2002年3月1日「しんぶん赤旗」より
日本共産党の石井郁子衆院議員は27日の文部科学委員会で、国立大学の教員養成系大学・学部の統廃合問題に関連して、各大学の自主性を尊重するよう求めました。
石井議員は、文部科学省が各大学にたいし3月中または遅くとも六月までに統廃合に関する計画書の提出を迫っているとされる問題について「そういう指導を本当に行っているのか」と同省の姿勢をただしました。
遠山敦子文科相は「そのような期限を限って計画をということは言っていない」、6月までについても「そこまでにと言っているものではない」と答えました。
石井議員は、昨年6月の国立大学学長会議で遠山文科相が統廃合問題について「最終的には当省の責任において具体的な計画を策定したい」と発言したことを批判。同会議で「1、2年かけていては間に合わない」「ある局面では文部科学省でまとめることになる」との工藤高等教育局長の発言の撤回を求めました。
遠山文科相は「各大学の取り組みを尊重するというのが基本的な態度だ」と答えました。
また、石井議員は4月から始まる新学習指導要領について、5日制を導入しながら地方の教育委員会が「学力低下を懸念して」土曜日の補習授業を計画していることを示し、「学校五日制を崩していくことになる」と指摘しました。
遠山文科相は「土曜日に学校における授業の延長と同じような形態で補習することは望ましくない」と答えました。
平成十四年二月二十七日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 河村 建夫君
理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
理事 田野瀬良太郎君 理事 増田 敏男君
理事 平野 博文君 理事 山谷えり子君
理事 斉藤 鉄夫君 理事 武山百合子君
小渕 優子君 岡下 信子君
小西 理君 近藤 基彦君
杉山 憲夫君 高市 早苗君
谷垣 禎一君 谷田 武彦君
中野 清君 馳 浩君
林田 彪君 二田 孝治君
松野 博一君 松宮 勲君
森岡 正宏君 大石 尚子君
鎌田さゆり君 今野 東君
中津川博郷君 中野 寛成君
藤村 修君 牧 義夫君
牧野 聖修君 山口 壯君
山元 勉君 池坊 保子君
西 博義君 佐藤 公治君
石井 郁子君 児玉 健次君
中西 績介君 山内 惠子君
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文部科学大臣 遠山 敦子君
文部科学副大臣 青山 丘君
文部科学副大臣 岸田 文雄君
文部科学大臣政務官 池坊 保子君
文部科学大臣政務官 加納 時男君
政府参考人(法務省人権擁護局長) 吉戒 修一君
政府参考人(法務省入国管理局長) 中尾 巧君
政府参考人(文部科学省生涯学習政策局長) 近藤 信司君
政府参考人(文部科学省初等中等教育局長) 矢野 重典君
政府参考人(文部科学省高等教育局長) 工藤 智規君
政府参考人(文部科学省高等教育局私学部長) 石川 明君
政府参考人(文部科学省科学技術・学術政策局長)山元 孝二君
政府参考人(文部科学省研究振興局長) 遠藤 昭雄君
政府参考人(文部科学省研究開発局長) 今村 努君
政府参考人(文部科学省スポーツ・青少年局長) 遠藤純一郎君
政府参考人(文化庁次長) 銭谷 眞美君
政府参考人(厚生労働省職業能力開発局長) 酒井 英幸君
文部科学委員会専門員 高橋 徳光君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
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○河村委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
四月から新学習指導要領の本格実施が始まります。それを目前にしまして、文部科学大臣が一月十七日に学びのすすめを発表されました。私は、まずこの問題についてお聞きをしたいというふうに思います。
アピールでは、放課後の時間の活用や補充的な学習、それから朝の読書などの推奨、支援、適切な宿題や課題など家庭における学習の充実等々を勧めているのかなというふうに思います。こうしたことは、学力低下に対しての批判、今各方面から起きておりますけれども、それを意識して出されたのでしょうか。
〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○遠山国務大臣 学びのすすめの中に書き込んでございますけれども、新しい学習指導要領の本当のねらいというものをしっかりと徹底するといいますか、その趣旨が第一でございます。
新しい指導要領というのは、本当に生きる力を育成しようということでございまして、そのことを考えていくと、確かな学力を身につけること、そして豊かな人間性を育成することを初めとして、いろいろな総合的な力を称して生きる力と言っているのだと思いますけれども、学校教育において一番の力点になってくるものの一つが確かな学力ということでございまして、そこのところをしっかりやってもらいたい。
といいますのは、生きる力をはぐくむということで、繰り返し新しい学習指導要領のねらいとして強調されておりますのが、基礎、基本を確実に身につけて、それをもとに、自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力を持つなど、こう書いてあるわけでございますが、そのことを本当に実現してもらいたいということが一つございます。
それと、先ほど来たびたび御説明しておりますけれども、いろいろな調査によりますと、いわゆる学力についての懸念は今のところないわけでございますけれども、本当の意味の学力といいますか、学ぶ習慣でありますとか、学ぶことの楽しみについて体験しているかどうか、学習の意欲があるかというようなことを考えますと、どうも十分ではないわけでございますし、そのことについてしっかりした習慣を子供のころから身につけてほしいということが一つございます。
同時に、新しい学習指導要領でねらいとしております、きめ細かな指導で基礎、基本やみずから学びみずから考える力を身につけることとか、あるいは一人一人の個性等に応じて発展的な学習をしていく、あるいは特色ある学校づくりというようなことも大事であるということで、五つの角度からこういうことを重点にやってもらいたいということで私どもの考え方をお示ししたところでございます。
○石井(郁)委員 今伺っていまして、私は、学習指導要領あるいは学校教育の目標はいろいろあるということで、その中にやはり学力をしっかりつけるということがあるというふうにおっしゃったと思うのですけれども、それはまさに学校教育でつけるべきことですよね。学校教育の第一の課題というか学校教育の目標と思うのですが、先ほどは、放課後の時間を活用しなさい、補充的な学習もしなさい、宿題や課題は家庭でやりなさい、では学校は何なのかという問題がまず浮かんでくるんですよね。
それで、もう一点伺いたいんですが、文部省は昨年教育白書を出されておりますけれども、今議論しようとしている学力問題では、やはりこの当時からいろいろ各界からの懸念というのがございました。
わざわざこの中で質問を立てまして、こういうふうに言っているんですね。学習指導要領が改訂され、教える内容が減ることによって学力が低下するのではないかと心配なのですが、どうなのでしょうかと。それは、文部省がここで答えをつくっていらっしゃって、共通に学ぶ知識の量は減りますが、ゆとりを持って繰り返し学ぶことで基礎、基本の確実な定着を図る、自分で学ぼうとする意欲や学び方をしっかり身につけさせるとともに、高等学校卒業レベルの教育内容の水準はこれまでどおりとしている、学力が低下することのないようにしていますと書かれています。
新しい指導要領によって学力が低下することはありませんと答えていらっしゃいますが、これは今も間違いありませんね。
○遠山国務大臣 今おっしゃったようなことを本当に担保するために、確かな学力の向上のための二〇〇二アピールを出したということでございまして、そのことについて、もちろん新しい学習指導要領のねらいが本当の意味で生かされていけば真の学力は身についていくんだと思いますけれども、しかし、できるだけそのことが確実に実現されるように、こういうことについて留意をしてほしいということで今回のアピールになったところでございます。
○石井(郁)委員 それでは、新しい学習指導要領については、別に問題はない、このとおりやっていくということでございますね。
○遠山国務大臣 新しい学習指導要領については、そのとおりこの四月一日から実施に移すということでございます。
○石井(郁)委員 しかし、いろいろとこの問題をめぐっては国民の間で議論があることはもう文部科学省自身が一番御存じだと思うのです。
