2002年5月11日「しんぶん赤旗」より
林紀子議員は四月二十五日の参院文教科学委員会で、国立大学の法人化問題について質問しました。
林氏は「調査検討会議の法人化の最終報告」にある大学の中期目標、中期計画の作成について「尊重とか、配慮を言うが大学の意向を百パーセント受け入れるということか」とただしました。文部科学省の工藤智規高等教育局長は「丸のみというわけにはいかない」とあくまで文部科学相が策定するという考えを示しました。
林氏は、中期計画の内容として「(学生に)入学時と三年進級時にTOEFL(英語検定試験)の受験を課し、三年進級時に上位半数の平均スコアが六百点になるようにする」「教授会の審議事項を見直すとともに、所要時間の縮減を図る」ことなど事細かに例示としてあげていることを指摘。「こんなことまで、いちいち、大臣の認可をうけて、しばられるのか」と質問しました。
工藤局長は「あくまで例示」としながらもその内容を否定しませんでした。また、国立大学が法人化した場合、他の一般の独立行政法人と同様に総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の評価も受け、事務事業の改廃について勧告をされることを明らかにしました。林議員は「なにが何でも独立行政法人化というやり方を改めるべきだ」と主張しました。
2002年5月6日「しんぶん赤旗」より
林紀子議員は四月二十五日の参院文教科学委員会で、定員をはるかに上回る留学生を受け入れながら、その多くが行方不明になリ、公金の不明朗な支出も明らかになっている酒田短大について質問しました。
林氏は、問題の責任が理事者にあるのは明確だが、短期大学としての設置を認可した文部科学省としての責任も重大だと指摘しました。
遠山敦子文部科学相は、認可後は同短大の自己責任だとしつつも、「毎年、実地調査をしているが、すべてカバーしているわけではない」として、今後は「事後的な指導を強化していく」と表明しました。
林氏は、在学生、教職員の今後は大変深刻だとして同省としての対応をただしました。
文部科学省の工藤智規高等教育局長は、学生については転学手続きをすすめ、転学受け入れの協力依頼を全国の国公私立の短大に行ったと答弁。同短大については、できれば再出発したいと理事者が資金確保に努めているとして、それをみて対応したいとのべました。
154-参-文教科学委員会-8号 2002年04月25日
平成十四年四月二十五日(木曜日)
午前十時開会
出席者は左のとおり。
委員長 橋本 聖子君
理 事
阿南 一成君
仲道 俊哉君
小林 元君
風間 昶君
林 紀子君
委 員
有馬 朗人君
有村 治子君
大仁田 厚君
後藤 博子君
中曽根弘文君
岩本 司君
神本美恵子君
鈴木 寛君
内藤 正光君
山本 香苗君
畑野 君枝君
西岡 武夫君
山本 正和君
国務大臣
文部科学大臣 遠山 敦子君
副大臣
文部科学副大臣 青山 丘君
文部科学副大臣 岸田 文雄君
事務局側
常任委員会専門員 巻端 俊兒君
政府参考人
文部科学大臣官房長 結城 章夫君
文部科学省生涯学習政策局長 近藤 信司君
文部科学省初等中等教育局長 矢野 重典君
文部科学省高等教育局長 工藤 智規君
文部科学省研究振興局長 遠藤 昭雄君
文部科学省国際統括官 白川 哲久君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査(国立大学の法人化に関する件)
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○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
私も国立大学の法人化の問題についてお伺いしたいと思いますが、その前にまず、これは国会でも何度も問題になっておりますけれども、酒田短期大学の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。
まず、この問題の現状がどういうふうになっているか、お知らせください。
○政府参考人(工藤智規君) 酒田短期大学につきましては随分御心配をお掛けしているわけでございますが、入学定員を大幅に超えた留学生を受け入れて、かつその留学生が生活の糧を求めて酒田市内からいなくなっている。その学籍管理等が甚だ前例を見ないほどずさんであることからあのようなお騒がせをしているわけでございますが、酒田短期大学の理事会では、現在在籍している留学生を含む学生につきまして、転学の手続を進めようということを四月三日の理事会で決定しておりまして、それに基づいて学生への説明会と転学のための手続を教職員が一丸となって進めているところでございます。酒田短大だけではできませんので、四月十八日には日本私立短期大学協会に対して転学支援のための要請を行ってございます。
