156/衆/青少年問題に関する特別委員会/6号/2003年5月13日


国務大臣(国家公安委員会委員長)
谷垣禎一君
総務副大臣
加藤 紀文君
政府参考人(人事院事務総局人材局長)
佐久間健一君
政府参考人(警察庁生活安全局長)
瀬川勝久君
政府参考人(総務省総合通信基盤局長)
有冨寛一郎君
政府参考人(総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)
鈴木康雄君
政府参考人(法務省刑事局長)
樋渡利秋君
政府参考人(経済産業省大臣官房審議官)
松井英生君
衆議院調査局青少年問題に関する特別調査室長
石田俊彦君

石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 きょう、私も、法案条文に則して幾つか質問をさせていただきます。
 まず、この新法における事業者の責務なんですね。7条、8条がありますが、第9条には、「児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。」というところがございます。「障害を及ぼす行為を防止するための措置を講ずる」ということは、どういうことを課しているのでしょうか。
瀬川政府参考人 お答えします。
 本法9条におきます、「児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置」ということの内容でございますが、インターネット異性紹介事業者は、具体的には次のような措置をとっていただくということが考えられるわけでございます。
 まず、第6条各号に掲げる行為、いわゆる不正誘引行為が罰則をもって禁止されているという旨を表示して、利用者の注意を喚起してもらう。それから、不正誘引行為のほか、買春の誘引行為その他の児童の健全な育成に障害を及ぼす書き込みが行われたというものを事業者が発見した場合には、その書き込みを削除して、公衆に閲覧をさせないようにしてもらう。それから、児童がインターネット異性紹介事業を利用したと疑われる場合には、その者の書き込みを削除し、公衆に閲覧をさせないようにする、こういったことが考えられるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この規定というのは努力義務規定でございまして、事業者はそれぞれ、みずからの技術力や措置に要するコストの負担能力に応じて、可能な範囲の措置を講ずることが期待されているところでございます。
石井(郁)委員 いろいろ議論されているんですけれども、児童買春の問題を解決するためには、児童の性を商品化する、そういう社会風潮やそれを助長している大人の問題があるということなんですが、この法案では、同時に書き込みをする児童にも問題があるんだと。そのための抑止効果を発揮しなければならないというようなことで言われてきているわけです。
 ここで、児童に責任を同時に問わなければならないと一方でかなり言っているわけですから、本当に児童に責任を問うのかどうか、問わなければならないのかどうかということを言う前に、やはりその入り口で書き込みを減らしたいというのがこの法律の大きな立法趣旨だということを言われておりますから、書き込みを減らしたいということだったら、やはりまず第一に、そのサイトの開設者に、今言われたような、してはならない、防止措置というものを周知徹底させる、その責任をきちんと果たしてもらうということの方が先ではないのかということなんです。
 だから、そういうサイトに子供からの書き込みがあったらまず削除させるとか、そういうことを開設者自身が率先してやれば済む話なのに、なぜそれができないのかという歯がゆさがあるわけでしょう。そういう措置で済むのではないのかということが、なぜもっと強くというか、それをどこまでの権限でどうするかという問題もありますけれども、やはりまずサイト開設者に、あるいは事業者にきちんとその責任を果たしてもらうということについて、この9条はいわばどのぐらいの効果を持つのですか。
瀬川政府参考人 お答えいたします。
 サイトの事業者でございますけれども、これは大きな企業から本当の個人に至るまで大小さまざまでございまして、いわゆる出会い系と言われる事業者の数も、実は、現在のところ正確にはわからないわけでございます。こういった事業者に対してどのような義務づけを課していくのかという問題がまずございます。
 それから、児童の利用を防止するために一番必要なのは、利用者がだれなのかということを確実に本人確認をすることが非常に重要でございますけれども、現在のところ、残念ながら、インターネット上で簡単かつ確実に本人確認をする仕組みというのは普及をしておりません。
 したがいまして、インターネット異性紹介事業者が、先ほど申し上げました、さまざまな方がおられるということからして、そういった事業者が一律に実行できる、かつ、一定の効果が期待できる措置として、その利用者の自主申告に基づく年齢確認措置にとどまらざるを得ないという状況になっているわけでございます。
