156/衆/文部科学委員会/14号/2003年5月28日


文部科学大臣
遠山敦子君
内閣府副大臣
米田建三君
文部科学副大臣
河村建夫君
文部科学副大臣
渡海紀三朗君
経済産業副大臣
西川太一郎君
文部科学大臣政務官
池坊保子君
文部科学大臣政務官
大野松茂君
政府参考人(人事官)
佐藤壮郎君
政府参考人(内閣府政策統括官)
大熊健司君
政府参考人(内閣府原子力安全委員会事務局長)
小中元秀君
政府参考人(文部科学省生涯学習政策局長)
近藤信司君
政府参考人(文部科学省初等中等教育局長)
矢野重典君
政府参考人(文部科学省科学技術・学術政策局長)
林 幸秀君
政府参考人(文部科学省研究振興局長)
石川 明君
政府参考人(文部科学省研究開発局長)
白川哲久君
政府参考人(文部科学省スポーツ・青少年局長)
田中壮一郎君
政府参考人(経済産業省大臣官房審議官)
広田博士君
政府参考人(国土交通省大臣官房審議官)
小神正志君
政府参考人(国土交通省大臣官房技術審議官)
門松 武君
政府参考人(海上保安庁次長)
津野田元直君
文部科学委員会専門員
柴田 寛治君

児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 文部科学省が主催された「教育改革フォーラム 教育改革の推進と教育基本法の改正について」、5月25日に新潟で開催されたようです。
 このフォーラムで、鳥居泰彦氏は中央教育審議会会長として基調講演をされたと私は受けとめるんだが、遠山大臣、どうですか。
遠山国務大臣 今回のフォーラムは中央教育審議会の答申を受けた後のフォーラムでございまして、中間報告の後のフォーラムとはやや違っているのではないかと思います。
 その意味におきまして、中央教育審議会で論じられたこと、また、その答申の意味についてそれぞれの講演者がしっかりとお答えになったということは確かだと思います。
児玉委員 いや、私が聞いているのは、中央教育審議会会長という肩書で基調講演をされましたね。そのことを確認したい。
河村副大臣 この基調講演は、中央教育審議会のメンバーの方にお願いをするということになっておりまして、原則として会長がおやりになるのが一番適切である、こう思っておりますから、新潟でおやりになった場合には会長という肩書がつくのは当然だと思いますが、山口でやりました場合にはあの位置に山本委員が来て説明された、こういう経緯もございます。
児玉委員 そのことをはっきりさせておきましょう。
 新潟でいえば、彼は中央教育審議会会長として基調講演をした。報道によれば、鳥居氏は、教育基本法を指して、終戦直後のどさくさの中でつくられた法律でいろいろと問題がある、このように述べたようですね。
 周知のことですが、田中耕太郎文部大臣のときに、教育基本法は教育刷新委員会、その中には、皆さん御存じの安倍能成氏、南原繁、芦田均氏、天野貞祐、務台理作、関口鯉吉、森戸辰男氏など多くの方々の真摯な論議の中から生み出されて、そしてその後、閣議、枢密院、第92回帝国議会の審議、私も最近機会がありましたので、当時の会議録を読んでみて、この前の議論でもその一部を紹介しましたが、そういうものだと。
 それを指して、どさくさの中でつくられた法律でいろいろ問題がある、こういうふうに言えるのか。私は、鳥居氏が個人としてあれこれ言うことについて取り上げるつもりは全くありません。それはもう彼の自由でしょう。しかし、文部科学省主催のフォーラムで中央教育審議会会長として行った発言は個人の発言ではありません。この点、遠山大臣はどう考えますか。
遠山国務大臣 私は、鳥居先生があの場におきまして基調講演をされたと聞いております。その詳細については、細々としたことまでは聞いておりませんけれども、私は中央教育審議会の答申の内容についてお話しになったのであろうと思います。
 鳥居先生は、中央教育審議会の会長として答申をおまとめいただきました。そして、その内容をお話しいただいたと思いますが、みずからの研究者としての思いあるいは感想ということもその基調講演の中で述べられても、私は当然のことではないかと思います。
児玉委員 私の言っていることを正確に聞いてほしいのだけれども、彼が研究者であるということは私も承知しているけれども、自分の研究の成果についていろいろお述べになるのは、私は全く御自由だと思う。
