2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」

国立大学法人法案 教育公務員特例法生かせ

児玉議員 文科相も「趣旨守られる」

 日本共産党の児玉健次議員は16日の衆院文部科学委員会で、国立大学法人法案について、いかなる場合でも「『学問の自由』の法的基盤は守られなければならない」と述べ、教育公務員特例法の趣旨を生かすよう求めました。

 教育公務員特例法は、憲法で保障された「学問の自由」を守るため、公務員である教官の採用・昇任について、各大学に設置される評議会や教授会で民主的に定めるよう特例規定しています。しかし、国立大学法人法案は公務員という教官の身分保障をなくすため、教育公務員特例法は適用除外となります。

 児玉氏は、遠山文科相が昨年3月22日、「学問の自由」「大学の自治」を保障するために「教育公務員特例法を定めている」(児玉氏への答弁)と明言していることを指摘。遠山文科相が自らの答弁に責任をもち、「学問の自由」「大学の自治」を引き続き保障しようと考えるなら、今後も「(人事などの重要事項は)『教育公務員特例法』をふまえて各大学で審議されることになるのか」と追及しました。

 遠山文科相は、「憲法に基づく学問の自由、大学の自治だから、国公私を超えて守られる」と述べ、教育公務員特例法の趣旨は継続して守られるとの姿勢を示しました。

 2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」 

大学の安全管理要求 労働安全衛生法で児玉議員

 日本共産党の児玉健次議員は16日の衆院文部科学委員会で、国立大学には適用されていない労働安全衛生法が法人化によって適用されると、これに違反する大学が続出する問題について質問。「教職員12万3000人、定員外職員数万人、そして学生、院生の安全が法律に基づいて確保されるか否かにかかわる根本問題だ」と追及しました。

 労働安全衛生法は管理体制が不備な場合、罰則が適用されますが、予算不足などにより国立大学の実験施設などの安全管理は不備なままです。

 児玉氏は1992年、北海道大学工学部で助手と院生が酸欠事故で死亡した例などを紹介。「(文科省の)河村(建夫)副大臣は、こうした状態を改善するための予算を補正予算で組むと述べているが、小泉首相は補正予算を出すと約束していない。必要な予算の推計額はいくらで、財源はどこから出すのか、はっきりさせてもらいたい」と追及。「もし4月に国立大学が法人化され、違法状態となれば、(遠山文科相は)どう責任をとるのか」と迫りました。

 遠山文科相は、「各大学において改善計画をしっかり立ててもらって来年度違法がないように努力する」と主張。

 児玉氏は、「国立大学を所管する大臣として、職員の健康保持に責任を持たなければならない自らの立場を棚上げして、各大学の努力にすることは許されない」と指摘しました。

衆院 文部科学委員会会議録 13号

平成15年05月16日
 出席委員
   委員長 古屋 圭司君
   理事 奥山 茂彦君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 馳   浩君 理事 森田 健作君
   理事 鎌田さゆり君 理事 山元  勉君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 佐藤 公治君
      青山  丘君    荒巻 隆三君
      伊藤信太郎君    小渕 優子君
      大野 松茂君    岡下 信子君
      岸田 文雄君    佐藤 静雄君
      佐藤  勉君    谷田 武彦君
      中谷  元君    林田  彪君
      松島みどり君    松野 博一君
      宮澤 洋一君    森岡 正宏君
      柳澤 伯夫君    大石 尚子君
      鳩山由紀夫君    肥田美代子君
      平岡 秀夫君    平野 博文君
      藤村  修君    牧野 聖修君
      松原  仁君    山口  壯君
      池坊 保子君    東  順治君
      黄川田 徹君    石井 郁子君
      児玉 健次君    中西 績介君
      山内 惠子君    山谷えり子君
    …………………………………
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   文部科学副大臣      河村 建夫君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   文部科学大臣政務官    大野 松茂君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   杉本 和行君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括
   審議官)         玉井日出夫君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教
   施設部長)        萩原 久和君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育
   局長)          矢野 重典君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            遠藤純一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局安
   全衛生部長)       大石  明君
   文部科学委員会専門員   柴田 寛治君

