2002年7月21日「しんぶん赤旗」より
自民党の宮路和明前厚生労働副大臣による医学部入試への「口利き」や入学手続き前の寄付金集めが問題となっている帝京大学や帝京グループに、旧文部省や旧労働省などのOBが多数、天下りしていることが分かりました。これは日本共産党の畑野君枝参院議員の調査で判明したもの。文部科学省は近く、帝京大学に現地調査する予定ですが、「OBが天下りしている状況できちんと調査ができるのか」と疑問の声も出ています。
畑野議員の調査によると帝京グループへの天下りは計14人。このうち最も多かったのが旧文部省からの天下りで8人にのぼっています。(表参照)
このなかでは、管理局審議官OBが帝京科学大学長に就任しているほか、文化庁会計課補佐が帝京大理工学部事務局長、文部省生涯学習局学習情報課長が帝京科学大学事務局長、管理局長OBの柳川覚治・前自民党参院議員が帝京科学大学理事につくなど、運営の重要部分を担っています。
また帝京グループは旧文部省OBを大学新設の設立準備を担当するポストにつかせていました。
大学や短大、学部などの新設許可は旧文部省が所管していただけに、帝京グループと旧文部省の癒着ではないか、と指摘されました。
畑野議員は18日の参院文教科学委員会で、天下りの事実も指摘したうえで遠山敦子文科相に一連の疑惑についての厳正な調査を要求。同相は、帝京大学が提出した調査報告書について「誠に不十分」とし、「現地にも行き実態を調査する」と答弁しましたが、天下りを是正する考えは示しませんでした。
| 氏 名 | 帝京関係の役職 | 前 歴 |
|---|---|---|
| 佐藤義男 | 帝京大理工学部事務局長 | 文化庁会計課補佐 |
| 寒川英希 | 元帝京平成大学顧問 | 文部省初等中等教育局特殊教育課長 |
| 下川啓吉 | 元帝京大理工学部設立準備委員会事務局長 | 文部省大学局高等教育計画課補佐 |
| 田村嘉望 | 元冲永文化振興財団常務理事 | 文部省官房会計課総務班主査 |
| 瀧澤博三 | 帝京科学大学長 | 文部省管理局審議官 |
| 玉木正男 | 元帝京科学大学法人・大学事務局長 | 文部省体育局学校給食課長 |
| 飛田真澄 | 帝京科学大学事務局長 | 文部省生涯学習局学習情報課長 |
| 柳川覚治 | 帝京科学大学理事 | 文部省管理局長 |
| 高橋伸治 | (財)労働問題リサーチセンター理事長 | 労働省労働基準局賃金福祉部長 |
| 関 英夫 | (財)労働問題リサーチセンター理事 | 労働省事務次官 |
| 金子太郎 | (財)日本産業リサーチセンター理事 | 環境庁事務次官 |
| (文部科学省提出資料などから作成) | ||
2002年7月19日「しんぶん赤旗」より
遠山敦子文科相は、宮路前厚生労働副大臣の帝京大医学部入試をめぐる口利き問題について、18日の参院文教科学委員会で「大変残念なことです」と述べました。日本共産党の畑野君枝議員が、生命を預かる医師を養成する大学に政治家が口利きによって関与した極めて深刻な問題だとして認識をただしたのに答えたもの。
遠山文科相はまた「入試について、(公平性を)害するような働きかけは厳に慎むべきである」と表明しました。
畑野氏は、口利きの問題は宮路氏だけではないとして、宮路氏自身が「往々にしてある」といい、山崎自民党幹事長も「入学、就職、結婚のあっせんまで、政治家はよろず相談所」と述べていることを指摘。さらに、補助金をもらっている学校法人は政治献金を禁止されているが、冲永荘一帝京大総長など、帝京大関係者、関連企業から、98年〜2000年の3年間で、亀井静香衆院議員(広島六区支部)に1099万円、松島みどり衆院議員(東京比例区)に900万円、塩崎恭久衆院議員に100万円の献金が行われている実態を示しました。この3人を含め政治家から口利きがあったか、徹底調査と報告を求めました。
文科省の工藤智規高等教育局長は「公正適正に行われているかが大変大事。その点について解明に努める」と答えました。
平成十四年七月十八日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 橋本 聖子君
理 事
阿南 一成君
仲道 俊哉君
小林 元君
風間 昶君
林 紀子君
委 員
有馬 朗人君
有村 治子君
大仁田 厚君
加納 時男君
後藤 博子君
岩本 司君
神本美恵子君
輿石 東君
鈴木 寛君
山本 香苗君
畑野 君枝君
西岡 武夫君
山本 正和君
国務大臣
文部科学大臣 遠山 敦子君
副大臣
文部科学副大臣 岸田 文雄君
大臣政務官
内閣府大臣政務官 奥山 茂彦君
文部科学大臣政務官 池坊 保子君
事務局側
常任委員会専門員 巻端 俊兒君
政府参考人
総務省自治財政局長 林 省吾君
財務省主計局次長 杉本 和行君
国税庁課税部長 村上 喜堂君
文部科学大臣官房文教施設部長 小田島 章君
文部科学省生涯学習政策局長 近藤 信司君
