2003年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
義務教育費国庫負担法改悪案が27日の参院文教科学委員会で与党の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
改悪案は、義務教育にかかる国庫負担金の一部を削減し、一般財源化をはかるものです。
採決に先立ち反対討論に立った日本共産党の林紀子議員は@義務教育に対する国の責任を後退させるA自治体の財政負担増につながるB義務教育費国庫負担制度全体の見直し、一般財源化に道を開き、「教育の機会均等」「義務教育無償」の原則を崩しかねない―などと批判。
「いま求められることは、国庫負担金制度を堅持・充実し、国の責任で少人数学級のじつげんなどゆきとどいた教育を実現することだ」と述べました。
2003年4月7日(月)「しんぶん赤旗」
義務教育外に流用増 国庫負担の削減に反対 林議員
林紀子議員は3月27日の参院文教科学委員会で、政府が義務教育にかかる国庫負担金の一部を削減し、一般財源化しようとしていることについて、「義務教育無償の原則からいって、国庫負担金のカットはやるべきでない」と批判しました。
林氏は、1980年代以降、教材費などが国庫負担金からはずされて一般財源化(交付税で措置)されたため、予算が教育目的にきちんと使用されなくなったと指摘。2002年度予算では「学校図書館の蔵書充実」を名目として地方交付税が22億円増額されましたが、実際に自治体が「蔵書拡充」のために使用した費用の伸びはわずか1億円だけでした。林氏は、「使途が明確化されない交付税による措置は他の目的への流用という危険がつきまとう」と批判しました。
文科省の河村建夫副大臣は、「交付税そのものが各自治体で自由に使える予算という性格をもっている」と一般財源化の問題点を認めました。
平成十五年三月二十七日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
北岡 秀二君 佐藤 昭郎君
三月二十七日
辞任 補欠選任
佐藤 昭郎君 近藤 剛君
岩本 司君 輿石 東君
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出席者は左のとおり。
委員長 大野つや子君
理 事
仲道 俊哉君
橋本 聖子君
佐藤 泰介君
山本 香苗君
林 紀子君
委 員
有馬 朗人君
有村 治子君
大仁田 厚君
後藤 博子君
近藤 剛君
中曽根弘文君
江本 孟紀君
神本美恵子君
輿石 東君
山根 隆治君
草川 昭三君
畑野 君枝君
西岡 武夫君
山本 正和君
国務大臣
文部科学大臣 遠山 敦子君
副大臣
文部科学副大臣 河村 建夫君
事務局側
常任委員会専門
員 巻端 俊兒君
政府参考人
総務省自治財政
局長 林 省吾君
財務省主計局次
長 杉本 和行君
文部科学省生涯
学習政策局長 近藤 信司君
文部科学省初等
中等教育局長 矢野 重典君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特
別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
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○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
今日は義務教育費国庫負担法の論議をめぐって二日目になるわけですけれども、おとといの論議の中で遠山大臣はこういうことをおっしゃいました。構造改革という大きな国の流れはあるが、教育において国の果たす役割は何かを考えなければならない、貧すれば鈍するというような国になってはならない、たしかこういうふうにおっしゃいまして、大変印象に残っているわけですけれども、それでは、この教育において国の果たす役割は何かということと、今回論議になっております義務教育国庫負担法との関係、どういうことになるのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 義務教育の重要性にかんがみまして、国としてなすべき役割は幾つかあるわけでございます。
先ほど来申しましたように、法制度であり、カリキュラムの内容についての基準を作成することであり、指導助言であり、そして同時に、条件整備ということも大事でございますし、特に義務教育を担っていただく教員の方々の質の確保という角度から見て、義務教育費国庫負担制度というのは、国の責任による私は最低保障の制度であると思っておりまして、これは国がどのような場面になっても果たしていくべきものだというふうに考えているわけでございます。