これは毎日新聞の二月六日付の社説をちょっと御紹介したいと思うのですが、こういうふうに言っていますね。学力低下を批判された文部科学省が、学力低下を心配する父母らに配慮する余り、新指導要領の基本的な考え方、路線を変えたと受け取られるような言動をとっている、このことが事態を一層複雑にさせていると。つまり、宿題や放課後の補習授業だ、さらに指導要領の内容を超えた発展的な学習というのを奨励している、確かな学力向上のための今申し上げたアピール、出された、これはその典型だと。各学校の創意工夫にゆだねた部分を広げた新指導要領の考え方にも逆行するのではないか、準備を重ねてきた現場は混乱するばかりだ、今文部科学省に第一に求められるのは、基本姿勢を明確にすることだということでございます。
現場を混乱させているという認識はございますか。それから、今、文部省はこの基本姿勢を明確にしなさい、してほしい、これは国民の声にもなっているわけでしょう。これはどのようにお答えになりますか。
○遠山国務大臣 基本姿勢は、まことに明快であろうと思います。この確かな学力の向上のための二〇〇二アピールというのを読んでいただけば、そこに冒頭から、本年四月からの全国の小中学校で実施される新しい学習指導要領のねらいをしっかり伝えるために今回のアピールを出したということがるる書いてございます。
もちろん、国際的な動きでありますとかその他のこともございますけれども、冒頭に書いてありますように、確かな学力の向上と心の教育の充実というのが今進めようとしている教育改革の非常に重要なポイントであって、特に今の学校教育における大きな課題であるというところから今回の施策を明らかにしたということが書いてございます。
その中でも、これまで、新しい学習指導要領の全面実施に向けて、精力的に各学校それから教育委員会で準備を進めていただいているところである、そのことをバックアップするという意味もあって各種の施策を講じているということでございます、そしてさらにそのねらいを確実にしていくために今回のアピールを出したということで、私どものスタンスは非常に明快であろうかと思います。
また、このことについていろいろな論評はございますけれども、むしろ多くの論評としては、この趣旨をきっちり読み込んでいただいて、そして、そういう展望を留意しながら新しい学習指導要領の実施に向けてやっていくということについて、現場の先生方あるいは教育委員会からも、このアピールについてのサポートをいただいているところでございます。
また、このことについては、私どもも確かに広報は非常に大事だと思っておりまして、文部科学省のホームページは常にオープンになっておりますし、また、エル・ネットを通じまして、各教育委員会に対するもの、それからPTA及び保護者に対するものも今放映中でございます。また、小泉内閣のメールマガジンの一月十七日に、そのことについても書かせていただいております。
私どもは、現場に、むしろ自信を持ってこのようなことに留意していくならば新しい学習指導要領のねらいがきっちりと到達されるのだなということを、むしろそのことを確信していただくためにこのたびのアピールを明らかにしたというふうに考えております。
○石井(郁)委員 大変文部省が今ここで揺らいでいるというのはやはり言えないんだろうとは思いますけれども、しかし、そうおっしゃればおっしゃるほどというか、そして学びのすすめなどというアピールを出すがゆえにというか、私は、現場は大変混乱をしているというふうに思うんですね。
そう文部省が確信を持って、これで学力がつくとおっしゃっているようですけれども、今地方ではそうじゃないでしょう。いろいろな動きが起きてきて、新聞にも報道されている。
例えば、東京の台東区では、第一、第三週の土曜日には区内の中学生を対象にして国語、数学、英語の補習授業を実施すると。五日制ということで始まった新学習指導要領ですよね。それできちんと学力もつくんだという学習指導要領の改訂だったわけですけれども、こういう実態。埼玉県の深谷市でも、十九の小中学校で、学力低下は困るから毎週土曜日に希望者を募って補充授業を行うと。それから茨城県古河市、第一、第三土曜日に補習授業を行うことを決めたと報道されています。
何かもう地方では、教育委員会も含めて、補習授業だ、こうしなければ心配だということが出てきている。だから半強制的にこれがなっていって、これはもう学校五日制を崩していくことにもなるわけでしょう。