文部科学省初等中等教育局長 矢野 重典君
文部科学省高等教育局長 工藤 智規君
文部科学省高等教育局私学部長 石川 明君
文部科学省スポーツ・青少年局長 遠藤純一郎君
説明員
会計検査院事務総局第四局長 重松 博之君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査
(義務教育における国の関与の在り方に関する件)
(帝京大学入学に係る寄附金問題に関する件)
(学校施設の耐震化対策に関する件)
(学校のIT化促進のための条件整備に関する件)
(国立大学の法人化に関する件)
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○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
朝から議論になっております帝京大学の医学部の入学に当たっての宮路厚生労働副大臣の口利き問題が明らかになっております。現在は前副大臣ということになっておりますが、その宮路氏が、我が党の小池晃参議院議員の質問の中でも次のように委員会で答弁をされたわけであります。
通常も就職試験やあるいは入学試験についても、そういったことを国会議員にはいろんな方がいろいろ言ってまいりますよ。ですから、そういうことを、事前に受験番号もじゃ教えてください、じゃ連絡しましょうというようなことでやっていることは、しょっちゅうというわけでもないわけでありますが、これは往々にしてあるところでありまして、往々にして、就職試験についても……
それは、ですから別段そのことをとやかく言うようなことはないと思います。
このように答弁をしたわけです。
その答弁に至る経過は、先ほども当委員会でも紹介がありましたけれども、小池議員が、ある医療法人の理事長の御夫人が宮路事務所に電話を掛けてきた、自分の息子さんが二月の四日、五日に帝京大学医学部を受験するということをお話しになっている、そして宮路議員にこう伝えている、息子の帝京大学入学試験が近づいてまいりましたが、ごあいさつに伺った方がよろしいでしょうか、先生も大変お忙しいことと存じますので、御指示どおりにいたします、そうしましたら総長側から受験番号を至急御連絡くださいと要請があった、そこで一月三十一日に受験番号を冲永総長に通知をした、このように追及をして、その事実を宮路氏は委員会で認めました。
また、この事態を受けて福田官房長官が、報道の中で、記者会見を通じてこのように発言をしております。番号を教えたことが一体どんな意味があったのか、実態を考え、何ら利益がないことは国民にも理解してもらわなければならない。これは国民はとても理解できないというふうに私は思いますけれども、こういう発言を聞いても、事の重大性が全く分かっていない。政治家の口利きが今、今度の国会でこれほど大問題になった。それだけではなくて、公平であるべき入学試験で特定のコネのある受験生だけが便宜を受けるということは、機会均等を保障した教育基本法三条、「社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない。」、このことにも反することになるわけですね。
こういった問題、一番分かっている文部科学省、これがきちっとこういうものを是正する。最も分かっている専門家の立場として、生命を預かる医師を養成する大学に政治家が口利きによって関与したということは極めて深刻な問題であるというふうに思いますけれども、遠山文部科学大臣の御認識はいかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 入学試験につきましては、これは公正を確保するということが基本でございまして、それを害するような第三者からのいろんな働き掛けということは厳に慎むべきであると私は考えます。
○畑野君枝君 この宮路副大臣のこうした問題も問題だということですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今述べられましたようなことは、私としては大変残念なことと思います。
○畑野君枝君 この宮路副大臣の口利きにつきましては、先ほども、文部科学省が大学側に問い合わせたと、そうしましたら帝京大学はそうした電話をもらったりあるいは総長などから電話を掛けたりしたことはなかったということだったという御報告でございましたけれども、帝京大学が十五日に出しました特別調査委員会の調査、これを読みましても、片や宮路氏は、口利きをした、そういう連絡を冲永荘一総長と取ったということを認めている一方で、特別調査報告書やあるいは文部科学省が確認したところでは、冲永総長はそういうことはないというふうに答えていると。事実関係は全く食い違っているわけです。そして、ますます疑惑は深まっていくわけでございますが、文部科学省としては更にこの問題きちんと調査をすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほども御答弁申し上げましたように、入試の公正な確保というのは大変大事なことでございまして、私どもかねがね通知を申し上げながら各大学に指導を徹底してきたわけでございます。