教職員の給与費等の二分の一を国が負担することによって、全国的な観点から義務教育の機会均等あるいはその水準の維持向上というのが図られるわけでございます。同時に、その制度、運用等につきまして余り硬直的であるようなことは改め、見直しすべきことがあれば見直していくというスタンスは取りながら、義務教育費国庫負担制度の根幹はしっかり守っていくということが、私は未来の日本にとって極めて重要な土台となることであるというふうに考えております。
○林紀子君 この法律の第一条には、義務教育無償の原則に則り、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的とする、何回か引用されましたけれども、こういうふうにうたっているわけですね。
当初、教職員給与費及び教材費で始まったこの負担制度といいますものが、その後、当時の生活水準の向上や社会保障制度の確立、そういうものが充実していく中で負担する経費の対象も拡充されていったと思います。
しかし、八〇年代以降、政府の進める臨調行革路線の中で、教材費、旅費、これが一般財源化されていきましたね。教育の機会均等と水準の維持向上のためにという目的は、これは変えられていないわけですけれども、こうして一般財源化された教材費、旅費、こういうものは必要な経費ではなくなったと、そういうことでこの国の負担から外されていったものなのでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、昭和六十年度以降、逐次義務教育国庫負担の対象経費の見直しが行われてまいっておりまして、これは、義務教育に関する国の責任を適切に果たしながら、その上で国と地方の役割分担、また国と地方の費用負担の在り方の見直しを図るという観点に立って義務教育国庫負担対象経費の、その負担対象経費を限定してまいってきたものでございます。
その際、文部科学省といたしましては、その経費の性格にかんがみまして、それを国庫負担対象外としても、先ほど御紹介がございましたけれども、義務教育国庫負担制度の目的に支障が生じないかどうかということにつきまして、十分検討した上でそれらの経費の一般財源化を図ってまいったものでございます。
○林紀子君 今御答弁にもありましたけれども、教材費などが一般財源化されたときの審議、八五年、一九八五年ですけれども、我が党議員の質問に対して、当時の松永大臣は、全体としては父兄負担をさせないで、交付された地方交付税による財源に基づきまして教材の整備が着実に進んでいくように今後とも適切な指導をしていくとおっしゃっております。
しかし、現在どうかといいますと、これは東京のある地域の例ですけれども、教科備品費といいますのが九八年から五〇%減らされてそのままになっている。また、ワークとかドリルの保護者負担、こういうことが行われている。
文部省が調査した父兄が支出した教育費、保護者が支出した教育費調査というものでは、一般財源化される前の八五年度の学用品・実験実習材料費、それから教科書以外の図書費、こういうものは公立小学校で一万九千四百十八円、こういうことだったんですが、実施されてから五年後には二万一千六百九十五円、中学校では三万三百八十七円が三万二千百三十四円というふうに引き上げられているわけですね。
こういうふうに授業などに必要な経費が保護者負担になっている、こういうことについてどうお考えになりますか。
○政府参考人(矢野重典君) 教材費につきましては、委員お話しのとおり、昭和六十年度の一般財源化以降、各学校における標準的な教材整備が図られますように、必要な経費につきまして地方交付税措置の充実に努めてまいったところでございまして、平成十四年度、今年度でございますが、今年度からは、今年度は新たに教材整備計画、平成十四年度から十七年度までの五か年計画の新たな教材整備計画をスタートさせ、更に充実を図っているところでございます。
そこで、今お話がございました交付税措置による整備の対象となっている教材は、これは例えば学校のピアノ、体育の跳び箱あるいは地球儀など学校に備える備品でございまして、これらは公費で負担することとなるわけでございますけれども、そういう意味でこれらの経費を保護者に負担転嫁させることはこれはないというふうに思っているところでございます。
ただ、例えば教材といっても、例えば各教科のワークブックや、あるいは音楽用の笛とかハーモニカなど子供が保有することとなる学用品等の教材につきましては、これは個人で所有するものでありますから、元々公費による負担の対象とならないものでございまして、これは各地方公共団体において保護者への費用負担をお願いしているということでございます。
なお、その保護者の費用負担についてお話がございましたけれども、各教育委員会の学校管理規則等におきましては、教材の選定に際しまして、保護者の経済的負担について特に考慮しなければならないというふうに定められているところでございまして、このような個人所有の学用品等についても、保護者の経済的負担に配慮しつつ、適切に対応していただく必要があろうかと思っております。
