国公私立大学のランクづけにつながる「認証評価制度の創設」などを柱とする学校教育法「改正」案が8日,衆院文部科学委員会で採決され,自民・民主・公明・自由・保守の賛成多数で可決されました。日本共産党,社民党は反対しました。
反対討論で日本共産党の石井郁子議員は,真に政府から独立した第三者機関が自主的・自律的に評価するのではなく,文科相が認証した評価機関の評価を全大学に義務付けるものだと指摘。認証基準も細部にわたり,国の意向に沿った評価機関となると指摘しました。
日本での大学評価は始まったばかりで,評価能力もないもとでの評価の義務付けについて「あまりにも拙速。大きな混乱をもたらし,大学の信用を失墜させかねない」とのべました。
さらに評価結果が予算配分などに反映されれば「大学の生殺与奪を評価機関が握ることになり,学問研究の自由,教育の創造的発展にとって深刻な影響をおよぼす」と強調。「評価の名のもとにこれまで以上に大学を政府の管理統制の下に置き,大学をランク付けし,選別・淘汰につながる」と批判しました。
石井氏はまた,法案に盛りこまれた「法科大学院を含む専門職大学院の創設」については必要性を認めるとのべました。
○古屋委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので,順次これを許します。石井郁子君。
○石井(郁)委員 私は,日本共産党を代表して,学校教育法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
本法案は,大学の学部等にかかわる認可事項の見直し,法令違反状態の大学に対する是正措置の整備,法科大学院を含む専門職大学院の創設,認証評価制度の創設など四つの重要な内容を持っています。
法科大学院の創設をめぐっては,法務委員会との合同審査が行われました。しかし,最も重要な内容である認証評価制度の創設については,参考人招致すら行わず,採決がされようとしています。
今回の認証評価制度は,真に政府から独立した第三者評価機関が自主的,自律的に行うというものではなく,文部科学大臣の認証を受けた評価機関の評価をすべての大学に義務づけるものです。認証基準も細部にわたり,国の意向に沿った評価機関とならざるを得ません。
我が国では,大学評価が始まったばかりであり,大学評価・学位授与機構による平成12年度着手の大学の評価結果は,国立大学協会が深刻な懸念を持たざるを得ないと指摘しているように,評価の名に値しないものでした。そのような状況で全大学に評価を義務づけるのは余りにも拙速と言わざるを得ず,大きな混乱をもたらすとともに,我が国の大学の信用を失墜させかねないものです。
しかも,文部科学省の説明文書で,資源配分機関が評価結果を参考にすることも十分あり得るとしているのでは,大学の生殺与奪を評価機関が握ることになりかねないもので,学問研究の自由,教育の創造的発展にとって深刻な影響を及ぼすものと言わざるを得ません。
認可事項の見直し,法令違反状態の大学に対する是正措置については妥当なものと言えます。また,専門職大学院の創設について,その必要性は認められます。しかし,認証評価制度の創設は,これまで述べてきたように,評価の名のもとに,これまで以上に大学を政府の管理統制のもとに置き,大学をランクづけし,大学の選別,淘汰につながるもので,到底認めることはできません。したがって,本法案に反対するものです。
以上で討論を終わります。(拍手)