 遠山さん、今あなたが言ったように、中央教育審議会のこれまでの論議、それらが教育フォーラムで基調講演で反映されなきゃいけない。皆さんがそこに向けてどんな内容を準備されたかということもきのう私はいただきましたが、文部科学省自身が教育基本法を終戦直後のどさくさの中でつくられた法律だと思っていますか。そして、日本の現在の数多くの研究者がこの教育基本法について通説的にどのように理解しているかというのは、あなたも知っているはずです。
 先日、4月2日のこの質疑の中で、私は、昭和22年5月3日の文部大臣高橋誠一郎氏が出した文部省の訓令四号を皆さんに紹介したことがあった。「この法律によつて、新しい日本の教育の基本は確立せられた。今後のわが国の教育は、この精神に則つて行われるべきものであり、又、教育法令もすべてこれに基いて制定せられなければならない。」遠山さん、あなたはこのとき、このときというのは4月2日だけれども、この訓令は生きている、こう言ったじゃありませんか。
 どさくさの中でつくられた法律だ、もしそれを研究者として言うのであれば、それは研究者の中で厳しい批判が集中するだろうけれども、それを私は国会でやろうとは思わない。要するに、中央教育審議会会長としてこのように発言した、それはこの後議論しなければならない。
 そこで大臣に私は求めたいけれども、新潟での中央教育審議会会長の発言を速やかに提出していただきたい。どうですか。
遠山国務大臣 今回のフォーラムは、御存じのような目的のもとに国民的な議論を深めるために行っているものでございまして、フォーラムに参加していない国民の皆様に議論を深めていただくためにも、フォーラムにおきます基調講演あるいはパネルディスカッションの概要等についてはできる限り早く公表したいと考えております。
児玉委員 全体の中身も私は拝見したいけれども、鳥居さんのこの基調講演についてはフルテキストで求めたいと思う。どうですか。
河村副大臣 このフォーラムについては、審議会のような形で議論するような性格の会議でないという点が一点ございますし、それから、基調講演者、パネリストに事前に、全発言の内容を公表するためのものであるというような形で今回会議に臨んでおりません。
 ただ、おっしゃるように、フルテキストという形になるかどうかは別として、議論概要といいますか、それは当然公表しなきゃならぬと考えておりますが、議事録のような形で公表するということに今回のフォーラムについてはいたしておりません。ただ、マスコミの方も皆さん御出席をされておる会議でございますから、決して秘密的にやったものではないことは明らかだと思います。
 それで、せっかく私ここへ立ちましたから、山口では御一緒じゃございませんでした、熊本では御一緒させていただいたのでありますが、だから、もちろんフルテキストでないと、全体を見なきゃわからないとおっしゃるんだろうと思います。マスコミの書き方は、基本法はまさにどさくさで成立、こうなっておりますが、これまで鳥居会長がずっと言われてきたことを私の方で推測いたしますのに、やはり時代の背景といいますか、非常にああいう時代でありますから、国民全般に議論をするような場もありませんし、非常にどさくさ的な、非常にそういう意味での背景があった。
 そのことと、それから問題点があると鳥居会長がよく言われるのは、11条の短い中に入っている、しかし、ほかの国の基本法を見ていると、非常に精巧に、条文も大きなものをつくってある、そういうものに比較してまだ足らない部分がある、問題がある、こういうような指摘をいつもされておったことを覚えております。
児玉委員 今の私の要請、すなわち、鳥居氏の基調講演の中身をフルテキストでいただきたい、これは委員長、理事会で協議いただきたいと思います。
古屋委員長 この問題につきましては、文部科学省並びに中教審の中で御議論をいただいて結論を出していただきたいと思います。
 むしろ、理事会で議論する話ではないと思いますので、まず委員長としてそういう対応をお願いしたいと思います。その上でまた考えさせていただきます。
 以上です。
児玉委員 あなたは中立公正の立場でこの委員会を進めていただきたい。
 さて次に、教育振興基本計画、中教審答申の第3章、そこをめぐってお伺いをしたいと思います。
 最初に聞きたいのだけれども、遠山大臣、多くの国民や父母そして学校で頑張っている教職員は、教育の振興という言葉を聞いたときにどんなことを思い浮かべると思いますか。あなたの率直な感想を聞かせてほしい。
