10月31日 文部科学委員会で
「国公私立大学トップ30」構想について質問


153-衆-文部科学委員会-2号 2001年10月31日

平成十三年十月三十一日(水曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 高市 早苗君
   理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 田野瀬良太郎君 理事 高橋 一郎君
   理事 平野 博文君 理事 山谷えり子君
   理事 都築  譲君
      岩倉 博文君    小渕 優子君
      河村 建夫君    倉田 雅年君
      杉山 憲夫君    砂田 圭佑君
      谷垣 禎一君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    中本 太衛君
      馳   浩君    林 省之介君
      増田 敏男君    松野 博一君
      水野 賢一君    森岡 正宏君
      大石 尚子君    鎌田さゆり君
      今野  東君    中野 寛成君
      葉山  峻君    藤村  修君
      牧  義夫君    松野 頼久君
      山口  壯君    山元  勉君
      池坊 保子君    斉藤 鉄夫君
      武山百合子君    石井 郁子君
      児玉 健次君    中西 績介君
      山内 惠子君
    …………………………………
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   文部科学副大臣      青山  丘君
   文部科学副大臣      岸田 文雄君
   厚生労働副大臣      南野知惠子君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   政府参考人(文部科学省大臣官房長) 結城 章夫君
   政府参考人(文部科学省生涯学習政策局長) 近藤 信司君
   政府参考人(文部科学省初等中等教育局長) 矢野 重典君
   政府参考人(文部科学省高等教育局長)  工藤 智規君
   政府参考人(文部科学省高等教育局私学部長) 石川  明君
   政府参考人(文部科学省科学技術・学術政策局長) 山元 孝二君
   政府参考人(文部科学省研究振興局長) 遠藤 昭雄君
   政府参考人(文部科学省研究開発局長) 今村  努君
   政府参考人(文部科学省スポーツ・青少年局長) 遠藤純一郎君
   文部科学委員会専門員   高橋 徳光君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件

     ――――◇―――――

○鈴木(恒)委員長代理 石井郁子さん。

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
 私、きょうは大学問題について質問をさせていただきます。
 学術の中心としての大学のあり方をめぐって重要な局面を迎えています。一つは、大学の構造改革の名のもとに進められている国公私トップ三十育成構想による大学のスクラップ・アンド・ビルドの問題。もう一つは、国立大学の独立行政法人化方針に基づく法人化構想の推進であります。これは、国の知的基盤をなす大学の自主的、創造的発展にとって極めて重大な問題だということでありまして、私は拙速は許されないというふうに思っています。
 そこで、本題に入る前に、科学史についての基本認識をちょっと大臣にお聞きをさせていただきたいのでございます。
 今、リニアモーターカーなどの交通機関、そしてMRIなど、医療機器に画期的転換をもたらしつつあるのが高温超電導ですけれども、この高温超電導物質の発見が各国の研究グループによってしのぎを削って行われているわけですが、その基礎を築いたのは低温超電導。この低温超電導というのはどのように発見されたのでしょうか。

○遠山国務大臣 にわか勉強でございますけれども、超電導現象といいますのは、オランダ、ライデン大学のカメリン・オンネス教授が、十九世紀後半に、極低温における気体の液化に関するレースが起きたわけでございますが、そのレースの中で、独自の工夫を重ねて、一九〇八年にヘリウムの液化に成功して、その後、一九一一年に、マイナス二百六十九度、摂氏でございますが、その液体ヘリウムに種々の金属をつけて電気抵抗を測定したところ、水銀の電気抵抗が突然ゼロになることが発見されたというふうに承知いたしております。
 このオンネス教授は、水銀超電導発見等の業績で一九一三年にノーベル物理学賞を受賞したわけでありまして、長い間のいろいろな努力の結果、そうしたすばらしい発見が行われたというふうに認識しております。

○石井(郁)委員 十九世紀の終わりから二十世紀の初めにかけて、当時といえば、相対性理論とか原子核の研究、原子論、そして量子力学、こういう分野が華やかなりし時代だったかと思うんですが、そういうところで、超低温化の物性の研究というのは、なかなか日が当たらない、見向きもされないという、つまり物を冷やしたらどうなるかという、そういう研究ですから、本当に相手にされないほどの研究をされたということだと思うんですね。それが今日のこういう発展につながっているということが非常に大事かというふうに思うんです。
 もう一点なんですけれども、ノーベル賞を受賞された白川教授、たびたび出ておりますが、この導電性高分子の発見というのはどのようになされたんでしょうか。