帝京大学におきましても、どなたからどういう口利きがあったかにかかわらず、入試の合否決定については教授会でしっかりやっておるというのが調査報告書に書いているところでございます。
今後、この件を含めまして、調査報告書、必ずしも十分と私ども受け取ってございませんので、その全容の解明に厳しく取り組んでまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 そういう点では、委員長にお願いをしておきますけれども、やはり冲永荘一総長を是非当委員会としても参考人として招致をすべきだというふうに思います。厚生労働委員会でも参考人として招致をするということが求められていて、それは当然でございますが、当委員会としても大変なかかわりがあるわけですから、その点を求めておきたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(橋本聖子君) この件につきましての取扱いは、後刻また理事会で協議させていただきたいと思いますので、御了承ください。
○畑野君枝君 よろしくお願いをいたします。
さて、この政治家の口利き問題は宮路氏だけではないということなんです。宮路氏本人がだれでもやっているというふうに言い、また自民党の山崎幹事長も、入学、就職、結婚のあっせんまで、政治家はよろず相談所と述べている。とんでもないことだと思います。
資料をお配りいただきたいと思いますが、(資料配付)私たちが独自に政治資金調査報告書を調べてまいりました。
私学は学校法人ですので、補助金をもらっておりますから、政治献金は禁止されております。ところが、冲永総長は、自分の名前を利用し、あるいは自分が役員をしている関係会社を通じて政治家に献金をしている。正に迂回献金ではないか。
資料を見ていただきます。
一九九八年から二〇〇〇年の三年間でも、亀井静香衆議院議員広島六区に一千九十九万円、松島みどり衆議院議員東京比例区に九百万円、育英財団の所在地愛媛の塩崎恭久衆議院議員、一九九八年当時は参議院議員、愛媛選挙区に百万円渡されております。
この三人を含め、政治家から口利きがあったのかどうか、帝京大学から事情聴取を始め徹底調査することを求め、それを明らかにするよう求めます。いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 今、先生の方からもお話ありましたように、国から補助金を受けている学校法人が特定の政治家あるいは政治団体に政治活動のための資金を供与するということは法律で禁止されているわけでございますけれども、個人のお立場での信条あるいは政治的な信念あるいは行動というのは御自由なわけでございまして、私ども、それ自体とやかく言う立場にはないわけでございます。
今御指摘の資料ございますけれども、私どもも一部、官報やあるいは政治資金報告書によりまして確認しているところでございますが、正規の手続を取られている案件かと思ってございますけれども、入試の公正確保という観点につきましては、先ほど申しましたように、寄附金の収受、お金のやり取り、あるいは口利きのやり取りにかかわらず、公正、適正に行われているかどうかというのは大変大事なところでございまして、その点については、更に今後の大学側の調査等を含めまして、解明に努めてまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 是非、口利きがあったのかどうかということはこの調査の中でやっていただきたいと思いますし、そもそも政治資金規正法そのものが抜け穴だらけじゃありませんか。だから改正もしなくちゃいけない。ましてや、こうした原資がどのように使われているのか。いろいろな不正なことに使われている、そういう当の総長からもらっていると。これはもう政治的にも本当に重大な問題があるというふうに言わざるを得ないわけでありますから、そのことを指摘しておきたいと思います。
そして、そういうことが政治家とのかかわり含めてあいまいにされてきたということが、実は大変な問題をこの帝京大学作ってきたわけじゃありませんか。特に今回の問題で、寄附金にかかわる問題、本当に異常な問題です。まず申し上げたいのは、帝京大学、とりわけ医学部への寄附というのが量、質ともに本当に異常だということであります。
私も帝京大学の関係者から直接お話を聞きました。ある受験生は八千万円の寄附を納めたとか、それからある受験生は推薦入学でも不合格、一般入試でも不合格だったのに後になったら受かっていた、周りはびっくりした、そして、しかしその二年後に退学をして、本人は一億円をどぶに捨てたと言っていると。こういうような様々な話があるんですよ。