    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国立大学法人法案(内閣提出第五六号)
 独立行政法人国立高等専門学校機構法案(内閣提出第五七号)
 独立行政法人大学評価・学位授与機構法案(内閣提出第五八号)
 独立行政法人国立大学財務・経営センター法案(内閣提出第五九号)
 独立行政法人メディア教育開発センター法案(内閣提出第六〇号)
 国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第六一号)
     ――――◇―――――
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 私はきょうの質問が最初です。そして、この間の質疑を聞いていると、まだ論議は緒についたばかり、本格的な審議をしないといけない。これは日本の半世紀後、一世紀後の将来を決める重要な法案ですから、そういう意味で、私は、真剣に聞きたい、古屋委員長にもその立場で審議の進行をしていただきたい、こう思います。
 さて、まず最初です。学校教育法五十九条「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」こうなっています。重要な事項を審議する教授会は、今後も当然学校教育法に基づいて必置です。この点を最初に大臣に確認したい。

○遠山国務大臣 学校教育法のその部分、今回改正をいたしておりません。そのまま残ります。したがいまして、教授会は残るということでございます。

○児玉委員 教授会は残る、必ず残らなきゃいけませんね、これは法律がそのことを求めているんだから。
 そこで、国立大学法人法案が予定する大学、大学法人では、教授会はどこに置かれるのか、どのような重要事項を審議するのか。これは、皆さんの言う国立大学がなくなることに伴ってこの法案が成立すれば消滅する国立学校設置法、その中身はこれまで大学の運営にとって非常に重要なものであった、それから教育公務員特例法、これらを踏まえてそれぞれにおいて判断されるものだと私は考えます。河村副大臣、どうですか。

○河村副大臣 児玉委員御指摘のように、また、さきの大臣の答弁でありましたように、学校教育法によって教授会は必置されるわけでございます。ただ、法人化後は、非公務員型の法人ということでございまして、教員の任命権者は文部科学大臣から学長になるとともに、教育公務員特例法の適用がなくなって、人事については教授会の議に基づいて行うということの規定の適用はなくなるわけでございます。したがって、教員人事については、今後は各国立大学法人の創意工夫にゆだねられる、これが原則になるわけでございます。
 ただ、その国立大学法人制度は、各法人の自主性、自律性を高めて自己責任の拡大を図っていくという面もございまして、こうした観点から、内部組織については可能な限り法人の裁量にゆだねていきたいということでありまして、今回の法律等では規定されておりません。これまで教授会の設置の単位とされておりました学部や研究会については、法律上、規定はないわけでございます。こうした点を踏まえて、どのような教育研究組織の単位にどのような形で教授会を置くか、これについては法人の定めにゆだねることになるわけでございます。
 そういうことを考えますと、法人化後の大学に教授会の形があって、それがどのような形でこれから運営されていくかということについては、それぞれの大学が自主的にお決めをいただくことになる、このように考えております。

○児玉委員 私の質問を、副大臣、よくお聞きいただいたと思うのだけれども、これまであった国立学校設置法、これまであった教育公務員特例法、これらを踏まえながら、それぞれにおいて判断されるべきだと私は理解するが、どうかと。
 なぜそう言いますかというと、あなた、今教育公務員特例法云々とおっしゃったけれども、今度の改正を見てみても、もしある自治体においてある公立大学が法人化の道を選ばないとすれば、そのとき教育公務員特例法の内容というのはそのまま残っているじゃありませんか。残すでしょう。どうですか。

○河村副大臣 法人化の道を選ばないということであれば、これはまた別の問題になってくるわけでございまして、今回は国立大学は全部法人化するという考え方に立っております。