○遠山国務大臣 この研究も、まさにそれまでは考えられなかったような、プラスチックが電気を通すというふうなことは、それまでの間はだれも予想しなかったし、この研究者が取り組むまでは、そのことが実験によって明確に出てこなかったわけであります。
 導電性高分子の研究は、一九六七年に白川博士のもとで研究していた研究者が、粉末状ポリアセチレンの合成の際に、誤って通常より一千倍濃い触媒を用いてしまったことによって、薄膜状のポリアセチレンが生成したことがきっかけになっていると聞いております。
 大事なのは、白川博士が、このとき、誤って生成した薄膜状のポリアセチレンがアルミ箔のように光るのを見て、これは電気を通すのだろうと直観して、このポリアセチレンに微量の物質を加えて、電導性が飛躍的に、一千倍でございますけれども、高まることを解明して、一九七七年に論文を発表された、その成果が昨年のノーベル賞受賞につながっていると思います。
 そういういろいろな要素を含んでおりますけれども、人に追随するのではなくて、みずから考えていく独創性、そして長い間の努力、そういった新鮮な着想と地道な取り組みということが重要な要素になっていると考えております。

○石井(郁)委員 大臣がお述べになったとおりでございますけれども、もう一つ加えれば、白川博士が東京工業大学の助手時代、これは学生が行った実験だと言われているんですね。その後、そういういろいろな、アメリカの学者などとの出会いなどを含めましてこの研究につながったということですが、白川先生自身がこう述べておられるわけです。偶然と失敗の結果生まれたとはいえ、とてもプラスチックとは思えない銀色に輝くポリアセチレン薄膜の合成や、それに続くドーピングによる金属化は、現在の錬金術とも言っていいだろうというふうに言われています。
 私は、ここでこういう科学史を振り返ってみても、その時代ではだれもが振り向かないような研究であったとか、非常に地道な研究であったとか、偶然の発見の積み重ねによってその研究を続けたことでつながるという部分があるわけですね。そう考えますと、学問の自由というのをしっかり保障して、そうした研究を支えるということがやはり国の責務だというふうに思いますが、その基本的見解、いかがでございましょうか。

○遠山国務大臣 これまでの御質疑でも再三申しておりますように、人間のすぐれた発想あるいは独創的な研究というものを大事にしていく、これが特に大学の研究者たちの基本でありまして、そういった取り組みを十分にサポートしていく、これも大変大事なことだと思っております。
 殊に大学というのは、学術研究と教育といずれも大事でございまして、同時に、社会の中の存在ということも視野に入れながら、それぞれの研究者が伸び伸びとすぐれた研究をし、またそれを教育に反映し、そして社会にも貢献していく、そのような形での大学のあり方というものを私どもとしてはサポートしていきたいと考えておりまして、一言で言えば、基礎研究の重要性というのは、申すまでもなく大事であるわけでございます。

○石井(郁)委員 ところが、文部科学省が実際に今施策として行おうとしているということは、私は、今の大臣の御答弁に反するような方向ではないかと言わざるを得ないわけでございます。
 ことし六月に出された大学の構造改革の方針によりまして、筑波大学と図書館情報大学との統合、また山梨大学と山梨医科大学の統合など、国立大学の再編統合が急ピッチで進められているという状況ですね。これは、国立大学のスクラップ・アンド・ビルドとともに、国公私トップ三十育成、この構想なるものも打ち出していることと絡まっています。
 このトップ三十育成構想で、早くも来年度から実施するということで概算要求にものせているわけですね。まず、この来年の概算要求のトップ三十構想というのはどういうものでしょうか。これも一応基本的な構想ですので、大臣から御答弁をいただければと思います。

○遠山国務大臣 大学の構造改革の方針においては、非常に端的な表現でありながら、これからの歩むべき道について方針を示したわけでございますけれども、トップ三十という言い方は、私はシンボリックなものだと考えております。何も日本の大学の中から三十を選んで、それに重点化していくというような意味ではありません。
 巻き返し繰り返しいろいろなところで関係者からも説明しておりますし、私もあらゆるチャンネルを通じて説明いたしておりますけれども、第三者の評価によってすぐれた取り組みを行っているようなところについては重点的にこれをサポートしていく。それは特定の、あるいは決めた三十の大学だけということではなくて、分野別に選んで、しかもそれは客観的な評価のもとに、取り組みがすぐれているというところに着目をしながら重点投資をしていく。
 それは、これまでのようにどちらかと言えば護送船団的な行き方ではなくて、あるいは結果の平等のみを求めるような資源配分ではなくて、今日の限られた資源を十分に活用しながら、これからの日本のあり方に貢献していただくような大学にしていく、そのようなことをねらいにしていっているわけでございまして、そこのところは、どの大学でもトップ三十になり得る、これは常に評価をもってトップの中に入れることができるというのが一点、客観的な評価によるものが一点、特定の大学ということではなくて、より細かい分野について見るということなど、さまざまな条件を考えているところでございます。