遠山国務大臣 日本の教育がますます活性化をし、そして振興という言葉から連想するのは、恐らく、いろいろな条件整備をよりよくやって、子供たちが学びやすく快適な状況で学べるようにというようなことがまず頭に浮かぶのではないかと思います。
児玉委員 遠山大臣は、教育のプロだからそういうふうに言われるのだけれども、私が聞いているのは、例えば、あなたのいとこの方だとかめいごさんだとか、それからあなたのお子さんがもしいらしたとすれば、その子供の学んだ学校の先生たちが、教育振興と言ったときに何を思い浮かべるだろう、あなたはそれをどう考えますか。
 今のあなたの言い方は、同義反復ですよ。振興について考えるとおっしゃったので、それは犬が東向けばしっぽは西だというのと同じですよ。
遠山国務大臣 子供、めいとかおいが教育振興という言葉をどこまで解するかよくわからないわけでございますけれども、一般の良識ある国民の皆様がお考えになれば、教育をいかに活性化し、そしてすぐれた教育をしてもらうかというためのいろいろな条件整備等のことをやっていくかということだと思います。
 この振興という言葉はいろいろな角度で使われておりますけれども、例えば、我が省の中で科学技術振興といえば、科学技術をどのように発展させて、そして活性化させていくかということでございまして、その意味で教育についても、よりよいものにしていく、そういうふうに受け取るのが通常の感覚ではないかなと思います。
 子供は、なかなかわからないのではないかと思います。
児玉委員 余り無理には繰り返さないでおきましょう。
 例えば、クリントン氏が、98年の1月の大統領の教書の中でこう呼びかけましたね。今のアメリカの教育はこのままにしておくわけにはいかない、教育をよくしなければいけないと思う、そのとき、アメリカの多くの母親、父親は、どうすれば教育をよくすることができるか、そのことを既に御存じだ、こう言って、何と言ったと思いますか。グッドティーチャーズ・アンド・スモールクラシーズと言っていますよ。いい先生と、学級数を少なくする。そして、それに続けて彼は、アメリカ全土で小学校低学年を1クラス18人にする、そのために資格のある教師10万人を採用する、こう述べましたね。
 教育振興というときに、普通の国民であれば、やはり30人以下学級の実現がいつまでに自分たちの子供に及ぶのだろうか、私立に子供を通わせている親御さんでいえば、経常費の二分の一、そこまでの引き上げがどうなるか、そして大学・大学院でいえば、この前も皆さんと議論をしたけれども、GDP対比の高等教育への予算が欧米に比べて著しく劣悪ですから、そこのところを引き上げる、こういった課題を思い浮かべると思うんです。
 私は、文部科学省に言いたいのですが、今言ったような課題、皆さんの考えている、例えば全国の小中学校の耐震化の実現だとか、そういったものを年次計画的に堂々と打ち出してみたらどうだろうかと思うんですが、いかがですか。
河村副大臣 中教審の基本計画のところにも、今のいじめ、不登校、そういうものを半分に減らすんだという書き方がちょっとございましたが、私は、やはり今の耐震化のような問題はそういう形で計画的にやっていく課題だろう、そういうふうに思います。
児玉委員 少人数学級についていえば、30人以下学級についていえば、今もう全国で燎原で燃え広がる炎のように大きな力になっています。
 それで、今副大臣がおっしゃった校舎の耐震化の実現、これらは、教育基本法10条2項で明示する「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」そのものではないかと思うんですが、大臣、お考えはどうですか。
遠山国務大臣 条件整備という意味では、その中にも入ると思います。
児玉委員 そのことを明確にした上で、この答申の第3章の冒頭のところで、もしお持ちであればちょっと出していただくと、22ページをあけてください、22ページの冒頭のところ。そこでこう言っていますね。幾つかの基本法を列挙して、「それぞれの基本法に基づく基本計画が策定されている。」云々、こう述べていらっしゃる。
