本 和行君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設部長  萩原 久和君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省研究
       振興局長     石川  明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国立大学法人法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立高等専門学校機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人大学評価・学位授与機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立大学財務・経営センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人メディア教育開発センター法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備
 等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 今日は、国立大学法人関連六法案のこの参議院の委員会での最初の審議の場となるわけですが、たださなければならない問題、本当に山ほどあるわけです。しかし、私は、大学で働いている教職員の皆さん、また学生の皆さんの健康と命にかかわる問題ということで、まず労働安全体制について質問をしたいと思います。
 四年前、一九九九年の日本学術会議の勧告に基づいて、私は当時本委員会で質問をいたしました。そのときの大臣は中曽根文部大臣、今日も委員としてこちらにいらっしゃいますけれども、答弁に立たれまして、「国立学校施設の老朽・狭隘化対策に積極的に取り組むとともに、教育研究の発展充実に資するよう、施設の整備充実に一層努めてまいりたい」と決意表明をなさいました。ところが、それから三年たって昨年の十月に文部科学省が行った実験室等における安全衛生管理に関する調査では、全国百六十九機関のうち、何と九二%の百五十六機関において何らかの改善を要することが確認されました。
 しかし、この問題というのは、もう十年も前から指摘されているわけですね。一九九三年二月の日本学術会議化学研究連絡委員会の報告では、こんなふうに述べております。大規模な火災や地震が起きた場合、避難すら困難であり、このような状態は一刻も放置すべきではない、学生等の居室と実験室との分離が行われていないため、有機溶剤を始めとする危険な薬品のそばで論文の執筆や文献調査が行われている、実験室や廊下に大量の可燃性ガスのボンベが持ち込まれ、その管理状態も十分でなく、安全管理上の常識では考えられない状態である、こういうふうに指摘されているわけです。
 私は、おととい、一番新しいところでということで、東京大学工学部に行って実験室を見せていただきました。そして、十年たった今も、ここで指摘されたようなことがそのままだということを実感したわけです。ただ、廊下は大変きれいに片付けられておりましたので、ここだけは進歩をしたのかなという状況だったわけですね。
 そして、そこで伺ったことは、こういう状態を見て、来る留学生がみんなびっくりする、こういうことなんですね。ですから、世界から見ても異常な状態だと思うわけです。知の拠点だなどと胸を張れる状態ではないわけですね。
 さらに、法人化となりますと、来年の四月から労働安全衛生法の適用となります。労働基準監督署の立入検査や罰則もあります。問題のある施設は使用停止命令ということも受けることになるわけです。
 大臣、大臣はこういう状況はよく御存じのことだというふうに思うわけですけれども、法人化スタートのその時点で労働安全衛生法に違反している、違法状態だ、こういうことでスタートするということは許されないことだと思いますが、どういう御認識でしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) 先生御指摘のように、大学における安全管理は、学生の、学生のみならず教職員等の安全、健康を確保する上で非常に重要なことと認識しております。
 文部科学省といたしましても、その法人化に向けて、労働安全衛生法の適用について問題が生じないように必要な支援を行って万全を期す所存でございます。昨日、文部科学省としての対策を発表したところでございます。

○林紀子君 今、大学、国立大学というのは人事院規則が適用されているわけですね。その責任者というのは、具体的な措置は学長に委任するとされておりますけれども、責任者は文部科学大臣であるわけですね。ですから、大臣の御認識も是非聞かせていただきたいと思います。

○国務大臣(遠山敦子君) 現在も人事院規則上で明確に、大学のその教育研究施設は安全、衛生を守らなくてはならないということが明らかにされているわけでございまして、今日でも問題であれば問題なんですね。来年度、十六年度の、十六年の四月から適用される法律が変わってくるということで、危機感を募らせていらっしゃるお気持ちは大変よく分かります。
 そこで、衆議院の委員会でも明確に申し上げたんですが、違法状態を起こさないということで、今、真剣に我が方も大学も取り組み始めておりまして、今、担当の方からお答えいたしましたように、それぞれの大学の個別の細かい計画、それから、それはどれぐらいお金が掛かってどうしていくかということについて、今、詳細な計画、改善計画もでき上がりました。そういうことで、予算上の措置も十分なされる範囲内でございます。
 そのようなことで、私どもとしては、来年度、今回法案を通していただいて、来年度から法人化になりますときには違法状態は起こさせないということでしっかり対応していきたいと思っております。