○石井(郁)委員 高等教育局の平成十四年度の概算要求主要事項の説明でもその点では私どもも伺っているんですけれども、トップ三十に、これは三十は固定しないという話でもありますけれども、思い切った重点投資をする、平たく言えばそういうことですね。それのために評価機関、評価も行いながらするということですけれども、私は、これは国が特定の研究分野を育成するという、あるいは選定し育成する、その分野のみの育成を図るということになりますので、一方で、やはりスクラップと研究分野の切り捨てということを伴わざるを得ないのではないかということが心配であります。
 それで、少し具体的にお聞きしますけれども、評価なんですが、その選定機関を文部省内に設置するということを打ち出されているんですね。これは、来年度の概算要求には、国がその選定の仕組みとして、文部科学省に有識者、専門家で構成される審査委員会を設置するというふうに言われています。第三者機関ではないんじゃないですか。文部科学省直轄の審査委員会ということではありませんか。
 だから、なぜ国による審査委員会なのか、どういう委員会で、これはどのように評価されるのか、この構想もぜひお聞かせいただきたいと思います。これも大臣にお願いします。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

○岸田副大臣 済みません、内容ですので、私の方から御説明させていただきます。
 具体的な仕組みの詳細については、目下関係の審議会等の有識者により検討中でありますが、例えば、この教育研究活動実績の具体的な評価の視点として、論文の被引用数あるいはインパクトの度合い、競争的資金等の獲得状況あるいは学会賞等々の受賞状況等、こんなものが今挙げられてはおります。
 そして、今御指摘の審査委員会の公平性、公正性、こういった点についてでありますが、これはあくまでも学問分野別に専門家や有識者で構成するものであります。ですから、文部科学省が行政ベースで配分対象を決めるのではないということがポイントであります。文部科学省が行政ベースで配分対象を決めるのではなくて、専門家や有識者で構成される審査委員会、こうした審査委員会において公正、公平が図られるよう意を用いてまいりたいと思っております。

○石井(郁)委員 有識者と専門家でつくられたらそれが公平だ、公正だという保障にはならないですよ。だってこれ、どういう選定されるんですか。まず文部省が選定されるでしょう。そして委嘱もされるんでしょう。そこをはっきりさせてください。全然第三者じゃないじゃないですか。文部省の中にそういう審査委員会を設けるということでしょう。それを伺っているんですよ。それをはっきりしてください。

○岸田副大臣 この審査委員会の公正性、公平性については、もちろんその人選も重要なポイントでありますが、やはりこの審査あるいは評価の基準、さらには審査結果を公表する、こういった面での透明性も大変重要なポイントだと思っております。
 その各要素が相まって、社会から、そして国民から認められるような公平性、公正性は確保されるものだと考えておりますので、それぞれの分野でその公平性、公正性が保てるように、しっかりとこれから検討していきたいと思っております。