私どもも、それをバックアップするために、短大をというよりは留学生をバックアップするために、翌十九日に私どもの立場で私立短期大学協会及び全国の国公私の短期大学に対しまして転学受入れの協力要請をさせていただいたところでございます。その結果、今まだ動いている最中でございますけれども、四月二十二日現在の状況を見ますと、在学している学生は二百五十四人でございまして、そのうち転学希望者が百三人、まだ決まっていない方が百五十人という状況でございます。
また、酒田短大から支援要請を受けました日本私立短期大学協会におきましても関係の大学にアンケート調査を行いまして、その結果、受入れ可能であるという御回答があった短大が四十三校に上っておりまして、その旨は酒田短大の方に知らされているところでございます。
私どもとしても、何しろまず学生の取扱いに第一の主眼を置きまして、引き続き私どもでできることをさせていただきますとともに、そもそも酒田短大そのものに対して引き続き責任ある対応を強く求めてまいりたいと思ってございます。
○林紀子君 ここは六月に閉鎖をするのではないかという話が現地で大分行われているということなんですが、この辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 経営状況は甚だ悪うございまして、理事者が中心になりまして資金確保に奔走しているところなんでございますが、先ほど申しましたように、まだ在学希望といいましょうか、転学をしないという学生がおられる中で、その学生の取扱いに今苦慮しているところでございます。
理事者側としましては、できるだけ資金を確保して、できれば再出発したいという意向をお持ちのようでございますけれども、その資金の確保の見込みがないまま学生をずるずる抱えるのはいかにも無責任でございまして、私どもとしても、まず第一にその資金確保をしっかり見極めを付けて、その後、短大そのものをどうするのか、その存否も含めて理事者側のしっかりした対応を求めているところでございまして、今のところ六月云々という話は決まっているわけでも何でもございません。
○林紀子君 今までのお話とか新聞なども見ますと、定員をはるかに上回る留学生を受け入れたり、ろくな教育もしていない、そして多額の借金、不明朗な使途というようなことで、今回の問題というのは、一番は理事者側にあるというふうに思うわけですけれども、同時に、これは私学であって助成金も受けていないというお話でしたけれども、そもそも認可をしたのは文部科学省だという責任はあるわけですね。そして、奨学金も公金、これが使い込まれているという話もあります。そういうことでは、こんな事態になるまでどうして分からなかったのか、見過ごしたのか、どうしてきちんと指導ができなかったのかと、そういう責任はあると思うのですが、文部科学大臣はこの辺のことをどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 酒田短大の問題は大変遺憾な問題だと思っています。
基本的に、私立大学につきましては、私学の自主性の観点から、設置認可後は自己責任の下での運営がなされるということが期待されているわけでございます。ただ、文部科学省の権限は限られておりますけれども、その中で私学委員制度それから学校法人運営調査委員制度などによって毎年一定数の大学などについて実地視察と必要な指導、助言を行っております。大学数が多いこともあって、酒田短大も含めてすべての大学、短大をカバーし切れていないことも事実であります。今後は、学校法人運営調査委員制度を充実するなどして、事後的な指導の強化にも努めることとしたいと思っております。
ただ、酒田短大の件に関しましては、我が省としましては、昨年この事件が明らかになった後に、これまで、責任者といいますか我が省の担当の課長が現地調査をいたしまして、理事者側と話し合ったりあるいは指導をしたりということに努めてまいっておりまして、再三にわたって必要な資金確保等を含め責任ある対応を取るように強く要請しているところでございます。また、在籍する学生のために、日本私立短期大学協会それから各国公私立短期大学長に対して、転学手続が円滑に進むよう協力依頼もしているところでございまして、私どもとしてはこの問題に対してはきちんとフォローをしてまいっているところでございます。