 ただ、これも、自主申告ではありますけれども、例えば思いつきでありますとか単なる好奇心でありますとか、そういう形で、ちょっと見てみよう、利用してみようという児童に対しては非常に効果があるというふうに私どもは考えているところでございます。
 したがいまして、9条の義務づけでございますが、先ほど来御説明申し上げましたようなことを私どもとしては大いに期待をしていることでございますけれども、これは一応努力義務規定ということになっているものでございます。
石井(郁)委員 技術的にまだいろいろ難しい問題もあるということも言われましたけれども、私は、事業者の責任、責務ということで言うと、ここら辺が、今お話しのように努力義務規定で終わっているというあたりが、どうも事業者に対しての弱腰が見えるわけでして、その辺はやはりこの法案の一つの問題点ではないのかなというふうに思うのです。こういうことをしちゃいけないという点では、事業者にもっときちんとした責務を課すべきだということを私は第一に申し上げたいと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。
 それから、次の問題が、一方で利用者の方も問題があるんだ、子供もアクセスしているんだということで、その児童に加罰するということがずっと議論になっているわけでございますけれども、その背景に、誘う側の子供も悪いじゃないかという問題がずっとちらちらありまして、私は、これはやはり性犯罪あるいは児童の性を売り買いするという問題の本質を見誤ることになるのではないかとずっと思っております。児童が買春の書き込みをするというのは、やはりそれが売れるからだ、買う側の大人の存在があるからだということでやっているわけですから、ここはもう紛れもない事実だと思うんですね。
 そこで、先日の参考人の陳述でも、やはり大人が買わなければ子供はそういう行為に走らないんだと。大人の社会が圧倒的なんですから、子供から見て。大人の社会にそういう風潮とそういう条件が蔓延していて、それに子供がいろいろ染まっていくというのは、これは第一義的に子供の責任ではないでしょう。しかも、性を売り買いする、売買の対象にする、まさにやってはいけないという行為なわけですから、そういう問題では事柄ははっきりしていると私は思いますが、改めまして谷垣大臣に、この児童買春ということに限って、児童は一体被害者なのか加害者なのかということを明確に認識をお示しいただきたいと思います。
谷垣国務大臣 児童買春について、児童が被害者なのか加害者なのかというのは、児童買春、児童ポルノ法の立て方は、明確に児童が被害者である、こういう観点でつくってある法律であります。
 もちろん、あの法律も、子供の性的な商業的な搾取、例えば児童がそれをやって、例えば搾取してもうけていたとか、もうけていたというのは適当かどうかわかりませんが、搾取する側に回れば子供もやってはいかぬという体系ではできておりますが、いわゆる児童買春と言われる場合の子供は被害者であるという視点でつくってあるわけであります。
 今度のこの法律は、そういう観点から見ると問題ではないかという立場からの今の御議論だと思いますが、先ほどから議論させていただいておりますように、やはりこの法律の出発点は、いわゆる出会い系サイトを場として、ここでいろいろな悲惨な犯罪が起こっている事例が過去にありました。
 そういうことを考えますと、こういう場を利用して児童の性を商品化するような申し出をする、それは対価を払っての場合もあるし、子供を相手に、どなたか相手はいませんかというような対価を払わない場合であっても、児童買春のみならず、非常に危険な犯罪、それを蔓延させていく危険というものがある。それはさらに児童の性の商品化も進めていくことである。それから、先ほど局長も御答弁しておりますように、そういうことを身近な人がやっていれば、ああ、こういうことをやってもいいのかといって、また新たなものをつくっていく要因にもなる。
 だから、児童の性の商品化を守るためだと言えばちょっと抽象的ですけれども、それだけではなくて、現実にこういう危険な場をできるだけ抑えていこう、そういうのが法益であるわけでありますので、つまり、そういう立て方でありますと、例えば殺人であるとか買春の相手方をどうするという場合だと被害者という概念があるわけですけれども、ここの場合にはやや被害者という概念の立て方は難しいのかな、こう思っております。
石井(郁)委員 大変御丁寧に御答弁いただきましたけれども、やはりこの出会い系サイトの場をめぐって、そこが発端となっていろいろな犯罪が起こる、そして児童が巻き込まれる、そのことの御心配というのはある面ではよくわかるわけです。
 しかし、問題は、何度も言いますが、そこで性の売買、児童買春が行われるということについて言うと、やはり子供は書き込みする側であっても被害者なんですという立場に立たなければいけない。つまり、誘う子供が悪いんじゃなくて、やはり誘っても児童は被害者なんですよ。その認識にきちっと立つべきだ。そうしないと、児童買春禁止法との整合性がないと思うんですね。それが第一点です。