そして、今、国税庁の調査も入り、追徴金が二十七億円。膨大な追徴金が課せられた。脱税行為ということであれば、計算をすれば寄附で集めて年間二十億円、七年間で百四十億円の巨額な寄附の額ですよ。
こうしたことは異常だというふうにお思いになりませんでしょうか。この額、あるいはそうした中身、この点について見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 日本は一般的にアメリカなどと違いまして寄附文化が定着しているわけじゃございませんけれども、基本的に、入試に絡んで申し上げますと、かねがね通知など申し上げていますように、合格発表、合格手続前に言わば合格するか否かというその不安、受験生の不安といいましょうか希望にかこつけて寄附金等を収受することはいかがなものかということを考えているわけでございますが、それが決定した後、母校のために保護者等がどういう形で資金的な支援をするかというのは、それはそれぞれの当事者間のお話であろうかと思いまして、その額、私どもはとても手が届かない数字でございますけれども、その多寡によらず、それぞれ相対で御相談になる話ではないかと思ってございます。
○畑野君枝君 社会常識からすれば、正に手が届かないですよ。お金がない学生は入学できないということですよ。
私のところに私学の教職員組合、私教連の皆さんや父母の皆さんが、先日、私学助成と三十人学級の実現で御要請に来られましたけれども、そういう学校で調査したら、もう本当に授業料が払えないで中高生が経済的理由で退学者が年々増えている。社会全体がそういう状況ですよ。それが何千万、一億。それは後でまた不正かどうかという話はしますけれども、全体含めて百四十億と言えるような、そういう規模の額のお金が寄附として集められている。私はこれはもう異常だというふうに言わざるを得ません。
そして、私は、こうした、集めた巨額の寄附の中に文部省自身が出してこられた通達に反する不正な、不適切な寄附金が含まれていたということが明らかになった。そして、これは十五日の大学自身の特別調査報告書でも自ら認めているわけですよね。つまり、合格発表前あるいは入学手続前、寄附を取っていたという事実であります。正に不正裏口入学の疑いが濃厚でありますが、徹底した調査が必要と思いますが、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) おっしゃいますように、先般の報告書の中で、これまでの五年間で約入学者の一割に相当する者から合格手続以前の寄附金の収受があったということを認めた報告書でございます。ただ、その内容、年度ごとの件数でございますとか金額でございますとか、その詳細について記されてございませんので、それらも含めて私ども徹底的な調査を今予定しているところでございます。
○畑野君枝君 その総額ですとかお金の流れとか、そういうのもきちっとこれから調査するということですね。確認しておきます。
○政府参考人(工藤智規君) そのように考えてございます。
○畑野君枝君 帝京大学の調査報告書の八ページによりますと、大学側も認めた不正な寄附というのは、今お話がありましたように過去五年間で入学者総数の九・九%、つまり一割とされておりますし、文部科学省に伺いますと、全体の額の二〇%、約二〇%に及んでいるということなんですけれども、これだと実際にそれぞれ何人かとか、それぞれがどういう寄附であったのかというふうなことは分からないわけですね。一般的にこれで単純計算をしたとしても、毎年百人の定員で計算したとすれば、少なく見ても五年間で五十人、総額二十億円が不正に寄附されているのではないかという計算になりますが、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) ですから、その年度ごとの人数等が、私ども、書類の上でも、それから口頭でお尋ねしても明確ではございませんので、それも含めた全容を解明したいと思っております。
○畑野君枝君 きちっとした調査を求めます。
そして、この寄附金の問題で最も重大な問題は、今度の調査報告書が冲永荘一総長の関与は一切ないというふうにしてしまっていることだと思うんですね。つまり、今度の調査報告書は、その不正な寄附の責任者は事務局長にあったんだということで、総長の責任を一切回避している。これは私は大変この報告書の最も重大な点だというふうに思います。報告書では、事務長専管事務の業務として他に知らせることなく事務局長の判断と責任によるものだというふうになっているわけですが、しかしそんなことは実態調べたらあり得ないというふうになると思うんですよ。
私もいろいろ調査をいたしました。そうしましたら、ここではすべてのお金の流れというのは冲永荘一総長が陣頭指揮を取ってやっているということなんですよ。