○林紀子君 学生の転学というのにはいろいろ力を尽くしていらっしゃるということですけれども、教職員の問題ですね、退職しても退職金が支払われていないという人もいるようですし、退職していない人も給与が今どうなっているのかというのも分からないんですが、その辺はどう対処しようとしているのでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 現在、教職員は二十五人ほどいらっしゃるようでございます。目下、授業というよりは学生の転学のために教職員は一丸となって当たっていると聞いているわけでございますし、先ほど申しましたように、学校運営全体、それから公共料金の支払いも含めて大変資金状況がひどい状況にございまして、労働基準監督署から指摘されましたように、教職員に対する給与の支払等について問題を生じてございます。当面、二か月ほど分の給与支払の資金確保がなされているわけでございますが、先行きについて、先ほどの教育の遂行も含めて見通しが立っていないものでございますから、まず、その事業運営に当たる基盤でございます資金の確保の見通しを強く今求めているところでございます。
○林紀子君 この酒田短大の問題は、個別の要素というのもかなりあるんじゃないかとは思いますけれども、全国的にも私学というのはなかなか経営難というところがあると思いますので、こういうふうにもうぎりぎりまで行っちゃって、どうにもならなくなって初めてどうしようかということではなくて、先ほども運営調査制度ですか、そういうことも考えているとおっしゃいましたので、二度とこういうようなことが起こらないようにということを、是非対応をお願いしたいというふうに思うわけです。
次に、独立行政法人の問題についてお伺いいたします。
国立大学の法人化、先月の末に調査検討会議の最終報告が公表されましたけれども、国立大学協会では十九日、四月の十九日の総会でこれを受け入れるということを決定したという新聞報道を読んだわけですが、そこにも様々な懸念が表明されたけれども多数決で採決された、これは異例なやり方だということも報じられておりました。
いろいろな懸念というのが方々で渦巻いているのではないかというふうに思いますので、まず、時間のある限り順次御質問したいと思います。
まず、中期目標、中期計画という問題についてですけれども、先ほど来、大臣、副大臣の御答弁の中で、現在の大学というのは行政組織の一部でいろいろ制約があったけれども、今度は大幅な自律性が独立行政法人ということになったらできるんだというふうにおっしゃっておりましたけれども、しかし、現在の大学の目標というのは大学自身が自主的に決めるというのが原則なんだと思うんですね。ところが、今度のこの独立行政法人ということになりますと、中期目標の作成は、自主性、自律性を尊重し、原案を大学が作成するなど様々に配慮するというふうには言っておりますけれども、しかし、最終的には文部科学大臣が定めるというふうになっていると思いますけれども、こういう設計になっているわけですね。
○国務大臣(遠山敦子君) 最終報告におきまして、中期目標、中期計画については、国として責任を持って所要の予算措置を行う、それから事前関与は最小限に限定するという独立行政法人の考え方を維持しながら、国立大学法人につきましては、大学の自主性、自律性を尊重するという観点から、幾つかの提言がなされております。
その一つは、中期目標と中期計画は、あらかじめ各大学において一体的に原案を検討すること。二つ目には、中期目標については、文部科学大臣は各大学から提出された原案を十分に尊重して大学の特性に配慮して定めること。三つ目には、中期計画は、最終的に確定した中期目標に基づいて各大学が作成し、文部科学大臣の認可を受けることとなっているわけでございます。
さらに、報告では、このような各大学の自主性、自律性を尊重するための仕組みを制度的に担保する必要があるということで、中期目標の作成手続についても提言をしております。その中を見ますと、大学から文部科学大臣への事前の意見の提出を行うようにする、それから文部科学大臣に対する大学の意見への配慮義務というものを明確にする、また文部科学大臣に対する大学の教育研究等の特性への配慮義務というものも持つべしということでございまして、こういう規定を国立大学法人法、仮称でございますが、それを成立させるときには明確に位置付けるということを提言しているところでございます。
○林紀子君 今いろいろ言ってくださいましたけれども、尊重とか配慮とか、こういうふうに言うんですと、大学の意向というのは一〇〇%受け入れられるのか。