○児玉委員 河村さんは鋭敏だから先へ先へ答えようとするんだけれども、私が聞いたのは公立大学です。国立大学じゃないんですよ。
 例えば広島県の、ないしあなたの山口県の県立女子大学があるとする、ありますね。その大学が、県と協議をした上で、法人化の道を選ばないということは可能なんだから、そして、そのときのために、この教育公務員特例法の幾つかの部分、例えば学長の選考だとか教員の採用、昇任、それらは、皆さんのこの教特法の今度の改正の第三条の中に明記されているじゃありませんか。それは自治体立の大学が法人化の道を選ばないときに残したんであって、当然この精神というのは全体として生きていくし、そして、それをそれぞれどのように活用していくかというのは、先ほど言ったように、国立学校設置法や教育公務員特例法等の内容を踏まえつつそれぞれにおいて判断する、そう理解していいでしょう。どうですか。

○河村副大臣 現状では地方自治体のことと今回の国立大学法人とは別に考えておるわけでございまして、地方の公立大学におけるいわゆる地方公務員の身分は残るわけでございますから、その精神は生きる、こういうふうに思います。

○児玉委員 今、この教育公務員特例法というのは、適用を受けていない日本の私立の大学にも非常に大きな影響力を与えていて、例えば教官の絶えざる研究及び修養の問題、そして大学の自治の支えである教員人事の自主的、自律的な決定の問題、これらにおいて、私立の大学では、たとえ法の適用がなくても、それが見事に生かされていますよ。
 今の河村副大臣のお答えで私は大体思いがわかるんですが、結局、国立学校設置法や教育公務員特例法、私はあえてこれまでのと言っているんですよ、これまでの国立学校設置法やこれまでの教育公務員特例法、それらを踏まえつつ、教授会がどこに置かれ、どのような事項を審議するかというのはそれぞれにおいて判断される、こう理解するわけですから、それでいいでしょう。

○河村副大臣 児玉委員のおっしゃることもわかるわけでございますが、今回のこの大学法人法によって公務員の身分というのはなくなるわけでございます。扱いではみなし公務員という考え方もございますけれども、そういうことでありますから、それがそのまま生きるということにはならない、こういうふうに思うわけでございます。

○児玉委員 後ろの人が必死になっていろいろ耳打ちをしているけれども、副大臣の判断で私は答えてほしいんですよ。すなわち、私が踏まえてと言っていることの思いをあなたはおわかりでしょう。今まで日本の国立大学を律してきた二つの法律を踏まえてそれぞれに判断する。私は余り細かなことは言うべきでないと思う。どうですか。

○河村副大臣 国立大学と、そしてもう一つの公務員であります公立大学というものがございます。非公務員化ということになりますと、法的には教特法の適用がなくなるということは、これは厳然たる事実になるわけでございます。
 しかし、これまでそういう形でやってきたわけでありますから、地方自治体については、これは自治体の選択権に任せておるものでございまして、これをはっきり法律上明確にせよと言われれば、国立大学の方は教特法の適用はなくなるし、しかし公立大学は、今いわゆる地方の独法化の問題もございますから、それを選択されればまた別でございますが、地方公務員の制度、公立大学をそのまま残すということであれば、これは教特法の適用が残るわけでございます。そこのところは明確なんであります。
 ただ、これまでそういう形で運営されてきたということでございますから、いわゆる国立大学は大学法人化されてもみなし公務員という残る部分もございますので、そういう精神を踏まえてとおっしゃることは私は理解できるわけであります。