○林紀子君 今、大臣からお話もありましたけれども、衆議院のところでも大分論議になりまして、しかし、施設改善に幾ら掛かるのかというのは衆議院の場ではその資料も出ないままこちらに送られてきた。そして、昨日、ようやく、「国立大学等における安全衛生管理の改善対策について」というものが出されまして、昨日の午後、私もそれをいただきました。
 それを見ますと、一万三千五百六十二室の改善が必要だというふうになっておりますけれども、これはどういう実験室を対象にしたのでしょうか。文部科学省の調査研究会の報告書でも、化学物質等の使用だけでなく、クレーン、ボイラー、圧力容器、放射線、エックス線検査装置などの作業危険性のある設備についても対応が必要である、こういうふうに言われているわけですけれども、こうしたすべての設備について調査をなさったのでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) 先生、先ほど御指摘の一万三千五百六十二室、これは昨年十月に調査した結果でございます。今回は、これの改善進捗状況を調査したものでございまして、一部についてはもう既に対応がなされております。
 それで、その対象でございますが、労働安全衛生法に適用を受けると考えられる実験室、これは化学の実験室のみならず、医学、薬学、農学あるいは工学系の実験室についてもその対象としているところでございます。

○林紀子君 この一万三千五百六十二室というふうになっておりますので、そうしますと、実験室の外、それも含めて全部調査をなさったのでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) この調査は、施設の改善が必要なものということでやっておりますので、室内の実験室が調査対象でございます。

○林紀子君 労働安全衛生法によりましたら、室内のものだけではなくて外にあるものというのもやっぱり対象になるところというのはあると思うんですね。そうすると、これはやっぱり対象としては網羅をしていないということになるのかなというふうに思うわけです。
 そして、この文書によりますと、施設整備の措置を含む改善、九千四百九十六室、先ほど御説明がありましたけれども、所要額は三百六億円であって、そして、「既に配分されている予算で対応できない部分については、追加配分を行う。」ということも書いてありますので、これは、予算、追加配分をするということですね。

○政府参考人(萩原久和君) そのとおりでございます。

○林紀子君 それに関連してなんですが、これは十六日、報道によりますと十六日付けで安全衛生管理対策実施状況調査を、緊急依頼を全国の大学にしたと。その際に、追加財政支援はないという前提で、学長裁量経費、競争的研究資金の間接経費、それに営繕費が考えられるが、こういうものを総動員して、何が何でも今年度中にこの安全衛生対策やれというようなお話が全国の経理部課長会議ですね、そこでお話があったということで、これを聞いて、全国の大学では、それは大変だと右往左往しているという話も聞いているんですが、それじゃ、これは間違いであると。そのことをきちんと全国の大学にも早く言っていただかないと、本当に混乱状態ますます拍車を掛けるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) 御指摘の経理部課長会議でございますけれども、ここで文部科学省として申し上げましたのは、各大学が新しい追加財政を期待して、それを待ってからやるんではなくて、速やかに、まあこれは今年度中にその対応をする必要はあるわけでございますから、早急に必要な改善を行っていただきたいという趣旨で申し上げたわけでございます。
 施設に関する予算は、今年度、施設費及び大学に配分しています営繕費等ございますので、まずそれで対応するということが大事ということを経理部課長会議で力説したものでございます。
 それで、調査した結果、やはり今配分しているお金では大学、足らないということでございまして、それについては更に、今年度予算まだ配分していないものがございますので、そういったもので十分対応していけるということでございます。それが追加配分ということでございます。

○林紀子君 そこで、お聞きしたいんですが、この所要額三百六億円、この金額はどういうふうにして計算をなさったのでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) これは、大学の改善計画に基づいて見積もられたものを集計したものでございます。でありますから、言ってみれば大学の要望額ということになるかと思います。