例えば、中期目標、中期計画を作るに当たって、自由な発想から生まれる創造的な研究とか、それから人文・社会科学を始めとして、産業技術にはなかなか直結しないけれども学問的意義のある研究、こういうものを積極的に振興したいと、これは大学にとっては大変重要な目標となると思うわけですけれども、こういうような問題についてはいいですよと、一〇〇%受け入れるということになるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 今御指摘のような事柄は大変大事なことでございまして、そういう事柄について、これはこれからの具体的な制度設計でございますけれども、当省に大学からお話があったときにそれを拒絶するとかいうことはあり得ないことだと思います。
ただ、全体の今の独立行政法人制度の骨格といいますのは、一定の国の業務、国が本来行うべき業務を一定の国費を投じながら法人格の下でやっていただくということでございまして、この中期目標という、主務大臣による中期目標の策定というのは事項における国からの交付金の算定の基礎になる部分なのでございます。
したがいまして、基礎研究の遂行とかというのはもちろん当然大事なことでございますが、例えば相当大きなお金が掛かる大規模移転を計画するとか、あるいはこれまでなかった新たな学部をつくるとかいう話になりますと、すぐ、財政事情等を勘案しながら、そのまま丸のみと言っては言葉は悪いんですけれども、全部イエスばかりとは言い切れない部分が出てくるのかもしれません。その辺りは大学側とよく御相談しながら、かつ大学側の意見を尊重しながら進めるべきであるというのが最終報告の御提言でございます。
○林紀子君 それは今までも、国、国立大学という形で予算配分するときにも、一つの学校だけに巨大な何かものを作りたいとかそういうことが、はい、いいですよというふうにはなっていなかったというふうには思うわけですね。ですから、そういうことでは、今まで国立大学であって自分たちで自主的に目標が決められた。
今度は、定めるとか認可をするでしたか、計画については。そういうような文言はありますけれども、じゃ今までと違わないというふうに受け取っていいわけですか。
○政府参考人(工藤智規君) 独立行政法人の基本的な仕組みは、事前の国の関与をできるだけ最小限のものにして、一定の交付金を差し上げて、その実績については評価によって事項も考えていくという全体の流れでございます。
その中で、事前の関与として最低限、通則法、既に先行しております独立行政法人でも措置されておりますのが、一つには法人の長の任命、もう一つには中期目標の策定指示ということでございます。こういう国の関与がありませんと、じゃこういうことをお願いしたいという業務がはっきりしない中で一定の交付金が安定的に支給しにくくなるというのが全体の根底にあるわけでございますが、そういう意味で、そういう通則法の一定の交付金が保障されるという仕組みを活用しながら、かつ国立大学の特性を考えてこの部分の手直しをすべきじゃないかということで、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、通則法とは違う仕組みの御提言がなされているものでございます。
○林紀子君 私も、ですから、その目標と計画というものについてどういうものなのかというのを是非知りたいと思ってこの調査検討会議に出された資料というのを見せていただいたんですが、揚げ足を別に取るわけではないんですが、この百七十四ページのところに、ここはずっと随分分厚く中期目標、中期計画の記載事項例というのが書かれております。その目標のところに、百七十四ページの「運営体制の改善に関する目標」というところに、「大学運営に国と社会の意見を積極的に反映させるための取り組みを進める。」というのが、例えばこれを目標にするんだという事例として挙げられているわけですね。
国の関与は極力控えるという話だったんですが、目標の一つの事例に、国と社会の意見を積極的に反映するというのを、これは一つの事例ですけれども、こういうことを掲げたらいいですよという、そういう見本として出ているのかなと思ったんですが、この国というのは、ですから、どういう意味なんでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) これは百六十五ページをごらんいただきますと、このそもそもの記載事項例の性格について書いてございます。下の方でございますが、これは実際の具体の中期目標、中期計画のモデルとかそういうものになるのではなくて、あくまでも、こういうのがあるよね、ああいうのがあるよねというのを、この調査検討会議のワーキンググループの方々が各大学の関係者に御紹介してあげたのを全部ホチキスで留めたらこんなに膨大になったというものでございまして、随分、細大漏らさずいろんなことが書かれているので、これをすべてやるのは大変だねとなりますので、わざわざこういう注記をさせていただいているところでございます。