○児玉委員 残念ながら、この法律がもし成立すれば、国立大学に関していえば、教育公務員特例法は適用除外になるんだけれども、除外になるかどうかを私は議論しているんじゃないんです。
 そこで、今まで提起されてきたその内容を踏まえてと、あなたは大体今その趣旨のことを述べられたから、次の問題に入りたいんです。
 遠山大臣、あなたと私は、昨年、大学の自治の問題について三月に議論したことがありました、教員養成系の大学の問題で。御記憶だと思う。国立大学法人法案では、大学の自治を支える制度の根幹である教育公務員特例法の適用が除外されます、皆さんの仕組みによれば。
 ところで、大学の学長、教授、その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任される、それが大学の自治の支えだ、これは最高裁大法廷の判例ですが、このことはこの後どのように保障され、担保されるでしょうか。

○遠山国務大臣 学長の選考の仕方については、今回の法案の中でもしっかりと明記されているわけでございます。
 法人化ということに伴って、学長に必要な資質というものも、これまでよりは経営面でのすぐれた手腕が必要になる、もちろん教育研究に関する高い見識というのは必要なわけでございますが、そういったことをかんがみまして、学内の学部長等の代表者で構成される評議会が学長を選ぶというこれまでの方式を改めて、経営協議会の学外委員の代表者と、それから学内者で構成されるところの教育研究評議会、この代表者とが、同数で構成する学長選考会議におきまして、どのような形でそれぞれの学長を選ぶかということを決めて、しかも、広く大学の内外から適任者を責任を持って選考するということでございます。そこにおきまして大学の意思は反映されるわけでございます。

○児玉委員 大学の意思が反映されるかどうかじゃないんです。最高裁が言っているのは、大学の学長は大学の自主的判断に基づいて選任されるんですよ、そうでなければならないと言っているんだから。あなたが今言った学長選考会議なるものについては、これは本当に、世界に出してみたら恐らくまれな存在になっていくでしょうね。この仕組みを私いろいろ計算してみると、ある場合は、学長選考会議の構成員というのは過半数が学外者になってしまいますね。そんなところでどうしてこの最高裁の判例が担保されるか。
 東京外国語大学地域文化研究科教授会がことしの三月二十日にこういう意見を表明されている。大臣、ちょっとしっかり聞いてください。「学長の選出についても、「最終報告」では、必要に応じて「学内者の意向聴取手続き」」投票など「が取られるべきだとされていました」、あなたがもう頭の中に入れているこれです、この国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議、平成十四年三月二十六日、それの三十二ページの冒頭のところに「具体の選考過程において学内者の意向聴取手続」わざわざ「(投票など)」こう書いている。
 それで、東京外語大学のその教授会は、最終報告ではそのように書かれていたけれども「「法案」では、その規程がまったく消えて、「経営協議会」の学外委員と「教育研究評議会」の学内委員とが同数選出され、」この計算は私は同意しない。必ずしもそうではないと思う。「それに学長自身が加わることのできる「学長選考会議」によっての選考という規程になっています。しかし、このような選考方法では、学内コンセンサスの確保がむしろ難しく、学長の地位と指導力をかえって危ういものにすると考えられます。」教授会はそう判断していますね。
 私が端的に聞きたいのは、この最終報告に言う「学内者の意向聴取手続(投票など)」は、この後どのようにして行われていきますか。お答えください。

○遠山国務大臣 先ほど申しました学長選考会議におきまして、どのような形でその大学の学長を選んでいくかということを、ルールづくりも含めて決めるわけでございます。したがいまして、まさにその大学の学長を決めるという、大変大事なことでございますけれども、そのことについて、学内における選考会議で決めるということでございますので、その中に、そこに書かれているようなことを用いるということもできましょうし、それ以外の方法で選考するのもよしということでございまして、まさにそれぞれの大学が自主的に判断をしてやってもらいたいというのが、私どもの考えていますこの法律案の意図しているところでございます。
 したがいまして、大学の中での組織でございますので、大学が選んだことになるということに変わりはないわけでございます。