○林紀子君 今、新たに新整備計画で交付金の措置というのも増やしているんだというお話ありましたけれども、しかし、交付金の措置ということになりましたら、それは積算の根拠にはなっても、本当にそれがきちんと使われるのかどうか、そういうところは非常に疑問なわけですね。
これは河村副大臣が一番よく御存じのところかと思いますけれども、学校図書館の蔵書充実のために国は今年度地方交付税、前年度比で二十二億円増やしたと。ところが、実際、これは文部科学省がお調べになったということですけれども、その予算はわずか一億円しか伸びていない。じゃ、あとの二十一億円はどこへ行っちゃったんだと。流用が多いということだというふうになっているわけですから、交付税で措置をするということは、結局こういうことが付きまとっていく。色が付いていないからどこに流用されてしまうか分からないと、そういうことが付きまとっているんではないでしょうか。
○副大臣(河村建夫君) 御指摘のとおりの結果を伺っておるところでございまして、私も大変懸念をいたしております。
交付税措置の性格そのものが、各地方自治体において自由に使ってもらいたいというのが総務省、旧自治省からのあれで、我々としては、政策官庁としては、それが計算根拠になっている以上、それはきちっとやってもらうと。これは我々も努力をしていかなきゃならないところでありますが、交付税措置には基本的にそういう傾向がありますので、我々としてもそこのところは十分踏まえた上でウオッチをしていかなきゃいかぬ面があると、このように思っております。
○林紀子君 ですから、大臣は今までも制度の根幹は守るんだということは繰り返しおっしゃっているわけですね。そして、教職員の給与に係る経費というのはどうしても守り抜くということはここでもよく伺っております。
しかし、教職員の給与に係る経費だけではなくて、やはり今、交付税措置とされているようなものも現実にこういうことですし、それから、義務教育費の無償という原則からいいましても、やはり先ほど局長の方からは個人で購入するものもあるんだというお話ありますけれども、しかしこれは限りなく無償に近づいていかなくちゃいけない、それが方向なんだと思うんですね。
ですから、授業に必要とされる費用、そういうものももっと拡充をしていく、そういう立場で国庫負担金というのをこれ以上カットしていくというのは許さないと、そういう立場を教職員の給与費だけではなくて守り抜くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 少し御説明をさせていただきますが、委員御指摘のとおり、一般財源化というときには、それは、その経費は使用目的、使途が特定されないわけでございますので、交付税上積算されてもそれが実際に使われるかどうかという保証はないわけでございます。それは正に御指摘のとおりでございます。
そういう意味で、教材費につきましては、先ほど交付税措置によって充実を図ってきたと申しましたが、実際の予算措置等を見てみますと、交付税の額に比べまして実際は約九割程度ということでの、そういう意味での落ち込みがあることは、それは御指摘のとおりでございます。
ただ、今回につきまして、今回の見直しによって措置いたします共済費長期給付と公務災害補償に係る経費につきましては、これを一般財源化いたしましても、形の上ではもちろん一般財源化でございますから二千二百億円は使用目的は特定されないわけでございますが、しかし他方、これにつきましては法律に基づきまして国は必ず、失礼、都道府県は必ず共済費長期給付についての積立てを行わなきゃなりませんし、公務災害についても同様の積立てを行わなきゃなりません。また、それに基づいて都道府県は必ず共済費長期給付の給付を行わなきゃなりませんし、また公務災害についての支給を行わなきゃならないわけです。
ですから、形の上では一般財源ということで使途は特定いたしませんが、実際はこれはとかく都道府県において自由裁量の余地が全くない、そういう経費でございます。
そういう意味での一般財源化しても、しかも今回につきましては、その財源につきましては全額必要な財源が措置されているわけでございますので、そういう意味でこの経費も含めた義務教育費国庫負担制度の実際の運用の場面におきましては現在と全く変わりませんし、そういう意味での支障は全く生じないというふうに考えております。
○林紀子君 今回の場合は支障はないと。でも、八分の一は結局返済のときに地方に負担が掛かるということになると思いますけれども、そういう説明は今までもいろいろ聞いているわけですけれども、じゃ逆に言いましたら、それじゃ全く変わりないんならどうして地方の方に回さなくちゃいけないのか、負担金というのを、法律まで改正してそういうことをしなくちゃいけないのかと、こういう疑問になるわけですが、そのことにつきましてはまた後ほど質問もさせていただきたいと思いますけれども。
ここでお聞きしたいのは、十二月十八日の総務、財務、文部科学三大臣の合意、いわゆる三相合意ですね、これについてお聞きをしていきたいと思うわけです。
第二項というのが一番根本的なことが書かれていると思いますので、そこからお聞きしたいと思います。