多分、ここでの、これは私どものというよりは大学関係者のいろんなアイデアの中で出てきた部分でございますので、ここまで余り議論があったとは記憶していないのでございますけれども、例えば環境に優しい国づくりでございますとか、別に文部科学省だけじゃなくて、国策として大学がかかわるいろんな事柄とかも予想されるわけでございますので、そういうことをどう受け止めるかということも含めて余り深い議論もなく書かれたものと承知してございます。
○林紀子君 これは、ですから、そういうただし書が確かにしてあって、ワーキンググループの皆さんがいろいろこういうものを出されたというものだということは書いてありますけれども、しかし、この本文の方には、報告の方には、「文部科学省や国立大学協会等は、中期目標・中期計画の形式及び内容について、複数の参考例や作成指針等を提示することが望ましい。」というふうになっているわけですから、皆さんがいろいろ出されたことが参考例とかそれから指針になっていくのかなというふうに思ったものですから、そうすると、国と社会の意見を積極的に取り入れるというのは、正に今私たちが国の関与はどうなるのかと非常に神経をとがらせてというか、注目をしているときに、非常にぽろっと思わず本音が出たのかなというふうな読み方をしてしまったわけですけれども、それは、じゃ、これは一つの事例であって、国の関与ということはそういう意味では大丈夫なんだとおっしゃっても、中身から見るとなかなかそうはならないというふうに思うんですね。
それで、これもこの表から拾ったものですから、一つの参考事例ですよとおっしゃられてしまったらそれまでなんですが、中期計画というのは、今度は大臣の認可になるわけですね。その中で、これもまたずらっと書いてあるんですけれども、例えば計画の内容として、「入学時と三年進級時にTOEFLの受験を課し、三年進級時に上位半数の平均スコアが六百点になるようにする。」というのが計画の中の一つに書かれているわけですね。それから、「教授会の審議事項を見直すとともに、所用時間の縮減を図る。」。それから、「セクシャル・ハラスメントの防止を含め、教職員が守るべきガイドラインを定め、学内外に周知・公表する」と。こんな例、例としてこれが挙がっているわけですね。
私などは、このセクハラの問題などはアカデミックハラスメントなどと言って、会社などとは違った、先生と女子学生との関係でセクハラがあってそれは非常に深刻な問題だということで、こういうガイドラインというのは是非定めてほしいということも常々言っているわけですから、こういう中期目標を立てられるのはいいと思うんですね。ただし、こういうことまで、それから教授会の審議事項とか時間まで縮減するなどと、そういう細かなことまで一々大臣の認可を受けなくちゃいけないものなのかどうか、その制度設計というのが非常に不思議だなと。
国の関与は極力少なくすると言いながら、こんなことまで認可をしてくださいというふうになるんでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) これは、今のごらんいただいているところはあくまでも例示でございますし、これをまとめたときにこの調査検討会議の御意見も、何かこんなにやったら大変だねという、その業務の圧倒的な煩雑さなども含めて、もうこんなのは、そもそも本体に載せるのをやめようかという御議論もあったところなんですが、目標評価の委員会でせっかくあちこちアンケートを取りながらまとめたものですから、あくまでも参考でという、この中をつまみ食いしながら各大学がいろいろ御検討いただく材料として、資料として残したというものでございます。
そういう中で、どういう内容で、しかもそれを大臣が認可するのがいいかどうかということでございますが、言葉がいいかどうか、誤解を招くかもしれませんけれども、ありていに申し上げますと、独立行政法人の仕組みといいますのは、主務大臣がこういうことをやってほしいというのは中期目標でその法人の長に示しまして、しかも法人の長というのは自分として任せられる方を理事長として任命するわけですけれども、こういうことをやってくれませんかという色彩のものが中期目標でございます。それを法人の長として、じゃこういうふうにやりますというのが中期計画という位置付けのものでございまして、そこで何となく契約関係みたいなのが成立すれば、じゃそれに伴うお金を差し上げましょうというのが運営費交付金というお金の保証の流れになるのが、ちょっと誤解を招くかもしれませんが、全体のスキームでございます。