 今、日本には20を超す基本法があります。大臣に伺いたいのだけれども、1947年3月に成立した教育基本法、これがどんなものかというのはもう論ずるまでもない。その後生まれたのが、1955年12月に成立した原子力基本法です。これは見事な基本法です。原子力利用の平和的な性格を貫徹する、そして研究においては自主、民主、公開、これを揺るがすことのできない原則とする、そういった中身が原子力基本法には盛り込まれておりますが、この原子力基本法に基本計画があるかどうか。大臣、どうですか。
遠山国務大臣 教育基本法に次いでの基本法である原子力基本法、これにはまだ基本計画というものは、根拠規定はございません。
児玉委員 おっしゃるとおりですね。
 基本法の問題を何人かの研究者が真剣に検討しています。私も、その方々や国会内で調査なさっている方とも、何回か御教示をいただいたのですが、この分野の研究者はこう言いますね。教育基本法と原子力基本法は、日本の基本法の中の第一期である。そして、そこの特徴は何かというと、憲法と一般法をつなぐ役割を担う根本法としての性格を有する。基本法という名前がついていないけれども、地方自治法や労働基準法にはそれに近い根本法としての性格がありますね。
 すなわち、教育基本法というのは、憲法と例えば学校教育法、憲法と私立学校法との間をつなぐ根本法としての役割、ここに教育基本法の重要な特質がある。
 大臣のお考えを聞きたいと思います。
遠山国務大臣 私は、教育基本法というのは、教育にかかわるさまざまな法体系の中の背骨のような、中心的な意味を持つ法律だと思っております。
 ただ、諸基本法の中の一番最初であったということで、その中に基本計画というものはないわけでございますけれども、原子力基本法の後、あるいはそのちょっと前にできました基本法以下ほとんどの基本法につきましては、基本計画というものが根拠規定をその基本法の中に包摂しているという事実もあるわけでございます。
児玉委員 基本法の中で、最も基本法にふさわしい存在として、この教育基本法というのは、その重さを大いに今認識されつつありますね。大臣がおっしゃった、その後と言うけれども、例えば、その後で言えば、災害対策基本法、昭和36年11月15日、これには防災計画が入っているけれども、この防災計画というのは、防災振興基本計画ではありませんよ。いうところの基本計画がどんどん入り出したのは、それよりかなり後の話です。
 そこで私は、教育基本法の問題にもう一回戻りたいんだけれども、教育基本法の11条では、こう言っていますね。「この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。」
 教基法の11条のような内容を盛り込んだ法律が他にあるかどうか、御存じであれば、御教示いただきたい。
河村副大臣 私の知っている範囲では、このような明確な形ではありませんが、法律の見直し条項といいますか、ほかに条件を必要なときには法律によるという書き方はあると思います。
児玉委員 そのとおりです。しかし、基本法の本体に、補則という形で、「この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。」主文はどこかというと、「この法律に掲げる諸条項を実施するため」とはっきり限定しているんです。こういう形で条文を盛り込んでいる法律は、私がいろいろ御教示願った専門家の皆さんによれば、教育基本法だけだ。立法者の意思がやはり問われます。
 この前も皆さんと議論したとき御紹介した「教育基本法の解説」、1947年12月刊行、そこで、皆さん御存じの田中さんや辻田さんだけれども、実際に筆をとったのは、文部事務官安達健二氏ですね。安達氏は、この11条についてこう言っています。
 本法は、教育宣言的ないし教育憲法的な規定が多く、これらの規定は、なおいまだ抽象的であって、これから直ちに引き出し得る実際的な効果が少ない。したがって、これらの規定の精神を実現するためには、今後、適当な法令が制定されなければならない云々。逆にと言って、逆に本条は、11条は、本法の基本的な性格、すなわち、憲法と一般法律との架橋的な性格を示すものと言えよう。
 非常に重要な指摘ですね、立法者の意思はまさにそこにあった。そこで、この間、文部省ないしは文部科学省は、やはりここのところは守ってきたと私は思っています。