それから、学習塾の団体に対しても、文部省はこの二月に、土曜日は体験学習にしてほしいという何か希望、要請をしたようですけれども、学習塾へはそういうふうに言いながらも、一方では学校自身が補充授業をしなきゃいけない、これはどういうことになるんですか。こういう土曜日の補充授業というのは、補充学習というのは、どうなんですか、文部省は放置するのですか、認めるのですか。いや、これは大臣できょうは答弁をお願いしていますので、大臣とやりたいと思います。
○遠山国務大臣 学校週五日制を実施していくというのが新しい指導要領の前提になっております。土曜日の活動につきましては、それはそれぞれの教育委員会において判断されることでございますし、各教育委員会におきましては、土曜日におきます児童生徒のさまざまな活動の場、あるいは機会の充実について、完全学校五日制の趣旨を踏まえて既にもうさまざまな工夫を適切に対応していただいておりますし、今後ともその工夫を大いにやっていただきたいと思っております。
国としましても、週末の使い方につきましては、子どもプランでございましたか、週末の二日間をどのように、地域社会及びいろいろな人の援助によってサポートしていくかということについても、三年間にわたっての準備を、各省庁との連携をとりながら、そういうことも準備をしてまいっております。
今先生がおっしゃいましたような例について、よく見てみないと、私は本当にそれが週五日制を壊すような中身であるのかどうかわからないために、今簡単には申し上げられませんけれども、一般論としましては、土曜日に学校におきます授業の延長と同じような形態で補習を実施することは、望ましくないと言えると思います。
学びのすすめにおきましては、放課後の時間などをむしろ活用して、補充的な学習でありますとか、児童生徒の主体的な学習を支援することを提案しているわけでございますが、これは、授業時間だけではなく、放課後や休み時間などを含めて、学校の教育活動全体で児童生徒一人一人に応じた学びの機会の充実を図ることを求めたものでございます。休日、休養日となる土曜日についてまで補習を行うことを推奨するものではないわけでございます。
ただ、それぞれの地域の取り組みは、よく見てみますと、その一般論に当たるものであるかどうかというのは必ずしも単純に言えないのではないかという気がいたします。
また、塾の関係者を集めて担当の方で会をやってもらいましたが、それは、新しい学習指導要領のねらいというものを御説明して、そして塾のあり方を考えるときに参考にしてもらいたいということでお話をしたものと伺っておりまして、学校だけではなく、家庭も地域も、そしてそういう塾のようなあり方も、すべてが子供たちが健全に生きる力を育成していくということにおいて共同してやってもらいたいということから、いろいろな施策を展開しているところでございます。
〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○石井(郁)委員 この問題でもいろいろもっと深めなければいけないと思うんですが、時間の関係もございますので、私は、やはり学習指導要領に一つの問題があるというふうに思っておりまして、そのこともきょうは残念ながら深くは立ち入ることができないわけですけれども、今回の新学習指導要領は、本当にいろいろな問題を含んでいると思いますが、最低基準というふうに文部省は位置づけているんですよね。果たして本当にそうなんだろうかということで、一点例を挙げたいと思うんですね。
これは小学校理科なんですけれども、五年生、種子の中の養分についてはでん粉だけを扱え、同じようにまた、土を発芽の条件や成長の要因としては扱わない。それから六年生では、生物とその環境を扱うときに食物連鎖は取り扱わない等々、これはやっちゃいけないと書いていることが多いんですよ。つまり、学習指導要領には、目標があって内容があって、その内容上の取り扱いということがあるんですけれども、その内容上の取り扱いというところにこういう、これ以上やっちゃいけないと書いてあるんですよ。
例えば四年生も一つ挙げますと、月の動き、三日月とか満月などの中から二つの月の形を扱いなさいと。つまり、それ以上はやっちゃだめです、こう書いているんですよ。だから、これは事実上、もう最高水準じゃないのかということでしょう。
私は、こういう形でできている教科書、そして学習指導要領の縛りのもとでの学校というのが、本当に子供の興味や関心や、そして先生方の教えたいと思う創意や工夫やそういうことにこたえることになるのかという問題が一つあるんですね。