そういう中で、国立大学の中期目標、中期計画をどこまで細かく書くのか書かないのかというのはこれからの議論でございますけれども、少なくともある程度安定した教育研究、社会貢献等の役割を行っていただくために一定のものが必要であるというのが基本的な前提として、関係者の議論の前提としてあったわけでございます。
○林紀子君 今のお話を聞いたら何だかかえって分からなくなったんですけれども、主務大臣がこういうことをやってほしいと大学側に言うんですか。そして、法人の長は、それじゃ、こういうことをやりましょう、それに沿った計画はこうですと、こういうことになるんですか。
そうしますと、先ほど遠山大臣が、中期目標、中期計画の作成手続というのは、大学から文部科学大臣へ事前の意見を提出する、原案を提出する、原案は配慮をしなくちゃいけないという義務を課する、そして文部科学大臣に対する大学の教育研究等の特性への配慮義務というのを行うということだとおっしゃったんですね。でも、今、工藤局長のお話だと、大臣の方からこんなことをやってくださいよというのを大学に示すとなると、私は、あくまで大学側の方からこんなことをやりますよというのを大臣に言って、大臣は、さっきのお話だと、予算なんかで膨大に掛かってどうしようもないよというような特別な例以外は、はい、いいですよとほとんど言うんだと、そういうふうな設計なのかなと思ったんですが、大臣の方から言うんですか。
○政府参考人(工藤智規君) 私、前提として申し上げたのは、既に先行しております独立行政法人の一般的なスキームなんでございます。それを大臣が大学に対していきなりこれをやってちょうだいと言うのは大学の自主性とか大学の特性を考えるとおかしいですよねというので、制度設計として大学の自律性、自主性を勘案した特別措置をこのレポートでまとめているわけでございまして、その中で、学長の任命につきましても、大臣が勝手に任命するというよりは学内でしかるべき手続を経て選考いただいた方を御推薦いただく、あるいは中期目標の提示というのは、一般の既に発足しております独立行政法人の場合には主務大臣が指示をするという原則になっているわけでございますが、国立大学法人につきましては、あらかじめ大学から出していただいて、大学の自主性を尊重しながら大臣が定めるという仕組みにしてはどうかというようなまとめになっているものでございます。
済みません、どうも誤解を招くような御発言で。
○林紀子君 大分何か話が百八十度違うんじゃないかと思ったものですからお聞きいたしましたが。
それでは、その次に、これを評価するということになるわけですよね。評価というのはどういうふうに行われるんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) この報告書によりますと、国立大学法人の評価といいますものは、文部科学省に設けます国立大学評価委員会、これはまだ仮称でございますが、これが行うこととされております。
各大学の中期目標には、教育研究などの質の向上に関する目標、あるいは業務運営の改善・効率化に関する目標などの事柄が記載されるわけでございますが、評価というものは、各大学ごとにこれらの目標をどの程度達成しているかという達成度、あるいは分野別の業績等の水準について国立大学評価委員会が行うこととされているわけでございます。
ただ、このうちの教育研究に関する評価につきましては、この国立大学評価委員会ではなくて、外部の専門的な機関であります大学評価・学位授与機構を活用するということになっているわけでございます。
○林紀子君 そうしますと、法人化にもしなりますと、大学評価・学位授与機構に始まって、国立大学評価委員会の評価も受けると。そして、その評価の結果が、先ほど来お話にありましたけれども、運営費交付金というんですか、予算に反映されると、こういう形になるわけですね。
○政府参考人(工藤智規君) おっしゃるとおりでございまして、評価というのは、一つには大学の本来の使命でございます教育研究あるいは社会貢献、そういう役割をもっとパワーアップしていただくために、こういうことをもう少しやったらどうですか、こうしたらどうですか、あるいはよくやってくださっていますねという、インセンティブを与えるという側面が一つございます。
また、実際の実績に基づきまして、若干無駄なお金の使い方をしている部分があればそれは申し上げなきゃいけないことになりましょうし、足りなさそうであればここはまたこっちが、主務省の方が汗をかかなきゃいけないという、こちらに跳ね返ってくることも含めまして、大学の教育研究等の機能を事後的に評価しながら、一層活発に行っていくための一つのサイクルの一環であると、こうお考えいただければと思います。