○林紀子君 それがちょっと私の認識と違うんですけれども。
 おととい、東京大学の工学部に行きました。そして、直接お話を伺ったところでは、どのくらいの金額になるか、その工学部だけでもなかなか見当が付かないんだというお話だったんですね。
 東大の工学部で見当が付かないのに、各大学から金額を聞いて積み上げたと、そこが矛盾するんじゃないか、どういうふうになっているのかと思うんですが、どうですか。

○政府参考人(萩原久和君) 施設の改善に要する費用は、これは専門的な知識あるいは技術が必要でございまして、大学の中には施設部あるいは施設課というのがございます。そこに専門集団がおりまして、東大におきましては施設部というのがございます。そこで、先生方のお話を聞き、そしてそれが幾ら掛かるかということを専門的に見積もって、工学部のみならず全学の集計をして文部省の方に報告していただいたと。各大学の報告を集計したのが三百六億円という見積額、総計でございます。

○林紀子君 専門集団、施設部の専門集団というのがいらっしゃるということなんですけれども、これも東京大学の工学部でじかに伺ったお話というのは、労働安全衛生法の内容というのは大変細かくなっていると、そして各研究室で一体どこが問題なのか、ほとんど見当が付かないと言うんですね。ですから、この教室は問題だろうというのは分かるから、先ほど出てきました一万三千五百六十二室というのは、学校ごとにそういう、この教室は問題だよというのが出てくるんだと思うんですが、それでは、その教室の中のどこが問題なのかというのは、そこにいらっしゃる方たちも、なかなか労働安全衛生法と引き比べてどうかというのが分からない。だから、労働安全コンサルタントに相談をしなくちゃいけない。それだけでも二千万円のお金が、委託料というのが掛かるということなんですが、その労働安全コンサルタントに来月に診断をお願いして、そしてこれから改善計画を作って予算要求をしていくんだというお話だったんですよ。そうすると、この積み上げて集計した三百六億円というのがどうも揺らいでしまうわけなんですね。
 じゃ、東大というのはこの三百六億円から外れているんでしょうか、入っていないんでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) コンサルタント、その専門のコンサルタントがあるということは認識をしております。一部の大学においてはもう既にコンサルタントに診断をお願いして、それに基づいて出しているところもありますし、中にはこれからというところもあるようには聞いております。
 東京大学の場合、先生方、ユーザーである先生方が規則に違反しているかどうか分からないということはないと私は考えております。人事院規則も労働安全衛生規則も、規則についてはほぼ同じものでございます、罰則規定が多少違うとは聞いていますが。ですから、ユーザーである先生方はそれを認識して実験室を使っていらっしゃる。
 ですから、今回の調査も、こういう化学物質、こういう装置があるところについて調べてくださいという調査を掛けておりますので、現場については、その実験室が人事院規則あるいは労働安全規則に適合しているかどうかということは分かっていらっしゃると思います。
 ただ、その積算については各大学が事務局の方で積算しておりますので、そこの数字を我々は合計して今回三百六億円としたところでございます。

○林紀子君 そうしますと、東大からは事務局から聞いたということなんですね。事務局長さん、事務長さんとおっしゃるんでしょうか、その方から報告が来たということなんでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) 事務局の方で各部局のものをまとめて文部科学省の方に報告していただいたということでございます。

○林紀子君 ですから、じゃ事務局と工学部、東大の工学部というのは一番労働安全衛生法に引っ掛かるといいますか、そういう化学物質なども一杯使っているわけですよね。そういうところとは、じゃ連絡がないかもしれないと、なくても事務局が言ってきたことを、はいはいそうですかといってメモにして全部積み上げた、こういう話になるんでしょうか。

○政府参考人(萩原久和君) 先生方はどこが問題かは認識していらっしゃると思います。それが幾ら掛かるかというのは、なかなか研究者の方は分からないと。ですから、そういう問題点は事務局の施設の方と先生方と打ち合わして、それじゃそれなら幾ら掛かるということをはじいている、事務局ではじいていると思います。
 ですから、分からないというのは、先生方分からないというのは、幾ら掛かるかがまだ聞いていないということであって、何が問題かは、これ先生方、十分認識されていると思います。