これは、教科書執筆者の皆さんが、今回の教科書をつくってみて、今までと全然違うということを言っていらっしゃるんですよ。それは小学校でも中学校でもそうですが、この中学校の理科の場合でいうと、今まで当たり前に表紙の見返しに入っていた周期表を削れと言う、密度の公式はなくせと言う、密度の単位もなくせと言うと。だから、指導要領というのは余りにもひどくて、いろいろと先生方が工夫して、学習を豊かにしようということで、日常生活とかいろいろな環境の問題とか取り上げてきたんだけれども、そのコラムまでもこの最低基準に沿わせるようにして削れというふうに言われると。これは、本当に、今までこんなこと見たことないというふうに言われるんですね。
だから、私は、もう時間の関係で申し上げますけれども、こういう学習指導要領の縛り、そしてこんな押しつけというのが、むしろ現場の自由な教育活動あるいは創意工夫を阻害しているわけですから、今考えるべきことは、今これだけ学力低下の心配が起きている中で、学習指導要領の押しつけをやはりやめるという立場にもう踏み切った方がいいのではないか。
そういう点で、大臣の所信でも、学ぶ楽しさを体験させたいと、これはもうみんなの悩みになっているわけですから、長年の教育実践、いろいろな教師たちの力量やそんなことも、また親の協力も含めて考えて、そういう学習指導要領で、今、四月から始まることにたくさんのいろいろな問題が出ていますから、私は、本当は、これは実施するというふうに文部科学省は頑張らないで、思い切って見直しをするというぐらいに今踏み切ってほしいと思いますが、そこにいかないにしても、現場の創意工夫はもっと自由に認めるということはぜひしていただきたい。いかがですか。短く答えてください。
○遠山国務大臣 いろいろなことをおっしゃいましたのですけれども、一つだけお話ししておきたいことがございますけれども、学習指導要領に示す各教科等の内容は、特に示す場合を除き、いずれの学校においても取り扱わなければならないとされておりまして、学習指導要領は最低基準としての性格を有しております。
新しい学習指導要領におきましては、基礎、基本の確実な定着を図る観点から、すべての児童生徒が共通に学ぶ内容を厳選するとともに、個に応じた指導の充実とか選択の幅の拡大などによって個性の伸長を図ることにしているわけでございます。
そこで、今お話ございましたけれども、各学校においては、児童生徒の理解の程度に違いがあることを踏まえまして、学習指導要領に示す内容の理解が不十分な児童生徒に対しては、繰り返し指導など補充的な学習を行いましたり、学習指導要領に示す内容を十分理解した児童生徒に対しては、学習指導要領の内容のみにとどまらず、理解をより深めるなどの発展的な学習に取り組ませていくというふうなことが基本的な考え方でございまして、個に応じた指導の充実を図っていく。
先ほどお挙げになりました理科のことについても時間があれば御説明したいと思いますけれども、それは省略させていただきまして、今回の指導要領では、例えば、総合的な学習の時間の使い方でありますとか、カリキュラムの組み方でありますとか、いろいろな点で、それぞれの地域、それぞれの学校、それぞれの教師のいろいろなアイデアが指導の上に反映されるような学習指導要領の考え方になっておりまして、新しい教育課程の実施に当たっては、それぞれの地域の、各学校の取り組みというものが大変重要になってきております。その意味では、大いにねらいを実現するために、各地でいろいろな工夫をしていただきたい、そのような構造で新指導要領はできているということだけはつけ加えさせていただきたいと思います。
○石井(郁)委員 私、きょうはもう一点のテーマで質問をさせていただきます。教員養成系大学の統廃合というか、教員養成系大学・学部の再編統合問題についてでございます。
これは、昨年の六月、大学の構造改革の方針、いわゆる遠山プランが突如として経済財政諮問会議に出されまして、それ以来といいますか、大学は、今、戦後初めてと言ってよいほど、私は、重大な事態に至っているというふうに考えているわけです。
その昨年ですが、暮れも押し迫る十一月二十二日、国立大学の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会、この報告書、これも出されました。きょうは、このことで伺いたいわけですが、この委員会の、今後、国立学校設置法の審議もございますけれども、それに先立ちまして、今ちょっと緊急を要することが出てきておりますので、教員養成大学・学部の統廃合問題をお聞きするわけです。