私は、証拠として出しておきますけれども、一つは、帝京学園ですけれども、物品購入申請書というのがございます。ここに理事長以下ずっと決裁を、サインをすることになっているわけですけれども、その最後に園長決裁というのが、一番大きいのがあるんです。これは一万円以上の支出はすべて冲永総長の決裁になっている、こういうふうに言われております。一万円以上ですよ。本当にお金にうるさいというか、こういう状況。
それから、これは学校法人帝京蒼柴学園の願い書ということで、二十万円以上、会長決裁になっております。この会長はだれかといえば冲永荘一総長です。
それから、これは帝京安積学園高校労働組合員銃撃事件というのがございました。マスコミでも報道されました。検察庁の供述調書なんです、これは。この裁判というのは既に結審をしておりまして、この供述調書の中で安積学園高校の事務長は重大な発言をしております。
帝京大学の入学に当たり、私、つまり安積学園事務長ですね、私が、○○さんから、ここは名前を伏せておきます、○○さんから頼まれて学園の理事長から帝京大学の冲永総長に働き掛けをしてもらった結果、○○さんの次男は無事帝京大学経済学部に入学することができた。私はその謝礼として現金百万円をいただいた。また、帝京大学の冲永総長に対しては一千万円の謝礼をしたとのことでした。つまり、冲永総長に対しては一千万円の謝礼をした。この供述書はそのまま採用されて刑が確定しているわけです。つまり、調査報告書が、事務局長が一人でやったんだなんということは全くでたらめ、自ら総長が仕切っていると、知らないなんていうのは、これはとんでもないというふうになると思うんです。
こんな報告書が、文部科学省が十八回も調査、現地に行って、こんなものしかない。本当に冲永総長の責任は重大なんじゃないですか。徹底した解明が必要だと思いますが、この点、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 先生もお怒りのようですが、これ私どもが作ったペーパーじゃございませんで、報告書は、これを私どもいただきまして大変不本意に思っているわけでございまして、そのために、これまで余り例がないのでございますけれども、専門家の方々の御協力も得ながら、現地調査を含めて徹底的な解明に努めてまいるということを先ほど来申し上げているところでございます。
○畑野君枝君 更に重大な問題というのは、この百四十億含めた巨大な寄附がどのように流れて使われてきたかということだと思います。
この報告書の中では、過去五年間に五四%は帝京大学に、残り四六%はその他の学校法人と関連財団に行っているというふうに自ら言っております。医学部などに入るのに何で大学以外の財団に流れるのか。寄附金は学校協力費、建設協力金というふうにされております。しかし、これまたこの報告書が自ら語ったという点では私は大変注目をいたしましたけれども、九ページのところで国税局の指摘内容ということについて自ら明らかにしております。大変注目をいたしました。
国税庁の通知書の原本から確認したところ、国税局側の考え方と課税額というのは、帝京育英財団が大学から寄附金を集めることを依頼され、周旋業務を行ったものであると認定しているとされている。そして、周旋業は収益事業であり、つまり仲を取り持つというのは周旋業でありますが、それは収益事業であり、そして約二十七億円払えというふうになって、言われているんだというふうに自ら報告しております。
何よりもその二十七億円払えと、追加課税を国税庁から通知書が来ているということを認めているということだと思いますけれども、じゃ伺いますけれども、その元になっている所得というのは、国税庁の通知書原本には何億円というふうに書かれていたのでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 私どもはこの報告書をいただいただけでございまして、国税庁の方からの更正通知について原本あるいは原文コピー等を拝見させていただいたものではございません。
ただ、ここのレポートにございます、今御指摘の九ページで二十七億円の追徴課税があったということでございますし、その前の行で課税所得ということがございますので、課税所得は幾らなのですかとお聞きしたところ、課税対象額については約六十五億円であるという口頭での御説明がございました。
○畑野君枝君 今までは報道等ではいろいろと言われておりましたが、文部省が聞いたところ六十五億円というふうに言われたと。これはもう初めて私もここで確認をさせていただきました。