○児玉委員 「学内者の意向聴取手続(投票など)」これはそれぞれの大学で決めてもらえばいいと。文部科学省の方でそれの是非について述べることはありませんね。

○遠山国務大臣 学長選考会議の枠組みは決めておりますけれども、そこにおいてどのような形で学長を選んでいくかというのは、先ほど申しましたような趣旨を考えながら、各大学でお決めいただくものだと思っております。

○児玉委員 そこでもう一遍、大臣と私はかみ合わせた議論をしたいんです。
 どんな仕組み、どんな構造になっているかというのは幾らか理解しました。問題は、それがどんな効果を発揮し、この後の大学をどう律していくかという問題です。
 私が先ほど出した問題、憲法二十三条に「学問の自由は、これを保障する。」日本の憲法の中で一切留保抜きの自由を規定しているものは数少なくしかありません。その中の一つです、これは。まさに無留保です。
 そして、それを大学でどうするかという場合に、あなた自身が何とおっしゃったかというと、去年の三月二十二日のこの委員会で、私の質問に対してあなたはこのようにお答えになった。「申すまでもなく、大学におきます教育研究が多様でかつ独創的な発想のもとで活発に行われていきますためには、」大賛成ですよ、こうでなきゃいけない。「学問の自由あるいは大学の自治というものは不可欠なものであります。そのことから、特に人事等の取り扱いにつきましては、別に教育公務員特例法が定められているところでございます。」あなたはそう語った。
 国会の答弁は重いものです。そして、この会議録は日本の議会が続く限り残ります。あなたはこの考えをお変えになりましたか、それとも今でもこのようにお考えになっていますか、お聞きしたい。

○遠山国務大臣 国家公務員としての国立大学の教員についての話でございます。
 今の法改正は、国家公務員としてではなくて、非公務員型としての国立大学法人の職員ということでお諮りをしているわけでございまして、私は、そこで申しましたことにおける学問の自由あるいは大学の自治というものは、今御提案をしております国立大学法人法においてもしっかりと守られる。まさにそのことを守るがゆえに、独立行政法人通則法の例外をさまざまに考えて御提案をしているところでございます。
 そこはいろいろな各条に書き込んでございますけれども、教育研究の持つ特性をしっかり配慮しようから始まって、大学の意見をよく聞いて目標を定めよう、計画についても考えようということでございまして、私どもは、そこにおける精神あるいはそこでねらおうとしているものは、まさに私どもが真剣になって学問の自由を守り、そして大学の自治を守るという姿勢のもとにこの法案を作成しているところでございます。
 これは憲法の規定でございまして、まさに委員がおっしゃいますように無留保のことでありますがゆえに、独立行政法人通則法ではない部分をかなり入れ込んで、そこのところを守ろうとしているのが私どもの姿勢でございます。

○児玉委員 いろいろおっしゃいましたけれども、私の極めて素朴な聞き取りによれば、去年の三月のこの発言は、国家公務員であった当時の国立大学について述べたことだというふうに最初おっしゃった。
 そこで言いたいんですが、あなたはそういうふうに答えていないんです、去年の三月。こう言っているんですよ。私が、教員養成系、これは全部国立ですけれども、それで述べたとき、その後あなたは何とおっしゃっているか。「今御指摘のように、」というのは児玉の指摘ですね。「大学の自治は憲法二十三条によって保障された」ものでありましてと言われた後、「これは何も国立大学に限ったことでございませんで、国公私立を通じて、大学における自律性、自主性、」それが保障されなきゃいけない、そう言っているんです。その点、変わりがないですね。

○遠山国務大臣 憲法の規定に基づく学問の自由でございますから、これは国公私を超えて守られるというのが日本国のあり方だと思います。

○児玉委員 話がかみ合ってきました。
 そうであれば、国家公務員であったときに保障された学問の自由や大学の自治がこの後も当然保障されなければならない。それは現に国家公務員でない私立についても、あなたは、「歴史的に積み上げられてきた制度、慣行」であって国と同じだとおっしゃっているんですから、そこのところをひとつはっきりさせておきたい、そう思います。
 そこで、次の問題です。
 この法律は、皆さんのスケジュールによれば、たしか二〇〇四年の四月一日に現在の国立大学から法人に移行する、法の施行は二〇〇三年の十月一日、そのとおりですね。