 それから、これまで警察庁自身もいろいろ少年非行等について書かれたときには、やはり性非行への対応のポイントとして、表面的な言動に惑わされないことだとか被害者の視点を持つことだとか、そういうことをずっと一貫して言われているんですよね。だから、やはり少女売春とよく言われるそういうことについても、それは被害者としての視点を持つことが大事だというのは、カウンセリングなどで述べられているとおりなんですよ。
 だから、そういうことに立って考えますと、それがきっかけでさまざまなことが起こったとして、それを何とかしなければならないという抑止効果を考えるということはわかるんですが、なぜ、同時にそういう児童までも処罰の対象にしなければいけないのか。禁止まではわかりますよ。禁止するというのは必要なことです。しかし、なぜ被害者である児童まで処罰の対象にするのか、加罰の対象にするのか、ここはどうしても説明がつかないわけですよ。
 大臣、御説明いただけますか。
谷垣国務大臣 委員の今の御発想は、やはり児童買春等に結びついていくんだ、したがって、児童買春の方の発想でいけば、仮に最初に声をかけたとしたって子供は被害者なんだ、では、ここで違っているのは矛盾じゃないか、平たく言えばそういうことをおっしゃっているわけですよね。
 それで、実は児童買春のときは、まさに買う、買われるというのがあって、被害者だというのはあるわけですが、ここはそういうことに直接着目しているという、もちろん性の商品化一般に着目はしておりますけれども、この場をきっかけにして凶悪な犯罪が起こり得る、つまり、そういうところに巻き込まれる子供の危険というものが保護法益なわけです。そういう危険ある行動は何人もしてはいけない。それは子供であろうと大人であろうと同じことだ。大人が、ここに16歳の子がいる、交際を希望しているから紹介するよということをやったっていかぬ、こういうことだろうと思うのです。
 ですから、委員は説明がつかないとおっしゃるけれども、児童買春禁止法でも、ああいう児童を商業的性的に搾取しちゃいかぬということは、そのための刑罰規定は、何人といえどもこういうことをやった者は罰せられる、こういうふうになっているわけです。
 そこで、あとは結局、では犯した場合にどうなるのか。そのことで、つまり好奇心や、先ほどからいろいろな御議論で、あるいは渇きみたいなものもあるかもしれません。出来心でこのサイトに書き込みをして、たまたま対象になってしまった子供をどうするかということになりますと、それは少年法等の保護の体系でカバーしようじゃないか、こういう発想でできているわけであります。
石井(郁)委員 少女をめぐるいろいろな性の問題、大人社会も含めてですけれども、こういう問題というのは、本当に社会の全体から出てくる、教育の問題も含め、マスメディアも含めて、もっともっと掘り下げた議論がいろいろな角度から必要なんですね。
 この特別委員会で、ちょうどこの出会い系サイトの規制法案を出されて、今こういう議論になっていますけれども、私自身も国会の場で、長年いますけれども、性の商品化という問題は初めて質問させていただいているわけで、本当に子供をめぐるこういう問題というのは、日ごろからいろいろな議論が必要だったなということを今痛感もしているんですね。
 私が問題にしているのは、少年非行のいろいろな実態、それこそ日本の社会の、この20年ぐらいでしょうか、特にそういう少女売春だとかという形でずっと問題になってきたということを見ていますけれども、これもちょうど「警察時報」を見せていただいたんですが、平成14年の上半期の少年非行等の概要についてというのがありまして、そこでも「少女たちが出会い系サイトにアクセスする直接の動機は、」というのが書かれてありまして、これを見たんですけれども、やはりそういうことをやることに対して罪悪感を持っているというんですよ。私、ここら辺に、やはり子供は子供として健全な部分はあると思うのです。
 だから、大人から見て、そういうことに走っているかのように一部現象が見えたりするけれども、決してそうではないと。これはちゃんと書いていますよ、「売春行為そのものには抵抗感が強い。」と。罪悪感を持っているんですよ。しかし、なぜそういうことをするのか。そこが次の問題ですけれども、やはり「満たされていない愛情欲求や依存欲求を求めるかのように、みせかけの優しさに心も体もを許してしまう子が多い。」ということで、いわばそういうことの誘いの網というか、わなにやはり乗ってしまう。それはその子の弱さだと言ったらそれまでになってしまいますけれども、そういう子供の優しさを求めるのに乗じてというか、そういうサイトを開いて、交際をしていく側があるわけでしょう、求めていく側が。
 だから、その辺で言うと、私は、やはり書き込みする子供たちをどうやってさせないようにするかというのは、もっと社会的に、こういうことをしちゃいけないということも言いつつ、教育の問題、あるいはそのケアの体制、いろいろなことで考えていかなきゃいけないというふうに考えているわけです。