○石井(郁)委員 私はとてもその御説明では納得できませんね。これは全然第三者の評価機関じゃないですよ。国による審査委員会、文部科学省のもとにつくる審査委員会、そういうものですよ、今の御説明だと。
 それは、私、大変本当に重大な問題だというふうに思うんですね。こういうことを文部科学省が、このトップ三十構想のもとで、重点配分をするというもとでつくり出すというのは、これは今までなかったことですから、私はこの点で本当に重大な問題をはらんでいるというふうに考えているわけです。
 それで、この問題はやはり、「学問の自由は、これを保障する。」というふうにうたっている憲法二十三条とも関係する極めて大きな問題だというふうに私は思うんですね。
 改めて、この二十三条について、憲法制定時の議会はどんな議論だったのかということをちょっと御紹介させていただくんですが、「「學問の自由」ト申シマスルノハ、学問ヲスル方法又学問ノ内容、又学問ニ依ツテ得タル所ノ結論ト云フ面ニ亘リマシテ、国家ヨリ干渉ヲ受ケ、其ノ研究者ノナサント欲シ、定メント欲スル所ヲ妨ゲラルルコトガナイト云フ意味デアリマス」と。「保障する。」というのは、「公ノ権力ヲ以テ其ノ伸ビテ行ク本人ノ働キヲ妨ゲナイト云フコトデアリマス」という説明がされています。「一ツノ政治的ナル権力ガ、自分達ノ行動ヲ思フヤウニ発展セシメヨウト致シマスルト、各人ガ其ノ心ノ自然ノ伸ビ方トシテ学問ヲ研究致シマスル所ニ、大イナル妨ゲヲ生ズル訳デアリマス」と。これは当時の金森徳次郎国務大臣の御答弁ですよね。
 私は、やはり今これを考えましても、本当にこれに反する事態が進もうとしているんじゃないかというふうに言わざるを得ません。まさに学問の自由というのがなくて、国家に枢要なる学術というのを研究、教授したというのは戦前ですから、それと同じようなことになるのではないかと。大臣、御答弁ください。

○遠山国務大臣 先ほど来何人かの委員にお答えしておりますことをお聞きいただけていなかったのではないかと思うわけでございます。
 科学研究費補助金、長い歴史を持ちながら、それぞれの研究者の発想を大事にしてボトムアップでやってきた、これは倍増しようと言っております。そして、学問の自由を基礎として、そして現実に評価をして、そしてすぐれた研究を行っていこう、バックアップしていこうということでございます。
 私は、先ほどの副大臣の答弁において、これからその評価のあり方については検討するということでございます。構造改革内閣でございますから、すべての改革をできるだけ速いテンポで行うということを前提にしておりますので、来年度予算要求で、トップ三十といいますか、そういう重点化をしていくことについて要求をしております以上、来年度から走るわけでございますけれども、私は、国がそういう評価をするということは、私はあるべき方向ではない、できれば、第三者機関というものはきっちりできて、そして先ほど副大臣が申し上げましたような視点も考慮しながら、それぞれの大学の発想というものを大事にしていくべきではないかと思っております。
 しかし、初年度からそれを達成するわけにまいりませんので、これを初年度においては、分野も限られておりますし、先ほど説明しましたような形で選んで重点投資をしていくということでございますが、将来的なことについては十分な検討、これは中央教育審議会のところで御議論をいただいておりますけれども、そういう組織というものをきちんと考えて、そして自由な発想というのを原点にしながら、すぐれた研究あるいはその研究体制というものをバックアップしていくということにおいて、誤りなきを期していきたいと考えております。

○石井(郁)委員 ちょっと何か委員会中ざわめいたようですけれども、やはり大臣の御答弁で、先ほど来聞いていなかったんじゃないかと言われたのは、私は取り消していただきたいというふうに思います。
 もちろん私はずっとおりましたから聞いております。学問の自由との関係で質問したのは私が初めてだと思います。それは今まで質疑がなかったわけですよ。それから、国の審査機関のあり方の問題を私は問いかけているわけです。決してそれは、ただ評価の基準をどうするかとか、そのメンバーをどうするかという、そういう問題だけじゃないんですね。文部科学省内に評価機関を置くということなんですよ、これは第三者機関じゃないんですよ。そのことを問題にしているんですよ。これは今初めて質疑しているんじゃないですか。これはおかしいですよ。それは私取り消していただきたいというふうに思います。そして……(発言する者あり)ということです。
 重ねて、私、やはり憲法にこだわっていますが、「註解日本国憲法」には、より具体的に書いているんですよね。五つの項目がありますけれども、二つぐらい御紹介しますが、学者、研究者はその領域における専門家です、その領域において指導的立場にあるいわば選ばれたる人であるから、通常の人を対象とし、通常の人の平均的な水準に立脚する政治や行政が、その判断に基づいてみだりに干渉すべきではなく、国家も社会も独立性を尊重すべきだとあるでしょう。それから、学問上の進歩及び新発見は一般の常識的な世界観から見れば奇異に感じられることが多い、常に世間の常識的な見方から反対され、場合によっては迫害されるのであるが、やがて真理の力によって説得せずにはいなかったということが人類の歴史的な経験である以上、この歴史的な経験を謙虚に尊重すべきであることというふうに述べています。
 私は、やはりこういう立場に立っても、御答弁でも、今文部科学省がやろうとしているのは、これを本当に逸脱する問題だ、この憲法に明記されている学問の自由に反することをやはりやろうとしているという点で、これは大変重大な問題だというふうに考えているわけでございます。
 もう一度、御答弁ください。