○河村副大臣 御指摘のとおりでございます。

○児玉委員 その移行のプロセスがどうなるかということについて、先日の議論でもありましたし、きょう、お隣の鳩山さんを含めて、非常に重要な議論があった、こう私は思います。
 そこでお聞きしたいんですが、一昨日、私どもの石井郁子議員の質問に対して文部科学省は、労働安全衛生法の国立大学における適用について、通知、指示文書等を発しているとお述べになった。つい先ほども佐藤さんに対してそう答えた。当たり前の話じゃないですか。出しているか出していないかが問題じゃないですよ。今問われているのは何が問われているかというと、明年四月一日の時点で労働安全衛生法に基づく施設設備における教職員の健康、風紀、生命の安全保持、そのために必要な改善措置、これが必要です。人事院規則、人事院規則と言われるから、熟読してみました。人事院規則はその点ではかなりラフですね。
 そして、どのような人が置かれなきゃいけないかといっぱい挙げてありますけれども、安全管理者、衛生管理者、産業医等の配置、そして労働者、労働組合の推薦されたメンバーを含む安全委員会の設置、来年の四月一日という時点でもしこれらが整備されない場合、あなたたちがこの文章の中でも盛んにおっしゃっていた日本における知の拠点としての大学が超法規的な措置になると私は考えるけれども、どうですか。

○河村副大臣 さきに大臣も御答弁申し上げたと思いますが、今回、労働安全衛生法、これの重要性をかんがみながら、四月一日に間に合わせるために最大の努力をして、今の御指摘のないようにするというのが文部科学省の私どもの責任であるというふうに思っておるところでございます。

○児玉委員 これは決意表明じゃ済まないんです。結果責任なんです。その瞬間にどうなっているか。指示を出したとか通達を出したというのは問題じゃないというのは、私はその意味で言っているんです。今どうなっているか。
 例えば、この点で、日本の大学というのは本当に残念な経過を幾つか踏まえていると私は思います。
 遠山さん、一九九一年十月二日に大阪大学豊中キャンパスで何が起きているか。基礎工学部の五階研究室で爆発が起きて、物理系専攻の院生と電気工学科四年生が亡くなって、そして負傷が随分出た。このとき、私どもの石井郁子議員は、大阪に、この現場に行きました。一九九二年八月十日午前十一時、北海道大学工学部応用物理学科G百五十二教室で何が起きたか。液体窒素を使っていた実験研究の中で助手、院生二名が亡くなって、このときは、私はその直後に北海道大学に行きました。そして、なぜそういう事故が起きたかということをいろいろ伺った。
 そこで、私は聞きたいけれども、先ほどから出ている労働安全衛生法に適合する状態になるための予算の算定をしたのか、しなかったのか。今からすると言っているので、私はどうも理解できない。そして、その財源をどこから出すかといったら、きょうの午前中でしたか、河村副大臣は補正予算とおっしゃったけれども、不明にして私は、この後小泉内閣が今年度中に補正予算を出すということを約束しているとは聞いたことがないんです。
 この労安法に移行するために必要な予算を算定したのか、しなかったのか。そして、当然、皆さんはその点では熟達しているから、どのくらいの推定額か、そして財源はどこから出そうとしているか、改めて聞きたい。