まず、この一月二十八日から二月一日にかけて、文部科学省は各大学のヒアリングを行ったと思うんですね。それで、教員養成大学の統廃合で具体的計画を出した大学はあるのでしょうか。あるいは、私は、すべての大学が教員養成課程をやはり維持したいという希望を出されたのではないかというふうに、漏れ聞いているわけですけれども、まず、その点で、これも、済みません、きょうは大臣でよろしくお願いします。
○遠山国務大臣 教員養成というのは、私は、大変大事な仕事だと思っております。それを確実にしていくために、再編統合ということは前向きの仕事として取り組んでいきたいと思っているところでございまして、その趣旨は、私は、それぞれの関係大学が今抱えている問題を省みれば十分わかっていただけることではないかと思っているところでございます。
去る一月下旬に、各大学からそれぞれの検討状況をヒアリングしたところでございますけれども、各大学では、先ほど引用されました懇談会の報告の趣旨を踏まえて、目下、鋭意検討している段階と聞いております。また、その結果について、個別のことは聞いておりませんけれども、目下、鋭意検討している段階でございます。
私どもとしましては、この問題、大変重要なことと考えておりますので、各大学との共同作業によって、できるだけ早く再編統合の計画をまとめてまいりたいと思っています。
○石井(郁)委員 私は、統廃合という問題を一律に各大学に押しつける事態というのは大変重大だというふうに思うんですけれども、大臣もおっしゃったように、教員養成がどうあるべきか、その大学はどうあるべきか、これは本当に重大な問題だというふうに考えますと、やはり慎重に行わなければいけないということだろうと思うんですね。ところが、今、各大学では、何か浮き足立って、計画をつくらなきゃいけないという状況にあると私も幾つか聞いているわけであります。
だから、その背景には、文部科学省が三月中にも計画書を出しなさいと言っていることはありませんか、本当に文部省はそういうことを言っているのかどうか、そういう指導を行っているのかどうかという点はいかがですか。
○遠山国務大臣 そのような期限を限って計画をというようなことは言っておりません。
今、御答弁いたしましたように、各大学で検討が進められている段階でございまして、そのような大学における検討をできるだけ尊重していくということを基本として考えていきたいということを申し述べたいと思います。
また、大学だけではなくて、地元教育委員会等の関係者の意見を聞くことも必要と考えておりまして、広く関係者の意見を聞き、理解を得ながら、この問題は取り組んでいきたいというふうに考えています。
○石井(郁)委員 今、御答弁いただきましたように、各大学が検討中、だから、まだ結論は到底出していない、もっともそうだろうと思うんですが、そのように聞きたいというふうに思うんですね。
十一月二十二日に出されたこの懇談会の報告書ですから、もしこれをもとに学内で議論するとしても、本当にまだ時間がない、要するに、始まったばかりだ。私は、これはあくまでも懇談会の報告書であって、一つの参考資料だろうというふうに思いますけれども、三月中になどと言うのは、本当にとんでもない話だというふうに思うので、そうではないということを確認しておきたいというふうに思います。
しかし、もう一方で、大学でまことしやかに言われているのは、来年の概算要求のころ、六月ころには遅くとも間に合わせなければいけないということも聞こえてくるわけです。これはいかがですか。
○遠山国務大臣 今担当局長に確かめましたところ、それぞれの大学で今検討しておられるところでございますので、その検討段階を踏まえた上で、来年度の概算要求までというのも一つのあれかもしれませんけれども、私どもとして、そこまでにというふうなことを明確に言っているわけではございません。
○石井(郁)委員 私は、やはり大学のあり方ですから、本当に地域の発展やあるいは地域の人材養成というか、本当に国民に責任を負う点で、いろいろな大学が取り組みをしてきているわけですから、大学の、大学人の意見というか、大学内の合意というか、大学の自主的な判断というか、そういうことを本当に最大限尊重しなければ、こういう問題は前に進まないというふうに思うんですね。