○林紀子君 さきに御紹介しました国立大学協会の総会では、独法化で、中期目標、業績の数値化、評価結果の予算への反映、こういうサイクルに組み込まれて規制強化になると。学問の自由、大学の自主性を失うという、そういう懸念が学長さんから出されたという報道もあるわけですね。競争原理を知的生産の場の大学に導入することに強い反対がある、これは、全学教員の意見を聞いて参加したけれども、こういう意見だったという、そういう学長さんもいらしたということなんですね。
先ほど来、運営費交付金というのはどういう形で配分されるのかというのは、まだきちんとした枠組みというのができていないというお話がありましたけれども、しかし大学は、今までもう十数年来、大学の関係予算というのはなかなか増えないと。そして、一部の分野だけに予算を重点配分しているという状況が学内でもあるわけですよね。
そうしますと、今大学では、地道な基礎研究に従事する分野では水道代や光熱費もままならないのに、政府がお金をつぎ込んでいいというそういう分野は予算を使い切れないほどあるんだと。研究分野間で驚くような格差が生まれているという話は私も方々で聞くわけなんですね。そうしますと、今度は評価という形で運営費交付金というのがその評価に従って競争原理によって配分をされるということになりましたら、日本じゅうの国立大学、こういう状況になってしまっていくのではないか。
だから、先ほど基礎研究というのが、やりますよということで、それは大変重要な部分だという御答弁をいただいたんですけれども、重要だと認めてくれてもお金がなければ回っていかない、その研究も続けられない。サンスクリットのお話もありましたけれども、お金がなければ研究はできないというのは当たり前だと思うんですね。だから、こういう形で評価、評価に追い立てられて、先ほどの中期目標と、それから中期計画、それも事細かに見て、そしてそれによって評価をされると。それに基づいて評価をされる。
ですから、私は、先ほど文部省、大臣の関与というのはなるべく少なくする、国の関与は少なくするというお話だったんですけれども、この独立行政法人のデザインというのは、まず入口で中期目標、中期計画でがっちりと締めて認可をしたり大臣が定めたりする、そしてその出口のところは評価という形で今度はお金でがっちりと締められると。出口も入口も全部国が関与をする、今まで以上に大きな関与をしていくという、そういうデザインなんじゃないかなと、これを見て本当に思ったわけですね。
余り時間がなくなりましたけれども、そこで、これも先ほど来お話がありましたけれども、独立行政法人の通則法の枠の外なのか、枠の中なのかというお話しありましたけれども、通則法の枠の中だけだけれども、大学ということでいろいろ配慮をしたんだという、そういう制度設計になっているんだというお話があったわけですが、これは最終報告にも書いていないんですけれども、総務省には、この独立行政法人の通則法によりますと、政策評価・独立行政法人評価委員会というのが置かれますよね。独立行政法人になったところは、全部この総務省の評価委員会の評価を受けなければいけないという設計になっていると思うんですね。
それじゃ、大学が独立行政法人になった場合はどうなるんですか。総務省との関係はどうなりますでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほど御指摘ありましたが、この法人制度の下で規制強化になるのではないか、あるいは学問の自由が侵されるのではないか、あるいは大臣の権限が逆に強くなるのではないかという御懸念でございましたけれども、午前中からるる申し上げていますように、これまで国が負っておりました権限が、人事、会計、組織編成等のかなりの権限が理事長たる学長にお任せされる、大変大学の自主性、自律性が拡大するスキームでございます。
その中で、学問の自由の侵犯というのもゆえない疑惑でございますけれども、あえて、このレポートにもありますように、法令の上でそこは大臣がしっかり配慮すべき旨を規定すべきだということまで書いているところでございます。そういう中で、評価の在り方につきましては、既に各省に一つずつ置かれております独立行政法人の評価委員会とは別に国立大学の特性を踏まえて別途国立大学評価委員会を置くべきであると。そこの構成員も、学問といいましょうか、教育研究の世界がよく分かる高度の有識者の方々を中心にして評価を行うべきである。更に加えて、特に教育研究についてはその専門性がありますので、大学評価・学位授与機構を活用するような仕組みでございます。