○河村副大臣 私が補正予算ということを申し上げましたのは、内閣の方針が決まっていないのに僣越であったかと思いますが、どうしてもこれは必要であれば、政府に対してといいますか、文部科学省として要求しなきゃいかぬな、私はとっさにそう思ったから申し上げたわけでございます。
 現状では来年の四月一日から実際に移していかなきゃいかぬ。法律違反的な条項あるいはそれをなくしてスタートさせる、これは当然のことだ、私はこう思っておりますが、現実に、その細部にわたってということになりますと、この労働安全衛生法の適用の、どの部分をどうすればいいかということを今厚生労働省とも詰めなきゃいけない部分もあるわけでございます。これは改善命令で、いつまでに改善しなさいということで済むこともありましょうし、法的にきちっとしなきゃいけない部分も出てくるでありましょう。
 そういうものをある程度精査しなきゃいかぬということで、さきの、午前中に山元委員にもそのようにお答えをしたわけでございますが、当面は整備費二千六百億ですか、そのうち一千億を用意しておりますが、それを充当してやっていくということで、早急にその細部を出せと先ほどからも求めておられるわけでございますが、今月中にかなり詰めた数字を出していきたいというのを今事務当局で考えているようでございますから、その時点ではそういうものがはっきりするというふうに思っております。

○児玉委員 私は、それは衆議院の審議に対する侮辱じゃないかと思う。それだったら、今月中、審議続けましょう。参議院に行ったときに資料なるものが出てくる、そういうのは後の祭りと言うんですよ。こんなふまじめなことでいいですか。
 例えば、同じように、最近独立行政法人に移行した産業技術総合研究所というのがあります。ここも技術研究その他を真剣にやっている。職員は三千二百人、箇所数は、ちょっといろいろ調べてみたけれども、あれを一カ所と見るかどうかというのがあるようなんで、十数カ所と言っておきましょう。ここで二〇〇一年法人移行に際して、責任を負う省庁は結果責任をとりましたよ。そして、それを、指示を出したとか調査はしているなんて、そんな生易しいことでなくて、何十何億何千何百万円という予算を明確につけて、そして二〇〇一年四月一日に法人移行したようです。そのことの是非は別ですよ、独立行政法人化がいいとは私は思わないから。
 そこで、もう一遍聞きますが、河村さん、確かに補正予算を出すというのは今からの大問題で、あなたや遠山さんに決めていただくことではないだろうと思う。三千二百人のこの産総研でも、アバウトに言って二十五億円かかっているんですよ。そして、全国の大学でどうかというのは、さっきの大阪大学と北海道大学の例にも、悔しいけれども見事に出ている。
 そういう中で、今現場の人たちがどういう思いをしているか。国大協、この前参考人に来た石さんは、私はその点では無責任だと思う。というのは、このままだと四月一日の施行が無理だから運用上の配慮ができないかなんというような文書を出す国大協の責任者というのは、責任は負えない。そして、その文書について、例えば山形大学のある学部長が山形大学の仙道富士郎学長に対してこの五月十三日に意見を出していますよ。
 運用上の配慮とは、教職員の労働安全に関する権利を無視する違法行為を合法化することです。労働基準法と労働安全法の国立大学法人への適用を除外する超法規的措置が文部科学省の権限でできるとは思えません。そして、運用上の配慮によって教職員が違法行為に加担させられます。
 まさにそうなるじゃありませんか。大臣、どうです。

○遠山国務大臣 来年四月に法人化いたしますと、現在の人事院規則に掲げられている基準より、委員は人事院規則をラフだとおっしゃいましたけれども、私はそれなりのしっかりした中身だと思いますが、それよりさらに詳細な面も含まれる法律、別途あるわけでございまして、それに合法的でなくちゃならないというのはおっしゃるとおりでございます。
 まだこれから四月一日までの間に時間がかなりございます。私どもといたしましては、既に各大学の実情を調査し終わっております。そして、それに対する改善計画を今各大学がつくっております。それについて、それぞれの内容をもらいまして、それを精査し、そして国としてこれぐらい、これからどれだけ要るかということをもちろんやるわけでございますが、私どもの考え方では、十分に必要なことにこたえられるだけの予算措置は今のところしているのではないかと思います。
 それは、まだ細部にわたっての幾ら幾らというところまではいっておりませんけれども、これから四月に至るまでの間の私どもの責任でもございますし、各大学の責任でもあるわけでございます。そういう違法状態が生じないように一生懸命やるということを、政府の責任において答えさせていただきます。