大臣にお聞きしたいのですが、この第二項では「義務教育費に係る経費負担の在り方については、現在進められている教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行い、これも踏まえつつ、「改革と展望」の期間中(平成十八年度末まで)に国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行う。」、そのとおり読ませていただきましたけれども、こういうことだと思うわけですね。
おとといの論議の中で大臣は、義務教育の在り方の一環として検討を行う、ここの部分を引きまして、これで財源論で見るのではなくて教育のフィールドに引き戻したんだというふうにおっしゃいましたね。しかし、今お読みいたしましたように、その後に続いて、十八年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について検討を行うというふうに書いてあるわけですね。
一番常識的に素直にこれを読みますと、やっぱり国庫負担金は全部一般財源化されちゃうんじゃないか、この合意というのは正にそこに向かって合意をされたんだというふうにどうしても読めてしまうんですけれども、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) その三大臣合意の二のところをお読みいただきましたけれども、私の考えでは、経費負担の在り方については教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行う、これが一番大事なポイントでございまして、この検討を行うのは我が文部科学省の責務でございます。
そこで、今、様々な教育改革が行われているわけでございますが、そうした中で義務教育の位置付けをどう考えていくかということについては、正に文部科学行政の基本の問題として取り扱うわけでございます。そのベースの上に立って一般財源化について所要の検討を行うと書いてあるだけでございまして、一般財源化するとは書いていないわけでございます。
私は、この問題は、実は昨年の地方分権改革推進会議の議論、それから経済財政諮問会議の議論、閣議決定、様々なものをベースにした上で、この十二月十八日の三大臣合意というのは、今お願いしております法案に表れておりますように、二種類の経費、対象経費については一般財源化するけれどもきちんと裏打ちをしますということを決めた、その直後にこういうことで交わされたわけでございます。いろんな流れの中での論議というものをベースにしているわけでございまして、全体の、これから政府の大方針である三位一体論あるいは地方分権と、様々なものがあるわけでございますけれども、私自身といたしましては、この二は今申したような角度で読んでおります。
そのことは、更に言えば、八月の経済財政諮問会議におきまして明確に財源論ではなく教育論でやるべしということで人間力戦略ビジョンを示し、そしてその中における義務教育の重要性ということで私は議論を教育の場に引き戻したと思っております。
そういうことで、これはなかなか読み方は難しいわけですし、また検討をするわけでございますから、今それ以上に明言をしてこれはこうなるとは言えないわけでございますけれども、私としては、そのことは十分に読み込んだ上でこの合意というものについて対応していきたいと考えております。
○林紀子君 衆議院のこの法律の論議のときに、我が党の児玉議員の質問に対しまして、大臣はこうもおっしゃっているわけですよね。国庫負担金全額の一般財源化、この二項の一番後に書いてあるところ、これは我が省ということではないというふうに考えている、だから文部科学省にかかわってこれを言っているんじゃないんだというふうにお答えになったということですが、そういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私としては、ややその言い方ははしょり過ぎているなと思うわけでございますけれども、この問題を根本的に考えていくときには、私は、考える際の日本の経済財政状況なりあるいは三位一体論の行方なり、それと同時に、他の全体の国庫負担、国庫補助負担金ですか、国庫負担金がどのように扱われるかというようなことを十分視野に入れた上で考えていく必要があるという趣旨も考えて申し上げたところでございます。
私としては、この問題については、読み方はなかなか明確でない面がございますけれども、それぞれどのようなふうに読んで互いにこれから論戦を闘わせていくのかなという気はいたしますけれども、私としては、この論議というものは、全体を通じてそういう大きな日本の方針決定の中で、国庫補助負担金というものの他の分野のものも視野に入れた上で議論されるべきだなと思ったことがちょっとその答弁の中で入ったのかなというふうに今思っております。