そういう点で、私は、そういう期限を切っていないと、当然だと思うんですけれども、そういう期限を切らないで、本当に、今大学がどうあるべきかということについて、文部科学省としては、地域も含めて、大学内外、当事者間の粘り強い話し合いをしていく、そういう大学の合意形成を最大限尊重するという立場をはっきりと言明すべきだと思いますが、いかがですか。
○遠山国務大臣 先ほど申したとおり、大学や地元関係者、広い意見を聞きながら、しっかりした計画にしていかなくてはならないと考えております。
○石井(郁)委員 それを信じたいわけですけれども、ここでもう一点、ぜひ確認をしておかなければいけません。
それは、そういう答弁どおりにはなっていないんですよ。今大学では、本当に急いで、拙速に、何とか計画を出さなきゃいけないという動きになっているという点で、その背景に、私は遠山文部科学大臣の御発言そのものがあるというふうに考えております。
これは、昨年の六月十四日に、国立大学の学長会議の際の大臣あいさつがございまして、このように言われているわけですね。学長の皆様から、将来の大学像を念頭に、それぞれ特色としっかりした内実を持った、真に国民の期待にこたえられる国立大学を目指して、積極的に、再編統合等の大胆な計画をお聞かせいただきたいのでございます、皆様の御意見を伺いながら、最終的には当省の責任において具体的な計画を策定したいと思っておりますと。
この最終的には当省の責任において、それは文部省としてそういう広い一般的な意味での責任はあるかもしれませんが、文部科学省が具体的な計画を策定するというふうに皆さんこれは受け取れるんじゃないですか。だから、こういう発言をされますと、一定の時期が来たら、これはもう文部科学省が計画をつくるんだ、つくってしまうんだという形で、今浮き足立ってしまうということがあるわけです。
私は、当省の責任においてこの計画を策定するという発言は非常に問題だというふうに思うんです。どうですか、これはトップダウンで大学の自治に介入するという発言にもつながります、撤回する意思はございませんか。
○遠山国務大臣 今進めようとしております大学の構造改革は、これは本当に、日本の大学がその果たすべき本来の機能を発揮していくために必要な構造改革であると私は思っております。
その意味で、十分各大学において議論をされて、そしてよりよい方向に持っていくということにおいて、ぜひとも御努力をいただきたい、そのことを最大限尊重しながら、しかし、設置者である国としては、ある時期において判断をするということはあり得るのではないか、その趣旨を申し上げたということでございまして、各大学の取り組み、またそのプランがいいものであれば、それを最大限尊重していくというスタンスに変わりはないわけでございます。
○石井(郁)委員 しかし、これは大変問題ですよ。最終的には当省の責任において、その最終というのは、これはある面で何か期限が切られるようにも受け取れるじゃないですか。
では、同じような意味で、工藤高等教育局長もこの会議でここまで言っていらっしゃるわけですね。統合再編について、各大学での検討は一、二年かけていては間に合わない、ある局面では文部科学省でまとめることになる。どうですか、これは。これはもうおどしじゃありませんか。こんなこと言っていいんですか。
大学はどうあるべきか。大学は国民に対して責任を負わなきゃいけないじゃないですか、地域に対しても、あるいは日本の未来に対しても、青少年をちゃんと教育する場としても。そんな簡単に事をこんなふうに進めていいわけですか。私は、こういうことを言う文部省は本当にけしからぬと思います。
この発言は撤回すべきだと重ねて申し上げたいと思います。いかがですか。
○遠山国務大臣 その部分だけをお取り上げになりますと、何かそれなりの意味を持つかのようでございますけれども、やはり今回私どもが進めておりますいろいろな改革の手法、あるいは各大学の意図を十分そんたくしながら進めているということを注目していただき、かつまた、先ほど申し上げました各大学の取り組みを尊重するという基本的な態度であるということを十分に御説明しているわけでございまして、しかし一方で、国民の側から日本の大学のあり方について、ある程度のスピードも持って迅速に、しかし中身のあるものをやってほしいという願いはあるわけでございまして、その辺のところを表現した一つの言い方であるということでございまして、現在、私どもの取り扱っていると申しますか、あるいはこの問題について取り組んでいる姿勢そのものについて御理解をいただきたいと思います。