つまり、六十五億円もの所得隠しをしていたという事実が明らかになったわけです。しかも、それは医学部の学生のためじゃなくて収益事業に使われていた。もう二重三重の背信行為と言わざるを得ないと思うんですけれども、これ絶対許せないことだと思いますけれども、文部科学大臣、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今回の一連の寄附金にまつわる、入試にまつわる寄附金の流れにつきましては、私どもも解明すべくこれから現地に職員それから専門家を派遣してやりたいと思っておりますけれども、今のお話にもございますように、医学部への入学にまつわる寄附金というものが正規に計上されなくて、大学外の財団というものを通じて言わば内々にいろんなところに使われていたということも、国税庁から直接聞いたわけでございませんけれども、そういう流れが明らかにされたというようなことも報道等を通じて承知いたしているところでございまして、そもそもそういう寄附金が入試にまつわって集められたこと自体大問題でございますし、その使われ方自体も私どもには納得のできない、大学という公的な存在であるところの設置者である学校法人のやることとしては、これは私どもとしては納得できないわけでございまして、その点も含めて全体を明らかにして、そして厳正に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○畑野君枝君 是非とも本当に厳しい態度で臨んでいただきたいと思うんです。
国税庁にはその件につきまして伺おうというふうに思っておりましたが、時間の都合でまたの機会に伺うことをお許しいただきたいと思います。今日はありがとうございます。
さて、その六十五億円が本来の目的と違うものに使われていたということになりますと、これは返還するということにもなってくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点はいかがになりますか。
○政府参考人(工藤智規君) これも更に精査しなきゃいけませんが、大学側の御説明では、寄附者が、寄附申込書というのがあって、大学側それから大学以外の財団法人等にそれぞれ別々の寄附申込みがあって、寄附者の意思に基づいた支出であるという御説明でございました。なかなか、本当そうかなということもありますし、その原本を確認しているわけでもございませんので、それは精査していかなきゃいけないと思っております。
○畑野君枝君 本当に精査しないと駄目ですよね。だって、出す人は、そのために使われているなんという、事業収益のために使われているなんて思っていないわけですから、それは目的外の使い方ということもきちっと立証していただいて、そういうことが分かれば強い指導を求めていきたいというふうに私は思います。
さて、帝京大学やあるいはその関連グループなんですが、創立以降、急成長してきた。今日は時間がありませんけれども、医学部創立の一九七一年以降の学園数というのは、海外にも進出し、とりわけ急成長しているわけです。そして、この異常かつ不正な寄附金を集めた巨大なお金が帝京グループの急成長を遂げさせてきたのではないかというふうに言えるんじゃないかと思うんですけれども、この帝京大学というのは、補助金をもらい、更に不正な寄附金を得て成長してきたということになるわけですから、当然こういうことが分かれば補助金の返還を求めることになるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。それはどういうふうになりますか。
○政府参考人(工藤智規君) 私学助成というのは、せっかくの国会で通していただいた予算の中から差し上げているものでございますし、その適正な執行あるいは配分に努めているところでございます。
その中で、例えば今回のように不適切な入試に絡む寄附金収受等があった場合は元々補助金交付しませんよという取扱いになっているわけでございますので、それが判明いたしますと過去にさかのぼっての返還を求めてまいりたいと思ってございます。
ただ、事件の全容を解明しながらということになりますけれども、先ほどもお答えいたしましたように、最大限、過去五年間さかのぼってということになりますし、この平成九年度から十三年度までの過去五年間に学校法人帝京大学に対して交付されました経常費補助金の総額は約六十三億八千五百万でございます。これをベースにしていろいろ考えていかなきゃいけないと思っております。
○畑野君枝君 会計検査院に伺いますけれども、そうした問題で国民の貴重な血税が湯水のように投入されてきているということで、そういう点ではどのように対応されるのでしょうか。
○説明員(重松博之君) 今朝ほどもちょっと申し上げたことでございますけれども、会計検査院は、私立大学等経常費補助金の経理につきまして、主として補助金算定の妥当性ということについて着目して検査をしているわけでございますが、ただいま問題となっております寄附金につきましては、それ自体は学校法人会計基準の上では補助金の算定要素である学生納付金には含まれないということになっているものでございます。