○林紀子君 事務局と現場の先生たちと、一番実験などをしている先生たちと連絡をして幾らというのが分かるんでしたら、何も二千万円も使ってコンサルタントなんて入れる必要ないわけですよ。だけれども、工学部の先生たちは、やっぱりコンサルタントにきちんと見積もってもらわなくちゃそのお金が出てこないと言っているんですね。出てこないと言っているのに出ているというところが不思議でしようがないわけなんですね。
 それじゃ、各大学や機関ごとの金額、積み上げた額でしたら、それは分かるわけですね。東大というのは全部で幾らだったわけですか。

○政府参考人(萩原久和君) 東京大学でございますが、所要額は二十七億八千四百万円というふうになっております。

○林紀子君 東大、二十七億八千万円。これじゃやっぱり絶対にできないと思うんですよ。ですから、現場の先生たちは言って分かるというお話、今ありました。
 そこでお聞きしたんですけれども、東京大学の工学部で配付されている資料の中には、化学実験でできた有毒ガスを排気するためのドラフトチャンバー、実際見てまいりました。壁際などにあって、その中で実験をして、そして有毒な空気を吸い上げて外に出すという装置ですね。そういうドラフトチャンバーとか、有害物質を除去して外気に出すための、スクラバーと言うんだそうですね、除去装置が、ダクトの中間なんでしょうか入口なんでしょうか、あって、それを出す。そういう装置だけで、やっぱり東大工学部だけで十七億円ぐらいは掛かるんじゃないかというふうに言っているということなんですね。これは工学部だけです。
 これとは別に、まだ実験室と、先ほど御紹介しましたように、実験室と教室を分けるための部屋の改造もしなくちゃいけない、それから出入口の確保もしなくちゃいけない。一つしか出入口がないと、もしそこで何か出火などをしたら、大変可燃物や何かが充満しているその教室から出られなくなるから、少なくとも二つは出入口がなくちゃいけないということもきちんと規定されているということですけれども、それもしなくちゃいけない。緊急シャワーとかガスボンベを実験室の外に置くための措置など、本当に多額の費用が掛かる、十七億円以外にそれだけ掛かる。それで、東京大学は、工学部だけではなくて、医学部もあれば理学部、農学部、薬学部、附置研究所、十以上の部局が対象になっているわけですね。ですから、こういうことで、正にこれは類推になるわけですけれども、推計して考えてみると数十億円から百億円近く掛かるんじゃないかと思われるわけですね。
 ですから、東京大学だけでも二十七億八千万円じゃ到底足らない、全体でも三百六億円で済むなどというのは正に机上の計算、事務局とやり取りして、大体そんなくらいだろうなというので書いた数字を積み上げただけ、そういうことなんじゃないですか。

○政府参考人(萩原久和君) 先生方とそれから事務局は十分な連絡を取ってやっているものと聞いております。
 改善経費の額の問題ですけれども、老朽・狭隘ということがあります。それは緊急整備五か年計画でやっているわけですが、その緊急整備の老朽・狭隘がこの労働安全衛生法の問題にもかかわってくるわけでございますけれども、多額の費用の掛かる増築や改修、こういったものは五か年計画で着実に行っているわけで、今回の対象としていますのは、今年度、労働安全衛生法に抵触しないようにするためのものを計上しているわけでございまして、しかも問題ある実験室、一万三千と言っておりますが、これらも施設の整備を伴わないで、点検、整理整とんをしたり、あるいは実験室の使い方の見直し、こういうことも併せて解決を図るということにしております。
 昨日発表しました対策の中で、調査研究協力者会議の報告書も付いておりますが、その中にもそういったソフト、ハード併せて対応していかないと労働安全衛生法に対応できないというようなことも述べられておりますが、それらを総合的にやっていくという上で必要最小限といいますか、今年度中にやるべき施設整備が三百六億円という合計になっているということでございます。