○石井(郁)委員 本当に今のやり方というのは強引過ぎますよ。この今後の国立の教員養成系大学・学部の在り方について、十一月の二十二日ですよ、懇談会の報告書。それで一、二カ月の間に、例えばもうヒアリングもされたわけでしょう。それから、期限は切らないと言うけれども、一、二年ではもう間に合わないとまで言っておられる。こういう強引さというのは、ちょっと今までありません。大学の取り組みを尊重するということを言われました。しかし、本当にそこをやはりきちんと文部科学省としては行動で示していただきたいというふうに思うのですね。まず、期限を本当に定めないという点では、もう一度確認してよろしいですか。
○遠山国務大臣 構造改革のねらいに照らして、しっかりと各大学で取り組んでいただきたい。そして、その成果を私どもにもぜひ御説明いただいて、ともにこの作業は進めていかなくてはならないと思っております。
したがいまして、これからどのように展開していくか、これは動きながら考えていく面もあるわけでございますけれども、しかし、目標は明確でございますし、そのことについての各大学の御努力、大変ではあろうともちろん思います。しかし、私どもも努力をしながら、これは各大学のためでもあり、かつ国のためでもあり、そして国民のためでもあるというスタンスをきっちりと持った上で、この問題については取り組んでいきたい、そのように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○石井(郁)委員 私、最初に申し上げましたけれども、この一月末から二月初めのヒアリングのときには、各大学は検討中というお話ですが、しかし、大方は教員養成課程はやはり存続したい、存続させたいという意向じゃなかったんですか。そういうことが出てきた場合、これはどうなんですか、構造改革に反するんですか。やはりそういう大学の意向は尊重するということでいいわけですか。
○遠山国務大臣 私は、その個別のヒアリングについて詳細な報告を受けておりませんし、今はそれぞれの大学が鋭意検討中であるということで聞いております。
しかし、懇談会でお示ししました考え方もあるわけでございまして、しかも今各教員養成課程が抱えている大きな問題もございます。そのようなことを乗り越えた上で、どのような形で国民の期待にこたえるような教員養成ができていくかという大局的な御判断もいただきたいともちろん思っております。しかし、その過程においては十分に相談をお互いにしながら、共同作業で進めていくというふうな姿勢でいるところでございます。
○石井(郁)委員 もう時間が参りましたので、この問題で終わらなけりゃいけないんですけれども、やはりこの報告書というのは、あくまでも高等教育局長の私的懇談会の報告書なんですよね。懇談会の報告書ですよ。これがどうして各大学をこれほどまでに、あなた方が今進めているように縛る場になるのか。懇談会というのは、出席者の意見の表明または意見の交換の場にすぎない、決して合議機関としての意思が表明されたことではないというのは、もう常識の話でしょう。だから、それをもうこれしかないんだという形で、私は到底、大学に押しつける、あるいは大学の今後の改革の方向としてこれを金科玉条のごとく使うわけにいかないというふうに思うんです。
このことも厳しく申し上げまして、やはり今のような強権的な、あえて言わせていただきます。大変強引ですよ。こういうやり方を大学に押しつけるということになれば、これはもう本当に大学を大学あらしめてきた自由や民主主義というのは死んでしまうんじゃないですか。それから、本当に社会的な役割を果たしてきたそのこと自身もまさに失われてしまう、存亡の危機にあると言ってもいいというふうに思うんですね。
その意味で、繰り返して、私は、大学人の意向を本当に尊重する、あるいは大学の自主的な判断ということ、これは国民のために責任を負って大学自身がやるということでもあるわけですから、そういう意向というか取り組みを本当に最大限尊重してほしい、すべきだということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。



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