 最近の事例で言えば、文部省は、1990年に、長い名前の法律だけれども、略称で言えば生涯学習振興法を制定された。当時、河村副大臣は政務次官でいらっしゃったので、あなたのお話もこの前聞きました。そのとき、中曽根弘文文部大臣は、この生涯学習振興法は教育基本法の大枠の中で制定されたものだと。そして河村副大臣は、先日の私との議論の中で、確かにそれは11条のことを念頭に置いて中曽根大臣は云々というふうにも述べられておる。これは非常に正確な理解だと思うんです。
 そこで、私は、遠山大臣に提起をしたいんだけれども、真に教育条件の充実を盛り込んだ、例えば教育基本振興法、ネーミングは私はこだわりません、要するに、30人以下学級だとか私学助成だとか大学・大学院の充実だとか、そういったものを盛り込んだ法律を教育基本法11条に基づいて制定してはどうかと思うんですが、いかがですか。
遠山国務大臣 私は、教育振興という角度から見まして、今日のいろいろな法体系の中で、基本法が包摂しております基本計画というものをしっかり定めるということが大切だと思います。
 なぜかと申しますと、我が省限りでいろいろな政策を打ち、あるいは、各種の法律、政令、省令あるいは予算ということで頑張っておりますけれども、やはり私は、基本計画というのは、政府が責任を持ってその計画を遂行するという意味で、各省がやっている予算措置あるいは計画といったものとは違う性質のものではないか。そこが、日本の、今委員がおっしゃるような条件を整備するにしても、非常に大事なポイントだと思うわけでございます。
 したがいまして、具体的ないろいろな振興したいということがあるわけでございますけれども、それを政府の基本計画を策定するということでやってはどうか、今回の中央教育審議会の御答申というのは、そういう意味があると思うわけでございます。
 基本計画を策定することで、幾つかの利点があると思うわけでございます。一つは、政府全体としての視点から、基本法の定める理念を実現するための施策を総合的、体系的かつ計画的に推進することが可能になるわけでございますし、施策の全体像をわかりやすく示すことによって、国民への説明責任が遂行できる。あるいは、基本計画に照らした政策評価の実施を通じた効率的な行政運営の実現等に資することができますし、また、教育を重視するという政府のメッセージを発信するということによりまして、地方公共団体、事業者、国民及び民間団体の積極的な取り組みを推進することが期待されるわけでございます。
 その意味におきまして、私は、今回、基本法の中に基本計画の根拠規定を掲げ、そして、それによって教育振興のいろいろな計画というものをしっかりと政府全体の責任においてやっていく、そういう新たなページを開きたいというふうに思うわけでございます。
児玉委員 いろいろおっしゃったけれども、今度の中教審に対するあなたの出した答申というのは、さまざまな答申の中で際立っていますね。「平成13年11月26日 遠山敦子 次に掲げる事項について、別紙理由を添えて諮問します。」これを読んでみると、教育振興基本計画のところは、実に詳細、具体的ですね。もう中教審は何もする必要はありませんよ、これをそのまま答申すればいいので。大体中身はそのようになっています。
 あなたが今いろいろ言ったけれども、根拠法はあるじゃありませんか。教育基本法の10条2項、教育基本法の11条、そして、もっと言えば前文、1条、2条ですよ。立派な根拠法がある。そのことを知っての上で、教育基本法改正の理由の一つとして盛り込まなきゃいけないからというのは、これはやはり真っ当なやり方じゃありませんね。そして、政府全体のものになるかならないかというのは、教育基本法があれば、それは十分であって、それをなし得ていないとすれば、それは文部科学省の努力の問題じゃないでしょうか。
 結局、教育基本法の中で教育振興計画をつくらなきゃいけないということが皆さんの教育基本法改正の最大の理由になっていますよ、あなたの諮問によれば。その必要なし。11条は立派にある。
 そして、この後また続けて議論をしますが、あなたたちはそういうときに実に周到に言葉を使いますね。教育の目的という言葉を使わなくなっている。目標という言葉に差しかえていますね。これは明らかに、人格形成、教育の目的という大きな理念と卑近な政策目標に差しかえる、そういうやり方が根底にあるので、ここのところは文部科学省として真剣に考えていただきたいということを述べて、きょうの私の質問を終わります。

 
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