○遠山国務大臣 先ほどの冒頭の発言は、私は、基礎研究ないし学問の重要性についてるるお話をしてきましたという意味で申し上げました。(石井(郁)委員「取り消すんですか、どうです、基礎研究のことだけ言っていませんよ、私は」と呼ぶ)
 ですから、その後半のことにつきましては、それぞれの答弁の段階でお答えをしたとおりでございます。もし失礼に当たるのであれば、お許しをいただきたいとは思いますが……(発言する者あり)しかし、学問の重要性については、私は信念を持ってこれまでもお答えをしてきたということを申し上げてまいりました。

○石井(郁)委員 やはりすれ違っているわけですよ。基礎研究については、午前中の審議、その他で他の議員にいろいろ御答弁されたと思いますけれども、私、基礎研究のことだけ述べていませんよ。やはり私の質問をまともに受けとめていただきたいですね。その上で御答弁いただかないと、これは困るわけです。だから、そこは重ねて、最初の冒頭の発言部分は取り消していただきたいというふうに私は思います。委員長にお願いをいたします。

○高市委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○高市委員長 速記を起こしてください。
 石井委員及び遠山大臣に申し上げます。
 現在、今ほど理事の皆様もお話し合いになられましたけれども、別の議員に、自由党の別の議員に、別の議員の質問に対して答弁があったとしても、ここは、それぞれ各党の国会議員が自由に質疑をする場でございますので、以前に答弁があったとしても、これは丁寧にお答えをいただきたいと思います。大臣には、委員長としてその点、申し上げます。
 そして、議事を、議事録をもう一度精査しつつ、先ほどの大臣の発言、取り消していただく、いただかないということについても、理事会の扱いにさせていただきたいと思います。石井委員、よろしいですか。
 それでは、質疑を続行させていただきます。石井郁子君。

○石井(郁)委員 よろしくお願いします。
 私、申し上げているのは、やはり国が学問研究に介入してはならないというその原則をしっかり踏まえていただきたいということであります。
 その点では、この委員会でも名前がたびたび出ておりますけれども、ノーベル化学賞を受賞された野依名大教授はいろいろなことをおっしゃっていますよ。選考機関がどの分野を重要と認めるかは極めて主観的なことだと。先ほどノーベル賞三十人という問題がいろいろありましたけれども、そういう批判もあります。白川氏も、日本の科学分野の学術研究水準は世界に引けをとらない、他の分野でも能力のある人はいる、よい論文を書いたからといって世界に評価されるわけでもないというふうに述べていらっしゃるわけです。
 だから、重ねて、国が評価をするということは本当に慎重でなければいけないし、そういう意味での、評価して学術研究を統制するというようなことはやはり絶対やってはいけないことだということを強調したいわけであります。
 そこで、今研究者の間からいろいろ声が出ていると思います。その点で伺うのですが、七月十一日には国立遺伝研究所、国立極地研究所など十四の大学共同利用機関の長の皆さんが総理大臣あてに要望書を出されていますね。「わが国の最近の科学技術政策について 基礎的科学研究の推進の必要性」ということで出されています。
 こういうふうになると、基礎研究なんですけれども、基礎的科学諸分野や基礎研究の強化を怠って我が国の科学と文化及び科学と技術の土壌を損なうことは何としても避けなければなりません、さもなければ創造的科学技術立国の種は芽を出したとしても大きく育つことはできない、このことを懸念するとおっしゃっていらっしゃいます。そして、今の状況を憂慮して、理系、文系などの分野を超えて平成十四年度予算等当面の施策において基礎的研究の推進に十分な配慮をされることを望むとしています。
 こういう声にやはり文部科学省がまずこたえるべきだというふうに思いますが、御見解、いかがでしょうか。それは大臣にお願いします。

○遠山国務大臣 今御指摘のペーパーで述べられております基礎研究の重要性、これはもう言うまでもないと思いますし、この拡充については私どもは力を十分注いでまいりたいと思います。