 そういうことで、罰則ということがどれほどの有効性があるのかという問題ですね。事業者に対して余り有効的でなくて、子供には加罰をしてこういう危険なところから子供を救うというやり方は、ちょっと違うんじゃないかということなんです。私は、子供たちになすべき行政の側の取り組むことというのはもっとほかにいろいろあるんじゃないかということを強く思っておりまして、ぜひ警察庁も、関係省庁とも連携していろいろな、そういう子供に対する必要なケアとかそういう体制を充実させてほしいということが私の要望でございます。
 その点、何かお答えいただけますか。
瀬川政府参考人 お答えいたします。
 性非行に走る少女について私どもがどういうふうに接すべきかというのは、今委員が御質問の中でまさに触れられたとおりでございまして、そういう認識で私どももそういった少女の立ち直りに対して一生懸命努力をしなければいけない、こういうふうに考えているところでございます。
 また、児童買春、児童ポルノ法ができましたときに、そこの15条等の児童保護の規定もございます。私どもとしましても、こういった規定も受けまして、そういった被害に遭った児童に対する支援活動とか、あるいは児童相談所等の連携の強化ということについても第一線に指示をしているところでございます。まさに今後とも関係省庁とも連絡して、こういった現実の被害に遭った児童に対する保護でありますとかケアでありますとかいうことをさらに強力に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 ただ、本法におきます不正誘引行為というのは、先ほど来御答弁申し上げましたとおり、その児童が各種犯罪の被害に遭うおそれがあるということだけではなくて、社会一般にやはり児童の性の商品化ということを蔓延させていくという問題があり、かつ、そういった不正誘引をみんながやっているということ、そういうものを見た児童が安易にみずからも不正誘引行為を行うという問題がある、大変これはそれ自体悪質な行為であるというふうに考え、何人についても禁止をするという法律案としたものでございます。
 しかし、当然のことながら、これも、本日御答弁申し上げましたとおり、各種の事業者規制を設けておりますので、児童が今までのように何の障害もなく出会い系サイトにアクセスをしていくということは、この法律によりまして極めて難しくなる。実際に書き込みで不正誘引をする場合というのは、事業者の方々がこの規定を遵守していただければ、みずからの年齢を偽って、援助交際等を積極的にやるという考えで、年齢を偽って出会い系サイトにアクセスをしていって書き込みをする児童というものに、初めてこの6条の禁止規定が働くことになる、こう考えておるものでございます。
石井(郁)委員 少し具体的に確かめておきたいんですけれども、先ほども出会い系サイトをどう定義しているのかということで、大変広い概念になっていないかという問題、どう特定するのかというようなことが出ていたと思うんですが、何か総務省とも相談してガイドラインを作成されるということを聞いておりますけれども、そのポイントとなるような点、どういうものになるのか、今、お示しできたら伺っておきたいと思います。
瀬川政府参考人 これは、インターネット異性紹介事業について、2条2号で定義を書いてあるわけでございますが、累次、委員会でも御質問がありますように、例えば、趣味のサイトは当たるのかとか、それから単なるメル友のサイトは当たるのかとか、そういう御質問もあったところでございまして、そういったものについて、こういうサイトは当たる、当たらないということが明確にわかるような形でガイドラインを作成していくということを考えております。
石井(郁)委員 これもいろいろ言われているとおりなんですけれども、先日も参考人質疑で、宮台参考人から、出会い系になり得ない書き込みサイトというのは存在しないということもございました。それで、定義のあいまいさについての疑問が出されていましたので確かめたわけですけれども、新法で規制の対象となるサイトの要件が異性紹介事業になっているんですね、面識のないとかいろいろありましたけれども。今お話しのように、趣味のサイトは定義から外れるとございました。しかし、どうしてそんなにはっきり区別できるんだろうかというのがまだわからないわけです。
 それで、法案では、このサイト、異性交際を希望する者の求めに応じる役務を提供しているかどうかだというんですけれども、これはどうやって判断というか、どういう区別がされるわけですか、教えてください。
瀬川政府参考人 「異性交際を希望する者の求めに応じ、」ということでございますが、異性交際を希望する者を対象としてサービスを提供する、こういうことでございます。そのサイトが客観的にどういうサービスを提供しているかということで判断されるべきものと考えておりまして、例えば、異性交際を希望する者というのは、相手方が異性であることを必須の条件として交際の相手方を求めるということになりますので、通常、こういったサイトにおきましては、書き込みをした者の性別がシステム上で明らかになる。例えば、男の人がアクセスをしまして女性を探す。異性交際を求めるわけですから、女性を探すわけですので、女性で書き込みをしている人たちを探せるようなシステムを持っているサイトということになります。