また、入試に関して寄附金の授受の取扱いが公正であったかどうかということに関しましては、まず文部科学省当局において大学の適正な管理運営の観点から判断されるべきものと考えております。
今回の問題につきましては文部科学省において厳しく調査されるというふうに伺っておりますので、本院としても当面これに関心を持ちつつその推移を注視しているところでございますが、なおその上で、今後、この補助金に関して検査の必要があるということになれば、学校法人帝京大学を実地に検査するということもあり得るものというふうに考えております。
○畑野君枝君 重大な本当に問題だということが一層明らかになってきたというふうに思います。
それで、私、今回この報告書を読みまして、本当にいい加減な、ずさんな中身だということを先ほど御指摘してまいりました。
それで、普通、報告書を出すときには、十八回も足を運んだら本当にその場でいろいろと詰めた話もして、こういうふうになるときには、途中中間報告もあったわけですけれども、本当に国民が納得できるようなやっぱり誠実な中身にしていく。それがふたを開けてみたら全然駄目でしたというんじゃなくて、やはり文部科学省の責任の問題、これは私、重大だというふうに指摘しなくちゃいけないというふうに思うんです。本当に甘い状況、そして先ほどから言っている帝京大学と口利き問題、政治家を含めた関係。
そして、私、資料で二枚目に付けさせていただきましたけれども、天下りの問題ですね。帝京大学の要職に、文部省から、あるいは厚生労働省から、かつての労働省ですが、要職に就いているわけです。
例えば、資料でいいますと、佐藤義男氏は、帝京大学理工学部事務局長という今要職にありますが、前歴は文化庁会計課補佐、山梨医大事務局長とか、あるいは寒川英希氏は、元帝京平成大学顧問だけれども、前歴は文部省初等中等教育局特殊教育課長、千葉大事務局長。下川啓吉氏は、元帝京大理工学部設立準備委員会事務局長、前歴は文部省大学局高等教育計画課補佐、大阪外語大事務局長。田村嘉望氏は、元冲永文化振興財団常務理事、文部省官房会計課総務班主査、山形大事務局長。瀧澤博三氏は、帝京科学大学長を今やっておられますが、前歴は文部省管理局審議官、内閣審議官、東大事務局長。文部省の管理局というのは元々私学を担当していた部局ですよね。それから玉木正男氏は、元帝京科学大学法人・大学事務局長、元文部省体育局学校給食課長、横浜国立大事務局長。飛田真澄氏は、現在、帝京科学大学事務局長、元文部省生涯学習局学習情報課長、内閣審議官、鹿児島大事務局長。そして、この文教委員長もされていた柳川覺治氏は、現在、帝京科学大学理事、元文部省管理局長。私学担当の局長ですよね。こういう状況です。
今挙げただけでも八人の方の名簿を私たちもずっと調べて今日は資料として出させていただきましたし、また、その下には、関英夫氏、労働問題リサーチセンター理事、これも帝京関連ですが、労働省事務次官。高橋伸治氏、労働問題リサーチセンター理事長、労働省労働基準局賃金福祉部長。こういう状況にあるわけです。もちろん安部英氏は、元帝京大学医学部長で厚生省エイズ研究班初代班長。
こういうことを含めて、本当にこういう天下りの状況で余り調査はできないんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思うんです。
時間が参りましたので、今後、文部科学省としては現地調査を行うというふうにされております。むしろ遅きに失したというふうに思います。今回、調査をやるに当たっては、やはり現場の教職員、事務員、保護者、組合、こういう方々から直接聴取をするべきです。それから、表面上だけでなく、裏の帳簿とか原本の資料、こういうものに当たる。私立学校振興助成法第十二条では、厳しい対応ができると書いてあるわけですね、権限がある。関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査させる、あるいは違反をしたら当該役員の解雇をすべき旨を勧告する。こういうことを含めてきちっと調査をする、このことを大臣に最後に求めたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私どもの方針といたしまして、今回の調査報告書が誠に不十分ということでありまして、これに対して、きちんと現地にも行き、実態を調査するという姿勢でいるところでございます。
○畑野君枝君 正に今、文部科学行政と政治に対する信頼が揺らいでおります。そういう点では、最初に申し上げましたように、正に教育基本法の立場に立ち戻ってそれを徹底させる、そのことが本当に今回の事件からも明らかになったと、そのことを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。



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