○林紀子君 ですから、私も、建物そのものを建て替えなくちゃいけない、建て替えないと労働安全衛生法の基準に達しないというところもあるわけですけれども、そこを言わなくても、先ほど言いましたようにドラフトチャンバーとかスクラバーだとか、それからガスボンベを外に出すとか、緊急シャワーだとか、そういうことだけで十七億円が最低掛かって、もっとそれに積み重なるんだということを言っていますので、私も、ですから老朽・狭隘というのはそれとは別だというふうに考えているんです。それでもこうなんですよね。
 そしてもう一つ、東京大学だけではなくて、私のところにもう一つ資料があるんですが、この資料によりますと、京都大学です、京都大学では、七月三十一日までに予算の見積りをまとめるというやはり資料があるわけなんですね。七月三十一日までにこの資料をまとめなさいと、こんなふうにちゃんと表まで作って、こういうふうに書きなさいよというので、全部京都大学のそれぞれの学部に回しているというんです。
 そうしますと、七月三十一日というのはまだ来ていないわけですからね。先ほどと同じように、やっぱりこれも実際の見積りじゃなくて、非常にあやふやな、非常に不十分な、そういう数字が、電話でお聞きになったのかどうか分かりませんけれども、そういうところで来て、それを集計した、そういう話なんじゃないですか。

○政府参考人(萩原久和君) 東京大学の工学部が幾らかということはちょっと今認識していないわけでありますけれども、また京都大学については、我々つかんでおります数字では、十八億二千五百万という数字でございます。
 その個々の先生おっしゃいました東大工学部の数字ということは、内容は分かりかねるわけでございますが、詳細の内容につきましては、その各大学の事務局、先生方と十分打ち合わせて、責任を持って文部省に提出しているものと認識しております。

○林紀子君 私は、ですから、昨日資料を出すということで、それを待って、それを見て一生懸命考えたわけですよ。それでもどうも話が合わない。
 大臣、東では東大が、西では京大が、それぞれまだちゃんとした見積りも出ておりません、これからですと言っているのにこういう数字が出てきた。こんなおかしい話、正に大変いい加減な数字で私たちがこの論議をするというのはどう考えてもおかしいと思うんですけれども、どうですか。大臣もこれ、本当におかしいと思いませんか。

○国務大臣(遠山敦子君) 委員は大学側のどこにお聞きになったんでしょうか。
 私どもは、大学の学内についてしっかり責任を持って、学内の安全衛生の基準に合うようにということで見積りもし、そして将来計画も立てている部局と連携を取ってやっているわけでございます。
 所要額につきましては、各大学の改善計画に基づく見積額を集計したものでありまして、もちろん今後、執行に当たりましては、各大学と協議の上に適切に対応していくものでございます。そういう性格のものでございます。

○林紀子君 私は、おととい、三時から四時までの間、東京大学工学部五号館、化学実験室、研究室、三百一号室から四百四十七号室まで、一、二、三、四、五、六、七、八つの実験室を拝見いたしました。そこで労働安全衛生法にかかわって今までいろいろやっていらっしゃる先生を中心にお話を聞いたものです。ですから、工学部の問題につきましては非常に一番よく分かっている、そういう先生から直接お話を聞いてこういう状況になっているわけです。
 ですから、今、大臣は責任のある大学の担当のところから聞いたと言いますけれども、しかしその責任ある担当というのがその先ちっともパイプが通っていないじゃないですか。それでどうしてちゃんとした数字だなんというのが言えるんですか。これは本当におかしい話だと思うんですよ。
 私たちは、だから、本当にきちんとした数字で、そして本当に来年の四月の一日に労働安全衛生法違反じゃないところでスタートできるのかどうか真剣に考えているのに、どこから聞いてきたんですかなんて、そういうのは大変失礼な話じゃないかと思いますけれども、やっぱり大臣、おかしいですよ。

○政府参考人(萩原久和君) 昨日発表しました対策の中にフォローアップという項目がございまして、三か月ごとに、九月、十二月、それから三月とフォローアップしていくつもりでございます。
 ですから、もし大学の方に漏れというか不備がありましたら、その時点で訂正し、それは、今回の調査に入っていないからやらなくていいというものではございません。それは必要なものは是非やるということで、適切に対応していきたいというふうに考えております。

○林紀子君 そうです。私たちがちゃんと論議をするのは、きちんとした資料に基づいてじゃなければ私たちの論議だって非常に不正確になるわけじゃないですか。もう一度ちゃんと正しい数字を出してください。どうですか。