石井(郁)委員 では、これもまだまだ、私もガイドラインをしっかり見せていただいて考えなければいけないなと思いますが、結構です。
 それで、例えば、トップページに山好きのサイトとうたっても規制になるのかどうかなんですけれども、確認したいのは、例えば山好きのサイト、山が好きだということで、そこに出会いのページがある、掲示板もメール送信機能もある、こういう場合はどうなりますか。
瀬川政府参考人 結局は、法の2条2号の要件に該当するかどうかということでありまして、山好きサイト、こういう名称でありましても、その中身が単に登山を趣味とする人たちの集まりのサイトであれば全くこれは当たることはないわけでございますが、客観的に見て、それが2条2号にありますような四つの要件、異性交際を求める者の求めに応じるとか、今私が御答弁申し上げましたような、それが結局、男女の性別が明らかになるような仕組みをとっているとか、そういったことによって、実質的な要件で判断をされるということになろうと思います。
石井(郁)委員 そうすると、かなり中身に入って、この第2条の2号の要件がどうなのかということを見ていくことになるわけですね。それはいいでしょう、おいておきます。
 ちょっと具体的な話ですけれども、例えば、児童の場合、書き込みをした、そして規制対象となるような行為をしているという場合、その捜査の仕方というのはどんなことになるんでしょうか。書き込みをしたという、そのことから捜査が始まるんですか、携帯電話はその場合にどんなふうに使われたりするのか、ちょっと伺っておきたいんですけれども。
瀬川政府参考人 これは、警察が例えばサイバーパトロール等で、そういった出会い系サイトの掲示板、これは公になっている、公開されているものでございますので、そういったものをサイバーパトロールする中でそういう書き込みを発見するということが端緒となるわけでございまして、それを発見した場合に、例えば公開のデータベース等を活用するなどして、どのサーバーからその不正誘引が行われているのかということを特定し、必要により捜索・差し押さえ令状等で通信ログ等を差し押さえるというようなことから、どの端末から不正誘引が行われたかということを確認していくということになります。
 例えば、端末を特定したとしても、具体的にその端末を利用して当該書き込みを行ったのがだれであるのかということについても、さらに進んだ捜査を行うことによって、最終的に書き込みをしたその当該人物を特定するという形で捜査が進むものでございます。
石井(郁)委員 もう時間が参りまして、私は、やはりまだいろいろな問題が残されているという気がしてなりません。
 それで、最後に一言なんですが、インターネットが世界的に普及する中で、こういう出会い系サイトで少女買春などについて、あるいは性犯罪そのほかの犯罪についても、こういう防止の法律をつくらなければならないというのは日本だけだということでございますが、私は、何かそういうところに今の日本の問題点があるなというふうに思うんですが、こういう法律が本当にどれだけの有効性があるのか、ないのかを含めて、今後もっと私自身も考えてみたいということを申し上げて、きょうは質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

*

石井(郁)委員 私は、日本共産党を代表して、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律案に反対の討論を行います。
 本法案によって、出会い系サイトで売買春等の誘引の書き込みをしただけで児童に罰則が科せられるのは、児童を保護するという法案の目的に矛盾すると言わざるを得ません。児童買春など本来児童が被害者として扱われるべき諸犯罪において、誘引行為を切り離して児童を処罰の対象にすることは、犯罪に巻き込まれるのは児童にも落ち度があると、児童にも責任をかぶせようとするものです。これは、児童売買春はあくまで児童を買った大人の責任とする児童買春禁止法や子どもの権利条約、ストックホルム宣言などの画期的な精神を後退させるものであり、容認できません。本来は児童を問題行動に追い込んでいる環境や風潮をつくり出している大人の責任こそが問われるべきであり、本法案第9条で事業者に対しては児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止措置を努力義務にとどめているのは、大人の責任をあいまいにしていると言わざるを得ません。
 また、規制対象の定義は範囲が広過ぎるのではないか、捜査方法など警察の職権が不明確で、サイト開設者や児童のプライバシー・通信の秘密が不当に侵され、市民生活への過剰規制につながるのではないかという不安もぬぐえません。犯罪被害の防止と捜査の効率性を対立的な構図として解決せず、国民の諸権利と調和した適切な規制方法のためにも、定義や職権について一層の明確化が求められることを指摘して、反対討論を終わります。(拍手)


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