○林紀子君 そうですね、国庫負担金全額の一般財源化についてということですからね。でも、全額負担金を一般財源化しちゃうということになりますと、今、大臣がおっしゃったように、国庫負担金というのは、主に厚生労働省関係、それから身近な公共事業の国土交通省関係、そして文部科学省関係、この三つが主だと思うわけですね。全額と言われますと、文部科学省も全部入って、ほかの二つも全部一緒に、全部やっちゃうんだと、こういうことなのかなと。もっと恐ろしい話だと、こういうふうに思うわけなんですけれども。
片山総務大臣は最終合意が行われる前日に記者会見を行って、義務教育国庫負担金の約三兆円全額の一般財源化を目指すと勝手に言っちゃっているわけなんですけれども、これはどういうふうに、例えば十八日の日、三大臣が集まったときに、それはひどいじゃないかというような話にはなったんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私に対しては一度もそういう言葉はおっしゃっておりませんし、三大臣合意のときは淡々と、これは積み上げてでき上がった文書でございますので、淡々と皆サインをしたというところでございます。
○林紀子君 確かに、大臣がおっしゃったように、非常に読み方が難しいと言うけれども、しかし素直に読んだら、さっき言ったような結果に、文部科学省も含めて全部、一番国民の生活に大事な福祉の分も身近な公共事業も一緒くたに交付金化、一般財源化されてしまうという問題なんじゃないかなというふうに思うわけです。
文部科学省としては、それこそ教育のフィールドに本当に引き戻して、この国庫負担は国の責任で、義務教育の国庫負担というのは国の責任でやるべきなんだということをあくまで主張していっていただきたいというふうに思うわけですけれども、それには淡々とこれはサインをしたということですけれども、この第二項の後半部分というのは、やっぱり認められないんだと、今からでも、これは駄目ですよ、駄目ですよという、認められないという、そういう形できっぱりと大臣の方からも言うべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 我が内閣の抱えている問題というのは本当に様々でございまして、そういう中でぎりぎりのところは譲りながらも根幹を守るという立場であるわけでございます。国の財政状況、本当に残念ながら大変な状況になっております。そんな中で国費についても縮減していこうということもございますし、そういった全体の動きの中ででき上がった合意であるわけでございます。
私としては、むしろこの前段のところでしっかりと主張していくということが我が省の立場であるわけでございまして、ここにおいて明快になっているということは、義務教育の水準確保についての制度的な保障というものをしっかりやっていくには、私は全額一般財源化ということは極めて問題が多いという認識を持っていることにおいては何ら変わらないところであります。
○林紀子君 そうしますと、基本的に国庫負担金全額の一般財源化のその前段として今回のこの法改正があり、また来年度の問題というのがあるんだと思うんですね。それで、それが第三項にかかわってくるというふうに思うわけですけれども、教職員の年齢構成などからいいますと、今、学校現場では退職者が増えていくという状況にあると思います。片山総務大臣はまた、公務員の退職金についても二〇〇四年の十月には一割削減するんだという案を閣議で報告したということを報道で聞いております。
第三項の合意について、来年十月までに検討を続ける、これは仕切り直しだということもおとといおっしゃいました。どういうふうに仕切り直しをしていくのか、どういうふうに仕切っていくのか、それも是非伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) この三大臣合意におきまして、退職手当、児童手当の取扱いについては、関係省庁間における継続検討課題として、平成十六年度予算編成までに結論を得るというふうに明記されているわけでございます。したがいまして、この件につきましては正に今後検討を行っていくものであります。
そのような検討を行うに当たりましては、適切な地方財源措置というものがこれからも行われていくということが必要であるわけでございまして、それを念頭に置きながら関係省庁と慎重に協議、調整を行っていくというのは当然でございます。その際に、何度も申しておりますけれども、国庫補助負担金あるいは交付税、税源移譲を含みます税源配分の在り方を三位一体で検討する改革案が今後どのような形で取りまとめられるのか。それから、政府全体として、国庫補助負担金がどのような形で見直しが行われるかということを十分に見極めた上で考えていくべき問題だというふうに今思っているところでございます。
この三月二十五日に当委員会で私が申し上げました仕切り直しという意味は、これからもう一度やると、そういう全体の状況を見ながら考えていくべき問題だと私は考えているということで申し上げたわけでございます。