○政府参考人(萩原久和君) 今回、時間的には短時間でございましたけれども、精一杯やったつもりでございますし、この調査については正しいものが出てきているものと認識しております。

○林紀子君 確かに、現場でやっていらっしゃる方はもう徹夜徹夜続きでやった。昨日も本当にもう大変な、血の気のうせたようなお顔で持ってきていただいて、本当にそれは御苦労さまと私も申し上げたんですけれども。そもそもの数字が違っている。そもそもの大学との関係が違っているんですからね。そこは幾ら一生懸命やっていただいても、その虚偽の上に組み立てたものをまた私たちの方に出てくるわけですから。そういうことは、本当に国会の審議というのをどれほどきちんと考えていらっしゃるかということだと思うんです。
 そして、大臣、もう一つ言いたいことがあるんですけれども、といいますのは、京都大学では更に大変なことに、大臣は四月一日、何とか違反状態なしにスタートしたいということを先ほどおっしゃいましたけれども、この京都大学で各学部に回っているものなんですけれども、これは先ほど七月三十一日までにですから提出をしてくださいということと同時に、年次計画の策定という、そういう文書が回っていて、そういう表を出しなさいということも回っているわけなんですね。労働安全衛生法の運用に伴う実験室改善年次概算金額というのを年次を追って出しなさい、そういうことを言っているわけなんですね。
 これはAランク、Bランク、Cランクというふうに分けてありまして、Aランクは、現状では使用に耐えられず、かつ運用では対応できないものなんだと、Bランクというのは、改修工事があったらそのとき対応すればいいと、Cランクというのは、当面使用はできるけれども、本来は対応しなければいけない不可欠なものなんだという注釈も加えながら、このランクA、ランクB、ランクCでそれぞれ表を出しなさい、こういうことになっているんですが、これを見て私もびっくりいたしましたが、ランクAの今は使用ができないものについてどうして改善するかといったら、十四年度にはこれこれやりました、十五年度にはこれぐらいの予算でこうやります、十六年度にはこうやります。Bランクでは、平成十七年度から取り掛かって、十八年度以降にやります。Cランクでは十八年度以降にやります。これ、年次を追って書きなさいとなっているんですよ。そうしますと、年次を追ってということは、今年度じゅうということはできないということじゃないですか。こういうことがあるんですね。
 大臣、どうしてこれで四月一日に労働安全衛生法に違反しないように全部やれるんですか、スタートできるんですか。

○政府参考人(萩原久和君) さっきの答弁と重なるかも分かりませんが、年次計画でやっていくのは老朽・狭隘対策でございます。これはもう既にやっているところでございます。
 労働安全衛生法に関するものは、これは今年度中になるべく早い時期にやるということでございますので、その辺が混乱しているのかと思いますが、ちょっと私その資料見ておりませんので。

○林紀子君 ですから、私もこれは先ほどおっしゃったように老朽していたり狭隘なものを年次を追ってやるのかなと思ったんですけれども、よくよく見たら、労働安全衛生法の運用に伴う実験室改善年次概算金額というのを出しなさいというんですから、これはどうしても労働安全衛生法に引っ掛かってくるものじゃないですか。
 大臣、これじゃ四月一日、無理なんじゃないですか。そしたらもう凍結しなければいけないと思いますよ。凍結するべきじゃないですか。

○政府参考人(萩原久和君) 繰り返しになりますが、今回のこの計画は、昨年十二月に文部科学省から発出しました通知書に基づきまして、そのときに改善計画を立てて着手してくださいということを通知をしているわけですが、これに基づいて各大学が今までやってきたものについてその進捗状況を調べたものでございまして、そういう、信頼できる調査になっていると考えております。

○林紀子君 もう私は時間がなくなりましたけれども、信頼できるものというふうなお話ですけれども、どう見てもこれは本当に机上の空論、信頼できないものだということになると思いますし、来年の四月一日にはこれがスタートできないという、そういう本当に資料になっているわけですよ。ですから、もう一度きちんとした金額が幾らになるのか、本当に四月一日からそれでスタートできるのか、そういうものを出し直してください。
 今日はこれで質問を終わりますけれども、また次、ほかの問題も含めまして質問をさせていただきます。

 
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