○石井(郁)委員 同じように国立大学協会からも声が上がっておりまして、大学の構造改革の方針についてですが、この内容については、本協会などとは何らの相談もなく文部科学省が一方的に発表したものである、大学の現場では無用の混乱を生じている、こういう指摘がされています。
 私は、今までも、大学行政というか、学術行政が現場の大学の人たちの声をいわば十分聞くことなく、本当に上から一方的に行われたというのも、ちょっとかつてないと思うのですね。だから、こういう一方的な、権力的なやり方というのは、本当に大学行政、学術行政になじみませんし、避けるべきだと思います。
 この意味で、トップ三十構想、来年度の予算をもう要求していらっしゃるわけですけれども、私はストップをして考え直すべきだというふうに思いますが、御答弁、いかがですか。

○岸田副大臣 先ほど来御議論いただいております大学構造改革、そしてトップ三十の議論がありますが、先ほど大臣から申し上げましたように、限られた資源を最大限どう活用していくかという発想のもとに再編統合の議論があったり、またトップ三十もある面ではそういった発想も大きなポイントだというふうに思っております。
 しかし、大学の構造改革、大学の改革ということを考えますならば、これはトップ三十、研究だけが大学のすべてではないと思っております。大学には研究という重要な役割もあるわけですが、一方で教育という部分もありますし、また組織運営という面でも重要な仕事があるわけであります。
 ですから、個性輝く大学をつくっていくということの中で、そのトップ三十というのは一つの要素だとは思っていますが、教育面で大いに大学の特色を出していく、そういった面で生きていく大学もあること、これは大いに期待されるところでありますし、いろいろな見方そしてポイントで大学というものを見ていき、その中でトータルとして大学全体が活性化していく、こういった考え方が大切だというふうに思っております。
 トップ三十というのは大切なポイントでありますが、大学改革のすべてではないということ、このことはもう一度確認しておきたいと思います。

○石井(郁)委員 この問題は、国立大学だけではなくて、実は私学にも大きくかかわってくる問題がありまして、来年度の概算要求の中には、私学の予算で私立大学の教育研究高度化推進の特別補助ということで、これも文部省内に審査委員会を設けて国からの特別補助ということで行う重点化なんですね。
 私学については、今までサポート・ノーコントロールということで議論があったりして、直接補助ではなくていわば間接補助ということを原則にして進められてきたと思うのですが、今回それがまた非常に大きく変わったのじゃないでしょうか。
 私は、私学の補助の問題も、私学振興助成法第十一条でも事業団を通じた間接補助という規定があるのですけれども、それも今回踏み破ってというか踏み越えてというか、直接補助に国として、文部科学省として乗り出そうとしているというのは非常に重大だというふうに思うのですが、私立大学の特定分野の育成にも乗り出そうとしているという問題についてもう一点伺って、もう時間が参りました、質問を終わります。

○岸田副大臣 先生からの御指摘、私立大学教育研究高度化推進特別補助という名称で今平成十四年度の概算要求において要求している部分の御指摘だと存じます。
 この部分、三百九十三億円の金額を、すぐれた教育研究を実践する卓越した大学院への支援ですとか、あるいは先端的、先導的研究を初めとする科学技術、学術研究の推進、あるいは学部における教育の質の向上や教育システムの改善、こういった点に重点的な支援を行うということで要求をしているわけです。
 そして、今御指摘がありましたように、これを間接補助ではなくして直接交付にしている、この点についてでありますけれども、私立大学等経常費補助金の交付は、もう先生御案内のとおり日本私立学校振興・共済事業団を通じた間接補助として実施しております。その理由として、私学の自主性の尊重や私学事業団における私学振興施策を総合的、効率的に実施すること等を政策的に判断した結果だということであります。
 このことは大変重要なことだと思っておりますし、これからも尊重していかなければいけないと思っておりますが、今冒頭に申し上げました私立大学教育研究高度化推進特別補助、これは先ほど申し上げましたような目的、ねらいを持って予算要求をしているわけですが、この補助の性格上、例えば研究設備等と一体化した配分が必要になってきます。これは、研究設備等は従来も直接に補助を行っているわけでありまして、こうした予算と一体的に配分をするというようなことを考えた場合に、この直接補助という形をお願いしたということでございます。
 私立学校振興助成法第十一条においては、日本私立学校振興・共済事業団を通じて行うことができると規定されておりまして、国が直接交付を行うことも予想されているわけであります。こういったあたりも勘案し、なおかつこの予算の中身、この研究設備との一体化というポイントを考えまして、こういった形で直接交付にさせていただいたということでございます。

○石井(郁)委員 終わります。

 
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