○林紀子君 もう一度仕切り直しで本当にいくというお話なんですが、どうしてこういうところに至ってしまったのかと、今年度、来年度続いて。それは、この三者協議、三者の大臣協議に先立つ十月三十一日の経済財政諮問会議でかなり具体的な案を文部科学省の方から出しているわけですよね。国庫負担金総額五千億円近くは、必要経費の一般財源化については文部科学省の方からこういう提案をいたします、こういうふうにいたします、こういう提案をなさったんじゃないでしょうか。それが今回のこの三省合意、特に一と三につながった。今年度は今回の法改正、そして来年度は退職金、児童手当を削る。これは、文部科学省が出した、遠山大臣が提出した、こういうものを前提に話が始まったんじゃないですか。
○政府参考人(矢野重典君) 少し経緯を説明させていただきたいのでありますが、昨年六月に閣議決定いたしました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」におきまして、国と地方を通じた歳出の構造改革を推進する、そういう観点から国庫補助負担金につきまして数兆円規模の削減を目指すこととされたわけでございます。これを受けて、昨年の七月には小泉総理から文部科学大臣に対しまして、国の関与の縮小等の観点から義務教育に関する国庫負担制度の見直しを行うようと、こういう御指示があったところでございます。
こうした一連の状況の中で、我が省といたしましては、昨年十月三十一日の経済財政諮問会議におきまして、義務教育負担金のその対象経費について国として真に負担すべきものに限定するという、そういう観点に立ちまして、共済費長期給付、退職手当等に係る経費約五千億円の縮減、五千億円を縮減すると、そういう改革案を提出したものでございますけれども、この改革案は、義務教育の水準確保という制度の根幹を堅持する、そういう立場に立って検討したものでございます。
そういうものとして経済財政諮問会議でお示ししたわけでございますけれども、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、共済長期給付と、それから公務災害補償以外の経費につきましては、経費の性格としては、今申し上げたような観点からそういう検討案をお示しいたしましたが、それを一般財源化するかどうかということにつきましては、これは今、先ほど大臣が申し上げたような形で改めて検討する必要があるということでございます。
○林紀子君 経済財政諮問会議の中で遠山大臣が、なぜ文部科学省だけがターゲットになるのかということを熱弁も振るわれました。それも読ませていただきましたけれども、そのとき片山総務大臣は、文部科学省が五千億円削減案を最初に出したからそういうことになるんじゃないかということを言ったということなんですね。ですから、先ほど来お話がありますように、今回の法改正の部分はほとんど変わらないんだと、ほかの法律で担保されるから大丈夫なんだということを言っていますけれども、これがスタートになる。
芽出しという言葉が盛んに言われていますね。芽出しのために今回文部科学省のこの予算、このところが法改正で芽出しにするということが大事だ、そういうことで位置付けられているんじゃないですか。芽出しについてはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府参考人(矢野重典君) ここで言う芽出しとは、先ほど御紹介いたしましたけれども、基本方針二〇〇二に示されました政府全体としての国庫補助負担金全体の見直しの芽出しと理解いたしておりまして、義務教育国庫負担金の削減の芽出しというふうには考えていないものでございます。
○林紀子君 しかし、三位一体の芽出し、そのために来年度の予算でどうするかが大事なんだということを小泉首相も議長としてまとめているわけですよね。
私たちが調査をしたところによりますと、三十人学級、少人数学級、各県でどうなっているか。二十九の道県でこれが今実施をされることになっている。ですから、こういうところにもっと予算を付けてほしいという声は、私も、広島県からこの義務教育費の国による財源措置の堅持と、そして学級編制の弾力化等に対応した負担制度を改善してほしいという要望も来ているわけですし、この国庫負担金、絶対削減してはならない、義務教育に係っては絶対削減してはならないという要望を各方面から私も受けておりますし、文部科学大臣、文部科学省の方にもそれは届いているということだと思います。
今、国がやるべきことは、国庫負担を削るということではなくて、こうした自治体の努力を財政的に援助する、本当にこの条件を、大きく教育条件というのを整えていく、そこにこそもっともっと予算を使えということを主張していくことではないか、そのためには私も大いに応援をしたいというふうに思っているわけですから、そのことを強く申し上げて、質問を終わります。


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