そういう全体の仕組みではございますが、この国立大学法人も広い意味での独立行政法人という仕組みの中での特例といいましょうか、大学の特性を勘案した制度設計が提案されているわけでございまして、総務省に置かれておりますその評価委員会というのは、各省を通じました全政府レベルの評価機関として、各省の評価委員会が行っております評価結果に関する意見の表明、各省でその評価の基準あるいは厳密さがばらばらであるといけませんので、その辺りに各省に意見を表明する機能、もう一つには、各法人の主要な事務及び事業の改廃について総務省の立場で気付くことがあればそれを勧告するという機能がございます。それは、今申しましたような各省を通じた評価の客観性の担保でございますとか、大臣によります恣意性を極力排除する趣旨で全政府を通じて調整するための仕組みと考えてございまして、国立大学法人の評価についても総務省の評価委員会の審査の対象になるものと理解してございます。
○林紀子君 ですから、ここはもう独立行政法人通則法の外には絶対出られないと、そういうスキームになっているわけですね。
今お話にもありましたけれども、この総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会というのは、事務事業の改廃を勧告することができるということになっているわけですね。そうしますと、最悪の場合といいますか、そういうときには、大学そのものが存続をしなくてももういいんじゃないかと、この大学についてはいろいろな評価を見たけれども、これは改廃を勧告しますよということを文部科学大臣に言われる、そういう可能性もある、そういう力も持っているところだというふうな理解でよろしいんですね。
○政府参考人(工藤智規君) これは、昨年独立行政法人制度が発足して、実際に総務省の全省庁的な調整がどういう機能で働くのかというのが必ずしも実例もございませんし、今後の見通しも分からないところがあるのでございますけれども、例えば各省庁の独立行政法人を通じて、こういう例がいいかどうかもあるのでございますけれども、それぞれの独立行政法人の庁舎の管理、ある法人は自前で管理要員を雇ってやっている、別の法人はそれを外部にアウトソーシングしているというような凸凹があったりしますと、そういう庁舎管理などは外へ任せてはどうですかというような勧告をするということなども分かりやすい例だろうと思います。
極端に、じゃ国立大学をおしなべて見て、あそこの大学は要らないではないかなどということまでおっしゃるのかどうかとなりますと、それは今度主務省に置かれることになります国立大学評価委員会が専門的な観点から御検討いただくことでもございますし、大学を所管する文部科学大臣としての判断もあるわけでございますから、そこまでのことは私どももちょっと考えにくいなと思っているところでございます。
○林紀子君 確かに、先行して独立行政法人になったところは、五年ごとですかね、ですからまだ五年たっていないので、実際にここがどういう仕事をしてどういう勧告をするのかというのは実例は出ていないわけですよね。ですから、そうなんですけれども、しかし、その制度の設計ということは、考え難いとおっしゃっていますけれども、考えられないことはないということも逆に言ったら言えるんじゃないでしょうか。
だから、今まで独立行政法人通則法の枠内だとなかなか大変だから、この通則法というのはなるべく大学の部分は適用しないようにいろいろな配慮をしているんだ、しているんだというふうに今までずっとおっしゃってきましたけれども、しかしこの通則法の枠はどうしてもそこは超えられないところだと。独立行政法人というのは、大きな独立行政法人という設計の中の一つであるから、その枠は超えられないということは明らかだと思うんですね。
一言、やっぱりこの最終報告にはそういうこともあるんだと、必ずしもやめなさい、なくしなさいと言われるかどうか分からないけれども、設計としてはそういうことがあるんだというのをやっぱり書かないと、皆さんの判断が誤る、フェアじゃない、そういうふうに思ったんですよね。
もう時間なくなってしまいましたけれども、やっぱりこういうことでは、私たちは本当に国民の立場に立った真の国立大学の改革ということを進めるためには、研究教育条件の向上を図らなければいけないし、大学の命とも言うべき独立性や自主性を保障する、そのことを第一に考えるべきだというふうに思うんですね。今のようにこういうこともきちんと書かないで、何が何でも独立法人化だという、そういうやり方というのはやっぱり改めるべきではないかということを申し上げて、また次の機会、質問させていただきます。



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