○児玉委員 今あなたの言った言葉を決意表明と言うんですよ。やりますと言うけれども、結果がどうなるか――何ですか、いいじゃないですかと。何と言った、あなたは。言いなさい、今の言葉を。失礼じゃないか。まじめにやれ。

○古屋委員長 児玉健次君、審議を続けてください。

○児玉委員 今の言葉、取り消しなさい。

○古屋委員長 委員長が指名をした言葉ではございません。

○児玉委員 あなたに聞こえたでしょう。
 そういう態度で、あなた、大臣が務まると思いますか。
 そこで言いたい。この労働安全衛生法について言えば、百十三条というのがあって、経過措置は極めて限定されています。
 あなたは今、私はちゃんと聞いたけれども、いいじゃないと言ったけれども、労働安全衛生法に関する管理体制が不備である場合は、事業所への立入検査、建造物の使用停止命令、罰則等が適用されます。そういった場合に、あなたはどのような責任をとりますか。いいじゃないと言いますか。

○遠山国務大臣 今の時点で、政府が責任を持ってこの点については対処をするというお答えをしたわけでございます。
 そのことにつきまして、私としては、ここで明言することによりまして、各大学におかれてはぜひ改善計画をしっかりと立てて、そしてみずからも努力をし、我が省も努力をするという形で、来年度の法適用後において違法がないように一緒に努力すべきではないかと思います。
 今、労働安全衛生法に違反した状態が仮にあった場合どうなるかということで調べてもらいましたけれども、通常、労働基準監督署から指導があります。そして、それでもなお改善されない場合、それから労働災害が起こってその原因がこの違反であったような場合にいろいろ罰則適用とかがあるわけでございます。
 私どもとしては、そこに至るまでの間に、これからの四月までの間に必要なことについてはしっかりと対応する、そういう考えでおります。

○児玉委員 きのう、私は、まさに労安法を担当している厚労省の担当者と相当突っ込んだ議論をしました。あなたが今言った、直に罰則だとか立入検査が来るのではないと。そこにあなたは期待しているんですか。

○遠山国務大臣 私の言いたいことは、法施行までの間にしっかりと国と大学とが協力をして、この問題を事前に解決し終わっておくべきだと思っております。

○児玉委員 まさに結果責任で、あなたは今答弁の中で、それぞれの大学において努力してもらうという趣旨のことを言ったけれども、これはそんな性質のものではない。あなたたちの責任です。
 そして、そうならなかったときに、あなたはどのような責任をとるか、はっきりさせてほしい。

○遠山国務大臣 大学の施設でございます。大学がその教育研究に用いる施設設備につきましてしっかりと管理をして、そして本当に必要であれば、緊急のものについては優先的に私どもでそれを安全なものにするように努力するわけでございまして、私は、大学が何も責任がないというおっしゃり方は、それは大学に対してむしろ問題ではないかと思います。
 この問題は、大学側と我が省と両方で問題の解決に当たるという性質のものでございましょう。

○児玉委員 あなたが言うせりふではないんです。文部科学大臣がそれぞれの大学の責任においてなんということを、この法律を出した立場から言えませんよ。それぞれの大学は今まで人事院規則について一定の努力をして、国大協は間に合わないと思ったから運用上の配慮と言ったんです。
 そこで、最後に言いたい。
 私は、これは結果責任だと思う。四月一日にそのようにならなかった場合に、この法案を凍結すべきだ。どうですか。

○河村副大臣 私どもとしては、そういう事態の起きないように全力を尽くす、そういうことを申し上げたいと思います。

○児玉委員 終わります。

 
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